(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電源部、前記受信部、及び前記制御部のうち少なくとも一つは、前記静磁場磁石の中心軸を通る垂直な面に対して平行に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記側部に設置され、少なくとも前記電源部、前記受信部、及び前記制御部を支持する板部材を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記板部材は、当該板部材上に配置された各部を互いに接続するための配線それぞれを、所定の位置で支持する配線支持部材を有することを特徴とする請求項6〜11のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記板部材は、前記架台の外部から当該板部材上に配置された各部に接続される配線を所定の経路で配置する溝状部材を有することを特徴とする請求項6〜12のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記板部材は、当該板部材に配置された各部への水の浸潤を防ぐための防水カバーを有することを特徴とする請求項6〜13のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記側部において、少なくとも前記板部材の上端から下端までを覆う大きさの第1の架台カバーを備えることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記側部において、少なくとも前記第1の架台カバーの上端から前記静磁場磁石の上端までを覆う大きさの第2の架台カバーを備えることを特徴とする請求項16に記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記第1の架台カバーは、当該第1の架台カバーの下端が前記静磁場磁石の方へ湾曲若しくは折れ曲がった形状であることを特徴とする請求項16又は17に記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記架台の前面と、当該架台の後面とを連結し、前記第1の架台カバーを支持する架台カバー支持部を備えることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、各実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(以下、適宜「MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置」)を説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るMRI装置100の構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、MRI装置100は、電源部101と、静磁場磁石102と、傾斜磁場コイル103と、傾斜磁場電源104と、寝台105と、制御部106と、送信コイル107と、送信部108と、受信コイル109と、受信部110と、シーケンス制御部120と、計算機130とを備える。なお、MRI装置100に、被検体P(例えば、人体)は含まれない。
【0010】
MRI装置100の構成要素のうち、電源部101、静磁場磁石102、傾斜磁場コイル103、制御部106、送信コイル107、受信部110は、MRI装置100の架台10に設置される。なお、
図1に示す構成は一例に過ぎない。
【0011】
電源部101は、架台10に設置された各部(構成要素)に電力を供給する。例えば、電源部101は、架台10の外部から供給されるDC電圧を所定の大きさのDC電圧に変換して、制御部106及び受信部110に供給する。なお、電源部101は、架台10の外部から供給されるDC電圧を所定の大きさのDC電圧に変換して、各構成要素に供給するものでも良い。また、電源部101は、架台10の操作パネル、送風機、投光器等に電源を供給しても良い。なお、例えば、傾斜磁場コイル103のように、個別に電力が供給される構成要素に対しては、電源部101は、電力を供給しなくても良い。
【0012】
静磁場磁石102は、撮像空間に静磁場を発生させる。例えば、静磁場磁石102は、中空の円筒形状に形成された磁石であり、内部の撮像空間に静磁場を発生させる。この静磁場磁石102としては、例えば、超伝導磁石が使用される。なお、静磁場磁石102としては、永久磁石が使用されても良い。
【0013】
傾斜磁場コイル103は、中空の円筒形状に形成されたコイルであり、静磁場磁石102の内側に配置される。傾斜磁場コイル103は、互いに直交するx、y、及びzの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、傾斜磁場電源104から個別に電流の供給を受けて、x、y、及びzの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する。傾斜磁場コイル103によって発生するx、y、及びzの各軸の傾斜磁場は、例えば、スライスエンコード傾斜磁場G
SE(若しくはスライス選択傾斜磁場G
SS)、位相エンコード傾斜磁場G
PE、及び読み出し傾斜磁場G
ROである。傾斜磁場電源104は、傾斜磁場コイル103に電流を供給する。
【0014】
寝台105は、被検体Pが載置される天板105aを備え、制御部106による制御の下、天板105aを、被検体Pが載置された状態で、傾斜磁場コイル103の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台105は、長手方向が静磁場磁石102の中心軸と平行になるように設置される。
【0015】
制御部106は、架台10に設置された各構成要素の制御を行う。例えば、制御部106は、各構成要素の制御を行うための各種の部品が搭載された基板を有する。例えば、制御部106は、計算機130による制御の下、寝台105を駆動して天板105aを長手方向及び上下方向へ移動する。また、制御部106は、送風機、投光器等の制御を行う。また、制御部106は、架台10の操作パネルにて入力された指示に応じて、各構成要素の制御を行っても良い。なお、例えば、送信コイル107、受信コイル109等のように、制御部106とは異なる処理部によって個別に制御される構成要素に対しては、制御部106は、制御を行わなくても良い。
【0016】
送信コイル107は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、送信部108からRFパルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。送信部108は、対象とする原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスを送信コイル107に供給する。
【0017】
受信コイル109は、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられる磁気共鳴信号(以下、適宜「MR信号」)を受信する。受信コイル109は、MR信号を受信すると、受信したMR信号を受信部110へ出力する。
【0018】
なお、上述した送信コイル107及び受信コイル109は一例に過ぎない。送信機能のみを備えたコイル、受信機能のみを備えたコイル、若しくは送受信機能を備えたコイルのうち、1つ若しくは複数を組み合わせることによって構成されればよい。
【0019】
受信部110は、受信コイル109から出力されるMR信号を検出し、検出したMR信号に基づいて磁気共鳴信号データ(以下、適宜「MR信号データ」)を生成する。例えば、受信部110は、前段増幅器、位相検波器、アナログデジタル変換器などが搭載された基板を有する。前段増幅器は、受信コイル109から出力されるMR信号を増幅する。位相検波器は、前段増幅器から出力されるMR信号の位相を検波する。アナログデジタル変換器は、位相検波器から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換することで、MR信号データを生成する。
【0020】
シーケンス制御部120は、計算機130から送信されるシーケンス情報に基づいて、電源部101、送信部108及び受信部110を駆動することによって、被検体Pの撮像を行う。ここで、シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場コイル103に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信部108が送信コイル107に供給するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信部110がMR信号を検出するタイミング等が定義される。例えば、シーケンス制御部120は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
【0021】
また、シーケンス制御部120は、電源部101、送信部108及び受信部110を制御して被検体Pを撮像した結果、受信部110からMR信号データを受信すると、受信したMR信号データを計算機130へ転送する。
【0022】
計算機130は、MRI装置100の全体制御や、MR画像の生成等を行う。例えば、計算機130は、操作者から入力される撮像条件に基づいてシーケンス制御部120に撮像シーケンスを実行させる。また、計算機130は、シーケンス制御部120から送信されたMR信号データに基づいて画像を再構成する。計算機130は、再構成された画像を記憶部に格納したり、表示部に表示したりする。なお、計算機130は、例えば、コンピュータ等の情報処理装置である。
【0023】
なお、架台10とは、一般的には、静磁場磁石102、傾斜磁場コイル103、送信コイル107が架台カバー11によって覆われた構造物を指す。第1の実施形態においては、架台10には、省スペース化を実現するために、少なくとも電源部101、制御部106、受信部110が設置される。また、架台10には、
図1に示した構成以外にも、例えば、静磁場磁石102を冷却するための冷凍機、傾斜磁場コイル103を水冷するためのクーリングユニット、心電同期スキャンを行うためのECG(Electrocardiogram)同期ユニット、寝台105を駆動するためのモータードライバ等が適宜設置される。以下においては、架台10内に設置される電源部101、制御部106、受信部110、冷凍機、クーリングユニット、ECG同期ユニット、モータードライバ等を区別無く総称する場合に、「架台ユニット」と表記する。
【0024】
ところで、各架台ユニットは、メンテナンス(点検、修理、交換等)を要する場合がある。この場合、メンテナンスを行う作業員は、架台10の表面を覆う架台カバー11を一部取り外し、各架台ユニットにアクセスして(作業可能な程度に近接して)、作業を行う。
【0025】
そこで、第1の実施形態に係るMRI装置100において、各架台ユニットは、架台10のいずれか一方の同じ側の側部に設けられる。ここで、側部とは、後に図示して説明するが、静磁場磁石102と、架台10の側面との間の空間を指す。したがって、作業員は、例えば、架台ユニットが設けられた側部を覆う架台カバー11を取り外すだけで、各架台ユニットにアクセスできる。このため、MRI装置100は、各架台ユニットを容易にメンテナンスすることが可能となる。また、一般的には、架台10の側部には作業員が作業するための作業スペースが設けられるが、架台ユニットが設けられなかった側部については、作業スペースを設ける必要がない。このため、MRI装置100は、更なる省スペース化を実現することができる。
【0026】
以下、各架台ユニットの配置について説明する。なお、第1の実施形態においては、架台ユニットとは、MRI装置100の構成要素のうち架台10内に設置されるものであって、メンテナンスを要するものを言う。
【0027】
(MRI装置100における各架台ユニットの配置)
図2及び
図3は、第1の実施形態に係るMRI装置100における各架台ユニットの配置の一例を示す図である。
図2には、各架台ユニットの配置を明示するために、各架台ユニットと、架台カバーの一部とを架台10から切り離した分解図を示す。
図3には、架台10を前側から見た断面図を示す。
【0028】
図2及び
図3に示すように、架台10は、静磁場磁石102、傾斜磁場コイル103、送信コイル107が架台カバー11によって覆われた構造である。ここで、架台10における位置又は方向を示す場合には、静磁場磁石102の位置を基準にして、寝台105が置かれる側を前側と定義し、その反対側を後側と定義する。また、静磁場磁石102の中心軸を基準にして、中心軸より右を右側と定義し、中心軸より左を左側と定義し、中心軸より上を上側と定義し、中心軸より下を下側と定義する。
【0029】
また、第1の実施形態においては、静磁場磁石102と、架台10の側面(
図2の架台カバー11A,11Bに対応)との間の空間を「側部」と称する。
図2及び
図3に示す例では、側部は、架台10の左右両側に存在するが、各架台ユニットが設けられるのは架台10の左側部である。
【0030】
例えば、電源部101、制御部106、及び受信部110の各架台ユニットは、架台10の左側部に設置される。これにより、作業員は、例えば、左側部を覆う架台カバー11Aを取り外すだけで、各架台ユニットにアクセスできる。
【0031】
また、例えば、電源部101は、架台10の左側部のうち後側に設置される(
図2)。これは、電源部101は、架台10の外部から供給されるDC電圧を増幅して各架台ユニットに供給するために、架台10においてケーブルの起点(ターミナル)となる位置に設置されるのが好ましいからである。一般的には、外部から接続されるケーブルは、天井若しくは床面を這わせられ、架台10の後側に接続される。このため、電源部101は、架台10の左側部のうち後側(寝台105から離れた位置)に配置される。これにより、電源部101は、ケーブルの起点となる位置から各架台ユニットに電力を供給することができる。
【0032】
また、電源部101、制御部106、及び受信部110の各架台ユニットは、静磁場磁石102の中心軸を通る垂直な面(yz平面)に対して平行に配置される(
図2及び
図3)。これにより、作業員は、架台10の左側からアクセスすることで、静磁場磁石102に設置された各架台ユニットと向かい合うことができるので、各架台ユニットを容易にメンテナンスすることができる。
【0033】
冷凍機111は、静磁場磁石102の超伝導コイルが浸漬された冷媒を冷却する。例えば、冷凍機111は、左側部の上側に設置される。これにより、作業員は、他の架台ユニットと同じ方向から冷凍機111にアクセスすることができる。
【0034】
架台カバー11は、静磁場磁石102の周囲に着脱可能に設けられる。また、架台カバー11は、複数の部分カバーを有する。例えば、架台カバー11は、左側の表面のうちシャーシ20に対応する部分を覆う部分カバー11Aと、左側の表面のうち冷凍機111に対応する部分を覆う部分カバー11Bと、上側の表面のうち冷凍機111に対応する部分を覆う部分カバー11Cとを有する。なお、架台カバー11の詳細については、後述する。
【0035】
シャーシ20は、架台10の左側部に設置される。例えば、シャーシ20は、シャーシ20を支持する支持部材23によって、静磁場磁石102の外周側面に取り付けられる。また、シャーシ20は、電源部101、制御部106、受信部110等の各架台ユニットを支持する。なお、シャーシ20は、板部材の一例である。また、シャーシ20の詳細については、後述する。
【0036】
なお、
図1では、電源部101、制御部106、及び受信部110等の各架台ユニットが架台10の左側部に設けられる場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、各架台ユニットが架台10の左側部に備えられても良い。すなわち、各架台ユニットは、架台10のいずれか一方の同じ側の側部に設けられれば良い。また、冷凍機111は、架台10のいずれか一方の側部に限らず、静磁場磁石102の上側の中央に配置されていても良い。また、電源部101、制御部106、及び受信部110は、必ずしもyz平面に対して平行に配置されていなくても良く、作業員によるメンテナンス効率が大幅に低下しない範囲内で傾いていても良い。
【0037】
(シャーシ20の構成)
図4及び
図5は、第1の実施形態に係るシャーシ20の構成の一例を示す図である。
図4には、シャーシ20の斜視図を示す。
図5には、シャーシ20を架台10の前側から見た図を示す。
【0038】
図4及び
図5に示すように、シャーシ20は、架台10の左側部において、静磁場磁石102の外周側面に着脱可能に取り付けられる。また、シャーシ20には、電源部101、制御部106、受信部110等の各架台ユニットが設置される。これにより、作業員は、架台10から各架台ユニットを容易に取り外すことができる。例えば、メンテナンスを行う場合、作業員は、シャーシ20を静磁場磁石102から取り外すことで、架台10の大半の架台ユニットを一挙に取り外すことができる。
【0039】
また、シャーシ20は、分割シャーシ20A,20B,20Cを有する。例えば、シャーシ20は、各分割シャーシ20A,20B,20Cを互いに組み合わせて固定することで構成される。具体的には、シャーシ20は、架台10の前側から見た場合に、L字型構造となるように、各分割シャーシ20A,20B,20Cによって構成される(
図3及び
図5)。各分割シャーシ20A,20B,20Cは、非磁性金属で作製される。例えば、各分割シャーシ20A,20B,20Cは、アルミ板で作製される。なお、各分割シャーシ20A,20B,20Cは、分割板部材の一例である。
【0040】
例えば、分割シャーシ20A及び20Bは、yz平面に対して平行に設置される。これにより、分割シャーシ20A及び20Bは、yz平面に対して平行な設置面を提供する。
図4に示す例では、分割シャーシ20Aに電源部101及び受信部110が設置され、分割シャーシ20Bに制御部106が設置される。
【0041】
また、例えば、分割シャーシ20Cは、シャーシ20の下端において水平に配置される。具体的には、分割シャーシ20Cは、シャーシ20の下端から静磁場磁石102の外周面に向かって水平方向に配置される。言い換えると、分割シャーシ20Cは、L字型構造の底面を構成するように配置される。これにより、分割シャーシ20Cは、水平な設置面を提供し、シャーシ20と静磁場磁石102の外周面との間の領域24を有効に活用することができる(
図3及び
図5)。
図5に示す例では、領域24に、クーリングユニット、ECG同期ユニット、モータードライバ等が設置される。
【0042】
また、分割シャーシ20Cには、架台10を据付後に設置可能な機器が配置される。このような機器の一例としては、クーリングユニット、ECG同期ユニット等が挙げられる。言い換えると、これらの機器は、分割シャーシ20Cに配置され、他の分割シャーシ20A,20Bには配置されない。これにより、これらの機器が据付後に設置される場合、作業員は、設置予定の機器の全てを分割シャーシ20Cに設置すれば良いので、容易に作業を行うことができる。また、作業が容易なので、作業員による設置ミスを防止することができる。
【0043】
なお、ここでは、シャーシ20に各架台ユニットが設置される場合を説明したが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、架台10の架台ユニットのうちメンテナンスの頻度が低い架台ユニットについては、必ずしもシャーシ20に設置されなくても良い。言い換えると、シャーシ20には、メンテナンスの頻度が高い架台ユニットを設置しておくことで、十分容易にメンテナンスを行うことができる。具体的には、シャーシ20には、少なくとも電源部101、制御部106、受信部110の3つの架台ユニットが設置されることが好ましい。
【0044】
また、ここでは、シャーシ20が3つの分割シャーシ20A,20B,20Cによって構成される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、シャーシ20は、1枚で構成されても良いし、任意の枚数で構成されても良い。
【0045】
また、上記の例では、分割シャーシ20Aに電源部101及び受信部110が配置され、分割シャーシ20Bに制御部106が配置される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、分割シャーシ20Aに電源部101及び制御部106が配置され、分割シャーシ20Bに受信部110が配置されても良い。また、分割シャーシ20Bに電源部101が配置され、分割シャーシ20Aに制御部106及び受信部110が配置されても良い。この場合、ケーブルは床面から這わせるのが好ましい。
【0046】
図6は、第1の実施形態に係るシャーシ20におけるケーブルについて説明するための図である。
図6には、シャーシ20を架台10の左側から見た図を示す。
【0047】
図6に示すように、シャーシ20は、シャーシ20上に配置された各架台ユニットを互いに接続するためのケーブル(配線)それぞれを、所定の位置で支持する配線支持部材25を有する。例えば、各配線支持部材25は、シャーシ20上の予め規定された位置に配置されている。また、各配線支持部材25は、各配線支持部材25によって支持されるケーブルが予め規定されている。具体的には、各配線支持部材25は、予め規定されたケーブルの形状に対応する形状を有する。これにより、作業員は、各ケーブルを、そのケーブルの形状に対応する形状の配線支持部材25に支持させることで、各ケーブルを容易に接続することができる。
【0048】
なお、ここでは、ケーブルと配線支持部材25との対応関係が形状によって規定される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、この対応関係は、識別番号によって規定され、この識別番号が対応するケーブル及び配線支持部材25に予め表示されていても良い。また、例えば、対応関係は、色によって規定され、ケーブル及び配線支持部材25が規定された色で色分けされていても良い。また、対応関係は、形状、識別番号、色の組み合わせによって規定されても良い。
【0049】
また、シャーシ20は、架台10の外部からシャーシ20上に配置された各架台ユニットに接続されるケーブルを所定の経路で配置するダクト26を有する(
図4〜
図6)。例えば、ダクト26は、シャーシ20のうち、架台10の後側に配置される。これは、上述したように、外部から接続されるケーブルは、一般的には、天井若しくは床面を這わせられ、架台10の後側に接続されるからである。なお、ダクト26は、溝状部材の一例である。
【0050】
また、ダクト26は、シャーシ20の上端部で分割可能に構成される。すなわち、ダクト26は、シャーシ20側に固定される部分ダクト26Aと、静磁場磁石102側に固定される部分ダクト26Bとに分割される。これにより、作業員は、シャーシ20上のケーブルが接続されたままのシャーシ20を容易に取り外すことができる。具体的には、作業員は、まず、ダクト26からシャーシ20へ繋がっているケーブルのみをシャーシ20から取り外す。そして、作業員は、部分ダクト26Aと、部分ダクト26Bとを切り離す。そして、作業員は、部分ダクト26Aが固定されたままのシャーシ20を静磁場磁石102から取り外すことで、シャーシ20上のケーブルが接続されたままのシャーシ20を容易に取り外すことができる。
【0051】
図7及び
図8は、第1の実施形態に係るシャーシ20の防水カバーについて説明するための図である。
図7には、シャーシ20を架台10の前側から見た断面図を示す。
図8には、シャーシ20を架台10の左側から見た図を示す。
【0052】
図7及び
図8に示すように、シャーシ20は、シャーシ20に配置された各架台ユニットへの水の浸潤を防ぐために、シャーシカバー20E,20F,21,22を有する。シャーシカバー20E,20F,21,22は、防水カバーの一例である。
【0053】
例えば、シャーシカバー20Eは、分割シャーシ20Aの一部として、シャーシ20の上端に成形される。シャーシカバー20Eは、シャーシ20上の各架台ユニットの厚みに対して十分な大きさ(例えば、
図7においては左右方向の幅)を有する。また、シャーシカバー20Eは、所定の傾きを有する。具体的には、シャーシカバー20Eは、シャーシカバー20Eのうち静磁場磁石102に近い側の端部が高い位置となり、静磁場磁石102から遠い側の端部が低い位置となるように、傾けられている。
【0054】
例えば、シャーシカバー20Fは、分割シャーシ20Aの一部として、シャーシ20の両端に成形される(
図8)。シャーシカバー20Fは、シャーシ20上の各架台ユニットの厚みに対して十分な大きさ(例えば、
図7においては左右方向の幅)を有する。また、シャーシカバー20Fは、シャーシカバー20Eの端部からシャーシ20上の架台ユニットに近づく方向にずれた位置に配置される(
図8の矢印Bの位置を参照)。
【0055】
また、シャーシカバー21は、分割シャーシ20Aに配置される架台ユニットを覆うのに十分な大きさ(例えば、
図7においては上下方向の高さ)を有する(
図2,
図7)。また、シャーシカバー21は、シャーシカバー20Eの内側に、yz平面と平行に配置される。具体的には、シャーシカバー21は、シャーシカバー20Eの下端からシャーシ20上の架台ユニットに近づく方向にずれた位置に配置される(
図7の矢印Aの位置を参照)。
【0056】
また、シャーシカバー22は、分割シャーシ20Bに配置される架台ユニットを覆うのに十分な大きさを有する(
図2)。また、シャーシカバー22は、シャーシカバー21の内側に、yz平面と平行に配置される。具体的には、シャーシカバー21は、シャーシカバー21の位置からシャーシ20上の架台ユニットに近づく方向にずれた位置に配置される。
【0057】
これにより、シャーシカバー20E,20F,21,22は、シャーシ20の上方から水が浸潤する場合に、各架台ユニットへの水の浸潤を防ぐことができる。
【0058】
なお、
図7では、シャーシカバー20E及びシャーシカバー21が接触しているように図示したが、これに限定されるものではなく、多少の隙間を有していても良い。また、
図8では、シャーシカバー20E及びシャーシカバー20Fが接触しているように図示したが、これに限定されるものではなく、多少の隙間を有していても良い。
【0059】
図9は、第1の実施形態に係る架台10の一体出荷について説明するための図である。
図9には、出荷時の架台10の斜視図を示す。
【0060】
図9に示すように、架台10は、静磁場磁石102の外周の両側面の下側に、架台10を運搬するための器具を取り付ける取付部30を有する。例えば、取付部30は、静磁場磁石102を支持するとともに、架台10を運搬するための器具を取り付け可能な構成(例えば、突起や穴等)を有する。
【0061】
シャーシ20は、静磁場磁石102の外周側面に取り付けられた場合に、シャーシ20の下端が取付部30の上端よりも上に位置する。例えば、シャーシ20の高さは、冷凍機111の下端から取付部30の上端までの距離以下である。これにより、シャーシ20は、静磁場磁石102の外周側面に取り付けられた場合においても、架台10を運搬するための器具が取付部30に取り付けられるのを阻害しないので、シャーシ20及び静磁場磁石102の一体出荷が可能となる。
【0062】
(架台カバー11の構成)
図10は、第1の実施形態に係る架台カバー11の構成を説明するための図である。
図10には、架台カバー11Aを取り外した架台10の斜視図を示す。
【0063】
図11に示すように、架台カバー11Aは、架台10の左側部において、少なくともシャーシ20の上端から下端までを覆う大きさを有する。例えば、架台カバー11Aは、架台10の左側部において、シャーシ20の上端から床面に接する位置までを覆う大きさを有する。
【0064】
また、架台カバー11Aは、架台カバー11Aの下端が静磁場磁石102の方へ湾曲若しくは折れ曲がった形状である。
図11に示す例では、架台カバー11Aは、架台カバー11Aの下端から数十cmの範囲が内側へ数十cm程度湾曲している。これにより、MRI装置100は、作業員が作業する場合の足下のスペースを広くすることができる。
【0065】
また、架台10は、フレーム40を有する。フレーム40は、架台10の前面と、架台10の後面とを連結し、架台カバー11Aを支持する。例えば、フレーム40の両端は、架台10の前側及び後側の架台カバー11の内側に引っかかるための構造を有する(
図10の矢印Cの位置を参照)。また、架台10の前側及び後側の架台カバー11の下端には、架台10の左端から数十cm程度内側に、フレーム40の端を引っかけるための構造を有する。そして、これらの構造を利用して、架台10の前側及び後側の架台カバー11の下端にフレーム40の両端をそれぞれ引っかけることで、フレーム40は、架台10の前側の架台カバー11と、架台10の後側の架台カバー11とを連結する。また、フレーム40は、架台カバー11Aが架台10に取り付けられると、架台カバー11Aの湾曲した下端に接触することで、架台カバー11Aを支持する。このとき、架台カバー11Aの重量は、架台10の前側の架台カバー11と、架台10の後側の架台カバー11とに分散されるので、フレーム40は、効率良く架台カバー11Aを支持することができる。
【0066】
また、架台カバー11Bは、架台10の左側部において、少なくともシャーシ20の上端から静磁場磁石102の上端までを覆う大きさを有する。例えば、架台カバー11Bは、架台10の左側部において、シャーシ20の上端から架台10の上面の位置までを覆う大きさを有する。これにより、作業員は、冷凍機111のメンテナンスを行う場合に、必要以上に架台カバー11を取り外すことなく作業を行うことができる。
【0067】
このように、第1の実施形態に係るMRI装置100は、電源部101、制御部106、及び受信部110等の各架台ユニットを、架台10のいずれか一方の側部に有する。したがって、作業員は、例えば、架台ユニットが設けられた側部を覆う架台カバー11を取り外すだけで、各架台ユニットにアクセスできる。このため、MRI装置100は、各架台ユニットを容易にメンテナンスすることが可能となる。また、一般的には、架台10の側部には作業員が作業するための作業スペースが設けられるが、架台ユニットが設けられなかった側部については、作業スペースを設ける必要がない。このため、MRI装置100は、更なる省スペース化を実現することができる。
【0068】
なお、上述した実施形態においては、円筒形状の空洞(撮像口)を有するトンネル型のMRI装置100を想定して説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。上述した実施形態は、例えば、オープン型のMRI装置にも、同様に適用することができる。
【0069】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、省スペース化を実現することができる。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。