特許第6203203号(P6203203)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203203
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】電気エネルギー蓄積セルの蓄積構造
(51)【国際特許分類】
   H01M 12/06 20060101AFI20170914BHJP
   H01M 12/08 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 4/38 20060101ALN20170914BHJP
   H01M 4/52 20100101ALN20170914BHJP
【FI】
   H01M12/06 D
   H01M12/08 K
   !H01M4/38 Z
   !H01M4/52
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-561444(P2014-561444)
(86)(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公表番号】特表2015-515089(P2015-515089A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】EP2013055187
(87)【国際公開番号】WO2013135790
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2014年11月20日
(31)【優先権主張番号】102012204170.2
(32)【優先日】2012年3月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】ランデス、ヘラルド
(72)【発明者】
【氏名】シュー、カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ゾラー、トーマス
【審査官】 太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−528419(JP,A)
【文献】 特表2004−507341(JP,A)
【文献】 特開2006−142275(JP,A)
【文献】 特開2005−026143(JP,A)
【文献】 特開平09−000894(JP,A)
【文献】 特開2011−018388(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0099882(US,A1)
【文献】 特開2011−253675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 12/00 − 16/00
H01M 4/90
H01M 4/38
H01M 4/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属−空気 電気エネルギー蓄積セルの負電極の一部としての蓄積構造であって、該蓄積構造が、鉄及び酸化鉄からなる酸化還元対を含んでなり、且つ、0.2μm以上のd値、0.3μmと1.5μmとの間にあるd50値、及び5μmよりも小さいd95値を示す粒子サイズ分布を有する蓄積材料を含んでなることを特徴する蓄積構造。
【請求項2】
前記蓄積材料内に、前記蓄積材料と反応するガス状又は液状の反応物に対して不活性な材料が、分散された形で存在し、10μmの最大粒子サイズを有することを特徴とする請求項1に記載の蓄積構造。
【請求項3】
前記蓄積構造が15%と30%との間の開放気孔率を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄積構造。
【請求項4】
前記不活性材料及び空洞を含めた前記蓄積材料の全体積における前記不活性材料の体積割合が50%よりも小さいことを特徴とする請求項2又は請求項2を引用する請求項3に記載の蓄積構造。
【請求項5】
前記蓄積材料の粒子が非球形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄積構造。
【請求項6】
前記酸化鉄がFeに由来するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄積構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性蓄積材料を含んでなる金属−空気 電気エネルギー蓄積セルの蓄積構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば再生可能エネルギー源から生じた余剰の電気エネルギーは、限られた範囲内でしか電力系統内に蓄積することができない。このことは、化石燃料発電所において該発電所が最適な経済負荷範囲で運転されているが、消費者によって電力系統からエネルギーが取り出されない場合に発生する余剰エネルギーについても当てはまる。これらの余剰エネルギーを大量に中間蓄積するために、種々の大規模蓄積装置が存在する。そのうちの1つが、例えば揚水貯蔵発電所である。電池分野においては、電気エネルギー蓄積手段のための一つの試みが、いわゆる再充電可能酸化物電池(ROB)、つまり高温金属−空気電池を使用することにあった。この電池の場合、金属に基づく蓄積媒体が電池の状態(充電及び放電)に応じて還元又は酸化される。蓄積媒体における多数のこれらの周期的な充電及び放電の過程、即ち酸化及び還元の過程で、この蓄積媒体において、通常、600℃と800℃との間にあるこの電池の比較的高い動作温度で、必要なミクロ構造、特に蓄積媒体の多孔構造が、焼結過程によって破壊される傾向にある。これは経年変化をもたらし、その後に電池の故障をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、従来技術に比べてより高度の長期耐久性を有し且つより多くの充放電過程サイクル回数に耐える電気エネルギー蓄積手段の蓄積セルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は活性蓄積材料(6)を含んでなる金属−空気 電気エネルギー蓄積セル(4)の蓄積構造であって、該活性蓄積材料(6)が、0.2μm以上のd値、0.3μmと1.5μmとの間にあるd50値、及び5μmよりも小さいd95値を示す粒子サイズ分布(19,20)を有することを特徴する蓄積構造によって解決される
【0005】
本発明による電気エネルギー蓄積セルの蓄積構造は、活性蓄積材料を含んでなり、この活性蓄積材料が、少なくとも0.1μmのd値を持つ粒子サイズ分布を有し、その粒子サイズ分布のd50値が0.1μmから1.5μmまでの間にあることを特徴とする。更に、この蓄積構造は、粒子サイズ分布のd95値が10μmよりも小さいことを特徴とする。この場合に、d50値の概念は、全粒子の50%が上記の値よりも小さいことであると理解される。同様に、d値は、5%の粒子が上記の値0.1μmよりも小さいことを意味し、d95値は、95%の粒子が上記の値10μmよりも小さいことを意味する。
【0006】
この場合に、上記の粒子サイズ分布は、蓄積構造のための活性蓄積材料の原材料の粒子サイズ分布である。完成された蓄積構造において、活性蓄積材料の個々の粗粒子は、圧縮された形又は予備焼結された形で存在し、従って顕微鏡的には集塊を形成し、場合によっては焼結ネック部とも呼ばれる接触領域では物質結合状態となる。それ故、個々の粗粒子は、温度処理によって、接触領域において拡散プロセスにより融合し、これによって個々の粒子は、より大きな粗粒子として顕微鏡的に視認可能となる。従って、活性蓄積材料の物質同定のために、原材料の粒子サイズ分布が使用される。この粒子サイズ分布は、たとえ物質接触面を有していても、完成した蓄積材料のマイクロ構造又は完成した蓄積構造において反映される。
【0007】
本発明の有利な実施形態では、活性蓄積材料の原材料の粒子サイズ分布は、d値が0.2μmよりも小さく、粒子サイズ分布のd50値が0.3μmと1.5μmとの間にあり、d95値が3μmよりも小さいという特徴を有する。
【0008】
請求された両実施形態において、比較的狭い粒子サイズ分布が重要であり、約1μm、即ち0.8μmと1.1μmとの間にある範囲を有するd50値は、十分に小さい範囲を構成するので、粒子がそれらの体積に対してできるだけ大きい表面積を有し、これにより、それらの粒子の説明すべき反応物との反応性が十分に大きくなる。他方において、このd50値は、600℃と800℃との間にあるエネルギー蓄積セルのプロセス温度で蓄積構造が作動させられる際に、必ずしも直ぐには焼結が起きないように、十分に大きく選ばれている。これは、粒子サイズ分布においてd50値がナノメータ領域の近くにある場合に生じるであろう。それ故、本発明によれば、まさに約1μmの領域のd50値が格別に有利であり、それに加えて、粒子サイズ分布全体が非常に狭くなければならず、そのためには、d値が0.1μmよりも小さくてはならず、本発明の更に有利な実施形態では0.2μmよりも小さくてはならないことが明らかになった。これは、使用される活性蓄積材料の粗粒子の95%が0.2μmよりも大きく、しかし、3μm又は10μmよりも小さいことを意味する。
【0009】
従って、上記のd50値を有する活性蓄積材料の粒子のこのような狭い分布構造は、十分に粒子が大きいので、ナノ粒子のように焼結が高められる傾向がないという効果をもたらし、他方では、粒子の平均値が十分に小さくて活性蓄積材料の個々の粗粒子の活性表面積が非常に大きいので、対応する化学プロセス、特に酸化還元プロセス、が非常に迅速に進行し、これによってエネルギー蓄積セルのサイクル時間が有利に短縮され、蓄積セルの能力が高められる。更に、場合によって原材料不純物又はプロセス混入物によってひき起こされるであろう不都合な影響を、活性蓄積材料の粗粒子の高い活性表面積によって最小化することができる。
【0010】
蓄積セル内において複数回繰り返される化学プロセス、特に酸化還元プロセス、における蓄積構造の焼結に対する安定性を更に改善するために、不活性材料が分散された形で活性蓄積材料の原材料の中に導入され、この不活性材料が、蓄積構造内において、微細に分散させられた形で活性蓄積材料の粗粒子間に存在するのが適切である。このような不活性材料は、同様に10μm、特に3μm、の最大粗粒子サイズを有する。このような不活性材料は、付加的に蓄積材料の焼結傾向を更に低減する支持構造の働きをする。蓄積材料における不活性材料の体積割合は、有利には、50%よりも少なく、特に5%と15%との間にある。
【0011】
この文脈において、不活性という概念は、不活性材料と有り得べき反応物との間の化学平衡が緩やかに達成されるので、支配的な動作温度において蓄積構造の機能性に持続的な影響を及ぼす反応が起きないことを意味する。それは、蓄積材料と反応するガス状又は液状の反応物に対する不活性挙動を意味すると理解される。更に、これは、蓄積材料自体に対する不活性挙動を意味すると理解される。特に、不活性の蓄積材料として、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム又は酸化アルミニウムが使用される。
【0012】
蓄積構造の開放気孔率、即ち活性蓄積材料の粗粒子及び場合によっては不活性材料の粗粒子の間の空洞容積、は、15体積%と30体積%との間にある。
【0013】
この範囲にある開放気孔率は、一方において、単位体積当たり最大量の活性蓄積材料を収容するためには十分に小さく、他方において、ガス状の反応物を活性蓄積材料に向けて十分な高速度で移送するには十分に大きい。
【0014】
活性蓄積材料の粗粒子の形状は、有利には、非球形に形成されている。この場合に、粗粒子は、偏球形、長球形、小板状の形、針状の形又は管状の形で存在することが好ましい。というのは、このような非球形の、即ち球の形を有しない、粒子のモルフォロジーによって、粒子の表面積対体積比が大きくなるからである。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、活性蓄積材料は、酸化鉄の形で存在する。酸化鉄は、一般に蓄積構造の製造過程においてはFe(酸化鉄(III))の形で存在し、蓄積セルの動作中には、一般に、鉄の酸化状態が変化し、このため、蓄積セルの動作は、化合物FeO(酸化鉄(II))及び/又は化合物Fe(酸化鉄(II,III))について行なわれる。活性蓄積材料は、特に、鉄及び酸化鉄からなる酸化還元対の形で存在し、各成分の割合は、電気蓄積セルの充電状態に依存する。
【0016】
次の図面に基づいて、本発明の他の特徴及び他の利点を更に詳細に説明する。図面の説明は、本発明の例示的な実施形態であって、これらは保護範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、電気蓄積セルの動作態様の概略図である。
図2図2は、圧縮された状態の蓄積構造のミクロ構造の概略図である。
図3図3は、焼結ネック結合部を有する、温度処理後の図2のミクロ構造及びその部分拡大図である。
図4図4は、粒子サイズ分布の2つの例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
先ず、図1を参照して、再充電可能な酸化物電池(ROB)の作動方法について、本発明の説明に必要であるかぎりにおいて、概略的に説明する。ROBは、通常、空気電極とも呼ばれる正電極21に、プロセスガス、特に空気、が、ガス供給管22を介して吹き込まれ、これにより空気から酸素が取り込まれるように構成されている。酸素は、酸素イオンO2−の形で、正電極に密着している固体電解質23を通って、蓄積電極とも呼ばれる負電極24に達する。従って、ここで負電極24、即ち蓄積電極、に活性蓄積材料の高密度層が存在するならば、電池の充電容量が速やかに使い果たされるであろう。
【0019】
この理由から、負電極には、エネルギー蓄積媒体として多孔材料からなる蓄積構造2を使用することが適切であり、この多孔材料は、機能的に作用する酸化可能な材料を、活性蓄積材料6として、好ましくは、鉄又は酸化鉄の形で含む。
【0020】
電池作動状態においてガス状である酸化還元対、例えばH/HO、を介して、固体電解質25を通して移送された酸素イオンが、活性蓄積材料6を含んでなる多孔蓄積構造2中の気孔通路17を通して、移送される。充電過程が存在するのか放電過程が存在するのかに応じて、金属又は金属酸化物(鉄/酸化鉄)が酸化又は還元され、このために必要とされる酸素が、ガス状の酸化還元対H/HOによって供給され、又は固体電解質に戻される。この機構は、シャトル機構と呼ばれる。
【0021】
酸化可能な材料、即ち活性蓄積材料6、としての鉄の利点は、鉄が酸化プロセスにおいて酸化還元対H/HOとほぼ同一の約1Vの開路電圧を有することにある。
【0022】
特に、固体電解質23を通した酸素イオンの拡散は、既述のROBにおいて、600〜800℃という高い動作温度を必要とする。この場合に、電極21及び24並びに電解質23の構造のみならず、活性蓄積材料6を含む蓄積構造2も、また、高い熱ストレスに曝される。酸化及び還元の連続サイクルにおいて、その活性蓄積材料は焼結する傾向があり、これは、個々の粗粒子が拡散プロセスにより、ますます互いに融合し、その結果として反応性の表面が小さくなって多孔構造が閉じてしまうことを意味する。閉じてしまった多孔構造の場合、酸化還元対H/HOは、もはや、活性蓄積材料6の活性表面に到達することができず、それによって電池容量が非常に急速に奪われる。
【0023】
ROBの一つの利点は、ROBが、最小単位、即ち蓄積セル、のおかげで、モジュール方式により殆ど無制限に拡張できることにある。それ故、静止形の自家用小型電池は、発電所エネルギー蓄積用の大規模設備と同様に実施することができる。
【0024】
図2及び図3には、蓄積構造のミクロ構造を例示して概略的に示す。図2には、活性蓄積材料6の小葉状の粗粒子14が圧縮された形で存在する。この種の蓄積構造は、例えば一軸圧縮成形法によって経費を掛けずに製造できる。しかし、基本的には、その他の成形法、例えば静水圧プレス法、熱間静水圧プレス法、スリップ鋳込法、沈降法、フィルム流延法及び積層法並びにスクリーンプリント法又は電気泳動堆積法又は押出法が適切である。図2において、活性蓄積材料6の粗粒子14は、単に圧縮された形で存在し、この場合には、個々の粗粒子14が機械的な絡み合いによって結びついている。
【0025】
活性蓄積材料6の粗粒子14の粒子サイズ分布19,20(図4参照)は、粗粒子(粒子)の半分が1μm未満の直径を有するように形成されている。従って、分布曲線19,20の50値、いわゆる50値、は1μmのところにある。これは、図2の上部、ミクロ構造の外側領域に1μmの尺度によって、単に図式的に示されている。粒子サイズ分布は、粗粒子の全て又は大部分ができるだけ等しい粗粒子サイズを有するように、できるだけ狭く選ばれている。これは、粗粒子の5%だけが200μmより小さいように、粗粒子サイズ分布が形成されていることによって明らかにされている。従って、値は200μmのところにある。
【0026】
更に、粗粒子は大きすぎてはならず、好ましくは、5%より多い粒子が3μmより大きくてはならない。およそ1μmほどのサイズレベルの粒子は、活性蓄積材料6として用いるに当たり、反応物H/HOとの良好な反応を保証するのに十分大きな表面積対体積比を有するという利点を有する。この表面積対体積比は、ナノメートル範囲の粒子の場合には、勿論、更に改善されるであろう。しかし、これらは直ぐに互いに焼結されて大きな粗粒子になり、これは、ガス透過性に持続的な影響を及ぼし又はガス透過性を完全に阻止し、更には活性蓄積材料と酸化還元対H/HOからなる反応物との反応停止をもたらすであろう。従って、蓄積セル4の動作能力が妨害されるであろう。
【0027】
図2による蓄積構造では、焼結傾向の低減のために、不活性粒子10が導入されており、これらの不活性粒子10は、できるだけ細かく分散させられて存在し、例えば酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の酸化物からなる。これらの不活性材料は、特に酸化鉄又は鉄に対して、そして反応物H/HOに対して、不活性である。不活性材料の成分は、この例では、全蓄積構造の体積の10%である。不活性の支持粒子10は、約700℃の動作温度において構造全体を支持する。
【0028】
図3には、別の蓄積構造2が示されている。この蓄積構造2は、既に温度処理を施されていて、これにより、活性蓄積材料6の個々の粗粒子14の間に拡散プロセスによって焼結ネック部16が形成されている。従って、個々の粗粒子14の間には、今や物質結合が存在する。この焼結ネック部16の形態の物質結合は、蓄積構造2の更なる安定化に役立つが、しかし未だ、それほど明確ではなく、個々の粗粒子14は、完全には互いに融合されておらず、それらの元の粗粒子構造を本質的に保持している。しかしながら、このような焼結は、蓄積構造2の機械的及び熱的な安定性を更に高めるのに適切である。図3に示す破線で書き込まれた円の部分拡大図において、焼結ネック部16及び不活性粒子10がもう一度よく視認でき、更に個々の粒子14がそれらの元の全体構造を保ち続けていることが明白である。
【0029】
図4には、しばしば発生する2つの粒子サイズ分布曲線が概略的に示されている。x軸には、それぞれの粒子直径が示され、y軸には、粒子の相対頻度が示されているが、これらは単に概略的に示されており、従って、数値は付されていない。対称的な度数分布である典型的なガウス分布19が破線で示されている。しかし、上記の蓄積構造2の用途にとっては、Lifshitz−Slyozov−Wagner(LSW)の理論に基づく非対称の粗粒子サイズ分布又は粒子サイズ分布が適切である。いわゆるLSW分布は、実際、相互の粒子反応に際してオスワルド成長が起きることの結果として生じ、従って、存在する粒子は、数回の温度処理サイクル後に小さい粒子を犠牲にして粒子粗大化する傾向がある。LSW分布20は、この効果に反している。
【符号の説明】
【0030】
2 蓄積構造
4 蓄積セル
6 蓄積材料
10 不活性粒子
14 個々の粗粒子(粒子)
16 焼結ネック部
19 粒子サイズ分布
20 粒子サイズ分布
21 正電極
22 ガス供給管
23 固体電解質
24 負電極
図1
図2
図3
図4