(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書中、同一又は類似する部材については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0009】
本明細書中、部品等の相対的位置関係を示すために、「上」、「下」と記述する。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0010】
本明細書中「抵抗変化型分子鎖」とは、電場の有無や電荷の注入により抵抗が変化する機能を備える分子鎖を意味するものとする。
【0011】
本明細書中「化学結合」とは、共有結合、イオン結合、金属結合のいずれかを指す概念とし、水素結合やファンデルワールス力による結合を除外する概念とする。
【0012】
以下、図面を参照しつつ実施形態を説明する。
【0013】
本実施形態の有機分子メモリは、第1の仕事関数を有する第1の電極と、第2の仕事関数を有する第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられ、第1の電極に化学結合し抵抗変化型分子鎖を有し第1の仕事関数より大きい第1のエネルギー準位を有する第1の有機分子と、第2の電極に化学結合し第2の仕事関数より大きく第1のエネルギー準位よりも小さい第2のエネルギー準位を有する第2の有機分子と、を含む有機分子層と、
を備える。
【0014】
本実施形態の有機分子メモリは、有機分子層に電流を流す際に、第1の有機分子と第2の電極との間で一致させるべきエネルギー差が、実効的に第1の有機分子と第2の有機分子のエネルギー差となる。したがって、第1の有機分子と第2の電極側とのエネルギー差が、第2の電極の表面状態に左右されることが抑制される。したがって、有機分子層を流れる電流が安定する。よって、動作安定性の高い有機分子メモリが実現される。
【0015】
図1は、本実施形態の有機分子メモリの模式斜視図である。
【0016】
本実施形態の有機分子メモリは、クロスポイント型の抵抗変化型有機分子メモリである。
図1に示すように、たとえば基板(図示せず)の上部に設けられる下部電極配線(第1の電極)12が設けられている。そして、下部電極配線12に交差するように上部電極配線(第2の電極)14が設けられている。電極配線のデザインルールは例えば、5nm以上20nm以下である。
【0017】
図1に示すように、下部電極配線12と上部電極配線14との交差部の、下部電極配線12と上部電極配線14との間には、有機分子層16が設けられている。有機分子層16の厚さは、例えば、1nm以上20nm以下である。メモリセルの微細化の観点から、1nm以上5nm以下であることが望ましい。
【0018】
そして、例えば、複数本の下部電極配線12と複数本の上部電極配線14が交差する点のそれぞれに、
図1のように有機分子層16を設けてメモリセルを形成する。このようにして、複数のメモリセルで構成されるメモリセルアレイが実現される。
【0019】
図2は、本実施形態の有機分子メモリの構成を示す図である。
図2(a)がメモリセルの模式概念図、
図2(b)がメモリセルのエネルギー準位の関係を示す図である。
【0020】
本実施形態の有機分子層16は、第1の電極12に化学結合する第1の有機分子16aと、第2の電極14に化学結合する第2の有機分子16bを備える。第1の有機分子16aは、第1の電極12に化学結合する抵抗変化型分子鎖を備える。第1の有機分子16aと第2の有機分子16bは化学結合していない。
【0021】
第1の電極12は、第1の仕事関数φ
1を備え、第2の電極14は、第2の仕事関数φ
2を備える。仕事関数は、真空準位とフェルミレベルのエネルギー差である。
【0022】
第1の有機分子16aは、第1のエネルギー準位e
1を備え、第2の有機分子16bは、第2のエネルギー準位e
2を備える。ここで、有機分子のエネルギー準位とは、例えば、抵抗変化型分子鎖に正孔が保持される場合には、真空準位とHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)準位とのエネルギー差である。真空準位とHOMO準位間の差の場合には、有機分子のエネルギー準位は、イオン化ポテンシャルと称される。また、有機分子のエネルギー準位とは、例えば、抵抗変化型分子鎖に電子が保持される場合には、真空準位とLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位とのエネルギー差である。真空準位とLUMOとのエネルギー差の場合には、有機分子のエネルギー準位は電子吸引力とも称される。
図2(b)では、HOMOの場合を例に示している。
【0023】
本実施形態において、第1の有機分子16aと第2の有機分子16bは化学結合していないため、それぞれの有機分子が独立したエネルギー準位を備え得る。
【0024】
第1のエネルギー準位e
1は、第1の仕事関数φ
1よりも大きい。また、第2のエネルギー準位e
2は、第2の仕事関数φ
2より大きく第1のエネルギー準位φ
1よりも小さい。
【0025】
図3は、本実施形態の有機分子メモリのメモリセル部の模式断面図である。
図3に示すように、本実施形態の有機分子層16は複数の第1の有機分子16aと、複数の第2の有機分子16bとで構成される。第1の有機分子16a及び第2の有機分子16bは、本実施形態の有機分子の一例である。
【0026】
第1の有機分子16aの一端が下部電極配線12と化学結合している。第1の有機分子16aは、下部電極配線12側から上部電極配線14に向かって伸長する。
【0027】
第2の有機分子16bの一端が上部電極配線14と化学結合している。第2の有機分子16bは、上部電極配線14側から下部電極配線12に向かって伸長する。
【0028】
下部電極配線12は、例えば、シリコン(Si)の基板(図示せず)上に形成される。下部電極配線12は、例えば、金属材料であるタングステン(W)である。また、上部電極配線14は、例えば、金属材料であるモリブデン(Mo)である。
【0029】
図4は、本実施形態のメモリセル部の有機分子の分子構造の一例を示す図である。本実施形態の有機分子層16を構成する第1の有機分子16a及び第2の有機分子16bは、例えば、
図4に示すような、分子構造を備えている。
【0030】
第1の有機分子16aは、4−[2−nitro−5−amino−4−(phenylethynyl)phenylethynyl]benzenethiolを抵抗変化型分子鎖として備える。
図4に示す抵抗変化型分子鎖は、ツアーワイア(Tour wire)とも称される。
【0031】
第1の有機分子16aは、一端にリンカーとしてチオエーテル基(−S−)を備える。硫黄原子(S)と、下部電極配線12表面とが化学結合している。ここで、リンカーとは化学結合により電極(導電層)に対して分子を固定する機能を備える化学修飾基を意味する。第1の有機分子16aは、いわゆる、自己組織化単分子膜(Self−assembled monolayer:SAM)を形成する。
【0032】
第2の有機分子16bは、nが3から11までのアルキル鎖(−(CH
2)
n−1−(CH
3)を備える第2の有機分子16bは、一端にリンカーとしてチオエーテル基(−S−)を備える。硫黄原子(S)と、上部電極配線14表面とが化学結合している。第2の有機分子16bは、いわゆる、自己組織化単分子膜(Self−assembled monolayer:SAM)を形成する。第1の有機分子16aのリンカーと第2の有機分子16bのリンカーは同一でも異なっていても構わない。それぞれの有機分子を、異なる側の電極に選択的に結合させる観点からは、第1の有機分子16aのリンカーと第2の有機分子16bのリンカーは異なることが望ましい。
【0033】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0034】
図5は、比較形態の有機分子メモリの構成を示す図である。
図5(a)がメモリセルの模式概念図、
図5(b)がメモリセルのエネルギー準位の関係を示す図である。
【0035】
比較形態の有機分子層16は、実施形態の第2の有機分子16bを備えない点で実施形態と異なる。
図6は、比較形態のメモリセル部の有機分子の分子構造の一例を示す図である。比較形態の有機分子層16を構成する第1の有機分子16aは、例えば、
図6に示すような、分子構造を備えている。
【0036】
図7(a)〜(e)は、比較形態の有機分子メモリのメモリセルの電流−電圧特性を示す図である。同一の製造方法で製造した異なる複数の有機分子の電流−電圧特性を示す。
【0037】
電流−電圧特性の傾向は、電圧の絶対値が1[V]以上の領域で電流が立ちあがるなど、同様の傾向がみられる。しかし、例えば、2[V]での電流はどれも大きく異なるなど、一定しない。また、同一の有機分子の測定においても経時変化がみられる。
【0038】
上記異なる有機分子の初期特性のばらつきや、同一有機分子の経時変化の原因は、第2の電極14の表面状態にあると考えられる。すなわち、第2の電極14の表面酸化によるフェルミレベルの変化や、第2の電極14作製時の、第2の電極内の多結晶化に起因したフェルミレベルの変化に原因があると考えられる。同じ結晶でも方位によりフェルミレベルが異なる。
【0039】
有機分子層16に電流を流す場合、第1の電極12と第2の電極14との間に電圧を印加させることで、電極のフェルミレベルをシフトさせる。例えば、
図5における第1の有機分子16aの第1のHOMO(第1のエネルギー準位e
1)と、第2の電極14の第2のフェルミレベル(Ef
2)とを一致させることにより、第1の有機分子16aと第2の電極14間での電荷の交換が可能になり電流が流れ出す。
【0040】
このため、第2の電極14のフェルミレベルが、ばらつくと、第1の有機分子16aと第2の電極14との間の電流の立ち上がりがばらつき、電流−電圧特性がばらつくことになる。したがって、メモリセルの動作電流がばらつくことになる。
【0041】
本実施形態では、第1の有機分子16aと第2の電極14との間に、第2の電極14に化学結合する第2の有機分子16bを備える。このため、有機分子層16に電流を流す際の第1の有機分子16aと第2の電極14とのエネルギー差が、実効的に第1の有機分子16aと第2の有機分子16bのエネルギー差となる。
【0042】
第2の有機分子16bの第2のエネルギー準位e
2は、例えば、第2の電極14の表面状態の影響は受けることはない。また、第2の有機分子16bの第2のエネルギー準位e
2には、第2の電極14の表面のフェルミレベルのような、ばらつき要因がない。
【0043】
したがって、第1の有機分子16aと第2の電極14側とのエネルギー差が安定する。よって、有機分子層16を流れる電流、メモリセルの動作電流が安定する。
【0044】
また、本実施形態では、第2の有機分子16bが電気抵抗としても機能し、有機分子層16の抵抗が大きくなる。したがって、メモリセルのリーク電流が低減され、メモリセルの動作電流のS/N(Siganl/Noise)比が向上する。
【0045】
なお、第2の有機分子16bと第2の電極14との間の障壁を小さくする観点から、第2のエネルギー準位e
2は、第2の仕事関数φ
2よりも大きいことが望ましい。また、第1の有機分子16aと第2の有機分子16bと間の障壁を小さくする観点から、第2のエネルギー準位e
2は、第1のエネルギー準位φ
1よりも小さいことが望ましい。また、メモリセルがノーマリーオンとなることを避ける観点から、第1のエネルギー準位e
1は、第1の仕事関数φ
1よりも大きいことが望ましい。
【0046】
また、第1の仕事関数をφ
1、第1のエネルギー準位をe
1、第1の有機分子の長さをL
1とする場合に式(1)で表記される第1の阻止係数p
1よりも、第2の仕事関数をφ
2、第2のエネルギー準位をe
2、第2の有機分子の長さをL
2とする場合に式(2)で表記される第2の阻止係数p
2が小さいことが望ましい。なお、L
1及びL
2は、リンカーも含めた長さとする。
p
1=(φ
1−e
1)
1/2×L
1 ・・・(1)
p
2=(φ
2−e
2)
1/2×L
2 ・・・(2)
【0047】
第1の阻止係数p
1よりも、第2の阻止係数p
2が小さくなることにより、第1の有機分子16aの電気抵抗が、第2の有機分子16bの電気抵抗よりも大きくなる。したがって、メモリセルを流れる電流値が、抵抗変化型分子鎖を備える第1の有機分子16aに主に支配されることになる。したがって、メモリセルのデータの検出精度が向上する。
【0048】
また、本実施形態によれば、第2の有機分子16bは第2の電極14の表面保護層としても機能し、第2の電極14表面の酸化等による状態変化を抑制する。したがって、例えば、第2の電極14表面の酸化等により第2の電極14自体の抵抗や第2の有機分子16bと第2の電極14との間の抵抗が変化することが抑制される。
【0049】
第2の有機分子16bが炭素数3個以上炭素数11個以下のアルキル鎖を含むことが望ましい。上記範囲を上回ると、第2の有機分子16bの電気抵抗が大きくなりすぎ、メモリセルの動作電流が小さくなりすぎる恐れがある。また、上記範囲を下回ると、第2の電極14表面の保護層としての機能が低下する恐れがある。また、リーク電流が大きくなりすぎる恐れがある。第2の有機分子16bが炭素数5個以上8個以下のアルキル鎖を含むことがより望ましい。
【0050】
また、第1の有機分子16aが抵抗変化特性を備える観点から、直鎖軸方向外に電子吸引基又は電子供与基が付加された一次元的又は擬一次元的なπ共役系鎖を含むことが望ましい。π共役系鎖は、例えば、アセチレン骨格、ジアチレン骨格、及びフェニレン環の群から選ばれる炭素化合物、又は、チオフェン環、ピロール環、及びフラン環から選ばれる複素環式化合物のいずれかを含む。π共役系鎖の炭素数は、6個以上40個以下であることが望ましい。
【0051】
また、π共役系鎖に付加される電子吸引基は、例えば、ニトロ基(−NO
2)、ハロゲン(−F,−Cl,−Br,−I)、シアノ基(−C≡N)、カルボニル基(−C(=O)−)、スルホニル基(−S(=O)
2−)、又はトリアルキルアミノ基(−N
+R
3)である。
【0052】
また、π共役系鎖に付加される電子供与基は、例えば、アルコシキ基(−OR)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH
2)、アルキルアミノ基(−NHR)、ジアルキルアミノ基(−NR
2)、又はアミド基(−NHCOR)である。
【0053】
また、第1の有機分子16aが整流性を備える観点から、分子式(1)で記述されることが望ましい。整流性を備えることで、クロスポイント型のメモリセルを実現する際に、各メモリセルに要求されるダイオード機能を、抵抗変化型分子鎖に兼ね備えることが可能となる。よって、更なるメモリセルの微細化が実現される。
【化1】
但し、分子式(1)中のPは、直鎖軸方向外に電子吸引基又は電子供与基が付加された一次元的又は擬一次元的なπ共役系鎖であり、R1は、アミノ基(−NH
2)、又はニトロ基(−NO
2)であり、R2〜R4は、水素原子、又はメチル基(−CH
3)であり、Lは、第1の有機分子を、第1の電極に化学結合させる化学修飾基である。
【0054】
また、第1の有機分子16aが整流性を備える観点から、分子式(2)で記述されることが望ましい。
【化2】
但し、分子式(2)中のPは、直鎖軸方向外に電子吸引基又は電子供与基が付加された一次元的又は擬一次元的なπ共役系鎖である。一次元的又は擬一次元的なπ共役系鎖は、オリゴフェニレンエチニレン骨格やオリゴフェニレンビニレン骨格があげられる。Lは、第1の有機分子を、第1の電極に化学結合させる化学修飾基である。
【0055】
また、第1の有機分子16aが整流性を備える観点から、分子式(3)で記述されることが望ましい。
【化3】
但し、分子式(3)中のPは、直鎖軸方向外に電子吸引基又は電子供与基が付加された一次元的又は擬一次元的なπ共役系鎖である。一次元的又は擬一次元的なπ共役系鎖は、オリゴフェニレンエチニレン骨格やオリゴフェニレンビニレン骨格があげられる。Lは、第1の有機分子を、第1の電極に化学結合させる化学修飾基である。
【0056】
また、分子式(1)、(2)、(3)中のLが、チオエーテル基(−S−)、ジアルキルシリルエーテル基(−SiR
2O−)、エーテル基(−O−)、ホスホン酸エステル基(−PO
3−)、エステル基(−COO−)、及びアゾ基(−N
2−)の群から選ばれる化学修飾基であることが、第1の有機分子16aを第1の電極12に安定して化学結合させる観点から望ましい。
【0057】
また、第1の電極12又は第2の電極14が、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、鉄(Fe)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN
2)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、モリブデン(Mo)、窒化モリブデン(MoN)、及び窒化チタン(TiN)の群から選ばれる金属を含むことが望ましい。
【0058】
また、有機分子メモリの製造を容易にする観点から、第1の電極12と第2の電極14とは、異なる金属を含むことが望ましい。
【0059】
以上、本実施形態によれば、電流−電圧特性が第2の電極14の表面状態に影響を受けにくくなる。したがって、有機分子層を流れる電流、すなわち、メモリセルの動作電流が安定する。よって、動作安定性の高い有機分子メモリを実現することが可能となる。
【実施例】
【0060】
以下、実施例について説明する。
図8〜
図16は、実施例1〜実施例9、比較例1〜9で用いた有機分子の構造及び評価結果を示す図である。
図8(a)〜
図16(a)が有機分子の分子構造、
図8(b)〜
図16(b)が比較例の電流−電圧特性、
図8(c)〜
図16(c)が実施例の電流−電圧特性である。
【0061】
(実施例1)
(111)表面を備える金(Au)基板上に、
図8(a)に示す有機分子を用いて金とイオウ原子を結合させ、第1の有機分子を固定した。走査型トンネル顕微鏡(STM)のタングステン(W)の探針(tip)に、オクタアルキルチオールを用いてタングステンとイオウ原子を結合させ、第2の有機分子であるオクタアルキル鎖を固定した。その後、STMにより、金基板とタングステン探針間に流れる電流を測定した。
【0062】
(実施例2〜実施例9)
図9(a)〜
図16(a)に示す有機分子を用いること以外は、実施例1と同様の試料作製と測定を行った。
【0063】
(比較例1)
タングステン探針にオクタアルキル鎖を固定しない点以外は、実施例1と同様の試料作製と測定を行った。
【0064】
(比較例2〜比較例9)
図9(a)〜
図16(a)に示す有機分子を用いること以外は、比較例1と同様の試料作製と測定を行った。
【0065】
実施例1〜実施例9のいずれにおいても、電流−電圧特性がヒステリシスを備え、抵抗変化型メモリとして機能することが明らかになった。また、実施例1〜実施例9のいずれにおいても、それぞれの比較例である比較例1〜9に比べ、ノイズの減少とリーク電流の減少が確認された。
【0066】
図8(b)〜
図16(b)、
図8(c)〜
図16(c)の電流−電圧特性のグラフにおいて実線と点線は電圧の走査方向をかえて電流測定したIV曲線である。実施形態では、有機分子メモリとしてクロスポイント型の有機分子メモリを例に説明したが、その他の構造の有機分子メモリにも本発明を適用することが可能である。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。