特許第6203044号(P6203044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203044
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】吸気制御弁の組付構造及び組付方法
(51)【国際特許分類】
   F02B 31/06 20060101AFI20170914BHJP
   F02D 9/02 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F02B31/06 540A
   F02D9/02 351J
   F02D9/02 351P
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-268411(P2013-268411)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-124646(P2015-124646A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151209
【氏名又は名称】株式会社マーレ フィルターシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛
(72)【発明者】
【氏名】河野 崇史
(72)【発明者】
【氏名】立川 紀孝
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−019825(JP,A)
【文献】 特開平11−125123(JP,A)
【文献】 特開2001−227362(JP,A)
【文献】 特開2009−299673(JP,A)
【文献】 特開平03−271528(JP,A)
【文献】 特開2000−110589(JP,A)
【文献】 特開2002−349299(JP,A)
【文献】 特開2012−041887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 31/00−08
F02D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気通路が形成された吸気系部品に取り付けられる吸気制御弁の組付構造において、
上記吸気系部品に回転可能に支持される回転軸と、
上記回転軸に固定され、アクチュエータにより上記回転軸を回動することにより上記吸気通路を開閉する弁体と、
上記回転軸の一端に固定され、この回転軸と上記アクチュエータとを連結するギア機構の一部を構成するアウトプットギアと、
このアウトプットギアに一端が掛止されるとともに、他端が上記吸気系部品に掛止され、上記アウトプットギアを閉方向へ付勢する捩りコイルスプリングからなるリターンスプリングと、を有し、
上記リターンスプリングの他端に、径方向外方へ突出する端末部が設けられ、
上記アウトプットギアの周囲を囲う上記吸気系部品の周壁部に、上記リターンスプリングの端末部が掛止する掛止溝が形成され、
かつ、上記周壁部の軸方向一側面に、上記掛止溝の軸方向一端が開口する開口部へ向けて軸方向の高さが徐々に高くなるように傾斜するスロープ部が設けられていることを特徴とする吸気制御弁の組付構造。
【請求項2】
上記アウトプットギアには、その軸方向中央部から径方向外方へ張り出したストッパ部が設けられ、
このストッパ部の周方向側面が、上記周壁部の周方向側面に当接することによって、上記アウトプットギアの回転範囲が規制されることを特徴とする請求項1に記載の吸気制御弁の組付構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸気制御弁の組付方法であって、
上記アウトプットギアに回転軸の一端を固定するとともに、上記リターンスプリングの一端をアウトプットギアに掛止させた状態で、このリターンスプリングをアウトプットギアに仮固定した中間組立体を組み立てるステップと、
この中間組立体に固定された回転軸を、開位置の姿勢で上記吸気系部品に仮組みされた上記弁体に固定するステップと、
上記アウトプットギアを上記開位置から閉位置へ回動させることによって、上記リターンスプリングの端末部を、上記スロープ部上を摺動させた後、上記掛止溝の開口部より当該掛止溝に嵌合させるステップと、
を有することを特徴とする吸気制御弁の組付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気通路を開閉するスロットル弁や流動制御弁等の吸気制御弁の組付構造及び組付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の吸気通路が形成された吸気マニホールド等の吸気系部品には、吸気通路を開閉する吸気制御弁として、スロットル弁や、燃焼室内にタンブル流やスワール流等のガス流動を形成するための流動制御弁などが取り付けられる。
【0003】
このような吸気制御弁は、一般的に、ギア機構を介してアクチュエータにより回転駆動される。このギア機構のバックラッシュによるがたつきを低減・解消するために、例えば特許文献1に記載されているように、捩りコイルスプリングからなるリターンスプリング(バックスプリング)が用いられる。リターンスプリングは、例えば、一端が吸気系部品に掛止されるとともに、吸気制御弁の回転軸に固定されるギア機構のアウトプットギアに他端が掛止されて、このアウトプットギアを閉方向に付勢することで、ギア機構に所定のテンションを与えて、バックラッシュを低減・解消するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−299673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記吸気制御弁を吸気系部品へ組み付ける際、アウトプットギアとリターンスプリングとを個別に組み付ける構造では、その組付作業性が悪く、その改良が望まれていた。そこで本発明は、吸気制御弁の組付作業性を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の組付構造が適用される吸気制御弁は、吸気通路が形成された吸気系部品に取り付けられるものであって、上記吸気系部品に回転可能に支持される回転軸と、この回転軸に固定され、アクチュエータにより上記回転軸を回動することにより上記吸気通路を開閉する弁体と、上記回転軸の一端に固定され、この回転軸と上記アクチュエータとを連結するギア機構の一部を構成するアウトプットギアと、このアウトプットギアに一端が掛止されるとともに、他端が上記吸気系部品に掛止され、上記アウトプットギアを閉方向へ付勢する捩りコイルスプリングからなるリターンスプリングと、を有している。
【0007】
上記リターンスプリングの他端には、径方向外方へ突出する端末部が設けられる。また、上記アウトプットギアの周囲を囲う上記吸気系部品の周壁部には、上記リターンスプリングの端末部が掛止する掛止溝が形成される。そして、上記周壁部の軸方向一側面に、上記掛止溝の軸方向一端が開口する開口部へ向けて、軸方向の高さが徐々に高くなるように傾斜するスロープ部が設けられている。
【0008】
このような構造の吸気制御弁を吸気系部品に組み付ける場合、典型的には、先ず、上記アウトプットギアに回転軸の一端を固定するとともに、上記リターンスプリングの一端をアウトプットギアに掛止させた状態で、このリターンスプリングをアウトプットギアに仮固定した中間組立体を組み立てる。
【0009】
次いで、この中間組立体に固定された回転軸を、開位置の姿勢で上記吸気系部品に仮組みされた上記弁体に、例えば圧入により固定する。この回転軸の固定の際、弁体等の各部品に不要な応力が発生することのないように、好ましくは、吸気通路側より治具を挿入して圧入による固定作業が行われる。この際、上記弁体を開位置に仮組みしているために、治具を弁体と干渉させることなく吸気通路側より容易に挿入することが可能となる。
【0010】
次いで、上記アウトプットギアを上記開位置から閉位置へ回動させることによって、上記リターンスプリングの端末部を、上記スロープ部上を摺動させた後、上記掛止溝の開口部より当該掛止溝に嵌合させる。これによって、リターンスプリングの両端が掛止された状態となり、アウトプットギアに閉方向のイニシャルトルク(付勢力)が与えられる状態となる。
【0011】
このように本発明によれば、先行工程にてリターンスプリング,回転軸及びアウトプットギアを仮固定した中間組立体を予めサブアセンブリしておき、この中間組立体を吸気系部品に組み付ける構造としたために、リターンスプリングとアウトプットギアとを個別に吸気系部品に組み付ける場合に比して、組立作業性が著しく向上する。
【0012】
また、中間組立体の回転軸を吸気系部品に仮組みされた弁体に固定する際、弁体を開位置の姿勢に保持した状態で固定作業を行うようにしたので、例えば回転軸を圧入により固定する場合に、回転軸の軸方向の荷重を受け止めるための治具を弁体と干渉させることなく吸気通路側から挿入して、この治具により圧入時の軸方向荷重を支えることができる。このために、圧入時に弁体側に作用する荷重を大幅に軽減し、信頼性・耐久性を向上することができる。
【0013】
但し、閉方向に付勢力を生じるリターンスプリングは、開位置にあるときには閉方向に付勢力を生じるように、自由長の状態よりも開方向に大きくひねられた状態で掛止されている状態となっている必要がある。従って、上述したように中間組立体の回転軸を開位置の姿勢にある弁体に固定する際には、フリー状態のリターンスプリングの他端が掛止位置よりも開方向に大きく外れた位置にあることとなり、このリターンスプリングの他端を吸気系部品に掛止させることができない。
【0014】
そこで本発明では、吸気系部品の周壁部に上記のスロープ部を設けている。これによって、中間組立体の回転軸を開位置の姿勢にある弁体に固定した後に、アウトプットギアを開位置から閉位置へ回動させることによって、リターンスプリングの端末部を、スロープ部の上を摺動させた後、開口部より掛止溝に嵌合させる。
【0015】
つまり、アウトプットギアの閉方向への回転に伴って、リターンスプリングの径方向外方へ延びる端末部を、スロープ部の傾斜に沿う形で軸方向に徐々に撓ませるように弾性変形させていき、最終的にアウトプットギアを閉位置まで回動させたときに、このリターンスプリング自身の撓み変形からの復元力によって、端末部が掛止溝の開口部より掛止溝の奥側へ向けて自発的に嵌り込むように構成している。
【0016】
ここで、リターンスプリングが線間接触状態で密に巻かれた捩りコイルスプリングであるような場合には、リターンスプリングの端末部を軸方向に急激に大きく撓み変形させることはできないために、本発明ではスロープ部を設けて、アウトプットギアの閉方向の回転に伴い、スロープ部の傾斜に沿う形でリターンスプリングの端末部を徐々に軸方向に撓み変形させている。これによって、大きな力を必要とすることなく、単にアウトプットギアを閉方向に回動させるという簡単な作業で、リターンスプリングの端末部を吸気系部品の掛止溝に確実に掛止させることができる。
【0017】
好ましくは、上記アウトプットギアには、その軸方向中央部から径方向外方へ張り出したストッパ部が設けられ、このストッパ部の周方向側面が、上記周壁部の周方向側面に当接することによって、上記アウトプットギアの回転範囲が規制されるようになっている。このように、アウトプットギアの回転範囲を機械的に規制するストッパ機能を有する周壁部にスロープ部を設けているために、構成の簡素化が図られている。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、アウトプットギアとリターンスプリングとを備えた吸気制御弁の組付作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例に係る吸気制御弁としてのタンブル制御弁を示す開姿勢での全体斜視図。
図2】同じく上記タンブル制御弁を示す閉姿勢での全体斜視図。
図3図1の吸気系の部品を分解して示す斜視図。
図4】本実施例に係る中間組立体を示す斜視図。
図5】上記中間組立体組立体の一部を破断して示す斜視図。
図6】上記中間組立体を示す分解斜視図。
図7】制御弁ハウジングのギア取付部の近傍を示す斜視図。
図8】同じく制御弁ハウジングのギア取付部の近傍を示す斜視図。
図9】中間組立体の組付後にアウトプットギアを閉位置(A)から開位置(C)へ回動させる状況を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1図3は、本発明を直列4気筒内燃機関のタンブル制御弁に適用した一実施例を示しており、図1は弁体2を開位置に保持した開姿勢での全体斜視図、図2は弁体2を閉位置に保持した閉姿勢での全体斜視図、図3が分解斜視図である。
【0021】
吸気制御弁としてのタンブル制御弁は、図示せぬシリンダヘッドの吸気側の側面に取り付けられる制御弁ハウジング1と、4つの弁13を一連に備えた弁体2と、から大略構成されている。
【0022】
制御弁ハウジング1は、吸気系部品である吸気マニホールド(図示せず)の一部として硬質合成樹脂材料にて一体に成形された細長い箱状のハウジング本体3と、このハウジング本体3の前面開口部内に弁体2を収容した状態でハウジング本体3前面を覆うように取り付けられる硬質合成樹脂材料からなるハウジングカバー4と、を有している。ハウジングカバー4は、ねじ5によりハウジング本体3に固定される。また、図3中の6は、ハウジング本体3の前面開口部の開口縁と、ハウジングカバー4の前面の外周縁を覆うガスケットであり、制御弁ハウジング1をシリンダヘッド(図示せず)に取り付けた際にこのシリンダヘッドと制御弁ハウジング1との間のシール性を確保するものである。
【0023】
ハウジングカバー4は、各気筒の吸気ポート上流端にそれぞれ対応する矩形の窓状の開口部7を有している。ハウジングカバー4をハウジング本体3と組み合わせて制御弁ハウジング1とした状態では、図示せぬ吸気マニホールドのブランチ部(図示せず)から図示せぬシリンダヘッドの吸気ポート(図示せず)へと連続する4本の吸気通路8が横方向に一列に並んで構成される。
【0024】
ハウジング本体3は、その長手方向の一端に、図示せぬ回転型のアクチュエータが取り付けられるアクチュエータ取付フランジ9を有している。また、ハウジング本体3は、その長手方向の他端に、図示せぬ開度センサが取り付けられるセンサ取付フランジ10を有している。このタンブル制御弁が組み付けられた状態では、弁体2の軸方向に沿う回転中心軸線Lが、センサ取付フランジ10の中央の開口部10aを通り、かつ各吸気通路8の略中心を横切って延びることになる。
【0025】
本実施例における弁体2は、一対の弁部12を直列に連結した構成となっている。各弁部12は、直列に並んだ一対の弁13を備えている。各弁部12は、硬質合成樹脂材料からなり、それぞれ型成形により成形されている。4つの弁13を備えた弁体2は、4つの軸受21を介して上述した制御弁ハウジング1内に回転自在に支持される。軸受21は、硬質合成樹脂から一体に成形されたものであって、後述するように、各弁部12の両端の端部軸部16(後述)に対して軸方向から圧入により嵌め込まれて固定される。
【0026】
各軸受21は、弁体2をハウジング本体3に組み付ける際に、ハウジング本体3の各吸気通路8の両側に設けられた段部24内に嵌合し、ハウジング本体3にハウジングカバー4を取り付けることで、抜け止めされる。つまり、これら軸受21によって、吸気通路8の内壁面の一部が構成される。また、ハウジングカバー4の開口部7に隣接して形成された突出片25が段部24に隣接した位置に入り込むことによって、各軸受21の軸方向の位置が規制される。
【0027】
なお、タンブル制御弁は、各弁13が図2に示すようなハウジングカバー4に向かった閉位置の回動姿勢にあるときに各吸気通路8の通路断面積の一部を一斉に閉じた閉状態となり、また、図1に示すように各弁13が下方へ回動した開位置では、吸気通路8全体を一斉に開放する開状態となる。
【0028】
ここで、弁部12は、図3に示すように、細長い矩形板状の一対の弁13と、各弁13の両側に位置する矩形板状の連結壁部14と、一対の弁13の間に位置し、各弁13の内側の連結壁部14に接続された断面円形の中間軸部15と、各弁13の外側の連結壁部14にそれぞれ接続された円筒状の相対的に短い端部軸部16と、を有している。そして、弁部12は、弁13が弁体2の回転中心軸線Lに対してオフセットすると共に、各連結壁部14が弁体2の回転中心軸線Lに対して直交するよう形成されている。
【0029】
弁13は、弁体2の回転中心軸線Lと直交する断面における該回転中心軸線Lを中心とした円弧に沿うように、全体が湾曲している。この弁13には、剛性を高めるために、補強リブ13aが設定されている。補強リブ13aは、弁13の一方の面(本実施例では、閉弁時に下流側に面した面)に凹部13bを形成することで、これら凹部13bに隣接する相対的に厚肉となった部分によって形成される。本実施例では、弁13の対角線上や、弁13の短手方向に沿うように補強リブ13aが形成されている。
【0030】
中間軸部15は、ハウジング本体3に形成された軸受部22と、ハウジングカバー4の突出片25に形成された軸受部23とによって挟み込まれ、回転自在に支持される。この中間軸部15には、内部に金属板をプレス成形してなる芯材15aが埋設されている。この芯材15aは、曲げ剛性を高めるために、図3に示すように、断面が円弧形ないし波形に成形されている。
【0031】
端部軸部16には、断面矩形の金属製の回転軸としてのシャフト17、18、19が圧入により固定されている。中間軸部15及び端部軸部16は、弁部12及び弁体2の回転軸になるものであって、両者は互いの軸心が同一直線上に位置するように設定されている。中間軸部15及び端部軸部16の回転中心軸線は、上述した弁体2の回転中心軸線Lと一致する。中間軸部15と端部軸部16は、図示例では同一径に形成されているが、それぞれ異なる径となるよう形成することも可能である。
【0032】
一対の弁部12は、それぞれ上述したような同一の構成を有しており、これら2つの弁部12が、中間連結シャフト18によって互いに連結されている。中間連結シャフト18は、その一端が一方の弁部12の一端の端部軸部16に圧入され、かつ他端が他方の弁部12の一端の端部軸部16に圧入されている。また、一方の弁部12の他端の端部軸部16には、短いセンサ連結シャフト17が圧入され、他方の弁部12の他端の端部軸部16には、相対的に長いアクチュエータ連結シャフト19が圧入されている。このように、一対の弁部12をシャフト17、18、19と共に直線状に組み立てることによって、4つの弁13が一連に並んだ弁体2が構成される。
【0033】
弁体2両端のセンサ連結シャフト17及びアクチュエータ連結シャフト19は、後述するように、弁体2をハウジング本体3内に収容した後に、端部軸部16に圧入により固定される。これらのセンサ連結シャフト17及びアクチュエータ連結シャフト19には、最終的には、図示せぬ開度センサ、及びアクチュエータがそれぞれ連結される。
【0034】
図4図6は、本実施例の要部をなす中間組立体30を示す斜視図及び分解斜視図である。この中間組立体30は、アクチュエータ取付フランジ9に組み付けられるものであって(図1図3参照)、図6にも示すように、アウトプットギア31と、リターンスプリング32と、スリーブ33と、回転軸としての上述したアクチュエータ連結シャフト19と、により構成されている。
【0035】
リターンスプリング32は、線間接触状態で密に巻かれた捩りコイルスプリングであって、アウトプットギア31を閉方向へ付勢することによって、ギア機構のバックラッシュによるばたつきを低減・解消する機能を有し、その両端には、径方向外方へ突出する掛止用の第1端末部34及び第2端末部35が設けられている。第1端末部34は、アウトプットギア31の外筒部37に形成された掛止部40に掛止され、第2端末部35は、後述するように、制御弁ハウジング1の掛止溝48に嵌合して掛止される。
【0036】
アウトプットギア31は、図示せぬアクチュエータの回転を減速してアクチュエータ連結シャフト19に伝達するギア機構(図示省略)の一部、詳しくは最もアクチュエータ連結シャフト19側のギアを構成するものであって、硬質合成樹脂材料により一体的に成形され、形状としては内筒部36と外筒部37とを同心状に組み合わせた形状をなしている。外筒部37にはギア部38が約半周分にわたって形成されている。内筒部36には、その中央部にアクチュエータ連結シャフト19の一端が圧入により固定されるとともに、上記のスリーブ33が組み付けられる。
【0037】
そして、外筒部37と内筒部36の間の円筒状の空間であるスプリング収容部39に、リターンスプリング32が収容配置される。外筒部37には、第2端末部35が通過可能な軸方向スリット41及び周方向スリット42がL字状に連結した形で形成されている。軸方向スリット41は、スプリング収容部39にリターンスプリング32を挿入する際に第2端末部35を通過させるためのものである。周方向スリット42は、アウトプットギア31を制御弁ハウジング1に対して回動する際に、第2端末部35と外筒部37との干渉を回避するためのものである。
【0038】
図7及び図8は、制御弁ハウジング1のアクチュエータ取付フランジ9に形成されたギア取付部44を示す斜視図である。このギア取付部44は、中央部に向かうに従って段階的に深くなる多段階の円柱状に同心円状に凹設されるもので、その中央部にはアクチュエータ連結シャフト19が回転可能に挿通する貫通孔45が貫通形成されている。
【0039】
そして、このギア取付部44には、その外周壁部の直ぐ内側に、径方向に所定厚さを有する周壁部46が周方向の約半周程度にわたって形成されている。この周壁部46は、基本的には、アウトプットギア31の回転範囲を規制するためのものである。つまり、アウトプットギア31には、図5に示すように径方向外方へ扇状に張り出したストッパ部47が設けられており、このストッパ部47の周方向両側面47Aが、周壁部46の周方向両側面46A(図7図8参照)に当接することで、このアウトプットギア31の回転範囲が機械的に規制される。
【0040】
この周壁部46の周方向中央部には、リターンスプリング32の第2端末部35が掛止される掛止溝48が凹設されている。この掛止溝48は、軸方向の一端が周壁部46の軸方向一側面である上面49に開口する開口部48Aを有しているとともに、第2端末部35が外れることのないように、十分な軸方向深さに凹設されている。
【0041】
そして、この開口部48Aが設けられた周壁部46の上面49に、開口部48Aへ向けて徐々に軸方向の高さが高くなるように傾斜するスロープ部50が形成されている。このスロープ部50は、掛止溝48の位置から開方向(図7図8の時計回り方向)へ向けて延在しており、詳しくは、弁体2が開位置から閉位置に回転するときに、掛止溝48に掛止していないフリー状態のリターンスプリング32の第2端末部35が回転移動する範囲にわたって形成されている。そして、スロープ部50は、第2端末部35の開口部48Aと交わる部分では、スロープ部50のない周壁部46の一般部51(掛止溝48よりも反スロープ部側(図8の下側)の周壁部)と同じ高さとなるように設定されている。
【0042】
また、スロープ部50側の周壁部46には、その周方向端部に、一般部51と同じ高さの残部52が残されている。この残部52の反スロープ部50側の周方向側面46Aは、上述したストッパ部47が当接するストッパ面として機能する一方、この残部52のスロープ部50側の周方向側面は、根元側へ向かうに従って厚肉となるように傾斜する傾斜面53となっている。従って、この残部52は、根元側へ向かうに従って肉厚が厚くなる末広がりの台形状に形成されている。
【0043】
次に、このような本実施例の吸気制御弁の組付手順について説明する。
【0044】
先ず、第1のステップとして、図6に示すように、アウトプットギア31にスリーブ33を取り付けるとともに、アクチュエータ連結シャフト19の反吸気通路側の端部を圧入により固定し、かつ、リターンスプリング32を仮固定して、図4及び図5に示すような中間組立体30を組み立てる。リターンスプリング32は、第1端末部34を掛止部40に掛止させた自由長の状態でアウトプットギア31のスプリング収容部39に仮保持されている。この仮保持状態におけるリターンスプリング32の第2端末部35は、図4に示すように、軸方向スリット41と周方向スリット42とが交差する部分に位置しており、これらスリット41,42に沿って軸方向及び周方向の双方に移動可能である。
【0045】
次に、第2のステップとして、図1に示すように、弁体2を開位置に保持した状態で制御弁ハウジング1に仮組みし、この仮組み状態で、中間組立体30のアクチュエータ連結シャフト19を、制御弁ハウジング1の貫通孔45を貫通させて、弁体2の端部軸部16(図3等参照)に圧入により固定する。この固定の際、圧入時の軸方向の荷重に起因して弁体2等の各部品に応力が発生することを抑制するために、吸気通路8内に治具(図示せず)を挿入し、この治具によりアクチュエータ連結シャフト19の圧入時の軸方向の荷重を受け止めるようにしている。この治具を挿入する際に、弁体2が治具と干渉することのないように、上述したように、アクチュエータ連結シャフト19の圧入による固定作業が弁体2を開位置に待避させた状態で行われる。
【0046】
そして、第3のステップとして、図9に示すように、弁体2が図1の開位置から図2の閉位置へ回動するように、アウトプットギア31を閉方向へ回動させる。この際、先ず、弁体2が開位置にある状態では、図9(A)に示すように、第2端末部35が残部52の傾斜面53の根元部の近傍に位置している。そして、アウトプットギア31を閉方向に回動すると、図9(B)に示すように、第2端末部35がスロープ部50の上を摺動し、このスロープ部50の傾斜によって、第2端末部35が軸方向に徐々に撓み変形する。そして弁体2が図2に示す閉位置となるまでアウトプットギア31を閉方向に回動させると、図9(C)に示すように、第2端末部35が掛止溝48の開口部48Aより掛止溝48に入り、自身の撓み変形からの復元力によって掛止溝48の奥の方まで深く嵌り込む。
【0047】
このように第2端末部35が掛止溝48に嵌合することによって、リターンスプリング32の両端がアウトプットギア31と制御弁ハウジング1のそれぞれに掛止された状態となり、このリターンスプリング32がアウトプットギア31に対して閉方向の付勢力を与える状態で組み付けられる。
【0048】
このように本実施例では、先ず、リターンスプリング32,アクチュエータ連結シャフト19及びアウトプットギア31を仮固定した中間組立体30を予めサブアセンブリしておき、この中間組立体30を制御弁ハウジング1に組み付ける構造としたために、リターンスプリング32とアウトプットギア31とを個別に組み付ける場合に比して、作業工数が削減され、組立作業性が向上する。
【0049】
また、中間組立体30に固定されたアクチュエータ連結シャフト19を、制御弁ハウジング1に仮組みした弁体2に固定する際、弁体2を開位置の姿勢に保持した状態で圧入による固定を行うようにしたので、アクチュエータ連結シャフト19の軸方向の荷重を受け止めるための治具を弁体2と干渉させることなく吸気通路8側から挿入して、この治具により圧入時の軸方向荷重を支えることができる。このために、圧入時に弁体2を含めた各部品に作用する荷重を大幅に軽減し、信頼性・耐久性を向上することができる。
【0050】
但し、閉方向に付勢力を生じるリターンスプリング32は、開位置にあるときには閉方向に付勢力を生じるように、自由長の状態よりも開方向に大きくひねられた状態となっている必要がある。従って、上述したように弁体2が開位置にある状態で固定する際には、自由長の状態にあるリターンスプリング32の第2端末部35が掛止位置(掛止溝48)よりも開方向に大きく外れた位置にあることとなり、このリターンスプリング32の他端を掛止溝48に掛止させることができない。
【0051】
そこで本実施例では、掛止溝48が形成された制御弁ハウジング1の周壁部46に、この掛止溝48へ向けて徐々に軸方向高さが高くなるスロープ部50を設けている。これによって、弁体2が開位置にある姿勢で中間組立体30を制御弁ハウジング1に組み付けた後に、アウトプットギア31を開位置から閉位置へ回動させることによって、リターンスプリング32の第2端末部35を、スロープ部50上を摺動させつつ、掛止溝48の開口部48Aより当該掛止溝48にはめ込ませることができる。
【0052】
ここで、リターンスプリング32は線間接触状態で密に巻かれた捩りコイルスプリングであるため、軸方向に急激に大きく撓み変形させることはできない。そこで本実施例では、スロープ部50の傾斜を利用し、アウトプットギア31の閉方向への回転に伴って第2端末部35を徐々に撓み変形させるようにしている。これによって、単にアウトプットギア31を閉方向に回動させるという簡単な作業で、大きな力を必要とすることなく、リターンスプリング32の第2端末部35を制御弁ハウジング1の掛止溝48に確実かつ容易に掛止させることが可能となる。
【0053】
また、アウトプットギア31の回転位置を機械的に規制するストッパ機能を有する周壁部46にスロープ部50を設けているために、スロープ部を設けるための構成要素の追加がなく、構成の簡素化が図られている。更に、スロープ部50が設けられる側の周壁部46の残部52に傾斜面53を設定し、この残部52を根元側に向かって肉厚となる台形状としているために、アウトプットギア31のストッパ部47が衝突した際にも十分な剛性を確保することができる。更に、残部52のスロープ部50側が、根元側へ向かうに従ってスロープ部50の側に近づくような傾斜面53となっているために、アクチュエータ連結シャフト19の圧入による固定の際に、仮に寸法誤差等によってスロープ部50に対するリターンスプリング32の第2端末部35の進入方向が多少ばらついたとしても、傾斜面53により第2端末部35をスロープ部50の側に確実に案内することができる。
【0054】
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形・変更を含むものである。例えば、本発明ではタンブル制御弁に本発明を適用しているが、スロットル弁やスワール制御弁など、吸気通路を開閉する他の吸気制御弁にも本発明を同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1…制御弁ハウジング(吸気系部品)
2…弁体
19…アクチュエータ連結シャフト(回転軸)
30…中間組立体
31…アウトプットギア
32…リターンスプリング
34,35…端末部
46…周壁部
48…掛止溝
50…スロープ部
52…残部
53…傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9