【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様において、本発明は注射装置に関連し、この駐車装置は、
a)ハウジングと、
b)ハウジングに対して配置されて、主軸を定めているカートリッジであって、カートリッジの内部と流体を連通させるべく注射針によって貫かれるように構成されたカートリッジ隔膜によって覆われた出口と、主軸に沿って出口に向かって駆動可能なピストンとを備えたカートリッジと、
c)ピストンに係合し、ピストンを出口に向かって遠位方向に駆動するように動作させることが可能なピストンドライバと、
d)ハウジングの遠位端に配置された針アセンブリであって、対象ユーザの皮膚およびカートリッジ隔膜をそれぞれ貫く前部および後部を有している注射針を備えるとともに、注射針を収容する針容器をさらに備えており、針容器は、注射装置の保管状態においては注射針を無菌状態に保つためにフィルムシールによってシールされている開口を有している、針アセンブリと、
e)注射装置の初期状態においてハウジングに対して保持され、針アセンブリを少なくとも部分的に覆うカバーであって、ハウジングに対して移動するように構成されているカバーと
を備えており、
注射装置が開封部材を定めており、開封部材が、針アセンブリと開封部材との相対移動によってフィルムシールをシール状態から開封状態へと変化させるように構成されており、
カバーとハウジングとの相対運動により、フィルムシールがシール状態から開封状態へと変化する。
【0013】
上述の態様によれば、装置の梱包の一部を形成することができ、使用前に注射装置に対して移動させられるカバーを備えるように装置を構成し、装置にアクセスしようとするユーザによって梱包が開かれるときの梱包の1つ以上の部分の相対移動を利用することによって、針を取り付けるための機構を、装置を届ける梱包において実現することができる。
【0014】
注射装置の前記初期状態は、注射装置について適切な長期保管の条件を可能にするようにカバーが注射装置のハウジングに対して取り付けられる保管状態に相当することができる。
【0015】
注射装置の保管状態において、カバーを、ハウジングに対して、針アセンブリを少なくとも部分的に覆う第1の相対位置に保持することができる。前記カバーと前記ハウジングとの間における前記第1の相対位置から第2の相対位置への移動により、前記フィルムシールが、前記シール状態から前記開封状態へと移行する。これにより、注射装置が、投与準備完了状態へと移行する。前記第1の相対位置から前記第2の相対位置への前記カバーと前記ハウジングとの相対移動の際に、前記カバーは、前記ハウジングに常につながったままであってよい。したがって、保管状態から投与準備完了状態まで、カバーがハウジングから外れることがない。
【0016】
前記保管状態からシールが開封状態へと移行した状態までの、カバーとハウジングの間における所定の運動を定義する結合機構によって、カバーを注射装置のハウジングへと接続することができる。
【0017】
前記開封状態において、注射装置は投与準備完了状態へと移行している。この投与準備完了状態において、カバーを、針容器を注射針から取り除くことができるよう、ハウジングに対してさらに移動させることができる。
【0018】
注射装置を、フィルムシールをシール状態から開封状態へと変化させるようにカバーが操作された後で、ピストンを出口に向かって駆動すべくピストンドライバを手動で動作させることができるように構成することができる。いくつかの形態においては、注射装置を、手動での動作において、ユーザが1回分の吐出の動作においてピストンドライバを前方へと押すように構成することができる。他の形態においては、注射装置を、予め蓄勢されたばねが操作部材の手動での操作を承けてピストンドライバを前方へと駆動するように構成することができる。そのような操作部材の例(ただし、これらに限られない)は、操作ボタン、針スリーブなどのハウジングに対して可動に配置されたスリーブ、または針シールドであってよい。いくつかの形態においては、ピストンドライバの手動での操作が、注射装置が投与準備完了状態へと移行するまでは防止され、移行後に操作が可能にされる。他の形態においては、ピストンドライバの手動での操作が、針容器が注射針から取り除かれるまでは防止され、取り除き後に操作が可能にされる。
【0019】
いくつかの実施形態においては、前記針容器が、前記注射針を完全に収容するシールされたチャンバを定める。前記針容器は、カップ状の形態を有して単一のシールされる開口を定めている本体を備えることができ、前記単一のシールされる開口が、注射装置が保管状態にあるときに前記フィルムシールによってシールされている。
【0020】
針アセンブリのフィルムシールは、針容器の開口のリム部に沿って接着され、あるいは他の方法で密着させられる紙シールなどの平坦なフィルムの形態をとることができる。針アセンブリは、糖尿病などの疾病の治療のための薬剤を投与するために一般的に使用されている注射ペンに関連して使用される標準的な針パッケージを形成することができる。上述の態様に関連した使用に適した典型的な針アセンブリが、欧州特許出願公開第279583号A2明細書、国際公開第96/02290号A2パンフレット、および国際公開第2004/004812号A1パンフレットに開示されている。
【0021】
いくつかの実施形態においては、前記カバーが、前記フィルムシールを前記シール状態から前記開封状態へと変化させるべく前記針アセンブリおよび前記開封部材を前記主軸に沿って互いに対して移動させるために、第1の位置から第2の位置へと移動する。そのような実施形態においては、前記第1の位置から前記第2の位置までの前記カバーの移動は、純粋な回転移動、回転移動と軸方向の移動との組み合わせ、あるいは軸方向の移動および回転移動の連続など、純粋な軸方向の移動とは違ってよい。
【0022】
いくつかの実施形態においては、前部および後部針が、共通の軸を定める。装置の保管状態において、この共通の軸は、カートリッジの長手軸、すなわち前記主軸と同一であってよい。他の形態においては、前記保管状態において、前記共通の軸が、カートリッジの長手軸と同一ではない。そのような構成においては、前記共通の軸および長手軸が、前記カバーおよび前記ハウジングが前記第1の相対方向から前記第2の相対方向へと相対的に動かされたときに整列する。
【0023】
前記カバーと前記ハウジングとの間における所定の移動を定めている上述の結合機構は、いくつかの実施形態においては、前記ハウジングに対する前記カバーの回転移動を含むことができる。これを、カバーを操作するためにユーザによって加えられる力を、フィルムシールをシール状態から開封状態へと変化させるためのより大きな力へと変換する機構によってもたらすことができる。これにより、フィルムシールが一貫性のある方法で除去され、あるいは破られるフィルムシールの安全かつ効果的な開封を実行することができる。さらに、そのような技術的解決策は、費用対効果に優れた方法での製造をもたらす標準的な針アセンブリおよび標準的なカートリッジなどの標準的な構成部品の仕様を可能にする。
【0024】
いくつかの形態においては、前記カバーが、前記フィルムシールをシール状態から開封状態へと変化させるために第1の位置から第2の位置へと移動し、前記カバーを前記ハウジングに対して操作するためにユーザによって加えられる力が、前記主軸に沿った前記針アセンブリと前記開封部材との相対移動を達成するためのより大きな力へと変換される。
【0025】
いくつかの実施形態においては、前記カバーが、装置が前記初期の状態にあるときに注射装置の前記ハウジングの遠位端に取り付けられ、あるいは前記ハウジングの遠位端に対して保持されるキャップを形成する。
【0026】
前記キャップおよび前記ハウジングを、軌道および溝の接続を形成するように構成することができる。そのような構成においては、前記キャップと前記ハウジングとの相対的回転移動が、前記針アセンブリと前記開封部材とを軸方向に相対移動させるための、前記軌道および溝の接続によって定められる直線移動へと変換される。
【0027】
いくつかの形態においては、注射装置が、前記キャップが前記ハウジングに対して操作されたときに解放される蓄勢済みのばねを備えており、このばねが、解放されたときに、前記フィルムシールをシール状態から開封状態へと変化させるべく前記針アセンブリと前記開封部材とを互いに対して駆動する。
【0028】
いくつかの形態においては、前記カバーが、注射装置の前記保管状態において注射装置の前記ハウジングを収容する梱包を少なくとも部分的に形成する。前記カバーが、第2の軸に従って前記ハウジングに対して回転する第1のカバー部を定めることができ、前記第2の軸は、前記主軸に対して実質的に直角である。
【0029】
いくつかの形態においては、前記第1のカバー部が、操作時に前記針アセンブリおよび前記開封部材を互いに対して移動させるレバーアームを形成する。
【0030】
前記第1のカバー部に加え、前記カバーは、第2のカバー部をさらに定めることができ、前記第1および第2のカバー部が、前記ハウジングおよび前記針アセンブリを収容すべく協働する殻を形成する。前記第1および第2のカバー部を、第3の軸を中心にして互いに対して回転するように構成することができる。前記第2の軸と前記第3の軸とが、いくつかの実施形態においては平行な軸を定めることができる。
【0031】
いくつかの実施形態においては、前記カバーと前記ハウジングとの相対移動が、前記カートリッジの内部との連通を確立させるための前記注射針の後部による前記カートリッジ隔膜の穿刺をさらに生じさせる。
【0032】
さらに別の実施形態においては、前記カバーが、前記フィルムシールを前記シール状態から前記開封状態へと変化させるための該カバーの操作の後、かつ前記ピストンを前記出口に向かって駆動するための前記ピストンドライバの手動での動作の前に、前記ハウジングから分離されるように構成される。前記カバーを、さらなる実施形態においては、該カバーが前記ハウジングから分離されるときに前記針容器が前記注射針から自動的に分離して、前部針へのアクセスが可能になるように構成されている。カバーを、いくつかの形態においては、注射装置が投与準備完了状態となった後に注射装置の前記ハウジングから分離されるように構成することができる。いくつかの形態においては、前記針容器が、前記カバーが前記ハウジングから分離されるときに該針容器が前記注射針から取り除かれるように、前記カバー内に取り付けられる。
【0033】
いくつかの実施形態においては、前記開封部材を、別途の部材または前記ハウジングによって形成される一部分として注射装置の前記ハウジングに保持される部材として形成することができ、あるいは前記カートリッジ自身が、前記開封部材を定めることができる。前記開封部材は、例えば前記針容器からの前記フィルムシールの安全かつ効果的な破れまたは剥離を得るために、鋭い造作または尖った造作などを有する1つ以上の切断面を備えることによって、一貫的な開封を可能にする造作を備えることができる。
【0034】
いくつかの変種は、ガラス製のカートリッジを使用することができる。他の実施形態は、合成樹脂などで作られたカートリッジを備えることができる。さらに、いくつかの実施形態は、注射装置のハウジングとして機能も同時に果たすカートリッジ本体を有するカートリッジを使用することができる。
【0035】
装置の前記ハウジングを、いくつかの実施形態においては、遠位端および近位端を定めるように形成することができる。いくつかの実施形態においては、注射装置の全体的な形状を、ペンの形状を呈するように形成することができる。
【0036】
装置を、いくつかの実施形態においては、一形態においては1回分の薬剤をもたらした後に廃棄されるように構成できる使い捨ての(1回だけ使用される)装置として形成することができる。そのような装置は、ハウジング内に不可逆に収容された薬剤カートリッジを有することができる。いくつかの形態においては、装置を、吐出操作によって所定の固定された量の薬剤を送出するように構成することができる。他の形態においては、装置を、吐出操作の際に次の注射について意図される1回分の量を設定することができるように構成することができる。
【0037】
本明細書において使用されるとき、注射装置または注射装置の構成部品の「遠位端」という用語は、装置または構成部品の端部であって、装置の送出端に最も近い端部を指すことができる。注射装置または注射装置の構成部品の「近位端」という用語は、装置または構成部品の端部であって、装置の送出端から最も遠く離れた端部を指すことができる。
【0038】
本明細書において使用されるとき、用語「薬剤」は、液体、溶液、ゲル、または微細懸濁液など、薬剤を含有し、流動性を有し、中空針またはカニューレなどの送出手段を制御された様相で通過することができるあらゆる薬物を包含する。投与に先立って液体の形態へと溶かされる凍結乾燥の薬物も、上記定義に包含される。代表的な薬剤として、ペプチド、たんぱく質(例えば、インスリン、インスリン類似体、およびC−ペプチド)、およびホルモンなどの調合薬、生物学的に誘導された物質または生理活性物質、ホルモンおよび遺伝子にもとづく物質、栄養調合物、ならびに固体(調合された)または液体の両方の形態の他の物質が挙げられる。
【0039】
次に、本発明を、図面を参照してさらに詳しく説明する。