(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両の進入を規制したり、その車両を誘導したりするためなどに、道路や広場などにボラードを設置することが行われている。ボラードとしては、それに要求される場所などに応じて、様々なタイプのものが提案されている。例えば、古い時代のボラードは、その全体が金属や木などの硬い材料で形成されたものが多かったが、近年のボラードは、ある程度硬い材料で形成された芯材に対して、クッション性を有するクッション材を外嵌固定した衝撃吸収タイプのものが提案されている。衝撃吸収タイプのボラードは、万が一、それに車両や人などが衝突した場合であっても、車両や人が受ける衝撃を和らげることができるようになっている。
【0003】
衝撃吸収タイプのボラードとしては、上記のもののほか、芯材における施工面下に埋設される第一区間と第一区間の上側に接続する第二区間とが、弾性的に屈曲しないパイプ(例えば、引用文献1の
図5における支持体3を参照。)で形成され、芯材における第二区間の上側に位置する第三区間が、弾性的に屈曲可能な中空弾性材(例えば、引用文献1の
図5における復元材4、筒体5及び芯材6を参照。)で形成されたボラードも提案されている。これにより、ボラードに衝撃が加わってボラードが変形しても、ボラードは元の状態に速やかに復帰することが可能となる(例えば、引用文献1の明細書における段落0012を参照。)。
【0004】
また、夜間などの視認性を向上させるため、その上端部外面に光源を取り付けた発光タイプのボラードも提案されている。発光タイプのボラードのなかには、その光源から下向きに光が照射されるようにしたもの(例えば、特許文献2の請求項1、及び特許文献3の
図1を参照。)も提案されている。しかし、これらの発光タイプのボラードは、その上端部(自動車のバンパーと同じくらいの高さ)に光源が取り付けられていたため、それに自動車などが衝突した際には、光源周辺が衝撃を受けて光源が破損するおそれがあった。加えて、光源が高い位置に設けられていたため、歩行者などの足元を明るく照らすことができず、必ずしも誘導灯として十分なものとは言えなかった。
【0005】
歩行者の足元を明るく照らすことができ、誘導灯としての機能を好適に発揮しながらも、それに車両や人などが衝突した場合であっても、破損しないような工夫が施されたボラードがあれば、例えば、地震などの災害発生時でも、正常に点灯し続け、人々を避難場所まで安全に誘導することが可能になるが、そのようなボラードは、これまでに提案されていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、歩行者の足元を明るく照らすことができ、誘導灯としての機能を好適に発揮しながらも、それに車両や人などが衝突した場合であっても、破損しないような工夫が施されたボラードを提供するものである。また、地震などの災害発生時でも、正常に点灯し続け、人々を避難場所まで安全に誘導することのできるボラードを提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、
施工面に立設される芯材と、芯材の外周面を覆うクッション材とを備え、
芯材における施工面から立ち上がる第一区間が、弾性的に屈曲しない下側パイプで形成され、
芯材における第一区間の上側に位置する第二区間が、弾性的に屈曲可能な中空弾性材で形成されたボラードであって、
施工後のボラードの付根付近を照らすための下部光源が、第一区間の高さに取り付けられたことを特徴とするボラード。
を提供することによって解決される。
【0009】
本発明のボラードは、それに車両や人などが衝突した場合には、第二区間が弾性的に屈曲し、衝撃を吸収することが可能な衝撃吸収タイプのものとなっている。このため、ボラードに衝突した車両や人などを傷つけないようにするだけでなく、ボラード自身も破損しにくい構造となっている。また、本発明のボラードは、下部光源をボラードの下部に備えた発光タイプのものとなっており、歩行者の足元などを明るく照らし、誘導灯としての機能を好適に発揮できるものとなっている。加えて、下部光源は、弾性的に屈曲する第二区間よりも下側の第一区間(通常、車両のバンパーよりも低い位置に設けられる。)に取り付けられているため、車両のバンパーなどがボラードにおける下部光源が設けられた場所に直接的に衝突しにくい構造となっている。したがって、車両などがボラードに衝突しても、下部光源は破損することなく歩行者を安全に誘導し続けることもできる。
【0010】
本発明のボラードにおいて、下側パイプに対する下部光源の取付構造は、特に限定されないが、通常、下側パイプを内外に貫通する貫通孔を、下側パイプの第一区間に設け、前記貫通孔を通じて芯材の内側から外側に導き出された電力供給ケーブルに、下部光源が接続される。この場合、下部光源が下側パイプ(芯材)に対して相対的に移動(例えば、捩じれ方向に回転移動や、上下方向へ移動)するようなことがあると、電力供給ケーブルが前記貫通孔の周辺で切断するおそれがある。このため、下部光源は、下側パイプに対して位置決めされた状態で取り付けると好ましい。これにより、下部光源と前記貫通孔との相対的な位置を固定し、電力供給ケーブルが切断するのを防ぎ、下部光源に安定して電力を供給することが可能になる。
【0011】
このとき、下側パイプに対して下部光源を位置決めする構造は、特に限定されず、例えば、下部光源を下側パイプにボルト留め(あるいは、下部光源を取り付けたクッション材を、下側パイプにボルト留め)することなどによって行ってもよいが、以下のように行うと好ましい。すなわち、下部光源を、下側パイプの第一区間に外嵌された環状ユニットを介して下側パイプに取り付ける構造とし、環状ユニットの内周部に設けられた位置決め用突起を下側パイプに嵌合することにより、下部光源が、下側パイプに対して位置決めされた状態で取り付けられるようにする。これにより、下側パイプに対して下部光源を容易に位置決めすることが可能になる。加えて、下部光源を環状ユニットにユニット化しておくことで、下側パイプに対する下部光源の取付自体も容易となる。
【0012】
また、本発明のボラードにおいては、下部光源に供給する電力を発電するための太陽光発電パネルを、芯材の上端部に取り付け、太陽光発電パネルと下部光源とを、芯材の内側を通る電力供給ケーブルによって電気的に接続し、太陽光発電パネルが発電した電力を蓄えるためのバッテリーを、太陽光発電パネルと下部光源との間に介在させると好ましい。大震災など、大規模な災害の発生時には、停電が発生することが想定されるところ、このように、ボーラドを自家発電・蓄電可能なものとしておくことにより、停電時などにおいても、下部光源が発行し続け、人々を安全に誘導することが可能になる。バッテリーは、通常、太陽光発電パネルの直下に設けられるが、他の位置(例えば、ボラードの中間部や下部)に設けてもよい。
【0013】
ところで、上記のように、太陽光発電パネルをボラードの上部に設け、誘導用の光源(下部光源)をボラードの下部に設けた場合には、ボラードの上部と下部とを電力供給ケーブルで電気的に接続する必要があるところ、本発明のボラードでは、それに車両などが衝突した場合には、ボラードの中間部(第二区間)で屈曲するため、電力供給ケーブルが伸長しないものであると、ボラードが屈曲する際に電力供給ケーブルが切断するおそれがある。このため、電力供給ケーブルは、電力を供給する芯材を耐久性のある被覆材で覆ったものとすると好ましい。これにより、ボラードが屈曲しても、電力供給ケーブルが切断しないようにすることが可能になる。あるいは、電力供給ケーブルを螺旋ケーブルとすることにより、ボラードが屈曲しても、電力供給ケーブルを伸長させ、電力供給ケーブルが切断しないようにすることも可能になる。
【0014】
さらに、本発明のボラードにおいては、その上端部に上部光源を取り付けると好ましい。これにより、夜間時におけるボラードの視認性を高めることが可能になり、車両や人などがボラードに衝突することを未然に防ぐことが可能になる。上部光源に供給する電力は、下部光源と共用(下部光源に電力を供給する太陽光発電パネルやバッテリーを共用)するとボラードの製造コストを抑えることが可能である。
【0015】
さらにまた、本発明のボラードにおいては、下部光源及び/又は上部光源の近傍に蓄光部を設けることも好ましい。これにより、万が一、電力供給ケーブルが切断したり、下部光源や上部光源や太陽光発電パネルやバッテリーなどが破損する事態が生じてしまい、下部光源や上部光源が発光できなくなったとしても、一定時間は、下部光源や上部光源の周囲を発光させることが可能になる。
【0016】
そして、本発明のボラードにおいて、芯材における第一区間よりも上側は、全て中空弾性材で形成した第二区間としてもよいが、芯材における第二区間のさらに上側に、弾性的に屈曲しない上側パイプで形成された第三区間を設けると好ましい。上記の太陽光発電パネルやバッテリーなどの機器は、通常、芯材の上端部に設けられるが、芯材に弾性的に屈曲しない第三区間を設けることにより、これらの機器を芯材の上端部に安定して支持させることが可能になる。
【0017】
そしてまた、本発明のボラードは、芯材における第一区間の下部を施工面に固定するようにしてもよいが、芯材における第一区間の下側に、施工面下に埋設される第四区間を設け、芯材における第四区間を、下側パイプを下側に延長して形成することも好ましい。このように、芯材に施工面下に埋設される部分を設けることで、ボラードを施工面に対してより強固に固定することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によって、歩行者の足元を明るく照らすことができ、誘導灯としての機能を好適に発揮しながらも、それに車両や人などが衝突した場合であっても、破損しないような工夫が施されたボラードを提供することが可能になる。また、地震などの災害発生時でも、正常に点灯し続け、人々を避難場所まで安全に誘導することのできるボラードを提供することも可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[ボラードの概要]
本発明のボラードの好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。
図1は、本発明のボラードを施工面100に施工した状態を側方から見た一部断面図である。
図2は、本発明のボラードを施工面100に施工して下部光源30から光200を照射させている状態を側方から見た図である。
図3は、本発明のボラードを構成する各電気機器を抜き出した状態を側方から見た図である。
図4は、本発明のボラードを構成する環状ユニット80を側方から見た状態と上方から見た状態を示した図である。
【0021】
本実施態様のボラードは、
図1に示すように、施工面100に立設される芯材10と、芯材10の外周面を覆うクッション材20とを備えたものとなっている。ボラードの下部外面には、下部光源30が設けられており、ボラードの上部外面には、夜間におけるボラードの視認性を高めるための上部光源40が設けられている。また、ボラードの上端部には、下部光源30及び上部光源40に供給する電力を発電するための太陽光発電パネル50が設けられており、太陽光発電パネル50の直下には、太陽光発電パネル50が発電した電力を蓄えるためのバッテリー60が設けられている。ボラードの上部に設けられたバッテリー60とボラードの下部に設けられた下部光源30は、芯材10の中空部10aの内部に通された電力供給ケーブル70によって電気的に接続されている。さらに、本実施態様のボラードには、夜間になったことを検知するための照度センサ(図示省略)が設けられており、周囲が暗くなると、下部光源30及び上部光源40が自動的に点灯するようになっている。以下、本実施態様のボラードの各部について順に説明する。
【0022】
[芯材]
本実施態様のボラードにおいて、芯材10は、
図1に示すように、その下端部から上端部に向かって、第四区間S
4、第一区間S
1、第二区間S
2及び第三区間S
3の順に並ぶ4つの区間で構成されている。芯材10における第四区間S
4は、施工後に施工面100の下に埋設される部分となっており、芯材10における第一区間S
1は、施工後に施工面100から立ち上がる部分となっている。また、芯材10における第二区間は、第一区間S
1の上側に接続する部分となっており、芯材10における第三区間は、第二区間S
2の上端部から芯材10の上端部に達するまでに延在する部分となっている。
【0023】
芯材10における第四区間S
4と第一区間S
1は、弾性的に屈曲しない1本の連続する下側パイプ11で形成されており、弾性的に屈曲しない区間となっている。また、芯材10における第二区間S
2は、弾性的に屈曲可能な中空弾性材12で形成されており、弾性的に屈曲可能(
図2を参照)な区間となっている。さらに、芯材10における第三区間S
3は、弾性的に屈曲しない上側パイプ13で形成されており、第四区間S
4や第一区間S
1と同様、弾性的に屈曲しない区間となっている。
【0024】
下側パイプ11や上側パイプ13としては、金属や硬質樹脂など、ある程度硬質な管材が用いられる。本実施態様のボラードにおいては、下側パイプ11及び上側パイプ13として、それぞれ鋼管を用いている。一方、中空弾性材12は、弾性的に屈曲可能な素材で形成されたものであればよく、例えば、ゴムチューブ(ボラードとしての姿勢を保てる程度の剛性を有するもの)などを用いてもよいが、本実施態様のボラードにおいては、コイルスプリングを用いている。これにより、ボラードに外力が加えられ、ボラードが第二区間S
2で屈曲したとしても、ボラードは速やかに元の姿勢に戻ることが可能である。下側パイプ11の上端部と中空弾性材12の下端部、及び中空弾性材12の上端部と上側パイプ13の下端部は、溶接などによって互いに固定される。
【0025】
ところで、上記区間S
1〜S
4のうち、第一区間S
1を短くしすぎると、後述する下部光源30の位置が低くなり過ぎてしまい、雨天時などには、下部光源30が水没するおそれがある。また、下部光源30で歩行者の足元の広い範囲を照らすことができなくなるおそれもある。このため、第一区間S
1の長さ(上下方向の長さ)は、通常、5cm以上とされる。第一区間S
1の長さは、通常、10cm以上であると好ましく、15cm以上であるとより好ましい。一方、第一区間S
1の長さを長くしすぎると、ボラードに車両が衝突した場合に、車両のバンパーが第一区間S
1に衝突し、ボラードが破損するおそれがある。このため、第一区間S
1の長さは、通常、40cm以下とされる。第一区間S
1の長さは、35cm以下であると好ましく、30cm以下であるとより好ましい。本実施態様のボラードにおいて、第一区間S
1の長さは、25cmとしている。
【0026】
また、第二区間S
2を短くしすぎると、ボラードの上部に衝撃が加えられた際に、ボラードを第二区間S
2で大きく屈曲させることが困難になるおそれがある。このため、第二区間S
2の長さ(上下方向の長さ)は、通常、5cm以上とされる。第二区間S
2の長さは、10cm以上であると好ましく、15cm以上であるとより好ましい。一方、第二区間S
2を長くしすぎると、ボラードが第二区間S
2で屈曲しやすくなりすぎて真っ直ぐに起立した姿勢を保ちにくくなるおそれがある。このため、第二区間S
2の長さは、通常、35cm以下とされる。第二区間S
2の長さは、30cm以下であると好ましく、25cm以下であるとより好ましい。本実施態様のボラードにおいて、第二区間S
2の長さは、20cmとしている。
【0027】
さらに、第三区間S
3を短くしすぎると、ボラードの全体の高さを確保しにくくなるばかりか、第三区間S
3を設けた意義も低下する。このため、第三区間S
3の長さ(上下方向の長さ)は、通常、5cm以上とされる。第三区間S
3の長さは、10cm以上であると好ましく、15cm以上であるとより好ましい。一方、第三区間S
3を長くしすぎると、ボラードの全体が高くなり過ぎてしまう。このため、第三区間S
3の長さは、通常、40cm以下とされる。第三区間S
3の長さは、35cm以下であると好ましく、30cm以下であるとより好ましい。本実施態様のボラードにおいて、第三区間S
3の長さは、24cmとしている。
【0028】
さらにまた、第四区間S
4を短くしすぎると、アンカーとして施工面100の下に埋設する部分が短くなり、施工後のボラードの安定性が低下するおそれがある。このため、第四区間S
4の長さ(上下方向の長さ)は、通常、20cm以上とされる。第四区間S
4の長さは、25cm以上であると好ましく、30cm以上であるとより好ましい。一方、第四区間S
4を長くしすぎると、施工面100に深い穴を掘らなければボラードを施工することができなくなり、施工コストが増大するおそれがある。このため、第四区間S
4の長さは、通常、70cm以下とされる。第四区間S
4の長さは、60cm以下であると好ましく、50cm以下であるとより好ましい。本実施態様のボラードにおいて、第四区間S
4の長さは、40cmとしている。
【0029】
[クッション材]
本実施態様のボラードにおいて、クッション材20は、
図1に示すように、芯材10における第一区間S
1と第二区間S
2と第三区間S
3の外周面を覆う筒状のものとなっている。一方、施工面100の下に埋設される第四区間S
4の外周部には、クッション材20を設けていない。このように、芯材10における施工面100から上向きに突出する部分にクッション材20を設けることにより、ボラードに車両や人などが衝突した際の衝撃をさらに弱めることが可能となっている。
【0030】
クッション材20は、通常、芯材10に外嵌することにより芯材10に取り付けられる。芯材10に対するクッション材20の固定方法は、特に限定されず、例えば、クッション材20を膨張(例えば熱膨張)させた状態で芯材10に外嵌し、その後、クッション材を収縮させる方法や、接着剤を用いる方法や、ボルトなどどの固定具を用いる方法などが挙げられる。本実施態様のボラードにおいては、芯材10の下側パイプ11の管壁に、該管壁を内外に貫通して設けられた貫通孔11aに、後述する環状ユニット80の位置決め突起82を嵌合させた際に、クッション材20も芯材10に対して位置決め固定されるようになっている。本実施態様のボラードにおいて、貫通孔11aは、下側パイプ11の管壁における反対側を向く箇所にそれぞれ1つずつ計2個設けており、それぞれの貫通孔11aに位置決め突起82が嵌合されるようになっている。
【0031】
クッション材20の素材は、クッション性を有するのであれば特に限定されない。クッション材20の素材としては、ゴムや発泡樹脂などが例示される。ゴムとしては、天然ゴムのほか、スチレンブタジエンゴムや、クロロプレンゴムや、エチレンプロピレンゴムなどの合成ゴムが例示される。クッション材20は、廃タイヤを主原料として製造されたタイヤ再生ゴムなどの再生ゴムで形成することもできるし、上記のゴムのブレンド材によって形成することもできる。クッション材20の外周面には、クッション材20の耐腐食性を高めるためなどに、表皮(図示省略)を貼ったり、塗装を施したりすることもできる。
【0032】
[下部光源]
下部光源30は、
図2に示すように、光200を照射してボラードの付根付近の施工面100を照射するためのものとなっている。下部光源30は、
図1に示すように、ボラードの外面における第一区間S
1の高さに取り付けられる。具体的には、下部光源30は、通常、施工面100から10〜20cmの高さに取り付けられる。本実施態様のボラードにおいては、施工面100から約15cmとなる高さに下部光源30を取り付けている。下部光源30を設ける数やその具体的な配置は、特に限定されないが、複数個の下部光源30をボラードの中心軸に対して回転対称となる位置に設けると好ましい。本実施態様のボラードにおいて、下部光源30は、ボラードの外面における反対側を向く箇所(貫通孔11aに重なる箇所)にそれぞれ1つずつ計2個設けている。
【0033】
また、下部光源30は、下側パイプ11やそれに重なるクッション材20に対して直接的に取り付けてもよいが、本実施態様のボラードにおいては、
図1に示すように、下側パイプ11の第一区間S
1に外嵌された環状ユニット80を介して下側パイプ11に取り付けるようにしている。この環状ユニット80は、
図4に示すように、下側パイプ11に外嵌される環状部81と、環状部81の内周部から内側に突出して設けられた位置決め用突起82とを備えたものとなっている。下部光源30は、
図1に示すように、環状部81における位置決め突起82が設けられた部分の内側に収容される。位置決め突起82は、中空となっており、その内部に電力供給ケーブル70を通すことができるようになっている。この位置決め突起82は、下側パイプ11における上述した貫通孔11aに嵌合される。これにより、下部光源30を含む環状ユニット80は、下側パイプ11に対して位置決めされた状態になる。このため、ボラードを捩じる向きの力が環状ユニット80やクッション材20に加えられても、環状ユニット80は、芯材10に対して回転しないようになっている。したがって、電力供給ケーブル70が断線しないようになっている。
【0034】
下部光源30として用いる光源の種類は、特に限定されず、公知の各種ランプを用いることができるが、発光ダイオード(LED)を用いると好ましい。これにより、下部光源30を省電力で長寿命なものとすることが可能になる。下部光源30は、点滅させてもよいが、誘導灯としての機能を発揮するものであるため、連続して点灯(常灯)するものとすると好ましい。また、下部光源30から照射される光の色は、色覚異常を有する人でも認識できるように、ユニバーサルカラー(例えば青系統の色)を採用すると好ましい。また、本実施態様のボラードにおいては、下部光源30のレンズ部の近傍には、蓄光部(図示省略)を設けており、何らかの理由により下部光源30が点灯しなくなった場合でも、当該蓄光部を光らせることができるようにしている。
【0035】
下部光源30は、光を水平方向に出射するものであってもよいが、
図2に示すように、光200を下向きに照射するものであると好ましい。これにより、ボラードの付根付近をより効果的に照らすことが可能になる。具体的には、下部光源30は、通常、光(光軸)が水平面よりも下側に10°以上の角度(以下、「下向き出射角度」と表記する。)で出射されるように取り付けると好ましい。下向き角度は、20°以上であるとより好ましく、30°以上であるとさらに好ましい。一方、下向き出射角度が大きすぎる(90°に近くなり過ぎる)と、下部光源30でボラードの付根近傍のみが光で照らされて、光の照射範囲が狭くなるおそれがある。このため、下向き出射角度は、70°以下とすると好ましい。下向き出射角度は、60°以下であるとより好ましく、50°以下であるとさらに好ましい。
【0036】
[上部光源]
上部光源40は、夜間におけるボラードの視認性を高めるためのものとなっている。このため、上部光源40は、点滅灯とすると好ましい。上部光源40は、
図1又は
図3に示すように、太陽光発電パネル50、バッテリー60とともにユニット化された部分(キャップ部分)に内蔵されており、上部光源40の電力は、太陽光発電パネル50から供給されるようになっている。上部光源40が内蔵されたキャップ部分は、芯材10の上端部に、ボルトなどを用いて固定される。上部光源40として発光ダイオード(LED)を用いると好ましい点や、上部光源40の発光色をユニバーサルカラーとすると好ましい点などについては、下部光源30と同様である。
【0037】
[電力供給ケーブル]
電力供給ケーブル70は、太陽光発電パネル50によって発電された電力(バッテリー60に蓄えられた電力)を下部光源30に供給するためのものとなっている。電力供給ケーブル70は、
図1に示すように、芯材10の中空部10aを通って貫通孔11aから引き出されている。本実施態様のボラードにおいて、電力供給ケーブル70は、伸長可能な螺旋ケーブルとなっている。このため、ボラードが
図2の破線部に示すように、第二区間S
2で屈曲したとしても、その屈曲に追従して伸長し、断線することのないようになっている。また、本実施態様のボラードにおいて、電力供給ケーブル70は、
図3に示すように、下部光源30側に設けられたコネクタ71で分断することができるようになっている。これにより、下部光源30を下側パイプ11に対して容易に取り付けることが可能となっている。
【0038】
[ボラードの施工方法]
本実施態様のボラードの施工方法は、施工面100に対して安定して設置できるのであれば特に限定されないが、以下のように施工すると好ましい。すなわち、
図2に示すように、施工面100(地面やアスファルト面など)に穴を掘ってその底部にクラッシャーラン101(切込砕石)を設けるとともに、その穴の周囲に基礎ブロック102を配置し、ボラードの下側パイプ11(芯材10)における第四区間S
4を前記穴に挿入した後、基礎ブロック102と下側パイプ11との隙間にモルタル103を充填して固化させると好ましい。このとき、下側パイプ11の下端部には、アンカーボルト11bを固定しておく。これにより、施工面100に対してボラードを強固に施工することが可能である。
【0039】
本実施態様のボラードの施工場所は、特に限定されず、道路や広場など、様々な箇所に設けることが可能である。本実施態様のボラードは、外部電源を必要しないことから、商用電源の供給することができない場所にも施工することができる。また、本実施態様のボラードは、破損しにくい構造のものであるから、車両や人の通行の多い場所に施工することもできる。さらに、本実施態様のボラードは、誘導灯としての機能を発揮するものであるから、避難場所までの誘導路などに設置するものとして好適である。