【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の接続装置および請求項14に記載の方法により解決される。接続装置および方法の好ましい発展形は、下位の請求項および以下に続く説明中に与えられる。
【0009】
車輌の為の接続装置は、接続領域を有する構造部材と、支承要素およびこの中に可動に支承されかつこれから軸方向で外に向かって延在するジョイント内部品を有するジョイントを有し、その支承要素は接続領域とともに一つの芯を形成し、および芯の周囲鋳造により製造されかつこれを取り囲む鋳造部品を有しており、この鋳造部品から構造部材およびジョイント内部品が外に向かって延在しており、その際、芯は、構造部材と形状結合的に相互に入り込んでかみ合う閉鎖部材を有しており、この閉鎖部材は、構造部材と共に、支承要素に軸方向で形状結合的に保持するジョイント収容部を形成する。好ましくは支承要素は、ジョイント収容部によって取り囲まれている。特に、支承要素はジョイント収容部によって軸方向で、または少なくとも軸方向で取り囲まれている。好ましくは、支承要素は、周囲鋳造の前に接着促進剤によって処理されるか、またはその外側面に接着促進剤を有している。この接着促進材は、支承要素の製造の際に塗布される。
【0010】
支承要素を軸方向で形状結合的に保持するジョイント収容部によって、ジョイントの軸方向の負荷耐性は明らかに向上する。特に、ジョイント収容部によって生じる軸方向の保持機構が、鋳造部品によって生じる軸方向の保持機構に対して追加的に設けられている。構造部材と閉鎖部材は、別々の部材を形成する。これらは好ましくは、接続装置の組立の前に既にその最終的形状を有している。特に、構造部材と閉鎖部材は、完全に予め製造しておくことが可能である。これによって接続装置は簡単に組み立てることが可能であり、およびコスト面で安価に製造可能である。逆に、ジョイント収容部が一部品式に形成されるならば、場合によっては、支承要素の為の一または複数の軸方向保持機構が、ジョイント収容部内へのはめ込みの後に放射方向内側に向かって曲げそらされる必要がある可能性がある。というのはそうでないと支承要素が組込み不可能だからである。しかし、既に組み立てられたジョイントのそのような曲げそらしは、わずかとは言えない労力に結びつく。
【0011】
放射方向としては、特に、軸方向に対して横断する方向に推移する一またはあらゆる方向が称される。好ましくは、ジョイントには一つの縦中央軸が割り当てられている。この縦中央軸は、軸方向に推移している。
【0012】
好ましくは、ジョイント収容部は、ジョイントの縦中央軸の周りをまわって推移している。特に、ジョイント収容部は支承要素を囲んでいる。これによって支承要素は、放射方向においてもジョイント収容部内に形状結合的に保持されている。特に、支承要素はジョイント収容部によって放射方向で取り囲まれている。有利には、支承要素はジョイント収容部によって軸方向でも放射方向でも取り囲まれている。
【0013】
一つの発展形に従い、ジョイント収容部は直接支承要素に当接している。これは特に、ジョイントと構造部材の間の力の伝達の際に有利である。
【0014】
支承要素は、好ましくは堅固に、特に高い剛性をもってジョイント収容部内に置かれている。有利には支承要素は、構造部材と閉鎖部材の間、特に構造部材の接続領域と閉鎖部材の間に配置されている。閉鎖部材は、構造部材と好ましくは接続領域において形状結合的に相互に入り込んでかみ合っている。
【0015】
好ましくは、構造部材は、軸方向で閉鎖部材と反対の側で支承要素に覆いかぶさっている。補足的にまたは代替として、閉鎖部材が、軸方向で構造部材と反対の側で支承要素に覆いかぶさっている。特に、ジョイント収容部が軸方向両側で支承要素に覆いかぶさっている。
【0016】
構造部材と閉鎖部材は、好ましくは軸方向で相互に入り込んで差し込まれ合っている。特に、構造部材と閉鎖部材は、例えばバヨネット閉鎖部のような、差込み・回転閉鎖部、、回転閉鎖部またはねじ閉鎖部によって形状結合的に互いに接続されている。
【0017】
(構造部材および閉鎖部材の)部材の第一の方は、一つの実施形に従い、少なくともひとつの介入要素を有している。この介入要素によって構造部材と閉鎖部材は形状結合的に互いに接続される。特に、介入要素は、放射方向の突出部を設けられている。第二の部材は、好ましくは、第一の部材と反対の側の当接面を有している。この当接面には、介入要素がその放射方向の突出部でもって軸方向で当接している。好ましくは、介入要素はその放射方向の突出部でもって、閉鎖部材を構造部材に対して相対的に、ジョイントの縦中央軸を中心としてねじることにより、当接面と当接せしめられる。有利には、介入要素は、第二の部材内に設けられた収容開口部を通って軸方向に貫通して延在している。特に、支承要素は、収容開口部内に置かれている、及び/又はこの内部に配置されている。
【0018】
好ましくは、介入要素は、その放射方向の突出部でもって収容開口部を境界づける縁部に背後係合する。縁部は、特にリング形状に形成されるか、またはリングセグメント形状に形成される。特に、当接面は縁部に設けられるか、及び/又はこれによって形成される。
【0019】
接続装置の発展形に従い、介入要素に間隔をあけてまたはこれに隣接して、軸方向に貫通する少なくとも一つの切欠き部が縁部内に設けられている。この切欠き部は、介入要素がこれらを通って通過するような寸法を有している。これら切欠き部は、ジョイント収容部の組立の為に設けられており、特に、構造部材と閉鎖部材の相互に入り込んだ差込み合いの為に設けられている。閉鎖部材の介入要素は、よって、構造部材と閉鎖部材の相互の差込み合いの間、切欠き部を通って差し込まれ、その後、閉鎖部材は構造部材に対して相対的に、特にジョイントの縦中央軸を中心としてねじられる。ねじることにより、閉鎖部材は構造部材と形状結合的に接続される。特に介入要素の放射方向の突出部は、ねじることによって収容開口部を境界づける縁部に背後係合する。閉鎖部材と構造部材は、よって好ましくは回転閉鎖部または差込み・回転閉鎖部によって形状結合的に互いに接続される。これは、好ましくは、少なくとも一つの介入要素と収容開口部を境界づける縁部を有している。この縁部内には、好ましくは、介入要素を通過させるための少なくとも一つの切欠き部が設けられている。
【0020】
一つの発展形に従い、第二の部材は少なくともスリットを有している。これらスリット中には、介入要素が入り込む。特に、介入要素はその放射方向の突出部でもって放射方向にスリット内へと入り込む。スリットは好ましくは、ジョイントの周囲方向に推移するか、または基本的に周囲方向に推移している。好ましくは、スリットはジョイントの周囲方向に開かれているか、または少なくとも一方側が開かれている。好ましくは介入要素は、閉鎖部材を構造部材に対してジョイントの縦中央軸の周りにねじることによって、その放射方向の突出部がスリット内へと入り込む。特に、放射方向の突出部はスリット内へと差し込まれる。好ましくは、スリットはジョイントの周囲方向において一方側のみ開かれている。これによって、閉鎖部材を構造部材に対するねじり(動作)は、周囲側のスリット端部により制限されることが可能である。スリットは、収容開口部を境界づける縁部の例えば第一の部材と反対の側に設けられる。特に当接面は、スリットに設けられ、及び/又はスリットを軸方向で境界づける面によって形成される。閉鎖部材および構造部材は、よって好ましくは、回転閉鎖部または差込み・回転閉鎖部によって形状結合的に互いに接続されている。これは好ましくは、少なくとも一つの介入要素および少なくとも一つのスリットを有している。
【0021】
第一の部材は、好ましくは閉鎖部材であり、第二の部材は好ましくは構造部材である。しかし、代替として第一の部材が構造部材であり、および第二の部材が閉鎖部材であることも可能である。
【0022】
一つの実施形に従い、接続領域はリング形状に形成されている。特に、接続領域は、一つのまたは前記収容開口部を境界づける。この収容開口部内には、好ましくは支承要素が置かれている、及び/又は配置されている。この収容開口部の内径は、支承要素の最大の外径より小さい、大きい、または同じであることが可能である。収容開口部の内径が支承要素の最大の外径より小さいとき、好ましくは、支承要素は縁部に、または収容開口部を境界づける縁部に軸方向で支持される。縁部は、これによって支承要素を、接続領域に形状結合的に軸方向で守っている。
【0023】
一つの発展形に従い、構造部材は接続領域中に少なくとも一つの軸方向保持機構を有している。特に、軸方向保持機構は、軸方向に延在しているか、または基本的に軸方向に延在している。軸方向保持機構は、構造部材の収容開口部を境界づける縁部によって形成されることが可能である。しかし好ましくは、軸方向保持機構は、この縁部から軸方向に離れて延在するか、または基本的に軸方向に離れて延在する。軸方向保持機構は、好ましくは支承要素に当接している。さらに軸方向保持機構は、完全にまたは部分的に支承要素の周りを取り囲んでいる。好ましくは、軸方向保持機構は、支承要素に軸方向で覆いかぶさっている。これは特に、閉鎖部材と反対の側で行われる。このため好ましくは、軸方向保持機構は、少なくとも領域的に軸方向に対して丸められて、または傾斜して推移している。よって好ましくは、支承要素は軸方向で形状結合的に軸方向保持機能に、およびこれによって構造部材に保持されている。複数の軸方向保持機構が構造部材に設けられるとき、これらは特に同様に構成され、および好ましくは支承要素の周りをまわって一様に分配されて配置されている。
【0024】
一つの実施形に従い、閉鎖部材はリング形状に形成されている。特に閉鎖部材は、収容開口部を境界づける、または、好ましくは支承要素が置かれいている、及び/又は配置されている収容開口部を境界づける。この収容開口部の内径は、支承要素の最大の外径より小さい、大きい、または同じであることが可能である。収容開口部の内径が支承要素の最大の外径よりも小さいとき、支承要素は好ましくは軸方向で縁部に支持される、または収容開口部を境界づける縁部に支持される。縁部は、よって、閉鎖部材に形状結合的に軸方向で支承要素を守っている。
【0025】
一つの発展形に従い、閉鎖部材は少なくとも一つの軸方向保持機構を有している。特に、軸方向保持機構は、軸方向に延在するか、または基本的に軸方向に延在している。軸方向保持機構は、閉鎖部材の収容開口部を境界づける縁部によって形成されていることが可能である。しかし好ましくは、軸方向保持機構は、軸方向でこの縁部から遠ざかって、または基本的に軸方向でこの縁部から遠ざかって延在している。軸方向保持機構は、好ましくは支承要素に当接している。さらに、軸方向保持機構は、完全にまたは部分的に支承要素の周りを周回していることが可能である。好ましくは、軸方向保持機構は、軸方向で、特に接続領域と反対の側で、支承要素に覆いかぶさっている。このため好ましくは、軸方向保持機構は、少なくとも領域的に軸方向に対して丸めれらて推移するか、または傾斜して推移している。よって好ましくは支承要素は、軸方向保持機構に形状結合的に軸方向で保持され、よって閉鎖部材に保持されている。複数の軸方向保持機構が閉鎖部材に設けられるとき、これらは特に同様に構成され、および好ましくは支承要素の周りに一様に分配されて配置されている。
【0026】
支承要素は、好ましくは堅固に、特に高い剛性でもってジョイント収容部と接続されている。特に、支承要素は鋳造部品によって、または追加的に鋳造部品によって堅固に、特に高い剛性でもってジョイント収容部と接続されている。好ましくは、支承要素は接続領域及び/又は閉鎖部材と、鋳造部品によって、又は追加的に鋳造部品によって接続され、好ましくは形状結合的に接続されている。鋳造部品は、好ましくは堅固に、特に高い剛性でもって、接続領域及び/又は支承要素及び/又は閉鎖部材及び/又は芯と接続されている。特に鋳造部品は、支承要素及び/又は接続領域及び/又は閉鎖部材及び/又は芯と直接接触している。
【0027】
鋳造部品は、特に一体式のボディを形成している。このボディの材質内に、好ましくは芯が埋め込まれている。好ましくは、鋳造部品は剛性の高いボディを形成する。好ましくは、鋳造部品は材質均質的な、または基本的に材質均質的なボディを形成する。芯は、好ましくは形状結合的に鋳造部品の材料内へと埋め込まれている。鋳造部品は好ましくはプラスチックまたは金属から成る。例えば、鋳造部品は射出成型部品、ダイ・キャスト部品であるかまたは他の適切な鋳造方法により製造される。
【0028】
ジョイント内部品には、特に一つの縦中央軸が割り当てられている。好ましくはジョイント内部品は、回転軸に対し回転対称に、または基本的に回転対称に形成されている。この回転軸は、好ましくはジョイント内部品の縦中央軸と一致している。ジョイント内部品は、好ましくは金属から成っており、特に鋼から成っている。
【0029】
接続装置の一つの実施形に従い、ジョイント内部品は、一つの支承領域を有するジョイントジャーナルを形成している。このジョイントジャーナルは、その支承領域が支承要素内に配置されている。好ましくは、支承領域はジョイントボールを形成する。その結果、ジョイント内部品及び/又はジョイントジャーナルは、好ましくはボールジャーナルを形成する。ジョイントは、よって特にボールジョイントを形成する。好ましくは、支承要素は支承領域を取り囲んでいる。支承要素は、例えば支承殻または球殻として形成されている。好ましくは、接続領域及び/又は閉鎖部材は、支承領域に軸方向で覆いかぶさっている。特に、ジョイント収容部は、支承領域に軸方向で覆いかぶさり、好ましくは両側で覆いかぶさっている。支承領域は、好ましくは軸方向でジョイント収容部によって取り囲まれており、特に支承要素の介装のもと取り囲まれている。更に、支承領域は好ましくは放射方向でジョイント収容部によって取り囲まれており、特に支承要素の介装のもと取り囲まれている。
【0030】
好ましくは、支承要素は回転軸に対し回転対称に、又は基本的に回転対称に形成されている。この回転軸は、好ましくはジョイントの縦中央軸と一致している。特に、支承要素は中空の球形状の支承面を有している。この支承面にジョイントボールの球形状の外側面が滑動可能に当接している。支承要素は、好ましくはプラスチックから成っている。プラスチックは、繊維、例えばグラス繊維及び/又は炭素繊維によって置換可能である。これらによって支承要素の強度が高められることができる。代替としてプラスチックは繊維無しである。好ましくは、支承要素は球形状または略球形状の外側面を有する。
【0031】
好ましくは、構造部材およびジョイント内部品は、異なる方向に鋳造部品から外に向かって延在している。特に、ジョイント内部品は、軸方向に鋳造部品から外に向かって延在している。構造部材は好ましくは、軸方向に対して傾斜してまたは横切って鋳造部品から外に向かって延在している。好ましくは、構造部材は、一つの平面内または一つの平面の領域内で鋳造部品から外に向かって延在している。この平面は、軸方向を横切って推移するか、またはジョイントボールの中心を通って推移している。これは、ジョイントと構造部材の間の放射方向の力の伝達の為に有利である。ジョイント内部品は、特にジョイント収容部から外に向かって延在し、好ましくは軸方向に延在する。
【0032】
構造部材は、好ましくは金属から成っており、特に鋼から成っている。例えば、構造部材は薄板から成っている。代替として構造部材は、管またはロッドを有する。例えば構造部材は、長く伸びた多角形のボディである。特に、構造部材は、鋳造部品の外側でジョイントから遠ざかって延在しており、好ましくは軸方向に対して傾斜するか、これを横切っている。構造部材は、例えば、これが管又はロッドを有するとき、回転対称又は基本的に回転対称に形成されていることが可能である。代替として構造部材は、回転体を形成しないことが可能である。
【0033】
構造部材は、好ましくはジョイント及び/又は鋳造部品に対して間隔をあけて、一つの部材または少なくとも一つの他の部材と、好ましくは堅固に接続される、または接続可能である。特に、構造部材は、ジョイントと他の部材の間の力の伝達の為に設計されている。他の部材は、好ましくは車両部材である。例えば他の部材は、車両ボディ、シャシー、例えばボールジョイント、エラストマー支承部のような他のジョイント、タイロッド、ロールスタビライザー、車輪案内腕、車輪キャリア部、または任意の他のシャシー部材により形成される。好ましくは他の部材は、ジョイントに対して、及び/又は、支承要素に対して、及び/又は、ジョイント内部品に対して、及び/又は、閉鎖部材に対して、及び/又は、鋳造部品に対して間隔を有している。
【0034】
構造部材には、及び/又は、閉鎖部材には、及び/又は、支承要素には、及び/又は、鋳造部品には、好ましくは一または少なくとも一つのシール要素が固定されている。このシール要素は、ジョイント内部品まで延びており、おより好ましくはこれに密閉的に当接している。特に、シール要素はジョイント内部品に、支承要素の外側、及び/又は鋳造部品の外側に位置する領域内で当接している。シール要素は好ましくはシールベローズである。
【0035】
本発明は、更に、接続装置を製造するための方法に関する。その際、ジョイント内部品は支承要素内に可動支承されており、その後、支承要素、接続領域および閉鎖部材から形成される芯が、流動可能でかつ硬化可能な材料であって、その硬化後に鋳造部品を形成する材料によって周囲鋳造される前に、支承要素は構造部材と閉鎖部材の間に配置され、およびこれは構造部材と形状結合的に接続される。接続装置は、その際、全ての上述した実施形に従い更に発展を遂げることが可能である。
【0036】
一つの実施形に従い、閉鎖部材および構造部材は、回転閉鎖部または差込み・回転閉鎖部によって形状結合的に互いに接続され、そしてこの接続を形成するために、軸方向で互いに差込み合わせられており、および、軸方向に推移するジョイントの縦中央軸を中心として互いに相対的にねじられる。当該ねじりは、その際特に、お互いの差込み合いの後に行われる。
【0037】
本発明を、好ましい実施形にもとづき図面を参照しつ、以下に詳細に説明する。