特許第6202881号(P6202881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202881
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】開口部の防水装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20170914BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   E06B5/00 Z
   E04H9/14 Z
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-111223(P2013-111223)
(22)【出願日】2013年5月27日
(65)【公開番号】特開2014-227809(P2014-227809A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中島 厚二
(72)【発明者】
【氏名】大井 勝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克行
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 智哉
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/069574(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/00
E04H 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の開口部を開閉する開閉体に対して屋外側に設置されて前記開口部を閉塞するシートと、
前記開口部の幅方向の端部に位置する柱状の支持部材と、
前記支持部材に対して着脱可能であり、かつ前記シートを保持する保持部を有する保持部材と、
を備え、
前記支持部材と前記保持部材とは、それぞれが有する係合部同士が係合することにより固定され
前記支持部材は、上下方向に延在する支持側第一係合部と、支持側第二係合部とを有し、
前記保持部材は、前記支持側第一係合部と係合する保持側第一係合部と、前記支持側第二係合部と係合する保持側第二係合部とを有する
ことを特徴とする開口部の防水装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記支持部材における屋外側の面に対して固定される
請求項1に記載の開口部の防水装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記支持部材における前記開口部側の面に対して固定される
請求項に記載の開口部の防水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部の防水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開閉体によって開閉される開口部からの浸水を抑制する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、シャッタの裏面には屈曲自在な防水シートが設けられていると共に、防水シートと対向するようにしてガイド部材にはシール部材が設けられ、シャッタに浸水しようとする氾濫水等の水圧がシャッタの表面に作用すると、防水シートがシール材に圧接されるようになっている、浸水防止機能を備えたシャッタ装置の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4459740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防水装置を設置する際の作業性を向上できることが望まれている。例えば、構造物に対してシートを容易に固定できることが好ましい。
【0005】
本発明の目的は、設置する際の作業性を向上できる開口部の防水装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開口部の防水装置は、構造物の開口部を開閉する開閉体に対して屋外側に設置されて前記開口部を閉塞するシートと、前記開口部の幅方向の端部に位置する柱状の支持部材と、前記支持部材に対して着脱可能であり、かつ前記シートを保持する保持部を有する保持部材と、を備え、前記支持部材と前記保持部材とは、それぞれが有する係合部同士が係合することにより固定され、前記支持部材は、上下方向に延在する支持側第一係合部と、支持側第二係合部とを有し、前記保持部材は、前記支持側第一係合部と係合する保持側第一係合部と、前記支持側第二係合部と係合する保持側第二係合部とを有することを特徴とする。
【0007】
上記開口部の防水装置では、支持部材に対して保持部材が着脱可能であるため、設置する際の作業性を向上できる。
【0009】
上記開口部の防水装置では、2組の係合部を有することにより、保持部材を支持部材に対してより確実に固定できる。
【0010】
上記開口部の防水装置において、前記保持部材は、前記支持部材における屋外側の面に対して固定されることが好ましい。
【0011】
上記開口部の防水装置では、保持部材の着脱を容易に行うことができる。
【0012】
上記開口部の防水装置において、前記保持部材は、前記支持部材における前記開口部側の面に対して固定されることが好ましい。
【0013】
上記開口部の防水装置では、シートの幅の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る開口部の防水装置によれば、設置する際の作業性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態に係る開口部の防水装置の平面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る開口部の防水装置の要部を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る開口部の防水装置のシート設置時の状態を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る開口部の防水装置のシート設置時の要部拡大図である。
図5図5は、第1実施形態の第1変形例に係る支持部材の平面図である。
図6図6は、第1実施形態の第2変形例に係る開口部の防水装置の要部を示す平面図である。
図7図7は、第1実施形態の第3変形例に係る支持部材の平面図である。
図8図8は、第1実施形態の第4変形例に係る開口部の防水装置の要部を示す平面図である。
図9図9は、第2実施形態に係る支持部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態に係る開口部の防水装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0017】
[第1実施形態]
図1から図4を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、開口部の防水装置に関する。図1は、本発明の第1実施形態に係る開口部の防水装置の平面図、図2は、第1実施形態に係る開口部の防水装置の要部を示す図、図3は、第1実施形態に係る開口部の防水装置のシート設置時の状態を示す図、図4は、第1実施形態に係る開口部の防水装置のシート設置時の要部拡大図である。
【0018】
図1には、第1実施形態に係る開口部の防水装置1−1を鉛直方向の上方から見た図が示されている。本実施形態に係る開口部の防水装置1−1は、シート10と、支持部材2と、保持部材5とを含んで構成されている。
【0019】
本実施形態の構造物1は、店舗であり、開口部6は店舗の出入口である。店舗のフロント部分は板状のガラス3によって屋内と屋外とが仕切られている。支持部材2は、方立であり、開口部6の幅方向の端部に位置する柱状の部材である。支持部材2は、ガラス3を支持する枠部としての機能を有しており、ガラス3の縁部が支持部材2に嵌め込まれている。支持部材2は、開口部6の幅方向の両端部にそれぞれ設けられており、鉛直方向に延在している。支持部材2は、床面7から、少なくとも開閉体4におけるシート10によって覆われる領域の上端位置まで設けられている。
【0020】
本実施形態に係る構造物1では、一対の支持部材2によって開口部6の幅方向の端部が形成されている。支持部材2は、断面矩形の部材であり、開口部6の幅方向と平行な2つの平面と、幅方向と直交する2つの平面とを有する。支持部材2は、例えば、アルミ等の金属材料で構成されている。
【0021】
図1に示す本実施形態の開閉体4は、両開きのスライド式の自動ドアである。開閉体4は、2枚のドア41,42を有する。ドア41,42は、それぞれドア枠41a,42aと、ガラス41b,42bとを有する。ガラス41b,42bは、ドア枠41a,42aによって支持されている。ドア41,42は、支持部材2に対して屋内側に配置されている。開閉体4は、図示しないモータ等の動力によってドア41,42を幅方向に移動させることで開口部6を開放あるいは閉塞する。
【0022】
シート10は、構造物1の開口部6を開閉する開閉体4に対して屋外側に設置されて開口部6の下端側の領域を閉塞する。本実施形態に係るシート10の形状は、矩形である。シート10は、遮水性を有しており、開口部の防水シートとして機能する。また、シート10は、可撓性を有しており、伸縮可能であってもよい。シート10の素材は、例えば、樹脂、ゴム、表面を樹脂などでコーティングした布等である。シート10は、水圧による開閉体4の変形に追従できる素材で構成されることが好ましい。
【0023】
シート10の幅は、開口部6の幅よりも大きい。シート10は、開閉体4の鉛直方向下端側の部分と、構造物1における開閉体4に隣接する部分とを一体に覆う。本実施形態に係るシート10は、図1に示すように、保持部材5を介して支持部材2に対して固定された状態で、開閉体4と、支持部材2と、床面7とを一体に覆う。シート10の下端部10aは、床面7を覆い、シート10の幅方向の両端部は、それぞれ支持部材2を覆う。つまり、保持部材5は、シート10が開閉体4と、支持部材2と、床面7とを一体に覆う位置で支持部材2に対して固定される。これにより、シート10は、開閉体4と支持部材2との隙間や開閉体4と床面7との隙間、ドア41とドア42との隙間等を介して屋内に水が浸入することを抑制することができる。
【0024】
保持部材5は、以下に説明するように、支持部材2に対して着脱可能であり、かつシート10を保持する保持部9を有する。支持部材2と保持部材5とは、それぞれが有する係合部同士が係合することにより固定される。本実施形態の開口部の防水装置1−1は、保持部材5が支持部材2に対して着脱可能であることにより、構造物1に対してシート10を容易に固定することができ、設置する際の作業性を向上することができる。
【0025】
図3に示すように、保持部材5は、支持部材2と係合し、支持部材2に対して固定可能な部材である。まず、図2を参照して、支持部材2の構成について説明する。支持部材2は、係合部30を有する。係合部30は、支持部材2の正面21、すなわち支持部材2における屋外側を向いた面に形成されている。つまり、本実施形態では、保持部材5は、支持部材2における屋外側の面に対して固定される。係合部30は、支持部材2の上端から下端まで延在している。ただし、係合部30は、支持部材2の上端から下端までの領域のうち、保持部材5と係合する領域に少なくとも配置されていればよい。本実施形態の係合部30は、正面21における開口部6側と反対側の端部に寄せて配置されている。
【0026】
係合部30は、支持側第一係合部31と、支持側第二係合部32とを含んで構成されている。支持側第一係合部31は、上下方向に延在している。また、支持側第二係合部32は、支持側第一係合部31と平行に設けられており、上下方向に延在している。支持側第一係合部31は、相対的に開口部6に近い側に配置されており、支持側第二係合部32は、相対的に開口部6から遠い側に配置されている。第一溝部33は、支持側第一係合部31に対して開口部6側と反対側に配置されている。第一溝部33は、支持部材2の正面21に形成された溝部であり、上下方向に延在している。支持側第一係合部31は、第一溝部33の開口部に配置されており、第一溝部33における開口部6側の一部を閉塞している。支持側第一係合部31は、支持部材2の外壁の一部をなしている。支持側第一係合部31は、幅方向において開口部6側と反対側に向けて突出しており、保持部材5と係合する爪部として機能する。
【0027】
支持側第二係合部32は、第二溝部34と、突出部39とを有する。支持側第二係合部32は、正面21における開口部6側と反対側の端部に配置されている。突出部39は、支持部材2の外壁の一部をなしており、先端が幅方向の開口部6側に向いている。第二溝部34は、突出部39に対して屋内側に形成されている。第二溝部34は、支持部材2の正面21に形成された溝部であり、上下方向に延在している。突出部39は、第二溝部34の開口部に配置されており、第二溝部34における開口部6側と反対側の一部を閉塞している。突出部39は、幅方向において開口部6側に向けて突出しており、後述する保持部材5の保持側第二係合部53の抜けを抑制する。
【0028】
第一溝部33と第二溝部34との間には、突起部35が設けられている。突起部35は、基部36と、第一突起部37と、第二突起部38とを有する。基部36は、第一溝部33および第二溝部34の底部よりも屋外側に向けて突出している。第一突起部37および第二突起部38は、基部36から屋外側に向けて突出している。第一突起部37および第二突起部38は、平行に配置されており、上下方向に延在している。第一突起部37および第二突起部38の先端は、正面21と面一である。
【0029】
図3に示すように、保持部材5は、本体51と、保持側第一係合部52と、保持側第二係合部53と、保持部9と、当接部56とを有する。保持部材5の係合部50は、保持側第一係合部52と、保持側第二係合部53とを含んで構成されている。保持部材5は、図3に示す断面と直交する方向に所定の長さを有している。以下の説明では、保持部材5において、図3に示す断面と直交する方向を「長手方向」と称し、図3の左右方向を「幅方向」と称する。
【0030】
本体51は、平板状の部材である。保持部9は、本体51の幅方向の一端に配置されている。保持部9は、断面形状が略C字形状の中空円筒状の構成部であり、本体51側と反対側にスリット部9aが形成されている。シート10の幅方向端部には、棒状部材11が配置されている。棒状部材11は、保持部9の中空部に挿入可能なものであり、本実施形態では断面形状が円形の部材である。棒状部材11は、シート10の幅方向端部に設けられており、図1に示す下端部10aには設けられていない。棒状部材11は、剛性を有する部材であり、シート10における棒状部材11が配置された辺を直線状に保持することができる。棒状部材11は、シート10に対して接着や溶着等により固定されている。なお、棒状部材11は、シート10の端部に設けられた折り返し部に包まれていてもよい。棒状部材11の外径は、保持部9の中空部に挿入可能であり、かつスリット部9aから抜け出さない大きさである。
【0031】
保持側第一係合部52は、支持部材2の支持側第一係合部31と係合する。保持側第二係合部53は、支持部材2の支持側第二係合部32と係合する。本実施形態に係る開口部の防水装置1−1は、保持側第一係合部52と支持側第一係合部31とからなる1組の係合部と、保持側第二係合部53と支持側第二係合部32とからなる1組の係合部とを有する。2組の係合部を有することにより、支持部材2に対して保持部材5をより確実に固定することができる。また、支持部材2に対する保持部材5の着脱を容易に行うことができる。
【0032】
保持側第一係合部52および保持側第二係合部53は、保持部材5の長手方向および幅方向と直交する方向に突出している。保持側第一係合部52は、保持部9に接続されており、保持部9の外周面から径方向の外側に向けて突出している。保持側第一係合部52は、先端側に突起部54を有する。突起部54は、保持部材5の幅方向の外側に向けて凸となっている。
【0033】
保持側第二係合部53は、基端が本体51に直交して接続されており、先端部55が保持部材5の幅方向の外側に向けて屈曲している。保持部材5を支持部材2と係合させる場合、まず、ユーザーによって保持側第二係合部53の先端部55が第二溝部34に挿入される。保持側第二係合部53の先端部55は、突出部39の裏側に入り込み、保持側第二係合部53と支持側第二係合部32とが係合する。保持部材5は、先端部55が第二溝部34に挿入された状態で、先端部55を回転中心として回動可能な状態となる。ユーザーは、保持部材5を回動させて、保持側第一係合部52を第一溝部33に押し込む。
【0034】
保持部材5を回動させて保持側第一係合部52を第一溝部33に近づけていくと、突起部54が支持側第一係合部31の先端に当接する。この状態から、保持部材5を押し込むと、保持側第一係合部52が幅方向の内側に向けて弾性変形し、突起部54が第一溝部33に挿入される。保持側第一係合部52の突起部54が第一溝部33の内部に挿入されると、復元力によって保持側第一係合部52が幅方向の外側に向けて変形する。これにより、突起部54が支持側第一係合部31の裏側に当接して、保持側第一係合部52と支持側第一係合部31とが係合する。保持側第一係合部52は、復元力によって支持側第一係合部31を開口部6側に向けて押圧し、保持部材5の位置を保持する。保持側第一係合部52が支持側第一係合部31と係合し、保持側第二係合部53が支持側第二係合部32と係合することで、保持部材5は支持部材2と係合し、支持部材2に対して固定される。
【0035】
保持部材5の当接部56は、保持側第一係合部52の突起部54との間に支持側第一係合部31を挟み込み、支持側第一係合部31を保持する。当接部56は、保持側第一係合部52よりも保持部材5の幅方向外側に設けられている。当接部56は、保持側第一係合部52の基部から幅方向外側に向けて突出している。図3に示すように、保持側第一係合部52が支持側第一係合部31と係合すると、当接部56が支持部材2の正面21に当接し、突起部54との間に支持側第一係合部31を挟み込む。これにより、保持部材5は、支持側第一係合部31を保持し、支持部材2に対して固定される。
【0036】
保持部材5が支持部材2に対して固定された状態で、保持部9のスリット部9aは、開口部6側の先端に位置している。すなわち、保持部9の中空部は、開口部6側を向いて開口している。シート10は、図3に示すように棒状部材11が保持部9に挿入されることにより、保持部材5によって保持される。シート10は、棒状部材11および保持部材5を介して支持部材2に対して固定され、支持部材2によって支持される。開口部6の幅方向の両端の支持部材2にそれぞれ保持部材5が取り付けられ、シート10の両端部が保持部材5によって支持される。棒状部材11は、保持部9の端部からスライドさせて中空部に挿入されることが可能であり、スリット部9aを押し広げてスリット部9aを通って保持部9の中空部に挿入されることも可能である。
【0037】
ユーザーは、例えば、シート10の棒状部材11を保持部9に挿入した後で保持部材5を支持部材2に対して取り付けるようにしても、保持部材5を支持部材2に対して取り付けた後でシート10の棒状部材11を保持部9に挿入するようにしてもよい。ユーザーは、現場の状況等に応じて、先にシート10を保持部材5に保持させてから保持部材5を支持部材2に取り付けることも、保持部材5を支持部材2に取り付けてからシート10を保持部材5に保持させることもできる。従って、本実施形態に係る開口部の防水装置1−1によれば、設置する際の作業性を向上させることができる。
【0038】
シート10の両端部が支持部材2によって支持された状態で、屋外から水が寄せてくると、図3に示すように、シート10に水圧がかかる。その際、シート10が支持部材2のコーナー部24に当接する。シート10は、水圧によって支持部材2や開閉体4に向けて押圧されて、支持部材2や開閉体4に密着する。シート10は、支持部材2と開閉体4との隙間を塞ぎ、屋内への水の浸入を抑制する。また、シート10は、ドア41とドア42との隙間を塞ぎ、屋内への水の浸入を抑制する。また、シート10は、水圧によって床面7に向けて押圧される。これにより、シート10は、開閉体4と床面7との隙間や支持部材2と床面7との隙間を塞ぎ、屋内への水の浸入を抑制する。なお、シート10の下端部10a上に押圧部材を設置するようにしてもよい。押圧部材は、自重により下端部10aを床面7に向けて押圧する部材である。押圧部材がシート10の下端部10aを床面7に向けて押圧することで、シート10と床面7との間からの浸水をより確実に抑制することができる。押圧部材の形状は、例えば、平板形状とすることができる。
【0039】
また、本実施形態に係る開口部の防水装置1−1では、図4を参照して説明するように、シート10に水圧がかかった場合に保持部材5が支持部材2から外れてしまうことを抑制できるように、係合部30,50が構成されている。
【0040】
シート10に水圧がかかると、図4に矢印Y1で示すように、シート10に対して開口部6側へ向けて引っ張る力が作用する。この力により、保持側第一係合部52には、矢印Y2で示すように第一溝部33に挿入する向きの力が作用する。一方、保持側第二係合部53に対しては、矢印Y3で示すように、第二溝部34から引き出される向きの力が作用する。従って、保持部材5がシート10を保持するときに保持側第二係合部53が支持側第二係合部32から外れてしまうことを抑制できることが望ましい。
【0041】
本実施形態に係る開口部の防水装置1−1では、保持側第二係合部53と支持側第二係合部32とが深く噛み合っている。図4に示すように、保持側第一係合部52と支持側第一係合部31との噛み合い深さW1に対して、保持側第二係合部53と支持側第二係合部32との噛み合い深さW2が大きい。噛み合い深さW1は、支持側第一係合部31と保持側第一係合部52とが係合しているときの突起部54と支持側第一係合部31との重なりの幅である。噛み合い深さW2は、支持側第二係合部32と保持側第二係合部53とが係合しているときの先端部55と突出部39との重なりの幅である。
【0042】
噛み合い深さW2が噛み合い深さW1よりも大きいことで、保持側第二係合部53の先端部55は支持側第二係合部32と深く噛み合っている。従って、保持部材5がシート10を保持しているときに保持側第二係合部53が第二溝部34から抜け出ることが抑制される。また、噛み合い深さW1が噛み合い深さW2よりも浅いことで、保持部材5を支持部材2に対して着脱する際に要する力が軽減される。保持部材5を支持部材2に対して取り付ける際には、保持側第二係合部53と支持側第二係合部32とを先に係合させてから保持側第一係合部52を支持側第一係合部31に係合させるようにすれば、小さな力で保持部材5を支持部材2に係合させることができる。また、保持部材5を支持部材2から取り外す際には、保持側第二係合部53と支持側第二係合部32とを係合させた状態で保持側第一係合部52を第一溝部33から引き出すようにすれば、小さな力で保持部材5を支持部材2から取り外すことができる。
【0043】
本実施形態に係る開口部の防水装置1−1では、保持部材5が支持部材2における屋外側の面に対して固定される。支持部材2の屋外側の面は、周囲に作業スペースを確保しやすく、保持部材5の着脱を容易に行うことができる。
【0044】
なお、開閉体4は、本実施形態で例示された自動ドアには限定されない。開閉体4は、例えば、開き戸や折れ戸、シャッターカーテン等であってもよい。また、自動で開閉されるものだけでなく、手動で開閉されるものであってもよい。また、開閉体4は、両開きに限らず、片開きのものであってもよい。
【0045】
本実施形態の構造物1では、開口部6の幅方向の両端に支持部材2が配置されているが、これに限らず、開口部6の幅方向の一端にのみ支持部材2が配置されていてもよい。この場合、支持部材2が配置されている方の端部では、シート10を設置するときに支持部材2に対して保持部材5を固定するようにすればよい。支持部材2のような柱状の支持部材が設けられていない方の端部では、例えば、シート10を設置する際に、壁面等に設けた係合部に対して保持部材5を取り付けるようにしてもよい。また、壁面等に常に保持部材5を固定しておくようにしてもよい。また、壁面等に保持部9のみを固定しておくようにしてもよい。
【0046】
本実施形態では、構造物1が店舗であったが、これに限定されるものではなく、ギャラリー、展示室、美術館、事務所等の来客や観客が出入りするものであってもよいし、その他の構造物であってもよい。また、本実施形態では、開閉体4が屋内と屋外とを仕切るものであったが、これには限定されず、開閉体4は屋内側と屋外側とを仕切るものであってもよい。例えば、開閉体4は、建屋内における屋外側の通路と屋内側の室内とを仕切るものであってもよい。
【0047】
本実施形態では、柱状の支持部材2の断面形状が矩形であったが、支持部材2の形状はこれには限定されない。支持部材2は、係合部30を有するものであればよい。正面21は平面であることが好ましいが、凹凸を有していたり、湾曲していたりしてもよい。この場合、保持部材5の形状を正面21の形状に応じた形状とすることが好ましい。
【0048】
[第1実施形態の第1変形例]
第1実施形態の第1変形例について説明する。図5は、第1実施形態の第1変形例に係る支持部材の平面図である。第1変形例に係る支持部材2において、上記第1実施形態の支持部材2と異なる点は、突起部65の頂面66が平坦な点である。支持部材2の係合部60は、支持側第一係合部61と、支持側第二係合部62とを有する。支持側第一係合部61は、上記第1実施形態の支持側第一係合部31と同様とすることができる。支持側第二係合部62は、上記第1実施形態の支持側第二係合部32と同様の構成とすることができる。支持側第二係合部62は、上記第1実施形態の突出部39と同様の突出部69、および上記第1実施形態の第二溝部34と同様の第二溝部64を有する。また、第一溝部63は、上記第1実施形態の第一溝部33と同様とすることができる。
【0049】
突起部65は、第一溝部63と第二溝部64との間に設けられている。突起部65は、第一溝部63および第二溝部64の底部に対して屋外側に突出している。突起部65は、図5に示す断面形状が、基端側から先端側へ向かうに従い幅が減少するテーパ形状である。突起部65の頂面66は、平面であり、正面21と面一である。
【0050】
[第1実施形態の第2変形例]
第1実施形態の第2変形例について説明する。図6は、第1実施形態の第2変形例に係る開口部の防水装置1−1の要部を示す平面図である。第2変形例に係る支持部材2において、上記第1実施形態および第1変形例の支持部材2と異なる点は、係合部60が支持部材2の横幅一杯に設けられている点である。支持側第一係合部61は、幅方向の開口部6側の端部に配置されており、支持側第二係合部62は、幅方向の開口部6側と反対側の端部に配置されている。保持部材5の幅は、支持部材2の幅と同様である。支持側第一係合部61および支持側第二係合部62は、それぞれ上記第1変形例の支持側第一係合部61および支持側第二係合部62と同様の構成とすることができる。また、第一溝部63は、上記第1変形例の第一溝部63と同様の構成とすることができる。
【0051】
[第1実施形態の第3変形例]
第1実施形態の第3変形例について説明する。図7は、第1実施形態の第3変形例に係る支持部材の平面図である。第3変形例の支持部材2において、上記第1実施形態の支持部材2と異なる点は、係合部60が正面21の幅方向の中央に配置されている点である。支持側第一係合部61および支持側第二係合部62は、それぞれ上記第1変形例の支持側第一係合部61および支持側第二係合部62と同様の構成とすることができる。また、第一溝部63は、上記第1変形例の第一溝部63と同様の構成とすることができる。
【0052】
[第1実施形態の第4変形例]
第1実施形態の第4変形例について説明する。図8は、第1実施形態の第4変形例に係る開口部の防水装置1−1の要部を示す平面図である。第4変形例の保持部材5において、上記第1実施形態の保持部材5と異なる点は、保持部9のスリット部9aが開口部6側と異なる位置に配置されている点である。
【0053】
スリット部9aは、例えば、図8に示すように、保持部材5の幅方向の内側を向いて配置されていてもよい。また、スリット部9aは、保持部材5が支持部材2に対して固定された状態で、屋外側を向くように配置されてもよい。
【0054】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。図9は、第2実施形態に係る支持部材の平面図である。第2実施形態に係る開口部の防水装置2−1において、上記第1実施形態の開口部の防水装置1−1と異なる点は、正面21に代えて、支持部材2における内側面22に係合部30が配置されている点である。
【0055】
内側面22は、支持部材2における開口部6側の面であり、一対の支持部材2における幅方向において互いに対向する面である。内側面22は、開口部6の幅方向の両端を形成する面である。本実施形態の係合部30は、内側面22に配置されている。係合部30は、支持側第一係合部31および支持側第二係合部32を含んで構成されている。支持側第一係合部31および支持側第二係合部32は、それぞれ上記第1実施形態の支持側第一係合部31および支持側第二係合部32と同様の構成とすることができる。
【0056】
本実施形態では、係合部30は、内側面22における屋外側に配置されている。支持側第二係合部32は、内側面22における屋外側の端部に配置されている。支持側第一係合部31は、支持側第二係合部32に対して屋内側に配置されている。第一溝部33は、支持側第一係合部31に対して屋外側に配置されている。支持側第一係合部31は、第一溝部33の開口部に配置されており、第一溝部33における屋内側の一部を閉塞している。支持側第一係合部31は、屋外側に向けて突出している。
【0057】
支持側第二係合部32は、突出部39と、第二溝部34とを有する。第二溝部34は、突出部39に対して開口部6側と反対側に配置されている。突出部39は、第二溝部34の開口部に配置されており、第二溝部34における屋外側の一部を閉塞している。突出部39は、屋内側に向けて突出している。第一溝部33と第二溝部34との間には、上記第1実施形態の突起部35と同様の突起部35が設けられている。
【0058】
本実施形態の開口部の防水装置2−1によれば、係合部30や第一溝部33が内側面22に設けられていることで、意匠性の低下が抑制される。係合部30が内側面22に配置された場合には、係合部30が正面21に配置される場合と比較して、屋外側から見たときに係合部30が目立ちにくいという利点を有する。また、シート10の幅を小さくすることができるという利点がある。例えば、係合部30を正面21に設ける場合よりも、シート10の幅を小さくすることが可能である。
【0059】
[上記各実施形態の変形例]
上記の各実施形態や各変形例において、支持部材2の溝部33,34,63,64を覆う蓋が設けられてもよい。蓋によって第一溝部33,63や第二溝部34,64、突起部35,65を覆うようにすれば、係合部30を設けることに伴う意匠性の低下を抑制することができる。蓋は、裏面側に支持側第一係合部31,61および支持側第二係合部32,62と係合する係合部を有し、表面は平面とすることが好ましい。蓋は、支持部材2に対して固定された状態で、表面が正面21と面一あるいは内側面22と面一となることが好ましい。
【0060】
また、上記各実施形態や変形例では、支持部材2に溝部33,34,63,64が設けられたが、これに代えて、保持部材5に溝部33,34,63,64と同様の溝部が設けられてもよい。この場合、支持部材2の係合部が保持部材5の溝部に挿入されることで支持部材2と保持部材5とが係合するようにすればよい。
【0061】
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。保持部材5は、例えば、支持部材2のコーナー部24,26(図9参照)の何れかに固定されてもよい。例えば、保持部材5が開口部6側のコーナー部24に固定される場合、係合部30は、正面21および内側面22に設けられる。一例として、支持側第一係合部31が内側面22に、支持側第二係合部32が正面21に設けられる。また、保持部材5が開口部6側と反対側のコーナー部26に固定される場合、係合部30は、正面21および開口部6側と反対側の面25に設けられる。一例として、支持側第一係合部31が正面21に、支持側第二係合部32が開口部6側と反対側の面25に設けられる。
【符号の説明】
【0062】
1−1,2−1 開口部の防水装置
1 構造物
2 支持部材
4 開閉体
5 保持部材
6 開口部
7 床面
10 シート
10a 下端部
21 正面(屋外側の面)
22 内側面(開口部側の面)
30,60 係合部
31,61 支持側第一係合部
32,62 支持側第二係合部
50 係合部
52 保持側第一係合部
53 保持側第二係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9