(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態に係る開口部の防水装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
[実施形態]
図1から
図8を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、構造物の開口部を防水する開口部の防水装置に関する。
図1は、本発明の実施形態に係る開口部の防水装置を示す斜視図、
図2は、実施形態に係る開口部の防水装置により防水される開口部などを示す斜視図、
図3は、
図2中のIII−III線に沿う断面図、
図4は、
図1中のIV−IV線に沿う断面図、
図5は、実施形態に係る開口部の防水装置の保持部材の断面図である。
【0016】
建物等の構造物の外部開口部には、開閉体としてのシャッターや開閉扉が付けられることが多い。例えば、洪水時などに浸水しやすい地下駐車場の入口や、浸水すると商品が毀損されやすい店舗の入口等にもシャッターや開閉扉が付けられていることが多い。シャッターは、隙間が多い構造であるため、ゲリラ豪雨や洪水時にはシャッターの隙間を介した浸水によってこれらの施設が被害に遭う可能性がある。また、開閉扉には、扉間及び各扉と開口部との間に隙間があるために、ゲリラ豪雨や洪水時には隙間を介した浸水によって店舗等の施設が被害に遭う可能性がある。
【0017】
浸水対策として、シャッターや開閉扉の下部を防水板(パネル)に変更する方法も考えられるが、一般的に高額となりやすいため、ユーザーにとって受け入れにくい場合がある。
【0018】
本実施形態の開口部の防水装置1は、開閉体としてのシャッターや開閉扉の前にシートを設置して、簡易的にかつ安価に止水することを可能とする。シートは、開閉体とその周囲の構造物とを一体に覆うことで、開閉体と構造物との隙間を閉塞し、適切に止水することができる。よって、本実施形態の開口部の防水装置1によれば、水害による建物内部の被害を軽減することができる。
【0019】
図1に示す開口部の防水装置1は、構造物Sの開口部O(
図2に示す)を閉塞し、屋外側から屋内側への水の浸入を抑制するものである。構造物Sは、例えば、工場、倉庫、車庫、店舗、家屋等の建築構造物であり、開口部Oを有している。開口部Oは、構造物Sのガラスなどの透明又は半透明の材料で構成された壁部3等に形成されており、構造物Sの屋外側と屋内側とを連通している。本実施形態では、開口部Oは、アルミニウム合金で構成されかつ壁部3よりも厚い縦方立3aなどにより囲まれている。また、本実施形態では、壁部3の下端部には、
図1、
図2及び
図3に示すように、壁部3よりも厚い幅木6が設けられている。
【0020】
屋内側、屋外側とは説明上分かりやすくするための便宜上の表現であって、屋外側とは、水が浸入する場合の上流側のことであり、屋内側とは、上流側から水が浸入する可能性がある側であり、本発明においては水が浸入してくるのを阻止や抑制したい側のことである。開閉扉や壁等とともに開口部の防水装置1を、例えば単なる道路の防水用仕切りとして使用したり、外部空間における門等の箇所に取り付ける等のように、家屋や部屋等の概念がない箇所に設けても良い。また、開口部Oは、前述の屋外側と屋内側とを連通するものとすることができる。本実施形態の開口部Oは、構造物Sの外殻をなす壁部3に形成されており、壁部3を貫通して構造物Sの屋外と屋内とを連通している。なお、これに限らず、開口部Oは、構造物Sの内部を仕切る壁部に形成されたものであってもよい。
【0021】
前述した開口部Oには、当該開口部Oを開閉する開閉体としての開閉扉4が設けられている。開閉扉4は、
図2及び
図3に示すように、開閉方向、本実施形態では左右水平方向に移動する扉5を一対備えている。
【0022】
開閉扉4の一対の扉5は、図示しないガイドレールによって案内される。ガイドレールは、開口部Oの上下両端に設けられ、壁部3の表面と平行である。扉5の上下方向の両端部は、それぞれガイドレールの溝部に挿入されている。溝部は、開閉方向即ち左右水平方向に延在しており、扉5を開閉方向、即ち、左右方向に移動自在に案内する。扉5の幅方向の両端には、扉5よりも厚い扉側縦方立5aが設けられている。なお、本発明でいう床面とは、説明上分かりやすくするための便宜上の表現であって、通常の床面7のみならず、コンクリート面や地面等の開口部Oの下方に位置する面及び幅木6の表面を総称する。
【0023】
開閉扉4は、一対の扉5が互いに近付いて開口部Oを閉塞し、一対の扉5が互いに離間して開口部Oを開放する。扉5の移動は、手動でなされても、モータ等の駆動装置によって自動でなされてもよい。本実施形態の開閉扉4は、一対の扉5、ガイドレールなどを有する。
【0024】
図1に戻り、開口部の防水装置(以下、防水装置と呼ぶ)1は、シート10、一対の保持部材20、押圧部材30などを備える。シート10は、開口部Oに設置されるものであり、開口部Oの鉛直方向下端側の領域を閉塞することが可能な幅および長さを有している。シート10の形状は、例えば、矩形である。シート10は、遮水性を有しており、開口部Oの防水シートとして機能することができる。また、シート10は、可撓性を有しており、伸縮可能であってもよい。シート10の素材は、例えば、樹脂、ゴム、表面を樹脂などでコーティングした布とすることができる。シート10は、水圧によって追従して変形可能な素材で構成されることが好ましい。
【0025】
シート10の幅は、開閉扉4の幅よりも大きい。また、シート10の幅は、開口部Oの幅W(
図1及び
図2参照)よりも大きいことが好ましい。シート10の鉛直方向の長さは、対応すべき水深に基づいて定められている。すなわち、開閉扉4の下端から鉛直方向上側に向けてどの範囲をシート10によって覆い防水するかに基づいてシート10の全長が定められている。以下の説明では、開閉扉4においてシート10によって覆われるべき部分を「所定部」(
図1の符号41参照)と称する。所定部41は、開閉扉4の鉛直方向下端側の部分である。
【0026】
保持部材20は、シート10を開閉扉4よりも屋外側に位置付けて構造物Sに対して保持する。より詳しくは、保持部材20は、開閉扉4の所定部41と、構造物Sのうち所定部41に隣接する部分とを一体に覆うことで開口部Oの鉛直方向下端部を閉塞させるようにシート10を保持する。また、保持部材20は、シート10の鉛直方向下端部が幅木6の表面及び床面7に沿って屋外側に向けて延在するようにシート10の幅方向の両端を保持する。これにより、シート10は、開閉扉4が有する隙間や開閉扉4と構造物Sとの隙間を塞ぎ、屋内側への浸水を抑制することができる。なお、本明細書では、シート10の鉛直方向下端部であって、シート10が保持部材20によって保持された状態で床面7及び幅木6の表面に沿って延在する部分を、以下「シート下部13」と記載する。
【0027】
図1に示すように、保持部材20は、アルミニウム合金等で構成され、一対設けられている。保持部材20は、縦方立3aに着脱自在である。保持部材20は、
図1及び
図4などに示すように、縦方立3aに取り付けられる取付部21と、取付部21に設けられたシート保持部22とを一体に備えている。
【0028】
取付部21は、
図5に示すように、互いに平行で対向する一対の平行部23と、平行部23の一端同士を連結する連結部24とを備えて、断面略コ字形に形成されている。取付部21は、内側に縦方立3aが挿入されて、縦方立3aに屋外側から被せられて、縦方立3aに取り付けられる。このとき、一対の平行部23が、開口部Oの幅方向に対向して互いの間に縦方立3aを挟み、連結部24が縦方立3aの表面に重ねられて、取付部21の内面全体が縦方立3aに接触する接触部となっている。即ち、取付部21は、縦方立3aに接触する接触部としての内面全体を有している。なお、本発明では、取付部21は、一対の平行部23間の間隔が、縦方立3aの幅よりも若干狭く形成されて、内側に縦方立3aが挿入される際に平行部23間の間隔が若干拡げられるように弾性変形するのが望ましい。
【0029】
シート保持部22は、断面C字形に形成され、かつ一対の平行部23のうちの開口部Oの幅方向の外側の一方の平行部23と連結部24とが連なる角部に設けられている。シート保持部22は、一対の保持部材20同士が対向する面にスリット22aが形成されている。シート保持部22は、スリット22a内にシート10の幅方向の端が挿入されることで、シート10の幅方向の端を保持する。保持部材20は、取付部21が縦方立3aに取り付けられると、鉛直方向に延在し、開閉扉4の所定部41に対応する範囲に配置される。すなわち、保持部材20は、開閉扉4の下端から所定部41の上端までの範囲に対応して配される。なお、本発明では、保持部材20は、防水装置1の防水性能等の使用上の問題がないような実質的な意味で開閉扉4の所定部41に対応していればよく、例えば、保持部材20の上端は必ずしも所定部41の上端と一致せず、若干下側に位置していてもよい。保持部材20は、シート10に一体に形成されても良い。保持部材20を構成する材質は、シート10を保持できれば任意であり、アルミニウム合金に替えて、例えば、硬質性の樹脂等でもよい。
【0030】
シート10の幅方向の両端には、それぞれ、心材11が配置されている。心材11は、軽量でかつ可撓性を有する素材、例えば樹脂素材で形成されている。心材11は、シート10の幅方向の両端の上端から所定部41の下端に対応する箇所、即ち、シート10の幅方向の両端のシート下部13を除く箇所に配置されている。心材11は、シート10の長さ方向(鉛直方向)に延在している。心材11は、円柱状に形成され、シート10の壁部3及び扉5に対向する面に設けられ、保持部材20のシート保持部22に挿入可能である。保持部材20のシート保持部22のスリット22aの幅は、シート10と心材11をあわせた厚みよりも小さいため、心材11がスリット22aを介してシート保持部22から抜け出ることが規制される。なお、心材11は、円柱状のものには限定されず、例えば、断面が矩形などの多角形の平板状であってもよい。
【0031】
押圧部材30は、シート10のシート下部13上に配置されて、シート10を構造物S及び床面7に向けて押圧するものであり、例えばシート10を床面7、構造物Sの壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5に向けて押圧する。押圧部材30は、
図1に示すように、シート下部13上の開口部Oの幅方向に沿って連続的に配置される。押圧部材30は、隙間無く配置されても、隣接する押圧部材30間に所定の隙間を設けて配置されても良い。押圧部材30は、棒状あるいは板状であることが好ましい。本実施形態に係る押圧部材30は、板状のフラットバーである。押圧部材30は、例えば、金属製であり、浮力に抗してシート10のシート下部13を床面7に向けて押圧することができる質量や密度を有している。押圧部材30は、シート下部13が幅木6の表面及び床面7に沿って配置された後でシート下部13上に設置される。これにより、押圧部材30は、開閉扉4の下端部の近傍においてシート10を床面7に密着させておくことができる。押圧部材30は、一本でもよいし、複数に分割されていても結果として開口部Oの幅方向に沿って連続的に配置されていてもよい。なお、使用上における止水目的を達成できれば、連続的でなく、若干途切れている箇所があってもよい。
【0032】
シート10を開口部Oに設置する方法、即ち、防水装置1を組み立てる方法を、図面を参照して、実施形態について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る開口部の防水装置の保持部材の取付部を縦方立に対向させた状態を示す斜視図、
図7は、
図6に示された保持部材を縦方立に取り付けた状態を示す斜視図、
図8は、
図7に示された保持部材にシートの幅方向の端を保持させた状態を示す斜視図である。
【0033】
シート10を開口部Oに設置する即ち防水装置1を組み立てる場合、まず、
図6に示すように、保持部材20の取付部21の開口を縦方立3aに対向させる。そして、保持部材20を縦方立3aに除々に近づけ、取付部21内に縦方立3aを挿入して、縦方立3aに屋外側から取付部21を被せる。そして、
図7に示すように、取付部21の内面全体を縦方立3aに接触させて、一対の保持部材20を縦方立3aに取り付ける。このとき、保持部材20を壁部3の幅木6の表面に近づけておく。そして、シート10の幅方向の両端及び心材11を、保持部材20の上端からシート保持部22内に挿入し、シート10の両端及び心材11を保持部材20の下端に向けてシート保持部22内で移動させる。そして、シート10の両端及び心材11が保持部材20のシート保持部22に挟持され、シート10の心材11が設けられていないシート下部13を、
図8に示すように、保持部材20の下端に設けられた間隙を通して、床面7上に引き出し、幅木6の表面及び床面7に沿って屋外側に向けて延在させる。
【0034】
すると、シート10の幅は、開口部Oの幅W(
図2参照)よりも大きく、以下に示すような幅に設定している。すなわち、シート10の両端が保持部材20によって保持された状態で、シート10は、たるみを有している。つまり、保持部材20は、シート10がたるみを有した状態でシート10を保持し、シート10が保持部材20よりも開閉扉4側に向けて撓んで所定部41と接触することを許容する。従って、シート10が保持部材20によって保持された状態で、シート10を壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5に沿わせ、壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5と互いに接触した状態に設置することが可能である。なお、保持部材20に保持され、かつ水圧がかかる前の状態において、シート10が、壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5に密着可能な程度のたるみを有していることが好ましい。
【0035】
また、シート10の鉛直方向の長さは、開閉扉4の所定部41の鉛直方向の長さよりも長く、以下に示すような長さに設定している。すなわち、シート10が保持部材20によって保持された状態で、シート下部13を床面7上に垂らし、床面7に沿わせることが可能である。シート10は、このシート下部13を床面7に沿って屋外側に向けて延在された状態で設置される。言い換えると、シート10は、シート下部13に設けられた床面7と対向し、かつシート下部13が先端側へ向かうに従い開閉扉4から離間するように配置される。
【0036】
そして、押圧部材30をシート下部13上に配置する。こうして、シート10が所定部41と壁部3の所定部41に隣接する部分とを一体に覆いかつシート下部13が床面7に沿って屋外側に向けて延在した状態で、押圧部材30によりシート10を床面7、構造物Sの壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5に向けて押圧する。こうして、防水装置1が組み立てられる。
【0037】
また、防水装置1は、シート10の上端部を構造物Sの開閉扉4に固定する固定部材(図示しない)を備えてもよい。なお、シート10の上端部を開閉扉4に固定する固定部材は、粘着式のテープや面ファスナー、吸盤等を用いることができる。固定部材を設けることにより、シート10が開閉扉4の各扉5に取り付けられ、シート10が垂れ下がることが抑制される。これにより、シート10の上端部を狙いとする水位の位置よりも上方に保持しておくことができる。
【0038】
本実施形態の防水装置1では、洪水やゲリラ豪雨等によって屋外の水嵩が増すと、まずシート下部13が水に接する。水圧によってシート下部13は床面7に向けて押圧されて、シート下部13が床面7に密着する。これにより、シート下部13と床面7との間から水が浸入することが抑制される。また、押圧部材30によってシート下部13が床面7に向けて押圧されていることで、低水位の場合であってもシート下部13と床面7との隙間を介した浸水がより確実に抑制される。また、押圧部材30は、水流等によってシート下部13が浮き上がることを抑制することが可能である。シート10は、水圧によって所定部41と、所定部41に隣接する床面7とを一体に覆うことができる。
【0039】
また、シート10において、壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5を覆う部分は、水圧によって壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5に向けて押圧される。これにより、シート10は、開閉扉4の所定部41と、所定部41に隣接する壁部3とを一体に覆うことができる。シート10は、水圧によって押圧されることにより、壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5等に密着し、シート10と壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5との間に水が浸入することを抑制することができる。
【0040】
また、シート10は、水圧によって開閉扉4の各扉5間や各扉5と縦方立3aとの間の隙間を塞ぐことで、これらの隙間を介した屋内側への浸水を抑制することができる。シート10は、水圧によって開閉扉4の所定部41と、所定部41に隣接する床面7との隙間を塞ぐことで、開閉扉4と床面7との隙間を介した屋内側への浸水を抑制することができる。
【0041】
シート10は、水圧によって壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5に対して押圧されるため、水位が増加するに従い壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5に対する密着性が増し、また各隙間を閉塞する閉塞性が増す。よって、シート10は、水位に応じて遮水性能が増し、適切に屋内側への浸水を抑制することができる。
【0042】
また、シート10は、予めたるみを有した状態で保持部材20によって保持されているため、水位の増加に応じて水圧によって速やかに壁部3、縦方立3a,5aおよび開閉扉4の各扉5に密着することが可能である。また、たるみを有しているため、開閉扉4の各扉5間の隙間など、各部の隙間の形状に対応して適切に変形・屈曲し、各隙間を速やかにかつ適切に閉塞することができる。
【0043】
本実施形態の防水装置1によれば、取付部21が断面略コ字形に形成されて縦方立3aにの屋外側から被せられるので、保持部材20を縦方立3aに着脱自在とすることができる。したがって、防水装置1は、必要に応じて、保持部材20を縦方立3aに取り付けることができ、設置されないときの縦方立3aの美観を損ねることを抑制できる。
【0044】
また、取付部21が縦方立3aに屋外側から被せられ、接触部としての取付部21の内面全体が縦方立3aに接触して、縦方立3aに取付られた保持部材20のシート保持部22がシート10の幅方向の端を保持する。すると、シート10に作用する水圧によって、保持部材20が縦方立3aに押し付けられ、保持部材20が縦方立3aから脱落することを抑制できる。したがって、防水装置1は、設置された時には、開口部Oからの浸水を確実に抑制することができる。よって、防水装置1は、美観を損ねることを抑制しながらも浸水を抑制できるという効果を奏する。
【0045】
[変形例1]
実施形態の変形例1について説明する。
図9は、実施形態の変形例1に係る開口部の防水装置の保持部材の断面図、
図10は、実施形態の変形例1に係る開口部の防水装置の他の保持部材の断面図である。
図9及び
図10において、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
変形例1の防水装置1の保持部材20では、
図9及び
図10に示すように、取付部21の平行部23には、縦方立3aの外表面に係止可能な縦方立3aに接触する接触部としての係止突起51が設けられている。係止突起51は、一対の平行部23のうち少なくとも一方に設けられれば良い。また、係止突起51は、
図9に示すように、平行部23それぞれの内面に一つずつ設けられてもよく、
図10に示すように、平行部23それぞれの内面に複数設けられてもよい。
【0047】
変形例1の防水装置1によれば、前述した実施形態の効果に加えて、取付部21に係止突起51が設けられているので、保持部材20の縦方立3aからの脱落を確実に抑制することができ、浸水を確実に抑制できるという効果を奏する。
【0048】
[変形例2]
実施形態の変形例2について説明する。
図11は、実施形態の変形例2に係る開口部の防水装置の保持部材の断面図、
図12は、実施形態の変形例2に係る開口部の防水装置の他の保持部材の断面図である。
図11及び
図12において、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
変形例2の防水装置1の保持部材20では、
図11及び
図12に示すように、取付部21の縦方立3aの外表面に対向する内面の少なくとも一部には、ゴムなどの弾性を有する樹脂で構成された縦方立3aに接触する接触部としての滑り止め部材52が取り付けられている。
図11では、一対の平行部23のうち外側の一方の平行部23の内面のみに滑り止め部材52が設けられ、
図12では、一対の平行部23及び連結部24即ち取付部21の内面全体に滑り止め部材52が設けられている。滑り止め部材52は、取付部21即ち保持部材20の縦方立3aに対する位置ずれを抑制するものである。
【0050】
変形例2の防水装置1によれば、前述した実施形態の効果に加えて、取付部21の内面に滑り止め部材52が設けられているので、縦方立3aに取り付けられた保持部材20が縦方立3aに対して位置ずれすることを抑制することができる。このために、縦方立3aに取り付けられた保持部材20が縦方立3aに対して位置ずれして、シート10と開閉扉4との間などに隙間が生じることを抑制できるとともに、最悪の場合に保持部材20が縦方立3aから脱落することを抑制できる。したがって、防水装置1は、浸水をより確実に抑制することができる。
【0051】
[変形例3]
実施形態の変形例3について説明する。
図13は、実施形態の変形例3に係る開口部の防水装置の保持部材が縦方立に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図13において、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
変形例3の防水装置1の保持部材20は、取付部21の連結部24及びシート保持部22が、一対の平行部23よりも長く形成されて、連結部24と一対の平行部23との間に段差53が形成されている。変形例3の防水装置1の保持部材20は、縦方立3aに取り付けられると、連結部24及びシート保持部22が平行部23よりも床面7に近付くこととなる。
【0053】
変形例3の防水装置1によれば、前述した実施形態の効果に加えて、シート保持部22がシート10の幅方向の端を床面7の近傍まで保持することとなるので、床面7とシート10との間からの浸水を確実に抑制することができる。
【0054】
[変形例4]
実施形態の変形例4について説明する。
図14は、実施形態の変形例4に係る開口部の防水装置の断面図である。
図14において、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
変形例4の防水装置1の保持部材20は、
図14に示すように、取付部21と、シート保持部22とに加えて、挟み部材25とを備えている。変形例4の防水装置1の保持部材20の取付部21は、互いの間に縦方立3aを挟んで対向することが可能な一対の平行部23(変形例5では、挟み部24aに相当)間の間隔が、縦方立3aの幅よりも広く形成されている。
【0056】
挟み部材25は、
図14に示すように、取付部21の一対の平行部23のうちの一方の平行部23(以下、符号23aで示す)に、他方の平行部23(以下、符号23bで示す)からの距離が変更可能に取り付けられている。一方の平行部23aは、一対の平行部23のうちの縦方立3aの開口部Oに対向する面と反対側の面に対向する平行部23である。他方の平行部23bは、一対の平行部23のうちの縦方立3aの開口部Oに対向する面に対向する平行部23である。挟み部材25は、取付部21の長手方向に少なくとも1つ設けられていてもよく、間隔をあけて複数設けられていてもよい。挟み部材25は、他方の平行部23bとの間に縦方立3aを挟むことが可能なものであり、ねじ部26と、ねじ部26の先端に設けられた当接部27と、ねじ部26の基端に設けられた頭部28とを備えている。
【0057】
ねじ部26は、外周面にねじ溝が形成され、かつ一方の平行部23aを貫通したタップ孔(ねじ孔)にねじ込まれている。当接部27は、ねじ部26の取付部21の内側に位置する先端である。挟み部材25の当接部27は、ねじ部26が軸心回りに回転されると、他方の平行部23bからの距離が変更され、他方の平行部23bに近づけられると、他方の平行部23bとの間に縦方立3aを挟むことが可能である。当接部27には、縦方立3aと当接する略平坦な当接面27aが形成されている。頭部28は、ねじ部26の取付部21の外側に位置する基端に設けられている。頭部28を捻ることで、ねじ部26を軸心回りに回転させて、当接部27を他方の平行部23bに近づけたり他方の平行部23bから遠ざけることができる。
【0058】
変形例4の防水装置1では、保持部材20を縦方立3aに取り付ける前では、頭部28を捻るなどして、挟み部材25の当接部27を他方の平行部23bから遠ざけておく。そして、取付部21を屋外側から縦方立3aに被せた後に、当接部27が他方の平行部23bに近付く方向に、頭部28を捻るなどして、当接部27を他方の平行部23bに除々に近づける。その後、挟み部材25の当接部27を縦方立3aに接触させて、挟み部材25の当接部27と他方の平行部23bとの間に縦方立3aを挟持して、縦方立3aに保持部材20が固定される。
【0059】
変形例4の防水装置1によれば、前述した実施形態の効果に加えて、当接部27の他方の平行部23bからの距離が変更可能に一方の平行部23aに挟み部材25が取り付けられているので、保持部材20を縦方立3aに着脱自在とすることができる。このために、他方の平行部23bと挟み部材25の当接部27との間に縦方立3aを挟むことにより、保持部材20を脱落することなく種々の幅の縦方立3aに取り付けることができる。したがって、防水装置1は、必要に応じて、保持部材20を種々の幅の縦方立3aに取り付けることができ、設置されないときの縦方立3aの美観を損ねることを抑制できる。
【0060】
さらに、一対の平行部23a,23bのうちの縦方立3aの開口部Oに対向する面と反対側の面に対向する一方の平行部23aに挟み部材25を取り付けている。このために、挟み部材25が縦方立3aに接することなどによって縦方立3aの表面に傷が生じても、開口部Oの内側を通る通行人により視認されにくくすることができる。よって、美観を損ねることをより確実に抑制することができる。
【0061】
また、変形例4では、挟み部材25を、一方の平行部23aの内面に取り付けられたばねと、ばねの先端に設けられ縦方立3aに接触する当接部とで構成しても良い。この場合、挟み部材25は、ばねが伸縮するように弾性変形することで、当接部の他方の平行部23bからの距離を変更可能に一方の平行部23aに取り付けられる。また、挟み部材25は、他方の平行部23bとの間に縦方立3aを挟んだ当接部を、ばねの弾性復元力により他方の平行部23bに向って押圧することで、他方の平行部23bとの間に縦方立3aを挟持することが可能である。
【0062】
[変形例5]
実施形態の変形例5について説明する。
図15(a)は、実施形態の変形例5に係る開口部の防水装置の保持部材の断面図であり、
図15(b)は、実施形態の変形例5に係る開口部の防水装置の断面図である。
図15において、実施形態及び変形例1などと同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0063】
変形例5の防水装置1の保持部材20の取付部21は、
図15(a)に示すように、連結部24から離れるのにしたがって一対の挟み部24a間の間隔が狭く形成されて、断面略コ字形に形成されている。即ち、変形例5の防水装置1の保持部材20の取付部21は、一対の挟み部24aの先端間の間隔が、一対の挟み部24aの連結部24寄りの基端間の間隔よりも狭く形成されている。変形例5の防水装置1の保持部材20の取付部21は、一対の挟み部24aの先端間の間隔が縦方立3aの幅よりも狭く形成されている。また、係止突起51は、断面略円形状に形成されている。
【0064】
そして、変形例5の防水装置1の保持部材20は、
図15(b)に示すように、縦方立3aに取り付けられると、一対の挟み部24a同士が互いに近づこうとする弾性復元力を生じ、係止突起51が縦方立3aの外表面に係止する。このように、変形例5の防水装置1の保持部材20は、前述した弾性復元力と係止突起51とにより縦方立3aに固定される。
【0065】
変形例5の防水装置1によれば、前述した実施形態の効果に加えて、保持部材20の縦方立3aからの脱落を確実に抑制することができ、浸水を確実に抑制できるという効果を奏する。
【0066】
また、実施形態及び変形例では、開閉体として開閉扉4を示しているが、本発明では、開閉体として、複数のスラットを開閉方向に連接して形成されて昇降動作などの移動することで開口部Oを開閉するシャッターカーテンを用いても良い。この場合、シート10の上端部を構造物Sの開閉体に取り付ける固定部材として、マグネットを用いても良い。
【0067】
上記の実施形態および変形例1〜5に開示された内容は、適宜組み合わせて実施することができる。