特許第6202655号(P6202655)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202655
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】光源装置およびプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20170914BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20170914BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170914BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20170914BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   G03B21/00 D
   F21S2/00 311
   F21Y115:30
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-511205(P2016-511205)
(86)(22)【出願日】2014年3月31日
(86)【国際出願番号】JP2014059508
(87)【国際公開番号】WO2015151180
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】NECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】若林 修
(72)【発明者】
【氏名】松原 正晃
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−212129(JP,A)
【文献】 特開2013−250494(JP,A)
【文献】 特開2012−137744(JP,A)
【文献】 特開2012−108486(JP,A)
【文献】 特開2013−117705(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0034284(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0029237(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00−21/10
21/12−21/13
21/134−21/30
33/00−33/16
H04N 5/66−5/74
F21K 9/00−9/90
F21S 2/00−19/00
F21V 1/00−15/04
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を出力する光源と、
前記光源からの光の第1の直線偏光を反射もしくは透過させるダイクロイックミラーと、
複数のレンズを有し、前記ダイクロイックミラーからの反射光もしくは透過光を集光する第1の集光レンズ群と、
蛍光体が設けられた蛍光体領域と入射光を反射する反射領域とを備え、前記第1の集光レンズ群からの光が前記蛍光体領域及び反射領域に順次照射されるように可動する蛍光体ユニットと、
前記複数のレンズのうちの隣接する2つのレンズ間に設けられた1/4波長板と、を有し、
前記第1の集光レンズ群及び蛍光体ユニットのそれぞれは、前記蛍光体領域で発せられた蛍光及び前記反射領域からの反射光が、前記第1の集光レンズ群及び1/4波長板を介して前記ダイクロイックミラーに入射するように配置されている、光源装置。
【請求項2】
前記1/4波長板は、前記複数のレンズのうちの、前記ダイクロイックミラー側に配置された第1のレンズと、該第1のレンズに隣接する第2のレンズとの間に配置されている、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光源の波長をλとし、前記1/4波長板は、入射光の偏光面に対して1/4λの位相差を与えるように構成された無機の複屈折多層膜よりなる、請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光源の出力光を集光する複数のレンズからなる第2の集光レンズ群を、さらに有し、
前記第1及び第2の集光レンズ群は、前記光源の光源像を前記蛍光体領域及び反射領域を含む面上に結像する、請求項1から3のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記蛍光体領域で発せられた蛍光及び前記反射領域からの反射光が前記第1の集光レンズ群、1/4波長板及びダイクロイックミラーを介して入射するように設けられ、該入射した光を集光する集光レンズを、さらに有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項6】
黄色透過フィルター、赤色透過フィルター、緑色透過フィルター及び拡散領域を有し、前記集光レンズからの光が前記黄色透過フィルター、赤色透過フィルター、緑色透過フィルター及び拡散領域に順次入射するように可動するカラーフィルターユニットを、さらに有し、
前記蛍光体領域は、黄色蛍光を発する蛍光体が設けられた黄色蛍光体領域と、緑色蛍光を発する蛍光体が設けられた緑色蛍光体領域と、を有し、
前記黄色蛍光体領域からの前記黄色蛍光が前記黄色透過フィルター及び赤色透過フィルターに順次入射し、前記緑色蛍光体領域からの緑色蛍光が前記緑色透過フィルターに入射し、前記反射領域からの青色光が前記拡散領域に入射する、請求項5に記載の光源装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の光源装置と、
前記光源装置から出力された光を空間的に変調して画像を形成する表示素子と、
前記表示素子により形成された画像を拡大投射する投射光学系と、を有するプロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体を備えた光源装置及びそれを用いたプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光源として蛍光体を用いたプロジェクタの光源装置が記載されている。図1に、その光源装置の構成を示す。
【0003】
図1を参照すると、励起光源116は、複数の青色レーザーダイオード(LD)を有する。励起光源116から出力された青色励起光は、コリメートレンズアレイ106によって平行光束に変換された後、ダイクロイックミラー115に入射する。励起光源116は、出力光がS偏光としてダイクロイックミラー115に入射するように配置されている。ダイクロイックミラー115は、青色励起光の入射角が45°になるように配置されている。ここで、入射角は、入射光線と入射点に立てた法線とのなす角度である。
【0004】
図2に、ダイクロイックミラー115の分光透過特性を示す。縦軸は透過率を示し、横軸は波長(nm)を示す。実線はS偏光に対する分光透過特性を示し、破線はP偏光に対する分光透過特性を示す。S偏光のカットオフ波長は456nmであり、P偏光のカットオフ波長は434nmである。ここで、カットオフ波長は透過率が50%になる波長である。
【0005】
ダイクロイックミラー115は、S偏光の光に対して、456nm以上の光を透過し、456nm未満の光を反射する特性を有し、P偏光の光に対しては、434nm以上の光を透過し、434nmnm未満の光を反射する特性を有する。青色励起光の波長は、例えば445nmである。励起光源116からの青色励起光(S偏光)は、ダイクロイックミラー115によって反射される。
【0006】
ダイクロイックミラー115によって反射された青色励起光(S偏光)は、1/4波長板108を通過して円偏光になる。1/4波長板108を通過した青色励起光(円偏光)は、2枚の集光レンズ109a、109bによって蛍光体層103上に集光される。
【0007】
蛍光体層103は、ダイクロイックコートが施された基板上に形成されている。基板は円周方向に第1乃至第3のセグメントに分割されており、蛍光体層103は、第1のセグメントに形成された赤色蛍光体領域と、第2のセグメントに形成された緑色蛍光体領域とを含む。第3のセグメントには、反射コートが施されている。基板が回転することにより、青色励起光(円偏光)が第1乃至第3のセグメントに順次照射される。
【0008】
第1のセグメントでは、青色励起光により励起された蛍光体が赤色の蛍光を発する。第2のセグメントでは、青色励起光により励起された蛍光体が緑色の蛍光を発する。第3のセグメントでは、青色励起光(円偏光)は反射コート面で反射される。
【0009】
第1のセグメントからの赤色蛍光、第2のセグメントからの緑色蛍光及び第3のセグメントの反射コート面によって反射された青色光(円偏光)は、集光レンズ109a、109b及び1/4波長板108を順次通過する。ここで、第3のセグメントからの青色光(円偏光)は、1/4波長板108を通過した際にP偏光になる。赤色蛍光、緑色蛍光及び青色光(P偏光)はそれぞれ、ダイクロイックミラー115を透過する。
【0010】
図1には示されていないが、ダイクロイックミラー115を透過した赤色蛍光、緑色蛍光及び青色光(P偏光)は、集光レンズによってロッドインテグレータの一方の端面上に集光される。ロッドインテグレータでは、一方の端面から入射した光はロッド内を伝搬し、他方の面より出射される。ロッドインテグレータを用いることで、光軸に垂直な面における光強度分布が均一な出力光を得ることができる。
【0011】
一般に、励起光源にLDを用いる場合、耐光性に優れた水晶よりなる1/4波長板が用いられる。しかし、水晶の1/4波長板は、入射角が5°以下の光に対しては入射光の偏光面にπ/2(=1/4λ)の位相差を与えるように作用するが、入射角が5°を超える光に対しては偏光を維持するといった角度依存性を有している。このため、水晶の1/4波長板は、平行光束に近い光路上に配置する必要がある。
【0012】
図1に示した光源装置においても、励起光源116にLDを用いているので、通常、1/4波長板108は水晶より構成される。1/4波長板108は、集光レンズ109aとダイクロイックミラー115の間に配置されるが、集光レンズ109aとダイクロイックミラー115の間の青色励起光は平行光束であるので、1/4波長板108の角度依存性の影響は生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2012−108486号公報
【発明の開示】
【0014】
しかし、特許文献1に記載の光源装置においては、以下のような問題がある。
【0015】
蛍光体層103とロッドインテグレータ側の集光レンズとの間において、蛍光体層103からの蛍光は発散光束として伝搬する。この場合、蛍光体層103からの距離が長くなればなるほど、蛍光の光束径が大きくなるため、蛍光体層103からロッドインテグレータ側の集光レンズまでの距離が増大すると、集光レンズのサイズを大きくする必要があり、光学系の大型化及びコスト増大を招く。
【0016】
加えて、蛍光体層103からロッドインテグレータ側の集光レンズまでの距離が増大すると、集光レンズとロッドインテグレータの間の距離も増大するため、光学系のさらなる大型化を招く。
【0017】
上記の理由から、蛍光体層103からロッドインテグレータ側の集光レンズまでの距離はできる限り短くすることが望ましい。
【0018】
しかし、特許文献1に記載の光源装置においては、集光レンズ109とダイクロイックミラー115の間に1/4波長板108を配置しているため、集光レンズ109とダイクロイックミラー115の間の距離が増大し、その結果、蛍光体層103からロッドインテグレータ側の集光レンズまでの距離が増大する。このため、上記の光学系の大型化及びコスト増大の問題を生じる。
【0019】
本発明の目的は、光学系の小型化及び低コスト化を図ることができる光源装置及びそれを用いたプロジェクタを提供することにある。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、励起光を出力する光源と、前記光源からの光の第1の直線偏光を反射もしくは透過させるダイクロイックミラーと、複数のレンズを有し、前記ダイクロイックミラーからの反射光もしくは透過光を集光する第1の集光レンズ群と、蛍光体が設けられた蛍光体領域と入射光を反射する反射領域とを備え、前記第1の集光レンズ群からの光が前記蛍光体領域及び反射領域に順次照射されるように可動する蛍光体ユニットと、前記複数のレンズのうちの隣接する2つのレンズ間に設けられた1/4波長板と、を有し、前記第1の集光レンズ群及び蛍光体ユニットのそれぞれは、前記蛍光体領域で発せられた蛍光及び前記反射領域からの反射光が、前記第1の集光レンズ群及び1/4波長板を介して前記ダイクロイックミラーに入射するように配置されている、光源装置が提供される。
【0021】
本発明の別の態様によれば、上記光源装置と、上記光源装置から出力された光を空間的に変調して画像を形成する表示素子と、前記表示素子により形成された画像を拡大投射する投射光学系と、を有するプロジェクタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】特許文献1に記載の光源装置の構成を示す模式図である。
図2図1に示す光源装置のダイクロイックミラーの分光透過特性を示す特性図である。
図3】本発明の第1の実施形態による光源装置の構成を示す模式図である。
図4図3に示す光源装置に用いられる蛍光体ホイールの一例を示す模式図である。
図5図3に示す光源装置に用いられるカラーホイールの一例を示す模式図である。
図6図3に示す光源装置における1/4波長板の配置位置と入射領域の関係を説明するための模式図である。
図7図6に示す各位置での光線角度分布を示す図である。
図8図3に示す光源装置の青色光及び蛍光の光路を示す模式図である。
図9図3に示す光源装置を備えるプロジェクタの一例を示す模式図である。
図10】本発明の第3の実施形態による光源装置を備えたプロジェクタの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0023】
1a 光源
1b コリメータレンズ
1c〜1e、1i、1k、1m レンズ
1f 偏光分離素子
1g 拡散板
1h ダイクロイックミラー
1j 1/4波長板
1l 蛍光体ユニット
1n カラーフィルターユニット
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態による光源装置の構成を示す。
【0026】
図3を参照すると、光源装置1は、光源1a、コリメータレンズ1b、レンズ1c〜1e、1i、1k、1m、偏光分離素子1f、拡散板1g、ダイクロイックミラー1h、1/4波長板1j、蛍光体ユニット1l及びカラーフィルターユニット1nを有する。
【0027】
光源1aは、青色の波長域にピーク波長を有する青色光を出力する青色レーザーダイオード(LD)よりなる。例えば、光源1aは、6×4の行列状に配置された青色LDよりなる。ただし、青色LDの数は24個に限定されない。青色LDの数は、必要に応じて増減してもよい。
【0028】
コリメータレンズ1bは、青色LD毎に設けられ、青色LDより出力された青色光を平行光束に変換する。
【0029】
レンズ1c〜1eは、光源1aからコリメータレンズ1bを介して入射する各青色光(入射光束)を、光束径を縮小した平行光束に変換する。出射光束の径を入射光束よりも小さくすることで、レンズ1c〜1e以降に配置される部材のサイズを小さくすることができる。ここでは、3つのレンズ1c〜1eが用いられているが、レンズの数は3つに限定されない。レンズの数は、必要に応じて増減してもよい。
【0030】
レンズ1c〜1eより出射した青色光は、偏光分離素子1fを介してダイクロイックミラー1hに入射する。偏光分離素子1fとダイクロイックミラー1hの間の光路上には、拡散板1gが配置されている。拡散板1gは、偏光分離素子1fからの青色光を拡散する。拡散角は、例えば3°程度である。ここで、拡散角は、光束の中心を通る光線(中心光線)と光束の最も外側を通る光線とのなす角度である。
【0031】
偏光分離素子1fは、S偏光とP偏光を分離する特性を有する。ここでは、偏光分離素子1fは、S偏光を反射し、P偏光を透過する特性を有し、光源1aは、その出力光(青色光)がS偏光で分離素子1fに入射するように配置されている。偏光分離素子1fとして、偏光板やダイクロイックミラーを用いることができる。
【0032】
偏光分離素子1fで反射された青色光(S偏光)は、ダイクロイックミラー1hに入射する。ダイクロイックミラー1hは、S偏光で入射する光に対して、光源1aの波長(青色光の波長)よりも長い第1の波長以上の光を透過し、第1の波長未満の光を反射する特性を有する。また、ダイクロイックミラー1hは、P偏光で入射する光に対して、光源1aの波長(青色光の波長)よりも短い第2の波長以上の光を透過し、第2の波長未満の光を反射する特性を有する。このような特性(例えば、図2の特性)を有するダイクロイックミラー1hは、誘電体多層膜より実現できる。
【0033】
ダイクロイックミラー1hは、偏光分離素子1fからの青色光(S偏光)を蛍光体ユニット1lに導く。ダイクロイックミラー1hと蛍光体ユニット1lの間の光路上に、1/4波長板1j及びレンズ1i、1kが配置されている。
【0034】
蛍光体ユニット1lは、励起光によって励起されて蛍光を発する蛍光体が設けた蛍光体領域と反射領域とが円周方向に順に配置された蛍光体ホイールと、蛍光体ホイールを回転する駆動部(モーター)とを有する。
【0035】
図4に、蛍光体ホイールの一例を示す。図4を参照すると、蛍光体ホイールは、黄色蛍光体領域10Y、緑色蛍光体領域10G及び反射領域10Bを有する。黄色蛍光体領域10Y、緑色蛍光体領域10G及び反射領域10Bは、円周方向に並ぶように形成されている。
【0036】
反射領域10Bは、光源1aからの青色光を反射する。黄色蛍光体領域10Yは、励起光により励起されることで黄色の蛍光を発光する蛍光体を含む。緑色蛍光体領域10Gは、励起光により励起されることで緑色の蛍光を発光する蛍光体を含む。黄色蛍光体及び緑色蛍光体はいずれも、光源1aからの青色光で励起することができる。なお、黄色蛍光は、緑色から赤色の波長範囲の光を含む。
【0037】
黄色蛍光体領域10Y、緑色蛍光体領域10G及び反射領域10Bそれぞれの円周方向における面積の割合(円周方向の分割比)は、光源装置1の出力光に含まれる黄色光、赤色光、緑色光及び青色光それぞれの光強度のバランスに応じて適宜に設定される。
【0038】
1/4波長板1jは、耐光性に優れた無機の材料よりなる。例えば、1/4波長板1jは、無機の材料(誘電体)よりなる複屈折多層膜を有する。複屈折多層膜は、入射光の偏光面にπ/2(=1/4λ)の位相差を与えるように構成されている。例えば、基板面に対して斜め方向から粒子を蒸着することで形成した斜め柱状構造を有する複屈折層は、基板面に垂直に入射する光線に対して複屈折性を有することが知られている。このような複屈折層においては、膜厚を調整することで、入射光の偏光面に対して任意の位相差を与えることができる。本実施形態においても、この斜め柱状構造を適用した複屈折多層膜により1/4波長板1jを形成する。水晶の1/4波長板と比較して、無機の1/4波長板1jの角度依存性は小さい。例えば、無機の1/4波長板1jは、入射角が40°以下の光に対して位相差を与えることができる。また、無機の1/4波長板1jは、水晶の1/4波長板よりも薄型化が可能であり、例えば、0.3mm以下の厚さのものを提供できる。
【0039】
1/4波長板1jは、レンズ1i、1kの間に配置されている。レンズ1i、1kは、ダイクロイックミラー1hからの青色光を蛍光体ユニット1lの蛍光体ホイール上に集光する集光レンズ群である。本実施形態では、2枚のレンズ1i、1kにより集光レンズ群を構成しているが、これに限定されない。集光レンズ群は3枚以上のレンズで構成されてもよい。この場合、1/4波長板1jは、集光レンズ群のいずれかのレンズ間に配置される。ただし、1/4波長板1jが配置されるレンズ間は、青色光の1/4波長板1jへの入射角が1/4波長板1jの角度依存性の影響を生じない角度とされる条件を満たす。この条件を確実に満たすために、1/4波長板1jは、複数のレンズのうち、最もダイクロイックミラー1h側に位置する第1のレンズと、該第1のレンズに隣接する第2のレンズとの間に配置されてもよい。
【0040】
ダイクロイックミラー1hからの青色光(S偏光)は、1/4波長板1jを通過して円偏光となる。1/4波長板1jを通過した青色光(円偏光)は、レンズ1kを介して蛍光体ホイール上に照射される。
【0041】
蛍光体ホイールを回転することで、レンズ1kからの青色光(円偏光)が、黄色蛍光体領域10Y、緑色蛍光体領域10G及び反射領域10Bに順次照射される。黄色蛍光体領域10Yでは、青色光により励起された黄色蛍光体が黄色蛍光を発する。緑色蛍光体領域10Gでは、青色光により励起された緑色蛍光体が緑色蛍光を発する。反射領域10Bは、レンズ1kからの青色光をレンズ1kの方向に反射する。
【0042】
黄色蛍光体領域10Yからの黄色蛍光(非偏光)、緑色蛍光体領域10Gからの緑色蛍光(非偏光)、及び反射領域10Bからの青色光(円偏光)はそれぞれ、レンズ1k、1/4波長板1j、レンズ1iを順次通過してダイクロイックミラー1hに入射する。ここで、反射領域10Bからの青色光(円偏光)は、1/4波長板1jを通過してP偏光になる。この青色光(P偏光)が、ダイクロイックミラー1hに入射する。
【0043】
レンズ1iからの黄色蛍光(非偏光)、緑色蛍光(非偏光)及び青色光(P偏光)は、ダイクロイックミラー1hを透過する。ダイクロイックミラー1hを透過した黄色蛍光、緑色蛍光及び青色光は、レンズ1mによって不図示の光学素子(例えば、ライトトンネルやロッドインテグレータなどの光均一化素子)の一方の端部の面に集光される。
【0044】
カラーフィルターユニット1nは、カラーホイールを備える。このカラーホイールは、レンズ1mの焦点位置よりもレンズ1m側に配置されている。
【0045】
図5に、カラーホイールの一例を示す。図5を参照すると、カラーホイールは、黄色透過フィルター11Y、赤色透過フィルター11R、緑色透過フィルター11G及び拡散板11Bを有する。黄色透過フィルター11Y、赤色透過フィルター11R、緑色透過フィルター11G及び拡散板11Bは、円周方向に並ぶように形成されている。
【0046】
黄色透過フィルター11Y及び赤色透過フィルター11Rの領域は、図4に示した蛍光体ホイールの黄色蛍光体領域10Yに対応し、緑色透過フィルター11G及び拡散板11Bはそれぞれ、図4に示した蛍光体ホイールの緑色蛍光体領域10G及び反射領域10Bに対応する。黄色透過フィルター11Y、赤色透過フィルター11R、緑色透過フィルター11G及び拡散板11Bの円周方向における面積の割合は、図4に示した蛍光体ホイールのそれぞれ対応する領域の割合と同じである。
【0047】
なお、黄色透過フィルター11Y及び赤色透過フィルター11Rの円周方向における面積の割合は、光源装置1の出力光に含まれる黄色光、赤色光、緑色光及び青色光それぞれの光強度のバランスに応じて適宜に設定される。
【0048】
カラーフィルターユニット1nと蛍光体ユニット1lは、互いに同期して回転するように構成されている。黄色蛍光体領域10Yからの黄色蛍光は黄色成分の光及び赤色成分の光を含み、黄色成分の光は黄色透過フィルター11を透過し、赤色成分の光は赤色透過フィルター11Rを透過する。
【0049】
緑色蛍光体領域10Gからの緑色蛍光は、緑色透過フィルター11Gを透過する。反射領域10Bからの青色光は、拡散板11Bを通過する。拡散板11Bからは青色光の拡散光が出射される。拡散角は、例えば10°程度であるが、必要に応じて適宜に変更することができる。
【0050】
カラーフィルターユニット1nを通過した黄色光、赤色光、緑色光及び青色光が、光源装置1の出力光である。
【0051】
本実施形態の光源装置によれば、水晶の1/4波長板よりも角度依存性が小さな無機の1/4波長板1jをレンズ1iとレンズ1kの間に配置することで、光学系の小型化及び低コスト化を図ることができる。以下に、その理由を具体的に説明する。
【0052】
図6は、1/4波長板の配置位置と入射領域の関係を説明するための模式図である。レンズ1iのダイクロイックミラー1h側の位置P1に1/4波長板1jを配置した場合、1/4波長板1jの青色光が通過する領域の大きさは32mm角である。レンズ1iのレンズ1k側の位置P2に1/4波長板1jを配置した場合、1/4波長板1jの青色光が通過する領域の大きさは25mm角である。レンズ1kの蛍光体ホイール側の位置P3に1/4波長板1jを配置した場合、1/4波長板1jの青色光が通過する領域の大きさは20mm角である。このように、位置P3での青色光の通過領域が最も小さく、次いで、位置P2での青色光の通過領域が小さい。
【0053】
図7に、図6に示した各位置での光線角度分布を示す。縦軸は強度比(%)を示し、横軸は光線角度(deg)を示す。黒の菱形印を実線で結んだものが、位置P1でのX方向の光線角度分布である。黒の四角印を実線で結んだものが、位置P1でのY方向の光線角度分布である。黒の三角印を実線で結んだものが、位置P2でのX方向の光線角度分布である。X印を実線で結んだものが、位置P2でのY方向の光線角度分布である。*印を実線で結んだものが、位置P3でのX方向の光線角度分布である。黒の丸印を実線で結んだものが、位置P3でのY方向の光線角度分布である。
【0054】
位置P1での青色光の光線角度は、±5°である。位置P2での青色光の光線角度は、±28°である。位置P3での青色光の光線角度は、±65°である。無機の1/4波長板1jは、入射角が40°以下の光に対して特性を維持できるので、位置P2に配置した場合でも、角度依存特性の影響は生じない。なお、1/4波長板1jを位置P3に配置した場合は、角度依存特性の影響を生じる。
【0055】
1/4波長板1jを位置P1に配置した構成と比較して、1/4波長板1jを位置P2に配置した構成によれば、青色光の通過領域は32mm角から25mm角に縮小するので、1/4波長板1jのサイズを小さくすることができ、低コスト化を図ることができる。
【0056】
加えて、1/4波長板1jを位置P2に配置した構成によれば、蛍光を集光する系を含む光学系の小型化や低コスト化も可能である。以下に、その理由を具体的に説明する。
【0057】
図8に、青色光及び蛍光の光路を模式的に示す。破線が反射領域10Bからの青色光の反射光路を示し、実線が黄色蛍光体領域10Yからの黄色蛍光または緑色蛍光体領域10Gからの緑色蛍光の光路を示す。
【0058】
レンズ1i、1kは、ダイクロイックミラー1hからの青色光を蛍光体ホイールの照射面上に集光するように設計されており、黄色蛍光体領域10Yや緑色蛍光体領域10Gからの蛍光(完全拡散光)を集光する目的で設計は行われていない。このため、反射領域10Bからの青色光は、レンズ1i、1kにより集光されて略平行光束L1となってダイクロイックミラー1hを透過するが、黄色蛍光体領域10Yや緑色蛍光体領域10Gからの蛍光(完全拡散光)は、レンズ1i、1kにより集光されるものの、発散光束L2としてダイクロイックミラー1hを透過する。すなわち、蛍光体ホイールからレンズ1mまでの間において、黄色蛍光体領域10Yや緑色蛍光体領域10Gからの蛍光は発散光束L2として伝搬する。この場合、蛍光体ホイールからの距離が長くなればなるほど、発散光束L2の光束径が大きくなるため、蛍光体ホイールからレンズ1mまでの距離が増大すると、レンズ1mのサイズを大きくする必要があり、光学系の大型化及びコスト増大を招く。
【0059】
加えて、蛍光体ホイールからレンズ1mまでの距離が増大すると、レンズ1mとライトトンネル2aの間の距離も増大することになるため、光学系の大型化を招く。
【0060】
上記の理由から、蛍光体ホイールからレンズ1mまでの距離はできる限り短くすることが望ましい。
【0061】
本実施形態によれば、無機の1/4波長板1jを位置P2に配置することで、上記の光学系の大型化及びコスト増大の問題を解決することができる。
【0062】
具体的に説明すると、レンズ1i、1kは平凸レンズであって、凸面がダイクロイックミラー1h側に向けられている。ダイクロイックミラー1hは、レンズ1i、1kの光軸とのなす角度が45°より小さくなるように配置されている。この場合、レンズ1iの外周部とダイクロイックミラー1hのレンズ1i側に位置する端部とが近接するように配置することで、ダイクロイックミラー1hとレンズ1iの間の距離を短くすることができる。
【0063】
また、1/4波長板1jは、レンズ1iに貼り付けたり、レンズ1iに直接形成したりすることができ、1/4波長板1jを保持する保持具を必要としないので、レンズ1i、1kの間隔は、1/4波長板1jの厚さだけ大きくなる。無機の1/4波長板1jは、0.3mm以下の薄型化が可能であるので、レンズ1i、1kの間隔の増大はわずかである。
【0064】
一方、1/4波長板1jを位置P1に配置した構成においては、1/4波長板1jとレンズ1iの凸面とが緩衝しないように配置し、かつ、1/4波長板1jとダイクロイックミラー1hの端部とが緩衝しないように配置する必要がある。また、1/4波長板1jを保持具で保持する必要があるため、1/4波長板1jの保持具がレンズ1i及びダイクロイックミラー1hの保持具と緩衝しないように、ダイクロイックミラー1hと1/4波長板1jの間隔及びレンズ1iと1/4波長板1jの間隔を設定する必要がある。よって、レンズ1iとダイクロイックミラー1hの間隔は、1/4波長板1jを位置P2に配置した構成よりも格段に大きくなる。
【0065】
上記のように、1/4波長板1jを位置P2に配置した構成によれば、レンズ1iとダイクロイックミラー1hの間隔を小さくすることができるので、蛍光体ホイールからレンズ1mまでの距離を短くすることができ、光学系の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0066】
本実施形態の光源装置によれば、上記の効果に加えて、以下のような効果もある。
【0067】
反射領域10Bからの青色光の中心光線の入射角θが45°より大きくなるようダイクロイックミラー1hを配置することで、S偏光とP偏光との分離が可能な波長域を広げている。例えば、ダイクロイックミラー1hは、青色光の入射角が55°になるように配置されている。これにより、個体差や温度依存性によるLDの発光波長のばらつきの影響を抑制することができる。
【0068】
ただし、ダイクロイックミラー1hの透過率は入射角の増大に伴って低下する。このため、反射領域10Bからの青色光(P偏光)の一部はダイクロイックミラー1hによって反射される。ダイクロイックミラー1hで反射された青色光(P偏光)が光源1aまで戻ってしまうと、LDの発振動作が不安定になり、LDの出力が低下する。特に、反射領域10Bと光源1a(LDの発光点)が結像関係にある場合は、反射領域10Bからの青色光が光源1aの発光点へ戻るため、LDの出力低下の問題はより顕著なものとなる。
【0069】
本実施形態では、ダイクロイックミラー1hから光源1a側に戻る青色光を除去するために、ダイクロイックミラー1hと光源1aの間の光路上に偏光分離素子1fが配置されている。ダイクロイックミラー1hで反射された青色光(P偏光)は、偏光分離素子1fを透過する。偏光分離素子1fを透過した青色光(P偏光)は、光源1aの方向とは異なる方向に進み、光源1aの発光点へは戻らない。よって、LDの発振動作が不安定になることはない。
【0070】
(プロジェクタ)
図9に、図3に示した光源装置1を備えるプロジェクタの構成を示す。
【0071】
図9を参照すると、プロジェクタは、光源装置1、照明光学系2、投射光学系3及び表示素子4を有する。
【0072】
照明光学系2は、光源装置1の出力光を表示素子4に導くとともに、矩形かつ均一な光を表示素子4に供給する。照明光学系2は、ライトトンネル2a、レンズ2b、2c、2e及びミラー2dを有する。
【0073】
ライトトンネル2aは、直方体形状のものであって、光源装置1の出力光が一方の端部より内部に入射し、入射した光が内部を伝搬して他方の端部より出射される。ライトトンネル2aの一方の端部の面(入射面)は、図3に示した光源装置1のレンズ1mの焦点位置に配置されている。蛍光体ユニット1lの蛍光体ホイールの照射面とライトトンネル2aの入射面とは結像関係にある。
【0074】
ライトトンネル2aの他方の端部より出射した光は、レンズ2b、2c、ミラー2d及びレンズ2eを介して表示素子4に照射される。レンズ2b、2c、2eは集光レンズである。
【0075】
表示素子4は、映像信号に応じて照明光学系2からの光束を空間的に変調して画像を形成する。表示素子4は、例えば、ディジタルマイクロミラーデバイス(DMD)である。DMDは、複数の微小ミラーを有し、各微小ミラーは、駆動電圧に応じて角度が変化するように構成されており、オン状態を示す駆動電圧が供給された場合とオフ状態を示す駆動電圧が供給された場合とで反射角度が異なる。映像信号に応じて各微小ミラーをオンオフ制御することで、入射光束を空間的に変調して画像を形成する。なお、表示素子4として、DMDの他、液晶パネルなどを用いることもできる。
【0076】
投射光学系3は、表示素子4に形成された画像を投射面上に拡大投射する。投射面は、スクリーンや壁など、画像を投射できるものであればよい。
【0077】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の光源装置について説明する。
【0078】
本実施形態の光源装置は、図3に示した光源装置1において、S偏光及びP偏光の関係が逆になるように構成したものである。具体的には、図3において、偏光分離素子1f、拡散板1g、ダイクロイックミラー1h、レンズ1m及びカラーフィルターユニット1nはそのままの配置とする。光源1a、コリメータレンズ1b及びレンズ1c〜1eを、偏光分離素子1fの拡散板1g側とは反対側に配置する。1/4波長板1j、レンズ1i、1k及び蛍光体ユニット1lを、ダイクロイックミラー1hの偏光分離素子1f側とは反対側に配置する。
【0079】
偏光分離素子1fは、S偏光を反射し、P偏光を透過する特性を有する。光源1aは、その出力光がP偏光として偏光分離素子1fに入射するように配置されている。
【0080】
光源1aからの青色光(P偏光)は、コリメータレンズ1b及びレンズ1c〜1eを介して偏光分離素子1fに入射する。青色光(P偏光)は、偏光分離素子1fを透過し、拡散板1gを介してダイクロイックミラー1hに入射する。
【0081】
ダイクロイックミラー1hは、P偏光で入射する光に対して、青色光の波長より長い第1の波長以下の光を透過し、第1の波長より長い波長の光を反射する第1の特性を有する。また、ダイクロイックミラー1hは、S偏光で入射する光に対して、青色光の波長より短い第2の波長以下の光を透過し、該第2の波長より長い波長の光を反射する第2の特性を有する。ここで、第1の波長は第1の特性のカットオフ波長であり、第2の波長は第2の特性のカットオフ波長である。このような特性を有するダイクロイックミラー1hは、誘電体多層膜より実現できる。
【0082】
偏光分離素子1fからの青色光(P偏光)は、ダイクロイックミラー1hを透過し、レンズ1i、1k及び1/4波長板1jを介して蛍光体ユニット1lに照射される。青色光(P偏光)は、1/4波長板1jを通過すると円偏光となる。青色光(円偏光)が、黄色蛍光体領域10Y、緑色蛍光体領域10G及び反射領域10Bに順次照射される。
【0083】
黄色蛍光体領域10Yでは、青色光により励起された黄色蛍光体が黄色蛍光を発する。緑色蛍光体領域10Gでは、青色光により励起された緑色蛍光体が緑色蛍光を発する。反射領域10Bは、レンズ1kからの青色光をレンズ1kの方向に反射する。
【0084】
黄色蛍光体領域10Yからの黄色蛍光(非偏光)、緑色蛍光体領域10Gからの緑色蛍光(非偏光)、及び反射領域10Bからの青色光(円偏光)はそれぞれ、レンズ1k、1/4波長板1j、レンズ1iを順次通過してダイクロイックミラー1hに入射する。ここで、反射領域10Bからの青色光(円偏光)は、1/4波長板1jを通過してS偏光になる。この青色光(S偏光)が、ダイクロイックミラー1hに入射する。
【0085】
1/4波長板1jを通過した黄色蛍光(非偏光)、緑色蛍光(非偏光)及び青色光(P偏光)は、ダイクロイックミラー1hで反射される。ダイクロイックミラー1hで反射された黄色蛍光、緑色蛍光及び青色光は、レンズ1mを介してカラーフィルターユニット1nのカラーホールに入射する。
【0086】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、1/4波長板1jは無機の材料よりなり、レンズ1iとレンズ1kの間に配置されている。これにより、第1の実施形態と同様の作用効果を得る。
【0087】
本実施形態においても、第1の実施形態で説明した変形を適用することができる。また、本実施形態の光源装置は、図9に示したプロジェクタに適用することができる。具体的には、図9に示したプロジェクタにおいて、光源装置1を本実施形態の光源装置に置き換える。
【0088】
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態による光源装置を備えたプロジェクタの構成を示す。
【0089】
光源装置10が本実施形態の光源装置である。光源装置10において、偏光分離素子1fは、光源1aからの青色光の中心光線の入射角が45°になるように配置され、ダイクロイックミラー1hは、反射領域10Bからの青色光の中心光線の入射角が45°になるように配置されている。これ以外の構成は、第1の実施形態の光源装置と同じである。
【0090】
1/4波長板1jは、第1の実施形態で説明したものと同じである。本実施形態においても、1/4波長板1jは、レンズ1iとレンズ1kの間に配置されている。これにより、第1の実施形態と同様の作用効果を得る。
【0091】
また、集光レンズ群を3枚以上のレンズで構成した場合、1/4波長板1jは、集光レンズ群のいずれかのレンズ間に配置される。ただし、1/4波長板1jが配置されるレンズ間は、青色光の1/4波長板1jへの入射角が1/4波長板1jの角度依存性の影響を生じない角度とされる条件を満たす。
【0092】
図10に示すプロジェクタは、光源装置10、照明光学系2、投射光学系3及び表示素子4を有する。照明光学系2、投射光学系3及び表示素子4は、第1の実施形態で説明したプロジェクタのものと同じである。本プロジェクタにおいても、第1の実施形態で説明したプロジェクタと同様の動作により画像が拡大投射される。
【0093】
本実施形態においても、第1の実施形態で説明した変形を適用することができる。
【0094】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態の光源装置について説明する。
【0095】
本実施形態の光源装置は、図10に示した光源装置10において、S偏光及びP偏光の関係が逆になるように構成したものである。具体的には、図10において、偏光分離素子1f、拡散板1g、ダイクロイックミラー1h、レンズ1m及びカラーフィルターユニット1nはそのままの配置とする。光源1a、コリメータレンズ1b及びレンズ1c〜1eを、偏光分離素子1fの拡散板1g側とは反対側に配置する。1/4波長板1j、レンズ1i、1k及び蛍光体ユニット1lを、ダイクロイックミラー1hの偏光分離素子1f側とは反対側に配置する。
【0096】
本実施形態の光源装置の動作は、第2の実施形態の光源装置と同じである。また、本実施形態の光源装置を備えたプロジェクタにおいても、第2の実施形態の光源装置を備えたプロジェクタと同様の動作により画像が拡大投射される。
【0097】
本実施形態においても、第1の実施形態で説明した変形を適用することができる。
【0098】
以上説明した各実施形態の光源装置及びプロジェクタは本発明の一例であり、その構成や動作は適宜に変更することができる。
【0099】
例えば、第1の実施形態において、カラーフィルターユニット1nを削除し、図4に示した蛍光体ユニット1lの蛍光体ホイールにおいて、反射領域10B上に拡散層を設け、黄色蛍光体領域10Yの一部または全部を赤色蛍光体領域で置き換えてもよい。この変形は、第2から第4の実施形態にも適用することができる。
【0100】
また、第1の実施形態において、光源装置1は、照明光学系2の一部又は全部を含むものであってもよい。この変形は、第2から第4の実施形態にも適用することができる。
【0101】
また、各実施形態において、無機の1/4波長板は、無機の複屈折多層膜を蒸着手法によりガラスや石英の基板上に形成したものであってもよく、また、無機の複屈折多層膜を蒸着手法によりレンズに直接形成したものであってもよい。
【0102】
また、本発明は、以下の付記1〜7のような形態をとり得るが、これら形態に限定されない。
[付記1]
励起光を出力する光源と、
前記光源からの光の第1の直線偏光を反射もしくは透過させるダイクロイックミラーと、
複数のレンズを有し、前記ダイクロイックミラーからの反射光もしくは透過光を集光する第1の集光レンズ群と、
蛍光体が設けられた蛍光体領域と入射光を反射する反射領域とを備え、前記第1の集光レンズ群からの光が前記蛍光体領域及び反射領域に順次照射されるように可動する蛍光体ユニットと、
前記複数のレンズのうちの隣接する2つのレンズ間に設けられた1/4波長板と、を有し、
前記第1の集光レンズ群及び蛍光体ユニットのそれぞれは、前記蛍光体領域で発せられた蛍光及び前記反射領域からの反射光が、前記第1の集光レンズ群及び1/4波長板を介して前記ダイクロイックミラーに入射するように配置されている、光源装置。
[付記2]
前記1/4波長板は、前記複数のレンズのうちの、前記ダイクロイックミラー側に配置された第1のレンズと、該第1のレンズに隣接する第2のレンズとの間に配置されている、付記1に記載の光源装置。
[付記3]
前記光源の波長をλとし、前記1/4波長板は、入射光の偏光面に対して1/4λの位相差を与えるように構成された無機の複屈折多層膜よりなる、付記1または2に記載の光源装置。
[付記4]
前記光源の出力光を集光する複数のレンズからなる第2の集光レンズ群を、さらに有し、
前記第1及び第2の集光レンズ群は、前記光源の光源像を前記蛍光体領域及び反射領域を含む面上に結像する、付記1から3のいずれか1つに記載の光源装置。
[付記5]
前記蛍光体領域で発せられた蛍光及び前記反射領域からの反射光が前記第1の集光レンズ群、1/4波長板及びダイクロイックミラーを介して入射するように設けられ、該入射した光を集光する集光レンズを、さらに有する、付記1から4のいずれか1つに記載の光源装置。
[付記6]
黄色透過フィルター、赤色透過フィルター、緑色透過フィルター及び拡散領域を有し、前記集光レンズからの光が前記黄色透過フィルター、赤色透過フィルター、緑色透過フィルター及び拡散領域に順次入射するように可動するカラーフィルターユニットを、さらに有し、
前記蛍光体領域は、黄色蛍光を発する蛍光体が設けられた黄色蛍光体領域と、緑色蛍光を発する蛍光体が設けられた緑色蛍光体領域と、を有し、
前記黄色蛍光体領域からの前記黄色蛍光が前記黄色透過フィルター及び赤色透過フィルターに順次入射し、前記緑色蛍光体領域からの緑色蛍光が前記緑色透過フィルターに入射し、前記反射領域からの青色光が前記拡散領域に入射する、付記5に記載の光源装置。
[付記7]
付記1から6のいずれか1つに記載の光源装置と、
前記光源装置から出力された光を空間的に変調して画像を形成する表示素子と、
前記表示素子により形成された画像を拡大投射する投射光学系と、を有するプロジェクタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10