特許第6203073号(P6203073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ YKK AP株式会社の特許一覧

特許6203073小窓枠材、これを備える建具および建物壁
<>
  • 特許6203073-小窓枠材、これを備える建具および建物壁 図000002
  • 特許6203073-小窓枠材、これを備える建具および建物壁 図000003
  • 特許6203073-小窓枠材、これを備える建具および建物壁 図000004
  • 特許6203073-小窓枠材、これを備える建具および建物壁 図000005
  • 特許6203073-小窓枠材、これを備える建具および建物壁 図000006
  • 特許6203073-小窓枠材、これを備える建具および建物壁 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203073
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】小窓枠材、これを備える建具および建物壁
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/70 20060101AFI20170914BHJP
   E06B 7/30 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   E06B3/70 Z
   E06B7/30 A
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-24179(P2014-24179)
(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公開番号】特開2015-151697(P2015-151697A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】久野 聖太
【審査官】 大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−071470(JP,U)
【文献】 特開2010−084496(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0046887(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/68− 3/88、
7/00− 7/10、 7/30
E04F 17/06、19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠本体と、
前記枠本体から延出した複数の係合片部と、
前記枠本体に設けられた被係合部とを備え、
前記被係合部は、前記枠本体の周方向において前記複数の係合片部間となる位置に配置され、
前記複数の係合片部は、前記周方向において当該係合片部の前記周方向の長さ寸法以上の間隔であって前記被係合部の配置位置に対応した間隔を互いに隔てて配置されている
ことを特徴とする小窓枠材。
【請求項2】
請求項1に記載の小窓枠材において、
前記複数の係合片部の前記周方向の長さ寸法は互いに等しく、
この長さ寸法は、前記複数の係合片部間の前記周方向の間隔と等しい
ことを特徴とする小窓枠材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の小窓枠材において、
前記複数の係合片部の先端には、爪部が設けられ、
前記被係合部には、前記爪部に対応する掛部が設けられている
ことを特徴とする小窓枠材。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の小窓枠材において、
前記被係合部を補強する補強リブを備えている
ことを特徴とする小窓枠材。
【請求項5】
請求項4に記載の小窓枠材において、
前記枠本体に設けられた鍔部を備え、
前記補強リブは、前記枠本体に設けられ、
前記鍔部と前記補強リブとの間には、溝部が形成されている
ことを特徴とする小窓枠材。
【請求項6】
開口が設けられた面材と、前記開口に取り付けられた小窓枠とを備え、
前記小窓枠は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の小窓枠材を二つ備え、
前記二つの小窓枠材のうちのいずれか一方の小窓枠材の係合片部が当該他方の小窓枠材の被係合部に係合した状態で前記二つの小窓枠材を組み合わせることによって前記小窓枠を形成している
ことを特徴とする建具。
【請求項7】
開口が設けられた面材と、前記開口に取り付けられた小窓枠とを備え、
前記小窓枠は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の小窓枠材を二つ備え、
前記二つの小窓枠材のうちのいずれか一方の小窓枠材の係合片部が当該他方の小窓枠材の被係合部に係合した状態で前記二つの小窓枠材を組み合わせることによって前記小窓枠を形成している
ことを特徴とする建物壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
建具や建物壁などに使用される面材に設けられる小窓枠材、これを備える建具および建物壁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、門扉や戸などの建具の面材に小窓を設けることが知られている。例えば、特許文献1では小窓が設けられた門扉が提案され、特許文献2では小窓が設けられた戸(雨戸)が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の門扉に設けられた小窓には、門扉の開口部に取付けられる外枠と、この外枠の内周側に配置される内枠とが設けられている。内枠は、板が固着されるとともに外枠に対し回動自在に連結されている。このような小窓は、外枠に対する内枠の回動によって開閉可能である。
【0004】
特許文献2に記載の戸に設けられた小窓には、外鍔を有するとともに内周面に雌ねじが設けられた円筒状の外枠と、外鍔を有するとともに外周面に雄ねじが設けられた円筒状の内枠とが設けられている。この小窓では、外枠の雌ねじに内枠の雄ねじを螺合させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−251341号公報
【特許文献2】実開昭61−110794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1,2では、内枠と外枠とを組み合わせることによって小窓枠が構成されている。
ところで、特許文献1,2に記載の小窓では、内枠と外枠との形状が互いに異なるため、内枠と外枠との製造、組立てを別個の工程で行う必要がある。
つまり、特許文献1では、外枠の縦桟、横桟を枠組みし、外枠の縦桟、横桟に対し長さ寸法が異なる内枠の縦桟、横桟を、外枠の枠組みと別個に枠組みする必要がある。
また、特許文献2では、互いに径が異なる円筒状の外枠、内枠を別個に製造し、外枠の内周面に雌ねじをねじ切りする一方、内枠の外周面に雄ねじをねじ切りする必要がある。
このため、内枠、外枠の製造、組立て等の工程の簡略化による製造コストの削減を図り難い。
また、特許文献1,2に記載の小窓では、内枠と外枠との形状が互いに異なるために相互互換性がない。このため、門扉等の面材に対する取付け向きを内枠と外枠とで別々に設定しなければならず、施工性の向上を図り難い。
【0007】
本発明の目的は、小窓枠の製造コストを削減できるとともに、相互互換性の確保による施工性の向上を図ることができる小窓枠材、これを備える建具および建物壁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の小窓枠材は、枠本体と、前記枠本体から延出した複数の係合片部と、前記枠本体に設けられた被係合部とを備え、前記被係合部は、前記枠本体の周方向において前記複数の係合片部間となる位置に配置され、前記複数の係合片部は、前記周方向において当該係合片部の前記周方向の長さ寸法以上の間隔であって前記被係合部の配置位置に対応した間隔を互いに隔てて配置されていることを特徴とする。
【0009】
このような本発明によれば、同形状の小窓枠材を組み合わせることによって一つの小窓枠を形成できる。具体的には、一方の小窓枠材の係合片部を他方の小窓枠材の被係合部に係合させるとともに、他方の小窓枠材の係合片部を一方の小窓枠材の被係合部に係合させることで、小窓枠を形成できる。そして、このように同形状の小窓枠材を使用できるため、異なる形状の内枠および外枠を組み合わせる場合に比べ、小窓枠の構成部品を形状等に応じて別個の工程で製造する必要をなくすことができ、製造工程の簡略化による製造コストの削減を図ることができる。
また、小窓枠を形成する二つの小窓枠材を同形状とすることで、これら相互の互換性を確保でき、面材に対する取付け向きが限定されることなく施工性の向上を図ることができる。
なお、二つの小窓枠材の組み合わせ状態では、一方の小窓枠材は他方の小窓枠材に対し回転変位された状態となる。
【0010】
本発明の小窓枠材では、前記複数の係合片部の前記周方向の長さ寸法は互いに等しく、この長さ寸法は、前記複数の係合片部間の前記周方向の間隔と等しいことが好ましい。
このような構成によれば、二つ小窓枠材を組み合わせた状態では、一方の小窓枠材の係合片部間は他方の小窓枠材の係合片部によって覆われ、他方の小窓枠材の係合片部間は一方の小窓枠材の係合片部によって覆われる。このため、これらの小窓枠材の開口端部同士の接触部分をシール等しなくても当該接触部分からの光漏れを係合片部によって防止できる。
また、一方の小窓枠材の係合片部は他方の小窓枠材の被係合部に係合するため、係合片部が枠本体に沿って配置された状態を維持できる。このため、前述した接触部分を覆った状態の安定性を向上できる。
【0011】
本発明の小窓枠材では、前記複数の係合片部の先端には、爪部が設けられ、前記被係合部には、前記爪部に対応する掛部が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、爪部を前述した接触部分から離間して位置させることができ、組み合わされた二つの小窓枠材の相互の揺動を効果的に抑制できる。
また、一方の小窓枠材の爪部を他方の小窓枠材の掛部に接近移動させるだけで、これらをスナップフィット式に簡単に係合できる。
【0012】
本発明の小窓枠材では、前記被係合部を補強する補強リブを備えていることが好ましい。
このような構成によれば、補強リブによって被係合部の剛性を確保することで、被係合部やその近傍部分の撓み変形を抑制し、係合片部と被係合部との係合状態を好適に維持できる。
【0013】
本発明の小窓枠材では、前記枠本体に設けられた鍔部を備え、前記補強リブは、前記枠本体に設けられ、前記鍔部と前記補強リブとの間には、溝部が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、二つの小窓枠材が組み合わされた状態では、二つの小窓枠材の鍔部が面材を挟持することとなるため、小窓枠の面材からの脱落を防止できる。
また、小窓枠材を面材の開口に挿入した際、鍔部と補強リブとの間の溝部に面材の開口区画縁を配置することで、小窓枠材を面材に仮固定できる。これにより、仮固定した小窓枠材に対し、もう一つの小窓枠材を係合させる作業が簡単となり、施工性の向上を図ることができる。
【0014】
本発明の建具は、開口が設けられた面材と、前記開口に取り付けられた小窓枠とを備え、前記小窓枠は、前述した本発明の小窓枠材を二つ備え、前記二つの小窓枠材のうちのいずれか一方の小窓枠材の係合片部が当該他方の小窓枠材の被係合部に係合した状態で前記二つの小窓枠材を組み合わせることによって前記小窓枠を形成していることを特徴とする。
ここで、前述した建具には、門扉やフェンス等の外構建具、玄関等に用いられる戸・ドア等の出入り口建具、障子・襖・室内ドアや戸等の内部建具などが含まれる。
このような本発明によれば、前述した本発明の小窓枠材と同様の作用効果を発揮できる。
【0015】
本発明の建物壁は、開口が設けられた面材と、前記開口に取り付けられた小窓枠とを備え、前記小窓枠は、前述した本発明の小窓枠材を二つ備え、前記二つの小窓枠材のうちのいずれか一方の小窓枠材の係合片部が当該他方の小窓枠材の被係合部に係合した状態で前記二つの小窓枠材を組み合わせることによって前記小窓枠を形成していることを特徴とする。
このような本発明によれば、前述した本発明の小窓枠材と同様の作用効果を発揮できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、小窓枠の製造コストを削減できるとともに、相互互換性の確保による施工性の向上を図ることができる小窓枠材、これを備える建具および建物壁を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る小窓枠材を備えた門扉を示す斜視図。
図2】前記実施形態において、図1中II−II線での縦断面図。
図3】前記実施形態において、図1中III−III線での横断面図。
図4】前記実施形態に係る小窓枠材を示す斜視図。
図5】前記実施形態に係る二つ小窓枠材の位置関係を示す説明図。
図6】前記実施形態に係る小窓枠材を二つ組み合わせて形成された小窓枠を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る小窓枠材30(30A,30B)を備えた門扉1を示す斜視図である。図2は、門扉1を示す縦断面図である。図3は、門扉1を示す横断面図である。図4は、小窓枠材30を示す斜視図である。図5は、小窓枠材30A,30Bの位置関係を示す説明図である。図6は、小窓枠材30A,30Bを組み合わせて形成された小窓枠3を示す斜視図である。なお、後述する面内外方向、縦方向および横方向は互いに直交している。
【0019】
図1に示すように、門扉1は、面材2と、小窓枠3とを備えている。
面材2は、上下の図示しない上框および下框と、左右の縦框23,24と、上框、下框および縦框23,24によって囲まれる複数の中縦框25とを備え、上框および下框には横桟21,22が装着されている。横桟21,22、上框、下框、縦框23,24および中縦框25は、中空形状のアルミ押出し形材製である。上框および下框の長手方向(横方向)の両端部は、縦框23,24の長手方向(縦方向)の両端部にそれぞれねじ止めされている。なお、上框および下框は、複数の中縦框25の縦方向の両端部に形成された凹部に嵌め込まれているため、図1において面材2の外部に露呈しない位置にある。
【0020】
中縦框25は、図1に示すように横方向に五つ並設されており、そのうちの三つに小窓用の開口26が縦方向に並んで複数形成されている。五つの中縦框25のうちの残りの二つは、開口26付き中縦框25の間に配置されている。開口26は、図2,3に示すように、縦方向および横方向に直交する面内外方向に延びて面材2の一方面28から他方面29まで貫通している。
【0021】
図6に示すように、小窓枠3は、本実施形態に係る合成樹脂製の小窓枠材30(30A,30B)が二つ組み合わされて構成されている。
【0022】
図4に示すように、小窓枠材30Aは、枠本体31Aと、係合片部32A,33Aと、鍔部34Aと、被係合部36Aと、補強リブ37Aと、段部38Aとが一体成形されてなる。
【0023】
枠本体31Aは、図4に示すように、上下左右の枠部311,312,313,314によって四角筒形状に形成されている。上下の枠部311,312の横寸法および左右の枠部313,314の縦寸法はそれぞれ互いに等しい。
なお、便宜上、小窓枠材30の上下左右や縦横を特定して説明しているが、小窓枠材30A,30Bの組み合わせ状態では、一方が他方に対し後述するように回転変位した状態となる。
【0024】
枠本体31Aによって区画される開口面積は、図2,3に示すように、その一方の開口端部315Aから他方の開口端部316Aに向かって次第に拡がっている。枠本体31Aの内周面317のうち開口端部316Aに位置する部分には、テーパー面317Aが形成されている。なお、開口端部315Aは、小窓枠材30Aの開口26への取付け状態で小窓枠材30Bに接触する側の端部であり、開口端部316Aは、小窓枠材30Aの開口26への取付け状態で外部に露呈する側の端部である。
【0025】
係合片部32A,33Aは、図2に示すように縦方向において互いに向かい合うとともに、図4に示すように枠本体31Aの周方向において当該係合片部32A,33Aの周方向(横方向)の長さ寸法と同等の間隔(縦方向の間隔)であって被係合部36Aの配置位置に対応した間隔を互いに隔てて配置されている。
【0026】
係合片部32Aは、図4に示すように、枠部311にその全長にわたって連続して延びて形成されている。係合片部32Aは、図2に示すように、第一片部321および第二片部322によって断面略L字形状に形成されている。
第一片部321は、枠本体31Aの外周面318のうち開口端部315Aに位置する部分から縦方向外側に突出して構成されている。
第二片部322は、可撓性を有し、面内外方向であって開口端部316Aから開口端部315Aに向かう方向に、第一片部321の突出端から延出して構成されている。
【0027】
第二片部322の先端には係合部としての爪部323Aが設けられている。爪部323Aは、第二片部322から縦方向内側に突出して形成されている。爪部323Aは係合片部32Aにその全長にわたって設けられている。
【0028】
係合片部33Aは、図4に示すように、枠部312にその全長にわたって設けられている。係合片部33Aの横寸法は、係合片部32Aの横寸法と等しくされている。
係合片部33Aは、係合片部32Aと概略同様に形成され、第一片部321および第二片部322を備え、第二片部322の先端に爪部323Aが設けられている。
係合片部32A側の爪部323Aは、図2に示すように、縦方向において係合片部33A側の爪部323Aに向かい合って配置されている。
【0029】
鍔部34Aは、図4に示すように、枠本体31Aの開口端部316Aに形成されている。鍔部34Aは、枠本体31Aの外周面318に沿って四角環状に形成され、その縦寸法および横寸法が開口26の縦寸法および横寸法よりも大きくされている。
【0030】
段部38Aは、鍔部34Aと枠本体31Aとの接合部分に設けられている。この小窓枠材30Aの段部38Aは、枠本体31Aの外周面318に沿って四角環状に形成されている。段部38Aの縦寸法および横寸法は、開口26の縦寸法および横寸法よりも若干小さく形成されている。また、段部38Aには、面材2(中縦框25)の開口区画縁27に接触する接触突部381が設けられている。
【0031】
被係合部36Aは、面内外方向において係合片部32A,33Aよりも開口端部316A側の位置であって、枠本体31Aの周方向において係合片部32A,33A間となる位置に配置されている。被係合部36Aは、枠部313,314の長手方向における両端部にそれぞれ設けられた掛部361A(四つの掛部)によって構成されている。
掛部361Aは、縦方向に並んだ複数の被係合リブによって構成されている。この被係合リブは図3において略三角形状である。掛部361Aは、開口端部315A側から開口端部316A側に向かって横方向外側に傾斜した傾斜面と、この傾斜面に接続されて横方向に延びた開口端部316A側の掛面とを有している。
枠部313,314の最上部の被係合リブの側面は、枠部311の外面と面一である。枠部313,314の最下部の被係合リブの側面は、枠部312の外面と面一である。
掛部361Aから開口端部315Aまでの面内外方向長さ寸法は、爪部323Aから開口端部315Aまでの面内外方向長さ寸法とほぼ等しい。
【0032】
枠部313側の二つの掛部361Aは、図3に示すように、横方向において枠部314側の二つの掛部361Aに向かい合うとともに、図4に示すように、枠本体31Aの周方向(縦方向)において互いに所定間隔隔てて配置されている。また、掛部361Aは、枠本体31Aの周方向において係合片部32Aと係合片部33Aとの間に位置している。
【0033】
補強リブ37Aは、被係合部36Aにおける係合を補強するものである。補強リブ37Aは、図3,4に示すように、枠本体31Aおよび段部38Aに設けられている。補強リブ37Aは、図3において略三角形状である。補強リブ37Aは、開口端部315A側から開口端部316A側に向かって横方向外側に傾斜した傾斜面と、この傾斜面に接続されて横方向に延びた開口端部316A側の面とを有している。
補強リブ37Aの突出端は、段部38Aよりも横方向外側へ突出している。補強リブ37Aの突出端は、鍔部34Aの外周縁(先端縁)よりも横方向内側に位置している。補強リブ37Aの突出端は、図3に示す面材2への取付け状態では、開口区画縁27よりも横方向外側に位置する。
【0034】
このような補強リブ37Aは、図3,4に示すように、枠部313,314の長手方向における両端部にそれぞれ複数ずつ四箇所に設けられている。
四箇所の複数の補強リブ37Aは、四つの掛部361Aの近傍であって当該掛部361Aに対し開口端部316A側に位置している。四箇所における複数の補強リブ37Aは縦方向に並んでいる。四箇所の複数の補強リブ37Aと鍔部34Aとの間には、開口区画縁27が配置される溝部が形成されている。
枠部313,314の最上部の補強リブ37Aの側面は、枠部311の外面と面一である。枠部313,314の最下部の補強リブ37Aの側面は、枠部312の外面と面一である。
【0035】
以上の小窓枠材30Aは、小窓枠材30Bと組み合わされて小窓枠3を形成する。
小窓枠材30Bは、小窓枠材30Aと同材料であって同形状に構成され、枠本体31Bと、係合片部32B,33Bと、鍔部34Bと、被係合部36Bと、補強リブ37Bと、段部38Bとが一体成形されてなる。
なお、小窓枠材30Bは、小窓枠材30Aと同材料であって同形状に構成されているので、その詳細な説明を省略する。
【0036】
[実施形態の施工]
以下、本実施形態における小窓枠材30A,30Bの施工の一例について説明する。
先ず、面材2の任意の一つの開口26に対し、小窓枠材30A,30Bを準備する。
次に、小窓枠材30Aを面材2の一方面28側から開口26に挿入する。具体的には次の通りである。
小窓枠材30Aを図4に示す状態(係合片部32A,33Aが縦方向において互いに対向した状態)に配置し、面内外方向の一方側から開口26に挿入する。補強リブ37Aの開口26への挿入の際、補強リブ37Aの傾斜面と開口区画縁27との圧接により、枠本体31Aは弾性変形を生じて補強リブ37Aを挿入可能にし、当該補強リブ37Aの挿入後、元の形状に復元する。開口26に挿入された補強リブ37Aの突出端は、開口区画縁27よりも横方向外側に位置する。
【0037】
補強リブ37Aを開口区画縁27よりも面材内側に挿入した際、段部38Aの接触突部381は開口区画縁27に接触し、鍔部34Aは面材2の一方面28に接触する。鍔部34Aと補強リブ37Aとの間の溝部には開口区画縁27が配置されるため、補強リブ37Aと鍔部34Aとによって開口区画縁27を挟んだ状態となる。これにより、小窓枠材30Aは開口区画縁27に仮固定された状態となる。このようにして小窓枠材30Aを一方面28側から開口26に挿入する。なお、鍔部34Aの一方面28に対する接触面には両面テープが貼りつけられていてもよい。
【0038】
次に、小窓枠材30Bを面材2の他方面29側から開口26に挿入し、小窓枠材30Aに係合する。挿入手順は前述した小窓枠材30Aの挿入手順と概略同様である。
先ず、係合片部32B,33Bが横方向で向かい合った状態となるように小窓枠材30Bを傾け、鍔部34Bが面材2の他方面29に接触するまで開口26に挿入する。なお、鍔部34Bの他方面29に対する接触面には両面テープが貼りつけられていてもよい。
【0039】
補強リブ37Bの開口26への挿入の際、掛部361Bは爪部323Aに接触し、係合片部32A,33Aを撓ませつつ爪部323Aを縦方向外側に押しあげ、係合片部32A,33Aの第二片部322の縦方向内側にまで挿入する。掛部361Bが爪部323Aよりも小窓枠材30A側に配置されると、撓められていた係合片部32A,33Aは元の形状に復元し、爪部323Aは掛部361Bに掛かった状態(図2に示す状態)となる。このようにして係合片部32A,33Aおよび被係合部36Bはスナップフィット式に係合する。
【0040】
この係合と同時に、係合片部32B,33Bおよび被係合部36Aも係合する。つまり、補強リブ37Bの圧入の際、爪部323Bは掛部361Aに接触し、係合片部32B,33Bを撓ませつつ掛部361Aによって爪部323Bを押しあげながら挿入する。爪部323Bが掛部361Aよりも小窓枠材30Aの開口端部316A側に配置されると、撓められていた係合片部32B,33Bは元の形状に復元し、爪部323Bは掛部361Aに掛った状態(図3に示す様態)となる。このようにして係合片部32B,33Bおよび被係合部36Aはスナップフィット式に係合する。
このようにして小窓枠材30Bを他方面29側から開口26に挿入し、小窓枠材30Aに係合する。
【0041】
前述したように小窓枠材30Bが小窓枠材30Aに係合されることによって、小窓枠材30A,30Bを組み合わせた図6に示す小窓枠3が形成される。
ここで、組み合わされて小窓枠3を形成している小窓枠材30A,30Bの位置関係について図5を参照して説明する。
面内外方向に関し、小窓枠材30Bは、小窓枠材30Aに対し向かい合った位置にある。回転方向に関し、小窓枠材30Bは、小窓枠材30Aに対し、小窓枠材30の中心に位置する軸心Oの回りで周方向に90度回転変位した位置にある。小窓枠材30Aの係合片部32A,33Aは、縦方向で互いに向かい合った状態にあり、小窓枠材30Bの係合片部32B,33Bは、横方向で互いに向かい合った状態にある。
【0042】
このように小窓枠3では、係合片部32A,33Aの一端側には係合片部33Bが隣り合って配置され、係合片部32A,33Aの他端側には係合片部32Bが隣り合って配置される。このため、係合片部32A,33Aによって開口端部315A,315B(小窓枠材30Bの一方の開口端部)の接触部分のうちの上部および下部が覆われ、係合片部32B,33Bによって開口端部315A,315Bの接触部分のうちの右部および左部が覆われる。つまり、小窓枠材30A,30Bの開口端部315A,315Bの接触部分は係合片部32A,32B,33A,33Bによって覆われる。
【0043】
なお、前述した小窓枠材30A,30Bの施工を面材2の各開口26に対して行うことによって複数の小窓を備えた図1に示す門扉1を構成可能である。
【0044】
[実施形態の効果]
(1)同形状の小窓枠材30A,30Bを使用しても、係合片部32A,33A(32B,33B)を被係合部36B(36A)に係合させることによって、小窓枠3を形成できる。このため、小窓枠3の構成部品を同形状にでき、製造工程の簡略化による製造コストの削減を図ることができる。
また、小窓枠材30A,30Bを同形状とすることで、これら相互の互換性を確保でき、面材2に対する取付け向きが面材2の一方面28側および他方面29側のいずれかに限定されることなく施工性の向上を図ることができる。
(2)小窓枠材30A,30Bを組み合わせた状態では、係合片部32A,33A間は係合片部32B,33Bによって覆われ、係合片部32B,33B間は係合片部32A,33Aによって覆われる。このため、これらの小窓枠材30A,30Bの開口端部315A,315B同士の接触部分をシール等しなくても当該接触部分からの光漏れを係合片部32A,32B,33A,33Bによって防止できる。
また、係合片部32A,33A(32B,33B)の被係合部36B(36A)への係合により、係合片部32A,32B,33A,33Bが枠本体31A,31Bに沿って配置された状態を維持できる。このため、開口端部315A,315B同士の接触部分を覆った状態の安定性を向上できる。
(3)爪部323A(323B)を係合片部32A,33A(32B,33B)の先端に設けたことで、爪部323A,323Bを開口端部315A,315B同士の接触部分から面内外方向に離間して位置させることができる。これにより、組み合わされた小窓枠材30A,30Bの相互の揺動を効果的に抑制できる。
また、爪部323Aを掛部361Bに接近移動させるだけで、これらをスナップフィット式に簡単に係合できる。
(4)補強リブ37A(37B)により被係合部36A(36B)を補強して、被係合部36A(36B)やその近傍部分の撓み変形を抑制し、係合片部32A,33A(32B,33B)と被係合部36A(36B)との係合状態を好適に維持できる。
(5)鍔部34A,34Bが面材2を挟持するため、小窓枠3の面材2からの脱落を防止できる。
また、鍔部34A(34B)と補強リブ37A(37B)との間の溝部に面材2の開口区画縁27を配置することで、小窓枠材30A(30B)を面材2に仮固定できる。これにより、仮固定した小窓枠材30Aに対し、もう一つの小窓枠材30Bを係合させる作業が簡単となり、施工性の向上を図ることができる。
【0045】
[変形例]
なお、本発明は以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、一つの小窓枠材30A(30B)に対し、二つの係合片部32A,33A(32B,33B)が開口端部315A(315B)に部分的に設けられているが、これに限定されない。開口端部315A(315B)には、例えば、周方向に所定間隔隔てた三つまたは四つ以上の係合片部が部分的に設けられていてもよい。
【0046】
前記実施形態では、枠本体31A(31B)の断面形状は、四角筒形状であるが、これに限定されず、例えば、三角、六角、八角等の多角筒形状であってもよく、また、円筒状であってもよい。この場合、小窓枠材30Aに対する小窓枠材30Bの回転角度は90度に限定されず、枠本体31A(31B)の断面形状および係合片部32A,33A(32B,33B)の周方向長さ寸法等に応じて適宜調整される。
【0047】
前記実施形態では、係合片部32A,33A(32B,33B)は枠本体31A(31B)の外周面318に接合されているが、これに限定されず、例えば、枠本体31A(31B)の内周面317に接合され、この内周面317側で面内外方向に延出して構成されていてもよい。この場合、被係合部36A(36B)は、当該係合片部32A,33A(32B,33B)の位置に対応し、枠本体31A(31B)の外周面318ではなく内周面317に設けられる。
【0048】
前記実施形態では、係合片部32A(32B)と係合片部33A(33B)とは互いに同形状であるが、異なっていてもよい。例えば、開口端部315A,315B同士の接触部分の全てを覆う必要がない場合、係合片部32A(32B)と係合片部33A(33B)との周方向の長さ寸法は、互いに異なっていてもよい。
【0049】
前記実施形態では、係合片部32A,33A(32B,33B)は、枠本体31A(31B)の周方向において一端から他端まで連続して延びて形成されているが、これに限定されない。例えば、開口端部315A,315B同士の接触部分の全てを覆う必要がない場合、係合片部32A,33A(32B,33B)には、その一端および他端間の一部が切り欠かれた間欠部が形成されていてもよい。
【0050】
前記実施形態では、係合片部32A,33A(32B,33B)は、開口端部315A(315B)から延出しているが、これに限定されず、開口端部315A(315B)よりも開口端部316A(316B)側の位置から延出していてもよい。例えば、係合片部32A,33A(32B,33B)は、開口端部315A(315B)と開口端部316A(316B)との間の中間位置から延出していてもよい。
【0051】
前記実施形態では、補強リブ37A(37B)が設けられているが、この構成を省いてもよい。また、補強リブ37A(37B)に代えてまたは加えて、被係合部36A(36B)が設置されている枠本体31A,31Bの設置部分を肉厚にして被係合部36A(36B)の剛性を補強する補強部が形成されていてもよい。
【0052】
前記実施形態では、小窓枠3に区画される小窓空間には、ガラス板やアクリル板などの小窓用面材が設けられていないが、これに限定されず、小窓用面材を設けてもよい。
【0053】
前記実施形態では、鍔部34A(34B)と補強リブ37A(37B)との面内外方向の間隔は、開口区画縁27の厚さよりも大きいが、これに限定されず、前記厚さとほぼ同等の間隔であってもよい。
【0054】
前記実施形態では、小窓枠材30A,30Bを門扉1に使用する例について説明したが、これに限定されず、門扉1以外の各種建具に使用してもよく、また、前述した建具のほか、建物壁に使用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…門扉、2…面材、21,22…横桟、23,24…縦框、25…中縦框、26…開口、27…開口区画縁、28…一方面、29…他方面、3…小窓枠、30(30A,30B)…小窓枠材、31A,31B…枠本体、311,312,313,314…枠部、315A,315B,316A,316B…開口端部、317…内周面、317A…テーパー面、318…外周面、32A,32B,33A,33B…係合片部、321…第一片部、322…第二片部、34A,34B…鍔部、323A,323B…爪部、36A,36B…被係合部、361A,361B…掛部、37A,37B…補強リブ、38A,38B…段部、381…接触突部、O…軸心。
図1
図2
図3
図4
図5
図6