(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デューティサイクルスルーレート制限回路は、スルーレート制限差動増幅器(34)を備え、前記スルーレート制限差動増幅器は、前記デューティサイクルを制御する制御信号を前記コンバータ内に出力する、請求項1に記載のシステム。
前記デューティサイクルスルーレート制限回路は、スルーレート制限差動増幅器(34)を備え、前記スルーレート制限差動増幅器は、前記デューティサイクルを制御する制御信号を前記コンバータ内に出力する、請求項8に記載のシステム。
【背景技術】
【0003】
PoDLでは、給電機器(PSE)からのDC電力は、単一のツイストペア線を経由して伝送される。同一のツイストペア線はまた、差動データ信号を伝送/受信する。このようにして、電動デバイス(PD)のためにいかなる外部電源を提供する必要性も排除されることができる。PoDLのための規格は、IEEE802.3で設定され、周知である。
【0004】
従来のPoDLシステムは、カップリングネットワークを使用して、DC電力およびACデータをPSEの出力においてツイストペア線に結合し、同じネットワークを使用して、DC電力およびACデータをPDにおいてツイストペア線から分断する。
【0005】
図1は、イーサネット(登録商標)PoDLシステム内のPSE10とPD12との間の従来のカップリング/デカップリングネットワークを図示する。PSE10は、DC電圧源13を含み、差動データ送受信機を含み得る。差動データはまた、任意の他の回路によって生成され得る。差動データは、ツイストペア線16への印加のために、物理層(PHY)14の差動端子に印加される。PoDLシステムのデータ部分は、本発明に関連がなく、したがって、詳細に説明されない。
【0006】
PD12は、PHY18端子からデータを受信し、データを適宜処理する、差動データ部分を含む。そのようなデータ処理部分は、本発明に関連がない。DC電圧およびデータを受信するPD負荷は、レジスタR
PDによって表される。コンデンサC
PDは、PD負荷の中への電圧を平滑化するのに役立つ。DC−DCコンバータが、PD内で使用され、受信されたPoDL電圧をPD負荷のための標的電圧に変換し得る。
【0007】
図1の例では、DC電力は、カップリングネットワークを介して、単一のツイストペア線16を通してPSE10からPD12に送達され、カップリングネットワークは、DC電圧源13とペア線16との間で、電力のためにDC(または低周波数電流)を伝導するが、DC電圧源13から差動ACデータ(または高周波数電流)を同時に遮断する。同様に、PD12は、PD負荷に給電するための伝送されたDC電圧を分断するデカップリングネットワークを使用し、PHYのACデータのみをPD12内のデータ端子に伝導する。非常に広い範囲の周波数にわたってPHYのACデータを遮断するカップリング/デカップリングネットワークの能力は、データレートが100Mbpsから1Gbpsを上回るまで変動し得るPoDLイーサネット(登録商標)用途のための重要な要件である。
図1の実施例では、コンデンサC1−C4が、データ経路内のDCを遮断することを意図している一方で、インダクタL1−L4は、電力経路内のACを遮断することを意図している。
【0008】
図1では、インダクタL1−L4は、ワイヤ16へ/からPSE10電圧源13とPD12負荷との間で流動するDCを結合/分断するために使用される。インダクタL1−L4は、インピーダンスが周波数に比例するAC遮断デバイスである。比例定数は、インダクタンスLと称される。広範囲の周波数にわたってACを妨げる単一のインダクタの能力は、インダクタンスの規模、そのインダクタンスを失うことなくDC電流を伝導するインダクタの能力、およびその寄生容量に依存する。
【0009】
インダクタL1−L4を、電力信号を通すが、ACデータ信号を遮断するために必要な最小サイズにすることが望ましい。同様に、コンデンサC1−C4を、電力信号を遮断するが、ACデータ信号を通過させるために必要な最小サイズにすることが望ましい。しかしながら、電力信号におけるdV/dt雑音もまた、遮断されなければならず、そのようなdV/dt雑音は、非常に予測不能である。dV/dt雑音は、データ完全性に影響を及ぼし得る。したがって、インダクタL1−L4およびコンデンサC1−C4は、典型的には、DC電圧を適正に通過させまたは遮断し、ACデータ信号を通過させまたは遮断するために要求されるものより大きい。電力信号内の雑音は、PSEがオンにされている間に、または電力供給源バス上の他の機器から、または他の源から生じ得る。
【0010】
同様に、PD負荷電流の急変(dI/dt)も、PSEによって送達される電圧に影響を及ぼし、高い正のdI/dtは、電圧の一時的急減を生じさせ、高い負のdI/dtは、電圧の一時的急増を生じさせるであろう。電圧のそのようなdV/dt変化は、データ完全性に影響を及ぼし得る。
【0011】
したがって、PoDLの分野で必要とされるものは、dV/dtまたはdI/dtによって生じる電力信号内の雑音を制限しながら、電力信号と広帯域幅ACデータとを組み合わせ、または分離する改良されたネットワークである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
同一または同等である要素は、同一の数字で標識される。
【0020】
図2は、PoDLシステム内のPSE20の電力生成部分を図示する。PD(図示せず)は、
図1における従来のPD12に類似し得るが、PDのPDデカップリングネットワークにおけるフィルタ要件は、本発明によって緩和される。PoDLシステムの差動データ部分は、本発明に関連がなく、従来通りであり得る。
【0021】
PSE電圧の変化dV
PSE/dtに対するPHYの端子電圧応答の分析は、回路の減衰率に応じて、3つの形態、すなわち、過小減衰、臨界減衰、または過大減衰のうちの1つをとり得るが、定常状態では、以下のように示され得る。
【数1】
式中、PHYのインピーダンスは、2×50Ωと仮定され、C
PHYは、PHYのDC遮断コンデンサC1−C4の静電容量である。
【0022】
故に、dV
PSE/dtにおけるスルーレート制限が、いずれかのPHYにおける電圧摂動の大きさを制約するために要求される。
【0023】
PSEに対して、種々の回路トポロジが、PHY端子における結果として生じる電圧過渡の大きさが制限されることを確実にするために、必要に応じて、dV
PSE/dtを制限するために使用され得る。
【0024】
図2は、PSE20内の回路アーキテクチャを図示し、低圧側N−チャネルMOSFET M3は、電力信号電圧の変動が生じるとき、PSE20の始動中のみ、電流源22によるプルアップ電流I1を用いて増進される。始動中、スイッチ24は、開放され、電流I1が、MOSFET M3のゲートをプルアップし、接地とインダクタL2の底部端子との間のその伝導性を増加させることを可能にする。始動時、MOSFET M3のドレインにおけるdV/dtは、非常に大きく、したがって、電流は、コンデンサC5によって、ドレインとゲートとの間で伝導され、ゲートに印加される電流源22からの電流のパーセンテージを低減させるであろう。これは、MOSFET M3のターンオン時間を制限する。dV/dtが減少させられる(かつコンデンサC5の中への電流が減少させられる)につれて、ゲートに印加される電流源22からの電流のパーセンテージは、MOSFET M3が完全にオンになる(すなわち、V
PSE−がほぼ接地される)まで増加される。したがって、コンデンサC5は、dV/dtを約I(I1)/C5未満に制限するために、MOSFET M3のドレインからゲートにフィードバックを提供する。この技法は、MOSFETのための周知のミラー効果を使用する。電流源22またはコンデンサC5は、任意の所望の率でMOSFET M3の伝導性を増加させ、dV/dtを制限するように選択されることができる。dV/dtの制限は、データ完全性を保存し、カップリング/デカップリングネットワークのフィルタ処理要件を緩和する。
【0025】
始動増加終了時、スイッチ24は、開放したままであり、電流I1は、MOSFET M3を完全にオンにし、M3にその線形領域内で動作させる。コンデンサC5は、次いで、開回路として作用する。スイッチ24の閉鎖は、ゲートを放電させ、MOSFET M3をオフにし、PDへの電力信号を終了させるためのものである。追加される構成要素は、コンデンサC5が小型であり得るため、PSEコントローラと同一チップ上で製作され得る。
【0026】
多くの他のタイプの回路が、
図2の制限回路の代わりに使用され、始動中または任意の他の時間中のV
PSE−またはV
PSE+の時間変化率を制限し得る。
【0027】
さらに、DC電圧源13によって生成される雑音が問題となる場合、電圧調整器が、V
PSE+およびV
PSE−端子に印加される電圧を平滑化するために含まれ得る。
【0028】
図3Aおよび4は、始動中またはその後にPD負荷電流の急変によって生じる、PDにおけるdV/dtを制限する回路を示す。
【0029】
PDに対して、V
PD(すなわち、デカップリングネットワークによるフィルタ処理後のPD電圧)とV
PHY(すなわち、ペア線を横断する電圧)との間の関係は、V
PSEおよびV
PHYに対するものと同一である。寄生抵抗の影響を無視すると、dV
PD/dtとPD電流I
PDとの間の定常状態関係は、以下となる。
【数2】
【0030】
故に、PD電流の二次導関数は、PHYの端子に見られる電圧過渡の大きさを制限するために制約されるべきである。
【0031】
PD電流における時間変化率を制限する回路アーキテクチャは、PHY電圧過渡を制限する手段をもたらす。
【0032】
図3Aは、PD30内のdV
PD/dtが制限される回路アーキテクチャを図示する。PD負荷(図示せず)は、DC−DCコンバータのVout端子に接続される。コンバータは、流入PoDL電圧をPD負荷によって使用される調整された標的電圧(例えば、5ボルト)に変換する。そのような負荷は、自動的に、スタンバイモードになるか、またはそこから抜け出て、その電流を急変させ得る。負荷電流のそのような急変は、典型的には、PoDL電圧の急変を生じさせる。
【0033】
図3Aでは、入力コンデンサC
INは、V
PD+およびV
PD−ラインを横断する電圧を部分的に平滑化する。微分器回路32は、V
PD+およびV
PD−ラインを横断する電圧を検出し、dV/dtに比例する電圧を出力する。一般的微分器回路が、
図3Bに示される。
図3Bの回路内のRおよびCの値は、Vout対dV/dtの所望の比を得るように調節可能である。
【0034】
微分器回路32の出力は、差動増幅器34によって、固定スルー限界基準電圧(閾値電圧)に関して区別される。増幅器34の出力は、電圧モードバックDC−DCコンバータのために、制御増幅器36の負の入力にフィードされ、したがって、V
PDのdV/dtが閾値を超えないように、コンバータのデューティサイクルの時間変化率を制限する。
【0035】
固定基準電圧REFが、制御増幅器36の正の入力に印加されている。コンバータの出力電圧V
OUTは、制御増幅器36の別の負の入力に印加される。
【0036】
制御増幅器36のアナログ出力は、パルス幅変調器(PWM)38の制御信号として働く。PWM38は、従来通りであり得、制御電圧を鋸歯波形と比較し得る。PWM38出力が低いとき、NMOSトランジスタM1は、オフになり、PMOSトランジスタM2は、オンになり、インダクタL5のために新しい充電サイクルを開始する。出力コンデンサC
OUTは、PD負荷のためのコンバータの出力を平滑化する。PD負荷がスタンバイモードから抜け出てより多くの電流を引き込む場合などにデューティサイクルの変化を制御することによって、コンバータがインダクタL5の充電時間の増加を試みる場合、高速出力電圧調整を犠牲にして、負荷の中への電流のより平滑な増加が存在するであろう。この電流のより平滑な増加は、V
PD+およびV
PD−ラインのdV/dtが閾値限界を超えないように、V
PD+およびV
PD−ラインを横断するdV/dtを動的に減少させる。これは、PD負荷電流のdI/dt(およびd
2I
PD/dt
2)を制限する。したがって、PD負荷の変化(例えば、スタンバイモードになる、またはそこから抜け出る)は、デカップリング構成要素C3、C4、L3、およびL4のためのフィルタ処理要件が減少させられるように、dV/dtに制限された影響を及ぼすであろう。
【0037】
多くの他のタイプのDC−DCコンバータが、
図3Aに示されるバックタイプの代わりに、使用され得る。
【0038】
図4に示されるように、d
2I
PD/dt
2を制限するための別のアプローチは、PWMデューティサイクルの時間変化率を制限するために、DC−DCコンバータの制御電圧のスルーレートを直接制限することを伴う。V
PDの変化がI
PDの変化に起因してわずかであると仮定すると、d
2I
PD/dt
2とバックDC−DCコンバータのデューティサイクルとの間の関係は、およそ以下となる。
【数3】
【0039】
故に、コンバータのデューティサイクルの時間変化率を直接制限することは、PHYにおける電圧過渡の大きさを制限するために十分であり得ることが分かる。
【0040】
図4は、電圧モードバックコンバータを図示し、ループ増幅器の制御電圧スルーレートは、PWMデューティサイクルの時間変化率を制限するために、スルーレート制限増幅器44によって制限され、デューティサイクルは、制御電圧に比例する。出力電圧V
OUTは、差動増幅器46の負の入力に印加され、固定基準電圧REFは、正の入力に印加される。差動増幅器46の出力は、標的電圧からのV
OUTの偏差を表す。スルーレート制限増幅器44は、その出力をその負の入力端子にフィードするトランスコンダクタンス増幅器であり、スルーコンデンサC
SLEWは、出力における最大変化率を決定する。出力は、制御電圧をPWM38に供給し、DC−DCコンバータのデューティサイクルを決定する。デューティサイクルの時間変化率を制御することによって、電力信号のdV/dtは、制限される。したがって、データ完全性は、DC遮断コンデンサC3およびC4によって通されない電力信号内の低下させられたdV/dtによって維持される。
【0041】
多くの他のタイプの回路が、PD内のDC−DCコンバータのデューティサイクルのスルーレートを制限し、PD負荷の急変が電力信号内の問題となるdV/dtをもたらすことを防止するために使用され得る。
【0042】
用語PSEおよびPDは、本開示全体を通して、電力を供給する機器と、電力を受信する機器とを識別するために使用され、そのような機器/デバイスは、規定されない限り、イーサネット(登録商標)機器/デバイスに制限されない。
【0043】
本発明の特定の実施形態が示され、説明されているが、そのより広い側面で本発明から逸脱することなく、変更および修正が行われ得、したがって、添付の請求項は、それらの範囲内に全てのそのような変更および修正を包含するものであることが、当業者に明白となるであろう。
本発明は、以下の項目をさらに提供する。
(項目1)
単一ペア線を介する電力および差動データ伝送を可能にするパワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、
前記ペア線に結合されている給電機器(PSE)内の受動的カップリングネットワークであって、前記受動的カップリングネットワークは、DC電力信号および差動データを前記ペア線に結合する、受動的カップリングネットワークと、
前記ペア線に結合されている電動デバイス(PD)内の受動的デカップリングネットワークであって、前記受動的デカップリングネットワークは、前記DC電力信号および差動データを前記ペア線から分断する、受動的デカップリングネットワークと、
前記受動的カップリングネットワークおよび前記受動的デカップリングネットワークとは別個であるdV/dt制限回路と
を備え、
前記dV/dt制限回路は、1つ以上の能動的構成要素を備え、前記dV/dt制限回路は、前記電力信号におけるdV/dtを制限する、システム。
(項目2)
前記dV/dt制限回路は、
前記PSE内の電力信号ラインと直列のトランジスタと、
前記PSE内の制御回路と
を備え、
前記制御回路は、前記電力信号ライン上のdV/dtに応答し、前記制御回路は、前記dV/dtに応答して、前記dV/dtが制限されるように前記トランジスタの伝導性を制御する、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記制御回路は、前記電力信号ラインに結合されている第1の端子と、前記トランジスタの制御端子に結合されている第2の端子とを有するコンデンサを備えている、項目2に記載のシステム。
(項目4)
電流を前記トランジスタの制御端子に供給する電流源をさらに備え、前記コンデンサは、前記電流源からの電流を迂回させ、前記dV/dtを制限する、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記PDは、流入PoDL電圧をPD負荷のための標的電圧に変換するためのDC−DCコンバータを含み、
前記dV/dt制限回路は、前記DC−DCコンバータに結合されているデューティサイクルスルーレート制限回路を備え、前記デューティサイクルスルーレート制限回路は、
PD負荷電流の変化に応答して、前記コンバータのデューティサイクルのスルーレートを制限し、したがって、前記PD負荷の中へのdI/dtを減少させ、前記電力信号における減少させられたdV/dtをもたらす、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記デューティサイクルスルーレート制限回路は、
前記電力信号におけるdV/dtに比例する第1の信号を出力する微分器回路と、
前記コンバータの出力電圧に対応する第1のフィードバック信号を受信し、前記出力電圧が標的電圧であるように調整するDC−DCコンバータコントローラ回路と
を備え、
前記第1の信号は、前記コンバータコントローラに提供され、前記コンバータコントローラは、前記PD負荷の変化に応答して、前記コンバータのデューティサイクルのスルーレートを制限することによって、前記dV/dtを最大値に制限する、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記デューティサイクルスルーレート制限回路は、スルーレート制限差動増幅器を備え、前記スルーレート制限差動増幅器は、前記デューティサイクルを制御する制御信号を前記コンバータ内に出力する、項目5に記載のシステム。
(項目8)
前記コンバータの出力電圧に対応する電圧を受信する第2の差動増幅器を備え、前記第2の差動増幅器は、基準電圧を受信し、前記第2の差動増幅器の出力は、前記スルーレート制限差動増幅器の入力に結合されている、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記スルーレート制限差動増幅器は、その出力に結合されているコンデンサを備え、前記出力は、前記スルーレート制限差動増幅器の入力に結合されている、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記dV/dt制限回路は、PD負荷の中へのdI/dtを制限する、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記受動的カップリングネットワークおよび前記受動的デカップリングネットワークは、
前記電力信号を通すが、前記差動データを遮断するインダクタと、
前記差動データを通すが、前記電力信号を遮断するコンデンサと
を備えている、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記DC電力信号は、前記PSE内の電圧源によって生成される、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記差動データは、イーサネット(登録商標)データを備えている、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前記dV/dt制限回路は、PD負荷電流変動を制限するd
2I/dt
2制限回路を前記PD内に備えている、項目1に記載のシステム。
(項目15)
単一ペア線を介する電力および差動データ伝送を可能にするパワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、
前記ペア線に結合されている給電機器(PSE)内の受動的カップリングネットワークであって、前記受動的カップリングネットワークは、DC電力信号および差動データを前記ペア線に結合する、受動的カップリングネットワークと、
前記ペア線に結合されている電動デバイス(PD)内の受動的デカップリングネットワークであって、前記受動的デカップリングネットワークは、前記DC電力信号および差動データを前記ペア線から分断する、受動的デカップリングネットワークと、
前記受動的カップリングネットワークおよび前記受動的デカップリングネットワークとは別個であるd
2I/dt
2制限回路と
を備え、
前記d
2I/dt
2制限回路は、1つ以上の能動的構成要素を備え、前記d
2I/dt
2制限回路は、前記電力信号におけるdV/dtを制限する、システム。
(項目16)
前記PDは、流入PoDL電圧をPD負荷のための標的電圧に変換するためのDC−DCコンバータを含み、
前記d
2I/dt
2制限回路は、前記DC−DCコンバータに結合されているデューティサイクルスルーレート制限回路を備え、前記デューティサイクルスルーレート制限回路は、PD負荷電流の変化に応答して、前記コンバータのデューティサイクルのスルーレートを制限し、したがって、前記PD負荷の中へのdI/dtを減少させ、前記電力信号における減少させられたdV/dtをもたらす、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記デューティサイクルスルーレート制限回路は、
前記電力信号におけるdV/dtに比例する第1の信号を出力する微分器回路と、
前記コンバータの出力電圧に対応する第1のフィードバック信号を受信し、前記出力電圧が標的電圧であるように調整するDC−DCコンバータコントローラ回路と
を備え、
前記第1の信号は、前記コンバータコントローラに提供され、前記前記コンバータコントローラは、前記PD負荷の変化に応答して、前記コンバータのデューティサイクルのスルーレートを制限することによって、前記d
2I/dt
2を最大値に制限する、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記デューティサイクルスルーレート制限回路は、スルーレート制限差動増幅器を備え、前記スルーレート制限差動増幅器は、前記デューティサイクルを制御する制御信号を前記コンバータ内に出力する、項目16に記載のシステム。
(項目19)
前記スルーレート制限差動増幅器は、その出力に結合されているコンデンサを備え、前記出力は、前記スルーレート制限差動増幅器の入力に結合されている、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記d
2I/dt
2制限回路は、PD負荷の中へのdI/dtを制限する、項目15に記載のシステム。