(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2コンテンツの一部である部分コンテンツを順次取得することで前記第2コンテンツを表示し、前記移動操作によって前記端末装置における表示領域の表示対象が未取得である部分コンテンツに該当する場合に、当該未取得の部分コンテンツを取得する表示手順、
を前記端末装置にさらに実行させ、
前記調整手順は、
前記表示手順によって前記未取得の部分コンテンツが取得される場合に、取得済の前記部分コンテンツのいずれかの端部が、当該表示領域のうち予め決められている表示位置に表示されるように、前記表示領域における前記第2コンテンツの移動後の表示位置を調整する、
ことを特徴とする請求項3〜9のいずれか一つに記載の表示プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る配信装置、端末装置、配信方法及び配信プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る配信装置、端末装置、配信方法及び配信プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.表示処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る表示処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図である。
図1では、端末装置100によって、ウェブページW10及び広告コンテンツC10が表示される例を示す。
【0012】
図1に示した端末装置100は、スマートフォン等の携帯端末装置である。また、端末装置100は、液晶ディスプレイ等の出力部130を有する。なお、端末装置100には、タッチパネルが採用されているものとする。すなわち、端末装置100のユーザは、指F10や専用ペンで出力部130の表示面をタッチすることにより各種操作を行う。
【0013】
ウェブページW10は、ニュース等の各種情報が掲載されるポータルサイト用のコンテンツである。ここでは、ウェブページW10の縦方向のサイズが、端末装置100の出力部130における縦方向の表示サイズよりも長いものとする。このため、端末装置100の出力部130内に位置するウェブページW10の領域のみが出力部130に表示され、出力部130外に位置するウェブページW10の領域は表示されない。端末装置100のユーザは、例えば、スクロール操作によって、ウェブページW10のうち出力部130内に位置させる領域を変更することができる。
【0014】
図1に示すように、ウェブページW10は、例えば、ニュースなどの記事(トピックス)を表示する表示領域R1及びR3を含む。また、ウェブページW10は、ウェブページW10とは別に配信される広告コンテンツC10を表示する表示領域である広告枠R2を含む。
図1に示す例では、端末装置100は、ウェブページW10を表示するとともに、ウェブページW10に含まれる広告枠R2に広告コンテンツC10を表示する。広告コンテンツC10は、例えば、静止画像や動画像である。ここで、ウェブページW10には、端末装置100が表示制御を行う際に用いる境界線が含まれる。
図1の例の場合、ウェブページW10には、各表示領域を区切る境界線L1、L2及びL3を含む。具体的には、境界線L1は、表示領域R1の上端に位置する。境界線L2は、表示領域R1の下端、かつ、広告枠R2の上端に位置する。境界線L3は、広告枠R2の下端、かつ、表示領域R3の上端に位置する。
【0015】
そして、端末装置100は、ユーザによってウェブページW10を移動させる操作であるスクロール操作が行われ、ウェブページW10が移動された場合に、ウェブページW10に含まれるコンテンツ(
図1の例では、表示領域R1及びR3に表示されるニューストピックスや、広告コンテンツC10が該当する)の視認性を向上させるため、以下に説明する処理を行う。なお、以下では、端末装置100の状態遷移を図示する場合、左から順に第1状態、第2状態、・・・、第N状態(Nは任意の数)と表記する。
【0016】
図1の第1状態は、端末装置100が出力部130にウェブページW10を表示する状態を示す。なお、端末装置100は、ウェブページW10の全体を表示できないので、初期状態ではウェブページW10の先頭から表示する。すなわち、端末装置100は、出力部130の上端ラインUL1と下端ラインDL1との間にウェブページW10を表示する。そして、ユーザは、第1状態では表示されていないウェブページW10の下部を出力部130に表示させるために、指F10によってスクロール操作を行う。
図1の例では、ユーザは、ウェブページW10を選択した後に、ウェブページW10を所定方向(
図1の例では上方向)にはらう操作(いわゆる、フリック操作)を行ったものとする。この場合、タッチパネルが採用される一般的な端末装置100は、ウェブページW10から指F10が離れた後であっても、ウェブページW10を所定の距離だけスクロール(慣性スクロール等と呼ばれる)させる。例えば、端末装置100は、ユーザが表示面をはらった速度に応じた距離だけ自動的にスクロールさせる。
【0017】
そして、端末装置100は、上記フリック操作に応じてウェブページW10を移動させる場合に、出力部130における予め決められている位置に、ウェブページW10の境界線が位置するようにウェブページW10を表示する。
図1の例の場合、端末装置100は、第2状態に示すように、出力部130の下端ラインDL1と、表示領域R1と広告枠R2との境界線L2とが重なるように、ウェブページW10を表示する(ステップS10)。具体的には、端末装置100は、慣性スクロールによってウェブページW10を移動させると、出力部130の下端ラインDL1と表示領域R1の下端の境界線L2とが重ならない状態でウェブページW10が表示される場合であっても、下端ラインDL1と表示領域R1の下端の境界線L2とが重なるように、ウェブページW10の移動態様を調整する。これにより、端末装置100は、出力部130の下端ラインDL1と境界線L2とが重なるようにウェブページW10を表示することができる。例えば、端末装置100は、慣性スクロールによってウェブページW10を移動させたときに、出力部130の下端ラインDL1よりも境界線L2が上部に位置すると予測される場合には、慣性スクロールによるウェブページW10の移動距離を短くすることにより、下端ラインDL1と境界線L2とが重なるようにウェブページW10を表示する。あるいは、端末装置100は、慣性スクロールによってウェブページW10を移動させたときに、出力部130の下端ラインDL1よりも境界線L2が下部に位置すると予測される場合には、慣性スクロールによるウェブページW10の移動距離を長くすることにより、下端ラインDL1と境界線L2とが重なるようにウェブページW10を表示する。
【0018】
続いて、端末装置100は、
図1の第3状態に示すように、ユーザから、さらにウェブページW10のスクロール操作を受け付けたものとする(ステップS11)。なお、
図1に示す第3状態は、第2状態の端末装置100が指F10によってスクロール操作を受け付けた直後の状態を示す。例えば、
図1の第3状態に示すように、出力部130には、スクロール操作によりウェブページW10に含まれる広告コンテンツC10の一部が表示されようとしている。この場合も、端末装置100は、ユーザが指F10を画面から離した後に、指F10により与えられた慣性によりウェブページW10をスクロールさせ続ける。
【0019】
そして、端末装置100は、
図1の第4状態に示すように、広告枠R2の下端と表示領域R3との境界線L3と、出力部130の下端ラインDL1とが重なるように、ウェブページW10を表示する(ステップS12)。具体的には、端末装置100は、スクロール操作の終了時点において、出力部130の下端ラインDL1と、広告枠R2に表示された広告コンテンツC10の下端の境界線L3とが重なるように、ウェブページW10の移動を調整する。これにより、端末装置100は、出力部130の下端ラインDL1と境界線L3とが重なるようにウェブページW10を表示することができる。
【0020】
このように、端末装置100は、ウェブページW10の表示領域R1に表示されるニューストピックスや、広告枠R2に表示される広告コンテンツC10などのコンテンツの端部と、端末装置100の画面である出力部130の下端部とがぴったり重なるようにして表示されるように、ウェブページW10の表示態様を調整する。
【0021】
これにより、ユーザは、ウェブページW10をスクロールさせた際に、特に意識することなく、スクロール操作の終了時点で画面にぴったり合わさったコンテンツを視認することができる。
【0022】
一般に、ユーザが端末装置100に表示されているウェブページW10に対してフリック動作を行った場合、各コンテンツが画面に揃えられて表示されることはなく、画面からコンテンツの一部が隠れた状態で表示されることが多い。しかしながら、ウェブページW10には表示領域R1及びR3や、広告枠R2毎に異なるコンテンツが含まれるため、ユーザにとっては、コンテンツの端部と画面の端部とが揃って表示される方が、よりコンテンツ毎の内容を認識し易くなる。また、広告コンテンツC10が動画広告である場合などには、ある一定以上の領域が画面上に表示されなければ、ユーザからの視認性が顕著に低下する。さらに、広告コンテンツC10がある一定以上の領域が表示されない場合には、広告コンテンツC10が端末装置10に表示されたものと認識されずに、インプレッション数に加算されない場合がある。この場合、広告コンテンツC10が端末装置100に配信されたとしても、広告料金が課金されないおそれがあるため、広告配信を行う者にとって不利益となる。
【0023】
一方、実施形態に係る端末装置100は、上述のように、ユーザからウェブページW10のスクロール操作を受け付けた場合に、ウェブページW10の表示態様を調整する。具体的には、実施形態に係る端末装置100は、ウェブページW10の移動態様を調整することにより、ウェブページW10に含まれる所定の位置(
図1の例では、表示領域毎の境界)が、端末装置100における表示領域(
図1の例では、出力部130)のうち予め決められている表示位置(
図1の例では、出力部130の下端部)に表示されるように、ウェブページW10を移動させる。すなわち、実施形態に係る端末装置100によれば、ウェブページW10の移動後の時点において、ウェブページW10に含まれるコンテンツの境界が画面の端部にぴったり揃うように表示される。これにより、ユーザは、ウェブページW10に含まれるコンテンツ毎の区切りを認識し易くなる。さらに、ユーザは、特段の意識をせずにウェブページW10に対してスクロール操作を行った場合においても、スクロール操作の終了時点で、所定のコンテンツが画面に揃うように表示される。すなわち、実施形態に係る端末装置100は、ユーザビリティを低下させずに、ウェブページW10の各コンテンツをユーザに視認させ易くする。このように、実施形態に係る端末装置100が実行する表示制御処理によれば、コンテンツの視認性を向上させることができる。
【0024】
以下、上述した表示処理を実現する端末装置100等について説明する。なお、上記では説明を省略したが、上述したウェブページW10には、ウェブページW10の表示態様を制御する制御情報が含まれる。そして、端末装置100は、制御情報に従って上述した表示処理を行う。また、
図1で説明したウェブページW10の境界線L1、L2及びL3は、上記制御情報により定義される。これにより、端末装置100は、上述した表示処理を実現する。このような制御情報について詳しくは後述する。
【0025】
〔2.広告配信システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る広告配信システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る広告配信システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、広告配信システム1は、端末装置100と、配信装置10と、広告装置20とを含む。端末装置100、配信装置10及び広告装置20は、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示す広告配信システム1には、複数台の端末装置100や、複数台の配信装置10や、複数台の広告装置20が含まれてもよい。
【0026】
端末装置100は、ウェブページを閲覧するユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置100は、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。端末装置100は、ユーザによる操作に従って、配信装置10から所定のウェブページを取得し、取得したウェブページを表示する。また、端末装置100は、取得した所定のウェブページに後述する広告取得命令が含まれる場合には、広告装置20から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツを所定のウェブページとともに表示する。
【0027】
配信装置10は、端末装置100にウェブページを配信する配信装置であり、ウェブサーバ機能を有する。例えば、配信装置10は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを端末装置100に配信する。
【0028】
配信装置10によって配信されるウェブページは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)により記述されたHTMLファイルや、XML(Extensible Markup Language)により記述されたXMLファイル等により形成される。そして、配信装置10は、端末装置100に配信するウェブページの表示態様を指示したり、上述した表示処理を端末装置100に実行させたりするための制御情報を含むウェブページを端末装置100に配信する。この制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)等のスクリプト言語により記述される。
【0029】
また、配信装置10によって配信されるウェブページには、広告取得命令が含まれる場合がある。例えば、ウェブページを形成するHTMLファイル等には、広告装置20のURL等が広告取得命令として記述される。この場合、端末装置100は、HTMLファイル等に記述されているURLにアクセスすることで、広告装置20から広告コンテンツを取得する。
【0030】
なお、配信装置10から端末装置100に配信される各種データは、実際にはウェブページを形成するHTMLファイルや画像等であるが、以下では、配信装置10から端末装置100に配信される各種データを「ウェブページ」と表記する場合がある。
【0031】
広告装置20は、広告主から入稿された広告コンテンツを配信する配信装置であり、サーバ機能を有する。例えば、広告装置20は、端末装置100からアクセスされた場合に、保持している所定の広告コンテンツを端末装置100に配信する。
【0032】
ここで、広告装置20は、広告主によって利用される任意の情報処理装置から広告コンテンツの入稿を受け付ける。例えば、広告装置20は、任意の広告コンテンツとして、静止画像や、動画像や、テキストデータや、広告主が管理する広告主サーバによって配信される広告主ページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)などの入稿を受け付ける。なお、広告主は、広告コンテンツの入稿を代理店に依頼する場合がある。この場合、広告装置20に広告コンテンツを入稿するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であるものとする。
【0033】
〔3.配信装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る配信装置10の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る配信装置10の構成例を示す図である。
図3に示すように、配信装置10は、通信部11と、コンテンツ記憶部12と、制御部13とを有する。
【0034】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置100や広告装置20との間で情報の送受信を行う。
【0035】
コンテンツ記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。そして、コンテンツ記憶部12は、コンテンツの一例であるウェブページを記憶する。例えば、コンテンツ記憶部12は、ウェブページを形成するHTMLファイルや、ウェブページに表示される静止画像や動画像を記憶する。なお、コンテンツ記憶部12に記憶されるウェブページには、広告コンテンツを取得するための広告取得命令が含まれる場合がある。
【0036】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、配信装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0037】
図3に示すように、制御部13は、受付部14と、配信部15とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0038】
受付部14は、端末装置100からウェブページの取得要求を受け付ける。例えば、受付部14は、ウェブページの取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。
【0039】
配信部15は、受付部14によってウェブページの取得要求が受け付けられた場合に、取得要求に対応するウェブページを端末装置100に配信する。具体的には、配信部15は、コンテンツ記憶部12から取得要求に対応するウェブページを取得し、取得したウェブページを端末装置100に配信する。上記の通り、コンテンツ記憶部12に記憶されているウェブページには広告コンテンツを取得するための広告取得命令が含まれる。すなわち、端末装置100は、取得したウェブページを表示する際に、ウェブページに含まれる広告取得命令に従い、広告装置20に対して広告コンテンツの配信要求を送信する。
【0040】
また、配信部15は、受付部14が受け付けた取得要求に対応するウェブページとともに、端末装置100に対して表示制御を実行させる制御情報を配信する。ここで、実施形態に係る制御情報は、表示手順と検知手順と調整手順とを含む。表示手順は、例えば、端末装置100にウェブページW10を表示させる処理手順である。検知手順は、例えば、表示制御に用いられるウェブページの所定の位置を検知する処理手順である。調整手順は、例えば、検知手順によって検知されたウェブページの所定の位置が予め決められた表示位置(例えば、端末装置100の画面の端部)に表示されるように、ウェブページの表示態様を調整する処理手順である。
【0041】
〔4.端末装置の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る端末装置100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る端末装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、端末装置100は、通信部110と、入力部120と、出力部130と、制御部140とを有する。
【0042】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、広告装置20や配信装置10との間で情報の送受信を行う。
【0043】
入力部120は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウスや操作キー等によって実現される。出力部130は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部130は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、端末装置100にタッチパネルが採用される場合には、入力部120と出力部130とは一体化される。なお、
図1の例では、出力部130と、端末装置100におけるウェブページW10の表示領域が同一である例を示したが、実際には、ウェブページW10は出力部130の全面に表示されるとは限らない。すなわち、ウェブページW10等のコンテンツは、出力部130内に表示されるウェブブラウザソフトウェアのウインドウ内に表示される場合がありうる。この場合、ウェブページW10を表示する際の端末装置100における表示領域とは、ウェブブラウザソフトウェアのウインドウを意味する。
【0044】
制御部140は、例えば、CPUやMPU等によって、端末装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(表示プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムは、ウェブブラウザと呼ばれるアプリケーションプログラムに該当する。また、制御部140は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0045】
図4に示すように、制御部140は、要求部141と、受付部142と、表示制御部143とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部140の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部140が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0046】
要求部141は、入力部120を介して受け付けたユーザ操作に従って、配信装置10にウェブページの取得要求を送信する。また、要求部141は、受付部142によって受け付けられたウェブページに広告取得命令が含まれる場合に、広告コンテンツの取得要求を広告装置20に送信する。
【0047】
受付部142は、ウェブページと広告コンテンツとを受け付ける。具体的には、受付部142は、要求部141によって送信されたウェブページの取得要求に応答した配信装置10からウェブページを受け付ける。このとき、受付部142は、ウェブページに広告取得命令が含まれる場合には、広告コンテンツの取得要求を送信するよう要求部141に指示する。そして、受付部142は、要求部141によって送信された広告コンテンツの取得要求に応答した広告装置20から広告コンテンツを受け付ける。
【0048】
表示制御部143は、受付部142によって受け付けられたウェブページに含まれる制御情報に従って、所定のウェブページを出力部130に表示制御する。表示制御部143は、
図4に示すように、表示部144と、検知部145と、調整部146とを有する。表示部144、検知部145及び調整部146は、例えば、CPUやMPU等によって、ウェブページに含まれる制御情報がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。すなわち、表示部144は、上述した表示手順により実現され、検知部145は、上述した検知手順により実現され、調整部146は、上述した調整手順により実現される。
【0049】
表示部144は、受付部142によって受け付けられたウェブページを広告コンテンツとともに出力部130に表示する。具体的には、実施形態に係る表示部144は、ウェブページを表示するとともに、ウェブページに含まれる広告枠の位置に基づいて広告コンテンツの表示位置を特定し、特定された表示位置に広告コンテンツを表示する。
【0050】
検知部145は、ウェブページの所定の位置を検知する。具体的には、実施形態に係る検知部145は、所定の位置の一例として、ウェブページW10に含まれる表示領域R1と広告コンテンツC10との境界線L2を検知する。また、検知部145は、例えばユーザからのスクロール操作などの変更操作によりウェブページW10の表示態様が変更された場合に、ウェブページW10の表示態様の変更後に係る境界線L2の位置を検知する。これにより、後述する調整部146は、移動後のウェブページW10における所定の位置を出力部130における所定の位置(例えば、出力部130の下端ラインDL1)に表示するよう調整する処理を行うことができる。
【0051】
調整部146は、端末装置100によって表示されているウェブページの表示態様を変更する変更操作が行われた場合に、端末装置100における表示領域のうち予め決められている表示位置にウェブページの所定の位置が表示されるようにウェブページの表示態様を調整する。例えば、実施形態に係る調整部146は、検知部145によってウェブページW10に対するスクロール操作が検知された場合に、端末装置100の出力部130のうち予め決められている表示位置である下端ラインDL1に、ウェブページW10の所定の位置である表示領域R1と広告コンテンツC10との境界線L2が表示されるように、ウェブページW10の表示態様を調整する。
【0052】
(調整処理について)
以下、実施形態に係る調整部146の行う調整処理について説明する。実施形態に係る調整部146は、ユーザからウェブページW10の表示態様を変更する変更操作が行われた場合に、ウェブページW10の移動態様を調整することにより、ウェブページW10の所定の位置と画面の端部とを揃えて表示させるような表示処理を実現する。ここでは、
図1の例を用いて、ウェブページW10の所定の位置として表示領域R1と広告コンテンツC10との境界線L2を、端末装置100における表示領域のうち予め決められている表示位置として下端ラインDL1を、ウェブページW10の表示態様を変更する変更操作としてスクロール操作を、それぞれ例として説明する。すなわち、調整部146が実行する調整処理の具体例として、ウェブページW10に含まれる第1コンテンツ(ここでは、ウェブページW10内のニューストピックスなどのニュースコンテンツ)と第2コンテンツ(ここでは、広告コンテンツC10)との表示領域の境界を所定の位置として、ウェブページW10の表示態様が調整される例について説明する。
【0053】
まず、調整部146は、検知部145がウェブページW10のスクロール操作後の境界線L2の位置を検知した場合に、移動後の境界線L2が下端ラインDL1の所定の範囲内に位置するか否かを判定する。例えば、調整部146は、移動後の境界線L2が下端ラインDL1の所定の範囲内である近傍に位置するか否かを判定し、近傍に位置すると予測される場合には、ウェブページW10の移動を調整する処理を行う。すなわち、調整部146は、移動後の境界線L2が下端ラインDL1の近傍に位置することが検知された場合にのみ、ウェブページW10の表示態様を調整し、下端ラインDL1に境界線L2が表示されるように調整する。
【0054】
そして、調整部146は、ウェブページW10の表示態様の調整として、スクロール操作によりウェブページW10の移動が行われている最中に、ウェブページW10の移動速度、又は、ウェブページW10の移動距離を調整する。また、調整部146は、ウェブページW10の移動速度、又は、ウェブページW10の移動距離を調整する場合に、ウェブページW10が滑らかに移動するようにウェブページW10の表示態様を調整する。すなわち、調整部146は、通常のスクロール操作が行われた場合のウェブページW10の挙動に対して不自然とならないように、ウェブページW10の移動態様を調整する。例えば、調整部146は、スクロールの途中で急にウェブページW10の移動を制止させたり、下方向に動作しているウェブページW10を急に異なる方向に移動させたりすることのないよう、ウェブページW10の移動態様を調整する。一例としては、調整部146は、ウェブページW10を一定の加速度で移動させるように調整する。あるいは、調整部146は、ウェブページW10が作動や制止を繰り返さないで連続して移動させるように、ウェブページW10の移動態様を調整する。
【0055】
一方、調整部146は、移動後の境界線L2が下端ラインDL1の所定の範囲内に位置しない場合には、ウェブページW10の移動を調整する処理を行わない。例えば、移動後の境界線L2が下端ラインDL1よりも上端ラインUL1側に近い位置になると予測される場合には、調整部146はウェブページW10の移動を調整しない。このように、移動後の境界線L2が下端ラインDL1の所定の範囲内に位置しない場合に調整部146がウェブページW10の移動を調整すると、ユーザにより与えられたスクロール操作に対して、ウェブページW10の移動を急に止めたり、通常の操作よりも長い距離を移動させたりといった、通常の動作と比較して不自然となるような挙動をウェブページW10にさせる結果になるおそれがあるからである。
【0056】
また、調整部146は、スクロール操作によりウェブページW10の移動が行われている場合であって、ウェブページW10の移動速度が所定の範囲内である場合に、ウェブページW10の移動態様を調整する。例えば、移動後の境界線L2が下端ラインDL1の所定の範囲内である近傍に位置することが検知されたとしても、検知された時点でウェブページW10が所定の速度以上で移動をしている場合には、調整部146は、ウェブページW10の移動態様を調整しない。所定の速度以上で移動するウェブページW10を調整したとすると、ウェブページW10の移動を急に制止することになるため、通常の動作と比較してウェブページW10が不自然な挙動をすることになるおそれがある。この場合、調整部146は、移動後の境界線L2が下端ラインDL1の所定の範囲内である近傍に位置することが検知され、かつ、ウェブページW10が所定の速度の範囲内で移動している場合に、ウェブページW10の移動態様を調整する。なお、調整部146は、所定の速度の範囲については任意の値を設定するものとする。例えば、調整部146は、ユーザのフリック操作により与えられたスクロールの初速度に基づいて、調整処理を行う速度の範囲を設定する。一例として、調整部146は、所定の速度の範囲として、0より大きい速度であって、かかる初速度の2割より小さくなった速度などの範囲を設定してもよい。
【0057】
上記のように、調整部146は、移動後の境界線L2の位置、下端ラインDL1の位置及びウェブページW10の移動速度の関係等に基づいて、ウェブページW10の移動態様を調整し、ウェブページW10が移動を終了した時点で、境界線L2が下端ラインDL1の位置に表示されるようにする。言い換えれば、調整部146は、表示領域R1に表示されるコンテンツの下端と、端末装置100の画面の下端とがぴったり揃うように、ウェブページW10の表示態様を調整する。これにより、実施形態に係る端末装置100は、コンテンツの視認性を向上させる。
【0058】
上記の表示制御部143が実行する処理は、例えば、ウェブページW10に含まれる制御情報が端末装置100にウェブページW10を表示させるウェブブラウザソフトウェアの機能を利用することにより実現される。なお、上記の表示制御処理は、端末装置100に配信されるアプリの機能により実現されてもよい。
【0059】
〔5.他の表示例〕
上記では、
図1に例示した表示態様を用いながら端末装置100による表示処理について説明した。具体的には、上記では、端末装置100が、スクロール操作を検知した場合に、ウェブページW10の表示態様を調整する例を示した。ここで、
図5、
図6及び
図7を用いて、端末装置100がウェブページW10の表示態様を調整する処理について、より詳細に説明する。
図5、
図6及び
図7は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図である。
【0060】
〔5−1.他の表示例(1)〕
まず、
図5の例について説明する。
図5の第1状態に示すように、端末装置100は、
図1の例と同様にウェブページW10を表示する。そして、端末装置100は、
図5の第1状態に示すように、ユーザからスクロール操作を受け付ける。ここまでの端末装置100による表示処理は、
図1に示した例と同様である。
【0061】
ここで、ユーザから受け付けたスクロール操作により、端末装置100は、第2状態へと遷移する(ステップS20)。このとき、
図5の第2状態に示すように、端末装置100において、移動後の境界線L2と出力部130の上端ラインUL1とが重なるように表示される。すなわち、
図1においては、ウェブページW10の所定の位置を出力部130の下端ラインDL1とした例を提示したが、調整部146は、ウェブページW10の所定の位置を出力部130の上端ラインUL1とすることができる。言い換えれば、調整部146は、ウェブページW10が端末装置100における出力部130に対して、上方に移動させるスクロール操作が行われる場合に、移動後の境界線L2と出力部130の上端ラインUL1とが重なるようにウェブページW10の移動態様を調整する。
【0062】
上記のように、調整部146は、ウェブページW10の所定の位置を出力部130のうち上端や、下端や、その他の任意の位置とすることができるので、柔軟にウェブページW10の表示態様を調整することができる。また、
図5での図示は省略したが、ウェブページW10に対するスクロール操作などの変更操作は、出力部130に対して下方に限られず、上方や、横方向であってもよい。一例としては、調整部146は、ウェブページW10が端末装置100における出力部130に対して、上方に移動させるスクロール操作が行われる場合に、移動後の境界線L2と、出力部130の上端ラインUL1又は下端ラインDL1とが重なるようにウェブページW10の表示態様を調整することができる。
【0063】
なお、実施形態に係る端末装置100は、
図1に示した表示処理と、
図5に示した表示処理との双方を行ってもよい。すなわち、端末装置100は、ウェブページW10の所定の位置を出力部130のうち上端と、下端との双方とすることができる。また、端末装置100は、ウェブページW10の所定の位置として出力部130の中央部分と設定し、所定のコンテンツが端末装置100の画面中央に位置するようにウェブページW10の表示を調整してもよい。
【0064】
〔5−2.他の表示例(2)〕
続いて、
図6の例について説明する。
図6の第1状態で表示されるウェブページW10は、
図1の第1状態と同様である。ここで、
図6の第1状態に示すように、ユーザが、スクロール操作を行った指F10をウェブページW10から離さずに、ウェブページW10を移動させるとする。この場合、端末装置100は、指F10の移動幅と同じだけ、ウェブページW10を移動させることになる。
【0065】
指F10をウェブページW10から離さずにウェブページW10を移動させる操作が受け付けられた場合に、端末装置100は、
図6の第2状態に遷移する(ステップS30)。
図6の第2状態に示すように、境界線L2と出力部130の下端ラインDL1とが重なった状態であっても、ユーザは、指F10を画面から離さずに、指F10を上方へ動かすものとする。
【0066】
そして、
図6の第2状態から、指F10をウェブページW10から離さずにウェブページW10を移動させる操作が受け付けられた場合に、端末装置100は、
図6の第3状態に遷移する(ステップS31)。
図6の第3状態に示すように、境界線L2と出力部130の下端ラインDL1とは重ならず、ずれた状態で表示される。すなわち、上記のように、ユーザが指F10をウェブページW10から離さずにウェブページW10を移動させる操作を行った場合には、調整部146は、ウェブページW10の表示態様を調整することを要しない。
【0067】
すなわち、ユーザが指F10をウェブページW10から離さずにウェブページW10を移動させる操作を行っているときは、ユーザがウェブページW10の記事の内容等をゆっくり読み進めている状態などが想定される。この場合に、調整部146がウェブページW10の表示態様を調整すると、ユーザの意図とは違う表示態様によりウェブページW10が表示されるおそれがある。ウェブページW10がユーザの意図とは違う挙動をすることは、ユーザにとって望ましくなく、ユーザビリティの低下を招く。そのため、
図6のように、ユーザが指F10をウェブページW10から離さずにウェブページW10を移動させる操作を行っているときは、調整部146は、調整手順を実行せず、ユーザの操作に従い、境界線L2と出力部130の下端ラインDL1とが重ならない状態で表示する。
【0068】
〔5−3.他の表示例(3)〕
続いて、
図7の例について説明する。
図7の第1状態に示すように、端末装置100は、
図1の例と同様にウェブページW10を表示する。そして、端末装置100は、
図7の第1状態に示すように、ユーザからスクロール操作を受け付ける。ここまでの端末装置100による表示処理は、
図1に示した例と同様である。
【0069】
ここで、ユーザから受け付けたスクロール操作により、端末装置100は、
図7の第2状態へと遷移する(ステップS40)。このとき、
図7の第2状態に示すように、端末装置100において、移動後の境界線L2と出力部130の下端ラインDL1とが重ならず、移動後の境界線L2が出力部130の下端ラインDL1よりもやや上方に位置して表示されるものとする。
【0070】
このとき、調整部146は、移動後の境界線L2が出力部130の下端ラインDL1と重なって表示されるように調整する(ステップS41)。すなわち、調整部146は、出力部130の下端ラインDL1よりもやや上方に位置して表示された移動後の境界線L2が、スクロール操作により与えられた移動方向(
図7の例では、上方)と逆の方向、すなわち、下方に向かうようにウェブページW10の表示態様を調整する。言い換えれば、調整部146は、
図7の第2状態におけるウェブページW10を下方に移動させる。
図7の第3状態は、調整部146により、ウェブページW10が下方に移動を開始した直後の状態を示す。
【0071】
そして、ウェブページW10が下方に移動された場合に、端末装置100は、
図7の第4状態に遷移する(ステップS42)。
図7の第4状態において、端末装置100は、移動後の境界線L2と出力部130の下端ラインDL1とを重ねて表示する。
【0072】
すなわち、
図1では、調整部146は、制御情報によるウェブページW10の表示態様が不自然とならないよう、ウェブページW10を滑らかに移動させる例を示した。しかし、調整部146は、
図7で示すように、スクロール操作による一度目の移動で境界線L2の下部を一瞬表示させ、その後の反対方向の移動により、境界線L2と下端ラインDL1とを重ねて表示するようにウェブページW10を調整してもよい。
【0073】
図7におけるウェブページW10の挙動を一連の動作としてみると、あたかもウェブページW10が出力部130の下端でバウンドしているように表示される。このように、実施形態に係る端末装置10は、移動操作に従ってウェブページW10を上方向に移動させた後に、上方向と反対の下方向に移動させることにより、予め決められた表示位置にウェブページW10の所定の位置が表示されるようにウェブページの表示態様を調整する。これにより、実施形態に係る端末装置100は、ユーザに対して一瞬下部のコンテンツを見せた後に、ウェブページW10の所定の位置と画面の端部を揃えて表示させることができる。このため、実施形態に係る端末装置100は、所定の位置の下部にあるコンテンツに対して興味を抱かせつつ、上記のようにコンテンツの視認性を向上させるような表示態様の調整をすることができる。
【0074】
〔6.広告配信システムの処理フロー〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る広告配信システム1による配信処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る広告配信システム1による配信処理手順を示すシーケンス図である。
【0075】
図8に示すように、端末装置100は、ユーザ操作に従って、ウェブページの取得要求を配信装置10に送信する(ステップS101)。そして、配信装置10は、ウェブページの取得要求に応じて、制御情報を含むウェブページを端末装置100に配信する(ステップS102)。なお、配信装置10によって配信されるウェブページには、広告装置20のURL等である広告取得命令が含まれる。
【0076】
続いて、端末装置100は、ウェブページに含まれる広告取得命令に基づいて、広告コンテンツの取得要求を広告装置20に送信する(ステップS103)。そして、広告装置20は、広告コンテンツの取得要求に応じて、広告コンテンツを端末装置100に配信する(ステップS104)。
【0077】
そして、端末装置100は、ステップS102において受信したウェブページに含まれる制御情報に従って、ウェブページとステップS104において受信した広告コンテンツとを表示する表示処理を行う(ステップS105)。
【0078】
〔7.端末装置の処理フロー〕
次に、
図9を用いて、実施形態に係る端末装置100による処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る端末装置100による処理手順を示すフローチャートである。
【0079】
図9に示すように、端末装置100は、広告装置20から取得したウェブページを表示する(ステップS201)。そして、端末装置100は、ユーザからウェブページの変更操作の一例であるスクロール操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS202)。端末装置100は、スクロール操作を受け付けていない場合には(ステップS202;No)、スクロール操作を受け付けるまで待機する。
【0080】
一方、端末装置100は、スクロール操作を受け付けた場合には(ステップS202;Yes)、ウェブページの所定の位置を検知する(ステップS203)。すなわち、端末装置100は、スクロール操作により移動するウェブページの所定の位置を検知する。そして、端末装置100は、移動後の所定の位置が所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、端末装置100は、移動後の所定の位置が所定の範囲内でない場合には(ステップS204;No)、調整処理を行わない。
【0081】
一方、端末装置100は、移動後の所定の位置が所定の範囲内であると予測される場合には(ステップS204;Yes)、ウェブページの速度が所定の範囲内であるか否かをさらに判定する(ステップS205)。このとき、端末装置100は、ウェブページの速度が所定の範囲内でないときは、ウェブページの速度が所定の範囲内になるまで待機する(ステップS205;No)。
【0082】
一方、端末装置100は、ウェブページの速度が所定の範囲内であると判定した場合には(ステップS205;Yes)、ウェブページの移動を調整する(ステップS206)。そして、端末装置100は、ウェブページの所定の位置と、端末装置100における表示領域のうち予め決められている表示位置(例えば、端末装置100の画面の端部)とを揃えて表示する(ステップS207)。この後、端末装置100は、上記ステップS202〜S207における処理手順を繰り返し行う。
【0083】
〔8.変形例〕
上述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。以下では、端末装置100、配信装置10及び配信処理システム1の他の実施形態について説明する。
【0084】
〔8−1.調整処理の応用〕
上記実施形態を説明した
図5において、端末装置100に係る調整部146は、ウェブページW10が端末装置100における出力部130に対して、上方に移動させるスクロール操作が行われる場合に、移動後の境界線L2と出力部130の上端ラインUL1とが重なるようにウェブページW10の表示態様を調整する例を示した。ここで、端末装置100は、上記表示態様を応用して、ユーザにコンテンツを視認させ易くすることもできる。この点について、
図10を用いて説明する。
【0085】
図10は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。
図10の第1状態では、指F10によって、ウェブページW10が上方に移動されている状態を示す。
図10の第1状態でユーザからのスクロール操作を受け付けた端末装置100は、スクロール操作によるウェブページW10の移動後に、
図10の第2状態に遷移する(ステップS50)。
【0086】
図10の第2状態において、端末装置100は、移動後の境界線L2と出力部130の上端ラインUL1とが重なるようにウェブページW10を表示する。そして、
図10の第2状態に示すように、端末装置100は、広告枠R2の下部の表示領域R3に、ウェブページW10が読み込み状態であることを示す「読み込み中」のシンボルを表示させる。
【0087】
ここで、ウェブページW10の読み込み状態とは、例えば、ウェブページW10を構成するファイルの容量が大きい場合や、リアルタイム性のある記事をウェブページW10に表示させようとする場合に、ユーザがウェブページW10を読み進めていくタイミングに合わせて、ウェブページW10の続きを随時取得し、取得したデータの表示処理を行っている状態をいう。
【0088】
すなわち、端末装置100は、スクロール操作により出力部130に表示されようとするウェブページW10の各部分を、画面のスクロールに合わせて取得する。例えば、ウェブページW10には、表示領域R3に表示するコンテンツを取得するためのリクエスト(取得要求)が埋め込まれる。端末装置100は、ウェブページW10内の所定の位置(すなわち、コンテンツの取得命令が埋め込まれた位置)までウェブページW10がスクロールされたことを契機として、表示領域R3に表示するコンテンツを取得するためのリクエストを配信装置10又は広告装置20に送信する。これにより、端末装置100は、表示領域R3に表示するコンテンツを配信装置10又は広告装置20から取得する。
【0089】
図10の例において、ウェブページW10の表示領域R3に表示されるコンテンツは、表示領域R3が出力部130に表示されようとするタイミングで取得され、取得され次第、出力部130に表示される。そして、通常、読み込み状態を示す表示がされる場合、ウェブページW10内における各コンテンツは任意の位置にあり、ウェブページW10内における表示位置が定められることはない。
【0090】
一方、
図10の第2状態に示すように、制御情報とともに配信されるウェブページW10を表示する端末装置100によれば、移動後の境界線L2と出力部130の上端ラインUL1とが重なるように表示しつつ、表示領域R3を読み込み状態にさせる。これにより、端末装置100は、広告枠R2に表示される広告コンテンツC10の一部を欠けたりさせずに、かつ、表示領域R3を読み込み状態にさせるので、表示領域R3が読み込み中の状態であっても、完全に表示された状態の広告コンテンツC10をユーザに視認させることができる。そして、表示領域R3に表示されるコンテンツの読み込みが終了した時点で、端末装置100は、
図10の第3状態に遷移する(ステップS51)。
【0091】
すなわち、端末装置100に係る表示部144は、ウェブページW10の一部である部分コンテンツ(例えば、表示領域R1に表示されるトピックスや、広告枠R2に表示される広告コンテンツC10)を順次取得することでウェブページW10を表示する。そして、表示部144は、スクロール操作によって出力部130の表示対象が未取得である部分コンテンツに該当する場合に、未取得の部分コンテンツ(
図10の例では、表示領域R3に表示されるコンテンツ)を取得する。そして、調整部146は、表示部144によって未取得の部分コンテンツが取得される場合に、取得済みの所定の部分コンテンツ(
図10の例では、広告コンテンツC10)が予め決められた表示位置に表示されるようにウェブページW10の表示態様を調整する調整手順を実行する。
【0092】
このように、端末装置100は、広告コンテンツC10の境界線L2と、出力部130の上端ラインUL1とが重なるように、ウェブページW10の表示態様を調整した上で、ウェブページW10における続きのコンテンツを読み込む。これにより、端末装置100は、ウェブページW10の未取得の部分コンテンツの読み込み中であっても、ウェブページW10内で広告コンテンツC10の視認性を保持することができる。
【0093】
〔8−2.広告コンテンツ別の処理〕
上記実施形態で説明した調整処理は、端末装置100のユーザ別に実行されてもよい。例えば、端末装置100は、ウェブページに含まれる広告コンテンツのうち、ユーザが興味関心のあると想定される広告コンテンツが表示される広告枠に係る境界線と、出力部130の所定の表示位置(例えば、上端や下端)とがぴったり揃うように表示させてもよい。この場合、ユーザの興味関心のあると想定される広告コンテンツは、例えば、ユーザの閲覧するウェブサイトの履歴や、ウェブサイトでの購入履歴や、広告コンテンツに対するクリック履歴等に基づいて決定される。例えば、端末装置100は、ユーザが以前クリックした広告コンテンツについては、コンバージョンに至る可能性が高いと想定されるため、上記処理を実行してもよい。一方、端末装置100は、ユーザが以前クリックした広告コンテンツであっても、例えば、既にコンバージョンに至っているものについては、上記処理を実行しなくてもよい。また、端末装置100は、ユーザの属性(例えば、ユーザの性別、年齢、住所、職業など)に基づいて、上記処理を行うコンテンツを判定してもよい。端末装置100は、例えば、端末装置100を利用する際にユーザ自身からユーザ情報の入力を受け付けることや、ユーザ端末100のウェブブラウザと配信装置10との間でやり取りされるHTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie)に含まれる情報を参照することにより、上記ユーザの属性に関する情報を取得する。一例として、端末装置100は、ユーザの性別情報を取得するものとする。そして、端末装置100は、男性のユーザが端末装置100を利用する場合には、「自動車」の広告コンテンツについては関心が高いものと判定し、「自動車」の広告コンテンツに対して調整処理を実行する。すなわち、端末装置100は、かかる広告コンテンツと他の表示領域との境界線を所定の位置として検知する。一方、端末装置100は、男性のユーザは「化粧品」の広告コンテンツには関心が低いと判定して、「化粧品」の広告コンテンツに対して調整処理を実行しない。また、端末装置100は、女性のユーザが端末装置100を利用している場合には、「化粧品」の広告コンテンツに対して調整処理を実行する。上記のように、端末装置100に係る調整部146は、端末装置100を操作するユーザに応じて、ウェブページW10の表示態様を調整することができる。
【0094】
また、端末装置100は、インプレッション数により広告課金がなされる広告コンテンツや、広告コンテンツの半分以上が表示されることにより広告課金がなされる広告コンテンツや、出力部130に一定以上の部分が表示されることで再生が開始されるような動画広告コンテンツなどについて、優先的に調整処理を行うようにしてもよい。これにより、端末装置100は、上記のようなユーザからの視認(すなわち、出力部130に表示されること)を条件として広告課金がなされるような広告コンテンツについて、出力部130内で表示される可能性を高めることができる。結果として、端末装置100に制御情報を配信する実施形態に係る配信装置10によれば、広告コンテンツを配信する配信装置10側(例えば、配信装置10の運営者)は、広告収入を得やすくなる。また、広告主にとっても、ユーザに広告コンテンツを視認させる機会を増加させることができるので、広告コンテンツの広告効果を高めることができるというメリットがある。
【0095】
〔8−3.変更操作の頻度〕
上記実施形態では、ユーザがウェブページW10を移動させる際には、指F10によるフリック動作を用いてウェブページW10をスクロール操作させる例を示した。ここで、調整部146は、所定時間内に変更操作が行われた回数が所定数以上である場合に、ウェブページW10の表示態様を調整する調整手順を実行してもよい。
【0096】
通常、ユーザは、ウェブページW10の下部を閲覧することを望む場合、短時間内にフリック操作を繰り返し行う。これにより、ユーザは、ウェブページW10に対して、一回だけフリック操作を行ったときに比べて、下方向への大きな速度を与えることができるので、素早くウェブページW10をスクロールさせることができる。この場合、端末装置100は、繰り返し行われるフリック操作が所定期間内に何回行われるかを計数し、所定数以上である場合に、ウェブページW10の表示態様を調整することができる。
【0097】
通常、ユーザが一回のみフリック操作を行うときには、ウェブページW10を大きくスクロールさせることを望んでいないと考えられる。この場合に、端末装置100が調整処理を行うと、記事をじっくり読みたいユーザの意思と異なる挙動をウェブページW10に与えるおそれがある。一方、ユーザが繰り返しフリック操作を行うときには、ユーザは、現時点で出力部130に表示されているコンテンツよりも、一回のフリック操作によりスクロールされる画面数よりも下部に位置するコンテンツの閲覧を望んでいると考えられる。この場合には、端末装置100は、上記調整処理を実行し、スクロール動作が終了時点において、所定のコンテンツが出力部130の端部に揃うように表示させる。
【0098】
このように、端末装置100は、ユーザの変更操作の回数によって、調整処理を行うか否かを判定することができる。すなわち、端末装置100は、ユーザの操作の都度、調整処理を行うとすると、変更操作を受け付けるたびに、ウェブページW10内の所定の位置の検知処理や、移動の調整処理を行うことになるので、処理負担が増大する。一方、端末装置100は、所定期間内に一定数以上変更操作が受け付けられた場合にのみ、調整処理を行うとすると、操作のたびに処理を行うことと比較して処理負担を軽減することができる。
【0099】
〔8−4.制御情報〕
上述してきた実施形態に係る広告配信システム1では、配信装置10が、上述した表示処理を端末装置100に実行させたりするための制御情報を、ウェブページとともに端末装置100に配信する例を示した。しかし、制御情報を配信する装置は配信装置10に限られず、広告装置20であってもよい。
【0100】
この場合、広告装置20は、配信対象である広告コンテンツとともに、かかる制御情報を端末装置100に配信する。端末装置100は、かかる制御情報に基づいて上述してきた表示処理を行う。すなわち、制御情報の配信元が配信装置10であるか広告装置20であるかは、端末装置100の行う表示処理の結果には影響しない。このように、端末装置100は、上記制御情報の配信元にかかわらず上述してきた表示処理を行うことができる。
【0101】
〔8−5.調整条件〕
上記実施形態では、ウェブページが縦スクロールされる例を示したが、この例に限られない。例えば、端末装置100は、横スクロール可能なウェブページを表示し、かかるウェブページが横スクロールされている場合に、ウェブページの表示態様を調整させてもよい。また、上記実施形態では、コンテンツとしてウェブページを例に挙げて説明したが、制御情報により制御されるコンテンツは、ウェブページに限られない。すなわち、端末装置100は、出力部130に表示する任意のコンテンツについて、制御情報に基づいて、上記表示制御処理を実行することができる。例えば、端末装置100は、コンテンツの一例として、ウェブページの一部である第1コンテンツ(例えば、ニュースコンテンツ)や第2コンテンツ(例えば、広告コンテンツ)のみを対象として、上記表示制御処理を実行してもよい。あるいは、端末装置100は、ウェブブラウザソフトウェア以外のソフトウェアで表示されるコンテンツ(例えば、携帯アプリなどのアプリケーションソフトウェアで動作するコンテンツ)について、上記表示制御処理を実行してもよい。この場合、端末装置100は、アプリケーションソフトウェアで動作するコンテンツとともに制御情報を受け付け、受け付けた制御情報に基づいて、実施形態に係る表示制御処理を実行する。
【0102】
〔8−6.移動操作〕
また、上記実施形態では、ウェブページを移動させる移動操作として、スクロール操作を例に挙げたが、この例に限られない。例えば、ウェブページを移動させる移動操作は、ウェブページを縮小表示させる縮小操作(例えば、ピンチイン操作)や、ウェブページを拡大表示させる拡大操作(例えば、ピンチアウト操作)であってもよい。また、ウェブページを素早く2回タップすること(いわゆる、ダブルタップ)することによる拡大、縮小操作であってもよい。また、端末装置100がタッチパネル以外を採用する場合には、上記の操作に対応した入力デバイスによる操作であってもよい。例えば、指F10によるフリック操作は、入力デバイスの一例であるマウスのホイールスクロール操作に対応する。また、指F10によるフリック操作を受け付ける入力デバイスとして、トラックパッドを用いてもよい。
【0103】
〔8−7.端末装置の操作記録〕
また、上述してきた端末装置100は、実施形態に係る広告コンテンツが表示されているウェブページに対して、ユーザがどれだけ端末装置100を操作したかという記録を広告装置20に送信してもよい。具体的には、検知部145は、広告コンテンツが表示されているウェブページに対してユーザが行うスクロール操作や、ウェブページの拡大縮小操作などを記録する。さらに、検知部145は、広告コンテンツに対するクリック操作や、ウェブページをリロードした回数や、広告コンテンツを特定する情報について端末装置100からの発信操作(例えば、SNSへの書き込みなど)など、ユーザが端末装置100に対して行う種々の操作を記録することもできる。そして、通信部110は、検知部145により記録された操作履歴に関する情報を広告装置20に送信する。
【0104】
そして、広告装置20は、端末装置100から配信された端末装置100の操作履歴に関する情報を受信する。さらに、広告装置20は、受信した端末装置100の操作履歴に関する情報を集計し、かかる情報について分析した情報をさらに取得する。具体的には、広告装置20は、実施形態に係る制御情報を伴う広告コンテンツと、かかる制御情報を伴わない広告コンテンツとについて、スクロール操作の回数や、CTRなどの広告効果の指標を比較した情報などを取得する。また、広告装置20は、実施形態に係る制御情報を伴う広告コンテンツと、かかる制御情報を伴わない広告コンテンツとについて、インプレッション数の計数値などの比較を示す情報を広告主に提示してもよい。これにより、広告装置20は、端末装置100における実施形態に係る制御情報を伴うウェブページの表示態様の有用性(例えば、広告コンテンツの視認性が向上したことによるCTRの増加など)を広告主に示すことができる。
【0105】
〔8−8.装置構成〕
また、上記実施形態では、広告配信システム1に、配信装置10と広告装置20とが含まれる例を示したが、配信装置10と広告装置20とは1個の装置として形成されてもよい。この場合、
図3に示した配信装置10は、例えば、コンテンツ記憶部12とは別に、広告コンテンツ記憶部を有する。そして、配信装置10は、端末装置100からウェブページの取得要求を受け付けた場合に、広告コンテンツ記憶部にある広告コンテンツとともに、広告取得命令を含まないウェブページを端末装置100に配信する。
【0106】
また、上記実施形態では、広告装置20から端末装置100に広告コンテンツが配信される例を示したが、配信装置10が、広告装置20から広告コンテンツを取得してもよい。この場合、広告装置20は、配信装置10から広告コンテンツの取得要求を受け付ける。また、広告装置20は、配信装置10に広告コンテンツを配信する。また、配信装置10の配信部15は、広告装置20から取得した広告コンテンツとともに、広告取得命令を含まないウェブページを端末装置100に配信する。
【0107】
〔8−9.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0108】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図4に示した要求部141及び受付部142は統合されてもよい。
【0109】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0110】
〔8−10.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る端末装置100、広告装置20及び配信装置10は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、配信装置10を例に挙げて説明する。
図11は、配信装置10の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0111】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0112】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図2に示したネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0113】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0114】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0115】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る配信装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13の機能を実現する。また、HDD1400には、コンテンツ記憶部12内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0116】
なお、コンピュータ1000が実施形態に係る端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部140の機能を実現する。
【0117】
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る配信装置10は、配信部15を有する。実施形態に係る配信部15は、ウェブページ(コンテンツの一例)の表示態様を制御する制御情報を端末装置100に配信する。また、実施形態に係る制御情報は、端末装置100によって表示されているウェブページの表示態様を変更する変更操作が行われた場合に、端末装置100における表示領域のうち予め決められている表示位置にウェブページの所定の位置が表示されるようにウェブページの表示態様を調整する調整手順を端末装置100に実行させる。
【0118】
このように、実施形態に係る配信装置10によれば、ウェブページに含まれる広告コンテンツ等が画面にぴったり揃うように表示されるため、コンテンツの一部が欠けて表示されるような状態となることを防止することができる。すなわち、実施形態に係る配信装置10は、ユーザのコンテンツに対する視認性を向上させる。
【0119】
また、実施形態に係る制御情報は、ウェブページの所定の位置を検知する検知手順を端末装置100にさらに実行させる。また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、検知手順によって検知された所定の位置が、予め決められている表示位置に表示されるようにウェブページの表示態様を調整する。
【0120】
このように、実施形態に係る配信装置10によれば、ウェブページにおける任意の位置を端末装置100の画面の所定の表示位置に揃えることができる。すなわち、実施形態に係る配信装置10は、ウェブページに含まれる任意のコンテンツ(例えば、ニュースコンテンツや、広告コンテンツ)について視認性を向上させたり、ユーザに注目させたりすることができる。
【0121】
また、実施形態に係る制御情報における検知手順は、変更操作によりウェブページの表示態様が変更された場合に、ウェブページの表示態様の変更後における所定の位置を検知する。実施形態に係る制御情報における調整手順は、検知手順によって検知された変更後における所定の位置と、予め決められている表示位置との距離が所定の範囲内であると予測される場合に、ウェブページの表示態様を調整する。
【0122】
このように、実施形態に係る配信装置10によれば、ユーザによるウェブページの表示態様の変更後における任意の位置(例えば、ニュースコンテンツが表示される表示領域や、広告コンテンツが表示される広告枠の各境界線)を端末装置100の画面の所定の表示位置に揃えることができる。すなわち、実施形態に係る配信装置10は、通常の変更操作に比べて不自然とならない範囲において、ウェブページの各コンテンツを所定の表示位置に揃えるので、ユーザビリティを保ったまま表示を制御することができる。
【0123】
また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、予め決められている表示位置として、端末装置100における表示領域の端部にウェブページの所定の位置が表示されるようにウェブページの表示態様を調整する。
【0124】
このように、実施形態に係る配信装置10は、端末装置100の画面の端部や、ウェブブラウザの端部に所定のコンテンツを揃えて表示させることができる。すなわち、実施形態に係る配信装置10は、ユーザにとって区切りよく閲覧することができるウェブページの表示を提供することができる。
【0125】
また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、変更操作としてウェブページを移動させる移動操作が行われる場合に、ウェブページの移動速度、又は、ウェブページの移動距離を調整することにより、予め決められた表示位置にウェブページの所定の位置が表示されるようにウェブページの表示態様を調整する。具体的には、実施形態に係る制御情報における調整手順は、移動操作に応じてウェブページが移動している最中に、ウェブページの移動速度、又は、ウェブページの移動距離を調整する。
【0126】
これにより、実施形態に係る配信装置10は、移動後の静止したウェブページを移動させるのではなく、移動中の表示態様を調整することができるので、ユーザにとって通常の操作と変わらない感覚で端末装置100を操作させることができる。
【0127】
また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、ウェブページの移動速度、又は、ウェブページの移動距離を調整する場合に、ウェブページが滑らかに移動するようにウェブページの表示態様を調整する。
【0128】
これにより、実施形態に係る配信装置10は、ユーザにとって自然な見え方で移動中のウェブページを調整することができるので、ユーザビリティを保持するとともに、コンテンツの視認性を向上させることができる。
【0129】
また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、ウェブページの移動速度が所定の範囲内である場合に、ウェブページの表示態様を調整する。
【0130】
これにより、実施形態に係る配信装置10は、ユーザにとって不自然な挙動とならない範囲でウェブページの表示態様を調整することができるので、ユーザに違和感を抱かせない表示制御を実現することができる。
【0131】
また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、移動操作として、ウェブページが端末装置100における表示領域に対して上方に移動させる移動操作が行われる場合に、移動操作により移動される後のウェブページの所定の位置と、端末装置100における表示領域の上端部又は下端部とが重なるようにウェブページの表示態様を調整する。
【0132】
また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、移動操作として、ウェブページが端末装置100における表示領域に対して下方に移動させる移動操作が行われる場合に、移動操作により移動される後のウェブページの所定の位置と、端末装置100における表示領域の上端部又は下端部とが重なるようにウェブページの表示態様を調整する。
【0133】
これらにより、実施形態に係る配信装置10は、ウェブページを読み進めるユーザにとって、コンテンツ毎に内容を視認し易くすることができるので、ユーザビリティを向上させることができる。
【0134】
また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、移動操作に従ってウェブページを上方向(第1方向の一例)に移動させた後に、上方向と反対の下方向(第2方向の一例)に移動させることにより、予め決められた表示位置にウェブページの所定の位置が表示されるようにウェブページの表示態様を調整する。
【0135】
これにより、実施形態に係る配信装置10は、ユーザにウェブページの先にあるコンテンツを一瞬視認させることができるので、ユーザの関心を惹くことができるとともに、コンテンツの視認性を向上させることができる。
【0136】
また、実施形態に係る端末装置100は、ウェブページの一部である部分コンテンツを順次取得することでウェブページを表示し、移動操作によって端末装置100における表示領域の表示対象が未取得である部分コンテンツに該当する場合に、未取得の部分コンテンツを取得する表示部144を備える。また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、表示部144によって未取得の部分コンテンツが取得される場合に、取得済みの所定の部分コンテンツが予め決められた表示位置に表示されるようにウェブページの表示態様を調整する。
【0137】
これにより、実施形態に係る配信装置10は、ウェブページの読み込み中など、通常はウェブページの閲覧に適しないタイミングであっても、コンテンツを画面上に表示させ続けるので、通常よりもコンテンツの視認性を向上させることができる。
【0138】
また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、所定時間内に変更操作が行われた回数が所定数以上である場合に、ウェブページの表示態様を調整する。
【0139】
これにより、実施形態に係る配信装置10は、変更操作が行われるたびに端末装置100に処理を実行させることを要しないので、処理の負担を軽減させることができる。
【0140】
また、実施形態に係る制御情報における調整手順は、ウェブページに含まれる広告コンテンツの表示領域の境界を所定の位置として、ウェブページの表示態様を調整する。
【0141】
これにより、実施形態に係る配信装置10は、広告コンテンツと、その他のコンテンツの境界において、ウェブページの表示を制止させることができる。このため、実施形態に係る配信装置10によれば、ウェブページで表示される広告コンテンツが視認される可能性を高くすることができるので、広告効果の向上が期待できる。
【0142】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0143】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配信部は、配信手段や配信回路に読み替えることができる。