(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202649
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】手持ち式機器および振動取消方法
(51)【国際特許分類】
A61F 4/00 20060101AFI20170914BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
A61F4/00
A61G12/00 D
【請求項の数】19
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-144247(P2016-144247)
(22)【出願日】2016年7月22日
(65)【公開番号】特開2017-23752(P2017-23752A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2016年7月26日
(31)【優先権主張番号】14/806,661
(32)【優先日】2015年7月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516221410
【氏名又は名称】慕康生技醫藥股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 永熙
(72)【発明者】
【氏名】洪 柏智
【審査官】
宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0297022(US,A1)
【文献】
特開2008−067936(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0228362(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 4/00
A61G 12/00
A47G 21/00 − A47G 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち式機器であって、
持ち手を有し、振動動作を受け止めるベースと、
前記手持ち式機器を物体に着脱可能に接続するために前記ベースに連結されるグリップ要素と、
前記振動動作の加速度を検知して加速度信号を生成する少なくとも1つの慣性センサと、
前記加速度信号に従い取消決定を生成することを判断する処理ユニットと、
前記取消決定に従い前記グリップ要素の動作を制御し、前記加速度を弱める少なくとも1つのアクチュエータと、
を備え、
前記処理ユニットは、前記加速度信号が第1の閾値より小さい場合に、前記取消決定を生成し、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記加速度信号が前記第1の閾値より小さい場合に、前記グリップ要素が上昇するように制御する手持ち式機器。
【請求項2】
周波数範囲外の前記加速度信号の周波数要素を拒絶するバンドパスフィルタをさらに備える請求項1に記載の手持ち式機器。
【請求項3】
前記周波数範囲は2から24Hzである請求項2に記載の手持ち式機器。
【請求項4】
前記処理ユニットは前記加速度信号から重力要素を除去する請求項1に記載の手持ち式機器。
【請求項5】
前記処理ユニットは、前記加速度信号が第2の閾値より大きい場合に、前記取消決定を生成する請求項1に記載の手持ち式機器。
【請求項6】
前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記加速度信号が前記第2の閾値より大きい場合に、前記グリップ要素が下降するように制御する請求項5に記載の手持ち式機器。
【請求項7】
前記グリップ要素の位置を検知して位置信号を生成する少なくとも1つの位置センサをさらに備える請求項1に記載の手持ち式機器。
【請求項8】
前記処理ユニットは、前記位置信号に従い、前記位置が中立位置にあるかどうかを判断し、位置較正信号を生成する請求項7に記載の手持ち式機器。
【請求項9】
前記処理ユニットは、前記アクチュエータに前記グリップ要素を前記中立位置に戻すように再設定する請求項8に記載の手持ち式機器。
【請求項10】
前記振動動作の機械力を電力に変換する電力変換装置と、
前記電力変換装置に電気的に結合され、前記電力を格納する電池と、
前記処理ユニットに結合され、前記手持ち式機器の状態の音の通知を放送するスピーカと、
をさらに備える請求項1に記載の手持ち式機器。
【請求項11】
前記処理ユニットに電気的に連結され、前記振動動作および前記加速度信号のデータを少なくとも1つの外部装置にアップロードするインターフェースモジュールをさらに備える請求項1に記載の手持ち式機器。
【請求項12】
前記処理ユニットは前記加速度信号に従い前記持ち手が把持されているかどうかを決定し、所定の期間、前記持ち手が把持されていない場合に前記手持ち式機器の電源を切る請求項1に記載の手持ち式機器。
【請求項13】
グリップ要素を制御する振動取消方法であって、
振動動作の加速度を検知するステップと、
周波数範囲外の前記加速度の周波数要素を拒絶するステップと、
前記加速度から重力要素を除去するステップと、
前記加速度が第1の閾値より小さい場合に、前記グリップ要素が上昇するステップと、
前記加速度が第2の閾値より大きい場合に、前記グリップ要素が下降するステップと
を備える振動取消方法。
【請求項14】
前記周波数範囲は2から24Hzである請求項13に記載の振動取消方法。
【請求項15】
前記グリップ要素の位置を検知するステップをさらに備える請求項13に記載の振動取消方法。
【請求項16】
前記位置が中立位置にあるかどうかを判断するステップをさらに備える請求項15に記載の振動取消方法。
【請求項17】
前記位置が前記中立位置になければ、前記グリップ要素を前記中立位置に戻すように再設定するステップをさらに備える請求項16に記載の振動取消方法。
【請求項18】
前記振動動作の機械力を電力に変換するステップをさらに備える請求項13に記載の振動取消方法。
【請求項19】
前記振動動作および前記加速度のデータを外部装置にアップロードするステップをさらに備える請求項13に記載の振動取消方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手持ち式機器および振動取消方法に関連し、特に振戦の動きを弱めることにより患者の不快感および不便を最小化する手持ち式機器および振動打消方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
振戦とは、人体の意図しない筋肉の動きを意味する。神経に起因する病気と診断された人々は振戦に悩まされている。本態性振戦は普通の振戦のタイプであり、多くの人々、特に高齢者はこのタイプの振戦に悩まされている。本態性振戦の効果は重大な障害を引き起こす可能性がある。この振戦があると診断された人々は、例えば、食べること、飲むこと、鍵の使用、コンピューターのタイピングまたは化粧をするといった必要な日常の機能を行うのが困難になる可能性があり、この振戦によって、これらの人々の生活の質が低下することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本態性振戦の様々な治療が存在するが、これまでは限られた有効性しか示されてこなかった。例えば、薬理学の治療が望ましくない筋肉の動きを軽減するのに役立つことが知られる。しかし、これらの治療の有効性は変化し得、通常は試行錯誤に基づき記載される。さらに、本態性振戦に通常使用されるベータ遮断薬が低血糖の兆候を隠蔽し、高齢者の物忘れおよび混乱を引き起こし得るため、副作用が重大になり得る。薬物治療が効かないまたは深刻な重症の振戦を有する患者にとって、薬理学の解決策のみでは不適切であることが多い。これらの場合では、視床脳深部刺激のような外科手術が使用されても良い。しかしこれらの治療は術中または術後のリスクを含み、常に望ましいとは限らない。
【0004】
現在の治療の選択肢に拘わらず、多くの患者は、リスクおよび副作用を耐え難いと考えているため、治療できない振戦を抱えるか、治療を断っている。このグループに対する1つのアプローチは人間の振戦を物理的に停止させる振戦抑制装置の使用である。これらの装置は大きな不動の塊により支持され、適切なタイミングおよび測定による力をユーザの罹患した人体の部分に搬送する。例えば、重いテーブルにより支持される物理的に接地された操縦かんが、機械的に人間の振戦を弱め、電子車椅子の全体の制御を助けるために開発されてきた。他の例では、着用可能な人工装具が操作者の体の大部分から生成される能動的制御を使用して振戦を抑制する。物理的に接地された装置は人間の振戦を停止させることが可能であるが、その人間は例えば比較的大きな力が罹患した四肢に付与される時に生じる不快感または痛みのようないくつかの不利益に悩まされる。さらに、これらの装置は通常、意図された動きと意図されない動きとを区別できない。従って患者は、装置をぎこちなく妨害的に着用する経験を隠蔽する、全てが規則的に方向付けられた動きに耐えることに直面する。さらに、ほとんどの接地された人工装具は全体の大きさ、重量およびコストに加えて複雑な構造を必要とし、それは接地された人工装具を日常活動での使用において非実用的にし得る。
【0005】
さらに、形状記憶合金(SMA)がこれらの振戦抑制装置の動きを制御するために使用される。しかし、SMAは金属疲労の問題を有し、それは時間が経つにつれ、ますます深刻になり最終的にこれらの振戦抑制装置を作動できなくする。
【0006】
従って、従来の振戦抑制装置は改良される必要がある。
【0007】
よって、本発明の目的の1つは手持ち式機器および振動取消方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、手持ち式機器であって、持ち手を含み、振動動作を受け止めるベースと、手持ち式機器を物体に着脱可能に接続するためにベースに連結されるグリップ要素と、振動動作の加速度を検知して加速度信号を生成する少なくとも1つの慣性センサと、加速度信号に従い取消決定を生成することを判断する処理ユニットと、取消決定に従いグリップ要素の動作を制御し、加速度を弱める少なくとも1つのアクチュエータとを含む手持ち式機器を開示する。
【0009】
本発明は、グリップ要素を制御する振動取消方法であって、振動動作の加速度を検知するステップと、周波数範囲外の加速度の周波数要素を拒絶するステップと、加速度から重力要素を除去するステップと、加速度が第1の閾値より小さい場合に、グリップ要素が上昇するステップと、加速度が第2の閾値より大きい場合に、グリップ要素が下降するステップとを含む振動取消方法をさらに開示する。
【0010】
本発明のこれらのおよび他の目的は、様々な図面に示された好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、確実に当業者に自明となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態による手持ち式機器の模式図である。
【0012】
【
図2】本発明の第2実施形態による手持ち式機器の模式図である。
【0013】
【
図3A】
図1および
図2の手持ち式機器の加速度信号のタイムチャートである。
【
図3B】
図1および
図2の手持ち式機器の加速度信号のタイムチャートである。
【
図3C】
図1および
図2の手持ち式機器の加速度信号のタイムチャートである。
【0014】
【
図4】本発明の第3実施形態による手持ち式機器の模式図である。
【0015】
【
図5】本発明の第4実施形態による手持ち式機器の模式図である。
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による手持ち式機器10の模式図である
図1を参照して説明する。手持ち式機器10は、ベース100、持ち手110、グリップ要素150、慣性センサ120、処理ユニット130およびアクチュエータ140を備える。
ベース100は突出する持ち手110と埋め込まれた要素120、130および140を含む手持ち式機器10の本体を形成する。
持ち手110はユーザにより把持され得る。ユーザの手の筋肉が意図せずに震える間に、持ち手110は振動動作VRを受け止める。
慣性センサ120は振動動作VRの加速度を検知して加速度信号ACを生成するのに使用される。
処理ユニット130は加速度信号ACに基づき取消決定Dcを生成するかどうかを判断するのに使用される。
アクチュエータ140は、取消決定Dcがなされ、加速度を弱める場合にグリップ要素150の動きを制御するのに使用される。その結果、グリップ要素150は安定され得る。
グリップ要素150は、手持ち式機器10を例えばスプーンのような物体160に着脱可能に接続するためにベース100に連結される。グリップ要素150が安定するため、スプーン内の食物は安定して保持される。
【0018】
従来技術と比較して、手持ち式機器10はユーザの罹患した四肢に比較的大きな力を付与せず、ユーザは不快感や痛みに悩まされることが無い。また、手持ち式機器10は振動動作VRの加速度を検知し、それに従い加速度を弱める。その結果、ユーザは容易に手持ち式機器10を介して容易に食物を運ぶことができ、振戦に悩まされない。さらに、形状記憶合金(SMA)が手持ち式機器10に使用されず、手持ち式機器10の金属疲労による故障をユーザが心配する必要が無い。
【0019】
(第2実施形態)
さらに、意図された動作と意図されない動作を区別するため、バンドパスフィルタが組み込まれても良い。本発明の第2実施形態による手持ち式機器20の模式図である
図2を参照して説明する。
手持ち式機器20は、手持ち式機器10から派生するため、同一の要素は同じ符号が付される。手持ち式機器20はバンドパスフィルタ200をさらに含む。
バンドパスフィルタ200は、ある周波数範囲内の加速度信号ACの周波数要素を通過し、その周波数範囲外の他の周波数要素を拒絶するのに使用される。その理由は、その周波数範囲以上の周波数要素はノイズであり、その周波数範囲より下の周波数要素は人間の振戦により誘発されないためである。好ましくは、範囲は2から24Hzである。
【0020】
尚、フィルタ処理した加速度信号は、重力により誘発される重力要素を含む。従って、処理ユニット130は、加速度信号ACから重力要素を除去し、人間の振戦により誘発される純粋な加速度を獲得するのにさらに使用される。
【0021】
特に、加速度信号ACのタイムチャートである
図3Aから
図3Cを参照して説明する。
図3Aにおいて、ベース100は安定しており、加速度信号ACはゼロである。
図3Bにおいて、ベース100は振動動作VRにより下降し、下方のパルスが加速度信号ACに現れる。
図3Cにおいて、ベース100は振動動作VRにより上昇し、上方のパルスが加速度信号ACにおいて現れる。すなわち、処理ユニット130は、下方または上方のパルスに基づき取消決定Dcを生成するかどうかを判断できる。例えば、ベース100が振動動作VRにより下降すると、処理ユニット130は、下方パルスに基づき取消決定Dcを生成し、取消決定Dcはアクチュエータ140によってグリップ要素160が上昇することを示して加速度を弱める。その結果、グリップ要素160は安定した位置のままである。反対に、ベース100が振動動作VRにより上昇すれば、処理ユニット130は上方のパルスに基づき取消決定Dcを生成し、取消決定Dcはアクチュエータ140によってグリップ要素160が下降することを示して加速度を弱める。
【0022】
尚、好ましくは、重要でないパルスは意味の無いノイズであるため、処理ユニット130は加速度信号ACの全てのパルスに応答するわけではない。そうするために、処理ユニット130は、閾値を超えた加速度信号ACのパルスに応答するのみである。
例えば、
図3Bに示されるように、処理ユニット130は、加速度信号ACが第1の閾値TH1より小さい場合、取消決定Dcを生成する。
他の実施形態では、
図3Cに示されるように、処理ユニット130は、加速度信号ACが第2の閾値TH2より大きい場合に取消決定Dcを生成する。
【0023】
重要なのは、本発明は振動動作VRを完全に解消させることではなく、振戦により生じる加速度を弱めることに重点を置くことである。ニュートンの運動の第1法則によると、食物は物体160の加速度がゼロのままである限り物体160からこぼれない。例えば、振戦が従来技術の手持ち式機器を下降させると、従来技術の手持ち式機器は、振戦とは反対の方向の動作を生成する。この種の反応機構はスプーン内の食物の加速度がゼロであることを保証できず、食物はスプーンからこぼれるであろう。それに比べて、グリップ要素150の加速度は弱められるため、物体160の加速度は最小化されてゼロ近くまで減衰し、食物は停止したままであるか一定の速度で動き続けるであろう。その様な状況において、食物をユーザの口に安全に運ぶことができる。
【0024】
(第3実施形態)
加速度チェックの前に、手持ち式機器10、20の加速度チェックの精度を高めるために位置較正機構が組み込まれても良い。本発明の第3実施形態による手持ち式機器40の模式図である
図4を参照して説明する。
手持ち式機器40は、手持ち式機器10、20から派生するため、同一の要素は同じ符号が付される。手持ち式機器40は位置センサ400をさらに含む。
位置センサ400は、処理ユニット130に送信される位置信号PSを生成するためにグリップ要素150の位置を検知するのに使用される。
処理ユニット130は、位置が中立位置にあるかどうかを決定し、それに応じてアクチュエータ140に指示する位置較正信号PCを生成する。位置が中立位置にあれば、グリップ要素150の位置を調整する必要はない。反対に、位置が中立位置になければ、処理ユニット130は、位置較正信号PCを生成し、アクチュエータ140によってグリップ要素150が下降または上昇するよう指示し、グリップ要素150を、中立位置を中心とする周辺範囲に戻すように再設定する。
【0025】
尚、図面に示されて上記の実施形態に記載された下方および上方の動きは単純化した場合である。実際には、振戦により誘発される振動動作は如何なる方向にもなり得る。下方および上方の方向以外の方向のベースの加速も弱めることができるため、本発明はこれらの実際の場合にも適用される。
従って、手持ち式機器10、20、40は、様々な方向の加速度を検知するための1つ以上の慣性センサと、グリップ要素150の多数の位置を検知するための1つ以上の位置センサと、グリップ要素150の多方向の動きを制御するための1つ以上のアクチュエータを含んでも良い。
【0026】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による手持ち式機器50の模式図である
図5を参照して説明する。
手持ち式機器50は、手持ち式機器10、20および40から派生するため、同一の要素は同じ符号が付される。
手持ち式機器50は、電力変換装置500、電池510、インターフェースモジュール520およびマイクロ音響スピーカ540をさらに含む。
電力変換装置500は、振動動作VRの機械力を電力EEに変換するのに使用される。
電池510は、電力変換装置500に電気的に結合され、電力EEを格納するのに使用される。
さらに、振動動作VRおよび加速度信号ACの履歴は医学的研究において価値が高い。
インターフェースモジュール520は、振動動作VRおよび加速度信号ACのデータを、例えば、パソコン、スマートフォンまたはクラウドサーバ530等の少なくとも1つの外部装置または外部サーバにアップロードしても良い。
マイクロ音響スピーカ540は、例えば、電池510の充電率、物体160の位置等の手持ち式機器50のユーザ状況または状態を、音を介して通知し、放送する。
【0027】
さらに、処理ユニット130は、加速度信号ACに基づき、持ち手110を把持するユーザがいるかどうかを決定する。所定の期間、持ち手110を保持するユーザがいない場合、処理ユニット130は電力を節約するため手持ち式機器10、20、40および50の電源を切る。
【0028】
図6に示すように、手持ち式機器10、20、40、50の動作は、グリップ要素を制御する振動取消方法としてのプロセス60に要約される。プロセス60は、以下のステップを含む。
【0030】
ステップ602:位置センサ400がグリップ要素150の位置を検知する
【0031】
ステップ604:処理ユニット130は位置が中立位置にあるかどうかを決定する。中立位置であれば、処理はステップ608に進む。そうでなければ、処理はステップ606に進む。
【0032】
ステップ606:アクチュエータ140がグリップ要素150を中立位置に戻すように再設定して、処理はステップ604に進む。
【0033】
ステップ608:慣性センサ120は、加速度信号ACを生成するために、振動動作VRの加速度を検知する。
【0034】
ステップ610:バンドパスフィルタ200は、周波数範囲外の加速度信号ACの周波数要素を拒絶する。
【0035】
ステップ612:処理ユニット130は、加速度信号ACから重力要素を除去する。
【0036】
ステップ614:加速度信号ACが第1の閾値TH1と第2の閾値TH2の間であれば、処理はステップ602に進み、そうでなければ、処理はステップ616に進む。
【0037】
ステップ616:加速度信号ACが第1の閾値TH1より小さければ、処理はステップ618に進み、そうでなければ、処理はステップ620に進む。
【0038】
ステップ618:アクチュエータ140によってグリップ要素150が上昇し、処理はステップ608に進む
【0039】
ステップ620:加速度信号ACが第2の閾値TH2より大きければ、処理はステップ622に進み、そうでなければ、処理はステップ608に進む
【0040】
ステップ622:アクチュエータ140によってグリップ要素150が下降し、処理はステップ608に進む
【0041】
プロセス60の詳細は上記に記載され、本明細書では再度さらに述べることはない。
【0042】
まとめると、意図せず筋肉が動く患者の不快感および痛みを最小化するため、本発明は振戦の加速度を弱める。意図しない加速度が釣り合う限り、患者は不便をより感じずに日常の活動に従事できる。
【0043】
当業者は、装置の多数の修正および変形が発明の教示を保持したままなされても良いことに容易に気付くであろう。従って上記の開示は、添付の請求項の境界のみに制限されると解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0044】
10、20、40、50・・・手持ち式機器、
100 ・・・ベース、
110 ・・・持ち手、
120 ・・・慣性センサ、
130 ・・・処理ユニット、
140 ・・・アクチュエータ、
150 ・・・グリップ要素。