(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態の第一の特徴は、操作部に設けられた操作スイッチに対する操作により開閉装置を制御するための制御指令が出力されるようにした開閉装置制御システムにおいて、前記操作部の一つの操作スイッチに対し所定時間内に複数回の操作が行われた場合に、該操作スイッチに対応する所定の制御指令を出力し、そうでない場合には、前記所定の制御指令を出力しないようにした(特に、
図3及び
図6等参照)。
この構成によれば、操作部の一つの操作スイッチに対し所定時間内に複数回の操作が行われた場合に、該操作スイッチに対応する所定の制御指令が出力される。したがって、例えば、操作部の一つの操作スイッチが物等に当接して、意図せずに制御指令が出力されてしまうようなことを防ぐことができる。
【0010】
第二の特徴は、前記一つの操作スイッチの操作があった場合に、その操作から所定時間以内に該操作スイッチが再度操作されるか否かを判断し、再度操作された場合には前記所定の制御指令を出力し、そうでない場合には、前記所定の制御指令を出力しないようにした(
図6,
図8及び
図10参照)。
この構成によれば、一つの操作スイッチが所定時間内に複数回操作されたか否かの判断を、生産性の良好な具体的構成によって行うことができる。
【0011】
第三の特徴は、前記一つの操作スイッチの操作が、開閉装置の動作を停止するための停止スイッチの操作であった場合には、前記操作の回数に拘わらずに該停止スイッチに対応する所定の制御指令を出力するようにした(
図6,
図8及び
図10参照)。
この構成によれば、停止スイッチについての良好な操作性を維持することができる。
【0012】
第四の特徴は、前記操作の回数に拘わらずに前記操作スイッチに対応する所定の制御指令を出力するように切り替える切替手段を具備した(
図5,
図7,
図9及び
図10参照)。
この構成によれば、切替手段による切り替えが行われた場合には、前記操作の回数が一回の場合でも前記操作スイッチに対応する所定の制御指令を出力することができる。ひいては、使用者の使い勝手等に応じて操作仕様を容易に変更することができる。
【0013】
第五の特徴は、前記操作部が、前記一つの操作スイッチに対し所定時間内の操作回数が複数回であるか否かを判断し、複数回である場合に該操作スイッチに対応する操作信号を無線送信し、そうでない場合には前記操作信号を送信しないようにした(
図3,
図6,
図8及び
図10参照)。
この構成によれば、送信部側で一つの操作スイッチに対する操作回数を判断し、操作信号を出力するか否かを決定するため、受信側の構成を簡素にすることができる。
【0014】
第六の特徴は、前記操作部が、前記操作スイッチに対応する操作信号を無線送信し、前記操作信号を受信部によって受信するようにした開閉装置制御システムであって、前記受信部が一つの操作スイッチに対応する操作信号を所定時間内に受信した回数から、前記一つの操作スイッチに対し所定時間内に複数回の操作が行われたか否かを判断するようにした(
図8及び
図10参照)。
この構成によれば、前記一つの操作スイッチに対応する操作信号を受信した回数が例えば所定時間内に複数回であれば、前記一つの操作スイッチに対し所定時間内に複数回の操作が行われたものと判断することができる。このため、操作部については操作回数に応じた回数の信号出力をする従来仕様のものを用いることが可能となる。
【0015】
第七の特徴は、前記受信部側での前記判断を行うか否かを切り替える切替手段を備えた(
図10参照)。
この構成によれば、操作回数に応じた回数の信号出力をする従来仕様の操作部を用いる場合と、そうでない場合とで、切替を行うことができる。
【0016】
<第一の実施例>
次に、上記特徴を有する好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
本実施の形態の開閉装置制御システムは、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置である開閉装置1に適用され、操作部40に対する操作パターンに応じて開閉装置1を制御するための制御指令を出力する。
【0018】
開閉装置1は、空間を仕切るようにスライドして閉鎖動作する開閉体10と、開閉体10をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納部20と、開閉体10の横幅方向の端部を囲んで開閉方向へ案内するように開放方向側で収納部20に接続されたガイドレール30と、開閉体10の動作を遠隔操作するための操作部40とを具備している(
図1参照)。
【0019】
開閉体10は、平面視略矩形状の開閉体本体11と、該開閉体本体11の下端側に接続されるとともに当接対象部位P(床面や地面、枠部材等)に当接される座板部材12とからなり、収納部20内の図示しない巻取軸によって巻き取られたり繰り出されたりして開閉動作する。
【0020】
収納部20は、開閉体幅方向へ長尺な略直方体状の収納ケース21と、該収納ケース21内で開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取軸(図示せず)と、該巻取軸をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段(図示せず)を介して駆動回転させたり制動したりする開閉機22と、無線信号を受信して開閉機22を制御する受信部23とを具備している(
図1参照)。
【0021】
開閉機22は、例えば実開平01−118084号公報に開示される構造の開閉機を、適宜に改良したものであり、ブラケット等を介して収納ケース21の不動部位に支持される。
この開閉機22は、上記巻取軸に回転力を伝達する駆動軸、前記駆動軸を回転させる電動モータ、前記駆動軸を拘束したり解放したりするブレーキ装置等を具備しており、受信部23の制御回路から出力される制御指令によって制御される。
【0022】
受信部23は、
図2に示すように、操作部40から送信される電波を捕捉するためのアンテナ部23h、捕捉した電波を復調する復調回路23i、該復調回路23iにより復調された信号に応じて制御信号を出力する制御回路23j、該制御回路23jから出力される制御信号により作動する複数のリレー23a,23b,23c等を具備している。
【0023】
制御回路23jは、操作部40から送信され復調回路23iによって復調された信号やその他の入力信号(例えば、登録スイッチ23gや、図示しない障害物感知部、センサー等の信号)を処理して、複数のリレー23a,23b,23c等を制御するための制御指令を出力する電気回路である。この制御回路23jは、例えば、マイコン回路やシーケンサー等のプログラムドロジック回路、電子回路あるいはワイヤードロジック回路等により構成される。
【0024】
前記複数のリレーは、図示例によれば、開閉機22を開放方向へ回転させるための開リレー23a、開閉機22を閉鎖方向へ回転させるための閉リレー23b、図示しないブレーキ装置を作動させて開閉機22の回転を停止する停止リレー23c等である。
これら前記複数のリレー23a,23b,23cは、制御回路23jからの信号により所定時間(図示例によれば1秒)だけ作動し、この作動により、開閉機22やブレーキ装置等に電力を供給するための電磁開閉器(図示せず)をオン状態に自己保持したり、該自己保持を解除したりするように電気配線される。
【0025】
なお、
図2中、符号23eは制御回路23jへ電源を供給する電源回路である。また、符号23kは復調回路23iによる受信が行われた際に発光する発光部、符号23fは電源回路36へ電力が供給された際に点灯する発光部、符号23dは受信部23の制御回路の動作に応じて点灯する発光部であり、これら発光部は、例えば発光ダイオードにより構成される。
【0026】
また、
図2中、登録スイッチ23gは、操作部40から送信されるIDコードを図示しない記憶装置(例えば不揮発性メモリ等)に記憶する際に、制御回路23jによる処理を登録モードに切り替えるスイッチである。
【0027】
また、ガイドレール30は、開閉体10の幅方向の端部を囲む断面略コ字状の金属製部材であり、開閉体10によって着座される着座対象部位P(例えば、床面や地面、枠部材等)と収納部20との間にわたって配設されている(
図1参照)。
【0028】
また、操作部40は、
図1及び
図3に示すように、矩形状等のケース40aの表面に、開閉体10を開放動作させるための開スイッチ41、開閉体10の動作を停止するための停止スイッチ42、開閉体10を閉鎖動作させるための閉スイッチ43等の操作スイッチを露出するとともに、これらスイッチによる操作を光及び/又は音により報知する報知部44、及び前記スイッチの操作に応じて報知部44を作動させたり無線信号を送信したりする制御部45等を具備している。
そして、この操作部40は、一つの操作スイッチ(例えば、開スイッチ41又は閉スイッチ43)について、同一の制御指令(例えば、開放指令や閉鎖指令)に対する複数種類の操作パターン(
図3参照)を設定するとともに、これら複数種類の操作パターンが切換手段(
図7参照)によって切り替えられるようにしている。
【0029】
前記操作パターンは、一つの制御指令に対して複数種類のパターンが設定される。
図3に示す一例によれば、開閉体10を開放動作させるための開放指令に対し、開スイッチ41を1回押し操作する操作パターンと、同開スイッチ41を2回押し操作する操作パターンとが設定される。同様に、開閉体10を閉鎖動作させるための閉鎖指令に対しては、閉スイッチ43を1回押し操作する操作パターンと、同閉スイッチ43を2回押し操作する操作パターンとが設定される。
なお、停止指令に対しては、開閉装置1の速やかな停止を可能にするために、停止スイッチ42の1回以上の押し操作で停止指令を発する単一の操作パターンのみが設定される。
勿論、他例としては、停止指令に対しても1回押し操作と2回押し操作のような複数種類の操作パターンを設定したり、開放指令と閉鎖指令の一方又は双方に対し1回押し操作の1種類の操作パターンのみが設定されるようにしたりすることも可能である。
【0030】
前記切替手段は、一つの制御指令に対する前記複数種類の操作パターンを切り替える構成であればよい。この切替手段は、本実施例によれば、操作部40の操作スイッチ41,42,43や、制御部45及び該制御部45に記憶されたプログラム等によって構成され、所定の操作スイッチ(図示例によれば停止スイッチ42)が、予め記憶された操作手順で操作されたことを条件に、前記操作パターンを切り替える。
【0031】
また、操作スイッチ(詳細には、開スイッチ41、停止スイッチ42、閉スイッチ43)の各々は、押圧された際にオンとなり、押圧力が解放された際にオフとなる押しボタンスイッチであり、例えばメンブレンスイッチやタッチパネル等により構成される。
【0032】
報知部44は、図示される好ましい一例によれば、操作スイッチ41,42,43の操作に応じて点滅及び/又は点灯する発光部(例えば発光ダイオード)と、同操作に応じて報知音を発する発音部(例えば図示しないスピーカ等)とを具備している。
【0033】
また、制御部45は、操作部40固有のIDコードを記憶する記憶部(例えば、図示しない不揮発性メモリ)や、前記IDコードを含む送信信号を例えばASK(Amplitude Shift Keying)変調やFSK(Frequency Shift Keying)変調等の適宜な変調方式によって変調し送信アンテナから空間へ発信する送信機(図示せず)、操作スイッチ41,42,43の操作に応じて報知部44及び前記送信機等を制御する制御回路(例えば、マイコンやマイクロプロセッサ等)を具備している。
前記送信信号のフォーマットは、
図4に示すように、先頭部分を示すヘッダーコードと、操作部40固有のIDコードと、操作スイッチ41,42,43の操作に応じた制御信号を示す制御コード等から構成される。
【0034】
次に、操作部40の制御部45による制御の一例を、
図5及び
図6に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0035】
図5は、操作部40を、スイッチ1回押し操作モードと、スイッチ2回押し操作モードとの二種類のモード(
図3参照)に切り替える際の制御部45の動作を示している。
【0036】
先ず、制御部45は、停止スイッチ42によるオン信号の入力を待つ(ステップ1)。そして、オン信号があった場合には、開閉体10の動作を停止させるための制御コードを含む操作信号(
図4参照)を送信する(ステップ2)。
なお、
図5の例示ではモード切換動作をわかり易くするために、ステップ1においては停止スイッチ42による判断フローしから記載していないが、実際の処理では、停止スイッチ42によるオン信号がないと判断した場合には、開スイッチ41及び閉スイッチ43によるオン信号の有無も判断し、該判断に応じた処理が行われる。すなわち、前記ステップ1にて停止スイッチ42のオン信号がないと判断した場合には、開スイッチ41及び閉スイッチ43によるオン信号を有無も判断し(例えば、
図6のステップ14及びステップ20と同様)、該当する操作スイッチのオン信号があると判断したらその信号に対応する処理(例えば、現在2回押しモードであれば
図6のステップ15〜18又はステップ21〜24の処理)を行い、開スイッチ41及び閉スイッチ43の何れのオン信号もないと判断すれば、再度ステップ1へ処理を戻す。
【0037】
次に、制御部45は、停止スイッチ42が所定時間(図示例によれば5秒間)以上長押しされたか否かを判断する(ステップ3)。具体的には、停止スイッチ42によるオン信号の入力が前記所定時間以上継続したか否かを判断する。
そして、停止スイッチ42が長押しされたと判断した場合には次のステップ4へ進み、そうでなければステップ1へ処理を戻す。
【0038】
ステップ4では、報知部44によるランプの点滅と報知音の出力を行い、次のステップ5へ処理を進める。
【0039】
ステップ5では、停止スイッチ42が予め設定された所定の操作手順(
図7参照)で操作されたか否かを判断し、操作された場合には次のステップ6へ処理を進め、そうでなければステップ1へ処理を戻す。
【0040】
ステップ6では、制御部45の所定の記憶領域(図示しない不揮発性メモリ等)に記憶されたフラグ等の状態から、現在のモードが、スイッチ2回押し操作モードであるか否かを判断し、スイッチ2回押し操作モードであれば次のステップ7へ処理を進め、そうでなければステップ8へ処理を進める。
【0041】
ステップ7では、現在の状態をスイッチ1回押し操作モードに切り替え、この状態を制御部45の所定の記憶領域に記憶し、ステップ1へ処理を戻す。
【0042】
ステップ8では、現在の状態をスイッチ2回押し操作モードのまま保持し、この状態を制御部45の所定の記憶領域に記憶し、ステップ1へ処理を戻す。
【0043】
また、上記ステップ5における所定の操作手順について詳細に説明すれば、この操作手順は、先ず、最初の停止スイッチ42の操作がステップ3にて長押しと判断され、次のステップ4にて報知部44によるランプの点滅と報知音の出力が行われた後、
図7(2)に示すように、所定時間(図示例によれば3秒)内に停止スイッチ42を離す操作が行われたか否かを判断し、該操作が行われた場合には、報知部44による1回の点滅及び報知音の出力をし、次の処理(
図7(3)参照)へ処理を進める。そうでなければ、上記ステップ1へ処理が戻され、切替操作のためには停止スイッチ42の長押しが再度必要になる。
【0044】
図7(3)に示す処理では、
図7(2)の処理の後、所定時間(図示例によれば3秒)内に停止スイッチ42が1回押されたか否かを判断し、押された場合には、報知部44による1回の点滅及び報知音の出力をし、次の処理(
図7(4)参照)へ処理を進める。そうでなければ、上記ステップ1へ処理が戻される。
【0045】
図7(4)に示す処理では、
図7(3)の処理の後、所定時間(図示例によれば3秒)内に停止スイッチ42が1回押されたか否かを判断し、押された場合には、報知部44による複数回(図示例によれば3回)の点滅及び断続音の出力をし、次の処理(
図7(5)参照)へ処理を進める。そうでなければ、上記ステップ1へ処理が戻される。
【0046】
図7(5)に示す処理では、
図7(4)の処理の後、所定時間(図示例によれば3秒)内に停止スイッチ42が複数回(図示例によれば3回)押されたか否かを判断し、押された場合には、報知部44による前回よりも多い回数(図示例によれば5回)の点滅及び断続音の出力をし、上述したステップ6へ処理を進める。そうでなければ、上記ステップ1へ処理が戻される。
【0047】
次に、スイッチ2回押し操作モードにおける制御部45の動作を、
図6のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
まず、制御部45は、停止スイッチ42が押されたか否かを判断し(ステップ11)、押された場合には次のステップ12へ処理を進め、そうでなければステップ14へ処理をジャンプする。
なお、
図6の例示では、2回押し操作モードの動作をわかり易く説明するために、モード切換動作の処理は省略して図示したが、実施の処理では、開スイッチ41によるオン信号があると判断した場合には、モード切換動作の処理も考慮する必要がある。すなわち、前記ステップ11において、停止スイッチ42が押されたと判断した場合には、前述した
図5に示すステップ2の処理へ移行するか、またはステップ13まで処理を行った後に
図5に示すステップ3へ処理を移行する。
【0048】
ステップ12では、報知部44による出力(点灯及び/又は報知音出力)を所定時間(図示例によれば1秒)行い、この出力中に、次のステップ13へ処理を進める。
【0049】
ステップ13では、開閉体10の動作を停止させるための制御コードに含んだ操作信号(
図4参照)を、操作部40から送信する。よって、受信部23の制御回路23jは、前記操作信号を受信するのに応じて、停止リレー23cを作動させるための制御指令(停止指令)を出力し、開閉装置1は、停止リレー23cの作動によってブレーキ装置(図示せず)を作動させるとともに開閉機22及び開閉体10の動作を停止する。
【0050】
また、ステップ14では、開スイッチ41の操作があったか否かを判断し、操作があった場合には次のステップ15へ処理を進め、そうでなければステップ20へ処理をジャンプする。なお、このステップ14における判断は、詳細に説明すれば、操作部40の制御回路に、開スイッチ41がオフ状態からオン状態に変化する信号を入力したか否かの判断である。
【0051】
ステップ15では、報知部44による比較的速め(例えば5Hz)の点滅を開始し、この点滅状態のまま、処理をステップ16へ移行する。なお、必要に応じて報知音の出力も行ってもよい。
【0052】
次のステップ16では、前記ステップ14の後の所定時間(図示例によれば3秒)内に、再度、開スイッチ41の操作があったか否か(詳細には、開スイッチ41がオフ状態からオン状態に変化する信号が再度あったか否か)を判断し、開スイッチ41の操作があったと判断した場合には次のステップ17へ処理を進め、そうでなければステップ19へ処理をジャンプする。
【0053】
ステップ17では、報知部44による出力(点灯及び/又は報知音出力)を所定時間(図示例によれば1秒間)行い、この出力中に、次のステップ18へ処理を進める。
【0054】
ステップ18では、開閉体10を開放動作させるための制御コードを含んだ操作信号(
図4参照)を送信し、処理をステップ11へ戻す。
よって、受信部23の制御回路23jは、前記操作信号を受信するのに応じて、開リレー23aを作動させるための制御指令(開放指令)を出力し、開閉装置1は、開リレー23aの作動によって開閉体10を開放動作させる。
【0055】
すなわち、前記ステップ14〜18によれば、操作部40は、開スイッチ41に対する所定時間内の操作回数が、複数回(図示例によれば2回)であるか否かを判断し、複数回である場合に該開スイッチ41に対応する操作信号(開放指令)を無線送信し、そうでない場合(1回である場合)には前記操作信号を送信しない。
【0056】
また、ステップ19では、報知部44への出力を停止することで、点滅及び/又は報知音等を停止して、処理をステップ11へ戻す。
【0057】
また、ステップ20では、閉スイッチ43の操作があったか否かを判断し、操作があった場合には次のステップ21へ処理を進め、そうでなければステップ11へ処理を戻す。なお、このステップ43における判断は、詳細に説明すれば、操作部40の制御部45に、閉スイッチ43がオフ状態からオン状態に変化する信号が入力されたか否かの判断である。
【0058】
次のステップ21では、報知部44による比較的速め(例えば5Hz)の点滅を開始し、この点滅状態のまま、処理をステップ22へ移行する。また、必要に応じて報知音の出力も行う。
【0059】
次のステップ22では、前記ステップ20の後の所定時間(図示例によれば3秒)内に、再度、閉スイッチ43の操作があったか否か(詳細には、閉スイッチ43がオフ状態からオン状態に変化する信号が再度あったか否か)を判断し、閉スイッチ43の操作が再度あったと判断した場合には次のステップ23へ処理を進め、そうでなければ前記ステップ19へ処理をジャンプする。
【0060】
ステップ23では、報知部44への出力(点灯及び/又は報知音出力)を所定時間(図示例によれば1秒間)行い、この出力中に、処理を次のステップ24へ進める。
【0061】
ステップ24では、開閉体10を閉鎖動作させるための制御コードに含んだ操作信号(
図4参照)を送信し、処理をステップ11へ戻す。
よって、受信部23は、前記操作信号を受信するのに応じて、閉リレー23bを作動させるための制御指令(閉鎖指令)を出力し、開閉装置1は、閉リレー23bの作動によって開閉体10を閉鎖動作させる。
【0062】
すなわち、前記ステップ20〜24によれば、操作部40の制御回路は、閉スイッチ43に対し所定時間内の操作回数が複数回(図示例によれば2回)であるか否かを判断し、複数回である場合に該開スイッチ41に対応する操作信号(開放指令)を無線送信し、そうでない場合(1回の場合)には前記操作信号を送信しない。
【0063】
よって、上記構成の開閉装置制御システム及び開閉装置1によれば、切替手段により選択された操作パターンでの操作が行われた場合に制御指令を出力し、そうでない場合には同制御指令を出力しない等の制御が可能となり、ひいては、使用状況等に応じて操作仕様(本実施例によれば、スイッチ1回押し操作モードとスイッチ2回押し操作モード)を容易に変更することができる。
このため、操作部の使用環境が使用者等により異なる場合でも、複数の異なる操作仕様の操作部を用意せずに、切替手段の操作により操作仕様を容易に変更することができ、ひいては、操作仕様の異なる操作部を複数用意することによるコスト負担の増大を防ぐことができる。
【0064】
また、前記操作モードを切り替えるためには、停止スイッチ42に対する複雑な組み合わせ操作を要するため、前記操作モードが第三者により悪戯で切り替えられてしまったり、操作部40と物との接触により前記操作モードが切り替わってしまうようなことを防ぐことができる。
しかも、その切り替え操作を停止スイッチ42に対する操作としているため、操作を誤って開閉体10を動作させてしまうようなことを防ぐことができる。
【0065】
また、上記した実施例によれば、開スイッチ41又は停止スイッチ42に対し所定時間内に複数回の操作が行われなかった場合には制御指令が出力されないようにしているため、例えば、操作部40が車のダッシュボードやバック内等に収納されており、該操作部40の開スイッチ41又は停止スイッチ42が物等に当接して、開放指令や閉鎖指令等の制御指令が出力され、開閉体10が意図せずに開放動作や閉鎖動作してしまうようなことを防ぐことができる。
しかも、停止スイッチ42については、前記操作モードに拘わらず、1回押し操作でも停止指令が出力されるため、開閉体10の動作を停止する際の操作を速やかに行うことができる。
【0066】
次に、本実施の形態の他の実施例について説明する。なお、以下に示す実施例は、上記開閉装置1の構成を一部変更したものであるため、主に、その変更部分について詳細に説明し、重複する詳細説明は適宜省略する。
【0067】
<第二の実施例>
図8は、本実施の形態の第二の実施例における受信部23による処理を示している。
この第二の実施例では、上記開閉装置1における操作部40を通常の操作部(図示せず)に置換するとともに、受信部23による処理を、
図8のフローチャートに示すように変更している。
ここで、前記通常の操作部とは、一つの操作スイッチ(開スイッチ、停止スイッチ又は閉スイッチ)が単数回又は複数回操作された場合に、該操作スイッチに対応する制御コードを含む操作信号を、前記操作回数に応じた回数だけ無線送信する操作部を意味する。
【0068】
図8のフローチャートについて詳細に説明すれば、受信部23は、受信した操作信号が停止信号であるか否かを判断し(ステップ31)、停止信号である場合には、次のステップ32へ処理を進め、そうでなければステップ34へ処理をジャンプする。
【0069】
ステップ32では、発光部23d(
図2参照)による所定時間(図示例によれば1秒間)の点灯を開始するとともに、この点灯中に、次のステップ33へ処理を進める。
【0070】
ステップ33では、制御回路23j(
図2参照)から、停止リレー23cを作動させるための制御指令(停止指令)を所定時間(図示例によれば1秒間)出力する。よって、開閉装置1は、停止リレー23cの作動により、開閉機22及び開閉体10の動作を停止する。そして、受信部23による処理はステップ31へ戻される。
【0071】
また、ステップ34では、受信した操作信号が開放信号であるか否かを判断し、開放信号である場合には、次のステップ35へ処理を進め、そうでなければステップ40へ処理をジャンプする。
【0072】
ステップ35では、発光部23d(
図2参照)による比較的速め(例えば5Hz)の点滅を開始し、この点滅状態のまま、処理をステップ36へ移行する。
【0073】
ステップ36では、前記ステップ34の後の所定時間(図示例によれば3秒)内に、再度、開放信号が受信されたか否かを判断し、再度開放信号が受信された場合には次のステップ37へ処理を進め、そうでなければステップ39へ処理をジャンプする。
【0074】
ステップ37では、発光部23d(
図2参照)の所定時間の点灯(図示例によれば1秒間)を開始するとともに、この点灯中に、処理をステップ38へ進める。
【0075】
ステップ38では、制御回路23j(
図2参照)から、開リレー23aを作動させるための制御指令(開放指令)を所定時間(図示例によれば1秒間)出力する。よって、開閉装置1は、開リレー23aの作動により、開閉体10を開放動作させる。そして、受信部23による処理はステップ31へ戻される。
【0076】
また、ステップ39では、受信部23の発光部23dの点滅を停止して消灯し、処理をステップ31へ戻す。
【0077】
また、ステップ40では、受信した操作信号が閉鎖信号であるか否かを判断し、閉鎖信号である場合には、次のステップ41へ処理を進め、そうでなければステップ31へ処理を戻す。
【0078】
ステップ41では、発光部23d(
図2参照)による比較的速め(例えば5Hz)の点滅を開始し、この点滅状態のまま、処理をステップ42へ移行する。
【0079】
ステップ42では、前記ステップ40の後の所定時間(図示例によれば3秒)内に、再度、閉鎖信号が受信されたか否かを判断し、再度閉鎖信号が受信された場合には次のステップ43へ処理を進め、そうでなければ前記ステップ39へ処理をジャンプする。
【0080】
ステップ43では、発光部23d(
図2参照)による所定時間(図示例によれば1秒間)の点灯を開始するとともに、この点灯中に、処理をステップ44へ進める。
【0081】
ステップ44では、制御回路23j(
図2参照)から、閉リレー23bを作動させるための制御指令(閉鎖指令)を所定時間(図示例によれば1秒間)出力する。よって、開閉装置1は、閉リレー23bの作動により、開閉体10を閉鎖動作させる。そして、受信部23による処理はステップ31へ戻される。
【0082】
よって、
図8に示す第二の実施例によれば、受信部23が停止信号を受信した際には、その受信回数に拘わらず、速やかに開閉体10の動作を停止することができる。
また、受信部23が、開放信号又は閉鎖信号を所定時間内に1回だけ受信した場合には、開放指令又は閉鎖指令の出力を行わず、開放信号又は閉鎖信号を所定時間内に複数回(図示例によれば2回)受信した場合には、その信号に応じて開閉体10を開放動作又は閉鎖動作させることができる。
よって、先に説明した態様(
図6参照)と略同様に、操作部40の開スイッチ41又は停止スイッチ42が物等に当接して、開閉体10が意図せずに開放動作や閉鎖動作をしてしまうようなことを防ぐことができる。
しかも、操作部40による操作回数を、受信部23側で判断するようにしているため、操作部40については、操作回数に応じた回数の操作信号を出力する通常仕様の操作部を用いることができる。
【0083】
<第三の実施例>
第三の実施例では、第二の実施例に対し、前記受信部23を
図9に制御回路図を示す受信部23’に置換するとともに、該受信部23’の制御回路23jによる処理を
図10に示すフローチャートとしたものである。
【0084】
受信部23’は、前記受信部23(
図2参照)に操作モード切替スイッチ23mを追加し(
図9参照)、この操作モード切替スイッチ23mを、前記操作モードを切り替える切替手段として機能させるようにしたものである。
操作モード切替スイッチ23mは、切替操作によりオン状態又はオフ状態に保持される切替スイッチであり、このオンオフ信号を制御回路23jに入力するように電気配線されている。
【0085】
次に、
図10に示すフローチャートについて説明する。このフローチャートは、
図8のフローチャートを一部変更したものであるため、その変更部分について詳細に説明し、重複する部分の説明を適宜省略する。
【0086】
先ず、ステップ51〜53では、受信部23’により、上記ステップ31〜33と同様の処理が実行される。この処理におけるステップ51にて停止信号が受信されなかった場合には、ステップ54aへ処理をジャンプする。
【0087】
ステップ54aでは、受信した操作信号が開放信号であるか否かを判断し、開放信号である場合には、次のステップ54bへ処理を進め、そうでなければステップ60aへ処理をジャンプする。
【0088】
ステップ54bでは、操作モード切替スイッチ23mがオンであるか否かを判断し、オンである場合には次のステップ55へ処理を進め、そうでなければステップ57へ処理をジャンプする。
【0089】
次のステップ55〜58では、上記ステップ35〜38と同様の処理が行われる。
【0090】
また、ステップ60aでは、受信した操作信号が閉鎖信号であるか否かを判断し、閉鎖信号である場合には、次のステップ60bへ処理を進め、そうでなければステップ51へ処理を戻す。
【0091】
ステップ60bでは、操作モード切替スイッチ23mがオンであるか否かを判断し、オンである場合には次のステップ61へ処理を進め、そうでなければステップ63へ処理をジャンプする。
【0092】
次のステップ61〜64では、上記ステップ41〜44と同様の処理が行われる。
【0093】
すなわち、前記ステップ54a〜58によれば、操作モード切替スイッチ23mがオフの場合には、処理がステップ57へジャンプするため、1回でも開放信号を受信すれば、開リレー23aが作動する。
また、操作モード切替スイッチ23mがオンの場合には、1回目の開放信号の受信から所定時間(図示例によれば3秒)内に2回目の開放信号の受信があった場合に、開リレー23aを作動させ、そうでない場合には、開リレー23aを作動させない。すなわち、一定時間内に開放信号を複数回受信した場合のみ、開リレー23aが作動する。
【0094】
また、前記ステップ60a〜64によれば、操作モード切替スイッチ23mがオフの場合には、処理がステップ63へジャンプするため、1回でも閉鎖信号を受信すれば、閉リレー23bが作動する。
また、操作モード切替スイッチ23mがオフの場合には、1回目の閉鎖信号の受信から所定時間(図示例によれば3秒)内に2回目の閉鎖信号の受信があった場合に、閉リレー23bを作動させ、そうでない場合には、閉リレー23bを作動させない。すなわち、一定時間内に閉鎖信号を複数回受信した場合のみ、閉リレー23bが作動する。
【0095】
よって、
図9及び
図10に示す第三の実施例によれば、スイッチ1回押し操作モードとスイッチ2回押しモードとを、受信部23’側の操作モード切替スイッチ23mによって容易に切り替えることができる。
したがって、例えば、操作回数に応じた回数の操作信号を出力する通常の操作部(図示せず)を用い、該操作部を、受信部23’側の操作モード切替スイッチ23mの切替操作により、スイッチ2回押しモードとして機能させたりスイッチ1回押しモードとして機能させたりすることが可能である。
また、上述した操作部40をスイッチ1回押しモードに設定した状態で用い、該操作部40を、受信部23’側の操作モード切替スイッチ23mの切替操作により、スイッチ2回押しモードとして機能させたりスイッチ1回押しモードとして機能させたりすることも可能である。
【0096】
そして、操作モード切替スイッチ23mの切替によりスイッチ2回押しモードとして用いられた場合には、上述した他の実施例と同様に、操作部40の開スイッチ41又は閉スイッチ43が物等に押されて、開閉体10が意図せずに開放動作や閉鎖動作してしまうようなことを防ぐことができる。
しかも、停止スイッチ42については、前記操作モードに拘わらず、1回押し操作で停止指令が出力されるため、開閉体10の動作を停止する際の操作を速やかに行うことができる。
【0097】
また、この第三の実施例では、操作モード切替スイッチ23mを受信部23’側に設けているため、前記通常の操作部を用いるようにしれば、該操作部が第三者によって操作されて操作モードの切り替えが行われてしまうのを防ぐことができる。
【0098】
なお、上記実施例等によれば、二種類の操作パターン(スイッチ1回押し操作モードとスイッチ2回押し操作モード)が、切替手段によって切り替えられるようにしたが、他例としては、三種類以上の操作パターンが切替手段によって切り替えられるようにすることも可能である。
【0099】
また、上記実施例等によれば、操作部40に対する操作パターンとして、スイッチ1回押し操作やスイッチ2回押し操作を例示したが、他例としては、スイッチ3回押し操作やスイッチ4回押し操作等のようにスイッチを3回以上押し操作する操作パターンを有するようにしてもよい。さらに、例えば、スイッチ1回押し操作とスイッチ2回押し操作の組み合わせを1回分の操作パターンとして扱う等、複数のスイッチの組み合わせ操作を1回分の操作パターンとして扱うようにすることも可能である。
【0100】
さらに、他例としては、操作スイッチが所定時間以上長押しされたことを1回分の操作パターンとすることも可能である。
【0101】
また、上記第三の実施例によれば、受信部側に操作モード切替スイッチ23mを設けたが、他例としては、操作部側に、操作スイッチ41,42,43とは別の操作モード切替スイッチを設けたり、操作部側と受信部側の双方に、操作モード切替スイッチ等の切替手段を設けたりすることも可能である。
【0102】
また、上記実施例等によれば、操作部40と受信部23(又は23’)の間で無線送信が行われる態様としたが、他例としては、操作部と受信部の間で有線送信が行われる態様とすることも可能である。
【0103】
また、上記実施例等によれば、本発明に係る開閉装置制御システムをシャッター装置に適用した一例を示したが、他例としては、同開閉装置制御システムを、オーバーヘッドドアや、ドア、雨戸を含む引戸、窓、ロールスクリーン、ブラインド、オーニング装置、門扉、ゲート、スライディングウォール装置等の開閉装置に適用することも可能である。