特許第6203019号(P6203019)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203019主装置の制御パラメータ選択装置、主装置の制御パラメータ選択方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203019
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】主装置の制御パラメータ選択装置、主装置の制御パラメータ選択方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170914BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   G06F3/041 522
   G06F3/044 130
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-247930(P2013-247930)
(22)【出願日】2013年11月29日
(65)【公開番号】特開2015-106276(P2015-106276A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】塚崎 学
【審査官】 萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−108572(JP,A)
【文献】 特開2011−220894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/041
G06F 3/044
G06F 3/048 − 3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主装置の動作項目および操作量を選択するための主装置の制御パラメータ選択装置であって、
表示領域を挟んで、配置された電極と、該電極と被検出体との相互距離に応じた静電容量を検出する静電容量検出手段と、
前操作動作によって表示された前記動作項目および操作パラメータの表示内容、または、前記被検出体の操作動作履歴の少なくとも一方に基づき、前操作動作が、どの電極を検出したかに応じて、当該被検出体の操作動作を予測し、前記電極について、該予測された操作動作において当該被検出体が接近するか否かに応じて、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を調整する検出制御手段と、
該検出された静電容量が前記検出制御手段で調整された閾値を超えたときに、被検出体の接近を検知する検知手段と、
を備えることを特徴とする主装置の制御パラメータ選択装置。
【請求項2】
前記検出制御手段が、前記予測された操作動作において前記被検出体が接近する電極について、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を、予め定めた閾値よりも低くすることを特徴とする請求項1に記載の主装置の制御パラメータ選択装置。
【請求項3】
前記検出制御手段が、前記予測された操作動作において前記被検出体が接近しない電極について、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を、予め定めた閾値よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の主装置の制御パラメータ選択装置。
【請求項4】
前記主装置がエアコン、オーディオ機器、ナビゲーション機器等の車載機器であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の主装置の制御パラメータ選択装置。
【請求項5】
主装置の動作項目および操作量を選択するための主装置の制御パラメータ選択装置における制御パラメータ選択方法であって、
表示領域を挟んで、配置された電極と、該電極と被検出体との相互距離に応じた静電容量を検出する静電容量検出手段と、検出制御手段と、検知手段と、を備え、
前記検出制御手段が、前操作動作が、どの電極を検出したかを検出し、当該前操作動作によって表示された前記動作項目および操作パラメータの表示内容、または、前記被検出体の操作動作履歴の少なくとも一方に基づいて当該被検出体の操作動作を予測する第1のステップと、
前記検出制御手段が、前記電極について、前記第1のステップで予測された操作動作において当該被検出体が接近するか否かに応じて、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を調整する第2のステップと、
前記検知手段が、該検出された静電容量が前記第2のステップで調整された閾値を超えたときに、被検出体の接近を検知する第3のステップと、
を含むことを特徴とする主装置の制御パラメータ選択方法。
【請求項6】
主装置の動作項目および操作量を選択するための主装置の制御パラメータ選択装置における制御パラメータ選択方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
表示領域を挟んで、配置された電極と、該電極と被検出体との相互距離に応じた静電容量を検出する静電容量検出手段と、検出制御手段と、検知手段と、を備え、
前記検出制御手段が、前操作動作が、どの電極を検出したかを検出し、当該前操作動作によって表示された前記動作項目および操作パラメータの表示内容、または、前記被検出体の操作動作履歴の少なくとも一方に基づいて当該被検出体の操作動作を予測する第1のステップと、
前記検出制御手段が、前記電極について、前記第1のステップで予測された操作動作において当該被検出体が接近するか否かに応じて、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を調整する第2のステップと、
前記検知手段が、該検出された静電容量が前記第2のステップで調整された閾値を超えたときに、被検出体の接近を検知する第3のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触の操作動作によって、主装置の制御パラメータの選択を可能とする主装置の制御パラメータ選択装置、主装置の制御パラメータ選択方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション、カーオーディオ等の各種車載機器に使用される表示装置には、これら車載機器に対する操作入力を受け付けるためのタッチパネルが備えられている。表示装置のタッチパネルは、表示画面を表示するディスプレイの前面に設けられており、タッチパネルに設定された操作領域の中で、ディスプレイの表示画面の一部として表示された操作スイッチに対応する操作領域がタッチすることで、運転者や同乗者は操作入力を行うことができる。
【0003】
しかしながら、運転者が操作入力を行う場合、車両前方から目を離し、タッチパネルに表示された操作領域を視認してタッチしなければならない為に、危険であるという問題点があった。そこで、表示装置に、赤外線方式や静電容量変化検出方式等による非接触入力の技術(例えば、特許文献1、2参照)を適用することで、ジェスチャーによる入力を可能とし、運転者が操作スイッチに対応する操作領域を視認せずとも、操作入力を行うことが可能となることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−259260号公報
【特許文献2】特開2012−3554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、赤外線方式や静電容量変化検出方式等による非接触入力が可能な表示装置が複数個の検出部を備える場合、手や指等のジェスチャー入力する部分の本来の動作とのズレや、ジェスチャー入力する部分ではない指輪や時計等のアクセサリーによって、本来反応すべきでない検出部が反応してしまうことがある。それにより、操作者の意思とは異なる入力がなされてしまうという問題点があった。
【0006】
例えば、静電容量方式よる非接触入力が可能な表示装置が検出部である電極を十字方向4つ設置している場合、ジェスチャー入力は上下、左右、回転等が可能になる。そこで、表示装置上にて手を左右に動かした場合、手は必ずしも水平に動かせたとは限らず、斜め下や斜め上、または少しカーブを描いて左右に動かしていることもある。その場合、下側や上側の電極も反応してしまい、ジェスチャー入力を左右ではなく、回転と誤判定してしまうこと等があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、非接触入力が可能な表示装置の検出部の感度を、操作者の次操作動作に応じて、調整する主装置の制御パラメータ選択装置、主装置の制御パラメータ選択方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
【0009】
(1) 本発明は、主装置の動作項目および操作量を選択するための主装置の制御パラメータ選択装置であって、表示領域を挟んで、配置された電極と、該電極と被検出体との相互距離に応じた静電容量を検出する静電容量検出手段と、前操作動作によって表示された前記動作項目および操作パラメータの表示内容、または、前記被検出体の操作動作履歴の少なくとも一方に基づき、前操作動作が、どの電極を検出したかに応じて、当該被検出体の操作動作を予測し、前記電極について、該予測された操作動作において当該被検出体が接近するか否かに応じて、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を調整する検出制御手段と、該検出された静電容量が前記検出制御手段で調整された閾値を超えたときに、被検出体の接近を検知する検知手段と、を備えることを特徴とする主装置の制御パラメータ選択装置を提案している。
【0010】
本発明によれば、操作者の操作動作を正しく検出するようにすることができ、ユーザの意思とは異なる入力がされてしまうことを防ぐことができる。
【0011】
(2)本発明は、(1)の主装置の制御パラメータ選択装置について、前記検出制御手段が、前記予測された操作動作において前記被検出体が接近する電極について、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を、予め定めた閾値よりも低くすることを特徴とする主装置の制御パラメータ選択装置を提案している。
【0012】
(3)本発明は、(1)の主装置の制御パラメータ選択装置について、前記検出制御手段が、前記予測された操作動作において前記被検出体が接近しない電極について、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を、予め定めた閾値よりも高くすることを特徴とする主装置の制御パラメータ選択装置を提案している。
【0013】
(4)本発明は、(1)から(3)の主装置の制御パラメータ選択装置について、前記主装置がエアコン、オーディオ機器、ナビゲーション機器等の車載機器であることを特徴とする主装置の制御パラメータ選択装置を提案している。
【0014】
(5)本発明は、主装置の動作項目および操作量を選択するための主装置の制御パラメータ選択装置における制御パラメータ選択方法であって、表示領域を挟んで、配置された電極と、該電極と被検出体との相互距離に応じた静電容量を検出する静電容量検出手段と、検出制御手段と、検知手段と、を備え、前記検出制御手段が、前操作動作が、どの電極を検出したかを検出し、当該前操作動作によって表示された前記動作項目および操作パラメータの表示内容、または、前記被検出体の操作動作履歴の少なくとも一方に基づいて当該被検出体の操作動作を予測する第1のステップと、前記検出制御手段が、前記電極について、前記第1のステップで予測された操作動作において当該被検出体が接近するか否かに応じて、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を調整する第2のステップと、前記検知手段が、該検出された静電容量が前記第2のステップで調整された閾値を超えたときに、被検出体の接近を検知する第3のステップと、を含むことを特徴とする主装置の制御パラメータ選択方法を提案している。
【0015】
(6)本発明は、主装置の動作項目および操作量を選択するための主装置の制御パラメータ選択装置における制御パラメータ選択方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、表示領域を挟んで、配置された電極と、該電極と被検出体との相互距離に応じた静電容量を検出する静電容量検出手段と、検出制御手段と、検知手段と、を備え、前記検出制御手段が、前操作動作が、どの電極を検出したかを検出し、当該前操作動作によって表示された前記動作項目および操作パラメータの表示内容、または、前記被検出体の操作動作履歴の少なくとも一方に基づいて当該被検出体の操作動作を予測する第1のステップと、前記検出制御手段が、前記電極について、前記第1のステップで予測された操作動作において当該被検出体が接近するか否かに応じて、当該被検出体の接近を検知するための閾値とする静電容量を調整する第2のステップと、前記検知手段が、該検出された静電容量が前記第2のステップで調整された閾値を超えたときに、被検出体の接近を検知する第3のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、非接触入力が可能な表示装置の検出部の感度を、予測した操作者の次操作動作に応じて調整して、操作者の操作動作を正しく検出するようにすることができ、操作者の意思とは異なる入力がされてしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置の概略的な構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置の電気的な構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置における表示パネルの表示例を示した図である。
図4】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置における被検出体の近接状況の検出原理を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置における被検出体の近接状況の検出原理を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置における被検出体の近接状況の検出原理を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置における被検出体の近接状況の検出原理を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置における上下操作動作による入力を示した図である。
図9】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置における円状操作動作による入力を示した図である。
図10】本発明の実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置の処理を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0019】
<実施形態>
図1から図10を用いて、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
<主装置の制御パラメータ選択装置の概略的な構成>
図1に示すように、本実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置は、主に、電極110X、120X、110Y、120Yと、表示パネル(表示領域)200とから構成されている。
【0021】
電極110X、120X、110Y、120Yは、表示パネル(表示領域)200の外周部に配置され、電極110X、120Xは、表示パネル(表示領域)200の外周のX軸方向上部、下部に設けられ、電極110Y、120Yは、表示パネル(表示領域)200の外周のY軸方向上部、下部に設けられている。
【0022】
電極110X、120X、110Y、120Yは、静電容量の変化により、例えば、操作者の手や指といった被検出体の近接状態を検出する方式に用いられるものであり、特に、自己キャパシタンス方式と呼ばれる方式に用いられる電極である。なお、検出方法については、後述する。
【0023】
表示パネル200は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のフラットパネルが望ましく、本実施形態においては、エアコン、オーディオ機器、ナビゲーション機器等の動作項目および、これの操作パラメータ(エアコンであれば、温度、風向、風量等、オーディオ機器であれば、CD、DVD、FM、AM、音量、イコラーザ等、ナビゲーション機器であれば、住所、電話番号、履歴情報等)をマトリクス状に表示する。
【0024】
<主装置の制御パラメータ選択装置の電気的な構成>
図2に示すように、静電容量検出部310と、閾値格納部320と、検出制御部330と、近接検出部340と、制御部350と、表示制御部360とから構成されている。
【0025】
静電容量検出部310は、各電極110X、120X、110Y、120Yの静電容量の変化量(増加量)を検出する。
【0026】
閾値格納部320は、近接検出部340が被検出体の近接状態を検出するために用いる閾値を格納する。閾値格納部320は、近接検出部340が被検出体の近接状態を検出する通常の感度の閾値(以下、通常感度閾値という)、近接検出部340が被検出体の近接状態を検出する感度を高くする閾値(以下、高感度閾値という)、および近接検出部340が被検出体の近接状態を検出する感度を低くする閾値(以下、低感度閾値という)を格納する。ここで、高感度閾値は通常感度閾値より小さく、一方、低感度閾値は通常感度閾値よりも大きい。なお、通常感度閾値、高感度閾値、および低感度閾値を区別しない場合には、閾値という。
【0027】
なお、閾値格納部320は、通常感度閾値、高感度閾値、および低感度閾値の3つに限らず、複数の閾値を格納してもよい。閾値格納部320が、複数の閾値を格納することにより、近接検出部340が被検出体の近接状態を検出する感度を細かく変えることができる。
【0028】
検出制御部330は、操作者の操作動作において被検出体が接近する、または、接近しない電極の少なくとも一方を予測する。そして、検出制御部330は、接近することが予測された電極について、近接検出部340が被検出体の近接状態を検出する感度を上げる制御を行う。また、検出制御部330は、接近しないことが予測された電極について、近接検出部340が被検出体の近接状態を検出する感度を下げる制御を行う。
【0029】
その結果、操作者の操作動作を正しく検出するようにすることができ、操作者の意思とは異なる入力がされてしまうことを防ぐことができる。また、検出制御部330は、全電極について近接検出部340が被検出体の近接状態を検出する感度を0にすることもでき、それにより、表示装置のタッチパネルを併用して利用することも可能となる。
【0030】
具体的には、検出制御部330は、操作者の操作動作によって、静電容量検出部310が静電容量の変化量(増加量)を検出したことに応じて、操作者の操作動作において被検出体が接近する、または、接近しない電極の少なくとも一方を予測する。そして、検出制御部330は、操作者の操作動作において被検出体が接近すると予測した電極については、閾値格納部320に格納された高感度閾値を、操作者の操作動作において被検出体が接近しないと予測した電極については、閾値格納部320に格納された通常感度閾値または低感度閾値を、近接検出部340に送信する。
【0031】
また、検出制御部330は、操作者の操作動作において被検出体が接近しないと予測した電極については、閾値格納部320に格納された低感度閾値を、操作者の操作動作において被検出体が接近すると予測した電極については、閾値格納部320に格納された通常感度閾値または高感度閾値を、近接検出部340に送信してもよい。なお、検出制御部330は、操作者の前操作動作後、操作者の次操作動作によって静電容量検出部310が静電容量の変化量(増加量)を検出する前に、上述した処理を行ってもよい。
【0032】
例えば、検出制御部330が操作者の操作動作において被検出体が接近すると予測した電極が電極110X、120Xである場合には、電極110X、120Xについては、閾値格納部320に格納された高感度閾値を近接検出部340に送信する。一方、被検出体が接近しないと予測した電極110Y、120Yについては、閾値格納部320に格納された通常感度閾値または低感度閾値を、近接検出部340に送信する。
【0033】
検出制御部330は、操作者の操作動作において被検出体が接近する、または、接近しない電極を、被検出体の操作動作履歴や表示パネル(表示領域)200に表示されている内容に応じて予測する。
【0034】
例えば、被検出体が表示パネル(表示領域)200上を上下に動く前操作動作によって、電極110X、120Xが被検出体の近接状態を検出した場合には、次操作動作は被検出体が表示パネル(表示領域)200上を左右に動く動作であって、電極110Y、120Yに被検出体が接近すると予測するといったように、前操作動作がどの電極を検出したかに応じて、次操作動作を検出する電極を予測する方法がある。この場合には、前操作動作を検出した電極と次操作動作を検出する電極との対応付けたルールを予め設定し、設定したルールに基づいて、前操作動作がどの電極を検出したかに応じて、次操作動作を検出する電極を予測する。
【0035】
前操作動作を検出した電極と次操作動作を検出する電極との対応付けたルールは、任意に決定してもよいし、被検出体の操作動作履歴から決定してもよい。被検出体の操作動作履歴から決定する場合には、操作動作履歴において、前操作動作を検出した電極の組み合わせ毎に、前操作動作を検出した電極と次操作動作を検出する電極との組み合わせで多いものや、前操作動作を検出した電極と次操作動作を検出する電極との直近の組み合わせをルールとして設定する。
【0036】
また、表示パネル(表示領域)200に表示されている表示内容に応じて、被検出体が接近する電極を予測する方法がある。例えば、主装置の表示パネル(表示領域)200の表示内容を制御する機能部から、表示内容として動作項目や操作パラメータの並び方をまず取得する。そして、取得した並び方が縦方向である場合には、被検出体が接近する電極は、表示パネル(表示領域)200の外周のX軸方向上部、下部の電極110X、120Xと予測する。一方、取得した並び方が横方向である場合には、被検出体が接近する電極は、表示パネル(表示領域)200の外周のY軸方向上部、下部の電極110Y、120Yと予測する。
【0037】
近接検出部340は、各電極について、例えば、静電容量検出部310が検出した静電容量の変化量(増加量)と検出制御部330から受信した閾値とを比較して、近接状態を検出する。例えば、容量値を電圧値に変換し、電圧の形式で、両者を比較することにより、近接状態を検出する。
【0038】
制御部350は、近接検出部340からの、各電極についての近接状態を検出したか否かの出力信号に基づいて、表示を変更する信号を表示制御部360に出力し、表示制御部360は入力した制御信号に基づいて表示パネル200の表示を制御する。
【0039】
本実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置の表示パネル200の表示例を示した図3を用いて、制御部350の具体的な制御処理について説明する。
【0040】
図3では、最上部の行には、NAVI、AIR CON、AUDIO、PC、PHONE等の動作項目が表示されている。以下の行には、操作パラメータ、例えば、VOL16、VOL17、VOL18、VOL19、VOL20等の音量表示、AUX、USB等のPCの機能やCD/DVD、FM、AM等のAUDIOの機能が表示されている。また、25.5℃、26.0℃、26.5℃、27.0℃、27.5℃等の温度表示、TEL、住所、履歴、登録地点、ランドマーク等のNAVIに関する機能が表示されている。
【0041】
具体的には、表示パネル200にエアコン、オーディオ機器、ナビゲーション機器等の動作項目および、これの操作パラメータがマトリクス状に表示されている場合に、例えば、近接検出部340が電極110Yへの近接状態を検出した後に、電極120Yへの近接状態を検出したときには、エアコン、オーディオ機器、ナビゲーション機器等の動作項目の選択モードであると制御部350が判断し、近接検出部340が電極110Yへの近接状態を検出した後に、電極120Yへの近接状態を検出するたびに、動作項目を一コマずつスクロール表示するように、表示制御部360に制御信号を出力し、表示パネル200の表示を遷移させる。
【0042】
図3において、例えば、近接検出部340が電極120Xへの近接状態を検出した後に、電極110Xへの近接状態を検出したときには、動作項目および操作パラメータの選択モードであると制御部350は判断し、近接検出部340が電極120Xへの近接状態を検出した後に、電極110Xへの近接状態を検出するたびに、最上部の行を一行ずつスクロール表示するように、表示制御部360に制御信号を出力し、表示パネル200の表示を遷移させる。
【0043】
また、近接検出部340が電極110Yへの近接状態を検出した後に、電極120Yへの近接状態を検出したときには、最上部の行に表示された動作項目、NAVI、AIR CON等の選択モードであると制御部350は判断し、近接検出部340が電極110Yへの近接状態を検出した後に、電極120Yへの近接状態を検出するたびに、動作項目を一コマずつスクロール表示するように、表示制御部360に制御信号を出力し、表示パネル200の表示を遷移させる。
【0044】
<主装置の制御パラメータ選択装置における被検出体の近接状況の検出原理>
図4から図7を用いて、本実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置における被検出体の近接状況の検出原理について説明する。
【0045】
上述したように、本実施形態で用いられる自己キャパシタンス方式では、浮遊容量を持つ電極を用いる。浮遊容量は、電極と周りの導電体の間にある寄生容量の影響を受ける。人体も導電体であることから、電極に指(人体)が近づくと浮遊容量の値が増加する(図4参照)。つまり、自己キャパシタンス方式では、電極に指(人体)が近づくことにより、増加する容量値を検出することにより、被検出体の近接状況を検出する。
【0046】
図5および図6を用いて、被検出体の近接状況の検出方法の一例について説明する。
【0047】
図5に検出回路の一例を示す。この図に示すように、検出回路は、コンデンサCc、計測容量Cx、比較用コンデンサCrと、抵抗Rcと、スイッチSW1、SW2、SW3と、コンパレータとから構成されている。
【0048】
計測容量Cxは、一端が接地され、他端が電極を介して、比較用コンデンサCrの一端およびコンパレータの比較入力端子に接続されている。また、スイッチSW1がコンパレータの比較入力端子とグランド間に設けられている。
【0049】
コンデンサCcは、一端が接地され、他端が抵抗Rcの一端に接続され、抵抗Rcの他端は、比較用コンデンサCrおよびスイッチSW1とSW2の接続点に接続されている。また、スイッチSW1の他端は、電源電圧Vccに接続され、スイッチSW2の他端は、接地されている。さらに、コンパレータの基準電圧端子には、Vrefが接続されている。ここで、コンデンサCcの両端電圧をVc、計測容量Cxの両端電圧をVx、比較用コンデンサCrの両端電圧をVrとする。
【0050】
この方法では、以下のように、電極の計測容量Cxの静電容量を計測する。つまり、コンデンサCcに電荷が溜まり、徐々に抵抗Rcを介して放電する。コンデンサCcの電荷は、比較用コンデンサCrおよび計測容量Cxに移動する。そこで、比較用コンデンサCrとコンデンサCcとで分割された電圧を検出することにより、電極の計測容量Cxの静電容量を計測する。
【0051】
詳しい計測方法は、1)スイッチSW1をONにして、コンデンサCcに電荷を溜める。なお、このとき、スイッチSW2、SW3は、OFF状態である。2)スイッチSW1、SW2、SW3をすべてOFFに切替え、コンデンサCcの電荷を維持する。3)スイッチSW2、SW3を一定時間ONとする。そして、計測容量Cxおよび比較用コンデンサCrの電荷がすべて放電されつつ、コンデンサCcの電荷の一部が抵抗Rcを介して放電される。4)スイッチSW1、SW2、SW3をすべてOFFに切替える。このとき、コンデンサCcの電荷は、計測容量Cxと比較用コンデンサCrに移動する。5)コンパレータで計測容量Cxの電圧(Vx)とVrefを比較する。
【0052】
上記、4)、5)の等価回路を図6に示す。ここで、比較用コンデンサCr、計測容量Cx、コンデンサCcの電圧、Vr、Vx、Vcは、等しくしなければならないため、コンデンサCcの電荷は、計測容量Cx、比較用コンデンサCrに分散する。
【0053】
電圧Vr、Vx、Vcと比較用コンデンサCr、計測容量Cx、コンデンサCcの容量との関係は、以下の数1から数3となる。
【0054】
【数1】
【0055】
【数2】
【0056】
【数3】
【0057】
上記3)、4)、5)を、Vx<Vrefの条件を満たすまで、実施する。ここで、数3に示すように、容量Cxが大きくなると、Vx<Vrefの条件を満たすまでの放電サイクル数が図6に示すように、少なくなる。そこで、この放電サイクル数をカウントすることにより、近接状態を検出することができる。
【0058】
したがって、電極110Yにおいて、被検出体の近接状態を検出した後に、電極120Yにおいて、被検出体の近接状態を検出した場合には、被検出体が左右に動いたと判断し、電極110Xにおいて、被検出体の近接状態を検出した後に、電極120Xにおいて、被検出体の近接状態を検出した場合には、被検出体が上下に動いたと判断する。また、例えば、電極110Y、電極110X、電極120Y、電極120X、電極110Yの順番に被検出体の近接状態を検出した場合には、被検出体が右回りに円状に動いたと判断し、電極110Y、電極120X、電極120Y、電極110X、電極110Yの順番に被検出体の近接状態を検出した場合には、被検出体が右回りに円状に動いたと判断する。このほかにも、上半円状、下半円状を識別することもできる。
【0059】
<主装置の制御パラメータ選択装置における入力形態>
図8から図9を用いて、本実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置における入力形態について説明する。
【0060】
図8に示すように、例えば、検出制御部330が、操作者の操作動作において被検出体が接近する電極として、電極110X、120Xを予測した場合には、電極110X、120Xが被検出体を検出する感度が電極110Y、120Yに比べて高くなり、近接状態を検出しやすくなっている。それにより、操作者が上下垂直に手を動かすことができずに、少し右斜めや左斜めに上下に手を動かした場合であっても、電極110Yや電極120Yは被検出体の近接状態を検知せず、電極110X、120Xが被検出体の近接状態を検知できる。その結果、操作者が、少し右斜めや左斜めに上下に手を動かした場合も、上下垂直に手を動かしたときと同様の入力ができ、操作者の操作動作を正しく検出して、操作者の意思とは異なる入力がなされてしまうということを防ぐことができる。
【0061】
検出制御部330が、操作者の操作動作において被検出体が接近する電極として、電極110Y、120Yを予測した場合も同様に、電極110Y、120Yが被検出体を検出する感度が電極110X、120Xに比べて高くなり、近接状態を検出しやすくなっている。その結果、操作者が右下がりや右上がりで手を左右に動かした場合であっても、電極110Xや電極120Xは被検出体の近接状態を検知せず、電極110Y、120Yが被検出体の近接状態を検知し、上下水平に手を動かしたときと同様の入力ができ、操作者の操作動作を正しく検出して、操作者の意思とは異なる入力がなされてしまうということを防ぐことができる。
【0062】
また、図9に示すように、例えば、手を右に円状に動かして元の位置に戻る動作をすると、選択した操作パラメータを確定する場合には、検出制御部330が、操作者の操作動作において被検出体が接近する電極として、電極110X、120X、120Yを予測し、電極110X、120X、120Yが被検出体を検出する感度が電極110Yに比べて高くなり、近接状態を検出しやすくなっている。そこで、操作者の手が右に円状に動かした後に元の位置に戻らず、左寄りの位置で止まった場合であっても、電極110Yは被検出体の近接状態を検知せず、電極110X、120X、120Yが被検出体の近接状態を検知できる。その結果、操作者が、最後に左寄りの位置で止まった場合も、元の位置で止まったときと同様の入力ができ、操作者の操作動作を正しく検出して、操作者の意思とは異なる入力がなされてしまうということを防ぐことができる。
【0063】
<主装置の制御パラメータ選択装置の処理>
図10を用いて、本実施形態に係る主装置の制御パラメータ選択装置の処理について説明する。
【0064】
まず、検出制御部330は、操作者の操作動作により被検出体が接近する、または、接近しない電極の少なくとも一方を予測する(ステップS110)。次に、検出制御部330は、ステップS110で被検出体の接近が予測された電極、接近しないことが予測された電極それぞれについて、近接検出部340が被検出体の近接状態を検出する感度が、検出体の接近が予測された電極よりも接近が予測されない電極よりも高くなるように、閾値格納部320から通常閾値、高閾値、および低閾値のいずれかを取得する(ステップS120)。
【0065】
次に、近接検出部340は、各電極について、静電容量検出部310が検出した静電容量の変化量(増加量)と検出制御部330から受信した閾値とを比較する(ステップS130)。次に、近接検出部340は、静電容量検出部310が検出した静電容量の変化量(増加量)が検出制御部330から受信した閾値よりも大きいか否か判断する(ステップS140)。静電容量の変化量(増加量)が閾値よりも大きいと判断した場合(YES)には、ステップS150に処理を進め、一方、静電容量の変化量(増加量)が閾値よりも小さいと判断した場合(NO)には、ステップS160に処理を進める。
【0066】
次に、近接検出部340は、被検出体の接近を検出する(ステップS150)。次に、近接検出部340は、全電極について、静電容量検出部310が検出した静電容量の変化量(増加量)と検出制御部330から受信した閾値とを比較したか否かを判断する(ステップS160)。全電極について比較した場合には、ステップS170に処理を進め、一方、全電極について比較していない場合には、ステップS140に処理を戻す。
【0067】
次に、制御部350は、近接検出部340からの、各電極についての近接状態を検出したか否かの出力信号に基づいて、表示を変更する信号を表示制御部360に出力し、表示制御部360は入力した制御信号に基づいて表示パネル200の表示を制御する(ステップS170)。
【0068】
以上、説明したように、本実施形態によれば、操作者の次操作動作によって接近する電極を予測し、予測に応じて、近接検出部が被検出体の近接状態を検出する感度を調整することができる。その結果、操作者の操作動作を正しく検出するようにすることができ、操作者の意思とは異なる入力がされてしまうことを防ぐことができる。
【0069】
なお、主装置の制御パラメータ選択装置の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを主装置の制御パラメータ選択装置に読み込ませ、実行することによって本発明の主装置の制御パラメータ選択装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0070】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0071】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0072】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0073】
110X;電極
120X;電極
110Y;電極
120Y;電極
200;表示パネル(表示領域)
310;静電容量検出部
320;閾値格納部
330;検出制御部
340;近接検出部
350;制御部
360;表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10