(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
商品としての被包装物が包装された包装体は、被包装物を適切に保護するとともに、店頭などでの見栄えに重きがおかれる。
図13は、従来の包装体の一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示された包装体Xは、たとえば厚紙などからなる台紙が用いられた台材91と、この台材91に接合された筒状フィルム92と、筒状フィルム92によって包装された被包装物93とを備えている。台材91には、吊り下げ孔95が形成されており、店頭においてフックなどによって吊り下げられる。
【0003】
筒状フィルム92は、熱収縮性フィルムであり、一般的に透明である。筒状フィルム92は、接着剤などからなる接合部94によって台材91の前面に接合されている。被包装物93の包装においては、まず、あらかじめ台材91に接合された加熱前の筒状フィルム92に被包装物93が挿入される。そして、筒状フィルム92を加熱することにより、筒状フィルム92が熱収縮し、被包装物93に密着する。これにより、被包装物93は筒状フィルム92によって保護された状態で、台材91に保持される。
【0004】
包装体Xにおいては、筒状フィルム92を透して被包装物93の略全体が外観に現れる。被包装物93は、その形状や模様などが工夫されることによって見栄えが相応に高められてことが一般的である。しかし、この見栄えは、被包装物93が使用される際に、使い勝手や使用環境への視覚的な協調性などを阻害しない程度であることが求められる。このような要請は、店頭において包装体Xとともに陳列される同種の製品にも当てはまるため、被包装物93と他の商品との差別化を図ることは困難であった。
【0005】
また、台材91には、様々なデザインを施すことが可能である。しかし、陳列スペースなどの制約から、見栄えを優先して台材91を拡大することは許容され難い。このように台材91自体の大きさが制限されることに加えて、デザインを施すことができるのは、台材91のうち被包装物93から前方に露出する部位のみである。したがって、包装体Xの見栄えを店頭などにおいて際立たせることは容易ではない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
図1および
図2は、本発明の第1実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A1は、台材1、筒状フィルム2および被包装物3を備えている。
図1は、包装体A1を斜め上方から見た斜視図であり、
図2は、
図1のII−II線に沿うyz平面における断面図である。
【0016】
なお、これらの図において、y方向は、本発明で言う第1方向に相当し、包装体A1が店頭などにおいて陳列された際に前後方向として観念される方向に該当する。この方向については、もっぱら購入者に視認される側である前面や前方、およびその反対側である背面や後方などの語句が用いられる。z方向は、本発明で言う第2方向に相当し、鉛直方向、上下方向あるいは高さ方向として観念される方向に該当する。x方向は、y方向およびz方向のいずれに対しても直角であり、幅方向として観念される方向に該当する。なお、これらの方向の観念は、本実施形態を説明するための便宜であり、本発明に係る包装体は、これらの観念に限定されるものではない。
【0017】
台材1としては、筒状フィルム2を介して被包装物3を適切に保持しるものであればよく、一般的な、所謂ノンコート紙と呼ばれる厚紙、普通紙、合成紙等からなる台紙の他に、表面に樹脂層が設けられた所謂コート紙、合成樹脂シートなどを採用しうる。これらは単層シート、およびこれらの2以上のシートが積層接着された積層シートなどの各種シート材を用いることができる。本実施形態においては、台材1として厚紙からなる台紙を用いる場合を例として説明する。
【0018】
台材1は、下部11、上部12、連結部13を有している。下部11は、本発明で言う第1部に相当し、上部12は、本発明で言う第2部に相当する。なお、本実施形態とは異なり、第1部が上方に位置し、第2部が下方に位置する構成であってもよい。さらに、第1部および第2部に相当する部位が左右方向、前後方向、斜め方向などに並んだ構成であってもよい。
【0019】
下部11と上部12は、ともにy方向に対して直角でありzx平面に沿って広がっている。下部11および上部12は、y方向およびz方向において互いの位置が異なっている。
図2によく表れているように、y方向においては、下部11と上部12とは、互いに重なる部分を有しておらず、完全に離れた位置に置かれている。z方向においては、下部11と上部12とは、互いの一部どうし(下部11の上端付近部分と後述する延出部12cの下端付近部分)が重なるものの、下部11の大部分と上部12の大部分とは、z方向において重なりあっていない。このように本発明において第1方向(y方向)および第2方向(z方向)において互いの位置が異なるとは、それぞれの方向において完全に重なりあう関係となっておらず、一方が他方に対してずれている位置関係を言う。
【0020】
本発明で言う第1方向(y方向)は、下部11および上部12の厚さ方向に相当する。下部11および上部12は、一部が折れ曲がっていたり、全体が緩やかに湾曲していることが想定されるが、ここで言う厚さ方向は、下部11および上部12の全体的あるいは平均的な厚さ方向を意味し、本実施形態においては包装体A1が陳列された場合の前後方向に該当する。
【0021】
下部11は、相対的にz方向下方に位置しており、本実施形態においては矩形状である。下部11の形状は、矩形状に限定されず、様々な形状とされうる。上部12は、相対的にz方向上方に位置しており、本実施形態においては矩形状である。上部12の形状は、矩形状に限定されず、様々な形状とされうる。また、本実施形態においては、下部11は、相対的にy方向前方に位置しており、上部12は、相対的にy方向後方に位置している。下部11は、y方向前方を向く前面11aおよびy方向後方を向く背面11bを有する。上部12は、y方向前方を向く前面12aおよびy方向後方を向く背面12bを有する。
【0022】
上部12には、吊り下げ孔15が形成されている。吊り下げ孔15は、
図2に示すように、店頭などにおいて包装体A1を陳列するためのフックを挿通させるために設けられている。
【0023】
連結部13は、下部11と上部12とを連結している。本実施形態においては、連結部13は、x方向において離間配置された2つの矩形状の部分と空隙部14とを有している。連結部13は、下部11の上端と上部12の下端とに繋がっており、
図2によく表れているように、y方向およびz方向に対して傾斜した姿勢である。連結部13の形状は、2つの矩形状部分を有する形状に限定されず種々に設定されうる。
【0024】
空隙部14は、本実施形態においては、連結部13の2つの矩形状部分の間に配置されており、たとえば矩形状の孔とされているが、その形状はこれに限定されない。空隙部14は、y方向において被包装物3を下部11と上部12との間に位置させ、かつz方向において被包装物3と下部11および上部12の少なくとも一部ずつとを重ならせるように被包装物3を配置するために設けられている。このような関係を実現するため、被包装物3の少なくとも一部が空隙部14に内在されており、本実施形態においては、被包装物3は空隙部14を貫通している。
【0025】
なお、連結部13として、x方向に2つの矩形状部分が設けられ、その間に空隙部14が配置されている構成は、包装体A1を吊り下げ状態で安定して陳列する場合に有利である。一方、たとえば、下部11と被包装物3とによって包装体A1を自立させる場合は、連結部13は、2つの矩形状部分を有する構成に代えて、1つのみの矩形状部分を有する構成であってもよい。これに伴い、空隙部14は、閉じた孔の形態ではなく、たとえばx方向のいずれか一方に開口した比較的大サイズの切り欠きの形態とされうる。
【0026】
また、上部12は、延出部12cを有している。延出部12cは、上部12のうちz方向において下部11が位置する側である下方側に向かって延出する部分であり、x方向において連結部13の2つの矩形状部分の間に位置している。後述するように、空隙部14は、延出部12cの形成痕によって構成されている。このため、延出部12cの形状は、空隙部14と同様の形状であり、本実施形態においては、矩形状である。
【0027】
筒状フィルム2は、収縮性または伸縮性フィルムであり、シュリンクフィルムやストレッチフィルム等、熱収縮や弾性伸縮することにより、被包装物3を密着状態で包装する部材である。本実施形態においては、筒状フィルム2は、熱収縮性筒状フィルムとされ、上下両端が開口し、熱収縮前において被包装物3が挿入可能な筒状体であり、接合部4によって台材1の下部11の背面11bに接合されている。筒状フィルム2は、被包装物3と同等の高さを有し、熱収縮により被包装物3の略全体に密着する。本実施形態においては、筒状フィルム2は、被包装物3の上端および下端に折れ込む高さとされており、z方向において台材1の下部11および上部12の双方と重なる高さとなっている。ただし、筒状フィルム2は、被包装物3の端部を露出させる高さであってもよい。あるいは、筒状フィルム2は、下部11のみと重なる高さであってもよい。また、筒状フィルム2の筒状体には、製造および開封の便宜などによって、その上下方向に沿ってセンターシール部とミシン目(いずれも図示略)とが設けられていてもよい。
【0028】
筒状フィルム2を構成する樹脂フィルムの具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、ならびにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、ポリ塩化ビニル等のビニル系の樹脂からなるフィルムが挙げられる。また、これらの樹脂を2種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもできるし、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。これらのうち、熱収縮性であるシュリンクフィルムにおいては、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、およびポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましい。また、主として周方向に収縮する一軸延伸フィルムを使用できるが、軸方向にも収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。一方、弾性伸縮性を有するストレッチフィルムにおいては、高い伸縮性と透明性を有することから、ポリオレフィン系およびビニル系のフィルムが好ましい。
【0029】
筒状フィルム2の厚みとしては、特に限定されないが、シュリンクフィルムの場合、8〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜80μm、特に好ましくは15〜60μmである。筒状フィルム2がストレッチフィルムの場合、その厚みは、10〜150μmであることが好ましく、より好ましくは15〜120μm、特に好ましくは20〜100μmである。また、筒状フィルム2としては、着色された樹脂筒状フィルム、あるいは商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることができる。
【0030】
シュリンクフィルムの場合、筒状フィルム2は、例えば、フィルム材料の両端を有機溶剤を用いて接合(センターシール)して筒状にされる。また、ストレッチフィルムの場合、筒状フィルム2は、例えば、フィルム材料の両端にコロナ放電処理を施した上で接着剤を用いて接合(センターシール)して筒状にされる。このとき形成される接合部が前記センターシール部であり、たとえば被包装物3の後方に位置する部分に、筒状体の上下方向に沿って形成される。また、シュリンクフィルムの場合、筒状フィルム2は、主延伸方向が周方向となるように形成される。また、前記ミシン目は、筒状フィルム2を切断するための切断補助線であって、筒状フィルム2から被包装物3を取り出そうとするときに切断される。前記ミシン目は、たとえば、被包装物3のy方向前方またはx方向側方に位置する部分に形成することができる。以降の説明においては、筒状フィルム2としては、熱収縮性一軸延伸フィルム(シュリンクフィルム)が用いられた例として説明する。
【0031】
被包装物3は、包装体A1において保護され、購入者が使用する対象である商品であり、たとえば化粧品、食料品など、様々な種類の商品が被包装物3として採用されうる。本実施形態においては、被包装物3は、z方向に長く延びる円柱形状とされているが、被包装物3の形状はこれに限定されない。
【0032】
被包装物3が空隙部14を貫通することにより、台材1の下部11と上部12とがy方向において被包装物3を挟んだ配置となっている。また、被包装物3は、z方向において台材1の下部11および上部12の双方と重なっている。特に、上部12は、延出部12cと、延出部12cよりもz方向上方に位置する部分とが、被包装物3とz方向において重なっている。
【0033】
接合部4は、下部11の背面11bと筒状フィルム2との間に設けられている。本実施形態においては、接合部4は、背面11bのx方向の中央においてz方向に長い領域に設けられており、被包装物3の前方に位置する。接合部4は、筒状フィルム2を台材1の下部11に接合する機能を有し、例えば、下部11の背面11bに接着剤を塗布する、或いは両面粘着テープ等を貼着することで形成される。接合部4は、必要に応じて、複数(例えば、2つ)の上下方向領域に設けてもよいし、複数の幅方向領域に設けてもよい。以下において、接合部4は、接着剤の塗布により形成されるものとして説明する。
【0034】
接合部4を形成する接着剤は、筒状フィルム2との接着強度が強く、被包装物3の荷重に耐えて、流通過程や陳列過程における長時間の接着状態を維持できる接着剤であれば種々の接着剤(粘着剤を含む)を使用することができる。接着剤の例示としては、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等の感圧性接着剤や感熱性接着剤等が挙げられ、特に加熱塗工して筒状フィルム2を張り合わせた後、常温に冷却されたときに強い接着強度を発現するホットメルト接着剤が好適であり、中でも湿気反応型ホットメルト接着剤がより好適である。なお、接着強度は、接着剤の種類だけでなく、接着剤の塗布面積や各種添加物等によっても調整することができ、被支持物の重量等に応じて適宜調整できる。
【0035】
本実施形態においては、下部11の前面11aが陳列状態において購入者の目に触れやすい前方に位置する。このため、下部11の前面11aに、購入者に伝えるべき事項を目立つ態様で印刷してもよい。購入者に伝えるべき事項の例示としては、たとえば被包装物3の新規な特徴や際立った性能、あるいは抽選によるプレゼント等のキャンペーン、などが挙げられる。
【0036】
次に、包装体A1の製造方法の一例について、
図3〜
図7を参照しつつ、以下に説明する。
【0037】
図3〜
図5は、包装体A1を製造するための中間品の一例を示している。この中間品は、台紙材料1Aに筒状フィルム2が接合部4によって接合されたものである。台紙材料1Aは、折り曲げ加工を施すことにより、台材1となる部材である。なお、理解の便宜上、
図3〜
図7においては、
図1および
図2におけるx方向、y方向およびz方向に合わせた配置として記載されている。
図3は、前記中間品をy方向前方から見た正面図であり、
図4は、y方向後方から見た背面図である。
図5は、
図3のV−V線に沿うyz平面における断面図である。
【0038】
台紙材料1Aは、上述した台材1の材質と同様の材質からなり、本実施形態においては、厚紙からなる。台紙材料1Aは、全体として矩形状であり、適所に切断線と折り曲げ線とが形成されている。なお、これらの図において、台紙材料1Aの内部領域にある実線が切断線を示し、一点鎖線が折り曲げ線を示している。
【0039】
台紙材料1Aのx方向中央であってz方向やや上方の位置には、上方に開口するコの字状の切断線が形成されている。この切断線によって、延出部12cが形成されている。また、切断線の上端からx方向左右に延びる折り曲げ線と切断線とによって区画されたz方向上方部分が、上部12である。上部12には、吊り下げ孔15が形成されている。一方、切断線の下端辺からx方向左右に延びる折り曲げ線と切断線の下端辺とによって区画されたz方向下方部分が、下部11である。また、切断線のx方向左右に位置する部分が、連結部13の2つの矩形状部分となる。
【0040】
図4および
図5に示すように、下部11の背面11bには、接合部4を介して加熱前の筒状フィルム2が接合されている。上述したように、接合部4は、背面11bに接着剤を塗布することによって形成されている。この接着剤に筒状フィルム2を貼着することにより、筒状フィルム2が台材1に固定される。
図3および
図4に示した状態においては、筒状フィルム2は、台紙材料1Aに対してy方向後方側、すなわち下部11の背面11bおよび上部12の背面12b側にその全体が位置している。
【0041】
次いで、
図3および
図4に示した折り曲げ線に沿って台紙材料1Aに対して折り曲げ加工を施す。この折り曲げ加工において、下部11と上部12とがy方向に離間し、2つの連結部13の間から延出部12cが離脱する。これにより、
図6に示すように、延出部12cの形成痕によって空隙部14が形成され、上述した台材1が得られる。また、この折り曲げ加工に引き続き、筒状フィルム2の上方部分を空隙部14を通して上部12の前面12a側に露出させる。また、
図6に示すように、後述する被包装物3の挿入前に筒状フィルム2を略円筒状に開いておくことが好ましい。
【0042】
次いで、
図7に示すように、筒状フィルム2に被包装物3を挿入する。被包装物3の挿入は、図示されたようにz方向下方からでもよいし、上方からでもよい。この後は、たとえば所定温度に設定された熱風トンネル設備を用いて筒状フィルム2を熱収縮させることにより、筒状フィルム2を被包装物3に密着させる。以上の工程を経ることにより、包装体A1が得られる。
【0043】
次に、包装体A1の作用について説明する。
【0044】
本実施形態によれば、台材1のうち下部11が被包装物3に対してy方向前方に位置する。これにより、下部11の前面11aは、被包装物3に覆われること無く、購入者の目に触れることとなる。このため、前面11aに印刷された購入者に伝えるべき事項が、購入者に対して顕著に目立つ態様となる。一方、下部11の前面11aを目立つ位置におくことによっては、台材1は大型化していない。したがって、台材1を不当に大型化すること無く、包装体A1の見栄えを向上させることができる。特に、x方向において被包装物3を横切るようにロゴやポップを前面11aに配置することは、
図13に示された包装体Xにおいてはなしえない態様であり、このような包装体Xとともに包装体A1が陳列された場合、包装体A1に注目を集める効果が期待できる。
【0045】
被包装物3が、z方向において下部11と上部12とに重なっている。これにより、たとえば、下部11と連結部13との折り目または上部12と連結部13との折り目において、平坦に復帰しようとする復元力が発生しても、下部11と上部12とがy方向において接近してしまうことを被包装物3が阻止する格好となる。このような復元力が発生しなくても、上部12に形成された吊り下げ孔15によって包装体1全体を支持する姿勢を取ると、被包装物3の自重によって、下部11と上部12とをy方向において接近させる力が発生する。このような力に対しても、被包装物3が下部11と上部12との接近を阻止し、包装体A1の形状を適切に維持することができる。
【0046】
筒状フィルム2が下部11および上部12の双方と重なるサイズであることにより、被包装物3のより多くの部分を筒状フィルム2によって覆うことができる。これは、たとえば被包装物3の上端寄り部分が、下方部分から脱着可能なキャップなどである場合に、このキャップを筒状フィルム2によって覆うことにより、陳列状態においてキャップが取り去られることを防止することができるという利点がある。
【0047】
上部12に延出部12cを設けることにより、上述した下部11と上部12との接近を被包装物3によって阻止する効果をより高めることができるとともに、上部12の起立性を高め、上部12の広告機能(いわゆるPOP機能)をより効果的に発揮させることができる。また、延出部12cの形成痕によって空隙部14を構成することにより、
図3〜
図5に示した台紙材料1Aのすべてを台材1として活用することが可能であり、廃棄される資源を削減することができる。
【0048】
図8〜
図12は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
【0049】
図8および
図9は、本発明の第2実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A2は、被包装物3と台材1の上部12との位置関係が、上述した包装体A1と異なっている。なお、
図8は、包装体A2を斜め上方から見た斜視図であり、
図9は、
図8のIX−IX線に沿うyz平面における断面図である。
【0050】
本実施形態においては、被包装物3と上部12とがz方向において重なり合う部分が、包装体A1よりも縮小している。包装体A1においては、被包装物3は、上部12の延出部12cのみとz方向において重なっており、上部12のうち延出部12cよりも上方に位置する部分とは、z方向において重なっていない。また、被包装物3は、空隙部14を完全には貫通していない。しかし、本実施形態においても被包装物3の一部が、空隙部14に内在されている。
【0051】
このような実施形態によっても、台材1を不当に大型化すること無く、包装体A2の見栄えを向上させることができる。特に本実施形態においては、被包装物3は、z方向において上部12とは延出部12cのみと重なっており、これによって下部11と上部12とがy方向において接近してしまうことが阻止されている。すなわち、仮に上部12に延出部12cが設けられていない場合、本実施形態の被包装物3は、下部11と上部12とがy方向において接近してしまうことを防止することができない。したがって、延出部12cは、上述した通り空隙部14を形成するために廃棄される資源の削減を図るとともに、より多様なサイズの被包装物3を包装体A2に採用可能としうるという効果を奏する。
【0052】
図10および
図11は、本発明の第3実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A3は、台材1に上述した延出部12cが設けられていない点が、上述した包装体A1および包装体A2と異なっている。なお、
図10は、包装体A3を斜め上方から見た斜視図であり、
図11は、
図10のXI−XI線に沿うyz平面における断面図である。
【0053】
本実施形態においては、包装体A3を製造するための中間品が、
図3および
図4に示した状態において、台紙材料1Aにコの字状の切断線ではなく、空隙部14となる孔が形成される。このため、上部12には、延出部12cは設けられない。一方で、被包装物3は、空隙部14よりも上方において上部12と重なっており、空隙部14よりも下方において下部11と重なっている。
【0054】
このような実施形態によっても、台材1を不当に大型化すること無く、包装体A3の見栄えを向上させることができる。また、延出部12cを備えない構成であっても、被包装物3が下部11および上部12の双方の一部ずつにz方向において重なる構成であれば、包装体A3の形状を適切に維持することができる。
【0055】
図12は、本発明の第4実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A4は、台材1の下部11および上部12と被包装物3との前後関係が、上述した包装体A1〜A3と異なっている。
【0056】
本実施形態においては、下部11は、被包装物3に対してy方向後方に位置している。一方、上部12は、被包装物3に対してy方向前方に位置している。ただし、本実施形態においても、被包装物3がy方向において下部11と上部12との間に位置している点においては、上述した包装体A1〜A3と同様である。これに対応して、接合部4は、下部11の前面11aと筒状フィルム2との間に形成されている。
【0057】
また、本実施形態においては、上部12には延出部12cが設けられておらず、下部11に延出部11cが設けられている。延出部11cは、下部11のうちz方向において上部12が位置する側である上方側に向かって延出する部分であり、x方向において2つの連結部13の間に位置している。この場合、空隙部14は、延出部11cの形成痕によって構成されている。
【0058】
このような実施形態によっても、台材1を不当に大型化すること無く、包装体A4の見栄えを向上させることができる。また、延出部11cまで接合部4を延在させることが可能となるため、台材1と筒状フィルム2との接着強度を高めることができる。これにより、被包装物3が比較的重量物であっても筒状フィルム2が剥離することを抑制可能であり、安定して保持することができる。
【0059】
本発明に係る包装体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る包装体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、第1実施形態における包装体A1において、下部11に接合部4を設けたが、上部12の延出部12cに接合部4を設けてもよい。また、下部11と上部12との双方に接合部4を設けてもよい。この場合、上部12に設けられた接合部4は、たとえば感圧性接着剤等であることが好ましく、被包装物3が挿入された後に接着される必要がある。