特許第6203014号(P6203014)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203014
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】フレキシブル回路基板の基台取付構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20170914BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H05K1/02 D
   H05K3/00 W
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-242303(P2013-242303)
(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公開番号】特開2015-103624(P2015-103624A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000215833
【氏名又は名称】帝国通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】小川 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】牧野 大介
【審査官】 ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−009696(JP,A)
【文献】 特開平07−320584(JP,A)
【文献】 特開昭55−153392(JP,A)
【文献】 特開2004−281427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/09
H05K 1/16
H05K 3/00
H05K 3/10−3/26
H05K 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するフィルムの表面に回路パターンを形成してなるフレキシブル回路基板を具備し、前記フレキシブル回路基板の少なくとも裏面と側面にインサート成形によって成形樹脂製の基台を密着して取り付けてなるフレキシブル回路基板の基台取付構造において、
前記フレキシブル回路基板の裏面に、固体粒子を樹脂バインダー中に混練してなるペースト材を塗布し乾燥固化することで表面に前記固体粒子による多数の細かい凹凸を有し且つ非粘着性の密着層を設け、この密着層の凹凸面に前記基台を構成する成形樹脂を食い込ませ絡み付かせて密着して取り付けたことを特徴とするフレキシブル回路基板の基台取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載のフレキシブル回路基板の基台取付構造であって、
前記密着層は、前記回路パターンを構成する何れかのパターンと同一材質であることを特徴とするフレキシブル回路基板の基台取付構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフレキシブル回路基板の基台取付構造であって、
前記基台に取り付けたフレキシブル回路基板の表面には電子部品接続用の接続パターンが形成されており、この接続パターンには電子部品が半田リフローによって取り付けられていることを特徴とするフレキシブル回路基板の基台取付構造。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のフレキシブル回路基板の基台取付構造であって、
前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダー中に混練してなるペースト材を塗布し乾燥することで構成される抵抗体パターンを有し
前記密着層は、前記抵抗体パターンと同じペースト材を塗布し乾燥することによって形成されていることを特徴とするフレキシブル回路基板の基台取付構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル回路基板の少なくとも裏面と側面に合成樹脂製の基台をインサート成形してなるフレキシブル回路基板の基台取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表面に回路パターンを形成してなるフレキシブル回路基板の裏面に合成樹脂製の基台をインサート成形によって取り付け、これによって可撓性を有するフレキシブル回路基板を固定・支持することが行われている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図8はフレキシブル回路基板200を基台(以下「ケース」という)220内の底面に取り付けて一体化し、さらにチップ部品(この例では「発光素子」という)205を取り付けてなる従来例を模式的に示す概略断面図である。同図に示すように、フレキシブル回路基板200は合成樹脂製のケース220内にインサート成形されており、フレキシブル回路基板200の裏面と外周側面を囲む部分にケース220が形成されている。ケース220は、底部221と外周の側壁部223とを有し、これによって上面側に凹状の収納部221を設け、この収納部221の底部にフレキシブル回路基板200を設置している。フレキシブル回路基板200は、その外周辺の部分がケース220によって挟持され固定されている。
【0004】
さらに、フレキシブル回路基板200の表面には発光素子205が取り付けられている。発光素子205の取り付けは、フレキシブル回路基板200をケース220内にインサート成形した後に、前記フレキシブル回路基板200の表面に形成しておいた接続パターン201上に低温半田層203を塗布し、その上に発光素子205を載置し、その際前記低温半田層203と発光素子205の端子パターン207とを接触させ、この状態で前記ケース220周囲の雰囲気温度を高温にして低温半田層203をリフローすることによって行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−151029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上述のように半田リフローによって発光素子205を取り付けようとすると、図9に示すように、リフロー時の熱によってフレキシブル回路基板200が熱膨張して延び、その中央部分(露出面)がケース220の底部221の面から離れて浮き上がってしまうという問題があった。フレキシブル回路基板200が底部221の面から浮き上がると、発光素子205との電気的機械的接続に不良が生じたり、発光素子205の位置が変わることで光学的な不都合が生じたり、フレキシブル回路基板200上に形成した他の回路パターン等にも不都合が生じたりする。
【0007】
上記問題を解決するには、フレキシブル回路基板200の裏面に予め接着層を形成しておき、これを金型内にインサートしてケース220を成形する方法が考えられる。しかしながら接着層としてホットメルトタイプの接着層を用いた場合、このフレキシブル回路基板付きケースを半田リフローしたり、比較的高温の雰囲気内で使用したりする際に、前記接着層が溶融してしまうので、やはりケース220とフレキシブル回路基板200との間に剥離が生じてしまう恐れがある。一方、前記接着層として通常の接着材を用いた場合は、粘着性があるので、金型に入れにくくて扱い難く、量産性が悪いという問題がある。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、基台成形後のフレキシブル回路基板をリフロー等のために再加熱しても、フレキシブル回路基板がケースの表面から剥がれることがなく、またその製造も容易に行えるフレキシブル回路基板の基台取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、可撓性を有するフィルムの表面に回路パターンを形成してなるフレキシブル回路基板を具備し、前記フレキシブル回路基板の少なくとも裏面と側面にインサート成形によって成形樹脂製の基台を密着して取り付けてなるフレキシブル回路基板の基台取付構造において、前記フレキシブル回路基板の裏面に、固体粒子を樹脂バインダー中に混練してなるペースト材を塗布し乾燥固化することで表面に前記固体粒子による多数の細かい凹凸を有し且つ非粘着性の密着層を設け、この密着層の凹凸面に前記基台を構成する成形樹脂を食い込ませ絡み付かせて密着して取り付けたことを特徴としている。
固体粒子を樹脂バインダー中に混練してなるペースト材からなる密着層は、その表面に固体粒子による多数の凹凸があって粗い。そしてインサート成形時にこの密着層に基台を取り付けるので、基台を構成する合成樹脂は前記密着層の凹凸面に食い込んで両者間の密着性が強くなり、容易には引き剥がせなくなる。このため、基台とフレキシブル回路基板間は強固に固定され、後にリフロー等のために再加熱しても、フレキシブル回路基板がケースの表面から剥がれることはなくなる。また密着層には粘着性がないので、密着層を設けたフレキシブル回路基板の金型内への装着も容易で、その製造が容易に行える。
【0010】
また本発明は、前記密着層が、前記回路パターンを構成する何れかのパターンと同一材質であることを特徴としている。
密着層として別の新たな材料を用意する必要がないので、さらに容易に製造が行えるようになる。
【0011】
また本発明は、上記フレキシブル回路基板の基台取付構造であって、前記基台に取り付けたフレキシブル回路基板の表面には電子部品接続用の接続パターンが形成されており、この接続パターンには電子部品が半田リフローによって取り付けられていることを特徴としている。
半田リフローによって電子部品をフレキシブル回路基板の接続パターンに接続する際に、フレキシブル回路基板がケース表面から剥がれることはないので、電子部品との電気的機械的接続が阻害されたり、電子部品の位置が変わることで不都合が生じたりすることがなくなる。
【0012】
また本発明は、上記フレキシブル回路基板の基台取付構造であって、前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダー中に混練してなるペースト材を塗布し乾燥することで構成される抵抗体パターンを有し、前記密着層は、前記抵抗体パターンと同じペースト材を塗布し乾燥することによって形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基台成形後のフレキシブル回路基板をリフロー等のために再加熱しても、フレキシブル回路基板がケースの表面から剥がれることがなく、またその製造も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】回路基板付きケース1を模式的に示す概略断面図である。
図2】回路基板付きケース1への電子部品60の取付方法を示す概略断面図である。
図3】電子部品60を取り付けた回路基板付きケース1を模式的に示す概略断面図である。
図4】回路基板付きケース1Aの具体例及びその収納部35A内に収納される作動体70Aを示す斜視図である。
図5】ケース30Aとフレキシブル回路基板10Aと端子80Aの分解斜視図である。
図6】フレキシブル回路基板10Aを示す図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は裏面図である。
図7】作動体70を収納した回路基板付きケース1Aの概略断面図である。
図8】フレキシブル回路基板200を基台220に取り付けて一体化し、さらにチップ部品205を取り付けた従来例を模式的に示す概略断面図である。
図9】従来例の問題点説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1はフレキシブル回路基板10を基台(以下「ケース」という)30内の底面に取り付けて一体化してなる回路基板付きケース1を模式的に示す概略断面図である。同図に示すように、回路基板付きケース1は、可撓性を有する合成樹脂製のフィルム11の表面に回路パターンの一種である接続パターン13を形成すると共に裏面に密着層50を形成してなるフレキシブル回路基板10を具備し、前記フレキシブル回路基板10の裏面と外周側面にインサート成形によって成形樹脂製のケース30を密着して取り付けて構成されている。この例の場合、密着層50はフレキシブル回路基板10の裏面全体に形成されており、この密着層50に前記基台30が密着して取り付けられている。なお以下の説明において、「上」とはケース30の底部31側からフレキシブル回路基板10を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0016】
フレキシブル回路基板10を構成するフィルム11は、この例ではポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を用いているが、他の各種フィルム〔例えば、ポリフェニレンサルファイドフィルム(PPSフィルム)や、ポリイミドフィルム(PIフィルム)等〕を用いても良い。フィルム11の上面に形成される複数の接続パターン13は、下記する発光素子60に設けた複数の端子パターン61にそれぞれ対向する位置に設けられており、この例では、導電パターン上に抵抗体パターンを形成した2層構造で構成されている。導電パターンは、導電粉(この例では銀粉)を樹脂バインダー(この例では熱硬化性のフェノール樹脂)に混練してなる導電ペースト(銀ペースト)を塗布・乾燥して形成されている。また抵抗体パターンは、導電粉(この例ではカーボン粉)を樹脂バインダー(この例では熱硬化性のフェノール樹脂)中に混練してなる抵抗体ペーストを塗布・乾燥して形成されている。導電パターンを抵抗体パターンで覆うのは、銀パターンからなる導電パターンを保護するためである。なお抵抗体パターンはその薄い厚み分だけ抵抗体として作用するので、大きな抵抗とはならない。なおフレキシブル回路基板10の表面には、図示はしないが前記接続パターン13に接続される回路パターン等の他の各種回路パターンも形成されている。
【0017】
一方、フィルム11の裏面に形成される密着層50は、前記接続パターン13に用いた抵抗体パターンと同一のペースト材を塗布し乾燥することによって形成されている。ここで前記密着層50及び前記抵抗体パターン(接続パターン13)に用いる抵抗体ペーストは、上述のように固体粒子であるカーボン粉を樹脂バインダーに混練したものを薄く層状にスクリーン印刷等によって印刷・乾燥させたものであるため、その表面には前記カーボン粉による多数の細かい凹凸があり、ざらついた粗い面となっている。この例の場合、その表面粗さは、±5μm程度である。
【0018】
なお前記ペースト材を塗布する方法として、上記例ではスクリーン印刷を用いているが、その他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等を用いても良い。
【0019】
ケース30は、熱可塑性樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、PET、ナイロン、ABSなど〕で構成され、フレキシブル回路基板10をインサートした金型のキャビティー内に前記熱可塑性樹脂を充填し、固化した後に金型を取り外すことによって製造される。ケース30は、底部31と外周の側壁部33とを有し、これによって上面側に凹状の収納部35を設け、この収納部35の底部に前記フレキシブル回路基板10を設置してフレキシブル回路基板10の表面を露出している。フレキシブル回路基板10の裏面と外周側面を囲む部分にケース30を形成することで、フレキシブル回路基板10の外周辺の部分がケース30によって挟持され固定されている。さらにこの回路基板付きケース1においては、フレキシブル回路基板10の裏面に密着層50を設けているが、密着層50の表面は上述のように凹凸があって粗いので、アンカー効果によって、この密着層50の凹凸面にケース30を構成する合成樹脂が食い込み絡み付いて両者は強く密着している。
【0020】
図2は、以上のように構成された回路基板付きケース1のフレキシブル回路基板10の接続パターン13上にチップ型の電子部品(以下「発光素子」という)60を取り付けた状態を模式的に示す概略断面図である。同図に示すように、発光素子60をフレキシブル回路基板10上に載置・固定するには、まず、接続パターン13上に低温半田ペーストを塗布・乾燥して低温半田層15を形成する。次に、前記低温半田層15上に発光素子60の表面に設けた端子パターン61を当接する。そしてこの回路基板付きケース1の周囲の雰囲気温度を、低温半田層15の溶融温度である例えば160℃以上とし、これによって低温半田層15をリフローし、図3に示すように、接続パターン13と端子パターン61とを電気的機械的に接合する。
【0021】
このリフローの際の加熱により、ケース30よりもフレキシブル回路基板10の方がより伸びようとする。しかしながら前述のように、ケース30を構成する合成樹脂と密着層50との密着性は強くて容易には引き剥がせないので、リフローのために再加熱しても、フレキシブル回路基板10がケース30の表面から剥がれることはない。このため、発光素子60の端子パターン61と接続パターン13間に電気的機械的接続不良が生じたり、発光素子60の位置が変わることで光学的な不都合が生じたりすることはなく、またフレキシブル回路基板60上に形成した他の回路パターン等にも不都合は生じなくなる。
【0022】
また密着層50には粘着性がないので、密着層50を設けたフレキシブル回路基板10の金型内への装着も容易に行え、回路基板付きケース1の製造も容易である。
【0023】
特に上記回路基板付きケース1の場合、密着層50の材質として接続パターン13を構成する抵抗体パターンと同一の材質のものを用いているので、密着層50として別の新たな材料を用意する必要がなく、さらに容易に製造が行える。即ち一般に、例えば銀ペーストを塗布・乾燥することで形成される接続パターン13は、その表面を保護するため、抵抗体パターンで覆うことが多いが、この抵抗体パターンと同じ材料を用いて密着層50を形成するので、前述のように密着層50として別の新たな材料を用意する必要がなく、容易且つ安価に密着層50を形成できる。
【0024】
図4は回路基板付きケース1Aの具体的な一実施例及びその収納部35A内に収納される作動体70Aを示す斜視図、図5はケース30Aとフレキシブル回路基板10Aと端子80とを分解して示す斜視図(実際には一体成形なので分解はできない)、図6はフレキシブル回路基板10Aを示す図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は裏面図、図7は作動体70を収納した回路基板付きケース1Aの概略断面図(図4のA−A部分での概略断面図)である。これらの図において、前記図1図3に示す実施形態にかかる回路基板付きケース1と同一又は相当部分には同一符号(但し各符号には添字「A」を付ける)を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1図3に示す回路基板付きケース1と同じである。
【0025】
回路基板付きケース1Aは、図5に示すように、底部31Aと外周の側壁部33Aとを有するケース30Aと、ケース30Aの上面に設けた凹状の収納部35Aの底部に設置されるフレキシブル回路基板10Aと、フレキシブル回路基板10Aの1辺近傍にその一端が当接される端子80Aとを具備して構成されている。
【0026】
フレキシブル回路基板10Aは、図6に示すように、フィルム11Aの表面に、4つの接続パターン13Aと、押圧スイッチパターン17Aとを設けている。押圧スイッチパターン17Aは、中央スイッチパターン17−1Aと中央スイッチパターン17−1Aをコ字状に囲む周囲スイッチパターン17−2Aとを有している。各接続パターン13Aと中央スイッチパターン17−1A及び周囲スイッチパターン17−2Aには、引出パターン19Aが接続されており、各引出パターン19Aの他端はフレキシブル回路基板10Aの1辺近傍に並列に設けられた端子接続パターン21Aに接続されている。フレキシブル回路基板10Aの所定位置には、その上下面に形成されるケース30Aを連結するための複数の孔23Aが設けられている。各接続パターン13Aと中央スイッチパターン17−1Aと周囲スイッチパターン17−2Aと各引出パターン19Aと端子接続パターン21Aは、何れも導電粉(この例では銀粉)を樹脂バインダー(この例では熱硬化性のフェノール樹脂)に混練してなる導電ペースト(銀ペースト)を塗布・乾燥することで導電パターンを形成し、さらに各接続パターン13Aと中央スイッチパターン17−1Aと周囲スイッチパターン17−2Aについては、前記導電パターンの表面に、導電粉(この例ではカーボン粉)を樹脂バインダー(この例では熱硬化性のフェノール樹脂)中に混練してなる抵抗体ペーストを塗布・乾燥することで抵抗体パターンを形成して構成されている。なお引出パターン19A上には、実際には図示しないレジスト層が塗布されて保護される。
【0027】
またフレキシブル回路基板10Aの裏面には、その全面に、前記接続パターン13Aに用いた抵抗体パターンと同一のペースト材を塗布し乾燥することによって密着層50Aが形成されている。密着層50Aは、上述のように、その表面に多数の細かい凹凸があり、ざらついた粗い面となっている。
【0028】
端子80Aは、図5図7に示すように、細長平板状の金属板で構成され、途中の部分が略直角に折れ曲がることで、先端側が下方向を向いている。
【0029】
そして回路基板付きケース1Aの製造は、図5に示すように、フレキシブル回路基板10A(但し、このときは図5に示す発光素子60Aや反転板85Aは取り付けられていない)の外周の一辺の、前記各端子接続パターン21A上に各端子80A(このときの端子80Aは折り曲げられておらず、直線状に延びている)の先端を当接したものを、ケース30Aの形状と同一形状のキャビティーを有する金型内にインサートし、前記キャビティー内に溶融成形樹脂を射出成形することによって行う。この回路基板付きケース1Aにおいても、フレキシブル回路基板10Aの裏面に密着層50Aを設けているので、ケース30Aにフレキシブル回路基板10Aをインサート成形する際に、密着層50Aにケース30Aを構成する合成樹脂が絡み付き両者の密着性は強くなっている。そして回路基板付きケース1Aの製造後にケース30Aの外周から突出している各端子80Aの部分を下方に折り曲げる。
【0030】
そして前記回路基板付きケース1Aの露出している4つの接続パターン13A上に低温半田ペーストを塗布・乾燥して低温半田層15A(図7参照)を形成する。次に、前記低温半田層15A上に発光素子60Aの表面に設けた端子パターン61A(図7参照)を当接する。そしてこの回路基板付きケース1Aの周囲の雰囲気温度を、低温半田層15Aの溶融温度である例えば160℃以上とし、これによって低温半田層15Aをリフローし、接続パターン13Aと端子パターン61Aとを接合する。
【0031】
前述のようにこのリフローの際の加熱により、ケース30Aよりもフレキシブル回路基板10Aの方がより伸びようとするが、密着層50Aの表面には多数の凹凸があって粗いので、前述のようにケース30Aを構成する合成樹脂と密着層50Aとの密着性は強くて容易には引き剥がせず、このため、リフローのために再加熱しても、フレキシブル回路基板10Aがケース30Aの表面から剥がれることはない。このため、発光素子60Aと接続パターン13A間に電気的機械的接続不良が生じたり、発光素子60Aの上下方向の位置が変わることで光学的な不都合が生じたりすることもなく、またフレキシブル回路基板60A上に形成した他の回路パターン等にも悪影響(下記する押圧スイッチパターン17Aと反転板85Aとの接続不良やこの押圧スイッチの押圧感触の不良等)を与えることはなくなる。
【0032】
次に前記回路基板付きケース1Aの露出している押圧スイッチパターン17A上に反転板85Aを載置し、図示しない粘着テープ等で固定する。反転板85Aの外周は周囲スイッチパターン17−2Aに当接し、反転板85Aの中央下面は中央スイッチパターン17−1Aから所定寸法離間して位置し、これによって押圧スイッチが構成される。
【0033】
一方、ケース30Aは略矩形状であって熱可塑性樹脂で構成され、底部31Aと外周の側壁部33Aとを有し、これらによって上面側に凹状の収納部35Aを設け、この収納部35Aの底部にフレキシブル回路基板10Aが露出している。フレキシブル回路基板10Aと端子80Aとを接合した部分はその上下がケース30Aによって挟持されることで固定されている。ケース30Aの側壁部33Aの内周面の所定位置と、側壁部33Aの内周面から内側に突出する突起部37Aの一方の面には、それぞれ凹部からなる軸受部39Aが形成されている。両軸受部39Aは対向して設けられ、何れも上端辺が切欠かれることで、下記する作動体70Aの軸部71Aを上側からスムーズに挿入できるようにしている。
【0034】
作動体70Aは透明または半透明な合成樹脂の一体成形品であり、前記ケース30Aの収納部35Aに挿入される外形寸法の略平板矩形状に形成されている。作動体70Aの外周の一辺には、この一辺に沿うように円柱状の軸部71Aが設けられている。作動体70Aの下面には、押圧部75A(図7参照)が設けられている。
【0035】
そして図4に示す作動体70Aをケース30Aの収納部35A内に収納し、その際作動体70Aの軸部71Aの両端をケース30Aの両軸受部39A内に回動自在に収納し、これによって作動体70Aを揺動自在に支持する。
【0036】
そして図7に示すように、前記作動体70Aの上面を、点線で示す押圧部材90Aによって押圧すれば、作動体70Aは軸部71Aを中心に揺動して下降し、その押圧部75Aが反転板85Aを押圧してこれを反転し、反転板85Aの中央下面が中央スイッチパターン17−1Aに当接してこの押圧スイッチをオンする。前記押圧部材90Aによる押圧を解除すれば、前記反転板85Aは自動復帰力によって元の形状に自動復帰し、作動体70Aと押圧部材90Aは元の位置に自動復帰し、押圧スイッチはオフする。一方発光素子60Aを発光すれば、作動体70Aの内部を透った光が、押圧部材90Aなどの部材を明るく照明する。
【0037】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記例では、密着層として、カーボン粉を樹脂バインダーに混練した抵抗体ペーストをスクリーン印刷等によって印刷・乾燥させたものを用いたが、他の導電性の固体粒子(例えば銀粒子やニッケル粒子など)を樹脂バインダーに混練してなるペースト材を用いてなる密着層であっても良いし、絶縁物からなる固体粒子を樹脂バインダーに混練してなるペースト材を用いてなる密着層であっても良い。即ち固体粒子を樹脂バインダーに混練してなるペースト材であれば、導電性があってもなくても良く、要は表面が固体粒子によってざらついている状態となるものであればよい。
【0038】
また上記例では、密着層をフレキシブル回路基板の裏面全体に塗布した例を示したが、密着層はフレキシブル回路基板の裏面の一部に形成するように構成しても良い。
【0039】
また上記例ではリフローによって取り付ける電子部品として発光素子を用いたが、発光素子以外の各種電子部品(例えばチップ型の固定抵抗器やチップ型のコンデンサやその他のチップ型の各種電子部品、さらに場合によってはチップ型以外の電子部品)であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1,1A 回路基板付きケース
10,10A フレキシブル回路基板
11,11A フィルム
13,13A 接続パターン(回路パターン)
30,30A ケース(基台)
50,50A 密着層
60,60A 発光素子(電子部品)
61,61A 端子パターン
17A 押圧スイッチパターン(回路パターン)
19A 引出パターン(回路パターン)
21A 端子接続パターン(回路パターン)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9