(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような通信端末は、基地局との通信接続を維持して待機する場合、基地局から定期的に送信されるビーコン信号を受信するビーコン受信機能と、基地局との通信接続用の情報を記憶する情報記憶機能と、を含む一部の通信機能を作動させておく必要が有る。
【0010】
このような一部の通信機能を作動させて待機する場合、通信端末と基地局との通信接続を切断し、全ての通信機能を停止させて待機する場合と比較して、待機時の電力消費量(使用する電力に時間を掛けた値の合計)が多くなる。一方、基地局との通信接続を切断して待機する場合、データ送信を行う度に通信端末と基地局との通信接続と通信接続の切断とを行う必要が有る。その場合、通信端末と基地局との通信接続を維持する場合と比較して、データ送信時の電力消費量が多くなる。そのため、データを送信する送信周期が短い場合は、基地局との通信接続を維持して待機する方が、通信端末の電力消費を抑制し易くなり、送信周期が長い場合は、基地局との通信接続を切断して待機する方が、通信端末の電力消費を抑制し易くなる。
【0011】
また、データ送信時には、全ての通信機能を作動させ、通信端末と基地局との間で頻繁に無線信号の送受信を行うため、データ送信に要する時間が長くなる程、データ送信時の電力消費量が多くなる。そして、データ送信に要する時間は、通信端末と基地局との通信接続や通信接続の切断に要する時間が長くなる程長くなる。通信端末と基地局との通信接続や通信接続の切断に要する時間は、通信端末付近の電波環境等に起因する通信端末と基地局との通信環境によって変化し易い。
【0012】
このような理由により、通信端末の電力消費を抑制するのに最適な待機時の動作条件は、データ送信の送信周期や通信端末付近の電波環境等の通信環境によって異なる場合が有る。それに対して、通信端末の待機時の動作条件が一定であった場合、送信周期や通信環境に合わせて待機時の動作条件を最適化できず、その結果、通信端末の電力消費を効率良く抑制することができなくなる。
【0013】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、送信周期や通信環境に合わせて、電力消費を効率良く抑制できる通信端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題を解決するために、請求項1に記載の通信端末は、基地局との無線通信による通信接続が可能であると共に、前記基地局と通信接続されたコンピュータとも通信接続が可能であり、前記基地局を介して前記コンピュータに定期的にデータを送信する通信端末であって、前記データを送信しない待機時の待機モードを、前記基地局との通信接続を切断して待機する第1待機モードと、前記基地局との通信接続を維持して待機する第2待機モードと、に切り替え可能であり、前記基地局との通信接続に要する第1所要時間を計測する第1のステップと、前記コンピュータとの通信接続に要する第2所要時間を計測する第2のステップと、前記コンピュータへの前記データの送信に要する第3所要時間を計測する第3のステップと、前記コンピュータとの通信接続の切断に要する第4所要時間を計測する第4のステップと、前記基地局との通信接続の切断に要する第5所要時間を計測する第5のステップと、前記データを送信する送信周期と前記第1所要時間と前記第2所要時間と前記第3所要時間と前記第4所要時間と前記第5所要時間とに基づいて、前記第1待機モードと前記第2待機モードとのうちの一方を選択する第6のステップと、を含む手順に従って、前記待機モードの選択を行うことを特徴とする。
【0015】
この構成の通信端末は、待機時の待機モードを、基地局との通信接続を切断して待機する第1待機モードと、基地局との通信接続を維持して待機する第2待機モードと、に切り替え可能である。そのため、第1待機モードと第2待機モードとの切り替えによって、待機時の動作条件を最適化することができる。
【0016】
しかも、この構成の通信端末は、第1のステップから第5のステップまでの手順に従って、基地局との通信接続に要する第1所要時間と、コンピュータとの通信接続に要する第2所要時間と、コンピュータへのデータの送信に要する第3所要時間と、コンピュータとの通信接続の切断に要する第4所要時間と、基地局との通信接続の切断に要する第5所要時間と、を計測している。そして、通信端末は、データを送信する送信周期と第1所要時間と第2所要時間と第3所要時間と第4所要時間と第5所要時間とに基づいて、第1待機モードと第2待機モードとのうちの一方を選択している。そのため、送信周期や通信環境が異なる場合でも、送信周期と第1所要時間と第2所要時間と第3所要時間と第4所要時間と第5所要時間とに基づいて、待機時の動作条件を最適化することができる。その結果、この構成の通信端末では、送信周期や通信環境に合わせて、通信端末の電力消費を効率良く抑制することができる。
【0017】
請求項2に記載の通信端末は、前記基地局から送信されるビーコン信号を受信するビーコン受信機能と、前記基地局との通信接続用の情報を記憶する情報記憶機能と、を有し、前記第1待機モードでは、前記ビーコン受信機能と前記情報記憶機能とを停止させ、前記第2待機モードでは、前記ビーコン受信機能と前記情報記憶機能とを作動させることを特徴とする。
【0018】
通信端末と基地局との通信接続を維持して待機する場合、通信端末は、待機中でも、基地局から送信されるビーコン信号を受信するビーコン受信機能と、基地局との通信接続用の情報を記憶する情報記憶機能と、を含む一部の通信機能を作動させておく必要が有る。一方、基地局との通信接続を切断して待機する場合、ビーコン受信機能と情報記憶機能とは不要となる。そのため、待機中にこれらの機能を作動させたのでは、無駄な電力を消費することになる。
【0019】
それに対して、この構成の通信端末は、基地局との通信接続を切断して待機する第1待機モードでは、ビーコン受信機能と情報記憶機能とを停止させ、基地局との通信接続を維持して待機する第2待機モードでは、ビーコン受信機能と情報記憶機能とを作動させている。そのため、基地局との通信接続状態に合わせて、待機時の電力消費量を最適化することができる。その結果、通信端末の電力消費を更に効率良く抑制することができる。
【0020】
請求項3に記載の通信端末は、前記第2待機モードでは、前記コンピュータとの通信接続を切断することを特徴とする。
【0021】
通信端末とコンピュータとの通信接続を維持して長時間待機する場合、通信端末とコンピュータとの通信接続を維持するか否かを判断するために、待機時でも通信端末とコンピュータとの間の通信を定期的に行う場合が多い。そのため、送信周期が長い場合には、通信端末とコンピュータとの通信接続を維持して待機すると、待機時の電力消費を増加させる要因となる。一方、通信端末とコンピュータとの通信接続と通信接続の切断とに要する時間が短い環境では、データ送信を行う度に通信端末とコンピュータとの通信接続と通信接続の切断とを繰り返しても、大電力を使用する時間を短くすることができ、データ送信時の電力消費量を抑制し易い。そのため、送信周期が長く、且つ、通信端末とコンピュータとの通信接続と通信接続の切断とに要する時間が短い環境では、基地局との通信接続を維持して待機していても、通信端末とコンピュータとの通信接続を切断した方が、通信端末とコンピュータとの通信接続を維持するよりも、通信端末の電力消費量を抑制し易い。
【0022】
それに対して、この構成の通信端末は、基地局との通信接続を維持して待機する第2待機モードでは、コンピュータとの通信接続を切断している。そのため、送信周期が長く、且つ、通信端末とコンピュータとの通信接続と通信接続の切断とに要する時間が短い環境において、通信端末の電力消費を更に効率良く抑制することができる。
【0023】
請求項4に記載の通信端末は、前記第2待機モードでは、前記コンピュータとの通信接続を維持することを特徴とする。
【0024】
送信周期が短い場合には、通信端末とコンピュータとの通信接続を維持して待機しても、通信端末の電力消費全体に対する待機時の電力消費の影響を少なくすることができる。一方、通信端末とコンピュータとの通信接続と通信接続の切断とに要する時間が長い環境では、データ送信を行う度に、通信端末とコンピュータとの通信接続と通信接続の切断とを繰り返すと、長時間大電力を使用することになり、通信端末の電力消費が増加し易い。そのため、送信周期が短く、且つ、通信端末とコンピュータとの通信接続と通信接続の切断とに要する時間が長い環境で、基地局との通信接続を維持して待機している場合には、通信端末とコンピュータとの通信接続も維持した方が、データ送信を行う度に、通信端末とコンピュータとの通信接続と通信接続の切断とを繰り返すよりも、通信端末の電力消費を抑制し易い。
【0025】
それに対して、この構成の通信端末は、基地局との通信接続を維持して待機する第2待機モードでは、コンピュータとの通信接続を維持している。そのため、送信周期が短く、且つ、通信端末とコンピュータとの通信接続と通信接続の切断とに要する時間が長い環境において、通信端末の電力消費を更に効率良く抑制することができる。
【0026】
請求項5に記載の通信端末は、前記基地局との通信接続と通信接続の切断とを定期的に行い、前記第1のステップから前記第6のステップまでの手順に従って、前記待機モードの見直しを行うことを特徴とする。
【0027】
通信端末と基地局との通信環境が時間によって変化し易い環境では、通信端末の最適な動作条件も時間によって変化する。それに対して、この構成の通信端末は、基地局との通信接続と通信接続の切断とを定期的に行い、第1のステップから第6のステップまでの手順に従って、待機モードの見直しを行っている。そのため、通信環境が時間によって変化しても、それに合わせて、待機時の動作条件を最適化することができる。その結果、この構成の通信端末では、通信環境が時間によって変化し易い環境において、通信端末の電力消費を更に効率良く抑制することができる。
【0028】
請求項6に記載の通信端末は、前記データの検出を行うセンサと接続され、前記センサが検出した前記データを、前記コンピュータに定期的に送信することを特徴とする。
【0029】
この構成の通信端末は、データの検出を行うセンサと接続され、センサが検出したデータを、コンピュータに定期的に送信している。このように、通信端末とセンサとを組み合わせることによって、通信端末の電力消費量が少ないセンサネットワークを構築することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、送信周期や通信環境に合わせて、電力消費を効率良く抑制できる通信端末を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
以下、本考案の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る通信端末20の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信端末20の構成を示す説明図である。
図1(a)は、通信端末20を用いた通信システム1の構成を示し、
図1(b)は、通信端末20の構成を示している。
【0033】
本発明の実施形態に係る通信システム1は、センサから送信される気温や湿度等のデータを管理するセンサネットワーク等に使用される。通信システム1は、
図1に示すように、センサ10と通信端末20と基地局40とコンピュータ50とを備えている。センサ10と通信端末20とは、互いに接続されてセンサモジュール30を構成している。通信端末20と基地局40とは、無線通信によって通信接続することができる。基地局40とコンピュータ50とは、有線又は無線のネットワークを介して通信接続されている。そして、通信端末20とコンピュータ50とは、基地局40を介して通信接続することができる。
【0034】
センサ10は、温度センサや湿度センサ等を有した検出装置であり、通信端末20の周辺の気温や湿度等のデータを検出している。センサ10が検出したデータは通信端末20に伝達される。
【0035】
通信端末20は、無線LAN等の通信規格に対応した通信端末である。通信端末20は、センサ10が検出したデータを、基地局40を介してコンピュータ50に定期的に送信している。通信端末20は、
図1に示すように、通信部21と記憶部22と計時部23と制御部24とを有している。
【0036】
通信部21は、無線LAN等の通信規格に対応した通信回路である。通信部21は、通信部21に接続された通信アンテナ21aを用いて、基地局40から送信された無線信号を受信すると共に、基地局40に無線信号を送信している。通信部21が送受信する無線信号としては、2.4GHz帯や5GHz帯の周波数の無線信号が使用される。センサ10が検出したデータは、無線信号の変調成分として通信部21から送信される。
【0037】
記憶部22は、RAM等の記憶用の半導体を有した回路である。記憶部22は、基地局40との通信接続用の情報やコンピュータ50との通信接続用の情報や認証用の暗号情報等を記憶している。基地局40との通信接続用の情報には、通信接続する基地局40の固有情報や通信プロトコル等が含まれる。コンピュータ50との通信接続用の情報には、通信接続するコンピュータ50の固有情報や通信プロトコル等が含まれる。
【0038】
計時部23は、タイマ機能を有した回路である。計時部23は、各種の時間の計測や管理に用いられる。
【0039】
制御部24は、CPU等の制御用の半導体を有した回路である。制御部24は、通信部21と記憶部22と計時部23とを制御している。また、制御部24は、計時部23から各種の時間に関する情報を入手し、入手した情報に基づいて各種の判断を行っている。
【0040】
基地局40は、無線LAN等の通信規格に対応したアクセスポイントと呼ばれる基地局である。前述したように、通信端末20と基地局40とは、無線通信によって通信接続することができる。図示しないが、基地局40は、所定のエリア内に複数配置されている。そして、複数の基地局40のうち、最も通信端末20との通信環境の良い基地局40が、通信端末20と通信接続される。
【0041】
コンピュータ50は、データ管理用のパーソナルコンピュータ(PC)である。前述したように、基地局40とコンピュータ50とは、有線又は無線のネットワークを介して通信接続されている。そして、通信端末20とコンピュータ50とは、基地局40を介して通信接続することができる。そして、コンピュータ50は、通信端末20から定期的に送信されるデータを、基地局40を介して入手している。
【0042】
次に、通信端末20の動作について、
図2及び
図3を用いて説明する。
図2は、
図1に示す通信端末20の動作に関する第1の説明図である。
図2(a)は、待機モードが第1待機モードである場合の通信端末20の動作タイミングと通信端末20が必要とする電力との関係を模式的に示している。
図2(b)は、
図2(a)におけるデータ送信時の動作タイミングをより詳しく示している。
図2において、横軸は時間であり、縦軸は電力である。
図3は、
図1に示す通信端末20の動作に関する第2の説明図である。
図3(a)は、待機モードが第2待機モードである場合の通信端末20の動作タイミングと通信端末20が必要とする電力との関係を模式的に示している。
図3(b)は、
図3(a)におけるデータ送信時の動作タイミングをより詳しく示している。
図3において、横軸は時間であり、縦軸は電力である。
【0043】
通信端末20は、データ送信モードと第1待機モードと第2待機モードという3つの動作モードに切り替え可能となっている。データ送信モードは、データ送信を行うデータ送信時の動作モードである。第1待機モードと第2待機モードとは、データ送信を行わない待機時の動作モード(以下、待機モードと略称)である。第1待機モードは、基地局40との通信接続を切断して待機する場合の待機モードである。第2待機モードは、基地局40との通信接続を維持して待機する場合の待機モードである。
【0044】
データ送信モードでは、通信端末20は、全ての通信機能を作動させる。そして、通信端末20は、基地局40と通信接続され、コンピュータ50とも通信接続された状態となる。第1待機モードからデータ送信モードに切り替わる場合には、通信端末20は、基地局40との通信接続を行った後に、コンピュータ50との通信接続を行う。第2待機モードからデータ送信モードに切り替わる場合には、通信端末20は、コンピュータ50との通信接続のみを行う。
【0045】
尚、データ送信時には、全ての通信機能を作動させ、頻繁に無線信号の送受信を行うので、大電力を必要とする。データ送信時に必要な電力は、通信端末20の回路構成や通信端末20と基地局40との通信環境等によって変化するが、平均で数百mW程度の電力が必要となる。以下、データ送信時に必要な平均の電力を送信電力Paとして説明を進める。
【0046】
第1待機モードでは、通信端末20は、基地局40との通信接続とコンピュータ50との通信接続とを切断した状態となる。そして、通信端末20は、全ての通信機能を停止させて待機する。データ送信モードから第1待機モードに切り替わる場合には、コンピュータ50との通信接続が切断されると共に、基地局40との通信接続も切断される。そして、全ての通信機能を停止させて待機する。尚、第1待機モードで待機する場合、全ての通信機能を停止させるので、待機時に必要な電力(以下、待機電力と略称)はほぼ0となる。
【0047】
第2待機モードでは、通信端末20は、コンピュータ50との通信接続を切断し、基地局40との通信接続を維持した状態となる。データ送信モードから第2待機モードに切り替わる場合には、コンピュータ50との通信接続は切断されるが、基地局40との通信接続は維持される。そして、基地局40との通信接続を維持するための一部の通信機能を作動させて待機する。
【0048】
第2待機モードで作動させる一部の通信機能には、ビーコン受信機能と情報記憶機能とが含まれる。ビーコン受信機能は、基地局40から定期的に送信されるビーコン信号を受信するための機能である。ビーコン信号は、基地局40の固有情報や通信プロトコル等の通信接続用の情報を含む信号である。情報記憶機能等は、基地局40の固有情報や通信プロトコル等の通信接続用の情報を記憶する機能である。尚、これらの一部の通信機能を作動させておくためには、数mW程度の待機電力が必要となる。以下、第2待機モードで待機する場合の待機電力をPsとして説明を進める。
【0049】
図2及び
図3に示すように、通信端末20は、定期的に待機モードからデータ送信モードに切り替わって、コンピュータ50にデータを送信し、データ送信が完了した後に、再びデータ送信モードから待機モードに切り替わって、次回にデータ送信を行うまで待機する。
【0050】
以下、通信端末20がデータ送信を行う周期を送信周期T、通信端末20が待機モードからデータ送信モードに切り替わってコンピュータにデータを送信し、再び待機モードに戻るまでに要する時間をデータ送信時間ta、通信端末20がデータを送信しないで待機する時間を待機時間tsとして説明を進める。また、通信端末20と基地局40との通信接続に要する時間を第1所要時間ta1、通信端末20とコンピュータ50との通信接続に要する時間を第2所要時間ta2、通信端末20からコンピュータ50へのデータ送信に要する時間を第3所要時間ta3、通信端末20とコンピュータ50との通信接続の切断に要する時間を第4所要時間ta4、通信端末20と基地局40との通信接続の切断に要する時間を第5所要時間ta5、として説明を進める。
【0051】
送信周期Tは、通信端末20の使用条件に合わせて適宜設定される。例えば、短い期間で気温や湿度を細かく管理する場合には、送信周期Tは数十秒程度に設定され、長い期間で気温や湿度を管理する場合には、送信周期Tは、数分から数時間程度に設定される。尚、本実施形態では、通信端末20は、送信周期Tが比較的長い場合を想定した通信端末となっている。
【0052】
データ送信時間taは、待機モードが第1待機モードであるか第2待機モードであるかによって異なる。待機モードが第1待機モードである場合、データ送信時間taは、
図2に示すように、第1所要時間ta1と第2所要時間ta2と第3所要時間ta3と第4所要時間ta4と第5所要時間ta5とを足し合わせた時間となる。待機モードが第2待機モードである場合、データ送信時間taは、
図3に示すように、第2所要時間ta2と第3所要時間ta3と第4所要時間ta4とを足し合わせた時間となる。待機時間tsは、送信周期Tからデータ送信時間taを差し引いた時間となる。
【0053】
通信端末20の送信周期T当りの電力消費量(電力に時間を掛けた値の合計)は、送信電力Paにデータ送信時間taを掛けた値と待機電力(0又はPs)に待機時間tsを掛けた値を足し合わせた値となる。そして、データ送信時間taの長さや、待機時間tsの長さや、待機モードが第1待機モードであるか第2待機モードであるか等の動作条件によって、通信端末20の送信周期T当りの電力消費量が異なってくる。
【0054】
そのため、データ送信時間taや待機時間tsに基づいて、第1待機モードと第2待機モードとのうちのどちらか一方を選択し、待機時の動作条件を最適化する必要がある。以下、通信端末20の送信周期T当りの電力消費量を、通信端末20の電力消費量と略称し、通信端末20の送信周期T当りの電力消費量を引き下げることを、通信端末20の電力消費を抑制すると略称する。
【0055】
次に、通信端末20の待機モードの選択方法について、
図4を用いて説明する。
図4は、
図1に示す通信端末20の待機モードの選択手順を示すフローチャートである。
【0056】
図4に示すように、まず、第1のステップであるステップSa1では、通信端末20が、基地局40と通信接続し、と基地局40との通信接続に要する第1所要時間を計測する。次に、第2のステップであるステップSa2では、通信端末20が、コンピュータ50と通信接続し、コンピュータ50との通信接続に要する第2所要時間ta2を計測する。
【0057】
次に、第3のステップであるステップSa3では、通信端末20が、コンピュータ50に計測用の試験データを送信し、コンピュータ50へのデータ送信に要する第3所要時間ta3を計測する。次に、第4のステップであるステップSa4では、通信端末20が、コンピュータ50との通信接続を切断し、コンピュータ50との通信接続の切断に要する第4所要時間ta4を計測する。
【0058】
次に、第5のステップであるステップSa5では、通信端末20が、基地局40との通信接続を切断し、基地局40との通信接続の切断に要する第5所要時間ta5を計測する。
【0059】
次に、第6のステップであるステップSa6では、通信端末20が、送信周期Tと第1所要時間ta1と第2所要時間ta2と第3所要時間ta3と第4所要時間ta4と第5所要時間ta5とに基づいて、第1待機モードと第2待機モードとのうちの一方を選択している。
【0060】
ステップSa6では、通信端末20は、送信周期Tと第1所要時間ta1と第2所要時間ta2と第3所要時間ta3と第4所要時間ta4と第5所要時間ta5とから、データ送信時間taと待機時間tsとを算出している。そして、通信端末20は、算出したデータ送信時間taと待機時間tsとに基づいて、待機モードが第1待機モードである場合と、待機モードが第2待機モードである場合とで、通信端末20の電力消費量の予測値をそれぞれ算出している。
【0061】
待機モードが第1待機モードである場合、通信端末20の電力消費量の予測値は、送信電力Pa×データ送信時間taとなる。データ送信時間taの予測値は、第1所要時間ta1+第2所要時間ta2+第3所要時間ta3+第4所要時間ta4+第5所要時間ta5となる。待機時間tsの予測値は、送信周期T−データ送信時間taとなる。
【0062】
待機モードが第2待機モードである場合、通信端末20の電力消費量の予測値は、送信電力Pa×データ送信時間ta+待機電力Ps×待機時間tsとなる。データ送信時間taの予測値は、第2所要時間ta2+第3所要時間ta3+第4所要時間ta4となり、待機モードが第1待機モードである場合よりも短くなる。待機時間tsの予測値は、送信周期T−データ送信時間taとなり、待機モードが第1待機モードである場合よりも長くなる。
【0063】
そして、通信端末20は、算出した電力消費量の予測値に基づいて、待機モードが第1待機モードである場合と、待機モードが第2待機モードである場合とで、どちらが通信端末20の電力消費を抑制できるか、すなわち、どちらが通信端末20の電力消費量を少なくすることができるかを判定している。そして、通信端末20は、第1待機モードと第2待機モードとのうちから、通信端末20の電力消費を抑制できる方を待機モードとして選択している。
【0064】
次に、ステップSa7では、通信端末20が、自身の動作モードをステップSa6において選択した待機モードに設定する。選択した待機モードが第1待機モードである場合、通信端末20は、基地局40との通信接続を切断した状態に設定し、全ての通信機能を停止させる。選択した待機モードが第2待機モードである場合、通信端末20は、基地局40との通信接続がなされた状態に設定し、前述した一部の通信機能を作動させる。
【0065】
通信端末20は、このように、第1のステップから第5のステップまでに示す手順に従って、第1所要時間ta1と第2所要時間ta2と第3所要時間ta3と第4所要時間ta4と第5所要時間ta5とを計測し、第6のステップに示す手順に従って、待機モードの選択を行っている。
【0066】
次に、通信端末20からコンピュータ50へのデータ送信の手順について、
図5を用いて説明する。
図5は、
図1に示す通信端末20のデータ送信の手順を示すフローチャートである。
【0067】
図5に示すように、まず、ステップSb1では、通信端末20が、所定の手順に従って待機モードの選択を行う。通信端末20は、
図4に示す第1のステップから第5のステップまでに示す手順に従って、第1所要時間ta1と第2所要時間ta2と第3所要時間ta3と第4所要時間ta4と第5所要時間ta5とを計測し、第6のステップに示す手順に従って、待機モードの選択を行う。そして、通信端末20は、自身の動作状態を選択された待機モードの状態に設定する。
【0068】
次に、ステップSb2では、通信端末20が、所定の時間待機する。待機モードが第1待機モードである場合、通信端末20が、基地局40との通信接続を切断し、全ての通信機能を停止させて待機する。待機モードが第2待機モードである場合、通信端末20が、基地局40との通信接続を維持し、一部の通信機能を作動させて待機する。そして、ステップSb3に移動する。
【0069】
次に、ステップSb3では、通信端末20が、選択した待機モードが第1待機モードか第2待機モードかに基づく判断を行う。選択した待機モードが第1待機モードである場合、ステップSb4に移動する。選択した待機モードが第2待機モードである場合、ステップSb6に移動する。
【0070】
ステップSb4では、通信端末20が、第1待機モードからデータ送信モードに切り替わり、全ての通信機能を作動させる。次に、ステップSb5では、基地局40との通信接続を行う。そして、ステップSb7に移動する。
【0071】
ステップSb6では、通信端末20が、第2待機モードからデータ送信モードに切り替わり、全ての通信機能を作動させる。そして、ステップSb7に移動する。尚、第2待機モードでは、基地局40との通信接続は維持されているので、改めて基地局40との通信接続を行う必要は無い。
【0072】
次に、ステップSb7では、通信端末20が、コンピュータ50との通信接続を行う。次に、ステップSb8では、通信端末20が、コンピュータ50に所定のデータを送信する。次に、ステップSb9では、通信端末20が、コンピュータ50との通信接続を切断する。
【0073】
次に、ステップSb10では、通信端末20が、選択した待機モードが第1待機モードか第2待機モードかに基づく判断を行う。選択した待機モードが第1待機モードである場合、ステップSb11に移動する。選択した待機モードが第2待機モードである場合、ステップSb13に移動する。
【0074】
ステップSb11では、通信端末20が、基地局40との通信接続を切断する。次に、ステップSb12では、通信端末20が、全ての通信機能を停止させる。そして、ステップSb15に移動する。
【0075】
ステップSb13では、通信端末20が、基地局40との通信接続を維持する。次に、ステップSb14では、通信端末20が、前述した一部の通信機能を作動させ、他の通信機能を停止させる。そして、ステップSb15に移動する。
【0076】
次に、ステップSb15では、通信端末20が、待機モードの見直しが必要か否かに基づく判断を行う。待機モードの見直しが不要と判断した場合、ステップSb2に戻り、ステップSb2からの手順を繰り返す。待機モードの見直しが必要と判断した場合、ステップSb1に戻り、ステップSb1からの手順を繰り返す。通信端末20は、このような手順に従って、コンピュータ50へのデータ送信を行っている
【0077】
尚、前述したように、ステップSb1では、通信端末20は、
図4に示す手順に従って、各種の所要時間の計測と待機モードの選択とを行っている。そのため、データ送信を複数回行う毎にステップSb1に戻ることによって、定期的に待機モードの見直しを行うことができる。
【0078】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の通信端末20は、待機時の待機モードを、基地局40との通信接続を切断して待機する第1待機モードと、基地局40との通信接続を維持して待機する第2待機モードと、に切り替え可能である。そのため、第1待機モードと第2待機モードとの切り替えによって、待機時の動作条件を最適化することができる。
【0079】
しかも、通信端末20は、
図4に示す第1のステップから第5のステップまでの手順に従って、基地局40との通信接続に要する第1所要時間ta1と、コンピュータ50との通信接続に要する第2所要時間ta2と、コンピュータ50へのデータの送信に要する第3所要時間ta3と、コンピュータ50との通信接続の切断に要する第4所要時間ta4と、基地局40との通信接続の切断に要する第5所要時間ta5と、を計測している。そして、データを送信する送信周期Tと第1所要時間ta1と第2所要時間ta2と第3所要時間ta3と第4所要時間ta4と第5所要時間ta5とに基づいて、第1待機モードと第2待機モードとのうちの一方を選択している。
【0080】
そのため、送信周期Tや通信環境が異なる場合でも、送信周期Tと第1所要時間ta1と第2所要時間ta2と第3所要時間ta3と第4所要時間ta4と第5所要時間ta5とに基づいて、待機時の動作条件を最適化することができる。その結果、通信端末20では、送信周期Tや通信環境に合わせて、通信端末20の電力消費を効率良く抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態の通信端末20では、基地局40との通信接続を維持して待機する場合、基地局40から定期的に送信されるビーコン信号を受信するビーコン受信機能と、基地局40との通信接続用の情報を記憶する情報記憶機能と、を含む一部の通信機能を作動させておく必要が有る。一方、基地局40との通信接続を切断して待機する場合、ビーコン受信機能と情報記憶機能とは不要となる。そのため、待機中にこれらの機能を作動させたのでは、無駄な電力を消費することになる。
【0082】
それに対して、本実施形態の通信端末20は、基地局40との通信接続を切断して待機する第1待機モードでは、ビーコン受信機能と情報記憶機能とを停止させ、基地局40との通信接続を維持して待機する第2待機モードでは、ビーコン受信機能と情報記憶機能とを作動させている。そのため、基地局40との通信接続状態に合わせて、待機時の電力消費量を最適化することができる。その結果、通信端末20の電力消費を更に効率良く抑制することができる。
【0083】
また、本実施形態の通信端末20では、通信端末20とコンピュータ50との通信接続を維持して長時間待機する場合、通信端末20とコンピュータ50との通信接続を維持するか否かを判断するために、待機時でも通信端末20とコンピュータ50との間の通信を定期的に行う場合が多い。そのため、送信周期Tが長い場合には、通信端末20とコンピュータ50との通信接続を維持して待機すると、待機時の電力消費量を増加させる要因となる。一方、通信端末20とコンピュータ50との通信接続と通信接続の切断とに要する時間が短い環境では、データ送信を行う度に通信端末20とコンピュータ50との通信接続と通信接続の切断とを繰り返しても、大電力を使用する時間を短くすることができ、データ送信時の電力消費量を抑制し易い。そのため、送信周期Tが長く、且つ、通信端末20とコンピュータ50との通信接続と通信接続の切断とに要する時間が短い環境では、基地局40との通信接続を維持して待機していても、通信端末20とコンピュータ50との通信接続を切断した方が、通信端末20とコンピュータ50との通信接続を維持するよりも、通信端末20の電力消費を抑制し易い。
【0084】
それに対して、本実施形態の通信端末20は、基地局40との通信接続を維持して待機する第2待機モードでは、コンピュータ50との通信接続を切断している。そのため、送信周期Tが長く、且つ、通信端末20とコンピュータ50との通信接続と通信接続の切断とに要する時間が短い環境において、通信端末20の電力消費を更に効率良く抑制することができる。
【0085】
また、本実施形態の通信端末20では、通信端末20と基地局40との通信環境が時間によって変化し易い環境では、通信端末20の最適な動作条件も時間によって変化する。それに対して、本実施形態の通信端末20は、基地局40との通信接続と通信接続の切断とを定期的に行い、第1のステップから第6のステップまでの手順に従って、待機モードの見直しを行っている。そのため、通信環境が時間によって変化しても、それに合わせて、待機時の動作条件を最適化することができる。その結果、通信端末20では、通信環境が時間によって変化し易い環境において、通信端末20の電力消費を更に効率良く抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態の通信端末20は、データの検出を行うセンサ10と接続され、センサ10が検出したデータを、コンピュータ50に定期的に送信している。このように、通信端末20とセンサ10とを組み合わせることによって、通信端末20の電力消費量が少ないセンサネットワークを構築することができる。
【0087】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態において、前述した第1実施形態と同一の構成である場合、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0088】
まず、本発明の第2実施形態に係る通信端末120の構成について、
図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る通信端末120の構成を示す説明図である。
図6(a)は、通信端末120を用いた通信システム101の構成を示し、
図6(b)は、通信端末120の構成を示している。
【0089】
本発明の実施形態に係る通信システム101は、
図6に示すように、第1実施形態に係る通信システム1の通信端末20が通信端末120に置き換わったものである。通信端末120の構成は、第1実施形態に係る通信端末20と同じ構成である。但し、通信端末120は、送信周期Tが比較的短い場合を想定した通信端末であり、待機時の動作状態が通信端末20とは弱冠異なる。
【0090】
次に、通信端末120の動作について、
図7を用いて説明する。
図7は、
図6に示す通信端末120の動作に関する第2の説明図である。
図7(a)は、待機モードが第2待機モードである場合の通信端末120の動作タイミングと通信端末120が必要とする電力との関係を模式的に示している。
図7(b)は、
図7(a)におけるデータ送信時の動作タイミングをより詳しく示している。
【0091】
通信端末120は、通信端末20と同様に、データ送信モードと第1待機モードと第2待機モードという3つの動作モードに切り替え可能となっている。データ送信モードは、データ送信を行うデータ送信時の動作モードである。第1待機モードは、基地局40との通信接続を切断して待機する場合の待機モードである。第2待機モードは、基地局40との通信接続を維持して待機する場合の待機モードである。
【0092】
但し、
図7に示すように、通信端末120は、第2待機モードでは、基地局40との通信接続を維持するだけでなく、コンピュータ50との通信接続も維持して待機する。そして、通信端末120が第2待機モードにおいて作動させる一部の通信機能には、ビーコン受信機能や情報記憶機能に加えて、コンピュータ50から送信される信号を基地局40を介して受信する機能や、コンピュータ50から送信された信号に対応した応答信号を基地局40を介してコンピュータ50に送信する機能等も含まれている。
【0093】
尚、待機モードが第2待機モードである場合、データ送信時間taは、
図7に示すように、第3所要時間ta3と同じ時間となり、コンピュータ50との通信接続を切断して待機する場合と比較して、データ送信時間taは更に短くなる。
【0094】
待機モードが第2待機モードである場合の、通信端末120の電力消費量の予測値は、
第1実施形態と同様に、送信電力Pa×データ送信時間ta+待機電力Ps×待機時間tsとなるが、データ送信時間taの予測値は、第1実施形態での予測値よりも更に短くなる。一方、待機時間tsの予測値は、第1実施形態での予測値よりも更に長くなる。
【0095】
次に、通信端末20からコンピュータ50へのデータ送信の手順について、
図8を用いて説明する。
図8は、
図6に示す通信端末120のデータ送信の手順を示すフローチャートである。
【0096】
図8に示すように、まず、ステップSc1では、通信端末120が、所定の手順に従って待機モードの選択を行う。通信端末120は、第1実施形態の通信端末20と同様に、
図4に示す手順に従って、各種の所要時間の計測と待機モードの選択とを行っている。但し、前述したように、本実施形態では、第1実施形態と比較して、データ送信時間taの予測値が更に短くなり、待機時間tsの予測値が更に長くなる。そのため、待機時の最適な動作条件が第1実施形態と異なってくる。
【0097】
次に、ステップSc2では、通信端末120が、所定の時間待機する。待機モードが第1待機モードである場合、通信端末120が、基地局40との通信接続を切断し、全ての通信機能を停止させて待機する。待機モードが第2待機モードである場合、通信端末120が、基地局40との通信接続を維持し、一部の通信機能を作動させて待機する。そして、ステップSc3に移動する。
【0098】
次に、ステップSc3では、通信端末120が、選択した待機モードが第1待機モードか第2待機モードかに基づく判断を行う。選択した待機モードが第1待機モードである場合、ステップSc4に移動する。選択した待機モードが第2待機モードである場合、ステップSc7に移動する。
【0099】
ステップSc4では、通信端末120が、第1待機モードからデータ送信モードに切り替わり、全ての通信機能を作動させる。次に、ステップSc5では、通信端末120が、基地局40との通信接続を行う。次に、ステップSc6では、通信端末120が、コンピュータ50との通信接続を行う。そして、ステップSc8に移動する。
【0100】
ステップSc7では、通信端末120が、第2待機モードからデータ送信モードに切り替わり、全ての通信機能を作動させる。そして、ステップSc8に移動する。尚、第2待機モードでは、基地局40との通信接続とコンピュータ50との通信接続とは維持されているので、改めて基地局40との通信接続やコンピュータ50との通信接続を行う必要は無い。
【0101】
次に、ステップSc8では、通信端末120が、コンピュータ50に所定のデータを送信する。次に、ステップSc9では、通信端末120が、選択した待機モードが第1待機モードか第2待機モードかに基づく判断を行う。選択した待機モードが第1待機モードである場合、ステップSc10に移動する。選択した待機モードが第2待機モードである場合、ステップSc13に移動する。
【0102】
ステップSc10では、通信端末120が、コンピュータ50との通信接続を切断する。次に、ステップSc11では、通信端末120が、基地局40との通信接続を切断する。次に、ステップSc12では、通信端末120が、全ての通信機能を停止させる。そして、ステップSc16に移動する。
【0103】
ステップSc13では、通信端末120が、コンピュータ50との通信接続を維持する。次に、ステップSc14では、通信端末120が、基地局40との通信接続を維持する。次に、ステップSc15では、通信端末120が、一部の通信機能を作動させ、他の通信機能を停止させる。そして、ステップSc16に移動する。
【0104】
次に、ステップSc16では、通信端末120が、待機モードの見直しが必要か否かに基づく判断を行う。待機モードの見直しが不要と判断した場合、ステップSc2に戻り、ステップSc2からの手順を繰り返す。待機モードの見直しが必要と判断した場合、ステップSc1に戻り、ステップSc1からの手順を繰り返す。通信端末120は、このような手順に従って、コンピュータ50へのデータ送信を行っている。
【0105】
尚、前述したように、ステップSc1では、通信端末120は、
図4に示す手順に従って、各種の所要時間の計測と待機モードの選択とを行っている。そのため、データ送信を複数回行う毎にステップSc1に戻ることによって、定期的に待機モードの見直しを行うことができる。
【0106】
次に、本実施形態の効果について説明する。尚、本実施形態では、第1実施形態と異なる効果についてのみ説明する。
【0107】
本実施形態の通信端末120では、送信周期Tが短い場合には、通信端末120とコンピュータ50との通信接続を維持して待機しても、通信端末120の電力消費量全体に対する待機時の電力消費量を少なくすることができる。一方、通信端末120とコンピュータ50との通信接続と通信接続の切断とに要する時間が長い環境では、データ送信を行う度に、通信端末120とコンピュータ50との通信接続と通信接続の切断とを繰り返すと、長時間大電力を使用することになり、データ送信時の電力消費量が増加し易い。そのため、送信周期Tが短く、且つ、通信端末120とコンピュータ50との通信接続と通信接続の切断とに要する時間が長い環境で、基地局40との通信接続を維持して待機している場合には、通信端末120とコンピュータ50との通信接続も維持した方が、データ送信を行う度に通信端末120とコンピュータ50との通信接続と通信接続の切断とを繰り返すよりも、通信端末120の電力消費を抑制し易い。
【0108】
それに対して、本実施形態の通信端末120は、基地局40との通信接続を維持して待機する第2待機モードでは、コンピュータ50との通信接続を維持している。そのため、送信周期Tが短く、且つ、通信端末120とコンピュータ50との通信接続と通信接続の切断とに要する時間が長い環境において、通信端末20の電力消費を更に効率良く抑制することができる。
【0109】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することができる。
【0110】
例えば、本発明の実施形態において、センサ10が検出するデータは、気温や湿度以外のデータでも構わない。また、通信端末20は、センサ10から伝達されたデータ以外のデータをコンピュータ50に送信しても構わない。
【0111】
また、本発明の実施形態において、通信端末20や通信端末120は、無線LAN以外の規格に対応した通信端末であっても構わない。また、送受信する無線信号は、前述した以外の周波数の無線信号であっても構わない。また、基地局40が対応する規格は、通信端末20が対応する規格に合わせて適宜変更しても構わない。
【0112】
また、本発明の実施形態において、コンピュータ50は、パーソナルコンピュータ以外の装置であっても構わない。例えば、コンピュータ50は、携帯情報端末やタブレットPCや大型コンピュータ等であっても構わない。また、コンピュータ50は、コンピュータとしての機能を有した専用の計測機等であっても構わない。
【0113】
また、本発明の実施形態において、送信周期Tが比較的短い場合や、通信環境が時間によって変化しない環境で通信端末20や通信端末120を使用する場合には、通信端末20や通信端末120は、定期的に待機モードの見直しを行わなくても構わない。逆に、送信周期Tが比較的長い場合や、通信環境が時間によって変化し易い環境で通信端末20や通信端末120を使用する場合には、通信端末20や通信端末120は、データ送信を行う度に待機モードの見直しを行っても構わない。