(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フロート弁と、このフロート弁を収納するケースと、このケースの少なくとも上部側を収納すると共に燃料タンク側への取り付け部を備えた外側部材とを有し、燃料タンクの通気流路の一部を構成する弁装置であって、
第一貫通穴が形成された前記ケースの天部と、
タンク外に連通される第二貫通穴が形成された前記外側部材の天部との間で、
前記第一貫通穴にはめ込まれて内部を前記第二貫通穴に連通させる筒状シール体の一部を挟持させると共に、
前記筒状シール体の下端が前記フロート弁の弁座となるようにしてなる、弁装置。
前記ケースを、外側筒体と、この外側筒体との間に隙間を形成してこの外側筒体に組み合わされる内側筒体とから構成させると共に、前記内側筒体の側部に貫通部を設け、かつ、この貫通部より上方に位置される外側筒体の上端部が前記隙間の開放端となるようにしてなる、請求項1又は請求項2に記載の弁装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の弁装置において、シール機能を備えたパーツを単一化して、この種の弁装置の構成部品点数の最小化、さらには低廉化を図る点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、弁装置を、フロート弁と、このフロート弁を収納するケースと、このケースの少なくとも上部側を収納すると共に燃料タンク側への取り付け部を備えた外側部材とを有し、燃料タンクの通気流路の一部を構成する弁装置であって、
第一貫通穴が形成された前記ケースの天部と、
タンク外に連通される第二貫通穴が形成された前記外側部材の天部との間で、
前記第一貫通穴にはめ込まれて内部を前記第二貫通穴に連通させる筒状シール体の一部を挟持させると共に、
前記筒状シール体の下端が前記フロート弁の弁座となるようにしてなる、ものとした。
【0007】
前記筒状シール体によって、外側部材の天部と筒状シール体との間、及び、筒状シール体とケースの天部との間を、気密状態にシールすることが可能となる。また、かかる弁装置にあっては、前記筒状シール体は、前記フロート弁の弁座を兼ねるものともなっている。これにより、シール機能を備えたパーツを一つの前記筒状シール体によって構成することができる。
【0008】
前記筒状シール体の一部を、前記ケースの天部と前記外側部材の天部との間に挟持される外鍔部とさせておくことが、この発明の好ましい態様の一つとされる。
【0009】
また、前記ケース及び前記外側部材のいずれか一方に、これらの他方に設けた係合穴に係合される係合爪を備えさせておくことが、この発明の好ましい態様の一つとされる。この場合さらに、前記係合爪を前記ケースの天部に設けると共に、前記係合穴を前記外側部材の天部に設けさせておくことが、この発明の好ましい態様の一つとされる。
【0010】
前記外側部材の天部に貫通部を設けると共に、前記ケースの側部に貫通部を設けさせるようにすれば、 これら貫通部を通じた流路は上下に蛇行したものとすることができ、前記弁座へのフロート弁の着座前の状態におけるタンク外への燃料の流出を可及的に防止することができる。
【0011】
また、前記ケースを、外側筒体と、この外側筒体との間に隙間を形成してこの外側筒体に組み合わされる内側筒体とから構成させると共に、前記内側筒体の側部に貫通部を設け、かつ、この貫通部より上方に位置される外側筒体の上端部が前記隙間の開放端となるようにすれば、かかる開放端、隙間、貫通部を通じた流路は上下に蛇行したものとすることができ、前記弁座へのフロート弁の着座前の状態におけるタンク外への燃料の流出を可及的に防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明にかかる弁装置にあっては、シール機能を備えたパーツを前記筒状シール体に単一化することができ、したがって、この発明は、この種の弁装置の構成部品点数の最小化、さらには低廉化に資するものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1〜
図13に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる弁装置は、自動車や二輪自動車などの燃料タンクに取り付けられて、かかる燃料タンクの通気流路1の一部をなすと共に、開弁状態において燃料タンク内外を連通させるように機能されるものである。
【0015】
(第一例)
図1〜
図9に示される弁装置(第一例)は、燃料タンク内に設けた図示しないブラケットを利用して、燃料タンクに備えられるようになっている。
【0016】
かかる弁装置は、フロート弁2と、これを収納するケース3と、このケース3を収納する外側部材4と、外側部材4の下端を塞ぐキャップ5とを備えている。かかるフロート弁2、ケース3、外側部材4、キャップ5は、典型的には、プラスチック製とされる。
【0017】
前記ケース3は、天部3aを有すると共にこの天部3aの中央に円形の第一貫通穴3bを有し、下端を開放させた実質的に円筒状を呈している。また、天部3aの外側には、上方に突き出す一対の板状突出部3c、3cが形成されている。一対の板状突出部3c、3cはその板面を向き合わせるように配されており、このように配される一対の板状突出部3c、3c間に前記第一貫通穴3bが形成されている。
【0018】
一方、前記外側部材4は、天部4aを有すると共にこの天部4aの中央に円形の第二貫通穴4bを有し、下端を開放させた実質的に円筒状を呈している。かかる第二貫通穴4bは、管一端4dを外側部材4の天部4bの上面側においてこの天部4bの中央に一体に連接させて横向きに延びると共に、管他端4eを前記通気流路1の一部をなす図示しない管体の一端への連結部とした管状をなす排気ポート4cを介して、タンク外に連通されるようになっている。外側部材4の天部4bであって、排気ポート4cの管一端4dを挟んだ両側にはそれぞれ、前記板状突出部3cを隙間少なく受入可能な係合穴3dが形成されている。また、外側部材4の天部4aと下端との間には、燃料タンク側への取り付け部4gが形成されている。図示の例では、かかる取り付け部4gは、前記ブラケットに整合する形状を備えており、前記排気ポート4cの左右にそれぞれ備えられている。この取り付け部4gの形状は前記ブラケットの形状に合わせて適宜変更される。また、外側部材4の下端側の側部の外面には、爪部4jが形成されている。
【0019】
かかるケース3と外側部材4とは、前記第一貫通穴3bが形成された前記ケース3の天部3aと、前記第二貫通穴4bが形成された前記外側部材4の天部4aとの間で、前記第一貫通穴3bにはめ込まれて内部を前記第二貫通穴4bに連通させる筒状シール体7の一部を挟持させるようにして、組み合わされるようになっている。
【0020】
前記筒状シール体7は、ゴム又はゴム状弾性を備えたプラスチックから構成される。図示の例では、かかる筒状シール体7は、筒上端に周回状をなす外鍔部7aを有している。この外鍔部7aの上面には、周回突条7bが形成されている。外鍔部7aの外径は前記第一貫通穴3bの穴径よりも大きい。筒状シール体7の外周部であって、その上下方向略中程の位置には、周回隆起部7cが形成されている。この周回隆起部7cと前記外鍔部7aとの間には前記ケース3の天部3aの厚さ相当分の間隔が形成されている。周回隆起部7cと筒状シール体7の筒下端との間には、この筒下端に近づくに連れて筒状シール体7の外径を小さくする周回傾斜面7dが形成されている。
【0021】
図示の例では、筒状シール体7は、その筒下端側を先にして上方から第一貫通穴3bにはめ込まれる。はめ込みきられた位置で、筒状シール体7の外鍔部7aはケース3の天部3aの外面に接し、前記周回隆起部7cはケース3の天部3aの内面に接する。
【0022】
このように第一貫通穴3bに筒状シール体7をはめ込んだ状態から、ケース3の天部3aに形成された一対の板状突出部3c、3cがそれぞれ、外側部材4の天部4aに形成された対応する係合穴3dにはまり込むように、外側部材4内に下方からケース3を入れ込むと、筒状シール体7の上端の直上に第二貫通穴4bが位置されると共に、ケース3の天部3aの外面と外側部材4の天部4aの内面であって前記第二貫通穴4bを巡る箇所によって筒状シール体7の外鍔部7aが挟持される。すなわち、図示の例では、前記ケース3と前記外側部材4との間に挟持される前記筒状シール体7の一部は、前記外鍔部7aとなっている。
【0023】
この実施の形態にあっては、かかる筒状シール体7の一部の挟持状態、つまり、前記ケース3と外側部材4との組み合わせ状態を、前記ケース3及び前記外側部材4のいずれか一方に、これらの他方に設けた係合穴3dに係合される係合爪3dを備えさせることで維持するようにしている。図示の例では、前記係合爪3dを前記ケース3の天部3aに設けると共に、前記係合穴3dを前記外側部材4の天部4aに設けている。かかる係合爪3dは、前記一対の板状突出部3c、3cにそれぞれ形成されている。一対の板状突出部3c、3cにはそれぞれ、割り溝3eが形成され、これにより区分された板状突出部3cの一部が、上端を弾性変形の中心となる基部とし下端を自由端とした弾性片3fとなっている。係合爪3dは、かかる弾性片3fにおける他方の板状突出部3cに向き合わない側に形成されている。弾性片3fの基部と係合爪3dの爪先までの間は下方に向かうにつれて外側に張り出す傾斜面3gとなっている。
【0024】
前記のように外側部材4内にケース3を入れ込むと、前記傾斜面3gにより弾性片3fを撓ませながら板状突出部3cは係合穴3dに受け入れられる。この受け入れの終了位置では、係合爪3dは外側部材4の天部4aの外面から突き出され、弾性復帰してかかる天部4bの外面に引っかかる。これにより、前記ケース3と外側部材4との組み合わせ状態が維持されるようになっている(
図1)。
【0025】
外側部材4の内径はケース3の外径よりも大きく、前記のように組み合わされた外側部材4の側部とケース3の側部との間には全周に亘って前記通気流路1の一部をなす隙間sが形成されるようになっている。
【0026】
フロート弁2は、フロート主体20と、このフロート主体20の上部に傾動可能に備えられた弁体21とを備えてなる。
【0027】
図示の例では、フロート主体20は、上端を実質的に閉塞し、内部に芯部20aを巡る環状空間20bを有し、この環状空間20bを下端側で開放させた円筒状を呈している。環状空間20bには、バネ上端をこの環状空間20bの内奥部に当接させ、かつ、バネ下端を前記キャップ5の底板5bに当接させて、フロート弁2に対し上方への一定の付勢力を常時作用させる圧縮コイルバネ6が納められるようになっている。
【0028】
弁体21は、以下の(1)〜(4)の各部を有している。
(1)前記フロート弁2の上昇時に前記第一貫通穴3bを閉塞するシール部21a
(2)前記フロート主体20の一部に対して引っかかって前記傾動の中心となる引っかかり部21b
(3)前記シール部21aの裏側において突出する当接部21c
(4)前記傾動時に前記筒状シール体7の下端に当接する支点部21d
【0029】
そして、この実施の形態にかかる弁装置にあっては、前記フロート主体20の上部に形成された被当接部20cへの前記傾動による当接部21cの当接によって、前記弁体21の水平方向への移動を生じさせさせるようにしている。
【0030】
キャップ5は、外側部材4の下端の外径と略等しい内径をを備えた短寸筒状部5aと、この短寸筒状部5aの筒下端を塞ぐ底板5bとを備えてなる。前記のように外側部材4に組み合わされたケース3の天部3a下にフロート弁2を納めた後、外側部材4の下端側をキャップ5内に入れ込みきると、外側部材4に形成された前記爪部4jがキャップ5の短寸筒状部5aに形成された係合窓5cに係合されて、かかるキャップ5により外側部材4及びケース3の下端が塞がれ、このキャップ5の前記底板5bによって下降位置にあるフロート弁2が支持されるようになっている。かかるキャップ5の底板5bの中央には貫通部5dが形成されている。
【0031】
以上のように、フロート弁2、ケース3、外側部材4、キャップ5を組み合わせることで、弁装置が構成される。かかる弁装置にあっては、ケース3の天部3aの内面から下方に突き出す前記筒状シール体7の下端が前記フロート弁2の弁座7eとなる。
【0032】
また、この実施の形態にあっては、前記外側部材4の天部4aに貫通部4kを設けると共に、前記ケース3の側部に貫通部3hを設けている。外側部材4の貫通部4kは、外側部材4の天部4aの外周部に複数形成されている。各外側部材4の貫通部4kは前記外側部材4とケース3との間の前記隙間sにそれぞれ連通した外側部材4の周方向に長い長穴状を呈している。ケース3の貫通部3hは、ケース3の側部に複数形成されている。各ケース3の貫通部3hは、上下方向に長い長穴状を呈している。
【0033】
フロート弁2がその下端を前記キャップ5に接しさせた下降位置にあるとき、タンク内外は、前記外側部材4の貫通部4k、ケース3の貫通部3h、筒状シール体7、第二貫通穴4b、排気ポート4cを通じて連絡可能とされる。外側部材4の貫通部4kはその天部4aに形成され、ケース3の貫通部3hはその側部に形成されることから、これら貫通部3h、4kを通じた流路は上下に蛇行したものとなり、前記弁座7eへのフロート弁2の着座前の状態におけるタンク外への燃料の流出は可及的に防止される。ケース3内に燃料が流入されるとこのケース3内に臨んだ前記筒状シール体7の筒下端を弁座7eとして、フロート弁2はその上部に備えられた弁体21をこの弁座7eに着座させる位置まで上昇される。これによりタンク内外の前記連絡が遮断される。燃料がケース3内から流出されるとフロート弁2は再び下降しタンク内外は弁装置を介して再び連絡可能とされる。
【0034】
この実施の形態にかかる弁装置にあっては、前記筒状シール体7によって、外側部材4の天部4aと筒状シール体7との間、及び、筒状シール体7とケース3の天部3aとの間を、気密状態にシールすることが可能となる。図示の例では、前記挟持により、筒状シール体7の外鍔部7aが弾性変形された状態で外側部材4の天部4aの第二貫通穴4bの穴縁部及びケース3の天部3aの第一貫通穴3bの穴縁部に圧接され、弁装置とタンク外との間の通気は筒状シール体7の内部を通じてのみなされるようになっている。また、この実施の形態にかかる弁装置にあっては、前記筒状シール体7は、前記フロート弁2の弁座7eを兼ねるものともなっている。これにより、この実施の形態にかかる弁装置は、シール機能を備えたパーツを一つの前記筒状シール体7によって構成することができ、この種の弁装置の構成部品点数の最小化、さらには低廉化に資するものとなっている。
【0035】
ケース3内への燃料の流入時にはこれにより上昇されるフロート弁2の弁体21のシール部21aによって筒状シール体7の下端、つまり、弁座7eは閉塞されタンク外への燃料の流入は阻止される。ケース3内から燃料が流出されるとフロート弁2は下降可能となるところ、フロート主体20と弁体21とは前記引っかかり部21b側で連係され支点部21d側では連係されていないことから、弁体21は支点部21dを筒状シール体7の下端に当接させてこの当接箇所を支点として引っかかり部21b側を傾斜下とするように傾動する。それと共に、弁体21は、前記傾動により当接部21cを被当接部20cに接しさせるところ、被当接部20cの水平方向の位置は変わらないことから、前記傾動をしながら水平方向に移動される。これにより、タンク内が高圧である場合であっても、また、前記筒状シール体7とシール部21aとが密着し易い材料からなる場合であっても、前記筒状シール体7とシール部21aとの離弁、つまり、弁装置のスムースな開弁が実現される。
【0036】
(第二例)
図9〜
図13に示される弁装置(第二例)は、燃料タンクTの上部に取り付けられるようになっている。この弁装置は、燃料タンクTの上部に形成された取付用穴Taを塞ぐ大きさの外側部材40と、この取付用穴Taを通じて燃料タンクT内に挿入可能なケース30とを備えており、かかるケース30を燃料タンクT内に挿入した状態で燃料タンクTの上部の外面に外側部材40の外周部を溶着などによって固着させて、燃料タンクTに備えられるようになっている(
図11)。
【0037】
かかる弁装置は、フロート弁2と、これを収納するケース30と、このケース30の上部側を収納する外側部材40とを備えている。かかるフロート弁2、ケース30、外側部材40は、典型的には、プラスチック製とされる。
【0038】
前記ケース30は、外側筒体31と、この外側筒体31との間に隙間Sを形成してこの外側筒体31に組み合わされる内側筒体32とから構成されている。
【0039】
外側筒体31は、底部31aを有すると共に、この底部31aの中央に円形の貫通穴31bを備え、上端を開放させた実質的に円筒状を呈している。外側筒体31の上端部には、この外側筒体31の筒軸を巡る向きに間隔を開けて、複数の凹欠部31c、31c…が形成されており、外側筒体31の上端部は王冠状となっている。外側筒体31の隣り合う凹欠部31c、31c間に残された突片状部31dには、係合窓31eが形成されている。
【0040】
一方、内側筒体32は、天部
32aを有すると共に、この天部
32aの中央に円形の第一貫通穴32bを有し、下端を開放させた実質的に円筒状を呈している。内側筒体32の側部には、前記外側部材40の係合部41dに対する被係合部32cと、貫通部32fと、前記外側筒体31の係合窓31eに対する係合突起32gとが形成されている。
【0041】
被係合部32cは、図示の例では、内側筒体32の筒軸を巡る向きにおいて隣り合う被係合部32cとの間に間隔を開けて、四箇所設けられている。各被係合部32cはそれぞれ、下端を内側筒体32の外面に一体に連接させると共に、この外面との間に隙間を開けて上方に延びる一対の腕部32d、32dと、この一対の腕部32d、32dの上端間に亘る架橋部32eとを備えてなる。
【0042】
貫通部32fは、図示の例では、内側筒体32の内外を貫通する方形の穴であって、隣り合う前記被係合部32c、32cの間にそれぞれ形成されている。
【0043】
係合突起32gは、図示の例では、内側筒体32の外面から突出しており、前記貫通部32fの直上にそれぞれ設けられている。
【0044】
一方、前記外側部材40は、図示の例では、上端を閉塞させると共に、下端を開放させた短寸筒状部41と、この短寸筒状部41の下端から外側に張り出すフランジ部42とを備えている。
【0045】
短寸筒状部41は前記上端、すなわち、天部41aを有すると共に、この天部41aの中央に円形の第二貫通穴41bを有している。かかる第二貫通穴41bは、管一端を外側部材40の天部41bの上面側においてこの天部41bの中央に一体に連接させて横向きに延びると共に、管他端を前記通気流路1の一部をなす管体Pの一端への連結部とした管状をなす排気ポート41cを介して、タンク外に連通されるようになっている。
【0046】
外側部材40の短寸筒状部41の下端には、上端をこの下端に一体に連接させて下方に突き出す弾性片41eと、この弾性片41eの下端外側に形成された突起41fとからなる係合部41dが形成されている。図示の例では、係合部41dは、前記被係合部32cに対応して、外側部材40の短寸筒状部41の筒軸を巡る向きにおいて隣り合う係合部41dとの間に間隔を開けて、四箇所に設けられている。
【0047】
前記外側筒体31と内側筒体32とは、外側筒体31の底部31aに内側筒体32の下端が突き当たる位置まで、内側筒体32の下端を先にして外側筒体31の上端側より外側筒体31内に内側筒体32を挿入することにより組み合わされるようになっている。かかる挿入の過程において各前記突片状部31dはそれぞれ、隣り合う被係合部32c、32c間に位置される貫通部32fの直上に位置される対応する係合突起32gに当たって外向きに弾性変形すると共に、内側筒体32を挿入しきった位置で弾性復帰して前記係合突起32gを窓穴31eに受入しこれに係合するようになっている。
【0048】
このように組み合わされる外側筒体31と内側筒体32との間には、ケース30の筒軸を巡るように隙間Sが形成されるようになっている。また、外側筒体31の上端部31f(前記突片状部31dの基部のレベル)は、内側筒体32の上端よりも下方で、かつ、前記貫通部32fより上方に位置される。それと共に、前記隙間Sとケース30の外側とは外側筒体31の上端部31fを開放端として連通されるようになっている。
【0049】
このように構成されるケース30と外側部材40とは、前記第一貫通穴32bが形成された前記ケース30を構成する内側筒体32の天部32aと、前記第二貫通穴41bが形成された前記外側部材40の天部41aとの間で、前記第一貫通穴32bにはめ込まれて内部を前記第二貫通穴41bに連通させる筒状シール体7の一部を挟持させるようにして、組み合わされるようになっている。
【0050】
前記筒状シール体7は、前記第一例と同様にゴム又はゴム状弾性を備えたプラスチックから構成される。図示の例では、かかる筒状シール体7は、筒上端に周回状をなす外鍔部7aを有している。この外鍔部7aの上面には、周回突条7bが形成されている。外鍔部7aの外径は前記第一貫通穴32bの穴径よりも大きい。筒状シール体7の外周部であって、その上下方向略中程の位置には、周回隆起部7cが形成されている。この周回隆起部7cと前記外鍔部7aとの間には前記ケース30を構成する内側筒体32の天部32aの厚さ相当分の間隔が形成されている。周回隆起部7cと筒状シール体7の筒下端との間には、この筒下端に近づくに連れて筒状シール体7の外径を小さくする周回傾斜面7dが形成されている。
【0051】
図示の例では、筒状シール体7は、その筒下端側を先にして上方から第一貫通穴32bにはめ込まれる。はめ込みきられた位置で、筒状シール体7の外鍔部7aはケース30を構成する内側筒体32のの天部32aの外面に接し、前記周回隆起部7cはかかる内側筒体32の天部32aの内面に接する。
【0052】
このように第一貫通穴32bに筒状シール体7をはめ込んだ状態から、ケース30を構成する内側筒体32の各被係合部32cの内側にそれぞれ、外側部材40の係合部41dが入り込むように、外側部材40の短寸筒状部41内に下方から内側筒体32の上端側を入れ込むと、筒状シール体7の上端の直上に第二貫通穴41bが位置されると共に、ケース30を構成する内側筒体32の天部32aの外面と外側部材40の天部41aの内面であって前記第二貫通穴41bを巡る箇所によって筒状シール体7の外鍔部7aが挟持される。すなわち、図示の例では、前記ケース30と前記外側部材40との間に挟持される前記筒状シール体7の一部は、前記外鍔部7aとなっている。
【0053】
この実施の形態にあっては、かかる筒状シール体7の一部の挟持状態、つまり、前記ケース30と外側部材40との組み合わせ状態を、前記被係合部32cに前記係合部41dを係合させることで維持するようにしている。前記のように外側部材40内にケース30を入れ込むと、前記突起41fが被係合部32cの架橋部32eに当たって弾性片41e及び腕部32dは弾性変形してこの入れ込みが許容され、そして、この入れ込みが終了すると架橋部32e下に突起41fが入り込むと共に弾性片41e及び腕部32dは弾性復帰して架橋部32eに突起41fが引っかかる。これにより、前記ケース30と外側部材40との組み合わせ状態が維持されるようになっている(
図11)。
【0054】
この第二例のフロート弁2及びバネ6は、前記第一例のフロート弁2及びバネ6と実質的に同一の構成であり、前記のように外側筒体31と内側筒体32とを組み合わせるに先立って内側筒体32内に納められる。かかるフロート弁2及びバネ6の説明は第一例を示した図面においてフロート弁2及びバネ6に付した符号と同一の符号を第二例を示した図面に付してその説明は省略する。
【0055】
このようにフロート弁2及びバネ6を納めたケース30を外側部材40に組み合わせることで、弁装置が構成される。かかる弁装置にあっては、ケース30を構成する内側筒体32の天部32aの内面から下方に突き出す前記筒状シール体7の下端が前記フロート弁2の弁座7eとなる。
【0056】
フロート弁2がその下端を前記内側筒体32の底部に接しさせた下降位置にあるとき、タンク内外は、前記隙間Sの開放端(外側筒体31の上端部31f)、内側筒体32の貫通部32f、筒状シール体7、第二貫通穴41b、排気ポート41cを通じて連絡可能とされる。前記開放端(外側筒体31の上端部31f)は内側筒体32の貫通部32fより上方に位置され、内側筒体32の貫通部32fは内側筒体32の側部に形成されることから、かかる開放端(外側筒体31の上端部31f)、隙間S、貫通部32fを通じた流路は上下に蛇行したものとなり、前記弁座7eへのフロート弁2の着座前の状態におけるタンク外への燃料の流出は可及的に防止される。ケース30内に燃料が前記外側筒体31の底部31aの貫通穴31bを通じて流入されるとこのケース30内に臨んだ前記筒状シール体7の筒下端を弁座7eとして、フロート弁2はその上部に備えられた弁体21をこの弁座7eに着座させる位置まで上昇される。これによりタンク内外の前記連絡が遮断される。燃料がケース30内から流出されるとフロート弁2は再び下降しタンク内外は弁装置を介して再び連絡可能とされる。
【0057】
この実施の形態にかかる弁装置にあっては、前記筒状シール体7によって、外側部材40の天部41aと筒状シール体7との間、及び、筒状シール体7とケース30を構成する内側筒体32の天部32aとの間を、気密状態にシールすることが可能となる。図示の例では、前記挟持により、筒状シール体7の外鍔部7aが弾性変形された状態で外側部材40の天部41aの第二貫通穴41bの穴縁部及びケース30を構成する内側筒体32の天部32aの第一貫通穴32bの穴縁部に圧接され、弁装置とタンク外との間の通気は筒状シール体7の内部を通じてのみなされるようになっている。また、この実施の形態にかかる弁装置にあっては、前記筒状シール体7は、前記フロート弁2の弁座7eを兼ねるものともなっている。これにより、この実施の形態にかかる弁装置は、シール機能を備えたパーツを一つの前記筒状シール体7によって構成することができ、この種の弁装置の構成部品点数の最小化、さらには低廉化に資するものとなっている。
【0058】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施形態を含むものである。