特許第6202736号(P6202736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202736
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/44 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   B60P1/44 B
   B60P1/44 E
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-255524(P2013-255524)
(22)【出願日】2013年12月11日
(65)【公開番号】特開2015-112976(P2015-112976A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年10月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】池田 滋
(72)【発明者】
【氏名】辻濱 康雄
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−142208(JP,A)
【文献】 特開2002−274245(JP,A)
【文献】 米国特許第04836736(US,A)
【文献】 米国特許第07762756(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後に延びた左右一対のシャシフレームと、当該フレームに対して基端部が支持されて上下回動可能な左右一対のリンクアームと、当該アームの先端部によって支持されて前記車両の荷台下方に収納される荷受台とを備えた荷受台昇降装置であって、
前記リンクアームの先端部は、前記荷受台を回動可能に支持する支持部と、前記リンクアームの前記基端部から前記先端部に向かって前記支持部よりも車両後方側に延出する延出部とを備えてなり、
前記延出部は、前記リンクアームの回動に伴って、側方から見て前記荷受台よりも上側に突出した姿勢、重なった姿勢、又は下側に突出した姿勢に姿勢変更可能となっており、前記リンクアームの下方回動によって前記荷受台の下面よりも下側に突出される
ことを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記左右一対のシャシフレームに対して横フレームが架設され、
前記左右一対のリンクアームのそれぞれは第1アームと第2アームとを備え、
前記横フレームには前記第1アーム及び第2アームが軸支されるアームブラケットが固設されており、
前記リンクアームは、前記第1アーム及び前記第2アームによって非平行リンク機構が構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
前記荷受台は、接地の際、荷受台先端部と前記延出部で支持される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンクアームで支持されるとともに車両荷台の下方に収納される荷受台を備えた荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷受台が車両荷台の下方に収納される荷受台昇降装置には、荷物積みおろし時に荷受台が車両後方に引き出される。例えば、図4(a)の側面図に示すように、荷受台昇降装置90は荷台91の下方で前後にスライドし、リンクアーム93に支持された荷受台92を昇降させる。荷受台92の昇降は、リフトシリンダ94によって駆動される。リフトシリンダ94の伸縮によってリンクアーム93が回動して、荷受台92が昇降する(特許文献1)。
【0003】
また、荷受台92は作業終了後に図4(a)のように前後に折り畳まれる(矢印A91)。次に、図4(b)のように上昇し(矢印A92)、前方にスライドして(矢印A93)荷台91の下方に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−001331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
荷台91の下方に架装される荷受台昇降装置90は、デパーチャアングル(車両後端下部と後輪接地点とを結んだ線の地面に対する角度)があまりに小さくなると、車両が傾斜地等を走行する際に車両後部が干渉する恐れがある。そのため、デパーチャアングルは大きく設定されていることが望ましい。
【0006】
しかしながら、図4(b)拡大図のとおり、荷受台92は下面に補強材(スチフナ)92bが設けられて一定以上の厚みとなっており、デパーチャアングル確保の点で改善の余地がある。
【0007】
荷受台92の補強材92bは、荷受台92の接地面も兼ねており、荷受台92の基端部から先端部にかけて徐々に厚みが小さくなる形状、具体的には側面から見て略三角形状になっている。そのため、補強材92bの底面が地面に接すると荷受台92の荷物載置面が傾斜(チルト)し、荷物の積みおろしを簡易に行うことができる。
【0008】
ただ、補強材92bが設けられていることで、実際には、車両後端下部と後輪接地点を結ぶ仮想線L91の角度(デパーチャアングル)は小さくなっている。特に、車両のリヤオーバーハング(後輪中心位置から荷台後端部までの水平距離)が大きくなるほど、デパーチャアングルは小さくなる。
本発明は、これらの点を鑑みてなされており、荷台下方に収納された状態でデパーチャアングルを大きく確保できる荷受台昇降装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上記課題を解決するために以下の手段を用いる。
【0010】
車両前後に延びた左右一対のシャシフレームと、当該フレームに対して基端部が支持されて上下回動可能な左右一対のリンクアームと、当該アームの先端部によって支持されて前記車両の荷台下方に収納される荷受台とを備えた荷受台昇降装置を対象としている。
【0011】
前記リンクアームの先端部は、前記荷受台を回動可能に支持する支持部と、前記リンクアームの前記基端部から前記先端部に向かって前記支持部よりも車両後方側に延出する延出部とを備えてなる。そして、前記延出部は、前記リンクアームの下方回動によって前記荷受台の下面よりも下側に突出されることを特徴としている。
なお、「延出部」に関しては、リンクアームと同一部材だけではなく、リンクアームの先端部分に別部材を取り付けてなる構成も含まれるものとする。
上記の手段に対して、次の特徴を備えた構成としても良い。
【0012】
前記左右一対のシャシフレームに対して横フレームが架設され、前記左右一対のリンクアームのそれぞれは第1アームと第2アームとを備え、前記横フレームには前記第1アーム及び第2アームが軸支されるアームブラケットが固設されている。そして、前記リンクアームは、前記第1アーム及び前記第2アームによって非平行リンク機構が構成されていることを特徴とする。
【0013】
当該構成であれば、荷受台基端部が接地する前に延出部が接地する。つまり、荷受台基端部の厚みを小さくすることができ、デパーチャアングルを大きく確保できる。
さらに前記荷受台は、接地の際、荷受台先端部と前記延出部で支持される構成としても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明の荷受台昇降装置のように、リンクアームの他端部に延出部が設けられ、その延出部がリンクアームの下方回動によって荷受台の下面よりも下方に突出される構成とすることで、荷受台が接地する際に、下方に突出した延出部が荷受台を支持することができる。このとき、荷受台のうち、リンクアームの他端部によって支持されている部分は地面から離れた状態にすることができる。つまり、荷受台は、リンクアームで支持されている部分が地面に接した状態でなくても、荷受台全体では安定した接地状態を実現することができる。その結果、荷受台の荷物載置パネルの下方の厚みを小さくすることができ、デパーチャアングルや地上高の拡大につながる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置を備えた車両の側面図である。
図2】(a)は本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置の収納状態を示す斜視図、(b)は同荷受台昇降装置の使用状態を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置の荷受台の昇降動作を示す側面図である。
図4】従来形態に係る荷受台昇降装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一例について図面を用いて説明する。
図1は、車両の後方に架装された荷受台昇降装置100の側面図であって、車両1における荷台2の下方に荷受台3が収納された状態を示している。
【0017】
荷受台昇降装置100は、基端パネル31に対して先端パネル32が折り畳まれた荷受台3と、荷受台3を支持するリンクアーム4と、リンクアーム4の回動作動の駆動源となる油圧式のリフトシリンダ5aと、リンクアーム4を回動自在に支持して車両前後にスライド可能なスライド部材6とを有している。
【0018】
スライド部材6は、スライドレール7に対して摺動自在に取り付けられている。このスライドレール7は、車両前後方向に延びたシャシフレーム7に沿うようにしてシャシフレーム7に対してレールブラケットB1、B2を介して設けられている。スライド部材6は、スライドレール7に交差するように設けられたクロスフレーム6aと、クロスフレーム6aの端部に固定された2枚のスライドブラケット61b、62bとを備えている。クロスフレーム6aには油圧式のスライドシリンダ(不図示)の一端が連結されており、当該シリンダの他端は、シャシフレーム8に架設された横架材9に連結されている。スライドシリンダは車両前後方向を伸縮方向として取り付けられており、スライドシリンダの伸縮に伴ってスライド部材6がスライドレール7を摺動する。
【0019】
リンクアーム4は内側及び外側にそれぞれアームを備えた構成を有している。外側に位置するコンプレッションアーム41は、一端が2枚のスライドブラケット61b、61bのうちの外側に位置するスライドブラケット61bに第1ピンP1を介して軸支されており、他端が荷受台3の基端パネル31側端部に対して第2ピンP2を介して軸支されている。よって、コンプレッションアーム41はスライドブラケット61bに対して第1ピンP1を支持部として回動自在に設けられ、荷受台3はコンプレッションアーム41に対して第2ピンP2を支持部として回動自在に設けられている。
【0020】
また、コンプレッションアーム41は、他端部(第2ピンP2側)において、第2ピンP2からさらに延出してなる延出部41aを有している。拡大図に示すとおり、荷受台3が収納状態の際には、側方から見て、延出部41aは荷受台3と重なっており、その先端部410aが荷受台3の基端パネル31よりも下側には突出しない状態になっている。
【0021】
一方、リンクアーム4のうち、内側に位置するリフトアーム42は、一端が2枚のスライドブラケット61b、61bのうちの内側に位置するブラケット61bに第3ピンP3を介して軸支されている。そして、他端は荷受台3の基端パネル31の側端部に固定された支持ブラケットに、第4ピンP4を介して軸支されている。リフトアーム42には油圧式のリフトシリンダ5aが取り付けられており、シリンダチューブ端部がリフトアーム42途中部に、シリンダロッド端部がスライドブラケット61b下端部に軸支されている。
【0022】
なお、図示のとおり、第2ピンP2と第4ピンP4は略鉛直方向に並ぶように設けられているのに対して、第1ピンP1は第3ピンP3よりも車両後方側に位置して、略鉛直方向に並ばないように設けられている。したがって、本実施形態に係るリンクアームは非平行リンク機構が構成されてなる。
【0023】
荷受台3は、上述のとおり、リンクアーム4による支持部(第2ピンP2、第4ピンP4)が基端パネル31の側端部となっており、基端パネル41の下端部が収納状態の荷受台4の下端部となっている。したがって、車両のデパーチャアングルαは仮想線Lと地面とで挟まれた角度となる。この仮想線Lは、基端パネル41の厚みのみを基準として形成される。つまり、仮想線Lには、基端パネル31の車両側の後端部でかつ下端部となる部位以外で荷受台昇降装置100の部位が重なっていない。さらに、荷受台3の収納状態の際、リフトシリンダ5aは略水平姿勢となるので、リフトシリンダ5aがスライドブラケット62bから下側に突出することもない。つまり、リフトシリンダ5aによって最低地上高Hが小さくなることもない。本実施形態ではリヤオーバーハングROが約3,500mmに対して、地上高Hが約315mm、デパーチャアングルαが約7度に設定されている。なお、基端パネル31及び先端パネル32はいずれも車両幅方向を長手方向とする複数の中空材が組み合わされてなる構成を有しており、中空部には補強材(不図示)が嵌合されており、当該補強材によって所望する強度が維持されている。
【0024】
次に、荷受台昇降装置100のスライド動作に関して図2の斜視図を用いて説明する。図2(a)は荷受台3の収納状態を示し、図2(b)は荷受台3が車両後方で展開されて下降した状態を示している。
【0025】
図2(a)のとおり、荷受台3は、左右のリンクアーム4によって車両幅方向の両端部で支持されている。左右のリンクアーム4は、互いの距離が車両幅と同程度となるように設けられている。このため、リンクアーム4が車両幅方向中央寄りとなる位置に設けられている場合とは異なり、荷受台3の収納状態でリンクアーム4は荷受台3の下方に潜るような形状ではなく、側方から見てクロスフレーム6aから荷受台3と略平行状態に延びた形状にすることができる。よって、荷受台昇降装置100の地上高が小さくなることを防止できる。特に、荷受台3の収納高さをスライドレール7に接近させるほど、最低地上高Hやデパーチャアングルαを大きく確保できるため好ましい。荷受台3が収納状態のとき、第1ピンP1と第2ピンP2は同等の高さ、さらには第3ピンP3と第4ピンP4も同等の高さとなる。そして、コンプレッションアーム41の先端部分となる延出部41aは、側方から見て荷受台3と重なる姿勢になっており、荷受台3の下方に突出することはない。なお、図2(a)で示すスライドレール7と荷受台3との位置からさらに上側に荷受台3を移動して収納可能であれば、リンクアーム4が車両後方に向かって上側に傾斜して延びた状態とし、延出部41aが荷受台3の基端パネル31よりも上側に突出した構成としても良い。
【0026】
また、図2(b)のとおり、横架材9とクロスフレーム6aには車両幅方向の略中央位置にスライドシリンダ5bが取り付けられている。このスライドシリンダ5bは2本のシリンダが組み合わされてなるユニット体であり、一方のシリンダロッドが車両前方に伸びて他方のシリンダロッドが車両後方に伸びるように設けられている。図示のようにスライドシリンダ5bが伸長状態になれば、荷物の積みおろし作業が行われる作業位置まで荷受台3が引き出される。そして、先端パネル32が車両後方側に展開されて基端パネル31とともに略面一となる荷物載置パネルを形成し、リフトシリンダ5aの伸縮力を利用して荷受台3が昇降する。
荷受台3の昇降動作については、荷受台3の高さ位置ごとの姿勢が示された図3の側面図を用いて説明する。
【0027】
二点鎖線で示す荷受台3は、荷台1の床面高さと略一致して水平な状態である。このとき、コンプレッションアーム41の延出部41aは基端パネル31上面よりも上側に突出している。また、リンクアーム4は、コンプレッションアーム41及びリフトアーム42のいずれも中間部分には荷台1の後端部との干渉を避けるように湾曲した湾曲部411、421が設けられている。特に、本実施形態に係るリンクアーム4は車両の左右端部と略一致する位置に設けられているため、領域Sに設けられるテールランプ、さらにはコンビネーションランプとの干渉を防止できる。
【0028】
荷受台3を下降させると、リンクアーム4が非平行リンク機構を構成しているために少しずつ荷物載置面が傾斜する。昇降途中での荷物の安定性を確保するため荷物載置面の傾斜を縮小化させ、一点鎖線で示す接地直前の荷受台3までは、例えば傾斜角度が1〜3度程度となるように設定されている。傾斜角度が小さいほど、実線で示す接地状態の荷受台3において地面に対する傾斜角度βも小さくなるので、荷受台3に対する荷物の積みおろしが容易となる。なお、本実施形態では上記傾斜角度βが約4度となるように設定している。
【0029】
また、接地状態の荷受台3は、荷受台3の先端部32aと、高さH1だけ基端パネル31よりも下側に突出したコンプレッションアーム41の延出部41aとによって支持され、さらに基端パネル31はその端部31aが高さH2だけ地面から離れた状態となっている。
【0030】
延出部41aに関しては、荷受台3一点鎖線で示す接地直前の状態の際、延出部41aが荷受台3(基端パネル31)の下面から下側に突出する。本実施形態では、第1ピンP1と第2ピンP2とが同じ高さとなる状態でコンプレッションアーム41が湾曲部411を除いて略水平姿勢となるように構成されている。そのため、第2ピンP2の位置が第1ピンP1よりも低くなるようにリンクアーム4が回動すると、延出部41aが鉛直方向下側に傾斜を開始する。つまり、延出部41aはコンプレッションアーム41の回動に伴って、側方から見て荷受台3よりも上側に突出した姿勢、重なった姿勢、又は下側に突出した姿勢に姿勢変更する。その結果、荷受台3が収納状態ではデパーチャアングルαを縮小させることにはならず、さらに接地した際には、基端パネル31が接地していない状態で延出部41aが接地した状態とすることができる。
【0031】
また、延出部41aで支持する構成により、基端パネル31の下面側には荷受台接地用部材を別途設ける必要がなく、荷受台3全体の厚み拡大を防止できる。よって、デパーチャアングルαの縮小化も防止できる(図1参照)。なお、本実施形態では、リンクアーム4はコンプレッションアーム41がリフトアーム42の外側に位置する構成となっているが、リフトアーム42が外側となる構成でも構わない。この場合、リフトアーム42の先端に延出部が設けられていても良い。
【0032】
さらに、延出部41aは、コンプレッションアーム41の他の部位と同じ部材で構成された構成だけではなく、他の部材がコンプレッションアーム41の先端側に別に取り付けられてなる構成としても良い。つまり、コンプレッションアーム41の回動ともに回動して基端パネル31より下側に突出する形状、特に下方回動とともに基端パネル31に対して相対的に回動し、基端パネル31の下面よりも下側に突出する形状を備えた部材であれば適宜適用可能である。
【0033】
本実施形態では、非平行リンク機構を構成するリンクアーム4としたが、例えば、特許第4815290号のような周知の平行リンク機構を構成するリンクアームとしても良い。このとき、リフトシリンダ5aが軸支されているクロスフレーム6a寄りのブラケットが車両幅方向を軸方向としてクロスフレーム6aに対して回動する構成とし、このブラケットがクロスフレーム6aに対して離接可能とする。この周知の平行リンク機構のリンクアームを用いた場合、水平姿勢のまま下降した荷受台が地面から僅かに離れた位置において、上記のようにリンクアーム(コンプレッションアーム又はリフトアーム)の先端に延出部が接地する。その後、上記クロスフレーム寄りのブラケットがクロスフレーム6aから車両後方側に回動して離接することで、荷受台の先端部が下降して荷受台が傾斜状態となる。この傾斜状態となる場合でも、リンクアームの延出部が接地している。つまり、基端パネルの下側に荷受台接地用部材を別途設ける必要がなく、同様にデパーチャアングルの縮小化を防止できる。
【0034】
その他、第1ピンP1が第3ピンP3より車両後方側に設けられることでリンクアーム4は非平行リンク機構を構成するものとしたが、第1ピンP1は第3ピンP3と鉛直方向に並ぶようにして、第2ピンP2が第4ピンP4よりも車両前方に設けられた構成としても良いし、その他適宜変更可能である。
【0035】
延出部41aの形状に関しても、図示するように第2ピン(支持部)を挟む部位においてコンプレッションアーム41が一直線状に延びた形状に限定するものではなく、リンクアーム4(コンプレッションアーム41)の下方回動に伴って荷受台3(基端パネル31)の下面から下側に突出する形状であれば適宜設定可能である。さらには、荷受台3の収納状態の際に、デパーチャアングルαの縮小化とならない程度であれば、延出部41aが荷受台3の下面から下側に突出していても同程度の効果を得ることができるため構わない。同様に、基端パネル31又は先端パネル32の下面には接地用部材を設けない構成としたが、デパーチャアングルαの縮小化とならない程度の厚みであれば別途設けられていても構わない。
【符号の説明】
【0036】
1 車両
2 荷台
3 荷受台
31 基端パネル(荷受台)
32 先端パネル(荷受台)
4 リンクアーム
41 コンプレッションアーム
41a 延出部(コンプレッションアーム)
42 リフトアーム
411、421 湾曲部
5a リフトシリンダ
5b スライドシリンダ
6 スライド部材
RT 車両前輪
P1 第1ピン
P2 第2ピン(支持部)
P3 第3ピン
P4 第4ピン(支持部)
100 荷受台昇降装置
図1
図2
図3
図4