特許第6202735号(P6202735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202735
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】カードコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/72 20110101AFI20170914BHJP
【FI】
   H01R12/72
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-250997(P2013-250997)
(22)【出願日】2013年12月4日
(65)【公開番号】特開2015-109182(P2015-109182A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2016年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中沢 陽一
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−315534(JP,A)
【文献】 特開平06−283231(JP,A)
【文献】 米国特許第06241557(US,B1)
【文献】 特表2002−525818(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3170288(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0258605(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に電極をもつ第1カードに対応する第1接続構造と一面に電極をもつ第2カードに対応する第2接続構造と前記第1カード及び前記第2カードを搭載可能な板状に広がるトレイとを備えた2枚差カードコネクタであって、前記第1接続構造は絶縁性の第1ハウジング、前記第1ハウジングの内面に備わる導電性の第1コンタクト、及び前記第1ハウジングを覆う導電性の第1シェルを備え、前記第2接続構造は絶縁性の第2ハウジング、前記第2ハウジングの内面に備わる導電性の第2コンタクト、及び前記第2ハウジングを覆う導電性の第2シェルを備え、前記第1接続構造は、前記第2接続構造と所定の位置で上下段に組み合わされ、この組み合わされた状態で、前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングと協働して一側面に開口部、及びこの開口部に連通する内部に収容部を備えた箱体を形成するとともに、前記第1シェルは、前記第2シェルと協働して前記一側面に開口部を備えた箱体を形成し、前記トレイが前記開口部を通して前記収容部に挿抜可能であって、
記第1ハウジングと、前記第2ハウジングとは互いに結合するための結合手段を互いに所定の位置に備え、
前記結合手段は、前記第1ハウジング或いは前記第2ハウジングの一方の側に所定の位置に起立した状態の金属の板状片を備え、他方の側に前記板状片を板厚方向に保持可能なスリットを所定の位置に備え、前記板状片が前記スリットに圧入されることで前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが結合されるところに特徴を有するカードコネクタ。
【請求項2】
前記第1シェルと前記第1ハウジング、及び前記第2シェルと前記第2ハウジングとはそれぞれが互いに結合するための結合手段をそれぞれが互いに所定の位置に備えるところに特徴を有する請求項1記載のカードコネクタ。
【請求項3】
前記結合手段は、前記第1シェル及び前記第2シェルが所定に位置に起立した状態の板状片を備え、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングが所定の位置に前記板状片を板厚方向に保持可能なスリットを備えるところに特徴を有する請求項2記載のカードコネクタ。
【請求項4】
前記第1接続構造がSIMカードの接続用であり、前記第2接続構造がSDカードの接続用であるか又は前記第1接続構造がSIMカードの接続用であり、前記第2接続構造がSIMカードの接続用であるところに特徴を有する請求項1から3のうち一項記載のカードコネクタ。
【請求項5】
板状に広がる前記トレイの一面に前記電極が外に向かうように前記第1カードが搭載され、他面に前記電極が外に向かうように前記第2カードが搭載された状態で、前記トレイが前記収容室に挿入され、前記第1カードの電極が前記第1ハウジングの第1コンタクトに電気的機械的に接続し、前記第2カードの電極が前記第2ハウジングの第2コンタクトに電気的機械的に接続するところに特徴を有する請求項1から4のうち一項記載のカードコネクタ。
【請求項6】
前記トレイは前記第1カードを所定の位置に保持するための第1保持手段と、前記第2のカードを所定の位置に保持するための第2保持手段とを備えるところに特徴を有する請求項5記載のカードコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードコネクタに関し、詳しくはカードの種類に応じた接続構造の組み合わせが容易にできるカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
SIMカードスロット、SDカードスロットの二つのカードスロットが備わる携帯機器がある。従来技術として特許文献1記載の技術が知られている。この技術によれば、SIMカードを接続するためのSIMカード接続部と、SDカードを接続するためのSDカード接続部とが一体的に構成され、求められる低背化が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3130287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電子機器は絶えず進化し、また市場の要求は多様性に富む。たとえば、2枚のカードの組み合わせがSDカードと、SIMカードとの組み合わせの場合があれば、SIMカードと、SIMカードとの組み合わせの場合もある。このときのSIMカードは、microSIMカード同士の組み合わせの場合があれば、nanoSIMカード同士の組み合わせの場合もある。さらには、microSIMカードと、nanoSIMカードとの組み合わせの場合もある。また、上段にSDカードの場合があれば、下段にSDカードの場合もある。
【0005】
このようなとき従来技術では、これら要求に応えるためには、その要求に応じた構造を一から設計する必要があり、また、製造工程もそれぞれの仕様に応じて組み直す必要がある。本発明は、これら課題に鑑みてなされたものであって、組み合わせるカードの種類に応じた各種カードコネクタが容易に設計でき、容易に製造工程の組み替えができるカードコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るカードコネクタは、(1) 一面に電極をもつ第1カードに対応する第1接続構造と一面に電極をもつ第2カードに対応する第2接続構造と前記第1カード及び前記第2カードを搭載可能な板状に広がるトレイとを備えた2枚差カードコネクタであって、前記第1接続構造は絶縁性の第1ハウジング、前記第1ハウジングの内面に備わる導電性の第1コンタクト、及び前記第1ハウジングを覆う導電性の第1シェルを備え、前記第2接続構造は絶縁性の第2ハウジング、前記第2ハウジングの内面に備わる導電性の第2コンタクト、及び前記第2ハウジングを覆う導電性の第2シェルを備え、前記第1接続構造は、前記第2接続構造と所定の位置で上下段に組み合わされ、この組み合わされた状態で、前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングと協働して一側面に開口部、及びこの開口部に連通する内部に収容部を備えた箱体を形成するとともに、前記第1シェルは、前記第2シェルと協働して前記一側面に開口部を備えた箱体を形成し、前記トレイが前記開口部を通して前記収容部に挿抜可能であって、前記第1ハウジングと、前記第2ハウジングとは互いに結合するための結合手段を互いに所定の位置に備え、前記結合手段は、前記第1ハウジング或いは前記第2ハウジングの一方の側に所定の位置に起立した状態の金属の板状片を備え、他方の側に前記板状片を板厚方向に保持可能なスリットを所定の位置に備え、前記板状片が前記スリットに圧入されることで前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが結合されるところに特徴を有するものである。
【0007】
この発明によれば、カードコネクタは、構成要素として第1接続構造と、第2接続構造、及び表裏にそれぞれカードが搭載可能なトレイを備えている。第1接続構造と、第2接続構造とは組み合わされて一つの箱状のハウジング、及びハウジングを覆うシェルを構成
し、トレイは、開口部を通してハウジングの内部に形成された収容部に出し入れ可能である。すなわち、第1接続構造、及び第2接続構造は、所定の位置で上下段に組み付けが可能であって、組み付けることで一つのハウジングが完成する仕組みを備えている。
【0008】
これにより、独立した接続構造を備えた第1接続構造、及び第2接続構造には、任意のカード接続構造の選択が可能であり、たとえば、SDカード接続構造、SIMカード接続構造を割り当てることで、SDカードと、SIMカードとの組み合わせのカードコネクタが完成する。或いは、第1接続構造、及び第2接続構造に、microSIMカード接続構造、nanoSIMカード接続構造を割り当てることで、SIMカードと、SIMカードとの組み合わせのカードコネクタが完成する。
このように、独立した接続構造を備えた第1接続構造、及び第2接続構造は、組み替え可能な単位としてモジュール化されている。すなわち、1組のカードコネクタは、各種カード用接続構造からの任意の1組の組み合わせの選択という行為によって得られることとなる。これにより、組み合わせるカードの種類に応じた各種カードコネクタが容易に設計でき、容易に製造工程の組み替えができるカードコネクタが得られる。
【0010】
この発明によれば、上下段が所定の位置で組み付け可能であって、結合手段が所定の位置に備わるので、モジュール化された各種カード用接続構造は、いずれの組み合わせであっても、組み付け位置と、結合手段の位置とが合致する。これにより、組み合わせるカードの種類に応じた各種カードコネクタが容易に設計でき、容易に製造工程の組み替えができるカードコネクタが得られる。
【0012】
この発明によれば、結合手段が板状片と、これを板厚方向から挟持するスリットとからなる。これにより、組み合わせるカードの種類に応じた各種カードコネクタが容易に設計でき、容易に製造工程の組み替えができるカードコネクタが得られる。
【0013】
さらに好ましくは、本発明に係るカードコネクタは、(2)前記第1シェルと前記第1ハウジング、及び前記第2シェルと前記第2ハウジングとはそれぞれが互いに結合するための結合手段をそれぞれが互いに所定の位置に備えるところに特徴を有する(1)記載のものである。
【0014】
この発明によれば、シェルとハウジングとは、所定の位置に結合手段を備えているので、シェルをハウジングに容易に組み付けることができる。
【0015】
さらに好ましくは、本発明に係るカードコネクタは、(3)前記結合手段は、前記第1シェル及び前記第2シェルが所定に位置に起立した状態の板状片を備え、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングが所定の位置に前記板状片を板厚方向に保持可能なスリットを備えるところに特徴を有する(2)記載のものである。
【0016】
この発明によれば、結合手段は、板状片と板状片を板厚方向から挟持するスリットとか
らなる。これにより、組み合わせるカードの種類に応じた各種カードコネクタが容易に設計でき、容易に製造工程の組み替えができるカードコネクタが得られる。
【0017】
さらに好ましくは、本発明に係るカードコネクタは、(4)前記第1接続構造がSIMカードの接続用であり、前記第2接続構造がSDカードの接続用であるか又は前記第1接続構造がSIMカードの接続用であり、前記第2接続構造がSIMカードの接続用であるところに特徴を有する(1)から(3)のうち一項記載のものである。
【0018】
この発明によれば、容易にSIMカードとSDカードの組み合わせからなるカードコネクタを得ることができる。或いは、容易にSIMカードとSIMカードとからなるカードコネクタを得ることができる。この場合SIMカードは、たとえばmicroSIMカードと、nanoSIMカードとの組み合わせであってもよい。或いは、nanoSIMカードとnanoSIMカードとの組み合わせからなるカードコネクタであってよい。
【0019】
さらに好ましくは、本発明に係るカードコネクタは、(5)板状に広がる前記トレイの一面に前記電極が外に向かうように前記第1カードが搭載され、他面に前記電極が外に向かうように前記第2カードが搭載された状態で、前記トレイが前記収容室に挿入され、前記第1カードの電極が前記第1ハウジングの第1コンタクトに電気的機械的に接続し、前記第2カードの電極が前記第2ハウジングの第2コンタクトに電気的機械的に接続するところに特徴を有する(1)から(4)のうち一項記載のものである。
【0020】
この発明によれば、トレイは、その表裏面にカードの搭載が可能であるので、一つのトレイで2枚のカードの搭載ができる。さらに、カードは外向きに電極が向かう姿勢で搭載される。これにより、カードは、ハウジングの内面に一端が露出するコンタクトと電気的機械的に接続することができる。
【0021】
さらに好ましくは、本発明に係るカードコネクタは、(6)前記トレイは前記第1カードを所定の位置に保持するための第1保持手段と、前記第2のカードを所定の位置に保持するための第2保持手段とを備えるところに特徴を有する(5)記載のものである。
【0022】
この発明によれば、組み合わせるカードの種類に応じた各種カードコネクタが容易に設計でき、容易に製造工程の組み替えができるとともに、トレイに搭載されたカードが、たとえ下向きになっても落下しにくいカードコネクタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の実施形態に係るカードコネクタの外観斜視図である。
図2図2は、図1のII−II線における断面図である。
図3図3は、同カードコネクタを部品毎に分割した分割斜視図である。
図4図4は、本発明に実施形態に係るカードコネクタのSIMハウジングと、SDハウジングとの結合状態を示す透視斜視図であって、(A)は、結合前、(B)は、結合した状態を示す図である。
図5図5は、同カードコネクタのシェルとハウジングとの結合状態を示す透視斜視図であって、(A)は、結合前、(B)は、結合した状態である。
図6図6は、同カードコネクタのトレイにカードが搭載されている状態を示す外観斜視図であって、上面にSDカードが搭載されている図である。
図7図7は、同カードコネクタのトレイにカードが搭載されている状態を示す外観斜視図であって、下面にSIMカードが搭載されている図である。
図8図8は、同カードコネクタのトレイの出し入れの状態を示す斜視図であって、(A)は、トレイが出ている状態、(B)は、トレイが入っている状態である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について図面にしたがって説明する。図1は、本発明の実施形態に係るカードコネクタの外観斜視図である。図2は、図1のII−II線における断面図である。
【0025】
〈カードコネクタの概説〉 カードコネクタ1は、図1に示されるように、SDカード70を接続するためのSDカード接続構造10、SIMカード80を接続するためのSIMカード接続構造20、及び上面にSDカード70、下面にSIMカード80を搭載可能なトレイ40を備えている。
【0026】
SDカード接続構造10は、図2図3に示されるように、非導電性の合成樹脂からなるSDハウジング150、導電性の金属からなるSDシェル100、及び導電性のSDコンタクト170を備える。SIMカード接続構造20は、非導電性の合成樹脂からなるSIMハウジング250、導電性の金属からなるSIMシェル200、及び導電性のSIMコンタクト270を備える。
SDハウジング150は、図3に示されるように、SIMハウジング250と組み合わされて一つの箱状のハウジングを構成する。SDシェル100は、SIMシェル200と組み合わされてハウジング5を囲うシェル3を構成する。トレイ40は上面側が、SDカード接続構造10に対応し、下面側がSIMカード接続構造20に対応する。
【0027】
カードコネクタ1は、図1に示されるように、内部にトレイ40の収容部300が形成された、合成樹脂からなる非導電性のハウジング5、及びハウジング5の周囲を覆う板状金属からなる導電性のシェル3を備えている。トレイ40の収容部300を形成するハウジング5は、内壁の上面及び下面から収容部300に向けて一端が露出するSDコンタクト170、及びSIMコンタクト270を所定の位置に備えている。SDコンタクト170は、対応するSDカード70の電極71と電気的機械的に接続する。SIMコンタクト270は、対応するSIMカード80の電極81と電気的機械的に接続する。
【0028】
導電性のシェル3は、図示しない回路基板のグランド端子と接続し、SDカード70、SIMカード80の電気信号を外部電磁波から保護する。シェル3は、SDカード70、SIMカード80を内部の収容部300に収容する非導電性のハウジング5の周囲を覆うように備わる。
【0029】
非導電性のハウジング5は、図2に示されるように、SDカード70、SIMカード80を収容部300に収容し、これらSDカード70の電極71、及びSIMカード80の電極81とその一端が電気的機械的接続を担うSDコンタクト170、及びSIMコンタクト270を所定の位置に備える。
【0030】
トレイ40は、SDカード70、及びSIMカード80をハウジング5の収容部300に出し入れし、所定位置に配置するために備わる。トレイ40は、図1に示されるように、ハウジング5の一面に備わる開口部30を通して収容部300に出し入れされる。トレイ40は非導電性の合成樹脂からなる射出成形品である。
【0031】
〈カードコネクタの組み付け〉 カードコネクタ1の組み付けについて図面にしたがって説明する。図3は、同カードコネクタを部品毎に分割した分割斜視図である。図4は、本発明の実施形態に係るカードコネクタのSIMハウジングと、SDハウジングとの結合状態を示す透視斜視図であって、(A)は結合前、(B)は結合した状態を示す図である。図5は、同カードコネクタのシェルとハウジングとの結合状態を示す透視斜視図であって、(A)は、結合前、(B)は、結合した状態である。
【0032】
カードコネクタ1は、図3に示されるように、SDシェル100、SDハウジング150、SIMハウジング250、及びSIMシェル200に分割される。SDハウジング150は、SIMハウジング250と組み合わされてハウジング5を構成する。ハウジング5は、一側面に開口部30、及びこれに連通する収容部300を内部に備えた一つの箱体である。
【0033】
SDハウジング150は、図4に示されるように、上壁150a、右側壁150b、及び左側壁150cを備えた正面視略コ字状の未完成の箱体であり、SIMハウジング250は、下壁250a、右側壁250b、及び左側壁150cを備えた正面視略コ字状の未完成の箱体である。SDハウジング150と、SIMハウジング250とは、互いを補完する関係にあって、両者が結合することで一側面に開口部30を備え周囲が壁で囲われた、一つの箱体のハウジング5が完成する。
【0034】
SDハウジング150は、図4に示されるように、上壁150aの右端には下に延びる右側壁150bが備わり、左端には下に延びる左側壁150cが備わる。右側壁150bの下端面には、SIMハウジング250の右側壁250bの上端面が当接する範囲に下方に延びる圧入片180が所定の位置に備わる。SDハウジング150の左側壁150cの下端面には、SIMハウジング250の左側壁250cに備わる対応する圧入片280を受け入れるためのハウジングスリット161が所定の位置に備わる。
【0035】
SIMハウジング250は、図4に示されるように、下壁250aの左端には上に延びる左側壁250cが備わり、右端には上に延びる右側壁250bが備わる。左側壁250cの上端面には、SDハウジング150の左側壁150cの下端面が当接する範囲に上方に延びる圧入片280が所定の位置に備わる。SIMハウジング250の右側壁250bの上端面には、図4に示されるように、SDハウジング150の右側壁150bに備わる対応する圧入片180を受け入れるためのハウジングスリット261が所定の位置に備わる。
【0036】
SDハウジング150と、SIMハウジング250とは、図4に示されるように、所定の位置に備わる圧入片180、及び280と、ハウジングスリット161、及び261との結合によって、収容部300をその内側に形成する周囲4方が壁で囲われた一つの箱体からなるハウジング5を構成する。
【0037】
SDシェル100は、板状金属の曲げ加工品で、図3に示されるように、上壁100a、右壁100b、及び左壁100cを備える。上壁100aの左右側端には、内側に切り起こされた板状の圧入片101が備わる。左右側壁100c、100bの先端には、外向きに延びる半田接続部105が備わる。また、上壁100aの後端にも先端が外向きに延びる半田接続部106が備わる。SIMシェル200は、板状金属の曲げ加工品で、下壁200a、右壁200b、及び左壁200cを備える。下壁200aの左右側端には、内側に切り起こされた板状の圧入片201が備わる。左右側壁200c、200bの先端には、外向きに延びる半田接続部205が備わる。また、下壁200aの後端にも先端が外向きに延びる半田接続部206が備わる。
【0038】
〈シェルの組み付け〉 シェル3は、図5に示されるように、ハウジング5に組み付く。SDシェル100は、SDハウジング150に組み付く。SIMシェル200は、SIMハウジング250に組み付く。
SDシェル100は、上壁100aの左右側端に備わる圧入片101を対応するSDハウジング150のシェルスリット151に圧入して、SDハウジング150に組み付く。SIMシェル200は、下壁200aの左右側壁に備わる圧入片201を対応するSIMハウジング250のシェルスリット251に圧入して、SIMハウジング250に組み付
く。ハウジング5に組み付けられたSDシェル100と、SIMシェル200とは、ハウジング5を囲うシェル3を一体的に構成する。
【0039】
SDカード70の電極71に対応するSDコンタクト170は、図4に示されるように、SDハウジング150の上壁150aの内側に一端が露出する形態で備わり、SIMカード80の電極81に対応するSIMコンタクト270は、SIMハウジング250の下壁250aの内側に一端が露出する形態で備わる。また、SDハウジング150と、SIMハウジング250とを結合する圧入片180、280、及びそれを受け入れるハウジングスリット261、161の各結合要素は、SDハウジング150、及びSIMハウジング250の双方にそれぞれが備わる。
【0040】
組み合わされるハウジング5は、本実施形態に係るSDハウジング150と、SIMハウジング250に限るものではなく、たとえばSIMハウジング250と、SIMハウジング250、或いはSDハウジング150とSDハウジング150の組み合わせの場合でも一つの箱体からなるハウジング5が形成される。この場合にも、各種カード70、或いは80に応じた電極71、或いは81の位置に各種コンタクト170、或いは270が対応するカードコネクタ1が得られる。
このように、SDカード接続構造10、及びSIMカード接続構造20は、それぞれが独立した接続構造を備え、組み替え可能な単位としてモジュール化されている。すなわち、本実施形態に係るカードコネクタ1は、各種カード用接続構造からの任意の1組の組み合わせの選択という行為によって得られるものである。これにより、組み合わせるカードの種類に応じた各種カードコネクタ1が容易に設計ができ、容易に製造工程の組み替えができるカードコネクタ1が得られる。
【0041】
〈トレイ〉 トレイ40について図面にしたがって説明する。図6は、同カードコネクタのトレイにカードが搭載されている状態を示す外観斜視図であって、上面にSDカードが搭載されている図である。図7は、同カードコネクタのトレイにカードが搭載されている状態を示す外観斜視図であって、下面にSIMカードが搭載されている図である。図8は、同カードコネクタのトレイの出し入れの状態を示す斜視図であって、(A)は、トレイが出ている状態、(B)は、トレイが入っている状態である。
【0042】
トレイ40は、図6図7に示されるように、本体400とつまみ450とを備える。つまみ450は、トレイ40の出し入れする際の指先に触れるところであって、本体400の前方に備わる。本体400は、カードが搭載されるところで、SDカード70が搭載される上面には、図6に示されるように、底面420、及びガイド430が備わる。ガイド430は前方、左方及び右方に備わる。底面420、及びガイド430によってSDカード収容部410が形成される。
SIMカード70が搭載される下面には、図7に示されるように、底面520、及びガイド530が備わる。ガイド530は前方、左方及び右方に備わる。底面520、及びガイド530によってSIMカード収容部510が形成される。
【0043】
トレイ40は、図6図7に示されるように、上面にはSDカード70を搭載するためのSDカード収容部410を備え、下面にはSIMカード80を搭載するためのSIMカード収容部510を備える。SDカード70は、電極71が外向きになる姿勢でトレイ40に搭載される。SIMカード80は、電極81が外向きになる姿勢でトレイ40に搭載される。SDカード70は、ガイド430の内側に備わる突起405で保持される。SIMカード80は、ガイド530の内側に備わる突起505で保持される。
【0044】
トレイ40は、図7に示されるように、下面にディンプル440を備える。ディンプル440は、トレイ40がカードコネクタ1の収容部300の所定の位置に収まると、対応
する位置に備わる図示しない凹部に係合し、トレイ40をこの位置で保持する。トレイ40はつまみ450の操作によって引き抜くことができる。
【0045】
トレイ40は、図8に示されるように、カードコネクタ1の開口部30からその奥にある収容部300に挿入される。トレイ40の上側に搭載されたSDカード70は、SDカード接続構造10に収容され、電極71は、対応するSDコンタクト170と電気的機械的に接続する。トレイ40の下側に搭載されたSIMカード80は、SIMカード接続構造20に収容され、電極81は、対応するSIMコンタクト270と電気的機械的に接続する。
【0046】
〈原理〉 本実施形態に係るカードコネクタ1は、SDカード70と、SIMカード80とに対応するものである。SDカード70には、SDカード接続構造10が対応する。SIMカード80には、SIMカード接続構造20が対応する。
【0047】
ここで、SDカード接続構造10、及びSIMカード接続構造20は、それぞれが独立した接続構造を備え、組み替え可能な単位としてモジュール化されている。すなわち、本実施形態に係るカードコネクタ1は、各種カード用接続構造からの任意の1組の組み合わせの選択という行為によって得られるものである。これにより、各種カード接続構造10、20は、たとえば、所定の位置に備わる圧入片180、280と、これに対応するハウジングスリット161、261からなる結合条件にしたがう限り、各種カードコネクタを構成する組み替え可能な単位接続構造と結合可能である。これにより、組み合わせるカードの種類に応じた各種カードコネクタが容易に設計ができ、容易に製造工程の組み替えができるカードコネクタが得られる。
【0048】
〈効果〉・本実施形態に係るカードコネクタ1は、トレイ40の上面にあるSDカード収容部410にSDカード70を搭載し、トレイ40の下面にあるSIMカード収容部510にSIMカード80を搭載し、各種カードを内部の収容部300にセットするものである。一つのトレイ40で2枚のカード70、80を搭載し、同時に2枚のカード70、80の出し入れが可能なカードコネクタ1が得られる。
【0049】
・本実施形態に係るカードコネクタ1は、トレイ方式であって、トレイ40にはカード70、80を横方向から保持するための突起405、505が備わる。これにより、トレイ40の下面側に搭載されたSIMカード80が下方に落下するのが抑制されたカードコネクタ1が得られる。
・本実施形態に係るカードコネクタ1は、トレイ方式であって、トレイ40には、出し入れ時の正規装着位置を保持するためのディンプル440が備わる。これにより、トレイ40の正規装着位置が保持されたカードコネクタ1が得られる。
【0050】
・本実施形態に係るカードコネクタ1は、トレイ方式であって、トレイ40には、つまみ450が備わる。これにより指先でコントロールができ操作容易なトレイ40を備えたカードコネクタ1が得られる。
・本実施形態に係るカードコネクタ1は、SDカード接続構造10と、SIMカード接続構造20とが水平方向に上下に積み重なる構造である。これにより、低背型のカードコネクタ1が得られる。
【0051】
・本実施形態に係るカードコネクタ1は、SDカード接続構造10と、SIMカード接続構造20とは、所定の位置に圧入片180、280と、ハウジングスリット161、261とからなる結合手段を備える。これにより、組み付けの容易なカードコネクタ1が得られる。
・本実施形態に係るカードコネクタ1は、モジュール化されたSDカード接続構造10と
、SIMカード接続構造20とからなる。これにより、必要なカードの組み合わせは、モジュールの選択によって容易に対応することができるカードコネクタ1が得られる。
【0052】
・本実施形態に係るカードコネクタ1は、シェル3のハウジング5への組み付けが、圧入片101、201、とシェルスリット151、251からなる結合手段を備える。これにより、シェル3の組み付け性のよいカードコネクタ1が得られる。
【符号の説明】
【0053】
1 カードコネクタ
10 SDカード接続構造
100 SDシェル
101 圧入片
150 SDハウジング
151 シェルスリット
161 ハウジングスリット
170 SDコンタクト
180 圧入片
20 SIMカード接続構造
200 SIMシェル
201 圧入片
250 SIMハウジング
251 シェルスリット
261 ハウジングスリット
270 SIMコンタクト
280 圧入片
30 開口部
300 収容部
40 トレイ
400 本体
410 SDカード収容部
420 底面
430 ガイド
440 ディンプル
450 つまみ
510 SIMカード収容部
520 底面
530 ガイド
70 SDカード
80 SIMカード
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