【課題を解決するための手段】
【0004】
この課
題は、
活性蓄積材料(6)を含んでなる金属−空気 電気エネルギー蓄積セル(4)の蓄積構造であって、該活性蓄積材料(6)が、0.2μm以上のd5値、0.3μmと1.5μmとの間にあるd50値、及び5μmよりも小さいd95値を示す粒子サイズ分布(19,20)を有することを特徴する蓄積構造
によって解決される。
【0005】
本発明による電気エネルギー蓄積セルの蓄積構造は、活性蓄積材料を含んでなり、この活性蓄積材料が、少なくとも0.1μmのd
5値を持つ粒子サイズ分布を有し、その粒子サイズ分布のd
50値が0.1μmから1.5μmまでの間にあることを特徴とする。更に、この蓄積構造は、粒子サイズ分布のd
95値が10μmよりも小さいことを特徴とする。この場合に、d
50値の概念は、全粒子の50%が上記の値よりも小さいことであると理解される。同様に、d
5値は、5%の粒子が上記の値0.1μmよりも小さいことを意味し、d
95値は、95%の粒子が上記の値10μmよりも小さいことを意味する。
【0006】
この場合に、上記の粒子サイズ分布は、蓄積構造のための活性蓄積材料の原材料の粒子サイズ分布である。完成された蓄積構造において、活性蓄積材料の個々の粗粒子は、圧縮された形又は予備焼結された形で存在し、従って顕微鏡的には集塊を形成し、場合によっては焼結ネック部とも呼ばれる接触領域では物質結合状態となる。それ故、個々の粗粒子は、温度処理によって、接触領域において拡散プロセスにより融合し、これによって個々の粒子は、より大きな粗粒子として顕微鏡的に視認可能となる。従って、活性蓄積材料の物質同定のために、原材料の粒子サイズ分布が使用される。この粒子サイズ分布は、たとえ物質接触面を有していても、完成した蓄積材料のマイクロ構造又は完成した蓄積構造において反映される。
【0007】
本発明の有利な実施形態では、活性蓄積材料の原材料の粒子サイズ分布は、d
5値が0.2μmよりも小さく、粒子サイズ分布のd
50値が0.3μmと
1.5μmとの間にあり、d
95値が3μmよりも小さいという特徴を有する。
【0008】
請求された両実施形態において、比較的狭い粒子サイズ分布が重要であり、約1μm、即ち
0.8μmと1.1μmとの間にある範囲を有するd
50値は、十分に小さい範囲を構成するので、粒子がそれらの体積に対してできるだけ大きい表面積を有し、これにより、それらの粒子の説明すべき反応物との反応性が十分に大きくなる。他方において、このd
50値は、600℃と800℃との間にあるエネルギー蓄積セルのプロセス温度で蓄積構造が作動させられる際に、必ずしも直ぐには焼結が起きないように、十分に大きく選ばれている。これは、粒子サイズ分布においてd
50値がナノメータ領域の近くにある場合に生じるであろう。それ故、本発明によれば、まさに約1μmの領域のd
50値が格別に有利であり、それに加えて、粒子サイズ分布全体が非常に狭くなければならず、そのためには、d
5値が0.1μmよりも小さくてはならず、本発明の更に有利な実施形態では0.2μmよりも小さくてはならないことが明らかになった。これは、使用される活性蓄積材料の粗粒子の95%が0.2μmよりも大きく、しかし、3μm又は10μmよりも小さいことを意味する。
【0009】
従って、上記のd
50値を有する活性蓄積材料の粒子のこのような狭い分布構造は、十分に粒子が大きいので、ナノ粒子のように焼結が高められる傾向がないという効果をもたらし、他方では、粒子の平均値が十分に小さくて活性蓄積材料の個々の粗粒子の活性表面積が非常に大きいので、対応する化学プロセス、特に酸化還元プロセス、が非常に迅速に進行し、これによってエネルギー蓄積セルのサイクル時間が有利に短縮され、蓄積セルの能力が高められる。更に、場合によって原材料不純物又はプロセス混入物によってひき起こされるであろう不都合な影響を、活性蓄積材料の粗粒子の高い活性表面積によって最小化することができる。
【0010】
蓄積セル内において複数回繰り返される化学プロセス、特に酸化還元プロセス、における蓄積構造の焼結に対する安定性を更に改善するために、不活性材料が分散された形で活性蓄積材料の原材料の中に導入され、この不活性材料が、蓄積構造内において、微細に分散させられた形で活性蓄積材料の粗粒子間に存在するのが適切である。このような不活性材料は、同様に10μm、特に3μm、の最大粗粒子サイズを有する。このような不活性材料は、付加的に蓄積材料の焼結傾向を更に低減する支持構造の働きをする。蓄積材料における不活性材料の体積割合は、有利には、50%よりも少なく、特に5%と15%との間にある。
【0011】
この文脈において、不活性という概念は、不活性材料と有り得べき反応物との間の化学平衡が緩やかに達成されるので、支配的な動作温度において蓄積構造の機能性に持続的な影響を及ぼす反応が起きないことを意味する。それは、蓄積材料と反応するガス状又は液状の反応物に対する不活性挙動を意味すると理解される。更に、これは、蓄積材料自体に対する不活性挙動を意味すると理解される。特に、不活性の蓄積材料として、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム又は酸化アルミニウムが使用される。
【0012】
蓄積構造の開放気孔率、即ち活性蓄積材料の粗粒子及び場合によっては不活性材料の粗粒子の間の空洞容積、は、15体積%と30体積%との間にある。
【0013】
この範囲にある開放気孔率は、一方において、単位体積当たり最大量の活性蓄積材料を収容するためには十分に小さく、他方において、ガス状の反応物を活性蓄積材料に向けて十分な高速度で移送するには十分に大きい。
【0014】
活性蓄積材料の粗粒子の形状は、有利には、非球形に形成されている。この場合に、粗粒子は、偏球形、長球形、小板状の形、針状の形又は管状の形で存在することが好ましい。というのは、このような非球形の、即ち球の形を有しない、粒子のモルフォロジーによって、粒子の表面積対体積比が大きくなるからである。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、活性蓄積材料は、酸化鉄の形で存在する。酸化鉄は、一般に蓄積構造の製造過程においてはFe
2O
3(酸化鉄(III))の形で存在し、蓄積セルの動作中には、一般に、鉄の酸化状態が変化し、このため、蓄積セルの動作は、化合物FeO(酸化鉄(II))及び/又は化合物Fe
3O
4(酸化鉄(II,III))について行なわれる。活性蓄積材料は、特に、鉄及び酸化鉄からなる酸化還元対の形で存在し、各成分の割合は、電気蓄積セルの充電状態に依存する。
【0016】
次の図面に基づいて、本発明の他の特徴及び他の利点を更に詳細に説明する。図面の説明は、本発明の例示的な実施形態であって、これらは保護範囲を限定するものではない。