特許第6202907号(P6202907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202907
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】真空絶縁スイッチギヤ
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/666 20060101AFI20170914BHJP
   H02B 13/035 20060101ALI20170914BHJP
   H02B 13/075 20060101ALI20170914BHJP
   H01H 33/662 20060101ALI20170914BHJP
   H01H 33/42 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H01H33/666 L
   H02B13/035 301G
   H02B13/035 A
   H02B13/035 301H
   H02B13/075
   H01H33/662 R
   H01H33/42 K
   H01H33/42 N
   H02B13/035 331
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-140537(P2013-140537)
(22)【出願日】2013年7月4日
(65)【公開番号】特開2015-15127(P2015-15127A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2016年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】水洗 正博
(72)【発明者】
【氏名】土屋 賢治
(72)【発明者】
【氏名】森田 歩
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直弥
(72)【発明者】
【氏名】森井 裕亮
(72)【発明者】
【氏名】雫石 將太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓介
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−120364(JP,A)
【文献】 特開昭60−205923(JP,A)
【文献】 実開平05−002346(JP,U)
【文献】 実開昭50−069648(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3165055(JP,U)
【文献】 特開2008−104338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/666
H01H 33/42
H01H 33/662
H02B 13/035
H02B 13/075
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流の入・切・断路・接地を行うスイッチを有し、固体絶縁物で覆われているモールドスイッチ部、該モールドスイッチ部を操作する操作装置、該操作装置を制御する制御装置を収納し、盤の正面下側に位置する開閉器部と、前記モールドスイッチ部のスイッチと電気的に接続されて負荷側に電力を供給するケーブルが収納され、盤の背面側に位置するケーブル接続部と、地絡又は短絡事故或いは真空圧の異常状態を表示する警報表示部及び前記開閉器部内のコネクタと電気的に接続される低電圧制御部内コネクタを収納し、盤の正面上側に位置する低電圧制御部と、機器同士を電気的に接続するための配線が盤内部を通過し、盤の中央上側に位置する配線接続部と、前記開閉器部の上方に位置する母線接続部とを備え、前記開閉器部、ケーブル接続部、低電圧制御部及び配線接続部は、それぞれ独立した箱状にモジュール化して構成されていると共に、前記モールドスイッチ部のスイッチと前記操作装置はレバーを介して接続され、かつ、前記スイッチの可動導体と、前記レバーに一端が接続されている操作ロッドの他端とが、接続部品を介して連結されている真空絶縁スイッチギヤであって、
前記接続部品は断面コの字型に形成され、この断面コの字型の接続部品の開放部分に前記スイッチの可動導体の一端が接続されると共に、前記断面コの字型の開放部分とは反対側の前記接続部品に前記操作ロッドの他端が接続され、かつ、前記接続部品は、前記スイッチの可動導体の一端との接続が解かれたら、前記操作ロッドに対して回転可能に構成され
前記断面コの字型の接続部品の開放部分と前記スイッチの可動導体の一端との連結は、両者に設けられた穴に連結ピンを通すことで行われ、前記断面コの字型の開放部分とは反対側の前記接続部品と前記操作ロッドの他端との接続は、前記接続部品に設けられたネジ穴に、ネジが切られた前記操作ロッドの他端を係合し、接続部品固定ボルトを締付けることで行われ、前記接続部品の前記操作ロッドに対する回転は、該操作ロッドのネジを前記接続部品のネジ穴に対して前記接続部品固定ボルトを緩めることで可能となり、前記接続部品を90°回すことで前記接続部品の開放部分が前記レバーの伸延方向を向くことを特徴とする真空絶縁スイッチギヤ。
【請求項2】
請求項1に記載の真空絶縁スイッチギヤにおいて、
前記接続部品の角部に、面取り加工が施されていることを特徴とする真空絶縁スイッチギヤ。
【請求項3】
請求項又はに記載の真空絶縁スイッチギヤにおいて、
前記ネジ穴は、前記断面コの字型の接続部品の上下方向の途中まで形成されていることを特徴とする真空絶縁スイッチギヤ。
【請求項4】
請求項又はに記載の真空絶縁スイッチギヤにおいて、
前記断面コの字型の接続部品の開放部分まで上下方向に貫通する穴を設け、該貫通穴の全長若しくは途中まで前記ネジ穴が形成されていることを特徴とする真空絶縁スイッチギヤ。
【請求項5】
請求項又はに記載の真空絶縁スイッチギヤにおいて、
前記ネジ穴の両端若しくは片方に、面取り加工が施されていることを特徴とする真空絶縁スイッチギヤ。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の真空絶縁スイッチギヤにおいて、
前記モールドスイッチ部のスイッチは、真空容器内において真空絶縁条件下で、二つの並列に配置された接点で入・切・断路を行う真空二点切り三位置型開閉スイッチと、該真空二点切り三位置型開閉スイッチの負荷側に接続されて真空容器内において真空絶縁条件下で、接地を行う真空接地開閉スイッチとからなることを特徴とする真空絶縁スイッチギヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空絶縁スイッチギヤに係り、特に、モールドスイッチ部のスイッチ可動導体と、リンク機構を介して操作装置に接続されている操作ロッドが、接続部品を介して連結されているものに好適な真空絶縁スイッチギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商業地の需要に対応するために変電所の増設が必要であるが、用地確保が困難なため、小形のスイッチギヤが望まれていた。
【0003】
一般に、スイッチギヤは、絶縁材料として主にSFガス、又は乾燥空気が用いられている。SFガスは、優れた絶縁性能を有していることからスイッチギヤの小形化に大きく貢献していたが、地球温暖化係数が二酸化炭素の23900倍というデータが公開されたため、1997年12月に行われた地球温暖化防止京都会議で採択された京都議定書において、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減対象物質とされた。
【0004】
このため、SFガスに変わる絶縁材料が求められていた。また、乾燥空気は、自然界に存在するものであり、環境負荷を与えない絶縁材料であるが、絶縁性能の事態はSFガス等の絶縁材料より劣るため、絶縁距離を多くとる必要があり、装置を大型化する必要があった。このため、絶縁距離を短くし地球温暖化に影響を与えない絶縁材料もつ真空絶縁スイッチギヤが開発された(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上述したように、真空絶縁スイッチギヤは、小形化と脱SFガスを目標に開発が進められたため、メンテナンス性や部品交換性は、犠牲にされていた。しかし、近年、予防保全の観点から、モールドスイッチ部を定期メンテナンス時に交換するニーズが増えてきた。
【0006】
一般的な真空絶縁スイッチギヤにあっては、例えば、特許文献1及び2に記載されているように、モールドスイッチ部のスイッチ可動導体と操作ロッドとの接続は、固定ピンにより行われていた。また、特許文献3及び4に記載されている開閉器のように、可動導体と操作ロッドとを接続部品を介して接続することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−120364号公報
【特許文献2】特開2008−104338号公報
【特許文献3】特開2008−104338号公報
【特許文献4】特開平11−40013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1乃至4では、定期メンテナンス時或いはスイッチ部の一部の部品に損傷が発生した場合に、スイッチ部を交換することはできず、従って、盤全体を交換する必要があることから、需要者にとって大きな負担となっていた。
【0009】
特に、モールドスイッチ部のスイッチ可動導体と、リンク機構を介して操作装置に接続されている操作ロッドとが、接続部品を介して連結されている真空絶縁スイッチギヤにあっては、従来の構造では、モールドスイッチ部を移動させることができず、モールドスイッチ部を交換するためには、全体を分解する必要があり、モールドスイッチ部を簡単に交換することが難しかった。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、全体を分解することなく、モールドスイッチ部を容易に交換することができる真空絶縁スイッチギヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の真空絶縁スイッチギヤは、上記目的を達成するために、電流の入・切・断路・接地を行うスイッチを有し、固体絶縁物で覆われているモールドスイッチ部、該モールドスイッチ部を操作する操作装置、該操作装置を制御する制御装置を収納し、盤の正面下側に位置する開閉器部と、前記モールドスイッチ部のスイッチと電気的に接続されて負荷側に電力を供給するケーブルが収納され、盤の背面側に位置するケーブル接続部と、地絡又は短絡事故或いは真空圧の異常状態を表示する警報表示部及び前記開閉器部内のコネクタと電気的に接続される低電圧制御部内コネクタを収納し、盤の正面上側に位置する低電圧制御部と、機器同士を電気的に接続するための配線が盤内部を通過し、盤の中央上側に位置する配線接続部と、前記開閉器部の上方に位置する母線接続部とを備え、前記開閉器部、ケーブル接続部、低電圧制御部及び配線接続部は、それぞれ独立した箱状にモジュール化して構成されていると共に、前記モールドスイッチ部のスイッチと前記操作装置はレバーを介して接続され、かつ、前記スイッチの可動導体と、前記レバーに一端が接続されている操作ロッドの他端とが、接続部品を介して連結されている真空絶縁スイッチギヤであって、前記接続部品は断面コの字型に形成され、この断面コの字型の接続部品の開放部分に前記スイッチの可動導体の一端が接続されると共に、前記断面コの字型の開放部分とは反対側の前記接続部品に前記操作ロッドの他端が接続され、かつ、前記接続部品は、前記スイッチの可動導体の一端との接続が解かれたら、前記操作ロッドに対して回転可能に構成され、前記断面コの字型の接続部品の開放部分と前記スイッチの可動導体の一端との連結は、両者に設けられた穴に連結ピンを通すことで行われ、前記断面コの字型の開放部分とは反対側の前記接続部品と前記操作ロッドの他端との接続は、前記接続部品に設けられたネジ穴に、ネジが切られた前記操作ロッドの他端を係合し、接続部品固定ボルトを締付けることで行われ、前記接続部品の前記操作ロッドに対する回転は、該操作ロッドのネジを前記接続部品のネジ穴に対して前記接続部品固定ボルトを緩めることで可能となり、前記接続部品を90°回すことで前記接続部品の開放部分が前記レバーの伸延方向を向くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、全体を分解することなく、モールドスイッチ部を容易に交換することができる真空絶縁スイッチギヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1を一部断面で示す側面図である。
図2】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1における開閉器部を一部断面して示す正面図である。
図3】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1に採用されるモールドスイッチ部を示す断面図である。
図4】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1に採用されるモールドスイッチ部と操作ロッドとの連結部を示す拡大側面図である。
図5】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1に採用されるモールドスイッチ部と操作ロッドとの連結部付近を示す斜視図である。
図6】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1に採用される断面コの字型の接続部品を示す斜視図である。
図7】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1に採用されるモールドスイッチ部の取外しを説明するための初期状態の図である。
図8】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1に採用されるモールドスイッチ部の取外しを説明するための取外し可能状態の図である。
図9】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1に採用されるモールドスイッチ部の取外しを説明するための取外し状態の図である。
図10】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例2である断面コの字型の接続部品を示す図である。
図11】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例3である断面コの字型の接続部品の例を示す正面図及び側面図である。
図12】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例3である断面コの字型の接続部品の他の例を示す正面図及び側面図である。
図13】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例3である断面コの字型の接続部品の更に他の例を示す正面図及び側面図である。
図14】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例3である断面コの字型の接続部品の更に他の例を示す正面図及び側面図である。
図15】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例3である断面コの字型の接続部品の更に他の例を示す正面図及び側面図である。
図16】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例3である断面コの字型の接続部品の更に他の例を示す正面図及び側面図である。
図17】本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例3である断面コの字型の接続部品の更に他の例を示す正面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図示した実施例に基づいて、本発明の真空絶縁スイッチギヤを説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には、同符号を使用する。
【実施例1】
【0016】
(全体構成説明)
図1乃至図3に、本発明の真空絶縁スイッチギヤの実施例1を示す。
【0017】
該図に示す如く、本実施例に係る真空絶縁スイッチギヤ1は、母線接続部1aと、開閉器部1b、ケーブル接続部1c、低電圧制御部1d及び配線接続部1eの5つの機能ごとに集約され、箱状にモジュール化された区画から構成されている。
【0018】
そして、開閉器部1bは、真空絶縁スイッチギヤ1の正面下側に位置し、ケーブル接続部1cは、真空絶縁スイッチギヤ1の背面側に位置されている。また、低電圧制御部1dは、真空絶縁スイッチギヤ1の正面上側に位置し、配線接続部1eは、真空絶縁スイッチギヤ1の中央上部で、ケーブル接続部1cと低電圧制御部1dの間に位置し、母線接続部1aは、開閉器部1bの上方に位置している。また、各区画の間は、それぞれボルトを用いて機械的に接続されている。
【0019】
次に、各区画について説明する。
【0020】
開閉器部1bには、真空容器内において真空絶縁条件下、二つの並列に配置された接点で入・切・断路を行う真空二点切り三位置型開閉スイッチ8と、この真空二点切り三位置型開閉スイッチ8の負荷側に接続されて真空容器内で真空絶縁条件下、接地を行う真空接地開閉スイッチ9と、ケーブル3側に配置されて負荷側への電力供給量を測定する電圧検出器10と、母線側に接続されて真空二点切り三位置型開閉スイッチ8に電力を供給する三相の母線接続用ブッシング5aと、ケーブル3側に接続される三相のケーブル接続用ブッシング20aとが配置されており、これら真空二点切り三位置型開閉スイッチ8、真空接地開閉スイッチ9、電圧検出器10、母線接続用ブッシング5a、ケーブル接続用ブッシング20aは、エポキシ樹脂12により一体にモールドされ、モールドスイッチ部1baを構成している。
【0021】
開閉器部1bには、更に、真空二点切り三位置型開閉スイッチ8及び真空接地開閉スイッチ9を駆動させる操作装置11と、この操作装置11用の制御装置部11aとが配置されており、低電圧制御部1dと面する箇所にはコネクタ1bgが配置されている。
【0022】
一方、母線接続用ブッシング5aは、真空二点切り三位置型開閉スイッチ8の上方であって、開閉器部1bの上部に空間として存在する母線接続部1aに突き出し、ケーブル接続用ブッシング20aは、ケーブル接続部1cに突き出している。また、ケーブル接続部1cには、開閉器部1bから突き出しているケーブル接続用ブッシング20aに対して回転可能に設けられたT型ケーブルヘッド20と、このT型ケーブルヘッド20に接続されて負荷側に電力を供給するケーブル3と、事故電流を検出するための変流器(CT)4が配置されている。
【0023】
更に、低電圧制御部1dには、盤の正面側の扉1daの背面側に配置されている保護リレー1db及び開閉器部1bと面する箇所にコネクタ1ddが配置されており、組立時に保護リレー1dbがコネクタ1bgと嵌め合わされ、開閉器部1bと低電圧制御部1dとが電気的に接続されている。また、低電圧制御部1dの正面側の扉1daの正面(即ち、盤の外となる)には、地絡、短絡事故、真空圧異常等を表示する警報表示部1dcが配置されている。そして、これらの機器は、低電圧制御部1dの正面側の扉1daの背面に保持されており、扉1daを開くことで、扉1daごと真空絶縁スイッチギヤ1の外部に引き出されるようになっている。
(真空バルブ構成)
次に、上述したモールドスイッチ部1baについて、図3を用いて詳述する。
【0024】
該図に示す如く、モールドスイッチ部1baを構成する真空二点切り三位置型開閉スイッチ8は、絶縁筒80a及び金属性端板80bとから構成されて内部が真空に保持されている真空容器80と、この真空容器80内に配置されている二対の固定接点81a、81bと、これら固定接点81a、81bに対向して配置されている可動接点82a、82bと、両可動接点82a、82bが接続され、操作装置11の駆動により可動し、ステンレス等のような高温でも焼鈍されない金属で補強された可動導体85と、この可動導体85に接続され、真空容器80内に配置されている真空絶縁操作ロッド86と、この真空絶縁操作ロッド86と操作装置11側とを連結する連結ロッド86aと、連結ロッド86aと操作装置11とを連結する気中絶縁操作ロッド88と、真空封止を保ったまま連結ロッド86aの動作を可能にするゴム又は金属製の第1のベローズ87と、気中絶縁操作ロッド88と連結ロッド86aとの連結部の周囲を覆うゴム又は金属製の第2のベローズ89と、真空容器80の内部に配置され、接点の開閉時のアークが絶縁筒80aに付着するのを防止するアークシールド90とから概略構成されている。
【0025】
真空二点切り三位置型開閉スイッチ8を構成する一方の固定接点81aは、フィーダ83を介して母線5に接続されており、他方の固定接点81bは、フィーダ84及びケーブル接続用ブッシング20aを介してT型ケーブルヘッド20に接続されている。
【0026】
一方、モールドスイッチ部1baを構成する真空接地開閉スイッチ9は、絶縁筒91a及び金属性端板91bとから構成されて内部が真空に保持されている真空容器91と、この真空容器91内に配置されている固定接点92と、固定接点92に対向配置されている可動接点93と、可動接点93に接続されている真空絶縁操作ロッド94と、真空封止を保ったまま真空絶縁操作ロッド94の動作を可能にするゴム又は金属製の第3のベローズ95と、真空容器91内部に配置され、接点の開閉時のアークが絶縁筒91aに付着するのを防止するアークシールド97とから構成されている。
【0027】
また、真空絶縁操作ロッド94は、第3のベローズ95を介して真空容器91外に導出されて真空接地開閉スイッチ9用の絶縁操作ロッド112に連結され、この絶縁操作ロッド112がレバー401を介して操作装置11に連結されている。
【0028】
このように構成される真空絶縁スイッチギヤ1においては、真空二点切り三位置型開閉スイッチ8における通電するための閉位置、負荷電流又は事故電流を遮断するための開位置、及び雷等のサージ電圧に対して点検作業者の安全を確保するための断路位置の3位置への切換え、及び真空接地開閉スイッチ9の入り切りは、レバー201、401(図1参照)を介して操作装置11によって操作されている。
【0029】
この操作装置11は、図2に示すように、大略的に真空二点切り三位置型開閉スイッチ8の可動接点82a及び82bを閉位置と開位置とに切換操作するための電磁操作方式の第1の操作装置200と、真空二点切り三位置型開閉スイッチ8の可動接点82a及び82bを開位置と断路位置とに切換操作するための電磁操作方式の第2の操作装置300、真空接地開閉スイッチ9の可動接点93を操作するための手動操作方式の第3の操作装置400、及び第1の操作装置200と第2の操作装置300を電気的に動作させるための制御装置部11aとからなっている。制御装置部11aは、制御基板11aa及びコンデンサ11abで構成されている。
【0030】
なお、第1の操作装置200と第3の操作装置400を、適宜配置変更することも可能である。更に、第1の操作装置200に電磁操作方式を適用したが、電動ばね方式等の他の操作方式を採用することも可能である。
【0031】
本実施例の真空絶縁スイッチギヤ1は、モールドスイッチ1baを構成する真空二点切り三位置型開閉スイッチ8の可動導体85側の気中絶縁操作ロッド88と、操作装置11に連結されるレバー201と接続している操作ロッド111とが、断面コの字型の接続部品113で接続されている。
(コの字型の接続部品構成)
次に、断面コの字型の接続部品113について、図4乃至図6を用いて説明する。
【0032】
該図に示す如く、本実施例における断面コの字型の接続部品113は、この断面コの字型の接続部品113の開放部分(凹部)113Aに、真空二点切り三位置型開閉スイッチ8の可動導体85に連結されている気中絶縁操作ロッド88の一端が接続されると共に、前記断面コの字型の開放部分(凹部)113Aとは反対側の接続部品113に操作ロッド111の他端が接続され、かつ、断面コの字型の接続部品113は、気中絶縁操作ロッド88の一端との接続が解かれたら、操作ロッド111に対して回転可能に構成されている。
【0033】
即ち、断面コの字型の接続部品113の開放部分(凹部)113Aと気中絶縁操作ロッド88の一端との接続は、断面コの字型の接続部品113及び気中絶縁操作ロッド88の一端に設けられた貫通穴113B及び88Aに連結ピン110を通すことで行われ、断面コの字型の開放部分(凹部)113Aとは反対側の断面コの字型の接続部品113と操作ロッド111の他端との接続は、断面コの字型の接続部品113に設けられたネジ穴113Cに、ネジが切られた操作ロッド111の他端を係合し、接続部品固定ボルト113Dを締付けることで行われ、断面コの字型の接続部品113の操作ロッド111に対する回転は、操作ロッド111に切られたネジを、断面コの字型の接続部品113のネジ穴113Cに対して接続部品固定ボルト113Dを緩めることで可能となるものである。
(モールドスイッチ部の取外し)
次に、上述した構成におけるモールドスイッチ部1baの取外しについて、図7乃至図9を用いて説明する。
【0034】
図7は、初期状態、即ち、断面コの字型の接続部品113の開放部分(図6の凹部)113Aと気中絶縁操作ロッド88の一端とが、断面コの字型の接続部品113及び気中絶縁操作ロッド88の一端に設けられた貫通穴113B及び88Aに連結ピン110を通すことで連結され、断面コの字型の開放部分(図6の凹部)113Aとは反対側の断面コの字型の接続部品113と操作ロッド111の他端とは、断面コの字型の接続部品113に設けられたネジ穴113Cに、ネジが切られた操作ロッド111の他端を係合し、接続部品固定ボルト113Dを締付けることで接続されている状態である。この状態では、真空接地開閉スイッチ9の真空絶縁操作ロッド94と絶縁操作ロッド112も、ボルトで固定されている。
【0035】
この図7の状態から断面コの字型の接続部品113につり金具(図示せず)を設置し、モールドスイッチ1baから断面コの字型の接続部品113を吊る。その後、モールドスイッチ1baを固定しているボルト(図示せず)を外し、図6に示す貫通穴113B及び88Aから連結ピン110を抜く。この状態で、操作ロッド111に切られたネジを、断面コの字型の接続部品113のネジ穴113Cに対して接続部品固定ボルト113Dを緩めると、断面コの字型の接続部品113が回転可能となるので、断面コの字型の接続部品113を90°回すと、断面コの字型の接続部品113の開放部分(凹部)113Aの貫通方向も90°回転し、断面コの字型の接続部品113の開放部分(凹部)113Aがレバー201の伸延方向(紙面の左右方向)を向くことになる。この状態が、図8である。
【0036】
また、この状態(図8の状態)では、真空接地開閉スイッチ9用の真空絶縁操作ロッド94と絶縁操作ロッド112は、ボルトが外され連結が解かれていると共に、ケーブル接続用ブッシング20aにT型ケーブルヘッド20を介して接続されているケーブル3等のケーブル接続部1cに設置されているケーブル一式も取り外されている。
【0037】
この図8の状態からモールドスイッチ部1baを、操作装置11とは反対方向(紙面左方向)に引き抜き移動させることによって、断面コの字型の接続部品113の開放部分(凹部)113Aから気中絶縁操作ロッド88の一端が、絶縁操作ロッド112から真空接地開閉スイッチ9用の真空絶縁操作ロッド94が、それぞれ操作装置11とは反対方向(紙面左方向)に移動することでモールドスイッチ部1baが外される。この状態が図9である。
【0038】
この状態(図9の状態)を継続してモールドスイッチ部1baを引き抜き、盤外に搬出する。その後、新しいモールドスイッチ部を、上述した引き抜きとは逆の工程を経て組立て図7の状態に戻すことで、モールドスイッチ部1baの交換は終了する。
【0039】
このような本実施例とすることにより、モールドスイッチ部1baを移動させることが可能となり、モールドスイッチ部1baの交換が必要になった場合には、全体を分解することなく、簡単にモールドスイッチ部1baを交換することができる効果がある。
【実施例2】
【0040】
図10に、本発明の真空絶縁スイッチギヤ1の実施例2である断面コの字型の接続部品113を示す。
【0041】
該図に示す本実施例では、断面コの字型の接続部品113の上方角部113Eに面取り加工を施したものである。なお、この面取り加工は、Rを付けても構わない。
【0042】
このような断面コの字型の接続部品113の構成であっても、その効果は、実施例1と同様である。
【実施例3】
【0043】
図11乃至図17に、本発明の真空絶縁スイッチギヤ1の実施例2である断面コの字型の接続部品113を示す。
【0044】
該図に示す本実施例では、断面コの字型の接続部品113に形成されているネジ穴113Cに工夫を施したものである。
【0045】
図11に示す例は、断面コの字型の接続部品113の開放部分113Aまで上下方向に貫通する穴113Fを設け、この貫通穴113Fの途中(中間付近)までにネジ穴113Cが形成されていると共に、ネジ穴113Cの上端のみが面取りされているものである。
【0046】
図12に示す例は、断面コの字型の接続部品113の開放部分113Aまで上下方向に貫通する穴113Fを設け、この貫通穴113Fの全長にネジ穴113Cが形成されていると共に、ネジ穴113Cの下端のみが面取りされているものである。
【0047】
図13に示す例は、断面コの字型の接続部品113の上下方向の途中(中間付近)までに穴113Gを設け、この穴113Gの全長にネジ穴113Cが形成されていると共に、ネジ穴113Cの下端のみが面取りされているものである。
【0048】
図14に示す例は、断面コの字型の接続部品113の開放部分113Aまで上下方向に貫通する穴113Fを設け、この貫通穴113Fの途中(中間付近)までにネジ穴113Cが形成されていると共に、ネジ穴113Cの両端に面取りされているものである。
【0049】
図15に示す例は、断面コの字型の接続部品113の開放部分113Aまで上下方向に貫通する穴113Fを設け、この貫通穴113Fの全長にネジ穴113Cが形成されていると共に、ネジ穴113Cの両端に面取りされているものである。
【0050】
図16に示す例は、断面コの字型の接続部品113の開放部分113Aまで上下方向に貫通する穴113Fを設け、この貫通穴113Fの全長にネジ穴113Cが形成されていると共に、ネジ穴113Cには面取りが施されていないものである。
【0051】
図17に示す例は、断面コの字型の接続部品113の上下方向の途中(中間付近)までに穴113Gを設け、この穴113Gの全長にネジ穴113Cが形成されていると共に、ネジ穴113Cには面取りが施されていないものである。
【0052】
このような断面コの字型の接続部品113の構成であっても、その効果は、実施例1と同様である。
【0053】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…真空絶縁スイッチギヤ、1a…母線接続部、1b…開閉器部、1ba…モールドスイッチ部、1bg、1dd…コネクタ、1c…ケーブル接続部、1d…低電圧制御部、1da…扉、1db…保護リレー、1dc…警報表示部、1e…配線接続部、3…ケーブル、4…変流器(CT)、5…母線、5a…母線接続用ブッシング、6c、6d…スペーサ、8…真空二点切り三位置型開閉スイッチ、9…真空接地開閉スイッチ、10…電圧検出器、11…操作装置、11a…制御装置部、11aa…制御基板、11ab…コンデンサ、12…エポキシ樹脂、20…T型ケーブルヘッド、20a…ケーブル接続用ブッシング、80、91…真空容器、80a、91a…絶縁筒、80b、91b…金属性製端板、81a、81b、92…固定接点、82a、82b、93…可動接点、83、84…フィーダ、85…可動導体、86、94…真空絶縁操作ロッド、86a…連結ロッド、87…第1のベローズ、88…気中絶縁操作ロッド、88A…気中絶縁操作ロッドの貫通穴、89…第2のベローズ、90、97…アークシールド、95…第3のベローズ、110…連結ピン、111…操作ロッド、112…絶縁操作ロッド、113…断面コに字型の接続部品、113A…断面コに字型の接続部品の開閉部分(凹部)、113B…断面コに字型の接続部品の貫通穴、113C…ネジ穴、113D…接続部品固定ボルト、113E…断面コに字型の接続部品の上方角部、113F…断面コに字型の接続部品の開放部分まで上下方向に貫通する穴、113G…断面コに字型の接続部品の上下方向途中まで形成されている穴、200…第1の操作装置、201、401…レバー、300…第2の操作装置、400…第3の操作装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17