(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クレーンの車体に水平旋回自在且つ起伏自在に設けられて伸縮可能に形成されたブームの先端からフックとロープを介して吊荷が吊り下げられ、前記ブームの先端にはカメラがレンズを下方に向けた状態で上下左右方向に傾斜可能に取り付けられ、前記ブームにはサーチライトが上下左右方向に傾斜可能に取り付けられ、前記クレーンには前記カメラの撮像画像をオペレータに表示するモニタが設けられており、前記サーチライトを前記カメラの撮像対象に向けて照射するときに使用されるクレーン照明装置であって、
前記クレーンおよび前記カメラの姿勢に応じた前記カメラの光軸を算出するカメラ光軸算出手段と、
前記クレーンおよび前記サーチライトの姿勢に応じた前記サーチライトの光軸を算出するサーチライト光軸算出手段と、
前記サーチライトの光軸が前記カメラの光軸と平行または前記撮像対象内に設定した交差位置で交差するように前記サーチライトの傾きを制御するサーチライト傾き制御手段と、を備え、
前記サーチライト傾き制御手段は、前記カメラの光軸が前記フックや前記吊荷の上端の高さ位置で設定した仮想平面と接触する位置を交差位置に設定し、当該交差位置で前記サーチライトの光軸が前記カメラの光軸と交差するように前記サーチライトの傾きを制御することを特徴とするクレーン照明装置。
クレーンの車体に水平旋回自在且つ起伏自在に設けられて伸縮可能に形成されたブームの先端からフックとロープを介して吊荷が吊り下げられ、前記ブームの先端にはカメラがレンズを下方に向けた状態で上下左右方向に傾斜可能に取り付けられ、前記ブームにはサーチライトが上下左右方向に傾斜可能に取り付けられ、前記クレーンには前記カメラの撮像画像をオペレータに表示するモニタが設けられており、前記サーチライトを前記カメラの撮像対象に向けて照射するときに使用されるクレーン照明装置であって、
前記クレーンおよび前記カメラの姿勢に応じた前記カメラの光軸を算出するカメラ光軸算出手段と、
前記クレーンおよび前記サーチライトの姿勢に応じた前記サーチライトの光軸を算出するサーチライト光軸算出手段と、
前記サーチライトの光軸が前記カメラの光軸と平行または前記撮像対象内に設定した交差位置で交差するように前記サーチライトの傾きを制御するサーチライト傾き制御手段と、を備え、
前記サーチライト傾き制御手段は、前記カメラの光軸が地面と接触する位置を前記交差位置に設定し、当該交差位置で前記サーチライトの光軸が前記カメラの光軸と交差するように前記サーチライトの傾きを制御することを特徴とするクレーン照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態のクレーン1の側面図である。最初にクレーン1の全体的な構成を簡単に説明する。このクレーン1は、走行機能を有する車両の本体部分(車体)となるキャリア2と、キャリア2の上部に水平旋回可能に取り付けられた旋回台3と、旋回台3に設けられたキャビン4とを備えている。
【0021】
キャリア2の前側と後側には、それぞれ左右一対のアウトリガ5,5(一方のみ図示)が設けられている。旋回台3の上側にはブラケット6が固定されている。このブラケット6にはブーム7が取り付けられている。ブーム7は伸縮可能に形成されており、キャリア2に水平旋回自在且つ起伏自在に設けられている。
【0022】
ブーム7は、その基端部が支持軸(図示せず)を介してブラケット6に取り付けられ、この支持軸を中心にして起伏可能となっている。ブラケット6とブーム7との間には起伏用シリンダ9が介装されている。ブーム7は、この起伏用シリンダ9が伸縮することにより起伏する。
【0023】
ブーム7は基端ブーム7aと中間ブーム7bと先端ブーム7cとを有し、この順序で基端ブーム7a内に外側から内側へ入れ子式に組み合わされている。各ブーム7a〜7cは、内部で伸縮シリンダ(図示せず)により連結され、各伸縮シリンダが伸縮することで伸縮する。
【0024】
先端ブーム7cの先端部7dにはシーブ(図示せず)が設けられている。このシーブにはブラケット6に設けられたウインチ(図示せず)から延びたワイヤWが掛けられている。このワイヤWにはフックブロック10が吊り下げられており、フックブロック10の下側にはフック11が取り付けられている。このフック11にはワイヤロープWRにより吊荷100が掛けられる。
【0025】
キャビン4内には操作部(図示せず)が設けられている。この操作部は、オペレータが旋回台3の旋回(ブーム7の旋回)、ブーム7の起伏・伸縮、各アウトリガ5の張出・格納、エンジン始動・停止等の操作を行うものである。
【0026】
先端ブーム7cの先端部7dには、吊荷監視カメラ12がレンズ12aを真下に向けて取り付けられている。この吊荷監視カメラ12は、撮像対象であるブーム7の先端から下方を視たときの風景(吊荷や吊荷周辺)を撮像して、その撮像画像を取得するものである。
【0027】
吊荷監視カメラ12は、垂直軸線(図示せず)に対してチルト方向(上下方向)とパン方向(左右方向)へ任意の角度に傾斜可能に構成されている。吊荷監視カメラ12の傾きの操作は、キャビン4内の操作部で行われる。以下の説明では、吊荷監視カメラ12を単にカメラ12と称する。
【0028】
さらに先端ブーム7cの先端部7dには、サーチライト13がレンズ13aを真下に向けて取り付けられている。このサーチライト13は、カメラ12の撮像対象に向けて照射するものである。
【0029】
サーチライト13は、垂直軸線(図示せず)に対してチルト方向とパン方向へ任意の角度に傾斜可能に構成されている。サーチライト13の傾きの操作は、キャビン4内の操作部で行われる。以下の説明では、サーチライト13を単にライト13と称する。
【0030】
図2は、このクレーン1に用いられている本発明のクレーン照明装置21の構成を示すブロック図である。このクレーン照明装置21は、ライト13を撮像対象に向けて照射するときに、カメラ12の光軸12S(
図1参照)の動きにライト13の光軸13S(
図1参照)の動きを連動させてライト13の傾きを制御するものである。
【0031】
このクレーン照明装置21は、各種の演算処理を行う演算手段22を中心に構成されている。この演算手段22は、例えばキャビン4(
図1参照)内に設けられている。
【0032】
演算手段22の入力側には、カメラ12、カメラ用チルトセンサ23、カメラ用パンセンサ24が接続されている。
【0033】
カメラ用チルトセンサ23とカメラ用パンセンサ24は、カメラ12の上面に取り付けられている。カメラ用チルトセンサ23は、カメラ12の上下方向の傾斜角度を検出するものである。カメラ用パンセンサ24は、カメラ12の左右方向の傾斜角度を検出するものである。
【0034】
さらに演算手段22の入力側には、シリンダ圧力センサ25、ブーム長さセンサ26、起伏角度センサ27、旋回角度センサ28、ウインチドラム回転センサ29が接続されている。これらのセンサは、クレーン1の姿勢状態(ブーム7の先端位置等)を検出するものである。
【0035】
シリンダ圧力センサ25は、起伏用シリンダ9に取り付けられ、起伏用シリンダ9の圧力を検出するものであり、ブーム7の撓みを考慮した姿勢の演算に用いることができる。ブーム長さセンサ26は、ブーム7に取り付けられ、ブーム7の長さを検出するものである。起伏角度センサ27は、ブーム7に取り付けられ、ブーム7の起伏角度を検出するものである。
【0036】
旋回角度センサ28は、旋回台3に取り付けられ、旋回台3(ブーム7)の旋回角度を検出するものである。ウインチドラム回転センサ29は、ウインチを構成するウインチドラムの回転数を検出してウインチドラムに掛けられているワイヤWの繰出し長さを検出するものである。
【0037】
本発明のカメラ光軸算出手段は、演算手段22、カメラ用チルトセンサ23、カメラ用パンセンサ24、シリンダ圧力センサ25、ブーム長さセンサ26、起伏角度センサ27、旋回角度センサ28から構成される。カメラ光軸算出手段は、クレーン1およびカメラ12の姿勢に応じたカメラ12の光軸12Sを算出するものである。
【0038】
さらに演算手段22の入力側には、ライト用チルトセンサ30とライト用パンセンサ31が接続されている。
【0039】
ライト用チルトセンサ30とライト用パンセンサ31は、ライト13の上面に取り付けられている。ライト用チルトセンサ30は、ライト13の上下方向の傾斜角度を検出するものである。ライト用パンセンサ31は、ライト13の左右方向の傾斜角度を検出するものである。
【0040】
本発明のライト光軸算出手段は、演算手段22、シリンダ圧力センサ25、ブーム長さセンサ26、起伏角度センサ27、旋回角度センサ28、ライト用チルトセンサ30、ライト用パンセンサ31から構成される。ライト光軸算出手段は、クレーン1およびライト13の姿勢に応じたライト13の光軸13Sを算出するものである。
【0041】
演算手段22の入出力側には、タッチパネル機能付きモニタ32が接続されている。このタッチパネル機能付きモニタ32はキャビン4(
図1参照)内に設けられ、カメラ12によって取得された撮像画像をオペレータに表示するものである。
【0042】
このタッチパネル機能付きモニタ32は、オペレータが撮像画像上で任意の位置を指定する機能(タッチ入力機能)を備えており、本発明の移動位置入力手段を構成する。またタッチパネル機能付きモニタ32は、任意の位置が指定されたときには、その位置を演算手段22に出力するように構成されている。以下の説明では、タッチパネル機能付きモニタ32を単にモニタ32と称する。
【0043】
さらに演算手段22の出力側には、ライト用パンチルト駆動装置33が接続されている。このライト用パンチルト駆動装置33は、ライト13に接続して先端ブーム7cの先端部7dに取り付けられている。このライト用パンチルト駆動装置33は、ライト13を上下左右方向に動かしてライト13の傾きを変えるものである。
【0044】
本発明のサーチライト傾き制御手段は、カメラ12、シリンダ圧力センサ25、起伏角度センサ27、ウインチドラム回転センサ29、演算手段22、ライト用パンチルト駆動装置33とから構成される。サーチライト傾き制御手段は、
図3に示すようにライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと平行になるようにライト13の傾きを制御するものである。
【0045】
次に、クレーン照明装置21による照射方法について
図3を用いて説明する。
図3では、クレーン1を
図1よりも簡略化して示す。以降の各図においても同様である。
【0046】
演算手段22は、カメラ用チルトセンサ23とカメラ用パンセンサ24から得られるカメラ12の傾斜角度、シリンダ圧力センサ25〜旋回角度センサ28から得られるブーム7の先端位置、予め記憶されているブーム7の先端とカメラ12の光軸12Sとの位置関係に基づき、クレーン1およびカメラ12の姿勢に応じたカメラ12の光軸12Sを算出する。
【0047】
また演算手段22は、カメラ用チルトセンサ23とカメラ用パンセンサ24から得られるカメラ12の傾斜角度、シリンダ圧力センサ25〜旋回角度センサ28から得られるブーム7の先端位置、予め記憶されているブーム7の先端とライト13の光軸13Sとの位置関係に基づき、クレーン1およびライト13の姿勢に応じたライト13の光軸13Sを算出する。
【0048】
次に演算手段22は、
図3に示すようにライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと平行になるような駆動信号をライト用パンチルト駆動装置33へ出力する。ライト用パンチルト駆動装置33は、演算手段22から出力された駆動信号に基づき、ライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと平行になるようにライト13の傾きを制御する。
【0049】
つまり演算手段22は、カメラ12の傾きが変わっても、カメラ12の光軸12Sにライト13の光軸13Sが平行になるようにライト13の傾きを制御する。
【0050】
このように本実施の形態のクレーン照明装置21では、ライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと平行になるようにライト13の傾きを制御するようにした。これによりライト13は撮像対象の中心に向けて照射することが可能になるので、オペレータは撮像画像32a(
図4参照)を認識し易くなる。よって、本実施の形態のクレーン照明装置21は、夜間の作業を安全に行うことができる。
【0051】
また演算手段22は、吊荷100が移動するか否かを判断する。演算手段22は、吊荷100が移動すると判断した場合は、吊荷100の移動方向A(
図4参照)を算出する。
【0052】
吊荷100が移動するか否かの判断は、吊荷100を移動するクレーン操作がなされたか否かで判断する。移動方向Aの算出は、クレーン1の操作方向に基づいて行う。
【0053】
演算手段22は移動方向Aを算出したら、
図4に示すようにライト13の光軸13Sが撮像画像32a内で移動方向Aへ向くように駆動信号をライト用パンチルト駆動装置33へ出力する。ライト用パンチルト駆動装置33は、演算手段22から出力された駆動信号に基づき、ライト13の光軸13Sが移動方向Aへ向くようにライト13の傾きを一点鎖線から二点鎖線で示すように制御する。
【0054】
このように本実施の形態のクレーン照明装置21では、吊荷100が移動したときに、ライト13の光軸13Sが吊荷100の移動方向Aへ向くようにライト13の傾きを制御するようにした。これにより撮像画像32aの移動方向Aが明るくなる。
【0055】
したがってオペレータは、吊荷100が移動しても撮像画像32aを容易に認識することができる。よって、本実施の形態のクレーン照明装置21は、夜間の作業をより安全に行うことができる。
【0056】
また、
図5に示すように撮像画像32a上で任意の位置Bが指定された場合には、モニタ32は任意の位置Bを演算手段22に出力する。演算手段22は、ライト13の光軸13Sが任意の位置Bへ向くように駆動信号をライト用パンチルト駆動装置33へ出力する。
【0057】
ライト用パンチルト駆動装置33は、演算手段22から出力された駆動信号に基づき、ライト13の光軸13Sが任意の位置Bへ向くようにライト13の傾きを二点鎖線から一点鎖線で示すように制御する。
【0058】
このように本実施の形態のクレーン照明装置21では、撮像画像32a上で任意の位置Bが指定されたときに、ライト13の光軸13Sが任意の位置Bへ向くようにライト13の傾きを制御するようにした。これによりライト13は、撮像画像32a上の任意の方向(地面Gや建物等の吊荷100の到達点)を照射することが可能になる。よって、本実施の形態のクレーン照明装置21は、夜間の作業をより安全に行うことができる。
【0059】
(第2の実施の形態)
図2に示すように本実施の形態のクレーン照明装置121の構成は、第1の実施の形態のクレーン照明装置21の構成と同様である。
【0060】
第1の実施の形態のクレーン照明装置21では、ライト13が先端ブーム7cの先端部7dに設けられた場合の照明方法について説明した。本実施の形態のクレーン照明装置121では、
図1や
図6に示すようにライト13が基端ブーム7aの先端部に設けられた場合の照明方法について説明する。
【0061】
演算手段122は、第1の実施の形態で説明したような方法で、カメラ12の光軸12Sおよびライト13の光軸13Sを算出する。
【0062】
続いて演算手段122は、ブーム7に吊荷100が吊り下げられているか否かを判断する。この判断は、シリンダ圧力センサ25から得られる起伏用シリンダ9の圧力の変化量や、起伏角度センサ27から得られるブーム7の起伏角度の変化量、ウインチドラム回転センサ29から得られるワイヤWの巻上量等に基づいて行う。
【0063】
演算手段122は、ブーム7に吊荷100が吊り下げられていると判断した場合は、シリンダ圧力センサ25〜ウインチドラム回転センサ29の検出値に基づいて吊荷100の上端100aの高さ位置を算出する。続いて演算手段122は、
図6に示すように上端100aの高さ位置における仮想平面Pを設定し、この仮想平面Pとカメラ12の光軸12Sが接触する位置を算出する。演算手段122は、この位置を本発明の交差位置Saに設定する。
【0064】
演算手段122は、ライト13の光軸13Sが交差位置Saを通るような駆動信号をライト用パンチルト駆動装置33へ出力する。言い換えると演算手段122は、交差位置Saでライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと交差するような駆動信号をライト用パンチルト駆動装置33へ出力する。
【0065】
ライト用パンチルト駆動装置33は、演算手段122から出力された駆動信号に基づき、交差位置Saでライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと交差するようにライト13の傾きを制御する。
【0066】
つまり演算手段122は、カメラ12の傾きが変わっても、交差位置Saを算出し、その交差位置Saでライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと交差するようにライト13の傾きを制御する。
【0067】
このように本実施の形態のクレーン照明装置121では、ライト13の光軸13Sが交差位置Saでカメラ12の光軸12Sと交差するようにライト13の傾きを制御するようにした。これによりライト13は撮像対象の中心に向けて照射することが可能になるので、オペレータは撮像画像32a(
図9参照)を認識し易くなる。よって、本実施の形態のクレーン照明装置121は、夜間の作業を安全に行うことができる。
【0068】
さらに本実施の形態のクレーン照明装置121では、吊荷100の上端100aの高さ位置でライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと交差するようにした。これにより、ライト13が先端ブーム7cの先端部7dに設けられていなくても、作業時に監視すべき撮像対象(吊荷100)を明るく照射することが可能になる。
【0069】
したがってオペレータは、撮像画像32a中の吊荷100を容易に認識することができる。よって、本実施の形態のクレーン照明装置121は、ライト13が先端ブーム7cの先端部7dに設けられている場合に比べてライト13の配線作業を容易にしつつ、夜間の作業を安全に行うことができる。
【0070】
また、本実施の形態のクレーン照明装置121では、
図7や
図8に示すように地面Gに交差位置Sb、Scを設定しても良い。
【0071】
交差位置Sb、Scの設定方法について説明する。演算手段122は、シリンダ圧力センサ25〜ウインチドラム回転センサ29の検出値に基づいて地面Gの位置を算出し、さらにカメラ12の光軸12Sが地面Gと接触する位置を算出し、この位置を交差位置Sb、Scに設定する。
【0072】
続いて演算手段122は、ライト13の光軸13Sが交差位置Sb、Scを通るような駆動信号をライト用パンチルト駆動装置33へ出力する。言い換えると演算手段122は、交差位置Sb、Scでライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと交差するような駆動信号をライト用パンチルト駆動装置33へ出力する。
【0073】
ライト用パンチルト駆動装置33は、演算手段122から出力された駆動信号に基づき、交差位置Sb、Scでライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと交差するようにライト13の傾きを制御する。
【0074】
また演算手段122は、カメラ12の傾きが変わっても、地面Gでの交差位置Sb、Scを算出して、その交差位置Sb、Scでライト13の光軸13Sがカメラ12の光軸12Sと交差するようにライト13の傾きを制御する。
【0075】
クレーン照明装置121は、ライト13の傾きをこのように制御した場合は、ライト13が先端ブーム7cの先端部7dに設けられていなくても、作業時に監視すべき撮像対象(地面G)を明るく照射することが可能になる。
【0076】
したがってオペレータは、撮像画像32a中の地面Gを容易に認識することができる。よって、本実施の形態のクレーン照明装置121は、ライト13が先端ブーム7cの先端部7dに設けられている場合に比べてライト13の配線作業を容易にしつつ、夜間の作業を安全に行うことができる。
【0077】
また演算手段122は、吊荷100が移動するか否かを判断し、吊荷100が移動すると判断した場合はその移動方向A(
図9参照)を算出する。吊荷100が移動するか否かの判断方法と移動方向Aの算出法は、第1の実施の形態で説明した通りである。
【0078】
演算手段122は移動方向Aを算出したら、
図9に示すようにライト13の光軸13Sが撮像画像32a内で移動方向Aへ向くような駆動信号をライト用パンチルト駆動装置33へ出力する。ライト用パンチルト駆動装置33は、演算手段22から出力された駆動信号に基づき、ライト13の光軸13Sが移動方向Aへ向くようにライト13の傾きを一点鎖線から二点鎖線で示すように制御する。
【0079】
このように本実施の形態のクレーン照明装置121では、第1の実施の形態のクレーン照明装置21と同様にライト13が吊荷100の移動方向Aへ向くようにライト13の傾きを制御したので撮像画像32aの移動方向Aが明るくなる。
【0080】
したがってオペレータは、吊荷100が移動しても撮像画像32aを容易に認識することができる。よって、本実施の形態のクレーン照明装置121は、夜間の作業をより安全に行うことができる。
【0081】
また
図10に示すように撮像画像32a上で任意の位置Bが指定された場合は、第1の実施の形態のクレーン照明装置21と同様な方法で、ライト13の光軸13Sが任意の位置Bへ向くようにライト13の傾きを二点鎖線から一点鎖線で示すように制御する。これによりライト13は撮像画像32a上の任意の方向(地面Gや建物等の吊荷100の到達点)を照射することが可能になる。よって、本実施の形態のクレーン照明装置121は、夜間の作業をより安全に行うことができる。
【0082】
以上、本発明に係る実施の形態を例示したが、これらの実施の形態は本発明の内容を限定するものではない。また、本発明の請求項の範囲を逸脱しない範囲であれば、各種の変更等は可能である。
【0083】
例えば、第2の実施の形態のクレーン照明装置121において、交差位置を吊荷100の上面で設定するか地面Gで設定するかをオペレータが選択するようにしても良い。
【0084】
また、ライト13をブーム7の先端ブーム7cの先端部7dと、基端ブーム7aの先端部の双方に設けても良い。この場合は第1の実施の形態と第2の実施の形態で説明した照明方法をオペレータが任意に選択できるようにしても良い。
【0085】
また、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、位置入力手段としてタッチパネル機能付きモニタ32を使用したが、その他にマウスやキーボード等の他のデバイスを使用しても良い。
【0086】
また、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、吊荷100の移動を判断し、吊荷100の移動方向Aへライト13の光軸13Sが向くようにライト13の傾きを制御した。しかし吊荷100がフック11に吊り下げられていない場合には、クレーン照明装置はフック11の移動を判断し、フック11の移動方向へライト13の光軸13Sが向くようにライト13の傾きを制御しても良い。
【0087】
またクレーン照明装置は、フック11に吊荷100が吊り下げられていない場合は、吊荷100の上端100aの高さ位置を算出した方法と同様な方法でフック11の上端の高さ位置を算出する。続いてクレーン照明装置は、この高さ位置から仮想平面を設定し、この仮想平面とカメラ12の光軸12Sとが接触する位置を算出して、この位置を交差位置に設定する。クレーン照明装置は、この交差位置でライト13の光軸がカメラ12の光軸12Sと交差するようにライト13の傾きを制御する。
【0088】
また、クレーン照明装置は、第1の実施の形態のようにブーム7の先端にライト13を備える場合でも、第2の実施の形態で説明したような方法で交差位置Sa〜Scを設定して、その交差位置Sa〜Scでカメラ12の光軸12Sとライト13の光軸13Sが交差するようにしても良い。
【0089】
また、第1の実施の形態や第2の実施の形態では、クレーン1、カメラ12、ライト13の姿勢を検出するために各種のセンサを使用したが、これらの姿勢が特定できれば各種のセンサは必ずしも使用しなくても良い。例えば、姿勢を簡易的に特定する場合には、シリンダ圧力センサ25や旋回角度センサ28を使用しなくても良い。