(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記情報比較部は、前記収集情報を収集したときの時刻のうち、比較し始める時刻から一定の時間範囲内同士の前記収集情報を比較する、請求項1に記載の端末管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に開示された技術は、特定の出来事の発生に合わせて動作するアプリケーションの場合には有効である。例えば、端末Aと端末Bのユーザ同士が喫茶店に入り会話を行い、その会話にマッチするサービスをアプリケーションが提供するような形態の場合には有効である。非特許文献1では会話の発生を検知することでアプリケーションが動作するため、その時点で取得する周辺環境情報の類似性の検証を行えばよい。
しかしながら、長期的な周辺環境情報の収集と、その長期データを利用するアプリケーションの場合には無効となる。例えば、周辺環境情報を用いて端末Aの所有者と同じ所有者である他の端末Bを探索し、同じ所有者であることが分かった事実をもとにマーケティングに活用するようなアプリケーションがそれに該当する。その場合には端末Aと端末Bは、ある時点では近傍に存在したり、ある時点では遠方に存在したりする可能性がある。そのため、端末Aと端末Bが遠方に存在する場合の周辺環境情報の類似性について、検証結果は低い類似性を示してしまい、同一ユーザが所有する端末とは判断できない。そのため、時間毎に変化する類似性に依存することなく同一ユーザの所有する端末であると判断できることが望まれる。
【0006】
本発明は、時間毎に変化する類似性に依存することなく同一ユーザの所有する端末であると判断できる端末管理装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、以下のような解決部を提供する。
(1) ユーザが所有する端末から情報を収集する端末管理装置であって、前記端末が収集した収集情報であって前記端末の通信情報を含む収集情報を、前記端末の識別情報に対応付けて記憶する端末情報記憶部と、前記ユーザが所有する前記端末であることが特定された前記端末について、前記端末の識別情報を記憶する端末特定済記憶部と、前記収集情報を、前記端末が収集したときの時刻と共に、前記端末から受信する端末情報受信部と、前記端末情報受信部によって受信された前記端末の前記収集情報である第1の端末の収集情報を、前記第1の端末の識別情報に対応付けて、前記端末情報記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記第1の端末の識別情報が前記端末特定済記憶部に記憶されていない場合に、前記端末情報記憶部に記憶されている前記第1の端末の収集情報と、前記第1の端末の識別情報とは異なる第2の端末の収集情報とについて、前記収集したときの時刻が同一の範囲内同士の前記収集情報を比較する情報比較部と、前記情報比較部によって比較された前記収集情報が類似するか否かを判断する類似性判断部と、前記類似性判断部によって類似すると判断された場合に、前記第1の端末と前記第2の端末とが同一の前記ユーザに所有されるものと特定し、前記第1の端末の識別情報と、前記第2の端末の識別情報とを対応付けて前記端末特定済記憶部に記憶させる端末特定部と、を備える端末管理装置。
【0008】
(1)の構成によれば、端末管理装置は、端末が収集した収集情報であって端末の通信情報を含む収集情報を、端末が収集したときの時刻と共に、端末から受信し、受信した端末の収集情報である第1の端末の収集情報を、第1の端末の識別情報に対応付けて、端末情報記憶部に記憶させる。そして、端末管理装置は、第1の端末の識別情報が端末特定済記憶部に記憶されていない場合に、端末情報記憶部に記憶されている第1の端末の収集情報と、第1の端末の識別情報とは異なる第2の端末の収集情報とについて、収集したときの時刻が同一の範囲内同士の収集情報を比較し、比較した収集情報が類似するか否かを判断し、類似すると判断した場合に、第1の端末と第2の端末とが同一のユーザに所有されるものと特定し、第1の端末の識別情報と、第2の端末の識別情報とを対応付けて端末特定済記憶部に記憶させる。
【0009】
したがって、(1)に係る端末管理装置は、端末について、時間毎に変化する類似性に依存することなく同一ユーザの所有する端末であると判断できる。その結果、端末管理装置は、ユーザの行動分析に寄与し潜在的なニーズを発掘するための有効な情報を提供することができる。
【0010】
(2) 前記情報比較部は、前記収集情報を収集したときの時刻のうち、比較し始める時刻から一定の時間範囲内同士の前記収集情報を比較する、(1)に記載の端末管理装置。
【0011】
したがって、(2)に係る端末管理装置は、端末について、時間毎に変化する類似性に依存することなく同一ユーザの所有する端末であると精度よく判断できる。その結果、端末管理装置は、ユーザの行動分析に寄与し潜在的なニーズを発掘するための有効な情報を提供することができる。
【0012】
(3) 前記類似性判断部は、前記収集情報同士の類似度を算出し、算出した類似度が閾値以上である場合に、類似すると判断する、(1)又は(2)に記載の端末管理装置。
【0013】
したがって、(3)に係る端末管理装置は、端末について、時間毎に変化する類似性に依存することなく同一ユーザの所有する端末であるとさらに精度よく判断できる。その結果、端末管理装置は、ユーザの行動分析に寄与し潜在的なニーズを発掘するための有効な情報を提供することができる。
【0014】
(4) 前記端末の識別情報が同一の前記収集情報について、第1の時刻情報に対応する前記収集情報と、前記第1の時刻情報よりも所定の時間だけ過去の時刻情報に対応する前記収集情報とを比較して自己類似度を算出し、前記自己類似度の算出を所定の日数分だけ実行して前記自己類似度の平均値を算出し、算出した前記自己類似度の平均値が所定の閾値よりも小さいか否かを判断する自己相関判断部をさらに備える、(1)から(3)のいずれか一項に記載の端末管理装置。
【0015】
したがって、(4)に係る端末管理装置は、ユーザが変更になった端末を検出することができるので、時間毎に変化する類似性に依存することなく同一ユーザの所有する端末であるとさらに精度よく判断できる。その結果、端末管理装置は、ユーザの行動分析に寄与し潜在的なニーズを発掘するための有効な情報を提供することができる。
【0016】
(5) (1)に記載の端末管理装置が実行する方法であって、前記端末情報受信部が、前記収集情報を、前記端末が収集したときの時刻と共に、前記端末から受信する端末情報受信ステップと、前記記憶制御部が、前記端末情報受信ステップによって受信された前記端末の前記収集情報である第1の端末の収集情報を、前記第1の端末の識別情報に対応付けて、前記端末情報記憶部に記憶させる記憶制御ステップと、前記情報比較部が、前記第1の端末の識別情報が前記端末特定済記憶部に記憶されていない場合に、前記端末情報記憶部に記憶されている前記第1の端末の収集情報と、前記第1の端末の識別情報とは異なる第2の端末の収集情報とについて、前記収集したときの時刻が同一の範囲内同士の前記収集情報を比較する情報比較ステップと、前記類似性判断部が、前記情報比較ステップによって比較された前記収集情報が類似するか否かを判断する類似性判断ステップと、前記端末特定部が、前記類似性判断ステップによって類似すると判断された場合に、前記第1の端末と前記第2の端末とが同一の前記ユーザに所有されるものと特定し、前記第1の端末の識別情報と、前記第2の端末の識別情報とを対応付けて前記端末特定済記憶部に記憶させる端末特定ステップと、を備える方法。
【0017】
したがって、(5)に係る方法は、端末について、時間毎に変化する類似性に依存することなく同一ユーザの所有する端末であると判断できる。その結果、(5)に係る方法は、ユーザの行動分析に寄与し潜在的なニーズを発掘するための有効な情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、端末について、時間毎に変化する類似性に依存することなく同一ユーザの所有する端末であると判断できる。その結果、端末管理装置は、ユーザの行動分析に寄与し潜在的なニーズを発掘するための有効な情報を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図に従って説明する。
図1は、本発明の一実施形態における想定環境を示す図である。
あるユーザの所有する端末50群は、常に一緒に移動するものと想定する。例えば、端末50A−1と端末50A−2はユーザAが所有する端末50群で、端末50B−1と端末50B−2はユーザBが所有する端末50群とする。そのため端末50A−1と端末50A−2は常に同じ場所に存在する。ある時刻では場所Aに存在し、ある時刻では場所Cに存在し、再びある時刻では場所Aに存在する。また、端末50B−1と端末50B−2においては、場所Bから場所Eに移動し、場所Eから場所Bに戻る。
なお、場所Cでは端末50A−1、端末50A−2、端末50B−1、端末50B−2が一緒に存在し、場所Dと場所Eでは別々の場所に存在することを示している。また、各端末50は、当該端末50周辺の環境情報や当該端末50が検出するセンサ値、当該端末50の位置情報、当該端末50の通信量といった収集情報を、端末管理装置10に送信する。
端末管理装置10は、受信した収集情報を処理することで、各端末50と類似性の高い他方の端末50を検出する。
また、端末50には、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)を所有し移動体通信網を利用して端末管理装置10と直接接続する端末50もあれば、ある端末50が無線LANルータモードになり、他の端末50がその無線LANルータモードの端末50を介して端末管理装置10と接続する端末50もあれば、ある端末50がBluetooth(登録商標)のマスターの役割を担い、他の端末50がBluetoothのスレーブの役割を担い、スレーブ側の端末50がマスター側の端末50を介して端末管理装置10に接続する端末50もある。
【0021】
図2は、本実施形態における端末50と端末管理装置10の構成例を示すブロック図である。端末50と端末管理装置10とは、端末50の通信部と端末管理装置10の通信部とを介して互いに通信を行う。
【0022】
端末50は、端末通信部51と、情報収集部52と、収集情報送信部53と、収集情報記憶部54とを備える。以下、各部毎に説明する。
【0023】
収集情報記憶部54は、情報収集部52によって収集された、通信情報を含む情報を、時刻情報に対応付けて記憶する。
【0024】
情報収集部52は、通信情報を含む情報を定期的に収集し、収集した収集情報を収集情報記憶部54に記憶させる。具体的には、情報収集部52は、定期的に周辺環境情報やセンサ値情報、位置情報、通信量情報等の情報を収集する。情報収集部52は、収集したときの時刻情報を、収集した情報に対応付けて収集情報記憶部54に記憶させる。
【0025】
情報収集部52は、周辺環境情報の定期収集を、端末管理装置10での類似性の高い端末50の検出を容易にするために、各端末50で同時刻に取得するとしてもよい。また、収集情報送信時刻は、端末50の起動直後に取得した位置情報等の周辺環境情報を基に自動生成され、次回の電源起動後までに維持されるものとする。
【0026】
端末50は、端末管理装置10から、ユーザが特定されたことについての通知を受信し、その情報を記憶するとしてもよい。端末50は、特定されていることを示す情報も合わせて、収集情報と共に端末管理装置10に送信することによって、端末管理装置10の処理を軽減するとしてもよい。
【0027】
収集情報送信部53は、収集情報記憶部54に記憶された収集情報を、収集したときの時刻と共に、端末通信部51を介して端末管理装置10に送信する。収集情報送信部53は、収集情報記憶部54に記憶された収集情報を、端末通信部51を介して端末管理装置10に定期的に送信する。収集情報送信部53は、送信する際に、端末50の識別情報を合わせて端末管理装置10に送信する。収集情報送信部53は、最新の収集情報のみを端末管理装置10に送信するために、送信後、記憶させた収集情報を消去する。
【0028】
端末管理装置10は、管理通信部11と、端末情報受信部12と、記憶制御部13と、情報比較部14と、類似性判断部15と、端末特定部16と、自己相関判断部17と、端末情報記憶部31と、端末特定済記憶部32とを備える。以下、各部毎に説明する。
【0029】
端末情報記憶部31は、端末50が収集した収集情報であって端末50の通信情報を含む収集情報を、端末50の識別情報に対応付けて記憶する。
収集情報は、後述される
図4で示されるように、端末50が収集した周辺の環境情報であり、端末50の通信情報(例えば、ユーザのある端末50が無線LANルータモードとなり、ユーザの他の端末50がその無線LANルータモードの端末50を介して通信する場合等の通信情報)を含む。
【0030】
端末特定済記憶部32は、ユーザが所有する端末50であることが特定された端末50の識別情報を記憶する。すなわち、端末特定済記憶部32は、あるユーザの所有する端末50であることが特定された端末50を記憶する。
【0031】
端末情報受信部12は、端末50によって収集された収集情報を、端末50が収集したときの時刻と共に、端末50から管理通信部11を介して受信する。
【0032】
記憶制御部13は、端末情報受信部12によって受信された収集情報を、端末50の識別情報に対応付けて、端末情報記憶部31に記憶させる。
すなわち、記憶制御部13は、端末情報受信部12によって受信された識別情報に合致する、端末情報記憶部31に記憶された識別情報の各収集情報を更新したり、追加したりする。
【0033】
情報比較部14は、端末情報受信部12によって受信された端末50の識別情報が端末特定済記憶部32に記憶されていない場合に、端末情報受信部12によって受信された端末50の収集情報である第1の収集情報と、端末特定済記憶部32に記憶されている端末50に対応する収集情報である第2の収集情報とについて、収集したときの時刻が同一の範囲内同士の収集情報を比較する。情報比較部14は、比較し始める時刻から一定の時間範囲内同士の収集情報を比較する。
【0034】
類似性判断部15は、情報比較部14によって比較された収集情報が類似するか否かを判断する。類似性判断部15は、収集情報同士の類似度を算出し、算出した類似度が閾値以上である場合に、類似すると判断する。
具体的には、類似性判断部15は、同一日時での各収集情報の類似性を示す算出された類似度の全てを加算し、収集情報の個数で除算した平均値を算出し、算出した類似度の平均値がある一定の閾値以上だった場合に、2つの収集情報に類似性があると判断する。
類似性判断部15は、接続中の無線LAN端末50や接続中のBluetooth端末50の中に、当該端末50の端末名が含まれていたり、無線LANルータモードのときに発出するSSIDの文字列が含まれていた場合に、一定の日数の範囲内で、何日間接続したことがあるかを数え、閾値以上の接続日数だった場合に、高類似性の端末50同士であると判断してもよい。このような判断により、類似性判断部15は、テザリングやBluetooth接続の際に、一時的な利用を除外し、ある一定の日数の間、接続したことを確認することで、収集情報の類似性を正確に判断することが可能となる。
【0035】
端末特定部16は、類似性判断部15によって類似すると判断された場合に、第1の端末と第2の端末とが同一のユーザに所有されるものと特定し、第1の端末の識別情報と、第2の端末の識別情報とを対応付けて端末特定済記憶部32に記憶させる。
【0036】
さらに、自己相関判断部17は、端末50の識別情報が同一の収集情報について、第1の時刻情報に対応する収集情報と、第1の時刻情報よりも所定の時間だけ過去の時刻情報に対応する収集情報とを比較して自己類似度を算出し、自己類似度の算出を所定の日数分だけ実行して自己類似度の平均値を算出し、算出した自己類似度の平均値が所定の閾値よりも小さいか否かを判断する。端末特定部16は、自己類似度の平均値が所定の閾値よりも小さい端末50を、所有者が変更されたものとみなし、端末特定済記憶部32から削除する。
図3から
図13に従って、さらに具体的に説明する。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態に係る端末50の処理を示すフローチャートである。端末50は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成され、以下の処理は、制御部(例えば、端末50のCPU)が所定のソフトウェアに従い実行する処理である。この処理は、端末50が自動的にバックグラウンドで行う。
【0038】
(ステップS100):端末50は、後述する
図4に示す収集情報(例えば、周辺環境情報、センサ値情報、位置情報、通信量等)を定期的に収集する。
(ステップS101):端末50は、収集情報送信時刻に達していた場合、蓄積された周辺環境情報等を端末管理装置10に送信する。端末50は、IMSIやMACアドレスといった端末50のAPIで取得可能な識別情報も合わせて送信する。また、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチ、スマートグラス、端末名、型番といった端末50の種類を識別できる情報も合わせて送信する。
【0039】
図4は、本発明の一実施形態における収集情報の例を示す図である。
図4を参照し、端末50側で記憶される収集情報の具体例を説明する。
端末50は、周辺の環境情報を定期的に収集し、収集した情報は、収集したときの時刻情報に対応付けられて記憶される。また、端末50は、定期的に収集情報を送信するまでの間、収集した情報を収集情報記憶部54に記憶し、収集情報を端末管理装置10に送信した場合、収集情報記憶部54の収集情報を消去する。
収集される周辺環境情報は、無線LAN情報、Bluetooth情報、位置情報、センサ値、接続中の端末50情報、通信量等を含む。さらに、無線LAN情報は、端末50が周辺探索した無線LANのSSID(Service Set Identifier)の文字列リスト、各SSIDに対応するBSSID(Basic Service Set Identifier)(MACアドレス)、電波強度を含む。Bluetooth情報は、端末50が周辺探索したBluetooth対応端末50の端末名リスト、各端末名に対応するMACアドレス、電波強度を含む。
また、収集情報を送信する端末50に接続されている他の端末50が存在している場合において、周辺環境情報は、端末50が周辺環境情報を取得する際に接続中の無線LANのSSIDの文字列、無線LANのBSSID(MACアドレス)、Bluetooth端末名、Bluetooth端末50のMACアドレス、及び基地局のセルID等を含む。また、通信量は、周辺環境情報を取得した前回の時刻から、今回の時刻までに通信したパケット送受信量を含む。
【0040】
図5は、本発明の一実施形態に係る端末管理装置10の処理を示すフローチャートである。端末管理装置10は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成され、以下の処理は、制御部(例えば、端末管理装置10のCPU)が所定のソフトウェアに従い実行する処理であり、受信した収集情報の端末50の識別情報が端末特定済記憶部32に記憶されていない場合に、実行される処理である。
【0041】
(ステップS200):端末管理装置10は、収集情報の類似性を検証する対象の端末50(例えば、端末50Aとする)における、一の収集情報を取得する。
【0042】
(ステップS201):端末管理装置10は、端末50Aと異なる他の端末50(例えば、端末50Bとする)における収集情報のうち、ステップS200の収集情報の時刻情報と同一時刻の収集情報と、ステップS200における一の収集情報との存在する項目の類似度Sjを算出し、算出した類似度を時刻情報に対応付けて記憶する。
【0043】
(ステップS202):端末管理装置10は、予め定められたT1時間分の収集情報の比較を行ったか否かを判断する。端末管理装置10は、T1時間分の比較が完了していないと判断した場合、ステップS200に戻り、前回の時刻から所定時間だけ後の時刻の収集情報について同様の処理を行う。T1時間分の比較が完了していると判断した場合、端末管理装置10は、次のステップS203に進む。
【0044】
(ステップS203):端末管理装置10は、T1時間分の記憶した類似度を加算し、T1時間分で除算することでT1時間分の類似度の平均値S1を算出する。
【0045】
(ステップS204):端末管理装置10は、算出した類似度の平均値S1が、ある閾値Xよりも大きいか否かを判断する。端末管理装置10は、平均値S1が閾値Xよりも大きいと判断した場合、ステップS205に進む。平均値S1が閾値Xよりも大きくないと判断した場合、端末管理装置10は、ステップS206に進む。
【0046】
(ステップS205):端末管理装置10は、端末50Aと端末50Bとを同一ユーザの所有する端末50群としてグループ化し、処理を終了する。
【0047】
(ステップS206):端末管理装置10は、変数Countにプラス1を加算する(初期値は0)。
【0048】
(ステップS207):端末管理装置10は、ステップS200〜ステップS203の繰り返し処理で比較完了した時刻情報から、さらに次の時刻情報について比較対象とする。
【0049】
(ステップS208):端末管理装置10は、ステップS207の比較対象とする収集情報と、その収集情報の時刻情報と同じ時刻情報の端末50Bの収集情報との類似度Sjを算出する。
【0050】
(ステップS209):端末管理装置10は、ステップS203で算出したS1の類似度の平均値にSjを加算する。
【0051】
(ステップS210):端末管理装置10は、T1とは異なる新たに定義した時間T2分の収集情報による比較が完了したか否かを判断する。端末管理装置10は、T2時間分の比較が完了していないと判断した場合、ステップS207に戻り、さらに、次の時刻情報について比較対象の候補とし、ステップS207〜S210の繰り返し処理が行われる。端末管理装置10は、T2時間分の比較が完了していると判断した場合、ステップS211に進む。
【0052】
(ステップS211):端末管理装置10は、T1+T2時間分の類似度の平均値S2を算出する。
【0053】
(ステップS212):端末管理装置10は、変数Countにプラス1を加算する。
【0054】
(ステップS213):端末管理装置10は、T1+T2時間分の類似度の平均値S2が閾値Xより大きいか否かを判断する。端末管理装置10は、T1+T2時間分の類似度の平均値S2が閾値Xよりも大きいと判断した場合、ステップS216に進む。端末管理装置10は、T1+T2時間分の類似度の平均値S2が閾値X以下と判断した場合、ステップS214に進む。
【0055】
(ステップS214):端末管理装置10は、変数Countが予め定義されたMaxCountと同じか否かを判断する。端末管理装置10は、CountがMaxCountと同じ値であると判断した場合、ステップS217に進む。端末管理装置10は、CountがMaxCountと異なる値であると判断した場合、ステップS215に進む。
【0056】
(ステップS215):端末管理装置10は、T1にT2を加算したものをT1とする。また、T1時間分の類似度を、T1+T2時間分の類似度とする。その後、端末管理装置10は、ステップS207に戻り、さらに次の時刻情報の収集情報を、比較対象として処理が繰り返される。
【0057】
(ステップS216):端末管理装置10は、端末50Aと端末50Bとを同一ユーザの所有する端末50群としてグループ化し、処理を終了する。
オペレーター側では、所有端末50特定済記憶部に記憶された情報を活用し、マーケティング活動を行う。
【0058】
(ステップS217):端末管理装置10は、端末50Aを1台のみで1グループとしてグループ化し、処理を終了する。
【0059】
図6は、本発明の一実施形態に係る端末管理装置10が類似性を判断する具体例1を示す図である。
図7は、本発明の一実施形態に係る端末管理装置10が類似性を判断する具体例2を示す図である。
図6、
図7を用いて端末管理装置10における類似性の高い収集情報を収集する端末50の検出の具体例を示す。
【0060】
図6(a)は、収集情報記憶部54に記憶されている、端末50Aの収集情報を示す図である。
図6(b)は、収集情報記憶部54に記憶されている、端末50Bの収集情報を示す図である。
端末管理装置10は、端末50Aの収集情報における各収集情報の時刻と同じ時刻の、端末50B(類似性の検証を行う対象)の収集情報の各項目との比較を行い、類似性を数値として算出する。
【0061】
収集する項目の中に端末50が対応していない項目が含まれる場合には、端末管理装置10は、その項目を類似性の算出対象から除外し、残っている項目のみを対象に類似性を検証する。
例えば、タブレットの中にはセルラー通信用のインタフェースを持っていない場合もある。その端末50は、基地局のセルIDを取得することが不可のため、それ以外で取得できる情報のみを端末管理装置10に送信することが想定される。類似性を検証する場合には、端末管理装置10は、セルIDの項目を除外して検証する。端末管理装置10は、前述のように、まず同一時刻情報における各収集情報の類似性を検証し数値化する。また、本発明では少なくとも1つ以上は同じ項目が存在することを前提とする。
【0062】
次に、端末管理装置10は、
図7に示すように、ある一定期間における端末50Aが収集した収集情報と、端末50Bが収集した収集情報との類似性の検証を行う。端末管理装置10は、端末50Aの収集情報と、端末50Aの各時刻と同一時刻の端末50Bの収集情報との類似性を数値として算出し、各時刻の収集情報の類似性を加算し、ある一定期間の平均を取ったものを最終的な類似性とする。
例えば、
図7でいうところの2013/9/12 0:00における端末50Aの収集情報と、端末50Bの収集情報との類似度を「類似度1」とする。次の時刻の類似度を「類似度2」とする。端末管理装置10は、この算出を全て行い、例えば15個分の類似度を算出する。最後に、端末管理装置10は、類似度1〜類似度15までを全て加算し、15で除算することで15個分の平均値を算出し、算出した平均値を端末50Aと端末50Bとの類似度とする。この類似度が、予め定められた閾値以上の高い値を示す場合には、端末管理装置10は、端末50Aの収集情報と端末50Bの収集情報とを、類似していると見なす。
【0063】
また、高類似性を持つ他の端末50を検出する別の実施例として、接続中の無線LAN端末50や、接続中のBluetooth端末50の中に、当該端末50の端末名が含まれていたり、無線LANルータモードのときに送出するSSIDの文字列が含まれていた場合に、端末管理装置10は、一定の日数の範囲内で、何日間接続したことがあるかを数え、閾値以上の接続日数だった場合に、高類似性の端末50同士であると判断してもよい。
【0064】
図8は、本発明の一実施形態に係る端末管理装置10における、端末群からの削除処理を示すフローチャートである。この処理は、例えば、スマートフォンを解約して利用しなくなった場合等において実行される。端末管理装置10は、端末50から収集情報を定期的に受信するが、もしその定期受信があるときから途絶えた場合には、その端末50が解約されたと判断し、削除を行う。
【0065】
(ステップS300):端末管理装置10は、収集情報を送信しない端末50であって一定期間以上送信しない端末50を検出し、グループから削除する。
【0066】
図9は、本発明の一実施形態に係る端末50における、利用者が変更されたか否かを判断する処理を示すフローチャートである。この処理は、例えば、無線LAN対応のタブレットを友人から譲り受けた場合等に実行される。
【0067】
(ステップS400):端末管理装置10は、変数dに0を代入し、変数S_addに0を代入する。
【0068】
(ステップS401):端末管理装置10は、過去d日目の例えば0:00の収集情報と、過去d日目+δd日目の0:00の収集情報との類似度S3を算出する。
【0069】
(ステップS402):端末管理装置10は、変数dにプラス1を加算する。また変数S_addにS3を加算する。
【0070】
(ステップS403):端末管理装置10は、変数dが予め定義された定数Max_dと等しいか否かを判断する。端末管理装置10は、変数dがMax_dと等しくないと判断した場合、ステップS401に戻り、次の日時について同様にS401〜S403を処理する。端末管理装置10は、変数dがMax_dと等しいと判断した場合、ステップS404に進む。
【0071】
(ステップS404):端末管理装置10は、変数S_addを変数Max_dで除算し、S_Aveを算出する。
【0072】
(ステップS405):端末管理装置10は、変数S_Aveが予め定義した閾値Yより小さいか否かを判断する。端末管理装置10は、S_Aveが閾値Yよりも小さいと判断した場合、ステップS406に進み、S_Aveが閾値Y以上であると判断した場合、処理を終了する。
【0073】
(ステップS406):端末管理装置10は、利用者が変更されたと判断し、グループから削除する。
【0074】
図10は、本発明の一実施形態に係る端末管理装置10における、端末50をグループから削除する処理を示すフローチャートである。
【0075】
(ステップS500):端末管理装置10は、端末50から削除要求を受信した場合、その端末50をグループから削除し、再びステップS200から類似性の検証を行う。
【0076】
図11は、本発明の一実施形態に係る端末管理装置10における、自己相関関係の例を説明するための図である。
図11の例は、端末情報記憶部31に記憶されている端末50Aの収集情報において、過去d日目とd+δd日目の類似度を、Max_d日分算出し、類似度の平均値を算出する例である。
例えば、
図11では、2013年10月7日00:00の収集データと、過去(9日前)の2013年9月29日00:00の収集データとの類似度を、2013年10月7日00:00から16日分算出し、算出した類似度の平均値を求めている。
【0077】
図12は、本発明の一実施形態に係る端末管理装置10における、自己類似度の変化の例を説明するための図である。
図12において、横軸は、時刻情報を表わし、縦軸は、過去d日目とd+δd日目のMax_d日分の類似度の平均値を表わしている。
図12のグラフにおける範囲201の例は、端末50Aの所有者に変更が無ければ、自己相関は高く、毎日の類似度の平均値は高い値を示すことの例である。
さらに、例えば、2013/9/18に、端末50Aの所有者が変更されたとする。
範囲202の例は、端末50Aの所有者が変更されれば、自己相関は徐々に低くなり、類似度の平均値は下がり始めることを示す例である。
範囲203の例は、端末50Aの所有者の変更後、変更された所有者の下で時間経過と共に再び自己相関は高くなり始め、類似度の平均値も上がり始めることを示す例である。
端末管理装置10は、所定の閾値を下回った場合、端末50Aの所有者に変更があったと判断し、端末50Aを端末特定済記憶部32から削除する。
【0078】
図13は、本発明の一実施形態に係る端末管理装置10による
図9のフローチャートに基づく処理の例を示す図である。
図13の例は、端末管理装置10が、端末50Cの利用者が変更されたことを検出することにより、端末50Cを、変更された新たなユーザの所有として特定し、端末50Cの所属する所有者(グループ)がグループYからグループXに変化する例である。
【0079】
本実施形態によれば、端末管理装置10は、端末50が収集した収集情報であって端末50の通信情報を含む収集情報を、端末50が収集したときの時刻と共に、端末50から受信し、受信した端末50の収集情報である第1の端末50の収集情報を、第1の端末50の識別情報に対応付けて、端末情報記憶部31に記憶させる。そして、端末管理装置10は、第1の端末50の識別情報が端末特定済記憶部32に記憶されていない場合に、端末情報記憶部31に記憶されている第1の端末50の収集情報と、第1の端末50の識別情報とは異なる第2の端末50の収集情報とについて、収集したときの時刻が同一の範囲内同士の収集情報を比較し、比較した収集情報が類似するか否かを判断し、類似すると判断した場合に、第1の端末50と第2の端末50とが同一のユーザに所有されるものと特定し、第1の端末50の識別情報と、第2の端末50の識別情報とを対応付けて端末特定済記憶部32に記憶させる。さらに、端末管理装置10は、端末50の識別情報が同一の収集情報について、第1の時刻情報に対応する収集情報と、第1の時刻情報よりも所定の時間だけ過去の時刻情報に対応する収集情報とを比較して自己類似度を算出し、自己類似度の算出を所定の日数分だけ実行して自己類似度の平均値を算出し、算出した自己類似度の平均値が所定の閾値よりも小さいか否かを判断する。
したがって、端末管理装置10は、端末50について、時間毎に変化する類似性に依存することなく同一ユーザの所有する端末であると判断できる。さらに、ユーザが変更になった端末50を検出してグループから削除することができる。その結果、端末管理装置10は、ユーザの行動分析に寄与し潜在的なニーズを発掘するための有効な情報を提供することができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。