(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記制御データの中に所定気温以上の日になる予報のデータが含まれているときは、前記予報された日の昼間においては節電モードで前記冷凍サイクルを制御する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態の冷蔵庫10について図面に基づいて説明する。
【0009】
以下、実施形態1の冷蔵庫10について
図1〜
図8に基づいて説明する。
【0010】
(1)冷蔵庫10の構造
冷蔵庫10の構造について
図1、
図2に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の冷蔵庫10の縦断面図であり、
図2が冷蔵庫10の上部斜視図である。
【0011】
図1に示すように、冷蔵庫10のキャビネット12は、外箱と内箱とより構成され、その間に断熱材を有した断熱構造となっている。このキャビネット12には、上部から順番に冷蔵室14、野菜室16、製氷室18、大型の冷凍室20が設けられ、製氷室18の横には不図示の小型冷凍室が設けられている。野菜室16と製氷室18との間には、断熱仕切り体が設けられている。
【0012】
製氷室18内部には、製氷装置22が配され、冷蔵室14の下部には、製氷装置22に水を供給するタンク24が配されている。また、冷蔵室14の背面上部には、冷蔵庫10の制御基板26が取り付けられている。冷凍室20の背面、すなわちキャビネット12の底部には機械室28が設けられている。機械室28には、圧縮機38が設けられている。
【0013】
図2に示すように、冷蔵室14の前面には、観音開き式の扉14a、14bが設けられ、
図1に示すように、野菜室16、製氷室18、製氷室、冷凍室20の前面には引出し式の扉16a,18a,20aが設けられている。
図2に示すように、冷蔵室14の左側の扉14aの前面には、ユーザが冷蔵庫10を操作するためのパネル40が設けられている。パネル40については、後から詳しく説明する。また、扉14a、14bの前面には、扉14a、14bを自動的に開放するためのタッチ式の扉スイッチ15,15がぞれぞれ設けられ、また、キャビネット12の上面には、扉スイッチ15の操作により、扉14a、14bを前方に押圧する左右一対の扉押圧部42が設けられている。
図5に示すように、扉14a、14bの開閉を検出する扉開閉検出部14c、14d、引出し式の扉16a,18a,20aの開閉を検出する扉開閉検出部16b,18b,20bもキャビネット12に設けられている。
【0014】
図1に示すように、野菜室16の背面下部には、冷蔵用蒸発器(以下、「Rエバ」という)30が設けられ、Rエバ30の上方には、冷蔵用庫内ファン(以下、「Rファン」という)32が設けられている。Rエバ30の下方には、Rエバ用除霜ヒータ(以下、「R除霜ヒータ」という)44が設けられ、また、Fエバ30の上部には、冷蔵用除霜センサ(以下、「R除霜センサ」という)54が設けられている。
【0015】
冷凍室20の背面上部には、冷凍用蒸発器(以下、「Fエバ」という)34が設けられ、Fエバ34の上方には冷凍用庫内ファン(以下、「Fファン」という)36が設けられている。Fエバ34の下方にはFエバ用除霜ヒータ(以下、「F除霜ヒータ」という)46が設けられ、また、Fエバ34の上部には、冷凍用除霜センサ(以下、「F除霜センサ」という)56が設けられている。
【0016】
冷蔵室14の背面には、冷蔵室14の庫内温度を検出する冷蔵用庫内温度センサ(以下、「Rセンサ」という)50が設けられている。大型の冷凍室20の背面には、冷凍室20の庫内温度を検出する冷凍用庫内温度センサ(以下、「Fセンサ」という)52が設けられている。
【0017】
(2)冷凍サイクル60
次に、冷蔵庫10の冷凍サイクル60について
図3に基づいて説明する。
【0018】
圧縮機38の吐出側から順番に、凝縮器62、防露パイプ64、三方弁66の入口が接続されている。
【0019】
三方弁66の一方のR出口には、冷蔵用キャピラリチューブ(以下、「Rキャピラリチューブ」という)68、Rエバ30、Rアキュムレータ69が接続されている。
【0020】
三方弁66の他方のF出口には、冷凍用キャピラリチューブ(以下、「Fキャピラリチューブ」という)70、Fエバ34、Fアキュムレータ71、逆止弁72が接続されている。
【0021】
逆止弁72の出口側とアキュムレータ69の出口側が一つになり、その後にサクションパイプ74を経て圧縮機38の吸入側に至る。
【0022】
この冷凍サイクル60では、冷媒は圧縮機38で圧縮されて、高温高圧の気体状の冷媒に変化し、凝縮器62と防露パイプ64で放熱しながら液体状の冷媒となる。液体状の冷媒は、三方弁66によってRキャピラリチューブ68、又は、Fキャピラリチューブ70に送られ、Rキャピラリチューブ68、又は、Fキャピラリチューブ70で気化し易いように減圧され、その後にRエバ30、又は、Fエバ34で気化し、周囲から熱を奪うことにより冷気が発生する。周囲から熱を奪った冷媒は、各アキュムレータ69,71にそれぞれ流れ、各アキュムレータ69,71では気液混合体状の冷媒を気体状の冷媒と液体状の冷媒とにそれぞれ分離し、気体状の冷媒のみがサクションパイプ74を経て圧縮機38へ戻り、再び圧縮され高温高圧の気体状の冷媒となる。
【0023】
(3)パネル40
冷蔵室14の扉14aには、
図4に示すようにパネル40が設けられている。
図4はパネル40の拡大正面図である。ユーザは、パネル40の表示を見て、各スイッチを操作することにより、ユーザは冷蔵庫10を制御できる。
【0024】
図4に示すように、パネル40の上段401には、冷蔵庫10が行なう制御の種類が表示され、その制御が行なわれている場合にこれら表示部分のランプが点灯する。例えば、「一気冷凍」が行なわれている場合には、「一気冷凍」の表示部分のランプが点灯する。
【0025】
パネル40の中段には、冷蔵室14、冷凍室20の庫内温度調整スイッチ402,403,404、製氷装置22を用いて一気製氷するためのスイッチ405が設けられている。また、後から説明する節電モードの開始/終了のための節電スイッチ406が設けられている。
【0026】
パネル40の下段には、現在の年、月、日及び時刻を表示する日時表示部410、冷蔵庫10が故障した場合にその故障箇所を表示する図表示部412、扉が開いている場合などに警告を行なったり、故障箇所を文章で表示する警告表示部414、スピーカ408が設けられている。
【0027】
(4)冷蔵庫10の電気的構成
次に、冷蔵庫10の電気的構成について、
図5のブロック図に基づいて説明する。
【0028】
制御基板26には、マイコン、CPUなどよりなる制御部76が設けられ、時間を計時するタイマ(時計部)78、記憶部80を有している。
【0029】
この制御部76には、
図5に示すように、製氷装置22、圧縮機38、Rファン32、Fファン36、三方弁66、R除霜ヒータ44、F除霜ヒータ46、パネル40、扉押圧部42、Rセンサ50、Fセンサ52、R除霜センサ54、F除霜センサ56、扉開閉検出部14c、14d、扉開閉検出部16b,18b,20b、通信部82が接続されている。
【0030】
パネル40には、節電スイッチ406、スピーカ408、日時表示部410、図表示部412、警告表示部414が接続されている。
【0031】
圧縮機38のモータは、制御部76によってインバータ制御され、PWM制御などの周波数制御によって回転数が可変となり、回転数が高いほど冷媒の供給量が多くなる。
【0032】
通信部82は、電話回線、インターネットなどの通信回線を介して外部に設けられているサーバ84と通信を行なうものであり、サーバ84から後から説明する補正データを取得したり、また、冷蔵庫10が故障した場合に報知信号を故障受付センターに送信する。
【0033】
この制御部76が、以下で説明する通常モード、節電モード、おでかけモードの冷却運転、除霜運転、製氷運転を実行する。
【0034】
(5)通常モード
制御部76が、冷凍サイクル60を用いて冷蔵室14と野菜室16を冷却する冷蔵運転(以下、「Rモード」という)と、製氷室18、小型の冷凍室、大型の冷凍室20を冷却する冷凍運転(以下、「Fモード」という)を交互に行い、また、除霜運転、製氷運転も行う。以下、この運転を「通常モード」の冷却運転という。
【0035】
Rモードにおいて、制御部76は三方弁66のF出口を閉じ、R出口を開き、液体状の冷媒をRエバ30に流す。また、制御部76は、Rファン32をONし、Fファン36をOFFする。Rエバ30に流れた液体状の冷媒は、Rエバ30を冷却し、この冷却された空気(冷気)はRファン32によって冷蔵室14と野菜室16に送られる。制御部76は、Rセンサ50の検出した庫内温度が、R開始温度TR0より上昇するとRモードを開始し、検出した庫内温度がR終了温度TR1まで下降するとRモードを終了する。これによって、冷蔵室14と野菜室16の庫内温度が1℃〜5℃に保持される。
【0036】
Fモードにおいて、制御部76は三方弁66のR出口を閉じ、F出口を開き、液体状の冷媒をFエバ34に流す。また、制御部76は、Rファン32をOFFし、Fファン36をONする。Fエバ34に流れた液体状の冷媒は、Fエバ34を冷却し、この冷却された空気(冷気)はFファン36によって小型冷蔵室、製氷室18、大型の冷凍室20に送られる。制御部76は、Fセンサ52の検出した庫内温度が、F開始温度TF0より上昇するとFモードを開始し、検出した庫内温度がF終了温度TF1まで下降するとRモードを終了する。これによって、小型冷蔵室、製氷室18、大型の冷凍室20の庫内温度が−18℃〜−26℃に保持される。なお、庫内温度によってはRモードとFモードとが同時に開始する場合があるが、その場合には制御部76はFモードを優先して行う。
【0037】
(6)除霜運転
制御部76は、除霜運転を1日1回実施する。除霜運転は、冷却は停止し、R除霜ヒータ44がRエバ30を加熱し、F除霜ヒータ46がFエバ34を加熱し、R除霜センサ54及びF除霜センサ56が所定温度(例えば、2℃)以上になると、制御部76が、Rエバ30及びFエバ34の霜取りが終了したと判断し、除霜運転を終了する。
【0038】
(7)製氷運転
制御部76は、製氷室18に内蔵された製氷装置22の検出レバー22aが、氷を検出しなくなると、氷が全て使用されたと判断して、製氷運転を開始する。この製氷運転は、Fモードにおいて、冷蔵室14にあるタンク24から水を製氷装置22の製氷皿22bに供給し、製氷を実施する。この製氷運転は、製氷ボックス22cが、満杯になるまで所定時間毎に行われる。製氷運転を一回行うと、例えば10個の氷ができ、製氷ボックス22cが50個の氷で満杯になるとすると、製氷運転を1時間毎に5回行う。
【0039】
(8)節電モード
次に、節電モードについて説明する。本実施形態の冷蔵庫10は、通常モードにおける冷却運転よりも節電効果の高い節電モードを実施できる。この節電モードにおいては、消費電力を制限するために次の冷却条件で制御部76は制御を行う。
【0040】
第1に、制御部76は、圧縮機38の最高回転数を、通常モードの最高回転数M0よりも低いM1に設定する。これによって、モータによる最大消費電力を低くできる。
【0041】
第2に、制御部76は、RモードのR開始温度TR0、R終了温度TR1を上げ、また、FモードのF開始温度TF0、F終了温度TF1を上げる。
【0042】
第3に、Rファン32とFファン36の最高回転数WR1、WF1を、通常モードの最高回転数WR0、WF0よりも低く設定する。
【0043】
第4に、制御部76は、製氷運転の間隔を1時間毎ではなく、2時間毎に行う。
【0044】
第5に、制御部76は、除霜運転に関しては、除霜運転の間隔を広げたり、R除霜ヒータ44、F除霜ヒータ46の通電率を下げる。
【0045】
このようにして、制御部76は、通常モードの冷却運転よりも節電効果の高い節電モードを実現する。節電モードは、パネル40の節電スイッチ406をユーザがONすることにより開始でき、また、再びこの節電スイッチ406をユーザがOFFにすることにより節電モードが終了できる。
【0046】
(9)季節、時刻による制御方法
上記で説明した通常モードにおける圧縮機38の最高回転数M0、R開始温度TR0、R終了温度TR1、F開始温度TF0、F終了温度TF1、Rファン32とFファン36の最高回転数WR0、WF0からなる制御パラメータは、季節、時刻に関係なく従来は、外気温センサ42で検出した検出外気温に対応して変化させるだけであった。
【0047】
しかし、本実施形態では、検出外気温に対応した制御パラメータを、季節や時刻に基づいて補正する。すなわち、通信部82が、サーバ84から制御パラメータに関する制御データ(補正データ)を取得し、記憶部78に記憶させる。そして、制御部76は、その記憶部78の補正データに基づいて制御パラメータを補正する。
【0048】
具体的な季節、時刻による制御方法について
図6、
図7に基づいて説明する。
【0049】
まず、サーバ84には、
図6に示すような補正データのテーブルが記憶されている。
図6は、1年を春、夏、秋及び冬の季節に区分し、1日の時刻を朝、午前、昼間、夕方、夜間及び深夜に区分し、各区分に対応した補正データA1〜D6のテーブルを示す。例えば、夏の昼間における補正データB3は、検出外気温に対応した制御パラメータ(圧縮機38の最高回転数M0、R開始温度TR0、R終了温度TR1、F開始温度TF0、F終了温度TF1、Rファン32とFファン36の最高回転数WR0、WF0)を補正する補正データが含まれている。以下では、補正データとして圧縮機38の最高回転数M0を例示する。例えば、夏の昼間では外気温が最も高くなるため、補正データB3は、圧縮機38の最高回転数M0を、モータが行なうことができる最高回転数になるように補正するデータである。逆に、冬の深夜の補正データD6は、圧縮機38の最高回転数M0を、モータの最高回転数の75%に補正するデータである。
【0050】
次に、制御部76は、タイマ78によって年、月、日、時刻を計時し、例えば1時間毎に通信部82を介してサーバ84から月日時刻に対応した補正データを取得し、記憶部80に記憶させる。
【0051】
次に、制御部76は、記憶部80に記憶させた補正データに基づいて、冷蔵庫10の制御を行なう。
図7に示すように、外気温センサ42の検出外気温が20℃の場合には圧縮機38の最高回転数M0を基準値M00と設定し(
図7の実線)、それより高い場合(例えば30℃)には最高回転数M0を基準値より高い回転数M01く設定し(
図7の一点鎖線)、逆に外気温が低い場合(10℃)には最高回転数M0を基準値よりも低い回転数M02に設定する(
図7の点線)。それに加えて、制御部76は、補正データに基づいて、季節、時刻に対応してより細かく最高回転数M0,M01,M02を変化させる。すなわち、制御部76は、
図7の正弦波状に記載された一点鎖線に示すように、夏の期間の場合には、取得した補正データに基づいて最高回転数M01をさらに高くするように補正し、冬の期間の場合には回転数M02をさらに低くするように補正する。
【0052】
他の制御パラメータであるR開始温度TR0、R終了温度TR1、F開始温度TF0、F終了温度TF1、Rファン32とFファン36の最高回転数WR0、WF0においても同様に、制御部76は、外気温の変化に加えて、補正データに基づいて補正する。
【0053】
これによって、単に検出外気温に基づいて制御パラメータを変化させるだけでなく、季節や時刻に応じても細かく変化するため、冷蔵庫10にとってより省電力の制御を行なうことができる。
【0054】
(10)故障報知方法
次に、冷蔵庫10において故障が発生した場合の報知方法について説明する。
【0055】
従来の冷蔵庫において故障が発生した場合には、アラームと故障コードを表示するだけであったため、ユーザによる故障箇所の探索及び故障コードの読み取り作業、さらに、故障受付センターへの電話連絡等の情報伝達が必要であり、手間がかかると共に手数もかかった。
【0056】
そこで、本実施形態の冷蔵庫10では、故障が発生したときにユーザが簡単に故障箇所を認識でき、また、必要な場合には故障受付センターに故障を報知できる故障報知方法を説明する。
【0057】
第1の故障報知方法について説明する。第1の故障報知方法は、軽度の故障が発生した場合である。「軽度の故障」とは、修理する故障ではないが、製氷運転においてタンク24の水が無い場合や冷蔵室20の扉20aが長時間開放されている場合などようにユーザが作業を行うことにより回復する不具合を意味する。軽度の故障の場合、すなわち、製氷運転においてタンク24の水が無い場合には、制御部76は、図表示部412におけるタンク24の位置を点灯又は点滅させ、次に、警告表示部414に「タンクに水がありません」と表示し、次に、スピーカ408から「タンクに水がありません」と音声で出力する。これによって、ユーザは、タンク24に水がないことを簡単に認識でき、水の補充を行うことができる。また、扉開閉検出部20bによる扉20a(冷凍扉)の開放が所定時間(例えば、3分)以上になると、制御部76は、パネル40における図表示部412において、冷凍扉20aの位置を点灯又は点滅させ(
図4においては、ハッチングで示している)、次に、制御部76は警告表示部414に「冷凍扉が開いています」と表示し、次に、制御部76は、スピーカ408から「冷凍扉が開いています」と音声で出力する。これによって、ユーザは、簡単に冷凍扉20aが開放されていることを認識でき、冷凍扉20aを閉めることができる。
【0058】
第2の故障報知方法について説明する。第2の故障報知方法は、重度の故障が発生した場合である。「重度の故障」とは、ユーザの作業によっては回復不可能な不具合を意味する。重度の故障が発生した場合には、通信部82を介して直ちに故障受付センターに報知する。例えば、圧縮機38が動作しない場合である。
【0059】
この制御方法について
図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0060】
ステップS1において、制御部76は、故障が発生したか否かを判断し、故障が発生していない場合にはステップS1を続け(nの場合)、故障が発生している場合にはステップS2に進む(yの場合)。
【0061】
ステップS2において、故障が発生したので、制御部76は、重度の故障か否かを判断し、重度の故障でない場合にはステップS3に進み(nの場合)、重度の故障の場合(yの場合)にはステップS8に進む。故障が軽度か重度かの判断は、記憶部80に故障の種類を予め記憶させ、上記で説明したような冷凍扉20aの開放やタンク24の水切れの場合には軽度と判断し、圧縮機38の停止などの場合には重度と判断する。また、制御部76は、これらの故障内容をタイマ78で計時してる年、月、日、時刻と共に記憶部80に時系列に故障履歴として記憶する。この故障履歴によって、故障受付センターのサービスマンがこの冷蔵庫10についてどのような修理が必要かの診断を素早く行なうことができる。難解な故障の場合には1回のみの瞬時による故障なのか、複数回による不具合なのかもわかり、不具合箇所を探すときの時間的ロスが発生しない。
【0062】
ステップS3において、制御部76は、パネル40に故障を表示しステップS4に進む。例えば、冷凍扉20aが開放されている場合には、上記で説明したようにパネル40の図表示部412の所定位置を点灯や点滅させる。
【0063】
ステップS4において、制御部76は、故障時間(故障が発生した時刻からの経過時間)と故障回数をカウントする。そしてステップS5に進む。
【0064】
ステップS5において、ユーザが故障を回復する作業を行ない、制御部76は、故障が回復したか否かを判断し、故障が回復した場合にはステップS6に進み、回復しない場合にはステップS3に戻る。
【0065】
ステップS6において、制御部76は、故障時間(故障経過時間)がp時間までに回復したか、又は、連続してn回以上発生しているか否かを判断し、p時間までに回復せず、また、連続n回以上発生している場合にはステップS8に進む(nの場合)。一方、p時間、連続n回までに回復している場合にはステップS7に進む(yの場合)。なお、p時間又は連続n回までに回復していない場合に、故障受付センターに報知するのは、軽度の故障ではあるが、他に不具合の可能性があるためステップS8に進む。例えば、冷凍扉20aを閉めた場合でも、暫くすると扉開閉検出部20bが冷凍扉20aの開放を検出した場合には、冷凍扉20aのパッキングや、その他開閉部分の構造が故障している場合があるからである。
【0066】
ステップS7において、制御部76は、故障に関する表示を消灯させると共に音声を停止させステップS1に戻る。
【0067】
ステップS8において、重度の故障が発生したため、制御部76は、パネル40に故障の内容を図表示部412及び警告表示部414に表示すると共にスピーカ408で故障内容を出力する。また、制御部76は、重度の故障が発生したことを故障内容と共に通信部82を介して故障受付センターに報知する。
【0068】
ステップS9において、故障受付センターから修理にきたサービスマンによって故障の回復作業が行なわれ、故障が回復した場合にはステップS1に戻る。
【0069】
(11)自己診断方法
次に、本実施形態における冷蔵庫10の自己診断方法につい説明する。
【0070】
冷蔵庫10を長年使用していると、キャビネット12内部の断熱材が経年劣化して断熱効果が低下する。そのため、制御部76は、年が異なり、月、日、時刻が同じで、かつ、外気温がほぼ同じ状態において、圧縮機38を同じ回転数で回転させてRセンサ50で検出した庫内温度を比較する。例えば、2011年10月1日午前2時に計測した庫内温度と、2012年10月1日午前2時に計測した庫内温度とを比較し、両庫内温度の差が2℃未満の場合には経年劣化は無いと判断し、逆に2℃以上になっていた場合には、断熱材い経年劣化が発生しているとしてパネル40の警告表示部414に表示してユーザに知らせる共に、通信部82を介して故障受付センターに通知する。
【0071】
(12)効果
本実施形態によれば、冷蔵庫10は、外気温センサ416やRセンサ50やFセンサ52の検出温度だけでなく、取得した季節及び時刻毎の補正データに基づいて冷却運転を制御するため、より極め細かい冷却運転を行なうことができ、省電力となる。
【0072】
また、故障が発生した場合に図表示部412でその故障箇所を特定でき、また警告表示部414でその故障内容を表示し、スピーカ408で故障があったことを知らされるため、ユーザはその故障を容易に回復させることができる。
【0073】
また、重度の故障の場合には、通信部82を介して故障受付センターに自動的に通知するため、ユーザが改めて故障受付センターに連絡する必要がない。
【0074】
また、故障履歴が記憶部80に記憶されるため、故障受付センターはその故障履歴を見ることにより簡単に故障の診断を行なうことができる。
【0075】
また、冷蔵庫10に経年劣化があった場合でも、ユーザは経年結果を知ることができ、故障受付センターに連絡する必要もない。
【0076】
(13)変更例
上記実施形態では、取得する補正データは、春、初、秋、冬毎に分割され、1日も朝、午前、昼間、夕方、夜間、深夜に分割されていた。これに代えて、1年間を12月に分割し、1日を24時間に分割した補正データを取得してもよい。このときは、例えば、8月の補正データは、1月の前記補正データにおける最高回転数より高くするように補正する。
【0077】
次に、実施形態2の冷蔵庫10の制御方法について説明する。
【0078】
上記実施形態では、季節、時刻毎の分割された補正データを取得するだけであった。しかし、最近、電力不足のため電力会社が計画停電を行う場合がある。このときは電力会社のホームページやメールによって計画停電の地域、予定日時の情報が提供される。
【0079】
そのため、この情報を利用して、本実施形態では、計画停電に合わせた冷蔵庫10の制御を行う。この計画停電に関する冷蔵庫10の制御方法について説明する。
【0080】
まず、サーバ84は、計画停電の地域、予定日時の情報を電力会社から取得する。なお、「予定日時」とは、計画停電は行われる年、月、日、開始時刻、終了時刻を意味する。
【0081】
次に、サーバ84と通信できる冷蔵庫10の設置場所をサーバ84に予め記憶しておき、サーバ84は、その設置場所が計画停電の地域に属するか否かを判断する。
【0082】
次に、サーバ84は、計画停電の地域に属する冷蔵庫10に関して、計画停電の予定日時の前日に、その予定日時を補正データに加えて冷蔵庫10の通信部82に送信する。
【0083】
次に、冷蔵庫10の通信部82が、補正データに加えて計画停電の予定日時の情報を受信すると、制御部76は計画停電の予定日時の時間帯には、補正データに関わらず、除霜運転を行なわず、また、予定日時の前に強制的に製氷運転を行って氷を製造する。
【0084】
これにより、計画停電の予定日時に、消費電力が上昇する除霜運転や製氷運転を行なわず、より省エネ運転を行なうことができる。
【0085】
本実施形態の変更例1として、計画停電の予定日時に、制御部76は、強制的に節電モードに切り替え、より確実に省エネを実現してもよい。
【0086】
本実施形態の変更例2として、計画停電の情報をサーバ84が取得するのでなく、制御部76が通信部82を用いて直接受信してもよい。このときには、制御部76は、冷蔵庫10の設置場所が予め記憶されていたり、又はGPSによって現在位置を取得し、自己の冷蔵庫10が、計画停電の地域に属するか否かを判断する。
【0087】
次に、実施形態3の冷蔵庫10の制御方法について説明する。
【0088】
気象庁や民間の気象予報会社による翌日(又は今週、将来の10日間)の予報において、昼間の最高気温が35℃以上(猛暑日)になることが発表される。
【0089】
そのため、本実施形態では、サーバ84が、気象庁や民間の気象予報会社による翌日(又は今週、将来の10日間)の予報を取得する。そして、サーバ38は、補正データに加えてその予報のデータを冷蔵庫10に送信する。
【0090】
一方、冷蔵庫10の制御部76は、猛暑日と予報された日の昼間においては、強制的に節電モードに切り替える。これによって、猛暑日における昼間の電力を節約できる。
【0091】
なお、この節電モードに強制的に切り替わる温度は、35℃以上に関わらず、30℃以上など他の気温に設定してもよい。
【0092】
上記実施形態1では、補正データをサーバ84から取得したが、これに代えて、記憶部80に予め1年分の補正データを記憶させて、制御部76は、記憶部80から取得してもよい。
【0093】
上記実施形態1では、サーバ84から取得した制御データは、制御パラメータの補正データであったが、これに代えて、サーバ84には、冷蔵庫10に季節(又は、月日)、時刻に対応した制御パラメータ自身が記憶され、冷蔵庫10の制御部76は、タイマ78で計時している月、時刻に対応した制御パラメータ自身を制御データとして通信部82を介して取得し、次に、制御部76はその制御パラメータに基づいて制御してもよい。
【0094】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。