(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202998
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】放送受信機
(51)【国際特許分類】
H04N 21/4788 20110101AFI20170914BHJP
H04N 5/76 20060101ALI20170914BHJP
H04N 5/91 20060101ALI20170914BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20170914BHJP
H04H 60/46 20080101ALI20170914BHJP
H04H 60/33 20080101ALI20170914BHJP
H04H 60/72 20080101ALI20170914BHJP
H04N 21/466 20110101ALI20170914BHJP
【FI】
H04N21/4788
H04N5/76
H04N5/91
G06F13/00 547T
H04H60/46
H04H60/33
H04H60/72
H04N21/466
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-231906(P2013-231906)
(22)【出願日】2013年11月8日
(65)【公開番号】特開2015-95663(P2015-95663A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】河野 覚
(72)【発明者】
【氏名】小谷津 光則
(72)【発明者】
【氏名】賀澤 晃
(72)【発明者】
【氏名】東海林 秀人
(72)【発明者】
【氏名】木田 政宏
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 慶之
(72)【発明者】
【氏名】藤原 学
【審査官】
川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−028312(JP,A)
【文献】
特開2012−003509(JP,A)
【文献】
特開2009−130645(JP,A)
【文献】
特開2011−223571(JP,A)
【文献】
特開2013−114648(JP,A)
【文献】
特開2013−080988(JP,A)
【文献】
特開2012−226741(JP,A)
【文献】
特開2012−155695(JP,A)
【文献】
特開2012−134840(JP,A)
【文献】
特開2014−027636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
G06F 13/00
H04N 5/76 − 5/956
H04H 60/00 − 60/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が関心のある関心事項を決定する関心事項決定手段と、
前記関心事項決定手段によって決定された前記関心事項について、検出時点直前の所定時間の間、前記関心事項に対応する投稿数をカウントした値が所定数以上の場合に話題の盛り上がりを検出する盛り上がり検出手段と、
前記盛り上がり検出手段によって話題の盛り上がりが検出された場合に、この盛り上がりが現在放送中の番組の内容についてのものであるか、現時点よりも後に放送される番組の内容についてのものであるかを判定する番組内容判定手段と、
前記番組内容判定手段によって、盛り上がりが現在放送中の番組の内容についてのものである旨の判定が行われたときに、この現在放送中の番組を受信してその内容を出力する番組受信手段と、
前記番組内容判定手段によって、盛り上がりが現時点よりも後に放送される番組の内容についてのものである旨の判定が行われたときに、この番組の視聴あるいは記録を予約する番組予約手段と、
を備えることを特徴とする放送受信機。
【請求項2】
請求項1において、
前記関心事項決定手段は、過去に放送を受信した番組の内容に基づいて前記関心事項を決定することを特徴とする放送受信機。
【請求項3】
請求項2において、
前記関心事項決定手段は、過去に放送を受信した番組に対応するジャンルおよびキーワードの少なくとも一方を電子番組案内から抽出し、これらのジャンルおよびキーワードの少なくとも一方を前記関心事項として決定することを特徴とする放送受信機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、
前記盛り上がり検出手段は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの投稿情報に基づいて、前記関心事項に対応する話題の盛り上がりを検出することを特徴とする放送受信機。
【請求項5】
請求項4において、
前記盛り上がり検出手段は、前記投稿情報に含まれるハッシュダグに基づいて、前記関心事項に対応する話題の盛り上がりを検出することを特徴とする放送受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送によって配信された番組を受信し、その内容を出力する放送受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、放送番組の視聴中断後に利用者が予期しないほど盛り上がったシーンを検出した場合に、その旨を利用者に通知するようにしたテレビジョン装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このテレビジョン装置では、例えば、利用者が関心があるスポーツの実況中継番組を視聴していたが、試合内容がつまらなくて他の番組に切り替えたような場合に、その後、視聴を中止した実況中継番組が盛り上がったときにその旨が利用者に通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−161489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示されたテレビジョン装置では、利用者が関心があって受信した後に視聴を中断した番組については、その後盛り上がったシーンになったときにその旨が通知されるため、利用者は、この通知を受け取ってから再度番組を切り替えてこの盛り上がったシーンを視聴することができる。しかし、その前提としてその番組を予め視聴する必要があるため、利用者が関心があっても放送日や放送時間がわからずに、あるいはこれらを知っていてもこの放送が開始時点を忘れているような場合には、例えばこの番組において盛り上がりのシーンが到来してもこの番組を視聴することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、利用者が関心のある番組であって盛り上がっている場面を煩雑な操作を行わずに確実に視聴することができる放送受信機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の放送受信機は、利用者が関心のある関心事項を決定する関心事項決定手段と、関心事項決定手段によって決定された関心事項について、
検出時点直前の所定時間の間、関心事項に対応する投稿数をカウントした値が所定数以上の場合に話題の盛り上がりを検出する盛り上がり検出手段と、盛り上がり検出手段によって話題の盛り上がりが検出された場合に、この盛り上がりが現在放送中の番組の内容についてのものであるか、現時点よりも後に放送される番組の内容についてのものであるかを判定する番組内容判定手段と、番組内容判定手段によって、盛り上がりが現在放送中の番組の内容についてのものである旨の判定が行われたときに、この現在放送中の番組を受信してその内容を出力する番組受信手段と、番組内容判定手段によって、盛り上がりが現時点よりも後に放送される番組の内容についてのものである旨の判定が行われたときに、この番組の視聴あるいは記録を予約する番組予約手段とを備えている。
【0007】
利用者の関心事項について話題が盛り上がったときに、この盛り上がりの対象となる放送の有無が判定され、該当する現在放送中の番組が存在する場合にこの番組を受信して視聴する一連の動作を自動で行うことにより、利用者が関心のある番組であって盛り上がっている場面を煩雑な操作を行わずに確実に視聴することが可能となる。特に、後日放送予定の番組の紹介等を行うことにより話題が盛り上がった場合であっても、確実にその番組を視聴することができる。
【0008】
また、上述した関心事項決定手段は、過去に放送を受信した番組の内容に基づいて関心事項を決定することが望ましい。過去に受信した番組の内容を調べることにより、利用者の好み等がわかるため、興味を持っている関心事項を知ることができる。
【0009】
また、上述した関心事項決定手段は、過去に放送を受信した番組に対応するジャンルおよびキーワードの少なくとも一方を電子番組案内から抽出し、これらのジャンルおよびキーワードの少なくとも一方を関心事項として決定することが望ましい。これにより、容易に過去に受信した番組と関連する関心事項を設定することが可能となる。
【0010】
また、上述した盛り上がり検出手段は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの投稿情報に基づいて、関心事項に対応する話題の盛り上がりを検出することが望ましい。ソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用することにより、盛り上がりの有無を判定する対象となる人数を増やすことができ、利用者が関心のある番組に関する情報を広く広く入手することが可能となる。
【0011】
また、上述した盛り上がり検出手段は、投稿情報に含まれるハッシュダグに基づいて、関心事項に対応する話題の盛り上がりを検出することが望ましい。これにより、ソーシャル・ネットワーキング・サービスにおいて盛り上がっている話題を容易かつ確実に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態の車載装置の構成を示す図である。
【
図2】SNSの投稿情報に基づいて盛り上がりの有無を決定する動作手順を示す流れ図である。
【
図3】SNSにおいて話題の盛り上がりがあったときに、対応する番組への切替や予約を行う動作手順を示す流れ図である。
【
図4】盛り上がりの検出結果に応じて番組切替や番組予約を行う説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の放送受信機を適用した一実施形態の車載装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の車載装置の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の車載装置100は、ディスクプレーヤ12、TVチューナ14、ラジオチューナ16、ハードディスク装置(HDD)18、制御部30、操作部40、通信装置42、音声出力回路50、スピーカ52、映像出力回路60、表示装置62を含んで構成されている。
【0014】
ディスクプレーヤ12は、ディスク型記録媒体としてのDVD、CDに記録された音声や映像を再生する。なお、本明細書における「音声」には人や動物などの音声の他に、楽器が発生する音や、人工的に合成された音なども含まれる。また、DVDやCDは一例であって、ブルーレイディスク等のその他のディスク型記録媒体を再生対象としてもよい。
【0015】
TVチューナ14は、地上波デジタル放送を受信し、配信された各番組に対応する映像や音声の再生、視聴予約、録画予約を行う。ラジオチューナ16は、ラジオ放送を受信し、配信された各番組に対応する音声を再生する。また、配信された番組が文字放送に対応している場合には、表示対象となる文字の表示処理が行われる。ハードディスク装置18は、TVチューナ14で録画予約された番組を録画する場合に、この録画番組の圧縮映像データ等を格納する。これらのディスクプレーヤ12、TVチューナ14、ラジオチューナ16、ハードディスク装置18のそれぞれが、操作部40、通信装置42、音声出力回路50、映像出力回路60とともに制御部30に接続されている。
【0016】
制御部30は、車載装置100の全体を制御するとともに、ディスクプレーヤ12、TVチューナ14、ラジオチューナ16のそれぞれに対応する音声情報を音声出力回路50に向けて出力するとともに映像情報を映像出力回路60に向けて出力する。また、制御部30は、コンピュータとしての構成を有しており、ROMやRAMに記憶された所定の動作プログラムをCPUを用いて実行することにより実現される。
【0017】
操作部40は、利用者がディスクプレーヤ12等の操作指示を行うためのものであり、各種のスイッチを備える。なお、表示装置62の画面に装着されたタッチパネルを操作部40として用い、画面に表示された操作ボタン等を利用者が指などで直接指し示して各種の操作指示や選択指示を行うようにしてもよい。
【0018】
通信装置42は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以後、「SNS」と称する)の投稿情報を取得するためのものであり、SNSサーバ(図示せず)との間でデータ通信を行う。最も一般的には携帯電話などが用いられるが、インターネットに接続可能であれば近距離通信モジュールや無線LANモジュールなどを通信装置42として用いるようにしてもよい。また、携帯電話を通信装置42として用いる場合には、通信装置42として車載装置100に内蔵する場合の他に、所定のケーブルや無線通信方式によって接続して外付けの携帯電話を用いるようにしてもよい。
【0019】
音声出力回路50は、制御部30から入力される音声情報に基づいて音声信号を生成し、車室内に設けられたスピーカ52から出力する。映像出力回路60は、制御部30から入力される映像情報に基づいて映像信号を生成し、車室内に設けられた表示装置62の画面にこの映像信号に対応する映像(画像)を表示する。
【0020】
ところで、上述した車載装置100は、SNSにおいて話題の盛り上がりがあったときに、この盛り上がりが現在放送中の地上波デジタル放送の番組内容についてのものである場合にはこの番組に切り替え、この盛り上がりが後日放送予定の番組内容についてのものである場合にはこの番組の視聴予約あるいは録画予約を行うようになっている。この動作を可能にするために、制御部30は、EPG(電子番組案内)取得部31、関心事項決定部32、投稿情報取得部33、盛り上がり検出部34、番組内容判定部35、番組受信切替部36、番組予約部37を備えている。
【0021】
EPG取得部31は、TVチューナ14によって地上波デジタル放送のEPGを受信し、これを取得する。関心事項決定部32は、過去に地上波デジタル放送を受信した番組の内容に基づいて、利用者が関心のある関心事項を決定する。具体的には、関心事項決定部32は、過去に受信した番組に対応するジャンルおよびキーワードの少なくとも一方(望ましくは両方)をEPGから抽出し、これらジャンルやキーワードを関心事項として決定する。例えば、番組のジャンルとして「音楽番組」や「サッカー」など、キーワードとして「出場アーティスト名」や「試合名」などが抽出される。また、ジャンルやキーワードは、抽出されたものが全て関心事項に該当するわけではなく、その中から抽出回数が多いもの(所定回数以上)、あるいは、抽出回数が上位にあるもの、などが選択されて一あるいは複数の関心事項が決定される。
【0022】
投稿情報取得部33は、通信装置42を介してインターネット接続を行い、外部のSNSサーバからSNSの投稿情報を取得する。例えば、SNSの一つであるTwitter(ツイッター、登録商標)の投稿情報(ツイート)を取得するものとする。なお、Facebook(フェイスブック、登録商標)やブログ、ミニブログ、マイクロブログなどの投稿情報を取得するようにしてもよい。
【0023】
盛り上がり検出部34は、関心事項決定部32によって決定した関心事項について、話題の盛り上がりを検出する。
【0024】
番組内容判定部35は、盛り上がり検出部34によって話題の盛り上がりが検出された場合に、この盛り上がりが現在放送中の番組の内容についてのものであるか、現時点よりも後に放送される番組の内容についてのものであるかを判定する。
【0025】
番組受信切替部36は、番組内容判定部35によって盛り上がりが現在放送中の番組の内容についてのものである旨の判定が行われたときに、この現在放送中の番組を受信してその内容を出力(映像表示)する指示を行う。
【0026】
番組予約部37は、番組内容判定部35によって盛り上がりが現時点よりも後に放送される番組の内容についてのものである旨の判定が行われたときに、この番組の視聴予約あるいは録画予約を行う。
【0027】
上述した関心事項決定部32が関心事項決定手段に、盛り上がり検出部34が盛り上がり検出手段に、番組内容判定部35が番組内容判定手段に、TVチューナ14、番組受信切替部36、音声出力回路50、スピーカ52、映像出力回路60、表示装置62が番組受信手段に、番組予約部37が番組予約手段にそれぞれ対応する。
【0028】
本実施形態の車載装置100はこのような構成を有しており、次に、その動作を説明する。
図2は、SNSの投稿情報に基づいて盛り上がりの有無を決定する動作手順を示す流れ図である。投稿情報取得部33がツイッターの投稿情報(ツイート)を取得すると(ステップ100)、盛り上がり検出部34は、この投稿情報が、関心事項決定部32によって決定した関心事項に関するものであるか否かを判定する(ステップ102)。ツイッターの投稿情報の場合には、その内容識別に役立つハッシュタグ(#○○)が付加されていることが多いため、このハッシュタグの内容が関心事項(出現回数が多いジャンルやキーワード)と一致(あるいは類似を含めてもよい)するか否かを調べることにより、ステップ102の判定が行われる。なお、ハッシュタグを用いるのではなく(あるいは、ハッシュタグとともに)投稿情報の内容自体に関心事項と一致する文字列が含まれるか否かを調べるようにしてもよい。関心事項と関係ない場合(ハッシュタグの内容が関心事項と一致しない場合)には否定判断が行われ、ステップ100に戻って投稿情報の取得動作が繰り返される。
【0029】
また、取得した投稿情報が関心事項に関するものである場合(ハッシュタグの内容が関心事項と一致する場合)には肯定判断が行われ、盛り上がり検出部34は、この投稿情報を集計する(ステップ104)。集計は、関心事項毎に投稿情報の数を、一定時間にわたってカウントすることにより行われる。例えば、直前の数分間についてこれらのカウントが行われる。次に、盛り上がり検出部34は、集計されたカウント値に基づいて関心事項毎の盛り上がりの有無を決定する(ステップ106)。例えば、所定数以上のカウント値を有する場合には関心事項について盛り上がったと判定され、所定数に達しないカウント値を有する場合には関心事項について盛り上がらなかったと判定される。このようにして盛り上がりの有無判定後、ステップ100に戻って投稿情報の取得動作が繰り返される。
【0030】
図3は、SNSにおいて話題の盛り上がりがあったときに、対応する番組への切替や予約を行う動作手順を示す流れ図である。番組内容判定部35は、盛り上がり検出部34によって盛り上がりが検出されたか否かを判定する(ステップ200)。盛り上がりが検出されていない場合(
図2のステップ106において「盛り上がりなし」と判定)には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、盛り上がりが検出された場合(
図2のステップ106において「盛り上がりあり」と判定)にはステップ200の判定において肯定判断が行われる。
【0031】
次に、番組内容判定部35は、EPG取得部31を介してEPGを取得し(ステップ202)、現在地上波デジタル放送で放送中の番組について盛り上がっているか否かを判定する(ステップ204)。具体的には、EPGに基づいて、現在放送中の各番組に対応するジャンルやキーワードを抽出し、これらのジャンルやキーワードが、盛り上がりの対象となっている関心事項と一致するか否かを調べることにより、現在放送中の番組についての盛り上がりの有無を知ることができる。放送中の番組について盛り上がっている場合にはステップ204の判定において肯定判断が行われる。
【0032】
次に、番組受信切替部36は、盛り上がっている放送中の番組の視聴を切り替える(ステップ206)。例えば、それまでディスクプレーヤ12を用いてDVD再生が行われていた場合には、この再生動作が中断されて、TVチューナ14によって切替対象の番組受信が開始される。また、それまでTVチューナ14によって別の番組を受信中の場合には、切替対象の番組受信に切り替えられる。さらに、それまでDVD再生動作や番組受信動作を行っていない場合には、新たにTVチューナ14によって切替対象の番組受信が開始される。
【0033】
次に、盛り上がり検出部34は、このようにして切り替えられた番組について盛り下がったか否か、具体的には、
図2のステップ106における判定結果が「盛り上がりあり」から「盛り上がりなし」に変化したか否かを判定する(ステップ208)。盛り下がっていない場合には否定判断が行われ、ステップ206に戻って番組視聴が継続される。また、盛り下がった場合にはステップ208の判定において肯定判断が行われ、番組受信切替部36は、ステップ206において切り替えるまでの状態に戻す処理が行われる(ステップ210)。例えば、切替前にDVD再生が行われていた場合には、DVD再生を中断箇所から再生する動作が行われる。その後、ステップ200に戻って盛り上がり検出の有無判定が繰り返される。
【0034】
また、盛り上がりが検出されたが現在放送中の番組について盛り上がっているわけではない場合にはステップ204の判定に否定判断が行われる。次に、番組内容判定部35は、取得したEPGに基づいて、後日放送の番組で盛り上がっているのか否かを判定する(ステップ212)。例えば、盛り上がり検出に用いられた投稿情報(ハッシュタグの内容が関心事項と一致した投稿情報)の内容を調べ、放送日時に関する記載を抽出し、この日時に放送している番組の中に、着目している関心事項と一致したジャンルやキーワードを有する番組があるか否かをEPGに基づいて確認する。このような番組がある場合にはステップ212の判定において肯定判断が行われる。次に、番組予約部37は、この番組の視聴予約あるいは録画予約を行う(ステップ214)。その後、ステップ200に戻って盛り上がり検出の有無判定が繰り返される。なお、該当する番組がない場合にはステップ212において否定判断が行われ、ステップ200に戻って盛り上がり検出の有無判定が繰り返される。
【0035】
図4は、盛り上がりの検出結果に応じて番組切替や番組予約を行う説明図である。
図4において、最初の盛り上がりaは、放送Aの番組A1の内容に関するものであり、盛り上がりを検出してから盛り下がりを検出するまで、DVD再生動作が中断されて、番組A1の視聴に切り替えられる。また、次の盛り上がりbは、後日放送予定の番組B1についてのものであるため、盛り上がり検出時点ではDVD再生動作は中断されず、この後日放送予定の番組B1について視聴予約あるいは録画予約が行われる。
【0036】
このように、本実施形態の車載装置100では、利用者の関心事項について話題が盛り上がったときに、この盛り上がりの対象となる放送の有無が判定され、該当する現在放送中の番組が存在する場合にこの番組を受信して視聴する一連の動作を自動で行うことにより、利用者が関心のある番組であって盛り上がっている場面を煩雑な操作を行わずに確実に視聴することが可能となる。特に、後日放送予定の番組の紹介等を行うことにより話題が盛り上がった場合であっても、確実にその番組を視聴することができる。
【0037】
また、過去に受信した番組の内容を調べることにより、利用者の好み等がわかるため、興味を持っている関心事項を知ることができる。特に、過去に放送を受信した番組に対応するジャンルおよびキーワードの少なくとも一方をEPGから抽出し、これらのジャンルおよびキーワードの少なくとも一方を関心事項として決定しており、容易に過去に受信した番組と関連する関心事項を設定することが可能となる。
【0038】
また、SNSを利用することにより、盛り上がりの有無を判定する対象となる人数を増やすことができ、利用者が関心のある番組に関する情報を広く入手することが可能となる。特に、ツイッターの投稿情報(ツイート)に含まれるハッシュダグに基づいて、関心事項に対応する話題の盛り上がりを検出することにより、SNSにおいて盛り上がっている話題を容易かつ確実に知ることができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、車両に搭載された車載装置100について説明したが、車両以外に設置されたテレビジョン受信機やパーソナルコンピュータ等の家庭用あるいはその他の装置に本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
上述したように、本発明によれば、利用者の関心事項について話題が盛り上がったときに、この盛り上がりの対象となる放送の有無が判定され、該当する現在放送中の番組が存在する場合にこの番組を受信して視聴する一連の動作を自動で行うことにより、利用者が関心のある番組であって盛り上がっている場面を煩雑な操作を行わずに確実に視聴することが可能となる。特に、後日放送予定の番組の紹介等を行うことにより話題が盛り上がった場合であっても、確実にその番組を視聴することができる。
【符号の説明】
【0041】
12 ディスクプレーヤ
14 TVチューナ
30 制御部
31 EPG取得部
32 関心事項決定部
33 投稿情報取得部
34 盛り上がり検出部
35 番組内容判定部
36 番組受信切替部
37 番組予約部
40 操作部
42 通信装置
100 車載装置