特許第6202933号(P6202933)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202933
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】バーハンドル車両用ブレーキ装置
(51)【国際特許分類】
   B62L 3/08 20060101AFI20170914BHJP
   B62L 3/00 20060101ALI20170914BHJP
   B60T 11/18 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B62L3/08
   B62L3/00 A
   B60T11/18
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-170620(P2013-170620)
(22)【出願日】2013年8月20日
(65)【公開番号】特開2015-39914(P2015-39914A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226677
【氏名又は名称】日信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】上原 和真
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−108977(JP,A)
【文献】 特開平11−105770(JP,A)
【文献】 特許第4532753(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62L 3/00 − 3/08
B60T 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪ブレーキと後輪ブレーキのいずれか一方を液圧式ブレーキ、他方を機械式ブレーキとし、第1ブレーキ操作子の操作によって、液圧マスタシリンダとレバー機構とを組み合わせて形成されるマスタシリンダユニットを介して、前記液圧式ブレーキを単独で作動させ、第2ブレーキ操作子の操作によって、前記マスタシリンダユニットを介して、前記液圧式ブレーキと前記機械式ブレーキとを連動して作動させ、前記レバー機構は、第1回動レバーと第2回動レバーとノッカーとイコライザレバーとを備え、前記第1ブレーキ操作子に繋がる第1ブレーキ連繋手段を、前記第1回動レバーに連結し、前記第1ブレーキ操作子の操作によって、前記第1回動レバーが押動する前記ノッカーを介して、前記液圧マスタシリンダのピストンを作動させて、前記液圧式ブレーキを単独で作動させ、前記イコライザレバーに、前記第2ブレーキ操作子に繋がる第2ブレーキ連繋手段と、前記機械式ブレーキに繋がる機械式ブレーキ側連繋手段と、前記第2回動レバーとを連結し、前記第2ブレーキ操作子の操作によって、前記イコライザレバーを介して前記機械式ブレーキ側連繋手段を牽引して前記機械式ブレーキを作動させると共に、前記イコライザレバーが前記第2回動レバーを回動させ、該第2回動レバーが押動する前記ノッカーを介して、前記液圧マスタシリンダのピストンを作動させて、前記液圧式ブレーキを連動して作動させるバーハンドル車両用ブレーキ装置において、
前記液圧マスタシリンダは、シリンダボディに、前記ピストンを内挿する有底のシリンダ孔が一端を開口して設けられ、前記シリンダボディの周壁に、前記シリンダ孔と作動液を貯蔵したリザーバとを連通させる配管の一端部を接続させる液通管が突設されると共に、
前記管部の先端部は、前記シリンダボディの周壁に形成された、前記シリンダ孔の軸線と交差する方向に突出する複数の突状部よりも前記シリンダボディの外周側に突出せず、
前記液通管の前記シリンダ孔に連通する管部の軸線は、前記ノッカーが回動する回動面と平行な平行面と、該平行面と直交する直交面とを除くその他の面に沿った方向に配置されることを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ装置。
【請求項2】
前記突状部は、前記第1ブレーキ連繋手段と、前記第2ブレーキ連繋手段と、前記機械式ブレーキ側連繋手段とをそれぞれガイドするガイド部であることを特徴とする請求項1記載のバーハンドル車両用ブレーキ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーハンドル車両用ブレーキ装置に係り、詳しくは、前輪ブレーキと後輪ブレーキのいずれか一方を液圧式ブレーキ、他方を機械式ブレーキとし、第1ブレーキ操作子の操作によって、液圧式ブレーキを単独で作動させ、第2ブレーキ操作子の操作によって、液圧式ブレーキと機械式ブレーキとを連動して作動させるバーハンドル車両用ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーハンドル車両用ブレーキ装置として、第1ブレーキ操作子の操作によって、マスタシリンダユニットを介して、液圧式ブレーキを単独で作動させ、第2ブレーキ操作子の操作によって、マスタシリンダユニットを介して、液圧式ブレーキと機械式ブレーキとを連動して作動させるものがある。このマスタシリンダユニットとして、液圧マスタシリンダとレバー機構とを組み合わせたものがあり、レバー機構は、第1回動レバー,第2回動レバー,ノッカー及びイコライザレバーの4個のレバーを備え、第1ブレーキ操作子の作動によって回動する第1回動レバーとノッカーとで、液圧式ブレーキを作動させ、第2ブレーキ操作子の作動によって回動するイコライザレバーと第2回動レバーとノッカーとで、液圧式ブレーキと機械式ブレーキとを連動して作動させるものがある。
【0003】
このようなマスタシリンダユニットの液圧マスタシリンダとして、シリンダボディに、ピストンを内挿する有底のシリンダ孔が下端側を開口して設けられ、シリンダボディの周壁の一側部に、車体取付ボルトを装着するボルト孔を備えた隆起部が形成されると共に、該隆起部のシリンダ軸方向中間位置にボス孔が形成され、該ボス孔に作動液を貯蔵したリザーバとシリンダ孔とを連通させる配管の一端部を接続させる液通管が取り付けられたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4532753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献1のものでは、連通管のシリンダ孔に連結される管部が、車体取付部の中間位置から、ノッカーの回動面に対して直交方向に突出し、管部の先端部が車体取付部よりもシリンダボディの外周側に配置されていることから、連通管がシリンダボディの外周側に大きく突出し、マスタシリンダユニットが大型化していた。
【0006】
そこで本発明は、リザーバに接続された配管を連結させる液通管の管部がシリンダボディの外周側に大きく突出することを抑制し、マスタシリンダユニットの小型化を図ることができるバーハンドル車両用ブレーキ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のバーハンドル車両用ブレーキ装置は、前輪ブレーキと後輪ブレーキのいずれか一方を液圧式ブレーキ、他方を機械式ブレーキとし、第1ブレーキ操作子の操作によって、液圧マスタシリンダとレバー機構とを組み合わせて形成されるマスタシリンダユニットを介して、前記液圧式ブレーキを単独で作動させ、第2ブレーキ操作子の操作によって、前記マスタシリンダユニットを介して、前記液圧式ブレーキと前記機械式ブレーキとを連動して作動させ、前記レバー機構は、第1回動レバーと第2回動レバーとノッカーとイコライザレバーとを備え、前記第1ブレーキ操作子に繋がる第1ブレーキ連繋手段を、前記第1回動レバーに連結し、前記第1ブレーキ操作子の操作によって、前記第1回動レバーが押動する前記ノッカーを介して、前記液圧マスタシリンダのピストンを作動させて、前記液圧式ブレーキを単独で作動させ、前記イコライザレバーに、前記第2ブレーキ操作子に繋がる第2ブレーキ連繋手段と、前記機械式ブレーキに繋がる機械式ブレーキ側連繋手段と、前記第2回動レバーとを連結し、前記第2ブレーキ操作子の操作によって、前記イコライザレバーを介して前記機械式ブレーキ側連繋手段を牽引して前記機械式ブレーキを作動させると共に、前記イコライザレバーが前記第2回動レバーを回動させ、該第2回動レバーが押動する前記ノッカーを介して、前記液圧マスタシリンダのピストンを作動させて、前記液圧式ブレーキを連動して作動させるバーハンドル車両用ブレーキ装置において、前記液圧マスタシリンダは、シリンダボディに、前記ピストンを内挿する有底のシリンダ孔が一端を開口して設けられ、前記シリンダボディの周壁に、前記シリンダ孔と作動液を貯蔵したリザーバとを連通させる配管の一端部を接続させる液通管が突設されると共に、前記管部の先端部は、前記シリンダボディの周壁に形成された、前記シリンダ孔の軸線と交差する方向に突出する複数の突状部よりも前記シリンダボディの外周側に突出せず、前記液通管の前記シリンダ孔に連通する管部の軸線は、前記ノッカーが回動する回動面と平行な平行面と、該平行面と直交する直交面とを除くその他の面に沿った方向に配置されることを特徴としている。
【0008】
た、前記突状部は、前記第1ブレーキ連繋手段と、前記第2ブレーキ連繋手段と、前記機械式ブレーキ側連繋手段とをそれぞれガイドするガイド部であると好適である。

【発明の効果】
【0009】
本発明のバーハンドル車両用ブレーキ装置によれば、リザーバに接続された配管を連結させる液通管は、シリンダ孔に連通する管部が、シリンダボディの外周側に大きく突出することを抑制できることから、マスタシリンダユニットの小型化を図ることができる。
【0010】
また、シリンダボディの周壁に、シリンダ孔の軸線と交差する方向に突出する複数の突状部が形成されている際には、突状部の間のデッドスペースに前記液通管を配置させ、管部の先端部が、突状部よりもシリンダボディの外周側に突出しないように配置されることから、マスタシリンダユニットを小型化させることができる。さらに、突状部は、第1ブレーキ連繋手段と、第2ブレーキ連繋手段と、機械式ブレーキ側連繋手段とをそれぞれガイドするガイド部であることにより、各ガイド部を介してシリンダ孔開口部付近に各ブレーキ連繋手段を案内することができ、レバー機構をシリンダ孔開口部付近に配置することができることから、マスタシリンダユニットの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一形態例を示すバーハンドル車両用ブレーキ装置の概略図である。
図2】同じくマスタシリンダユニットの一部断面正面図である。
図3】同じくマスタシリンダユニットの右側面図である。
図4】同じくマスタシリンダユニットの背面図である。
図5】同じくマスタシリンダユニットの左側面図である。
図6】同じくマスタシリンダユニットの平面図である。
図7】同じくマスタシリンダユニットの底面図である。
図8図2のVIII-VIII断面図である。
図9】本発明の一形態例を示すマスタシリンダユニットの斜視図である。
図10】同じく第1操作レバーのみを操作し、液圧式ブレーキのみを作動させた状態のマスタシリンダユニットの説明図である。
図11】同じく第2操作レバーのみを操作し、連動状態となった際のマスタシリンダユニットの説明図である。
図12】同じくさらに第2操作レバーのみを操作し、液圧式ブレーキの作動を規制した状態のマスタシリンダユニットの説明図である。
図13】同じくさらに第2操作レバーのみを操作し、液圧式ブレーキの作動を規制した状態のマスタシリンダユニットの背面図である。
図14】同じく双方の操作レバーを操作した際のマスタシリンダユニットの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至図14は、本発明の一形態例を示すもので、図1に示すように、本形態例のバーハンドル車両用のブレーキ装置1は、前輪ブレーキ2及び後輪ブレーキ3と、前輪ブレーキ用操作子4(本発明の第1ブレーキ操作子)と、後輪ブレーキ用操作子5(本発明の第2ブレーキ操作子)とを備え、前輪ブレーキ2と前輪ブレーキ用操作子4と後輪ブレーキ3と後輪ブレーキ用操作子5との間には、マスタシリンダユニット20が介装されている。
【0013】
尚、以下のマスタシリンダユニット説明で、左側及び右側とは、図1に示すような運転者側から見た正面視に対しての左側、右側であり、後輪ブレーキ操作子5側を左側、前輪ブレーキ操作子4側を右側として説明する。
【0014】
前輪ブレーキ2は、前輪と一体に回転するディスクロータ2aに、ピストンを備えたキャリパボディ2bを組み合わせた液圧式のディスクブレーキが用いられている。後輪ブレーキ3は、バックプレート3aに一対のブレーキシュー3b,3bを拡開可能に対向配置し、両ブレーキシュー3b,3bをアンカーピン3cを支点に拡開させる機械式のドラムブレーキが用いられている。
【0015】
前輪ブレーキ用操作子4は、ハンドルバー6に取り付けられた操作レバー4aを操作することにより、第1ブレーキワイヤ7(本発明の第1ブレーキ連繋手段)が牽引され、マスタシリンダユニット20の液圧マスタシリンダ21を作動させて、液圧配管8を介して、前輪ブレーキ2に液圧を供給して、該前輪ブレーキ2を単独で作動させる。
【0016】
後輪ブレーキ用操作子5は、ハンドルバー6に取り付けられた操作レバー5aを操作することにより、第2ブレーキワイヤ9(本発明の第2ブレーキ連繋手段)が牽引され、マスタシリンダユニット20を介して、後輪ブレーキ3を作動させる後輪用ブレーキワイヤ10(本発明の機械式ブレーキ用連繋手段)を牽引して後輪ブレーキ3を作動させると共に、マスタシリンダユニット20の液圧マスタシリンダ21を作動させて、液圧配管8を介して、前輪ブレーキ2に液圧を供給して、前輪ブレーキ2を連動して作動させる。
【0017】
マスタシリンダユニット20は、前輪ブレーキ2に液圧を供給する前記液圧マスタシリンダ21と、レバー機構40とを組み合わせたもので、レバー機構40は、第1回動レバー41と、第2回動レバー42と、ノッカー43と、イコライザレバー44とを備えている。
【0018】
液圧マスタシリンダ21は、シリンダボディ21aに有底のシリンダ孔21bが下端(本発明の一端)を開口して設けられ、シリンダ孔21bにはピストン22が移動可能に内挿されている。シリンダ孔21bの上壁部とピストン22との間には、液圧室(図示せず)が画成され、上壁部には、液圧室に連通する出力ポート(図示せず)が形成され、該出力ポートに前記液圧配管8の一端側がバンジョー23とバンジョーボルト24とを介して接続されている。また、液圧室には戻しスプリング(図示せず)が縮設され、該戻しスプリングの弾発力によりピストン22を常時シリンダ孔21bの開口側に付勢し、ピストン22は、シリンダ孔21bの下端側に形成された大径部に嵌着されたサークリップ22aに当接させることにより初期位置が設定されている。また、シリンダボディ21aの周壁の正面側には、隆起部21cがシリンダ軸方向に設けられ、該隆起部21cの略中央部にボス孔21dがシリンダ孔21bに連通して設けられ、該ボス孔21dに、作動液を貯留したリザーバ11に一端を接続した配管12の他端が接続される液通管25が設けられている。液通管25は、L字状に形成され、ボス孔21dに連結される第1管部25a(本発明の管部)と、配管12を接続する第2管部25bとを有している。さらに、隆起部21cのシリンダ孔開口側には、第1ブレーキワイヤ7をガイドする第1ワイヤガイド部21eが右側(前輪ブレーキ操作子4側)に突出して設けられ、隆起部21cの中央には、第2ブレーキワイヤ9をガイドする第2ワイヤガイド部21fが背面側(車体前方側)に突出して設けられている。また、前記ボス孔21dを挟んで上部壁側とシリンダ孔開口側とには、車体取付ボルトを装着するボルト孔21g,21gが形成されている。
【0019】
さらに、シリンダボディ21aの上部壁側正面には、ディレイスプリング26の係合片21hが突設されている。また、シリンダボディ21aの、シリンダ孔開口部近傍の正面側と背面側とには、一対のレバーホルダ21i,21iが突設されている。さらに、シリンダボディ21aのシリンダ孔開口側には、ストッパボルト装着ボス部21jが、レバーホルダ21i,21iよりも左側(後輪用ブレーキ操作子5側)に、突出して形成され、該ストッパボルト装着ボス部21jには、ストッパボルト27が取り付けられている。また、ストッパボルト装着ボス部21jの下面は、第2回動レバー42と当接して、第2回動レバー42の初期位置を設定する第2回動レバー当接面21kとなっている。さらに、シリンダボディ21aのシリンダ孔開口側の背面下部には、後輪用ブレーキワイヤガイド部21mが突設されている。
【0020】
レバー機構40は、レバーホルダ21i,21i間の正面側に第1回動レバー41の回動基部41aを、背面側に第2回動レバー42の回動基部42aを、第1回動基部レバーの回動基部41aと第2回動レバーの回動基部42aとの間にノッカー43の回動基部43aをそれぞれ配置し、レバーホルダ21i,21iと回動基部41a,42a,43aとに亘って、固定ピン28が装着されることにより、レバーホルダ21i,21iに第1回動レバー41と第2回動レバー42とノッカー43とが回動可能に連結され、第2回動レバー42の右側端部に設けられた連結腕42bに、イコライザレバー44の右端部に設けた第2回動レバー連結部44aが軸支される。
【0021】
第1回動レバー41は、前記回動基部41aからアジャストボルト取付部41bが延設され、該アジャストボルト取付部41bに、ノッカー43に当接するアジャストボルト29が突出量を調整可能に取り付けられている。さらに、アジャストボルト取付部41bの正面側には、第1ブレーキワイヤ7の端部を連結する第1ブレーキワイヤ連結部41cが設けられている。
【0022】
第2回動レバー42は、中央部に前記回動基部42aが形成され、回動基部42aの背面側に、第2回動基部42aの左右方向に延出する腕部が設けられている。腕部の右端側には、イコライザレバー44に連結される前記連結腕42bが設けられ、左端側には、前記ストッパボルト27を挟持する挟持片42cが形成される。さらに、挟持片42cの正面側にはディレイスプリング26の係合突起42dが突設されている。また、第2回動基部42aの右側端部には、ノッカー43に当接してノッカー43を押動させるノッカー押動部42eが形成され、左側端部には、第2回動レバー当接面21kに当接するボディ当接面42fが形成されている。ディレイスプリング26は、両端部に設けられる取付部26a,26aと、取付部26a,26aの間に形成される巻き線部26bとを備えた引張型のコイルスプリングで形成されている。
【0023】
ノッカー43は、回動基部43aの右側に、ピストン押動部43bが形成されている。ピストン押動部43bは、上部にピストン22の下端部に常時当接するピストン当接部43cが設けられている。ピストン押動部43bの下面には、ノッカー43に埋設されたボルト部材の頭部が配置されており、該ボルト部材の頭部が、前記アジャストボルト29と当接するアジャストボルト当接部43d(本発明の第1回動レバー当接部)となっている。さらに、ピストン押動部43bの下方には、第2回動レバー42の方向に突出する突部43eが形成され、該突部43eの下面に、前記ノッカー押動部42eに押動される第2回動レバー当接部43fが形成されている。
【0024】
イコライザレバー44は、シリンダボディ21aの背面側に配置され、一端部には、後輪用ブレーキワイヤ10を連結する後輪用ブレーキワイヤ連結部44bが、中央部には、第2ブレーキワイヤ9を連結する第2ブレーキワイヤ連結部44cが、他端部には、第2回動レバー42の連結腕42bと連結される前記第2回動レバー連結部44aとがそれぞれ形成されている。第2回動レバー連結部44aは二股状に形成され、該第2回動レバー連結部44aの間に連結腕42bを挿入し、連結ピン30を介して第2回動レバー連結部44aが連結腕42bに回動可能に連結される。
【0025】
前述の第1回動レバー41と、第2回動レバー42と、ノッカー43とは、レバーホルダ21i,21i間に回動可能にそれぞれ連結されると共に、第2回動レバー42の連結腕42bに連結ピン30を介して、イコライザレバー44の第2回動レバー連結部44aが連結され、イコライザレバー44の後輪用ブレーキワイヤ連結部44bに、後輪用ブレーキワイヤガイド部21mを介して引き込まれた後輪用ブレーキワイヤ10が、第2ブレーキワイヤ連結部44cに、第2ワイヤガイド部21fを介して引き込まれた第2ブレーキワイヤ9がそれぞれ連結される。また、第1回動レバー41の第1ブレーキワイヤ連結部41cに、第1ワイヤガイド部21eを介して引き込まれた第1ブレーキワイヤ7が連結される。さらに、シリンダボディ21aの係合片21hと、第2回動レバー42の係合突起42dとに、ディレイスプリング26の取付部26a,26aがそれぞれ取り付けられる。
【0026】
また、図6に示されるように、シリンダボディ21aに形成される液通管25は、第1管部25aの軸線L1が、ノッカー43が回動する回動面と平行な平行面F1と、該平行面F1と直交する直交面F2とを除くその他の面に沿った方向に配置され、本形態例では、第1管部25aの軸線L1は、水平面に対して斜め上方にやや傾いた状態方向に配置され、第2管部25bの軸線L2は、第1管部25aの先端部からが斜め下方を向くように配置されている。さらに第1管部25aの先端部は、第1ワイヤガイド部21e,第2ワイヤガイド部21f及び後輪ブレーキワイヤガイド部21mよりもシリンダボディ21aの外周側に突出しないように配置されている。
【0027】
上述のように形成されたマスタシリンダユニット20は、非作動状態では、図1乃至図9に示されるように、液圧マスタシリンダ21のピストン22は、戻しスプリングの弾発力により、シリンダ孔開口部方向へ付勢され、サークリップ22aとの当接により初期位置に配置されている。また、第1回動レバー41は、第1ブレーキワイヤ連結部41cに連結された第1ブレーキワイヤ7のテンションによって第1回動レバー41の初期位置が保持され、第2回動レバー42は、ディレイスプリング26の弾発力により、第2回動レバー当接面21kにボディ当接面42fが当接している。さらに、ノッカー43は、アジャストボルト当接部43dがアジャストボルト29の先端部と当接し、第2回動レバー当接部43fがノッカー押動部42eに接すると共に、ピストン当接部43cがピストン22と当接している。また、イコライザレバー44は、第2回動レバー連結部44aが連結腕42bと連結された状態で、第2ブレーキワイヤ9のテンションと後輪用ブレーキワイヤ10のテンションとが釣り合った状態となっていて、水平状態に保持されている。
【0028】
非作動状態から、前輪ブレーキ用操作子4が操作されると、図10に示されるように、第1ブレーキワイヤ7が牽引され、第1回動レバー41の第1ブレーキワイヤ連結部41cが上方に牽引され、第1回動レバー41が回動基部41aを中心に反時計回りに回動する。これに伴って、アジャストボルト29が、ノッカー43のアジャストボルト当接部43dを押動し、ノッカー43を、回動基部43aを中心に反時計回りに回動させ、ピストン当接部43cがピストン22を押動する。これにより、昇圧した作動液が、液圧配管8を介して、前輪ブレーキ2に液圧を供給し、前輪ブレーキ2を単独で作動させる。
【0029】
また、後輪ブレーキ用操作子5が操作されると、まず、図11に示されるように、第2ブレーキワイヤ9が牽引され、イコライザレバー44の第2ブレーキワイヤ連結部44cを介してイコライザレバー全体が上方に牽引される。これに伴って、後輪用ブレーキワイヤ連結部44bに連結している後輪用ブレーキワイヤ10が牽引され、後輪ブレーキ3を作動し始めると共に、イコライザレバー44の第2回動レバー連結部44aに連結している第2回動レバー42の連結腕42bも上方に牽引され、第2回動レバー42が、ディレイスプリング26の弾発力に抗して、回動基部42aを中心に反時計回りに回動し、ノッカー押動部42eがノッカー43の第2回動レバー当接部43fに当接して押動することにより、ピストン22が押動され、昇圧した作動液が、液圧配管8を介して、前輪ブレーキ2に液圧を供給し、前輪ブレーキ2を連動して作動させる。
【0030】
後輪ブレーキ操作子5が、さらに操作されると、図12に及び図13示されるように、イコライザレバー44がさらに上方に牽引されると共に、第2回動レバー42が回動基部42aを中心に反時計回りに回動し、一対の挟持片42c,42cが、ストッパボルト27の座面27aに当接して回動が規制されると共にノッカー43の回動が停止し、前輪ブレーキ2への液圧の供給が規制される。後輪ブレーキ操作子5が、さらに強く操作すると、一対の挟持片42c,42cが、ストッパボルト27の座面27aに当接して、第2回動レバー42の回動が規制された状態となっており、連結ピン30の位置が固定されていることから、イコライザレバー44が連結ピン30を中心に時計回りに回動し、後輪用ブレーキワイヤ10のみを牽引し、後輪ブレーキ3をさらに強く作動させる。
【0031】
また、図14に示されるように、前輪ブレーキ用操作子4と後輪ブレーキ用操作子5とを同時に強く入力すると、第1回動レバー41は、第1ブレーキワイヤ7に牽引されることにより単独で回動して、ピストン22を押動し、前輪ブレーキ2を強く作動させると共に、第2ブレーキワイヤ9に牽引されるイコライザレバー44の移動により、第2回動レバー42が、上述のように、挟持片42c,42cがストッパボルト27の座面27aに当接して回動が規制された状態となった後、イコライザレバー44が連結ピン30を中心に回動して、後輪用ブレーキワイヤ10を牽引し、後輪ブレーキ3を強く作動させる。
【0032】
本形態例は、上述のように、シリンダボディ21aに形成される液通管25は、第1管部25aの軸線L1が、ノッカー43が回動する回動面と平行な平行面F1と、該平行面F1と直交する直交面F2とを除くその他の面に沿った方向に配置され、第1管部25aが、水平面に対して斜め上方にやや傾いた状態方向に配置され、第2管部25bが第1管部25aの先端部からが斜め下方を向くように配置され、さらに、第1管部25aの先端部は、第1ワイヤガイド部21e,第2ワイヤガイド部21f及び後輪ブレーキワイヤガイド部21mよりもシリンダボディ21aの外周側に突出しないように配置されていることから、従来のように液通管25がシリンダボディ21aの外周側に大きく突出することがなく、マスタシリンダユニット20の小型化を図ることができる。また、液通管25を、第1ワイヤガイド部21eと第2ワイヤガイド部21fとの間のデッドスペースに配置することができることから、マスタシリンダユニット20を更に小型化させることができる。また、シリンダボディ21aに突設した第1ワイヤガイド部21eと第2ワイヤガイド部21fと後輪ブレーキワイヤガイド部21mとを介して、第1ブレーキワイヤ7,第2ブレーキワイヤ9及び後輪用ブレーキワイヤ10をシリンダ孔21bの開口部付近に案内することができることから、レバー機構40をシリンダ孔開口部付近に配置することができ、マスタシリンダユニット20の小型化を図ることができる。
【0033】
尚、本発明は、上述の各形態例に限るものではなく、液通管の第1管部の軸線は、ノッカーが回動する回動面と平行な平行面と、該平行面と直交する直交面とを除く他の面に沿った方向に配置されれば良く、本形態例のように水平面に対して斜め上方にやや傾いた状態方向に配置されるものに限らない。さらに、本発明の第1ブレーキ連繋手段や、第2ブレーキ連繋手段及び機械式ブレーキ用連繋手段は、上述の形態例のようにブレーキワイヤに限るものではない。また、後輪ブレーキを液圧式ブレーキ、前輪ブレーキを機械式ブレーキとしたものでも差し支えない。さらに、マスタシリンダユニットの車体への取付方向も任意である。
【符号の説明】
【0034】
1…ブレーキ装置、2…前輪ブレーキ、2a…ディスクロータ、2b…キャリパボディ、3…後輪ブレーキ、3a…バックプレート、3b…ブレーキシュー、3c…アンカーピン、4…前輪用ブレーキ操作子、4a…操作レバー、5…後輪用ブレーキ操作子、5a…操作レバー、6…ハンドルバー、7…第1ブレーキワイヤ、8…液圧配管、9…第2ブレーキワイヤ、10…後輪用ブレーキワイヤ、11…リザーバ、12…配管、20…マスタシリンダユニット、21…液圧マスタシリンダ、21a…シリンダボディ、21b…シリンダ孔、21c…隆起部、21d…ボス孔、21e…第1ワイヤガイド部、21f…第2ワイヤガイド部、21g…ボルト孔、21h…係合片、21i…レバーホルダ、21j…ストッパボルト装着ボス部、21k…第2回動レバー当接面、21m…後輪用ブレーキワイヤガイド部、22…ピストン、22a…サークリップ、23…バンジョー、24…バンジョーボルト、25…液通管、25a…第1管部、25b…第2管部、26…ディレイスプリング、26a…取付部、26b…巻き線部、27…ストッパボルト、27a…座面、28…固定ピン、29…アジャストボルト、30…連結ピン、40…レバー機構、41…第1回動レバー、41a…回動基部、41b…アジャストボルト取付部、41c…第1ブレーキワイヤ連結部、42…第2回動レバー、42a…回動基部、42b…連結腕、42c…挟持片、42d…係合突部、42e…ノッカー押動部、42f…ボディ当接面、43…ノッカー、43a…回動基部、43b…ピストン押動部、43c…ピストン当接部、43d…アジャストボルト当接部、43e…突部、43f…第2回動レバー当接部、44…イコライザレバー、44a…第2回動レバー連結部、44b…後輪用ブレーキワイヤ連結部、44c…第2ブレーキワイヤ連結部
図1
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