特許第6202871号(P6202871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202871
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】直流回路遮断装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/59 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   H01H33/59 D
   H01H33/59 E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-89453(P2013-89453)
(22)【出願日】2013年4月22日
(65)【公開番号】特開2014-216056(P2014-216056A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】恩地 俊行
(72)【発明者】
【氏名】山内 芳准
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 優
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−041782(JP,A)
【文献】 特開2003−338239(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/034140(WO,A1)
【文献】 特開2012−248445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/42
H01H 33/59
H01H 45/04
H01H 47/00
H01H 73/20
H03K 17/00 − 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流回路に接続した機械式スイッチに半導体スイッチを並列接続し、前記機械式スイッチの開極時に主回路電流を機械式スイッチから半導体スイッチに転流して機械式スイッチの接点間に発生したアークを消滅させた上で、半導体スイッチに転流した電流を半導体スイッチのOFF制御により遮断するようにした直流回路遮断装置において、
前記機械式スイッチの接点を橋絡形接点として、逆直列接続した2個の半導体スイッチング素子と、各半導体スイッチング素子に逆並列接続したダイオードとからなる双方向半導体スイッチを機械式スイッチに並列接続した上で、前記各半導体スイッチング素子の制御端子を機械式スイッチの橋絡形接点に接続し、機械式スイッチの開極時に生じる固定/可動接点間のアーク電圧を半導体スイッチング素子に印加して主回路電流を双方向半導体スイッチに転流させるようにするとともに、該双方向半導体スイッチに並列接続した機械式スイッチの主接点と直列に、主回路電流の遮断後に双方向半導体スイッチを直流回路から切り離す機械式の断路用接点を備え、前記機械式スイッチが、主接点と2組の断路用接点を一括搭載して同期動作する3極形スイッチであることを特徴とする直流回路遮断装置。
【請求項2】
請求項に記載の直流回路遮断装置において、機械式スイッチが3極電磁接触器であることを特徴とする直流回路遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流無停電給電システムなどの直流回路に適用する双方向の遮断機能を備えた直流回路遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、直流無停電給電システムなどの直流回路に適用する回路遮断装置の研究,開発が進んでいる。ところで、直流回路に適用する機械式スイッチには、その開閉動作に伴って接点間に発生するアークの消弧対策が課題となっている。
【0003】
すなわち、直流回路に通常の機械式スイッチを適用した場合、スイッチの開極動作により接点間に発生した直流アークが消弧しにくいことから、従来から様々なアークの消去方式が提案されており、その一つに機械式スイッチの接点間に半導体スイッチを並列接続し、機械式スイッチの開極時に主回路電流を半導体スイッチに転流させて機械式スイッチの接点間に生じたアークを素早く消滅させた上で、この半導体スイッチをOFF制御して電流を遮断するようにした「機械式スイッチの接点間アークの消去装置」(特許文献1参照)が知られており、その構成を図9に示す。
【0004】
この直流回路遮断装置は、図示のように直流電源と負荷との間に接続された機械式スイッチの接点間に並列接続した半導体スイッチ(IGBTなどの半導体スイッチング素子)と、この半導体スイッチをON/OFF制御する制御回路,およびその駆動の電源回路などを備えて構成されている。
【0005】
上記の構成で、直流電源から負荷に給電している平時の通電状態では半導体スイッチはOFFであり、主回路電流は機械式スイッチの接点を通じて負荷に流れる。この状態から直流回路を断路するには、まず半導体スイッチをON制御し、続いて機械式スイッチの接点を開極させる。これにより、機械式スイッチの開極直後には接点間にアークが発生するが、半導体スイッチのON動作により、いままで機械式スイッチに流れていた電流は半導体スイッチに転流して機械式スイッチの接点間に生じたアークが即時に消滅する。その後、半導体スイッチをOFF制御することにより、半導体スイッチに流れていた電流も遮断されて直流回路の電流が遮断される。
【0006】
この回路遮断装置によれば、機械式スイッチ自身にアーク消滅のための付加的な消弧装置を設ける必要が無い。さらに、半導体スイッチにおいても常時は通電OFFであり、電流遮断時のごく短時間のみON制御し電流を通電させるため、過渡な温度上昇の問題もなく、これにより直流の主回路電流を安全に遮断することが可能となる。
【0007】
ところで、前記の直流回路遮断装置では、半導体スイッチをON,OFF制御するのに、制御回路、およびその駆動用の電源回路が必要である。そこで、半導体スイッチのON,OFF制御に必要な回路構成を簡素化するために、発明者等は図10で示すような直流回路遮断装置を先に提案している。
【0008】
図10において、1は直流電源と負荷(不図示)との間を結ぶ直流回路、2は直流回路1に接続した機械式スイッチ、3は機械式スイッチ2に並列接続した半導体スイッチである。ここで、機械式スイッチ2には一対の固定接点2a,2bと、橋絡可動接点2cを備えた橋絡形スイッチを用いている。また、半導体スイッチ3は、IGBTなどの半導体スイッチング素子4(以下“IGBT”と呼称する)と、IGBT4のゲートに分圧抵抗5,6、過電圧保護用のツェナーダイオード7、コンデンサ8を図示のように接続したゲート制御回路を組み合わせ、分圧抵抗5を機械式スイッチ2の橋絡可動接点2cに接続している。
【0009】
上記の構成で機械式スイッチ2を閉極すると、直流回路1の主回路電流が実線矢印で示すように(+)極側から機械式スイッチ2の接点を通じて(−)極側に流れる。なお、IGBT4はOFFである。この通電状態で機械式スイッチ2を開極すると、図11(a)で示すように、固定接点2a,2bと橋絡可動接点2cとの間にアークarcが生じて接点間にアーク電圧が発生する。なお、このアーク電圧は接点材料と接点間のギャップ長により決まり、開極直後のアーク電圧は約30Vで開極ギャップの拡大とともにアーク電圧も増加する。
【0010】
そして、このアーク電圧によりIGBT4のゲート制御回路には点線矢印で示す制御電流が流れてIGBT4のゲートに接続したコンデンサ8が分圧抵抗5,6で分圧された電圧で充電され、その充電電圧が閾値を超えるとIGBT4がON動作の状態になるとともに、いままで機械式スイッチ2を流れていた主回路電流は、図11(b)で示すようにIGBT4に転流する。
【0011】
これにより、機械式スイッチ2の接点間に生じていたアークが消滅する。また、機械式スイッチ2の接点間に生じたアークの消滅により接点間のアーク電圧も消失するので、コンデンサ8の充電電荷が分圧抵抗6を通じて放電される。その結果、IGBT4のゲート/エミッタ間の電圧が低下してIGBT4はONからOFFの状態に切り換り、図11(c)で示すように直流回路1の主回路電流が完全に遮断される。
【0012】
この直流回路遮断装置では、機械式スイッチ2の開極動作時に発生する接点間のアーク電圧を利用してIGBT4のゲート制御を行うようにしているので、図9のように独立したゲート駆動用の電源回路が不要となって半導体スイッチの制御回路を簡素化できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平8−106839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、前記の特許文献1に開示されているアークの消去装置(図9参照)、あるいは図10図11に示した直流回路遮断装置は、いずれも機械式スイッチに並列接続した半導体スイッチの通流電流が一方向であり、このままでは直流回路に通流する双方向の直流電流を遮断することは不可能である。
【0015】
一方、図12に示すように、直流電源9から負荷10に給電する配電路11から分岐した分岐回路12を介して二次電池などの蓄電装置13を接続して平時は直流電源9から負荷10に給電しながら蓄電装置13を浮動充電し、直流電源9が停電などで停止した非常時には蓄電装置13から負荷10への給電を継続するようにした直流無停電給電システムでは、蓄電装置13の浮動充電時に分岐回路12に流れる電流(実線矢印)と放電時に流れる電流(点線矢印)が逆向きになる。このために、蓄電装置13に通じる図示の分岐回路12(直流回路)に接続した直流回路遮断器などの直流回路遮断装置14には双方向の電流遮断機能が要求される。
【0016】
そのほか、太陽光発電などの分散型直流電源の系統連係で電力の逆潮流を行う直流給電システムに適用する直流回路の直流回路遮断装置についても、前記と同様な双方向の電流遮断機能が必要である。このため、先述した従来の直流回路遮断装置(図9図10参照)は図12の直流無停電給電システムに適用することができない。
【0017】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は図10に示した直流回路遮断装置の回路構成をベースに、その機械式スイッチに並列接続した半導体スイッチに双方向の遮断機能を付加して直流回路に通流する双方向の主回路電流を遮断できるように改良した直流回路遮断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明によれば、直流回路に接続した機械式スイッチに半導体スイッチを並列接続し、前記機械式スイッチの開極時に主回路電流を機械式スイッチから半導体スイッチに転流して機械式スイッチの接点間に発生したアークを消滅させた上で、半導体スイッチに転流した電流を半導体スイッチのOFF制御により遮断するようにした直流回路遮断装置において、
前記機械式スイッチの接点を橋絡形接点として、逆直列接続した2個の半導体スイッチング素子と、各半導体スイッチング素子に逆並列接続したダイオードとからなる双方向半導体スイッチを機械式スイッチに並列接続した上で、前記各半導体スイッチング素子の制御端子を機械式スイッチの橋絡形接点に接続し、機械式スイッチの開極時に生じる固定/可動接点間のアーク電圧を半導体スイッチング素子に印加して主回路電流を双方向半導体スイッチに転流させるようにするとともに、該双方向半導体スイッチに並列接続した機械式スイッチの主接点と直列に、主回路電流の遮断後に双方向半導体スイッチを直流回路から切り離す機械式の断路用接点を備え、前記機械式スイッチを、主接点と2組の断路用接点を一括搭載して同期動作する3極形スイッチとする(請求項1)。
【0019】
また、前記の直流回路遮断装置において3極形スイッチとして3極電磁接触器を採用する(請求項)。
【発明の効果】
【0020】
上記構成の直流回路遮断装置によれば、直流回路に接続した機械式スイッチを開極して主回路電流を遮断する際に、機械式スイッチの固定/可動接点間に発生したアーク電圧を主回路電流の通流方向に対応する半導体スイッチング素子の制御端子に印加して該半導体スイッチング素子をON状態に切り換えることで、主回路電流の通流方向に左右されることなく、主回路電流を機械式スイッチから双方向半導体スイッチに転流させて遮断することができる。
【0021】
また、この機械式スイッチの主接点と直列に断路用接点を備え、主回路電流の遮断完了後に双方向半導体スイッチを主回路から切り離すようにすることで、半導体スイッチング素子の誤動作,破損を防いで回路遮断装置の信頼性を高めることができる。
【0022】
さらに、この機械式スイッチとして、例えば3極の橋絡形接点を搭載した3極電磁接触器を採用することにより、前記した主接点と2組の断路用接点を同期して開閉操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例1に係わる直流回路遮断装置の構成回路図である。
図2図1における機械式スイッチの閉極時に対応した主回路電流の通電経路を表す図であって、(a),(b)は主回路電流の通電方向が異なる場合を表す図である。
図3図1における機械式スイッチを開極した直後の主回路電流、および半導体スイッチに流れる制御電流の電流経路を表す図であって、(a),(b)はそれぞれ図2の(a),(b)に対応する図である。
図4図3の状態から主回路電流が双方向半導体スイッチに転流した状態の電流経路を表す図であって、(a),(b)はそれぞれ図2の(a),(b)に対応する図である。
図5図4の状態から双方向半導体スイッチがOFF動作して主回路電流を完全に遮断した状態を表す図である。
図6】本発明の実施例2に係わる直流回路遮断装置の回路構成図である。
図7図6の機械式スイッチに適用する3極電磁接触器の構造図であって、(a),(b)はそれぞれ側視断面図、および平面図である。
図8図7の電磁接触器を機械式スイッチとして直流無停電給電システムに適用した直流回路遮断装置の配線回路図である。
図9】特許文献1に開示されている直流回路遮断装置の構成を表すブロック図である。
図10図9の回路構成を簡素化した従来技術の直流回路遮断装置の回路、および主回路電流の電流経路を表す図である。
図11図10の直流回路遮断装置における電流遮断動作の説明図であって、(a)は機械式スイッチの開極直後の主回路電流、および制御電流の電流経路を表す図、(b),(c)はそれぞれ(a)の状態から主回路電流が半導体スイッチに転流した状態の電流経路、および電流遮断後の状態を表す図である。
図12】本発明の直流回路遮断装置を適用する直流無停電給電システムの略示回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明による直流回路遮断装置の実施の形態を図1図8に示す。
【実施例1】
【0025】
まず、本発明の実施例1に係わる回路遮断装置の回路構成、および主回路電流の遮断動作を図1図5に基づいて説明する。
この実施例においては、直流回路1に接続した機械式スイッチ2に図10と同様な橋絡形スイッチを採用した上で、この機械式スイッチ2に並列接続した半導体スイッチを、図示のように逆直列接続した2個のIGBT(半導体スイッチング素子)4(IGBT−1),(IGBT−2)と、各IGBT4(IGBT−1),(IGBT−2)に逆並列接続したダイオード15(D−1),(D−2)とからなる双方向半導体スイッチ30で構成している。また、各IGBT4(IGBT−1),(IGBT−2)の各制御端子と機械式スイッチ2の橋絡可動接点2cとの間には、分圧抵抗5,6−1,6−2、ツェナーダイオード7−1,7−2、およびコンデンサ8−1,8−2を図示のように組合せた制御回路を接続して機械式スイッチ2の開極時に発生した固定/可動接点間のアーク電圧をIGBT4(IGBT−1),(IGBT−2)のゲート(制御端子)に印加するようにしている。
【0026】
上記の回路構成で、機械式スイッチ2を閉極した状態では、直流回路1に流れる主回路電流がその通電方向によって、図2(a),(b)の実線矢印のように機械式スイッチ2の接点を通じて流れる。なお、この状態では双方向半導体スイッチ30の各IGBT4(IGBT−1),(IGBT−2)はいずれもOFFである。
【0027】
この状態から機械式スイッチ2を開極すると、その固定接点2a,2bと橋絡可動接点2cとの間にはアークarcが発生し、そのアーク電圧により双方向半導体スイッチ30の制御回路に図3(a),(b)の点線矢印で表すような制御電流が流れ、主回路電流(実線矢印)の通流方向に対応してIGBT4(IGBT−1),(IGBT−2)の制御端子に接続したコンデンサ8−1、もしくはコンデンサ8−2が充電される。そして、コンデンサ8−1,8−2の充電電圧が所定の閾値を超えると、IGBT4(IGBT−1)、もしくはIGBT4(IGBT−2)がターンオンしてON状態になる。
【0028】
これにより、いままで機械式スイッチ2を流れていた主回路電流は、図4(a),(b)で示すように、双方向半導体スイッチ30の回路に転流し、図4(a)では主回路電流がダイオード15(D−2)、IGBT4(IGBT−1)を経由して流れ、図4(b)では前記とは逆にダイオード15(D−1)、IGBT4(IGBT−2)を経由して流れ、いままで機械式スイッチ2の接点間に生じていたアークが消滅する。
【0029】
また、機械式スイッチ2の接点間のアークが消滅すると、橋絡可動接点2cに接続した制御回路へのアーク電圧印加も消滅してコンデンサ8−1,8−2の充電電荷が点線矢印のように分圧抵抗6−1,6−2を通じて放電されるようになる。そして、コンデンサ8−1,8−2の放電が進んでIGBT4(IGBT−1),(IGBT−2)のゲート印加電圧が閾値以下に低下すると、いままでON状態のIGBT4はターンオフしてOFFの状態に切り換わり、これにより図5のように直流回路1の主回路電流が完全に遮断される。
【0030】
以上の説明から判るようにこの実施例によれば、機械式スイッチ2に並列接続した半導体スイッチを、2個のIGBT4(IGBT−1),(IGBT−2)を逆直列接続し、さらに各IGBTにダイオード15(D−1),(D−2)を逆並列接続して構成した双方向半導体スイッチ30としたことにより、直流回路に流れる主回路電流の方向に左右されることなく、機械式スイッチの開極時にはその固定/可動接点間に発生したアークを即時消滅させて双方向の主回路電流を安全に遮断することができる。
【0031】
しかも、機械式スイッチ2を開極した際に、その接点間に発生したアーク電圧を利用して双方向半導体スイッチ30のIGBT4(IGBT−1),(IGBT−2)をON,OFF制御するようにしたことで、図10の方式と同様に独立したゲート駆動用の電源回路が不要となって半導体スイッチの制御回路を簡素化できる。
【実施例2】
【0032】
次に、先記の実施例1に更なる改良を加えた本発明の請求項2〜4に対応する実施例2を図6〜8により説明する。
この実施例では、先記実施例1(図1参照)の機械式スイッチ2における接点2a,2bの両側に直列接続して双方向半導体スイッチ30を直流回路1から切り離す機械式の断路用接点2d,2eを追加し、機械式スイッチ2の開極時には断路用接点2d,2eを介して双方向半導体スイッチ30を主回路電流の遮断後に直流回路1から切り離すようにしており、この断路用接点2d,2eは、主接点2a,2bを挟んで双方向半導体スイッチ30の並列接続点a,bより外側に接続されている。
【0033】
次に、図6に示した直流回路遮断装置の具体的な構造例を図7(a),(b)に、またこの直流回路遮断装置を直流無停電給電システムに適用した配線回路を図8に示す。まず、図7(a),(b)において、20は図6の機械式スイッチ2に適用する3極電磁接触器、21は電磁接触器20のフレーム(筐体)、22は操作用電磁石、23,24は各極に対応する固定接点であり、図8に示す固定設定2a,2bを有している。また、23−1〜23−3、および24−1〜24−3は各極の固定接点に対応する端子(ねじ端子)、25は各極の固定接点23,24に対応する橋絡可動接点であり、図8の可動接点2c,2d,2eを有している。また、26は各極の橋絡可動接点25を一括搭載して操作用電磁石23の可動鉄心に連結した接点ホルダーであり、前記フレーム21の頂部には双方向半導体スイッチ30を搭載して図8のように配線接続している。
【0034】
なお、図8は当該回路遮断装置を図12に示した直流無停電給電システムの直流回路遮断器14に適用した場合を例示し、図中には図12における各コンポーネントに対応して同じ符号を付している。そして、前記電磁接触器20に配した各極の端子23−1〜23−3、および24−1〜24−3の相互間を図示のように直列に配線して図6に示した機械式スイッチ2の主接点、および断路用接点を割り当てて、3極の各接点を同期してON,OFF操作するようにしている。
【0035】
上記構成により、電磁接触器20を開極操作して直流回路(図8における分岐回路12)に流れていた主回路電流(蓄電装置13の浮動充電,もしくは放電時に流れる直流電流)の遮断完了後は、断路用接点2d,2e(開極)を介して双方向半導体スイッチ30のスイッチ回路が直流無停電給電システムの直流電源9,負荷10,蓄電装置13から完全に切り離される。これにより、双方向半導体スイッチ30におけるIGBT4(IGBT−1),(IGBT−2)が主回路電流の遮断完了後に直流回路からの電圧印加を受けて誤動作(ターンオン),破損するのを防止して遮断動作の信頼性を高めることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 直流回路
2 機械式スイッチ
2a,2b 固定接点
2c 橋絡可動接点
2d,2e 断路用接点
30 双方向半導体スイッチ
4(IGBT−1),4(IGBT−2) 半導体スイッチング素子
5,6−1,6−2 分圧抵抗
8−1,8−2 コンデンサ
15(D−1),15(D−2) ダイオード
20 3極電磁接触器
23,24 固定接点
25 橋絡可動接点
arc アーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12