特許第6203181号(P6203181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203181車両の為の接続装置及びその製造のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203181
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】車両の為の接続装置及びその製造のための方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/06 20060101AFI20170914BHJP
   F16C 11/10 20060101ALI20170914BHJP
   B62D 7/08 20060101ALN20170914BHJP
【FI】
   F16C11/06 B
   F16C11/06 J
   F16C11/10 F
   !B62D7/08 Z
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-533816(P2014-533816)
(86)(22)【出願日】2012年9月11日
(65)【公表番号】特表2014-534385(P2014-534385A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】EP2012067738
(87)【国際公開番号】WO2013050218
(87)【国際公開日】20130411
【審査請求日】2015年6月3日
(31)【優先権主張番号】102011084163.6
(32)【優先日】2011年10月7日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ナハバール・フランク
(72)【発明者】
【氏名】アダムチック・ディルク
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−158057(JP,A)
【文献】 実開昭64−017847(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/00−11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌の接続装置であって、一つの接続領域(14)を有する構造部材(11)を有し、一つの支承要素(4)およびこの支承要素(4)中に可動に支承されかつこの支承要素(4)から軸方向(5)に外側に向かって延在するジョイント内部分(3)を有するジョイント(7)を有し、このジョイントの支承要素(4)は接続領域(14)と共に一つの芯を形成しており、およびこの芯を取り囲む一つの鋳造部品(9)を有し、この鋳造部品から構造部分(11)およびジョイント内部品(3)が外に向かって延在している接続装置において、
芯が、構造部材(11)に形状結合的にかみ合う閉鎖部材(12)を備え、この閉鎖部材が、構造部材(11)と共に、支承要素(4)を軸方向(5)で形状結合的に保持するジョイント収容部(8)を形成することを特徴とする接続装置。
【請求項2】
ジョイント収容部(8)が、支承要素(4)を軸方向で取り囲んでいることを特徴とする請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
閉鎖部材(12)が、軸方向(5)において構造部材(11)に差し込まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の接続装置。
【請求項4】
構造部材(11)および閉鎖部材(12)が、ねじ閉鎖部、回転閉鎖部、または差込み・回転閉鎖部によって、形状結合的に互いに接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項5】
閉鎖部材(12)が、放射方向の突出部(17)を設けられた少なくとも一つの介入要素(16)を有しており、この介入要素によって構造部材(11)および閉鎖部材(12)が形状結合的に互いに接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項6】
介入要素(16)が、構造部材(11)内に設けられる収容開口部(15)を通って軸方向に貫通して延在しており、およびその放射方向の突出部(17)でもって、この収容開口部(15)を境界づける縁部(18)と背後係合することを特徴とする請求項5に記載の接続装置。
【請求項7】
介入要素(16)に対して間隔をあけて、または隣接して、軸方向に貫通する少なくとも一つの切欠き部(21)が収容開口部(15)の縁部(18)に設けられており、これら切欠き部が、介入要素(16)をこの切欠き部(21)を通して通過せしめる寸法を有することを特徴とする請求項6に記載の接続装置。
【請求項8】
構造部材(11)が、閉鎖部材(12)と反対側の当接面を有し、この当接面に介入要素(16)がその放射方向の突出部(17)でもって軸方向に当接することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項9】
構造部材(11)が、軸方向(5)に突き出した少なくとも一つの部分を有し、この部分が、周囲方向に開かれた少なくとも一つのスリット(22)を有し、当該スリット内に介入要素が放射方向でかみ込んでいることを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項10】
接続領域(14)および閉鎖部材(12)がそれぞれリング形状に形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項11】
接続領域(14)が、軸方向保持機構(19)を有しており、この軸方向保持機構が、軸方向(5)に対して少なくとも領域的に丸められてまたは傾斜して推移しており、および支承要素(4)に軸方向(5)で覆いかぶさっていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項12】
支承要素(4)、接続領域(14)および閉鎖部材(12)が、鋳造部品(9)によって互いに堅固に接続されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項13】
ジョイント内部品(3)が、ジョイントボール(2)を有するボールジャーナルを形成しており、このボールジャーナルが、そのジョイントボール(2)でもって、このジョイントボール(2)を取り囲む支承要素(4)内に置かれていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の接続装置の製造のための方法であって、ジョイント内部品(3)が支承要素(4)内に可動に支承され、その後、支承要素(4)、接続領域(14)および閉鎖部材(12)から形成される芯が、鋳造可能な材料でもって周囲鋳造される前に支承要素(4)が構造部材(11)と閉鎖部材(12)の間に配置され、かつこの閉鎖部材(12)が構造部材(11)と形状結合的に接続され、前記材料が、その鋳造の後に鋳造部品(9)を形成する方法。
【請求項15】
閉鎖部材(12)と構造部材(11)が、回転閉鎖部によって形状結合的に互いに接続され、およびこの接続を形成するために閉鎖部材(12)が軸方向で構造部材(11)に差し込まれ、およびその後、閉鎖部材(12)と構造部材(11)が軸方向(5)を推移する、ジョイント(7)の縦中央軸(20)の周りで互いに相対的にねじられることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の為の接続装置に関する。この接続装置は、接続領域を有する構造部材を有し、支承要素およびこの中に可動に支承され、かつこれから軸方向に外に向かって延在するジョイント内部品を有するジョイントを有し、その支承要素は、接続領域と共に一つの芯を形成し、および芯の周囲鋳造によって製造され、かつこれを取り囲む鋳造部品を有し、この鋳造部品から外に向かって構造部材およびジョイント内部品が延在している。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ボールジョイントハウジングの一つの空所部内に回転可動に支承されたボールを有するボールジョイントであって、これに設けられ、かつ外側に突出するボールジャーナルを有するボールジョイントを開示している。その際、空所部はボールをそのシェルの半分より多く取り囲んでいる。ボールジョイントハウジングは、内側に向かっている係留要素を有する管形状の壁部分から成っている。その際、壁部分より形成される空間は、空所部を形成する材料であり、注入されたまたは射出注入されたハウジング材料で満たされている。この空所部内でボールは、これを少なくとも空所部の領域で取り囲む支承中間層を介して回転可動に支承されている。
【0003】
特許文献2は、車両に使用するためのジョイントロッドを開示している。このジョイントロッドは、一つの棒体を有しており、この棒体の少なくとも一つの端部にジョイントが続いている。その際、棒体は、開かれたプロフィルから形成されており、およびジョイントは、ボールジャーナルのボールであって、一つの薄壁の滑動シェル内にジョイント式に支承されたボールから形成されている。棒体の端部と滑動シェルは、共に、少なくとも部分的にプラスチック被覆を有しインサート成型されている。このプラスチック被覆は、棒体の端部と、ボールジョイントの薄壁の滑動シェルの間の接続を作り上げる。棒体の端部は、例えばボールの周りを周回する一つのリングとして形成される。
【0004】
その様な、ハイブリッドボールジョイントとも称されるボールジョイントは、通常、二つの下位コンポーネントから成る。これらのうち、第一の下位コンポーネントは、ボールジャーナルおよび支承要素を有するボールジョイントユニットを形成し、第二の下位コンポーネントは構造部材を形成する。両下位コンポーネントは、追加的な要素により、組立プロセス(射出成型、ダイ・キャスティング等)を通じて形状結合的に互いに接続される。これは、これによって鋳造部品を形成する。
【0005】
現在のハイブリッドボールジョイントは、しかしながら、軸方向に最大伝達可能な力が、すべての適用目的に対して十分な大きさでないという問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願第196 38 252 A1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願第1 953 012 A2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに端を発し、本発明の課題は、冒頭に記載した形式の接続装置において、ジョイントと構造部材の間の伝達可能な軸方向力を高めることを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の接続装置および請求項14に記載の方法により解決される。接続装置および方法の好ましい発展形は、下位の請求項および以下に続く説明中に与えられる。
【0009】
車輌の為の接続装置は、接続領域を有する構造部材と、支承要素およびこの中に可動に支承されかつこれから軸方向で外に向かって延在するジョイント内部品を有するジョイントを有し、その支承要素は接続領域とともに一つの芯を形成し、および芯の周囲鋳造により製造されかつこれを取り囲む鋳造部品を有しており、この鋳造部品から構造部材およびジョイント内部品が外に向かって延在しており、その際、芯は、構造部材と形状結合的に相互に入り込んでかみ合う閉鎖部材を有しており、この閉鎖部材は、構造部材と共に、支承要素に軸方向で形状結合的に保持するジョイント収容部を形成する。好ましくは支承要素は、ジョイント収容部によって取り囲まれている。特に、支承要素はジョイント収容部によって軸方向で、または少なくとも軸方向で取り囲まれている。好ましくは、支承要素は、周囲鋳造の前に接着促進剤によって処理されるか、またはその外側面に接着促進剤を有している。この接着促進材は、支承要素の製造の際に塗布される。
【0010】
支承要素を軸方向で形状結合的に保持するジョイント収容部によって、ジョイントの軸方向の負荷耐性は明らかに向上する。特に、ジョイント収容部によって生じる軸方向の保持機構が、鋳造部品によって生じる軸方向の保持機構に対して追加的に設けられている。構造部材と閉鎖部材は、別々の部材を形成する。これらは好ましくは、接続装置の組立の前に既にその最終的形状を有している。特に、構造部材と閉鎖部材は、完全に予め製造しておくことが可能である。これによって接続装置は簡単に組み立てることが可能であり、およびコスト面で安価に製造可能である。逆に、ジョイント収容部が一部品式に形成されるならば、場合によっては、支承要素の為の一または複数の軸方向保持機構が、ジョイント収容部内へのはめ込みの後に放射方向内側に向かって曲げそらされる必要がある可能性がある。というのはそうでないと支承要素が組込み不可能だからである。しかし、既に組み立てられたジョイントのそのような曲げそらしは、わずかとは言えない労力に結びつく。
【0011】
放射方向としては、特に、軸方向に対して横断する方向に推移する一またはあらゆる方向が称される。好ましくは、ジョイントには一つの縦中央軸が割り当てられている。この縦中央軸は、軸方向に推移している。
【0012】
好ましくは、ジョイント収容部は、ジョイントの縦中央軸の周りをまわって推移している。特に、ジョイント収容部は支承要素を囲んでいる。これによって支承要素は、放射方向においてもジョイント収容部内に形状結合的に保持されている。特に、支承要素はジョイント収容部によって放射方向で取り囲まれている。有利には、支承要素はジョイント収容部によって軸方向でも放射方向でも取り囲まれている。
【0013】
一つの発展形に従い、ジョイント収容部は直接支承要素に当接している。これは特に、ジョイントと構造部材の間の力の伝達の際に有利である。
【0014】
支承要素は、好ましくは堅固に、特に高い剛性をもってジョイント収容部内に置かれている。有利には支承要素は、構造部材と閉鎖部材の間、特に構造部材の接続領域と閉鎖部材の間に配置されている。閉鎖部材は、構造部材と好ましくは接続領域において形状結合的に相互に入り込んでかみ合っている。
【0015】
好ましくは、構造部材は、軸方向で閉鎖部材と反対の側で支承要素に覆いかぶさっている。補足的にまたは代替として、閉鎖部材が、軸方向で構造部材と反対の側で支承要素に覆いかぶさっている。特に、ジョイント収容部が軸方向両側で支承要素に覆いかぶさっている。
【0016】
構造部材と閉鎖部材は、好ましくは軸方向で相互に入り込んで差し込まれ合っている。特に、構造部材と閉鎖部材は、例えばバヨネット閉鎖部のような、差込み・回転閉鎖部、、回転閉鎖部またはねじ閉鎖部によって形状結合的に互いに接続されている。
【0017】
(構造部材および閉鎖部材の)部材の第一の方は、一つの実施形に従い、少なくともひとつの介入要素を有している。この介入要素によって構造部材と閉鎖部材は形状結合的に互いに接続される。特に、介入要素は、放射方向の突出部を設けられている。第二の部材は、好ましくは、第一の部材と反対の側の当接面を有している。この当接面には、介入要素がその放射方向の突出部でもって軸方向で当接している。好ましくは、介入要素はその放射方向の突出部でもって、閉鎖部材を構造部材に対して相対的に、ジョイントの縦中央軸を中心としてねじることにより、当接面と当接せしめられる。有利には、介入要素は、第二の部材内に設けられた収容開口部を通って軸方向に貫通して延在している。特に、支承要素は、収容開口部内に置かれている、及び/又はこの内部に配置されている。
【0018】
好ましくは、介入要素は、その放射方向の突出部でもって収容開口部を境界づける縁部に背後係合する。縁部は、特にリング形状に形成されるか、またはリングセグメント形状に形成される。特に、当接面は縁部に設けられるか、及び/又はこれによって形成される。
【0019】
接続装置の発展形に従い、介入要素に間隔をあけてまたはこれに隣接して、軸方向に貫通する少なくとも一つの切欠き部が縁部内に設けられている。この切欠き部は、介入要素がこれらを通って通過するような寸法を有している。これら切欠き部は、ジョイント収容部の組立の為に設けられており、特に、構造部材と閉鎖部材の相互に入り込んだ差込み合いの為に設けられている。閉鎖部材の介入要素は、よって、構造部材と閉鎖部材の相互の差込み合いの間、切欠き部を通って差し込まれ、その後、閉鎖部材は構造部材に対して相対的に、特にジョイントの縦中央軸を中心としてねじられる。ねじることにより、閉鎖部材は構造部材と形状結合的に接続される。特に介入要素の放射方向の突出部は、ねじることによって収容開口部を境界づける縁部に背後係合する。閉鎖部材と構造部材は、よって好ましくは回転閉鎖部または差込み・回転閉鎖部によって形状結合的に互いに接続される。これは、好ましくは、少なくとも一つの介入要素と収容開口部を境界づける縁部を有している。この縁部内には、好ましくは、介入要素を通過させるための少なくとも一つの切欠き部が設けられている。
【0020】
一つの発展形に従い、第二の部材は少なくともスリットを有している。これらスリット中には、介入要素が入り込む。特に、介入要素はその放射方向の突出部でもって放射方向にスリット内へと入り込む。スリットは好ましくは、ジョイントの周囲方向に推移するか、または基本的に周囲方向に推移している。好ましくは、スリットはジョイントの周囲方向に開かれているか、または少なくとも一方側が開かれている。好ましくは介入要素は、閉鎖部材を構造部材に対してジョイントの縦中央軸の周りにねじることによって、その放射方向の突出部がスリット内へと入り込む。特に、放射方向の突出部はスリット内へと差し込まれる。好ましくは、スリットはジョイントの周囲方向において一方側のみ開かれている。これによって、閉鎖部材を構造部材に対するねじり(動作)は、周囲側のスリット端部により制限されることが可能である。スリットは、収容開口部を境界づける縁部の例えば第一の部材と反対の側に設けられる。特に当接面は、スリットに設けられ、及び/又はスリットを軸方向で境界づける面によって形成される。閉鎖部材および構造部材は、よって好ましくは、回転閉鎖部または差込み・回転閉鎖部によって形状結合的に互いに接続されている。これは好ましくは、少なくとも一つの介入要素および少なくとも一つのスリットを有している。
【0021】
第一の部材は、好ましくは閉鎖部材であり、第二の部材は好ましくは構造部材である。しかし、代替として第一の部材が構造部材であり、および第二の部材が閉鎖部材であることも可能である。
【0022】
一つの実施形に従い、接続領域はリング形状に形成されている。特に、接続領域は、一つのまたは前記収容開口部を境界づける。この収容開口部内には、好ましくは支承要素が置かれている、及び/又は配置されている。この収容開口部の内径は、支承要素の最大の外径より小さい、大きい、または同じであることが可能である。収容開口部の内径が支承要素の最大の外径より小さいとき、好ましくは、支承要素は縁部に、または収容開口部を境界づける縁部に軸方向で支持される。縁部は、これによって支承要素を、接続領域に形状結合的に軸方向で守っている。
【0023】
一つの発展形に従い、構造部材は接続領域中に少なくとも一つの軸方向保持機構を有している。特に、軸方向保持機構は、軸方向に延在しているか、または基本的に軸方向に延在している。軸方向保持機構は、構造部材の収容開口部を境界づける縁部によって形成されることが可能である。しかし好ましくは、軸方向保持機構は、この縁部から軸方向に離れて延在するか、または基本的に軸方向に離れて延在する。軸方向保持機構は、好ましくは支承要素に当接している。さらに軸方向保持機構は、完全にまたは部分的に支承要素の周りを取り囲んでいる。好ましくは、軸方向保持機構は、支承要素に軸方向で覆いかぶさっている。これは特に、閉鎖部材と反対の側で行われる。このため好ましくは、軸方向保持機構は、少なくとも領域的に軸方向に対して丸められて、または傾斜して推移している。よって好ましくは、支承要素は軸方向で形状結合的に軸方向保持機能に、およびこれによって構造部材に保持されている。複数の軸方向保持機構が構造部材に設けられるとき、これらは特に同様に構成され、および好ましくは支承要素の周りをまわって一様に分配されて配置されている。
【0024】
一つの実施形に従い、閉鎖部材はリング形状に形成されている。特に閉鎖部材は、収容開口部を境界づける、または、好ましくは支承要素が置かれいている、及び/又は配置されている収容開口部を境界づける。この収容開口部の内径は、支承要素の最大の外径より小さい、大きい、または同じであることが可能である。収容開口部の内径が支承要素の最大の外径よりも小さいとき、支承要素は好ましくは軸方向で縁部に支持される、または収容開口部を境界づける縁部に支持される。縁部は、よって、閉鎖部材に形状結合的に軸方向で支承要素を守っている。
【0025】
一つの発展形に従い、閉鎖部材は少なくとも一つの軸方向保持機構を有している。特に、軸方向保持機構は、軸方向に延在するか、または基本的に軸方向に延在している。軸方向保持機構は、閉鎖部材の収容開口部を境界づける縁部によって形成されていることが可能である。しかし好ましくは、軸方向保持機構は、軸方向でこの縁部から遠ざかって、または基本的に軸方向でこの縁部から遠ざかって延在している。軸方向保持機構は、好ましくは支承要素に当接している。さらに、軸方向保持機構は、完全にまたは部分的に支承要素の周りを周回していることが可能である。好ましくは、軸方向保持機構は、軸方向で、特に接続領域と反対の側で、支承要素に覆いかぶさっている。このため好ましくは、軸方向保持機構は、少なくとも領域的に軸方向に対して丸めれらて推移するか、または傾斜して推移している。よって好ましくは支承要素は、軸方向保持機構に形状結合的に軸方向で保持され、よって閉鎖部材に保持されている。複数の軸方向保持機構が閉鎖部材に設けられるとき、これらは特に同様に構成され、および好ましくは支承要素の周りに一様に分配されて配置されている。
【0026】
支承要素は、好ましくは堅固に、特に高い剛性でもってジョイント収容部と接続されている。特に、支承要素は鋳造部品によって、または追加的に鋳造部品によって堅固に、特に高い剛性でもってジョイント収容部と接続されている。好ましくは、支承要素は接続領域及び/又は閉鎖部材と、鋳造部品によって、又は追加的に鋳造部品によって接続され、好ましくは形状結合的に接続されている。鋳造部品は、好ましくは堅固に、特に高い剛性でもって、接続領域及び/又は支承要素及び/又は閉鎖部材及び/又は芯と接続されている。特に鋳造部品は、支承要素及び/又は接続領域及び/又は閉鎖部材及び/又は芯と直接接触している。
【0027】
鋳造部品は、特に一体式のボディを形成している。このボディの材質内に、好ましくは芯が埋め込まれている。好ましくは、鋳造部品は剛性の高いボディを形成する。好ましくは、鋳造部品は材質均質的な、または基本的に材質均質的なボディを形成する。芯は、好ましくは形状結合的に鋳造部品の材料内へと埋め込まれている。鋳造部品は好ましくはプラスチックまたは金属から成る。例えば、鋳造部品は射出成型部品、ダイ・キャスト部品であるかまたは他の適切な鋳造方法により製造される。
【0028】
ジョイント内部品には、特に一つの縦中央軸が割り当てられている。好ましくはジョイント内部品は、回転軸に対し回転対称に、または基本的に回転対称に形成されている。この回転軸は、好ましくはジョイント内部品の縦中央軸と一致している。ジョイント内部品は、好ましくは金属から成っており、特に鋼から成っている。
【0029】
接続装置の一つの実施形に従い、ジョイント内部品は、一つの支承領域を有するジョイントジャーナルを形成している。このジョイントジャーナルは、その支承領域が支承要素内に配置されている。好ましくは、支承領域はジョイントボールを形成する。その結果、ジョイント内部品及び/又はジョイントジャーナルは、好ましくはボールジャーナルを形成する。ジョイントは、よって特にボールジョイントを形成する。好ましくは、支承要素は支承領域を取り囲んでいる。支承要素は、例えば支承殻または球殻として形成されている。好ましくは、接続領域及び/又は閉鎖部材は、支承領域に軸方向で覆いかぶさっている。特に、ジョイント収容部は、支承領域に軸方向で覆いかぶさり、好ましくは両側で覆いかぶさっている。支承領域は、好ましくは軸方向でジョイント収容部によって取り囲まれており、特に支承要素の介装のもと取り囲まれている。更に、支承領域は好ましくは放射方向でジョイント収容部によって取り囲まれており、特に支承要素の介装のもと取り囲まれている。
【0030】
好ましくは、支承要素は回転軸に対し回転対称に、又は基本的に回転対称に形成されている。この回転軸は、好ましくはジョイントの縦中央軸と一致している。特に、支承要素は中空の球形状の支承面を有している。この支承面にジョイントボールの球形状の外側面が滑動可能に当接している。支承要素は、好ましくはプラスチックから成っている。プラスチックは、繊維、例えばグラス繊維及び/又は炭素繊維によって置換可能である。これらによって支承要素の強度が高められることができる。代替としてプラスチックは繊維無しである。好ましくは、支承要素は球形状または略球形状の外側面を有する。
【0031】
好ましくは、構造部材およびジョイント内部品は、異なる方向に鋳造部品から外に向かって延在している。特に、ジョイント内部品は、軸方向に鋳造部品から外に向かって延在している。構造部材は好ましくは、軸方向に対して傾斜してまたは横切って鋳造部品から外に向かって延在している。好ましくは、構造部材は、一つの平面内または一つの平面の領域内で鋳造部品から外に向かって延在している。この平面は、軸方向を横切って推移するか、またはジョイントボールの中心を通って推移している。これは、ジョイントと構造部材の間の放射方向の力の伝達の為に有利である。ジョイント内部品は、特にジョイント収容部から外に向かって延在し、好ましくは軸方向に延在する。
【0032】
構造部材は、好ましくは金属から成っており、特に鋼から成っている。例えば、構造部材は薄板から成っている。代替として構造部材は、管またはロッドを有する。例えば構造部材は、長く伸びた多角形のボディである。特に、構造部材は、鋳造部品の外側でジョイントから遠ざかって延在しており、好ましくは軸方向に対して傾斜するか、これを横切っている。構造部材は、例えば、これが管又はロッドを有するとき、回転対称又は基本的に回転対称に形成されていることが可能である。代替として構造部材は、回転体を形成しないことが可能である。
【0033】
構造部材は、好ましくはジョイント及び/又は鋳造部品に対して間隔をあけて、一つの部材または少なくとも一つの他の部材と、好ましくは堅固に接続される、または接続可能である。特に、構造部材は、ジョイントと他の部材の間の力の伝達の為に設計されている。他の部材は、好ましくは車両部材である。例えば他の部材は、車両ボディ、シャシー、例えばボールジョイント、エラストマー支承部のような他のジョイント、タイロッド、ロールスタビライザー、車輪案内腕、車輪キャリア部、または任意の他のシャシー部材により形成される。好ましくは他の部材は、ジョイントに対して、及び/又は、支承要素に対して、及び/又は、ジョイント内部品に対して、及び/又は、閉鎖部材に対して、及び/又は、鋳造部品に対して間隔を有している。
【0034】
構造部材には、及び/又は、閉鎖部材には、及び/又は、支承要素には、及び/又は、鋳造部品には、好ましくは一または少なくとも一つのシール要素が固定されている。このシール要素は、ジョイント内部品まで延びており、おより好ましくはこれに密閉的に当接している。特に、シール要素はジョイント内部品に、支承要素の外側、及び/又は鋳造部品の外側に位置する領域内で当接している。シール要素は好ましくはシールベローズである。
【0035】
本発明は、更に、接続装置を製造するための方法に関する。その際、ジョイント内部品は支承要素内に可動支承されており、その後、支承要素、接続領域および閉鎖部材から形成される芯が、流動可能でかつ硬化可能な材料であって、その硬化後に鋳造部品を形成する材料によって周囲鋳造される前に、支承要素は構造部材と閉鎖部材の間に配置され、およびこれは構造部材と形状結合的に接続される。接続装置は、その際、全ての上述した実施形に従い更に発展を遂げることが可能である。
【0036】
一つの実施形に従い、閉鎖部材および構造部材は、回転閉鎖部または差込み・回転閉鎖部によって形状結合的に互いに接続され、そしてこの接続を形成するために、軸方向で互いに差込み合わせられており、および、軸方向に推移するジョイントの縦中央軸を中心として互いに相対的にねじられる。当該ねじりは、その際特に、お互いの差込み合いの後に行われる。
【0037】
本発明を、好ましい実施形にもとづき図面を参照しつ、以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】第一の実施形に従う接続装置の断面図。
図2図1のボールジョイントの斜視図。
図3図1の閉鎖部材を有するボールジョイントの斜視図。
図4】ボールジョイントおよび閉鎖部材の、ボールジョイント上へとかぶせられた状態の斜視図。
図5】かぶせられた閉鎖部材を有するボールジョイントと、図1の構造部材の斜視図。
図6】ボールジョイント上へとかぶせられた状態の、かぶせられた閉鎖部材を有するボールジョイントと構造部材の斜視図。
図7図6の装置の上面図。
図8】かぶせられた閉鎖部材と載置された構造部材を有するボールジョイントの斜視図。閉鎖部材を構造部材と締結した後の図。
図9図8の装置の上面図。
図10】第二の実施形に従う接続装置の断面図。
図11】第二の実施形に従うボールジョイントおよび閉鎖部材の斜視図
図12】第二の実施形に従うボールジョイントおよび閉鎖部材の斜視図。ボールジョイント上にかぶせられた状態の図。
図13】第二の実施形に従う、かぶせられた閉鎖部材と構造部材を有するボールジョイントの斜視図。
図14】第二の実施形に従う、閉鎖部材を有するボールジョイントと、構造部材の斜視図。ボールジョイント上に載置された状態の図。
図15図14の装置の上面図。
図16】第二の実施形に従う、被せられた閉鎖部材と載置された構造部材を有するボールジョイントの斜視図。閉鎖部材と構造部材の締結の後の図。
図17図16の装置の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1から、第一の実施形に係る接続装置1の断面図が見て取れる。その際、ジョイントボール2を有するボールジャーナル3が、そのジョイントボール2により球殻4内に滑動可能に支承されている。ボールジャーナル3は、一つの軸方向5内において、球殻4内に設けられた開口部6を通って球殻4から外に向かって延在している。球殻4とボールジャーナル3は、共に一つのボールジョイント7を形成している。このボールジョイントは球殻4と共にジョイント収容部8内に置かれている。ジョイント収容部は、球殻4を放射方向および軸方向で取り囲んでいる。球殻4は、よってジョイント収容部8内で軸方向において形状結合的に保持されている。
【0040】
ジョイント収容部8と球殻4は、鋳造部品9内に配置されている。この鋳造部品は、ジョイント収容部8および球殻4の周囲鋳造により、鋳造可能かつ硬化可能な材料より製造されている。この材質が、その硬化の後に鋳造部品9を形成する。ジョイント収容部8と球殻4は、この意味において一つの、鋳造部品9内に埋め込まれた芯を形成する。鋳造部品9は、ジャーナル開口部10を設けられている。このジャーナル開口部10を通ってボールジャーナル3は、軸方向5に鋳造部品9から外へと延在している。
【0041】
ジョイント収容部8は、構造部材11と閉鎖部材12から構成されている。この閉鎖部材は、構造部材11と形状結合的に、相互に入り込んでかみ合っている。構造部材11は、ジョイントボール2の中心の高さで、放射方向に、鋳造部品9から外へと広がっている。その際、鋳造部品9内に埋め込まれた、構造部材11の部分は接続領域14として称される。接続領域14は、リング形状に形成されており、および収容開口部15を境界づけている。この収容開口部内には球殻4が配置されている。閉鎖部材12は、複数の介入要素16を有している。これら介入要素は、夫々一つの放射方向の突出部17を設けられている。介入要素16は、収容開口部15を通り軸方向に外に向かって延在しており、そしてその放射方向の突出部17でもって、収容開口部を境界づける、構造部材11の縁部18に背後係合する。介入要素16によって、構造部材11と閉鎖部材12は形状結合的に互いに接続される。
【0042】
閉鎖部材12は、ジャーナル開口部10の方の面上で軸方向において、球殻4およびジョイントボール2に覆いかぶさっており、および球殻4に当接している。このため閉鎖部材12は基本的に軸方向に延在しており、しかしこれに対して傾斜して、または丸められて推移している。更に構造部材11は、ジャーナル開口部と反対の側で軸方向において、球殻4およびジョイントボール2に覆いかぶさっている。その際、構造部材11は、球殻4に当接している。このため構造部材11は、複数の軸方向保持機構19を有している。この軸方向保持機構は、基本的に軸方向に延在しているが、しかしこれに対して傾斜してまたは丸められて推移しており、およびその際、球殻4およびジョイントボール2に、ジャーナル開口部10と反対の側で軸方向において覆いかぶさっている。
【0043】
ボールジョイント7には、軸方向5にボール中心13を通って推移する中央縦軸20が属している。この中央縦軸は、図1から見て取れるボールジャーナル3の位置において、その中央縦軸と一致している。
【0044】
図2から9を参照しつつ、第一の実施形に係る接続装置1の組立てが説明される。
【0045】
まず球殻4がボールジャーナル3のジョイントボール2上にはめ込まれる。その結果、これがそのジョイントボールでもって旋回可能に、及び/又は回転可能に球殻4内に支承される。ボールジャーナル3は、球殻4と共にボールジョイント7を形成する。これは図2に示されている。
【0046】
図3から見て取れる閉鎖部材12は、軸方向にて球殻4に当接するまでボールジャーナル3の上にかぶせられる。これは図4に示されている。閉鎖部材12は、第一の実施形に従い、三つの介入要素16を有している。これら介入要素は同一に構成され、およびジョイント7の中央縦軸20の周りに一様に分配されて配置されている。
【0047】
図5から、構造部材11が見て取れる。この構造部材は、閉鎖部材と反対の側で球殻4に載置されている。構造部材11は、三つの軸方向保持機構19を有している。これら軸方向保持機構は、同様に構成されており、およびジョイント7の中央縦軸20の周りに一様に分配されて配置されている。
【0048】
構造部材11の球殻4への載置が行われている間(この球殻はその際、収容開口部15内へと導入されているが)、構造部材11および閉鎖部材12は軸方向で互いに入り込んでかみ合う。これは、介入要素16によって行われる。これら介入要素は、収容開口部15差し込まれる。これが可能であるように、収容開口部15を境界づける縁部18内に、切り欠き部21が設けられている。これら切欠き部を貫通して介入要素16は軸方向に延在している。構造部材11が載置された状態は、斜視図として図6から、そして上面図として図7から見て取れる。
【0049】
閉鎖部材12を構造部材11と締結するために、これらの部材は、ジョイント7の縦中央軸20を中心として互いに相対的にねじられる。その結果、介入要素16は、その放射方向の突出部17でもって(図1参照)、閉鎖部材12と反対の側で縁部18に覆いかぶさり、および軸方向でこれに当接する。この状態は、斜視図として図8から、および上面図として図9から見て取れる。
【0050】
引き続いて、構造部材11の接続領域14、閉鎖部材12および球殻4は、流体状の硬化可能な材料でもって周囲鋳造される。この材料は、その硬化の後に図1の鋳造部品9を形成する。
【0051】
図10から、第二の実施形に係る接続装置1の断面図が見て取れる。その際、第一の実施形に類似した特徴または同一の特徴は、第一の実施形におけるものと同一の符号でもって表されている。ジョイントボール2を有するボールジャーナル3は、ジョイントボール2によって球殻4内に支承され、および軸方向5に、球殻4内に設けられた開口部6を通って球殻4から外に向かって延在している。球殻4とボールジャーナル3は、共に一つのボールジョイント7を形成する。このボールジョイントは、球殻4でもってジョイント収容部8内に置かれている。このジョイント収容部は、球殻4を放射方向で取り囲んでおり、および軸方向でこれに覆いかぶさっている。球殻4は、これによって軸方向で形状結合的に、ジョイント収容部8内に保持されている。
【0052】
ジョイント収容部8と球殻4は、一つの鋳造部品9内に配置される。この鋳造部品は、ジョイント収容部8と球殻4を鋳造可能かつ硬化可能な材料でもって周囲鋳造することにより製造される。この材料は、その硬化の後に鋳造部品9を形成する。ジョイント収容部8と球殻4は、この意味で、鋳造部品9に埋め込まれた一つの芯を形成する。鋳造部品9は、ジャーナル開口部10を有している。このジャーナル開口部を通ってボールジャーナル3が軸方向5に鋳造部品9から外に向かって延在している。
【0053】
ジョイント収容部8は、構造部材11と閉鎖部材12から構成されている。閉鎖部材は構造部材11と形状結合的に互いに入り込んでかみ合っている。その際、閉鎖部材12は、球殻4およびジョイントボール2を軸方向でジャーナル開口部10の方の側に覆いかぶさっており、および球殻4に当接している。このため、閉鎖部材12は、基本的に軸方向に延在し、しかしこれに対して傾斜して、または丸められて推移している。さらに構造部材11は、ジョイントボール2の中心の高さで放射方向に鋳造部品9から外に向かって延在している。その際、鋳造部品9に埋め込まれた、構造部材11の部分は接続領域14として称される。接続領域14は、リング形状に形成されており、および収容開口部15を境界づけている。この収容開口部は、閉鎖部材12を軸方向で差し込まれている。さらに、球殻4は閉鎖部材12の介装のもと収容開口部15内に置かれている。閉鎖部材12は、ジャーナル開口部10と反対のその縁部に、軸方向に突出する複数の介入要素16を有している。これら介入要素は、夫々一つの放射方向の突出部17を設けられている。さらに構造部材11は、接続領域14に、ジャーナル開口部10と反対の側に、ジョイントの周囲方向に推移する複数のスリット22を有している。これらスリット内には、夫々、介入要素16の一つがその放射方向の突出部17でもってかみ込んでいる。介入要素16によって、構造部材11と閉鎖部材12は形状結合的に互いに接続されている。
【0054】
ボールジョイント7には、軸方向5に推移し、かつボール中心13を通って推移する中央縦軸20が割り当てられている。この中央縦軸は、図10から見て取れるボールジャーナル3の位置では、その中央縦軸と一致している。
【0055】
図11から17を参照しつつ、第二の実施形に従う接続装置1の組立が説明される。
【0056】
まず、球殻4はボールジャーナル3のジョイントボール2上へとはめ込まれる。その結果、これは、そのジョイントボール2でもって、球殻4内に旋回可能及び/又は回転可能に支承される。ボールジャーナル3は、球殻4と共にボールジョイント7を形成する。これは図11に示されている。さらに閉鎖部材12が図11から見て取れる。
【0057】
閉鎖部材12は、軸方向で球殻4に当接するまでボールジャーナル3上にかぶせられる。このことは図12に示されている。閉鎖部材12の(複数の)介入要素16は、同一に構成されており、およびジョイント7の中央縦軸20の周りに一様に分配して配置されている。
【0058】
図13から構造部材11が見て取れる。この構造部材は、閉鎖部材と反対の側で球殻4に載置される。構造部材11のスリット22は、周囲方向において一方側で開かれており、およびジョイント7の中央縦軸20の周りに一様に分配されて配置されている。さらにスリット22が同様の形式で形成されている。
【0059】
構造部材11を、その際、閉鎖部材12と共に収容開口部15内へと導入される球殻4に載置の間、構造部材11および閉鎖部材12は軸方向に互いに入り込んでかみ合っている。構造部材11の載置された状態は、斜視図として図14から、および上面図として図15から見て取れる。
【0060】
閉鎖部材12を構造部材11と締結する為に、これら部材は互いに相対的にジョイント7の縦中央軸20を中心として互いにねじられている。その結果、介入要素の一部は、その放射方向の突出部17でもってスリット22内へと挿入される。この状態は、斜視図として図16から、および上面図として図17から見て取れる。
【0061】
引き続いて構造部材11の接続領域14、閉鎖部材12および球殻4が、流動性の硬化可能な材料でもって周囲鋳造される。この材料は、その硬化の後に図10の鋳造部品を形成する。
【符号の説明】
【0062】
1 接続装置
2 ジョイントボール
3 ボールジャーナル
4 球殻
5 軸方向
6 球殻内の開口部
7 ボールジョイント
8 ジョイント収容部
9 鋳造部品
10 ジャーナル開口部
11 構造部材
12 閉鎖部材
13 ジョイントボールの中心
14 構造部材の接続領域
15 収容開口部
16 介入要素
17 介入要素の軸方向の突出部
18 収容開口部の縁部
19 軸方向保持機構
20 ジョイントの中央縦軸
21 収容開口部の縁部内の切欠き部
22 スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17