(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記千鳥状のマイクロレンズが離間した第1のマイクロレンズ列及び第2のマイクロレンズ列を形成し、前記千鳥状の傾斜劈開端面が離間した第1の傾斜劈開端面列及び第2の傾斜劈開端面列を形成する、請求項1に記載の光学構造物。
対応する光導波路が、前記対応する光導波路の前記傾斜劈開端面間で光を方向付けるために、1つ以上の対応するマイクロレンズに関連付けられる、請求項3に記載の光学構造物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、光ファイバーリボンケーブル内などでの多数の光ファイバーの接続に有用な、光ファイバーリボンなどの光導波路セット及び光ファイバーコネクターに関する。以降の説明は、光ファイバー及び光ファイバーリボンケーブルの接続を目的とするが、本開示は、例えば、高分子材料又はガラスから製造可能な平面光導波路などの光導波路の接続も同様に目的とすることを理解されたい。
【0019】
現在入手可能な製品では見られない、光ファイバーのユーザーが所望する光ファイバーコネクターの特性が多数存在する。これらの特性としては、低コスト、汚染物に対して丈夫な性能、掃除の容易さ、小型設計、及び単一コネクターで多数の光ファイバーを容易に繰り返し接続できる能力が挙げられる。急速に拡大している大容量接続用途は、10Gb/秒のデータ速度が一般的であるデータセンター内の装置ラック間であり、リンク長さは比較的短い(典型的には、数メートル〜100メートル)。このような用途では、多数の単ファイバーコネクターは、一組にまとめられることが多い。したがって、本明細書では、多ファイバー接続法及び多ファイバー接続のコストを著しく削減できる物品について説明する。
【0020】
単ファイバー装置インターフェイス及び多ファイバー装置インターフェイスの両方において、多くの場合、低プロファイルインターフェイスを維持することが望ましい。これは、回路基板と平行にファイバーをルーティングし、反射性表面を使用して、ビームがチップインターフェースにおいて基板と垂直になるように光を方向転換させることによって達成される場合が多い。小型レンズを使用して、装置とファイバーとの間の結合効率を改善させることもまた、一般的である。リボンファイバーインターフェイスの場合、これらのレンズは、250umの中心間距離を有して、リボン内の間隔と一致する。多くの場合、MTフェルールはまた、ファイバーをレンズに揃えるために使用される、フェルールのアライメントピンを備えるトランシーバーパッケージの一部として含まれる。
【0021】
ある特定の実施形態では、本開示は、傾斜反射性表面及びマイクロレンズアレイを使用して、光ビームの方向転換及び集束、又は視準を行う光透過性基板を備える多ファイバー光コネクター用の汎用接続素子を提供する。方向転換されたビームは、平面的な嵌合面と垂直である素子から出射する。マイクロレンズ素子はポケットに位置していてよく、嵌合面からやや窪んでいてよい。接続素子はまた、機械的機構を備えていて、嵌合する2部分のマイクロレンズアレイを揃えやすくする。ある特定の実施形態では、反射性表面は、所定の角度で光ファイバーの光軸に揃えられてよい、劈開端面であってよい。場合によっては、反射性表面は、金属又は合金など反射材でコーティングされて、光を方向転換してよい。場合によっては、反射性表面は、その代わりに全反射(TIR)が容易に光を方向転換できるようにしてもよい。
【0022】
光透過性基板は、光ケーブルを支持し、コネクター素子の連結構成要素を確実に揃えて環境から保護できる、コネクターハウジングに入れられてよい。このようなコネクターハウジングは当該技術分野において周知であり、例えば、アライメント孔、アライメント整合ピンなどが挙げられる。様々な接続構造において、同一の接続素子が使用されてよい。これはまた、基板(board)に装着されたアライメントリングを使用した、光ファイバーのVCSEL、光検出器など光学装置への接続に使用されてよい。本明細書に示される開示は、ファイバー及びコネクター内を一方向に進む光について説明するが、当業者は、光はまた、コネクター内を反対方向に、又は双方向に進み得ることを理解されたい。
【0023】
光透過性基板及びコネクターハウジングの両方に使用された、比較的単純な設計は、MTフェルール成形品などでの微細なコアピンを不要にし、したがって、成形部品、鋳造部品、又は機械加工部品のコスト及び複雑性を低減する。更に、本明細書に記載の汎用接続素子は、様々な用途に使用され得る。したがって、開発コスト及び製造コストの両方をより多くの数量に分散させることができ、部品当たりのコストを削減する。更に、集束マイクロレンズ又視準マイクロレンズからの拡大光ビームを使用すると、汚れ又は他の不純物による伝送損失に対する耐性を改善することもできる。
【0024】
ある特定の実施形態では、本明細書で定義される特有のインターフェイスは、高性能コンピュータ、サーバー、又はルーター内の内部リンクを構成するために使用できる。光バックプレーンと嵌合する際の更なる用途もまた、想定され得る。接続素子の顕著な機構の一部としては、概ね平面的な嵌合面と、嵌合面内の凹状領域(ポケット)と、を有する成形(又は鋳造、又は機械加工)構成要素、ポケットの床部に位置し、2つの素子が接触しているその嵌合面と嵌合すると、マイクロレンズ機構間に小空隙が存在するように、これらのマイクロレンズ機構の頂点がポケット容積内にある、凸状マイクロレンズ機構、嵌合面と平行から概ね約15度以内に光ファイバー軸を揃えるのに有用な光ファイバーアライメント
機構、及び各ファイバーからの光ビームが嵌合面と垂直になるようにこれらを方向転換するための反射性表面が挙げられる。各光ビームは、マイクロレンズ機構の1つに中心を置き、機械的アライメント
機構は、嵌合面が接触しており、そのマイクロレンズが揃えられるように2つの接続素子を揃えやすくする。
【0025】
ある特定の実施形態では、マイクロレンズ機構はファイバーからの光ビームを視準してよい。光ビームは概して視準時に拡大し、したがって、塵埃など異物による汚染の影響が少ない接続になるため、視準光は概して、ファイバー間接続に有用であり得る。ある特定の実施形態では、マイクロレンズ機構は、その代わりに、嵌合面にビームの「腰部」を作り出すようにビームを集束させてよい。概して、集束ビームは、ファイバーと、センサー又は回路基板に配設された他のアクティブな装置など回路との接続に有用であり得る。これは、光ビームをより狭い領域に集中させて、感度を向上させることが可能なためである。視準光ビームは、塵埃及び他の汚染物に対してより強く、また、より広いアライメント許容範囲をもたらすため、場合によっては、特に光ファイバー間接続について、光ビームの視準が好ましい場合がある。
【0026】
ある特定の実施形態では、光ファイバーは、光透過性基板の成形V溝機構内などにある導波路アライメント
機構を使用して、嵌合面と平行であるV溝と揃えられてよいが、揃えるためにV溝が必ずしも必要というわけではない。本明細書に記載されるように、任意の平行V溝が含まれているが、光ファイバーの整列及び固定に使用される他の技法もまた容認されることを理解されたい。更に、例えば、光導波路が平面光導波路である場合など、V溝付きアライメントは場合によって好適ではなく、他の技法が好ましいこともあり得る。場合によっては、光導波路及び/又は光ファイバーの整列は、その代わりに、当業者に既知の、任意の好適な導波路アライメント
機構を使用する光学的整列法のいずれかを使用して達成され得る。
【0027】
様々な機械的機構セットを使用して、一対の接続素子を揃えてよい。ある機構セットは、MTフェルールに使用された整列法と同様に、アライメントピンが配置される、一対の正確に位置付けられた孔を備える。ある特定の実施形態では、孔の直径及び位置がMTコネクターの直径及び位置に類似していれば、本明細書に記載の接続素子の1つは、(適切なマイクロレンズセットを使用して)MTフェルールと嵌合できる。
【0028】
光ファイバーからの光の光ファイバーへの結合、半導体光源からの光の光ファイバーへの結合、及び光ファイバーからの関連結合光の光検出器チップへの結合は、多種多様の方法で実行されてきた。所望の低損失及び低コストを達成することは、困難であった。これは、特にファイバーが業界標準のリボンにまとめられている場合に困難であった。これらのリボンには、外径約250umの多数(典型的には、8本又は12本)のコーティングされたファイバーが含まれている。続いて、これらのファイバーは、一対の高分子薄膜の間に積層されてフラットリボンになる。別のリボン製造法は、個別のコーティングされたファイバーが、高分子マトリックス材料を含む押出ダイを通過するように誘導される、押出プロセスを使用する方法である。
【0029】
本開示は、複数の長さで劈開された個々のファイバーを含むファイバーリボンを提供して光装置間隔の増加を可能にし、電気的干渉を低減し、また、より大きい直径を有するレンズの使用を可能にして光結合の効率性を向上させることによって、トランシーバーインターフェイスなど、以前の多ファイバーインターフェイスを改善する。ある特定の実施形態では、個々のファイバーは、複数の長さで劈開することができ、千鳥状の劈開端部をもたらす。千鳥状は、各列に同じ長さで劈開されたファイバーを含む、ファイバー端部の複数の列を含んでよく、隣接する列は、異なる長さで劈開された隣接するファイバーを含む。
【0030】
本開示は部分的に、外部リンク及び内部リンクの両方に使用される通信ネットワーク及びコンピュータネットワークで使用される光学トランシーバーインターフェイスに関する。トランシーバーは、マザーボード、ドーターボード、ブレードに配置されてよいか、アクティブな光ケーブルの端部に組み込まれてよい。
【0031】
これまでになくデータ速度が増しているため、電磁干渉の問題を生じさせずに、より高出力の半導体レーザーの近くに精度の高い光検出器をパッケージ化することはますます困難になっている。更に、ビットレートが増すと、面発光レーザー(VCSEL)のビーム発散度が増す。これらの問題のために、装置間隔及びレンズ径を増すことが望ましくなっている。
【0032】
場合によっては、フレネルロスを最小化するために、装置とファイバーコアとの間に単一の空隙のみを有することが望ましいことがある。これを達成するために、本開示は、屈折率整合接着剤を使用して、その底面に沿って光透過性基板に接着固定され得るファイバーを提供する。
【0033】
このファイバーの構成及び開口数を前提とすると、500umレンズのおかげで、成形が困難であろう、極めて微細な部分を有さないレンズブロックを製造できる。本明細書に示される、2列以外の劈開パターンもまた可能であり、更に大きいレンズ径及び装置間隔が実現するであろう。
【0034】
図1Aは、本開示の一態様による光ファイバーコネクター100の切欠斜視図を示している。光ファイバーコネクター100は、任意のカバー支持部115と、任意のカバー支持部115にぴったり収まって、光ファイバーコネクター100の光学構成要素を周囲から保護する任意のカバー(図示せず)と、アライメント
機構150と、を有するコネクターハウジング110を備える。光リボンケーブル130からの個々の光ファイバー132を受容するための、任意の複数の平行V溝126を有する光透過性基板120は、コネクターハウジング110内に固定される。個々の光ファイバー132のそれぞれは、千鳥状に配設されて、少なくとも第1の光ファイバー列135a及び第2の光ファイバー列135bを形成する劈開端部136を含む。任意の所望の数の光ファイバー列が、他の箇所に記載するように互いに対して千鳥状であってよいことを理解されたい。運用に際しては、個々の光ファイバー132のそれぞれに関連付けられている劈開端部136のそれぞれは、光を方向転換して光透過性基板120を透過させ、下面122に配設されたマイクロレンズ128から出射させる。マイクロレンズ128は、レンズ面がコネクターハウジング110の底部に没入しているように空洞部140に配設されてよい。劈開端部136は、他の箇所に記載するように、ファイバーの軸と斜角を形成する、レーザーで劈開された光ファイバーであってよい。場合によっては、劈開光ファイバーは、金属又は合金など反射体でコーティングされてよい。場合によっては、劈開光ファイバーは、その代わりに全反射(TIR)によって光を方向転換してよい。
【0035】
光透過性基板120は、例えば、ポリイミドなどの高分子を含む、任意の好適な透過性及び寸法安定性を備える材料で製造されてよい。ある特定の実施形態では、光透過性基板120は、寸法安定性を備える透過性ポリイミド材料、例えば、SABIC Innovative Plastics(Pittsfield,MA)から入手可能なUltem 1010ポリエーテルイミドなどで製造されてよい。場合によっては、個々の光ファイバー132は、任意の平行V溝126に接着固定されてよい。ある特定の実施形態では、屈折率整合ゲル又は接着剤が光透過性基板120と個々の光ファイバー132との間に挿入されてよい。この領域におけるすべての空隙を除去することにより、フレネル損失は著しく低減され得る。
【0036】
図1Bは、回路基板170に取り付けられた光ファイバーコネクター101の切欠斜視図を示している。
図1Bでは、
図1Aに示されるハウジング構成要素が取り外されており、光リボンケーブル130、個々の光ファイバー132、劈開端部136、及び光透過性基板120の任意のV溝の関係がより明確に示されている。他の箇所に記載するように、光ファイバー132の劈開端部136の第1の列135a及び第2の列135bのそれぞれは、マイクロレンズ(図示せず)の第1の列及び第2の列に関連付けられている。マイクロレンズ(したがって、劈開端部136)は、アライメント
機構150及びアライメントリング160によって、回路基板170に位置付けられた任意の所望の光装置(図示されていないが、光透過性基板120の下に位置する)と揃えられてよい。
【0037】
図1Cは、第2の光ファイバーコネクター100’に接続された
図1Aの光ファイバーコネクター100の斜視図を示している。第2の光ファイバーコネクター100’は、光ファイバーコネクター100と同一であってよく、他の箇所に記載するように、光接続部102を形成する。任意のカバー117は、任意のカバー支持部115(
図1Aに示す)に配設されて、光ファイバーコネクター100の光学構成要素を周囲から保護する。アライメント
機構150は、光リボンケーブル130及び第2の光リボンケーブル130’からの光が、最低限の損失で効率的な結合が確実に行われるように機能する。
【0038】
図2Aは、本開示の一態様による、光透過性基板220の上面概略斜視図を示している。光透過性基板220は、任意の複数の平行V溝226を有する第1の表面224と、反対側の第2の表面222と、を備える。複数の入力光ファイバー(第1の入力光ファイバー232a及び第2の入力光ファイバー232bとして2本が示される)は、任意の平行V溝226に沿って位置付けられ、他の箇所に記載するように、任意の平行V溝226に固着されてもよい。入力光ファイバー232a、232bのそれぞれは、入力光ファイバー232a、232bの軸に対して斜角に劈開されており、入射した光が光透過性基板220へと方向転換されるように、第1の劈開端部列235a内で第1の劈開端部236a及び第2の劈開端部236bを形成する。場合によっては、光は、入力光ファイバー232a、232bの軸と垂直の角度で方向転換されてよい。
【0039】
図2Bは、
図2Aの光透過性基板220の底面概略斜視図を示している。光透過性基板220は、第1の表面224と、マイクロレンズポケット240内に配設された、複数のマイクロレンズ228a、228b、228c、228dを有する、反対側の第2の表面222と、を備える。複数のマイクロレンズ228a、228b、228c、228dのそれぞれは、上記の第1の劈開端部列235aの劈開端部236a、236bと揃えられ、対応の光ファイバー232a、232bからの方向転換された光を受光するように配設される。各マイクロレンズは、マイクロレンズ径D1を有し、マイクロレンズポケット240内に中心間隔L1で配設される。中心間隔L1は、典型的には、隣接する光ファイバーの間隔以下であり、他の箇所に記載するように、コネクターで使用可能な最大マイクロレンズ径D1に制限をもたらす。マイクロレンズポケット240の深さは、反対側の第2の表面222の位置よりも下に各マイクロレンズを保持するように機能する。光透過性基板220は、任意の所望の数の任意の平行V溝226、劈開端部236a〜236b、劈開端部列235a、マイクロレンズ228a〜228d、及び入力光ファイバー232a、232bを備え得ることを理解されたい。
【0040】
図3Aは、本開示の一態様による、光透過性基板320の上面概略斜視図を示している。光透過性基板320は、複数の光方向転換機構335a、335b、335c、335dと揃えられている、任意の複数の平行V溝326を有する第1の表面324と、反対側の第2の表面322と、を備える。複数の入力光ファイバー(第1の入力光ファイバー332a及び第2の入力光ファイバー332bとして2本が示される)は、任意の平行V溝326に沿って位置付けられ、他の箇所に記載するように、任意の平行V溝326に固着されてよい。入力光ファイバー332a、332bのそれぞれは、入力光ファイバー332a、332bの軸に対して斜角に劈開されており、入射した光が光透過性基板320へと方向転換されるように、第1の劈開端部列335a内で第1の劈開端部336a及び第2の劈開端部列335b内で第2の劈開端部336bを形成する。場合によっては、光は、入力光ファイバー332a、332bの軸と垂直の角度で方向転換されてよい。
【0041】
図3Bは、
図3Aの光透過性基板320の底面概略斜視図を示している。光透過性基板320は、第1の表面324と、マイクロレンズポケット340内に配設された、複数の千鳥状のマイクロレンズ328a、328b、328c、328dを有する、反対側の第2の表面322と、を備える。複数の千鳥状のマイクロレンズ328a、328b、328c、328dのそれぞれは、上記のように、第1の列335aの劈開端部336a及び第2の列335bの劈開端部336bと揃えられており、対応の光ファイバー332a、332bからの光を受光するように配設される。千鳥状のマイクロレンズ328a、328b、328c、328dのそれぞれは、千鳥状のマイクロレンズ径D2を有し、光ファイバーの離隔距離に対応する中心間隔L1でマイクロレンズポケット340内に配設され、隣接するマイクロレンズ328a〜328dの中心間隔L1は、
図2Bを参照して説明した中心間隔L1と同一であってよい。しかしながら、千鳥状のマイクロレンズ328a、328b、328c、328dのそれぞれは、マイクロレンズの離隔距離に対応する千鳥状の間隔L2を有し、千鳥状の間隔L2は、中心間隔L1よりも大きい。結果的に、
図3Bに示される千鳥状の間隔L2のコネクター内で使用可能な最大マイクロレンズ径D2は、他の箇所に記載するように、マイクロレンズ間隔L1で使用可能な最大マイクロレンズ径D1と比較して大きい。
【0042】
劈開端部336a、336bを千鳥状にした結果、複数の千鳥状のマイクロレンズ328a、328b、328c、328dは、マイクロレンズ径D1を千鳥状のマイクロレンズ径D2に増加させることができる。より大きい千鳥状のマイクロレンズ径D2が好ましい。マイクロレンズポケット340の深さは、反対側の第2の表面322の位置よりも下に各マイクロレンズを保持するように機能する。光透過性基板320は、任意の所望の数の任意の平行V溝326と、劈開端部336a〜336bと、劈開端部列335a、335bと、マイクロレンズ328a〜328dと、任意の所望の列数のマイクロレンズ328a〜328dと、各列内の任意の所望の数のマイクロレンズ328a〜328dと、入力光ファイバー332a、332bと、を備えてよいことを理解されたい。
【0043】
図2A〜
図2Bに示されている実施形態とは対照的に、
図3Bに示されているマイクロレンズの位置は、単列として定義されていない。この場合、各列に2個のマイクロレンズが含まれる、2列のマイクロレンズが示されている。250マイクロメートルのファイバー間隔を有する光ファイバーリボンで使用される場合、マイクロレンズ径を500マイクロメートルに近づけることができる。
図3A〜
図3Bに示される千鳥状のファイバー/マイクロレンズの実施形態で使用可能な直径500マイクロメートルの視準マイクロレンズを使用すると、
図2A〜
図2Bに示される実施形態で使用可能な直径250マイクロメートルのマイクロレンズで必要なアライメント許容範囲よりも緩やかなアライメント許容範囲が可能になり、従来のMTフェルールを使用する物理接触コネクターに必要なアライメント許容範囲よりも著しく緩やかなアライメント許容範囲が可能になる。本明細書に記載のいかなる光コネクターも、千鳥状の劈開端部と、
図3A〜
図3Bを参照して説明した、対応する千鳥状のマイクロレンズと、を含んでよく、可能な限り千鳥構成を備えることが好ましい場合があることを理解されたい。概して、上記の千鳥状のマイクロレンズ設計は、リボン化されたファイバー群に使用可能な拡大ビーム光ファイバーコネクターを実現可能にし、マイクロレンズを出射する光ビーム径は、リボン内でのファイバー間の離隔距離(つまり、ピッチ)よりも大きく、接続を達成するために、ファイバーを分離する必要はない。
【0044】
図4は、本開示の一態様による、第2の光コネクター400’に接続された第1の光コネクター400を備える光接続部401の概略断面図を示している。
図4の断面図は、コネクターを通じて通信する一対の光ファイバーの光軸(つまり、中心部)の付近である。ある特定の実施形態では、第2の光コネクター400’は、第1の光コネクター400と同一であってよく、
図1Bに示される光接続部101に類似の光接続部401を形成する。
【0045】
第1の光コネクター400は、第1のコネクターハウジング410と、第1のコネクターハウジング410内に固定された第1の光透過性基板420と、を備える。第1の光透過性基板420は、第1の上面424と、反対側の第1の下面422と、を備える。第1の光ファイバー432は、第1の光透過性基板420と第1のコネクターハウジング410との間の第1の上面424にある、任意の第1の平行V溝426内に固定される。第1のコネクターハウジング410は、任意の第1のカバー支持部415と、第1の光コネクター400内の構成要素を保護するように機能できる任意の第1のカバー417と、を更に備える。
【0046】
第1の光ファイバー432は、第1の光ファイバー432の第1の劈開端部436を含む第1の光方向転換機構435を備える。第1の光ファイバー432は、第1の光透過性基板420に直接成形され得る、任意の第1の平行V溝426に配置されることにより所定の位置に保持され、揃えられてよい。第1の光ファイバー432は、第1の間隙434が除去されるように、第1の上面424と直接接触してよい。場合によっては、接着剤を使用して、第1の光ファイバー432を任意の第1の平行V溝426に固着させてよく、第1の間隙434が存在する場合、屈折率整合接着剤又はゲルでこの間隙を塞いでよい。
【0047】
第1の光透過性基板420は、第1の劈開端部436を遮り、そこから反射される、第1の光ファイバー432内を進む中心光線490が、第1のマイクロレンズ428の光心へと方向付けられるように位置付けられる、第1の下面422に配設された第1のマイクロレンズ428を更に備える。
図4に示されるある特定の実施形態では、第1の劈開端部436は、中心光線490が約45度に等しい反射角θrで第1の劈開端部436を遮るように配設されてよい。場合によっては、第1の劈開端部436は、TIR面であってよい。場合によっては、第1の劈開端部436は、その代わりに鏡面仕上げの反射性表面であってよい。
【0048】
同様の方法で、第2の光コネクター400’は、第2のコネクターハウジング410’と、第2のコネクターハウジング410’内に固定された第2の光透過性基板420’と、を備える。第2の光透過性基板420’は、第2の上面424’と、反対側の第2の下面422’と、を備える。第2の光ファイバー432’は、第2の光透過性基板420’と第2のコネクターハウジング410’との間の第2の上面424’にある、任意の第2の平行V溝426’内に固定される。第2のコネクターハウジング410’は、任意の第2のカバー支持部415’と、第2の光コネクター400’内の構成要素を保護するように機能できる任意の第2のカバー417’と、を更に備える。
【0049】
第2の光ファイバー432’は、第2の光ファイバー432’の第2の劈開端部436’を含む第2の光方向転換機構435’を備える。第2の光ファイバー432’は、第2の光透過性基板420’に直接成形され得る、任意の第2の平行V溝426’に配置されることにより所定の位置に保持され、揃えられてよい。第2の光ファイバー432’は、第2の間隙434’が除去されるように、第2の上面424’と直接接触してよい。場合によっては、接着剤を使用して、第2の光ファイバー432’を任意の第2の平行V溝426’に固着させてよく、第2の間隙434’が存在する場合、屈折率整合接着剤又はゲルでこの間隙を塞いでよい。
【0050】
第2の光透過性基板420’は、第2の劈開端部436’を遮り、そこから反射される、第2の光ファイバー432’内を進む中心光線490が、第2のマイクロレンズ428’の光心へと方向付けられるように位置付けられる、第2の下面422’に配設された第2のマイクロレンズ428’を更に備える。
図4に示されるある特定の実施形態では、第2の劈開端部436’は、中心光線490が約45度に等しい反射角θrで第2の劈開端部436’を遮るように配設されてよい。場合によっては、第2の劈開端部436’は、TIR面であってよい。場合によっては、第2の劈開端部436’は、その代わりに鏡面仕上げの反射性表面であってよい。
【0051】
第1のコネクターハウジング410内の第1のアライメント
機構450及び第2のコネクターハウジング410’内の第2のアライメント
機構450’は、第1の光ファイバー432及び第2の光ファイバー432’からの光が、最小限の損失で、確実に効率的に結合されるように機能する。第1のアライメント
機構450及び第2のアライメント
機構450’は、第1の光コネクター400及び第2の光コネクター400’を確実に揃えるために任意の好適な機構を備えてよく、
図4に示される機構は、あくまでも例示を目的としたものである。
【0052】
第1の光ファイバー離隔距離S1は、第1の光ファイバー432の光軸と第1のマイクロレンズ428との間で測定することができる。第2の光ファイバー離隔距離S1’は、第2の光ファイバー423’の光軸と第2のマイクロレンズ428’との間で測定することができる。マイクロレンズ離隔距離S2は、第1のマイクロレンズ428の表面と第2のマイクロレンズ428’の表面との間で測定することができる。場合によっては、第1の光ファイバー離隔距離S1及び第2の光ファイバー離隔距離S1’のそれぞれは同一であってよく、約1mm〜約2mmの範囲、又は約1.5mmであってよい。マイクロレンズ離隔距離S2は、約0.1mm〜約1mmの範囲、又は約0.5mmであってよい。
【0053】
第1の光ファイバー432内を進む光ビーム490は、第1の光ファイバー432の光軸と垂直の方向に第1の劈開端部436から反射される。続いて、光ビーム490は、他の箇所に記載するように、視準マイクロレンズ又は集束マイクロレンズであってよい第1のマイクロレンズ428を透過する。続いて、光ビーム490は、第2のマイクロレンズ428’を透過して第2の光透過性基板420’に入射し、第2の劈開端部436’から反射され、第2の光ファイバー432’の光軸と平行な方向で第2の光ファイバー432’に入射する。
【0054】
図5A〜
図5Cは、本開示の一態様による、光ファイバー及びマイクロレンズの位置の概略図を示している。
図5Aでは、リボンケーブル530の各光ファイバー532は、約125マイクロメートルに等しい、コーティングされていないファイバー径f1と、約125マイクロメートルに等しいファイバー間隔d1と、を有する。ある特定の実施形態では、図示される2列のマイクロレンズ528の場合、光ファイバー532の千鳥状の劈開端部536は、約433マイクロメートルに等しいファイバー長差L1で離隔されてよく、マイクロレンズ528の最大径D1は約500マイクロメートルであってよい。
【0055】
図5Bでは、リボンケーブル530’の各光ファイバー532は、約125マイクロメートルに等しい、コーティングされていないファイバー径f1と、約125マイクロメートルに等しいファイバー間隔d1と、を有する。ある特定の実施形態では、図に示される3列のマイクロレンズ528の場合、光ファイバー532の千鳥状の劈開端部536は、約707マイクロメートルに等しいファイバー長差L2で離隔されてよく、マイクロレンズ528の最大径D2は約750マイクロメートルであってよい。
【0056】
図5Cでは、リボンケーブル530”の各光ファイバー532は、約125マイクロメートルに等しい、コーティングされていないファイバー径f1と、約125マイクロメートルに等しいファイバー間隔d1と、を有する。ある特定の実施形態では、図に示される4列のマイクロレンズ528の場合、光ファイバー532の千鳥状の劈開端部536は、約968マイクロメートルに等しいファイバー長差L3で離隔されてよく、マイクロレンズ528の最大径D3は約1000マイクロメートルであってよい。
【0057】
図6は、本開示の一態様による、第2の光コネクター600’に接続された第1の光コネクター600を備える光接続部601の概略断面図を示している。
図6の断面図は、コネクターを通じて通信する二対の光ファイバーの光軸(つまり、中心部)の付近である。ある特定の実施形態では、第2の光コネクター600’は、第1の光コネクター600と同一であってよく、
図1Bに示される光接続部101に類似の光接続部601を形成する。場合によっては、第2の光コネクター600’は、代わりに、第1の光コネクター600の鏡像であってよい。
【0058】
第1の光コネクター600は、第1のコネクターハウジング610と、第1のコネクターハウジング610内に固定された第1の光透過性基板620と、を備える。第1の光透過性基板620は、第1の床面624と、第1の段625と、第1の踏面627と、を含む、階段を備える。第1の光透過性基板620は、第1の床面624と反対側の第2の床面622と、第1の踏面627と反対側の第2の踏面621と、を更に含む。第1の光ファイバー632は、第1の光透過性基板620と第1のコネクターハウジング610との間の第1の床面624にある、任意の第1の平行V溝626内に固定される。第2の光ファイバー631は、第1の踏面627にある、任意の第2の平行V溝629内に固定され、第1のコネクターハウジング610内でも固定される。第1のコネクターハウジング610は、任意の第1のカバー支持部615と、第1の光コネクター600内の構成要素を保護するように機能できる任意の第1のカバー617と、を更に備える。
【0059】
第1の光ファイバー632は、第1の光ファイバー632の第1の劈開端部636を含む第1の光方向転換機構635を備える。第1の光ファイバー632は、第1の光透過性基板620に直接成形され得る、任意の第1の平行V溝626に配置されることにより所定の位置に保持され、揃えられてよい。第1の光ファイバー632は、第1の間隙634が除去されるように、第1の床面624と直接接触してよい。場合によっては、接着剤を使用して、第1の光ファイバー632を任意の第1の平行V溝626に固着させてよく、第1の間隙634が存在する場合、屈折率整合接着剤又はゲルでこの間隙を塞いでよい。
【0060】
第2の光ファイバー631は、第2の光ファイバー631の第2の劈開端部638を含む第2の光方向転換機構637を備える。第2の光ファイバー631は、第1の光透過性基板620に直接成形され得る、任意の第2の平行V溝629に配置されることにより所定の位置に保持され、揃えられてよい。第2の光ファイバー631は、第2の間隙639が除去されるように、第1の踏面627と直接接触してよい。場合によっては、接着剤を使用して、第2の光ファイバー631を任意の第2の平行V溝629に固着させてよく、第2の間隙639が存在する場合、屈折率整合接着剤又はゲルでこの間隙を塞いでよい。
【0061】
第1の光透過性基板620は、第1の劈開端部636を遮り、そこから反射される、第1の光ファイバー632内を進む光線が、第1のマイクロレンズ628の光心へと方向付けられるように位置付けられる、第2の床面622に配設された第1のマイクロレンズ628を更に備える。第1の光透過性基板620は、第2の劈開端部638を遮り、そこから反射される、第2の光ファイバー631内を進む光線が、第2のマイクロレンズ623の光心へと方向付けられるように位置付けられる、第2の踏面621に配設された第2のマイクロレンズ623を更に備える。
【0062】
同様の方法で、第2の光コネクター600’は、第2のコネクターハウジング610’と、第2のコネクターハウジング610’内に固定された第2の光透過性基板620’と、を備える。第2の光透過性基板620’は、第3の床面624’と、第2の段625’と、第3の踏面627’と、を含む階段を備える。第2の光透過性基板620’は、第3の床面624’と反対側の第4の床面622’と、第3の踏面627’と反対側の第4の踏面621’と、を更に含む。第3の光ファイバー632’は、第2の光透過性基板620’と第2のコネクターハウジング610’との間の第3の床面624’にある、任意の第3の平行V溝626’内に固定される。第4の光ファイバー631’は、第3の踏面627’にある、任意の第4の平行V溝629’内に固定され、第2のコネクターハウジング610’内でも固定される。第2のコネクターハウジング610’は、任意の第2のカバー支持部615’と、第2の光コネクター600’内の構成要素を保護するように機能できる任意の第2のカバー617’と、を更に備える。
【0063】
第3の光ファイバー632’は、第3の光ファイバー632’の第3の劈開端部636’を含む第3の光方向転換機構635’を備える。第3の光ファイバー632’は、第2の光透過性基板620’に直接成形され得る、任意の第3の平行V溝626’に配置されることにより所定の位置に保持され、揃えられてよい。第3の光ファイバー632’は、第3の間隙634’が除去されるように、第3の床面624’と直接接触してよい。場合によっては、接着剤を使用して、第3の光ファイバー632’を任意の第3の平行V溝626’に固着させてよく、第3の間隙634’が存在する場合、屈折率整合接着剤又はゲルでこの間隙を塞いでよい。
【0064】
第4の光ファイバー631’は、第4の光ファイバー631’の第4の劈開端部638’を含む第4の光方向転換機構637’を備える。第4の光ファイバー631’は、第2の光透過性基板620’に直接成形され得る、任意の第4の平行V溝629’に配置されることにより所定の位置に保持され、揃えられてよい。第4の光ファイバー631’は、第4の間隙639’が除去されるように、第3の踏面627’と直接接触してよい。場合によっては、接着剤を使用して、第4の光ファイバー631’を任意の第4の平行V溝629’に固着させてよく、第4の間隙639’が存在する場合、屈折率整合接着剤又はゲルでこの間隙を塞いでよい。
【0065】
第2の光透過性基板620’は、第3の劈開端部636’を遮り、そこから反射される、第3の光ファイバー632’内を進む光線が、第3のマイクロレンズ628’の光心へと方向付けられるように位置付けられる、第4の床面622’に配設された第3のマイクロレンズ628’を更に備える。第2の光透過性基板620’は、第4の劈開端部638’を遮り、そこから反射される、第4の光ファイバー631’内を進む光線が、第4のマイクロレンズ623’の光心へと方向付けられるように位置付けられる、第4の踏面621’に配設された第4のマイクロレンズ623’を更に備える。
【0066】
第1のコネクターハウジング610内の第1のアライメント
機構650及び第2のコネクターハウジング610’内の第2のアライメント
機構650’は、第1の光ファイバー632及び第4の光ファイバー431’からの光が、最小限の損失で、確実に効率的に結合され、また、第2の光ファイバー631及び第3の光ファイバー632’からの光が、最小限の損失で、確実に効率的に結合されるように機能する。第1のアライメント
機構650及び第2のアライメント
機構650’は、第1の光コネクター600及び第2の光コネクター600’を確実に揃えるために任意の好適な機構を備えてよく、
図6に示される機構は、あくまでも例示を目的としたものである。
【0067】
第1の光ファイバー離隔距離S1は、第1の光ファイバー632の光軸と第1のマイクロレンズ628との間で測定することができる。第2の光ファイバー離隔距離S1’は、第4の光ファイバー631’の光軸と第4のマイクロレンズ623’との間で測定することができる。第1のマイクロレンズ離隔距離S2は、第1のマイクロレンズ628の表面と第4のマイクロレンズ623’の表面との間で測定することができる。同様に、第3の光ファイバー離隔距離S3は、第2の光ファイバー631の光軸と第2のマイクロレンズ623との間で測定することができる。第4の光ファイバー離隔距離S3’は、第3の光ファイバー632’の光軸と第3のマイクロレンズ628’との間で測定することができる。第2のマイクロレンズ離隔距離S4は、第2のマイクロレンズ623の表面と第3のマイクロレンズ628’の表面との間で測定することができる。
【0068】
場合によっては、第1〜第4の光ファイバー離隔距離S1、S1’、S3、S3’のそれぞれは同一であってよく、約1mm〜約2mmの範囲、又は約1.5mmであってよい。場合によっては、第1のマイクロレンズ離隔距離S2及び第2のマイクロレンズ離隔距離S4のそれぞれは同一であってよく、約0.1mm〜約1mmの範囲、又は約0.5mmであってよい。ある特定の実施形態では、第1〜第4の光ファイバーパス長S1+S2+S1’が第2〜第3の光ファイバーパス長S3+S4+S3’と等しくなるように、コネクターを通る接続パス長のそれぞれは同一であってよい。
【0069】
第1の光ファイバー632内を進む光ビーム690は、第1の光ファイバー632の光軸と垂直の方向に第1の劈開端部636から反射される。続いて、第1の光ビーム690は、他の箇所に記載するように、視準マイクロレンズか集束マイクロレンズであってよい第1のマイクロレンズ628を透過する。続いて、第1の光ビーム690は、第4のマイクロレンズ623’を透過して第2の光透過性基板620’に入射し、第4の劈開端部638’から反射され、第4の光ファイバー631’の光軸と平行な方向で第4の光ファイバー631’に入射する。
【0070】
同様の方法で、第2の光ファイバー631内を進む第2の光ビーム691は、第2の光ファイバー631の光軸と垂直の方向に第2の劈開端部638から反射される。続いて、第2の光ビーム691は、他の箇所に記載するように、視準マイクロレンズか集束マイクロレンズであってよい第2のマイクロレンズ623を透過する。続いて、第2の光ビーム691は、第3のマイクロレンズ628’を透過して第2の光透過性基板620’に入射し、第3の劈開端部636’から反射され、第3の光ファイバー632’の光軸と平行な方向で第3の光ファイバー632’に入射する。
【0071】
ある特定の実施形態では、反射(すなわち、フレネル)損失を更に低減するために、光透過性基板部分、光ファイバー部分、又は光透過性基板及び光ファイバーの両方に反射防止(AR)コーティングが塗布されてよい。場合によっては、ARコーティングは、光ファイバーと光透過性基板との間にある間隙(例えば、第1〜第4の間隙634、639、634’、639’)のそれぞれに隣接する領域に塗布されてよい。場合によっては、ARコーティングは、マイクロレンズの表面にも塗布されてよい。ある特定の実施形態では、屈折率整合ゲル又は屈折率整合接着剤は、反射損失を低減するためにも、光透過性基板と光ファイバーとの間にある間隙を囲む領域に配設されてよい。
【0072】
以下に、本開示の実施形態を列記する。
アイテム1は、複数の導波路アライメント
機構を備える第1の主面、及び互いに対して千鳥状の複数のマイクロレンズを備える、反対側の第2の主面、を備える光透過性基板と、第1の主面に隣接して配設された傾斜劈開端面を備える複数の光導波路と、を備える、光学構造物であって、傾斜劈開端面は互いに対して千鳥状であり、複数の光導波路のうちの光導波路の傾斜劈開端面のそれぞれが、異なるマイクロレンズに対応すると共に、傾斜劈開端面によって、各光導波路から出射する光が基板を透過して対応するマイクロレンズへと方向付けられるように配向されている、光学構造物である。
【0073】
アイテム2は、導波路アライメント
機構が平行溝を備える、アイテム1の光学構造物である。
【0074】
アイテム3は、光導波路が光ファイバーを備える、アイテム1又はアイテム2の光学構造物である。
【0075】
アイテム4は、千鳥状のマイクロレンズが離間した第1のマイクロレンズ列及び第2のマイクロレンズ列を形成し、千鳥状の傾斜劈開端面が離間した第1の傾斜劈開端面列及び第2の傾斜劈開端面列を形成する、アイテム1〜アイテム3の光学構造物である。
【0076】
アイテム5は、傾斜劈開端面のそれぞれが、全反射(TIR)表面を備える、アイテム1〜アイテム4の光学構造物である。
【0077】
アイテム6は、傾斜劈開端面のそれぞれが、反射性材料のコーティングを備える、アイテム1〜アイテム5の光学構造物である。
【0078】
アイテム7は、反射性材料のコーティングが、金属又は合金を含む、アイテム6の光学構造物である。
【0079】
アイテム8は、マイクロレンズのそれぞれが、隣接する光導波路間の離隔距離よりも大きい直径を有する、アイテム1〜アイテム7の光学構造物である。
【0080】
アイテム9は、マイクロレンズのそれぞれに設けられた反射防止コーティングを更に備える、アイテム1〜アイテム8の光学構造物である。
【0081】
アイテム10は、第1の複数の導波路アライメント
機構を備える第1の主面と、第1の主面に隣接して配設された、互いに対して千鳥状である傾斜劈開端面を備える第1の複数の光導波路と、第1の主面の反対側にあり、第2の複数の導波路アライメント
機構を備える第2の主面と、第2の主面に隣接して配設された、互いに対して千鳥状である傾斜劈開端面を備える第2の複数の光導波路と、を備える、光学構造物であって、第1の複数の光導波路の各光導波路が、第2の複数の光導波路の異なる光導波路に対応し、対応する光導波路の傾斜劈開面が、ある光導波路から出射する光が対応する光導波路に入射するように配向される、光学構造物である。
【0082】
アイテム11は、導波路アライメント
機構が、平行溝を備える、アイテム10の光学構造物である。
【0083】
アイテム12は、光導波路が光ファイバーを備える、アイテム10又はアイテム11の光学構造物である。
【0084】
アイテム13は、対応する光導波路が、対応する光導波路の傾斜劈開端面間で光を方向付けるために、1つ以上の対応するマイクロレンズに関連付けられる、アイテム10〜アイテム12の光学構造物である。
【0085】
アイテム14は、第1及び第2の複数の光導波路のそれぞれの千鳥状の傾斜劈開端面が、離間した第1及び第2の傾斜劈開端面列を形成する、アイテム10〜アイテム13の光学構造物である。
【0086】
アイテム15は、傾斜劈開端面のそれぞれが、全反射(TIR)表面を備える、アイテム10〜アイテム14の光学構造物である。
【0087】
アイテム16は、傾斜劈開端面のそれぞれが、反射性材料のコーティングを備える、アイテム10〜アイテム15の光学構造物である。
【0088】
アイテム17は、反射性材料のコーティングが、金属又は合金を含む、アイテム16の光学構造物である。
【0089】
アイテム18は、マイクロレンズのそれぞれが、隣接する光導波路間の離隔距離よりも大きいマイクロレンズ径を有する、アイテム10〜アイテム17の光学構造物である。
【0090】
アイテム19は、マイクロレンズのそれぞれに設けられた反射防止コーティングを更に備える、アイテム10〜アイテム18の光学構造物である。
【0091】
アイテム20は、第1の床面を備える第1の主面、第1の床面に形成され、第1の踏面を備える少なくとも第1の段を備える第1の階段、第1の主面の反対側にあり、第2の床面を備える第2の主面、第2の床面に形成され、第1の踏面を備える少なくとも第1の段を備える第2の階段、第2の床面に配設され、マイクロレンズ列を形成する第1の複数の千鳥状のマイクロレンズ、及び、第2の階段の第1の踏面に配設され、マイクロレンズ列を形成する第2の複数の千鳥状のマイクロレンズを備える光透過性基板であって、基板、第1の階段、第2の階段、及びマイクロレンズが単一構造物を形成する、光透過性基板と、第1の床面に配設された、互いに対して千鳥状である傾斜劈開端面を備える第1の複数の光導波路と、第1の階段の第1の踏面に配設された、互いに対して千鳥状である傾斜劈開端面を備える第2の複数の光導波路と、を備える、光学構造物であって、第1及び第2の複数の光導波路のうちの光導波路の傾斜劈開端面のそれぞれが、傾斜劈開端面によって、各光導波路から出射する光が基板を透過して対応するマイクロレンズへと方向付けられるように、異なるマイクロレンズに対応する、光学構造物である。
【0092】
アイテム21は、導波路アライメント
機構が、平行溝を備える、アイテム20の光学構造物である。
【0093】
アイテム22は、光導波路が、光ファイバーを備える、アイテム20又はアイテム21の光学構造物である。
【0094】
アイテム23は、光導波路の傾斜劈開端面のそれぞれと対応するマイクロレンズとの離隔距離が一定である、アイテム20〜アイテム22の光学構造物である。
【0095】
アイテム24は、傾斜劈開端面のそれぞれが、全反射(TIR)表面を備える、アイテム20〜アイテム23の光学構造物である。
【0096】
アイテム25は、傾斜劈開端面のそれぞれが、反射性材料のコーティングを備える、アイテム20〜アイテム24の光学構造物である。
【0097】
アイテム26は、反射性材料のコーティングが、金属又は合金を含む、アイテム25の光学構造物である。
【0098】
アイテム27は、マイクロレンズに設けられた反射防止コーティングを更に備える、アイテム20〜アイテム26の光学構造物である。
【0099】
アイテム28は、アイテム1〜アイテム27の光学構造物を備える、光コネクターである。
【0100】
アイテム29は、アイテム1〜アイテム28の光学構造物を備える、トランシーバーである。
【0101】
指示がない限り、本明細書及び請求項で使用される特性となる大きさ、量、及び物理特性を示す全ての数字は、「約」と言う用語によって修飾されることを理解されたい。それ故に、別の指示がない限りは、本明細書及び添付の請求項に説明される数字のパラメータは近似値であり、本明細書に開示された教示を使用して当業者が獲得しようとする所望の特性に応じて変化し得る。
【0102】
本明細書に引用したすべての参照文献及び刊行物は、本開示と直接矛盾し得る場合を除いて、それらの全容を参考として本開示に明確に援用するものである。以上、本明細書において特定の実施形態について図示及び説明してきたが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な代替的及び/又は同等の実施形態を、図示及び説明した特定の実施形態に置き換えることが可能である点は認識されるであろう。本出願は、本明細書において考察した特定の実施形態のあらゆる適合形態又は変形形態を網羅するものである。したがって、本開示は「特許請求の範囲」及びその均等物によってのみ限定されるものとする。