特許第6202922号(P6202922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202922
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】パネル等の壁面固定具
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   E04F13/08 H
   E04F13/08 101M
   E04F13/08 S
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-155433(P2013-155433)
(22)【出願日】2013年7月26日
(65)【公開番号】特開2015-25294(P2015-25294A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2016年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】391045336
【氏名又は名称】オリジン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083127
【弁理士】
【氏名又は名称】恒田 勇
(72)【発明者】
【氏名】沢田 信義
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−047735(JP,U)
【文献】 実開昭55−072380(JP,U)
【文献】 実公昭46−032120(JP,Y1)
【文献】 特開平10−140665(JP,A)
【文献】 実開昭50−031022(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3020806(JP,U)
【文献】 特開平11−249611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
F16B 12/00 − 12/60
A47G 1/00 − 1/24
A47G 29/00 − 29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ止めとピン止めとのいずれかにより、若しくはその両方により壁面に密着することで固定し得るようプラスチックで平たく形成された固定基板が、壁面に対するパネル等の連結片としての主体であって、この固定基板と、パネル等の裏面に突出される頭部付き突起と、固定基板の端で出し入れ可能に組み込まれるスライド片とからなり、そのうち、固定基板は、スライド片が出入り可能に納まるスライド空間が内部に形成され、また、上面には頭部付き突起を避けてスライドが許容されるよう二股状の開き形状であって、その内股部にはスライド差し込みにより頭部付き突起にその脱出を阻止し得るよう絞り掛かる二股掛止縁が形成されており、さらにスライド片の二股両先端部に爪を突設し、スライド空間の両側縁には、スライド片を出入り二段階に位置決めに停止させるよう爪の係合部を設けてあることを特徴とするパネル等の壁面固定具。
【請求項2】
ネジ止めとピン止めとのいずれかにより、若しくはその両方により壁面に密着することで固定し得るようプラスチックで平たく形成された固定基板が、壁面に対するパネル等の連結片としての主体であって、この固定基板と、パネル等の裏面に突出される頭部付き突起と、固定基板の端で出し入れ可能に組み込まれるスライド片とからなり、そのうち、固定基板は、スライド片が出入り可能に納まるスライド空間が内部に形成され、また、上面には頭部付き突起を避けてスライドが許容されるよう二股状の開き形状であって、その内股部にはスライド差し込みにより頭部付き突起にその脱出を阻止し得るよう絞り掛かる二股掛止縁が形成されており、さらにスライド片には、基端部に仮止めとなる止ピンの通し孔が設けてあることを特徴とするパネル等の壁面固定具。
【請求項3】
壁面に面着する裏板フレームと、その下端で連結されV字開きに開閉されるガラスフレームとからなる額縁がパネル等であって、上端部において重ね合わせられる両フレームが二つ合わせで中空になる形状に形成され、そのうちの一方の上部フレームに固定基盤とスライド片とが組み込まれ、スライド片にはフレームの外にスライド操作可能に突出する摘みを設けてあり、他方の上部フレームには、V字の閉じに伴い固定基盤の通し抜穴に打ち込まれる頭部付き突起が具備されていることを特徴とする請求項1又は2記載のパネル等の固定金具。
【請求項4】
パネル等の裏面にビスを螺着し頭を浮かせた高さにおいて、細部と頭部とからなる頭部付き突起が具備されていることを特徴とする請求項1又は2記載のパネル等の壁面固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主としてパネルや額縁等(パネル等と総称することにする)を壁面に密着して取り付けるために使用する壁面固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パネルや額縁を壁掛けするには、壁にその受け金具と、紐掛けフックとを突設し、受け金具に支持された状態において、額縁が紐で前傾斜に支持される。しかし、これでは、受け金具やフック、紐のような壁掛けの仕組みや手段が丸見えとなり不体裁であった。また、パネルが傾斜に伴い凸となるので、スマートさの観点からみても不利であった。
【0003】
この点については、展示機能からみると、壁面に沿ってすっきりスマートに均一空間が生じていること(商業空間と称することとする)が望ましい。しかし、従来では、壁面からの傾斜凸の存在が、この現代風な商業的空間を取る上で障碍となっていた。
【0004】
一方、最近では、パネルの上部裏面に仕掛けが見えないよう引っ掛け具を用いた掛止手段がとられることが多い。これによると、パネルが垂直に近くなり、壁面に対して凸となる割合が少ない。しかし、壁面とパネル等との間に、掛止手段を取るための空間が過大に生じることは避けられなかった。したがって、壁面に対して壁面がスッキリするとは言い難く、また、下部は固定してないためフラフラしたり、下方から持ち上げると、はずれてしまう等の難点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上記のような実情に鑑みて、壁面に対して密着するように近接して固定することができ、しかも、その取付けの仕組みが外部からは見えなく、また、いたずらに不正に外されることもなく、複数で使用すればふらつくようなことも全くなく、パネル等の密着が確実に保持されることもあって、商業的空間とともに展示の安定・安全性を確保できるパネル等の壁面固定具を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本願は、ネジ止めとピン止めとのいずれかにより、若しくはその両方により壁面に密着することで固定し得るようプラスチックで平たく形成された固定基板が、壁面に対するパネル等の連結片としての主体であって、この固定基板と、パネル等の裏面に突出される頭部付き突起と、固定基板の端で出し入れ可能に組み込まれるスライド片とからなり、そのうち、固定基板は、スライド片が出入り可能に納まるスライド空間が内部に形成され、また、上面には頭部付き突起を避けてスライドが許容されるよう二股状の開き形状であって、その内股部にはスライド差し込みにより頭部付き突起にその脱出を阻止し得るよう絞り掛かる二股掛止縁が形成されているパネル等の壁面固定具に係る2発明を提供するもので、第1発明及び第2発明はそれぞれさらに加えて次の通り構成される。
第1発明:さらにスライド片の二股両先端部に爪を突設し、スライド空間の両側縁には、スライド片を出入り二段階に位置決めに停止させるよう爪の係合部を設けてあることを特徴とする。
第2発明:スライド片には、基端部に仮止めとなる止めピンの通し孔が設けてあることを特徴とする。
【0007】
パネル等の壁面固定具を上記のように構成したから、パネル等を壁面に取り付けるには、予め固定基盤を壁面に差しピン等で固着しておいて、その上を覆うようにしてパネル等を当て、スライド片を引いた状態で、パネル等の頭部付き突起を通し抜穴に差し込みながら、スライド片を押し込むと、二股掛止縁が頭部の上に掛かるために脱出不能となり、これでパネル等が固定基盤に対して密着状態を保持する。そして、第1発明では爪が係合部に係ることにより、また第2発明では止めピンで差し止めることによりそれぞれスライド片が仮止めされるのでスライド片の停止位置が安定する。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明のパネル等の壁面固定具によると、パネル等を壁面に対して密着するように固定することができ、しかも、その取付けの仕組みが外部からは見えないので、壁面がすっきりと体裁よくなることで商業空間が広がり、また、いたずらに不正に外されることもなく、展示の安定・安全性を同時に確保できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の壁面固定具をパネル等の取付け要領において示す斜視図である。
図2】同パネル等の壁面固定具の固定基盤を示す正面図である。
図3】パネル等の取付けを受け入れる体勢(取付け手前)で固定基盤を示す一部切り欠いた正面図である。
図4】壁面に対するパネル等の取付け(完了)状態を一部切り欠いて示す同じ部分の正面図である。
図5】壁面に対するパネル等の取付け状態を示す側面図である。
図6】パネル等の取付けについて、壁面固定具の使用例を示す正面説明図である。
図7】別の使用例を示す正面説明図である。
図8】さらに別の使用例を示す正面説明図である。
図9】固定基盤とスライド片との組合せをハッチングの断面表示にしてその差し込み未完時で示す平面説明図である。
図10】同じく差し込み完了時で示す平面説明図である。
図11】他の実施例を示す要部斜視図である。
図12】同実施例における固定基盤とスライド片との組合せにおいて差し込み未完の状態を断面で示す平面説明図である。
図13】同組合せにおいて差し込み完了の状態を断面で示す平面説明図である。
図14】この発明に係る額縁の使用状態図であって、(イ)図は、V開きの状態を、(ロ)図は、閉じの状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明のパネル等の壁面固定具Fは、前記の如く、壁面Wに密着する固定基盤1、パネルP等の裏面に突設される頭部付き突起3、固定基盤1に組み付けられるスライド片5とを一組とするものであるが、殊に、数組において、つまり対において使用することにより密着性、固定性が確実に得られる(例えば、図6図8参照)。
【0011】
また、実施例で示すように、パネルP等の下端のみで壁面固定具Fを使用し、上部では他の連結手段Tを用いても良いし(図6)、上端を吊紐19で吊り下げ固定しても良い(図1図5)。20は紐掛けを示す。
【実施例1】
【0012】
図1ないし図4に示すように、そのパネル等の壁面固定具Fは、壁面Wに密着して取り付ける固定基盤1と、パネルPの裏面に突出して取り付けられる頭部付き突起3と、固定基盤1に出し入れ自在に組み付けられるスライド片5とを一組とする。
【0013】
固定基盤1は、そのスライド空間8を有するが、プラスチックにより薄く矩形に形成され、矩形の幅中央部の下端部に頭部付き突起3が落ち込む通し抜穴6が設けられる。
【0014】
この固定基盤1は、差しピンとビスとの両方又は一方の使用により、壁面Wに固定できるようになっている。この点については、左右両端部に傾斜面7,7を設け、幅中央部に上下一対にネジ止穴9,9が設けられ、左右両端部に該部の斜面7,7に垂直になるように差しピン11,11の通し孔10,10が設けられる。
【0015】
スライド片5は、突起3を避け得るように、上に叉開く二股の開放形状であって、内股部には、二股掛止縁15,15が先方へ開き傾斜に形成される。前記固定基板1に対しては、その下から差し込むようにして組み付けられるが、組み付け完了手前では抜穴6が全開しているが(図2図3)、押し込んで組み付けが完了されると、抜孔6が二股掛止片15,15で絞るように左右から閉じられる。
【0016】
パネルPは、その下端部に、前記通し抜穴6に対応して、裏面において頭部付き突起3が突設されるが、簡便確実な方法として、この場合、裏面にビスを螺着してその頭部付き突起3を設け、その軸部を細部3aとしてその上に頭部3bを設けた。
【0017】
なお、実施例図の如く、下部のみによる密着した状態では、上部が不安定となるので、一般的には、他の密着手段あるいは掛止手段がとられることになる。この点については前記した通りである(図6図8)。まずは、下部においてのみ壁面固定具Fを使用する場合について説明する。
【0018】
この実施例の場合、壁面Wが石膏ボードであり、固定基盤1の取付けには、両端の斜面7,7から差しピン11,11、・・を斜め打ちして強固に密着固定される。壁面Wが石膏ボードである関係で、ビス止めするネジ止め孔9は使用しなかった。
【0019】
パネルPの取付け手順については、スライド片5を下げて通し抜穴6が全開した状態において、壁面WにパネルPを合わせつつ、裏面の頭部付き突起3を通し抜穴6に深く差入れながらスライド片5を差し込む。
【0020】
図4図5は、差し込み完了の取付け状態を示したもので、スライド片5の二股掛止縁15,15で挟みながら頭部付き突起3の細部3aを締め、両掛止縁15,15が掛かるために頭部3bが脱出不能となり、この状態で固定基盤1に対してパネルPが定着し、上端部では紐掛け20に密着して、全体が垂直状態を保持する。
【0021】
なお、止めピン17の通し孔13への差し込みにより、差し込み未完了と完了とのいずれの状態でも、スライド片5がずれないよう位置決め保持され得る。また、スライド片5の差し込み深さ程度についても、位置決めされるようになっている。これについては、図9および図10において詳細に説明する。
【0022】
図9および図10は、固定基盤1に対してスライド空間8を移動するスライド片5の二段階の位置を示したもので、スライド片5の出し入れ両方において、位置決め(仮止め)固定されるようになっている。なお、両図は、固定基盤1とスライド片5との構造を全面的に表わすとともに、スライド空間とスライド片とがハッチングにより境界を明確に区分された説明図として提示するものである。
【0023】
この両図から明らかなように、固定基盤1のスライド空間8には、中間部と奥端部とにそれぞれ左右一対の隆起状の係合部23,23が突設さる。これに対してスライド片5には、二股両先端部にそれらに係る爪27、27が突設される。
【0024】
図9は、スライド片5を引き出した差し込み未完の状態を示したもので、その二股両先端部の爪27,27が係合部23と副係合部23aとの間に掛かって一点に位置決めされている。また、止めピン17がこの状態を確実にしている。そして、この静止状態において全開している通し抜穴6に頭部付き突起3が障碍なく確実に通し込まれる。
【0025】
頭部付き突起3が差し込まれたときには、スライド片5を押し入れながら副係合部23aと隣接する係合部23を超えて押し込むと、今度は爪27,27が奥の係合部23,23と係合して仮止めされ、このときにスライド片5の二股両側縁15,15が頭部付き突起3を締めつけることになってその脱出を阻止することになる(図10図3参照)。
【実施例2】
【0026】
図11ないし図14は、他の実施例を示したもので、この場合は、パネル等が上にV字開できるようにした額縁2であって、アルミ押出形材で枠組みされる裏板フレーム29に対してガラスフレーム31が下端でV字開閉可能に連結されている。間に作品を差し挟む関係で、壁面Wに固定される裏板フレーム29に対してガラスフレーム31を「閉」に保持する必要があるので、固定基盤1、スライド片5および頭部付き突起3からなる壁面固定具Fが上端の開閉口に使用される。
【0027】
固定基盤1は、裏板フレーム29の上部フレーム29aに左右一対において取り付けられ、フレーム内面の蟻溝25を利用してネジ26,26止めされる。また、固定基盤1には、両端部間にスライド片5が横長に滑るスライド空間8が設けられ、中心部にはスライド空間8に頭部付き突起3が落ち込む通し抜穴6が設けられ、さらに上部の一部に該空間8が抜ける摘み口33が設けられる。また、スライド空間8の上下両側に、スライド片5の爪27,27が落ち込む切欠き状の係合部23,23が左右一対ずつ設けられる。
【0028】
スライド片5は、二股状の両先端部に爪27、27が形成されたもので、基部上端に摘み35が形成され、固定基盤1にはそれが突出する摘み口33が設けられ、摘み口33に対応して上部フレーム31aには、摘み35が突出する操作口34が切欠きにより形成される。
【0029】
頭部付き突起3は、ガラスフレーム31の上部フレーム31aに内装され、フレーム内溝40に嵌る取付片39にこの突起3が突設され、取付片39がネジで固定される。
【0030】
開閉使用については、スライド片5を引いた状態(図12)で両フレーム29,31を閉じると、頭部付き突起3が固定基盤1の通し抜穴6に落ち込むので、外部に露出している摘み35でスライド片5を移動させると、二股掛止片15,15で頭部付き突起3を締めつけることになって(図13図3参照)、脱出が阻止される結果、裏板フレーム29に対してガラスフレーム31の閉じ(図14ロ)が保持される。また、V字開き(図14イ)するときには、摘み35を復帰させて頭部付き突起3を引き上げてロック状態を解除する。
【符号の説明】
【0031】
F パネル等の壁面固定具
W 壁面
P パネル
1 固定基盤
2 パネル等としての額縁
3 頭部付き突起
3a 細部
3b 頭部
5 スライド片
6 通し抜穴
8 スライド空間
9 ネジ止め穴
10 通し孔
11 差しピン
13 通し孔
15 両側掛止縁
17 止めピン
27 爪
29 裏板フレーム
31 ガラスフレーム
33 摘み口
34 操作口
35 摘み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14