特許第6203211号(P6203211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203211
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】可搬式エンジン作業機の盗難防止装置
(51)【国際特許分類】
   F02B 63/00 20060101AFI20170914BHJP
   F02B 77/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F02B63/00 B
   F02B63/00 C
   F02B77/00 E
   F02B77/00 C
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-80745(P2015-80745)
(22)【出願日】2015年4月10日
(65)【公開番号】特開2016-200064(P2016-200064A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109819
【氏名又は名称】デンヨー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100963
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 陽男
(72)【発明者】
【氏名】尾鷲 真一
(72)【発明者】
【氏名】李 聖規
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−068604(JP,A)
【文献】 特開2005−325844(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3089170(JP,U)
【文献】 特開2003−254080(JP,A)
【文献】 特開2010−242717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 63/00
F02B 77/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、該エンジンにより駆動される作業機と、前記エンジン及び前記作業機を覆う筐体と、該筐体のルーフに形成した溝状の凹部の両側壁間に掛け渡した棒状の吊り金具とを備えた可搬式エンジン作業機の前記吊り金具を、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とを対向させて箱状に覆うようにした可搬式エンジン作業機の盗難防止装置であって、
前記第1の閉塞部材は、金属板をクランク状に折り曲げて、上端部で前記第2の閉塞部材の方向に延びる天板と、該天板の後端縁から折れ曲がって下方に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、前記天板及び前記邪魔板の両側縁からそれら天板及び邪魔板に対して直角方向に延びる側面板を形成し、該側面板の前記邪魔板とは反対側の端縁中間部には前記吊り金具の外周に沿うように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、前記両側面板の内の一方の下部内面に係合片を設けたものであり、
前記第2の閉塞部材は、金属板をクランク状に折り曲げて、上端部で前記第1の閉塞部材の方向に延びる天板と、該天板の後端縁から折れ曲がって下方に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、前記天板及び前記邪魔板の両側縁からそれら天板及び邪魔板に対して直角方向に延びる側面板を形成し、該側面板の前記邪魔板とは反対側の端縁中間部には前記第1の閉塞部材の吊り金具受部と対向して前記吊り金具の外周を円状に取り囲むように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、前記両側面板の内の前記第1の閉塞部材の前記係合片を設けた側の邪魔板下部にシリンダ錠を設け、該シリンダ錠により操作され、前記第1の閉塞部材の前記係合片と係合する係合片とを設けたものであり、
前記第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の内側同士を対向させて、両者の前記天板の対向縁間を枢着部で回動可能に連結したことを特徴とする可搬式エンジン作業機の盗難防止装置。
【請求項2】
エンジンと、該エンジンにより駆動される作業機と、前記エンジン及び前記作業機を覆う筐体と、該筐体のルーフに形成した溝状の凹部の両側壁間に掛け渡した棒状の吊り金具とを備えた可搬式エンジン作業機の前記吊り金具を、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とを対向させて箱状に覆うようにした可搬式エンジン作業機の盗難防止装置であって、
前記第1の閉塞部材は、金属板を折り曲げ、上下方向に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、前記邪魔板の両側縁から、前記フランジ部とは反対方向で前記邪魔板に対して直角方向に延び、上縁が水平面に対して45度の角度で前記邪魔板の上端部から斜め下方に延びるようにして側面板を形成し、該側面板の上縁中間部には前記吊り金具の外周に沿うように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、前記両側面板の内の一方の下部内面に係合片を設けたものであり、
前記第2の閉塞部材は、金属板をクランク状に折り曲げ、上端部で前記第1の閉塞部材の方向に延びる天板と、該天板の後端縁から折れ曲がって下方に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、前記天板及び前記邪魔板の両側縁から、前記天板及び邪魔板に対して直角方向に延び、下縁が水平面に対して45度の角度で前記天板の先端部から斜め下方に延びるようにして側面板を形成し、該側面板の下縁中間部には前記第1の閉塞部材の吊り金具受部と対向して前記吊り金具の外周を円状に取り囲むように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、前記両側面板の内の前記第1の閉塞部材の前記係合片を設けた側の邪魔板下部にシリンダ錠を設け、該シリンダ錠により操作され、前記第1の閉塞部材の前記係合片と係合する係合片とを設けたものであり、
前記第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の内側同士を対向させて、前記第1の閉塞部材の前記邪魔板の上縁部と、前記第2の閉塞部材の天板の対向縁との間を枢着部で回動可能に連結したことを特徴とする可搬式エンジン作業機の盗難防止装置。
【請求項3】
前記第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の邪魔板の外面に取手を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の可搬式エンジン作業機の盗難防止装置。
【請求項4】
前記枢着部は蝶番であり、前記第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の天板の互いに対向する側の縁を切り欠いて蝶番受部を形成し、前記蝶番を、軸部が前記蝶番受部の中に収納されるようにして前記天板に対して下側から当接して取り付けたことを特徴とする請求項1又は3に記載の可搬式エンジン作業機の盗難防止装置。
【請求項5】
前記枢着部は蝶番であり、前記第1の閉塞部材の邪魔板と第2の閉塞部材の天板の互いに対向する側の縁を切り欠いて蝶番受部を形成し、前記蝶番を、軸部が前記蝶番受部の中に収納されるようにして前記天板に対して下側から当接して取り付けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の可搬式エンジン作業機の盗難防止装置。
【請求項6】
前記蝶番は、特殊な工具を用いて着脱を行うことができる特殊ネジにより取り付けたことを特徴とする請求項4又は5に記載の可搬式エンジン作業機の盗難防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外の工事現場等において使用される、エンジン駆動式の発電機,溶接機,コンプレッサのような可搬式エンジン作業機の盗難防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
可搬式エンジン作業機は、エンジンより発生する騒音を抑制するため、エンジン及び発電機,溶接機,コンプレッサ等の作業機を金属製の筐体で覆っている。そのような可搬式エンジン作業機は、工事現場を移動する際に便利なように、作業機のほぼ重心位置の筐体ルーフに吊り金具やロープ掛け金具を設け、それらにクレーンのフックやワイヤロープ等を掛けて作業機を吊り上げて移動させることができるようにしている。
【0003】
図13は、可搬式エンジン作業機の一例を示す図で、図13(A)は平面図、図13(B)は側面図である。図13において、1は作業機筐体のルーフ、2はルーフ1の上面に設けた溝状の凹部、3は凹部2の中央部に掛け渡すように設けられた棒状の吊り金具、4は凹部2と連通する角部開口部、5は角部開口部4に掛け渡すように設けられたロープ掛け金具、6はドアである。
【0004】
吊り金具3は、作業機のほぼ重心位置に設けられており、工事現場を移動する際には、吊り金具3にクレーンのフックを掛けて吊り上げることにより、作業機を容易にトラック等に載せ、移動させることができる。また、作業機をトラック等に載せて移動させる際に、ロープ掛け金具5にロープを掛けて作業機を荷台に固定できるようにしている。
【0005】
一方、そのように吊り金具3にクレーンのフックを掛けて吊り上げることにより作業機を簡単に移動できることから、クレーン付きのトラックさえあれば、他人が工事現場から作業機を持ち去ることができ、実際にそのようにした盗難事件が多発している。また、吊り金具3にクレーンのフックを掛けなくても、ロープ掛け金具5にワイヤロープを掛ければ、作業機を持ち上げてトラック等に載せ、持ち去ることもできる。
【0006】
そこで、従来から、他人が勝手に吊り金具3にクレーンのフックを掛けたり、ロープ掛け金具5にワイヤロープを掛けたりできないようにした盗難防止装置が開発されている。例えば、図14に示すように、作業機筐体のルーフ1に設けた凹部2の側縁に閉塞部材7を蝶番7a,7aで取り付け、その閉塞部材7で両側の角部開口部4,4と凹部2の上部とを覆い、シリンダ錠7bによってロックするようにした盗難防止装置が開発されている。そのようにすれば、吊り金具3とロープ掛け金具5が閉塞部材7により覆われるため、他人が勝手に吊り金具3にクレーンのフックを掛けたり、ロープ掛け金具5にワイヤロープを掛けたりできなくなる。
【0007】
しかし、そのような閉塞部材7はサイズが大きく、重量も重くなって、着脱作業に手間がかかる上、コストも高くなってしまう。
【0008】
そこで、例えば特許文献1に示されるように、吊り金具3とロープ掛け金具5とを個別に閉塞部材で覆うようにしたものが開発されている。図15は、吊り金具3とロープ掛け金具5とを個別に閉塞部材で覆うようにした従来の盗難防止装置を示す図である。符号2,3は、図13のものに対応している。
【0009】
図15(A)に示す盗難防止装置は、吊り金具3に閉塞部材8を装着して覆い、ピン8cと南京錠8dでロックするようにしている。閉塞部材8は、断面が略逆U字状に形成さ
れ、吊り金具3を挟む一対の邪魔板8a,8aの下端を外側に折り曲げて、閉塞部材8の回り止めをするフランジ部8b,8bが形成されている。そして、邪魔板8a,8aにはピン8cを通す孔が形成されていて、閉塞部材8を吊り金具3に装着後、前記孔にピン8cを挿通し、ピン8cの先端に設けた孔に南京錠8dを通して施錠する。また、ルーフ1の凹部2の両側にあるロープ掛け金具5,5にも同様な閉塞部材を装着する。
【0010】
この盗難防止装置によれば、邪魔板8a,8aにより吊り金具3にクレーンのフックを掛けることができなくなり、ロープ掛け金具5,5にもワイヤロープを掛けることができなくなって、可搬式エンジン作業機の盗難を防止することができる。
【0011】
図15(B)に示す盗難防止装置は、吊り金具3に閉塞部材9を装着して覆い、鍵部材9dとキー9f,シリンダ錠9gでロックするようにしている。閉塞部材9は、断面が略コの字状に形成され、吊り金具3を挟む一対の邪魔板9a,9aの下端を外側に折り曲げて、閉塞部材9の回り止めをするフランジ部9b,9bが形成されている。そして、両邪魔板9a,9aには平板状の鍵部材9dを通す孔が形成されていて、閉塞部材9を吊り金具3に装着後、前記孔に鍵部材9dを挿通し、鍵部材9dの基部に設けたスリット9hにシリンダ錠9gで操作されるキー9fを通して施錠する。さらに、図示はしないが、鍵部材9dの先端部に設けた孔9eに南京錠を挿入しても施錠可能にしている。
【0012】
なお、閉塞部材9の上部内側には、閉塞部材9の内面と吊り金具3との間の隙間を狭くして、遊びを少なくするためのスペーサ9c,9cを、吊り金具3と直交する方向に設けている。また、凹部2の両側にあるロープ掛け金具5,5にも同様な閉塞部材を装着する。
【0013】
この盗難防止装置によっても、邪魔板9a,9aにより吊り金具3にクレーンのフックを掛けることができなくなり、ロープ掛け金具5,5にもワイヤロープを掛けることができなくなって、可搬式エンジン作業機の盗難を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−214174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記従来の可搬式エンジン作業機の盗難防止装置の内、図15(A)に示す盗難防止装置は、閉塞部材8とピン8cと南京錠8dとにより構成されており、また、図15(B)に示す盗難防止装置は、閉塞部材9と鍵部材9dと南京錠とにより構成されているというように、いずれも複数の部品により構成されている。そのため、上記従来の可搬式エンジン作業機の盗難防止装置には、一つの構成部品を紛失すると機能を果たせなくなり、部品の管理が負担になるという問題点があった。
【0016】
さらに、図15(A)に示す盗難防止装置の邪魔板8a,8aは、単なる板状体であるため横からの外力により内側に曲がって変形しやすく、また、図15(B)に示す盗難防止装置の邪魔板9a,9aは、上部はスペーサ9cにより補強されているが、下部にはそのような補強体がないため横からの外力により内側に曲がって変形しやすいという問題点もあった。
【0017】
本発明は、そのような問題点に鑑み、小型にできて着脱作業に手間がかからないように、吊り金具3やロープ掛け金具5に対して個別に盗難防止処置を施しながら、盗難防止装置を単品で構成して管理を容易にし、かつ変形しにくくすることを目的とするものである
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するため、本願の請求項1にかかる発明は、エンジンと、該エンジンにより駆動される作業機と、前記エンジン及び前記作業機を覆う筐体と、該筐体のルーフに形成した溝状の凹部の両側壁間に掛け渡した棒状の吊り金具とを備えた可搬式エンジン作業機の前記吊り金具を、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とを対向させて箱状に覆うようにした可搬式エンジン作業機の盗難防止装置であって、前記第1の閉塞部材は、金属板をクランク状に折り曲げて、上端部で前記第2の閉塞部材の方向に延びる天板と、該天板の後端縁から折れ曲がって下方に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、前記天板及び前記邪魔板の両側縁からそれら天板及び邪魔板に対して直角方向に延びる側面板を形成し、該側面板の前記邪魔板とは反対側の端縁中間部には前記吊り金具の外周に沿うように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、前記両側面板の内の一方の下部内面に係合片を設けたものであり、前記第2の閉塞部材は、金属板をクランク状に折り曲げて、上端部で前記第1の閉塞部材の方向に延びる天板と、該天板の後端縁から折れ曲がって下方に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、前記天板及び前記邪魔板の両側縁からそれら天板及び邪魔板に対して直角方向に延びる側面板を形成し、該側面板の前記邪魔板とは反対側の端縁中間部には前記第1の閉塞部材の吊り金具受部と対向して前記吊り金具の外周を円状に取り囲むように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、前記両側面板の内の前記第1の閉塞部材の前記係合片を設けた側の邪魔板下部にシリンダ錠を設け、該シリンダ錠により操作され、前記第1の閉塞部材の前記係合片と係合する係合片とを設けたものであり、前記第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の内側同士を対向させて、両者の前記天板の対向縁間を枢着部で回動可能に連結したことを特徴とする。
【0019】
また、本願の請求項2にかかる発明は、エンジンと、該エンジンにより駆動される作業機と、前記エンジン及び前記作業機を覆う筐体と、該筐体のルーフに形成した溝状の凹部の両側壁間に掛け渡した棒状の吊り金具とを備えた可搬式エンジン作業機の前記吊り金具を、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とを対向させて箱状に覆うようにした可搬式エンジン作業機の盗難防止装置であって、前記第1の閉塞部材は、金属板を折り曲げ、上下方向に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、前記邪魔板の両側縁から、前記フランジ部とは反対方向で前記邪魔板に対して直角方向に延び、上縁が水平面に対して45度の角度で前記邪魔板の上端部から斜め下方に延びるようにして側面板を形成し、該側面板の上縁中間部には前記吊り金具の外周に沿うように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、前記両側面板の内の一方の下部内面に係合片を設けたものであり、前記第2の閉塞部材は、金属板をクランク状に折り曲げ、上端部で前記第1の閉塞部材の方向に延びる天板と、該天板の後端縁から折れ曲がって下方に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、前記天板及び前記邪魔板の両側縁から、前記天板及び邪魔板に対して直角方向に延び、下縁が水平面に対して45度の角度で前記天板の先端部から斜め下方に延びるようにして側面板を形成し、該側面板の下縁中間部には前記第1の閉塞部材の吊り金具受部と対向して前記吊り金具の外周を円状に取り囲むように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、前記両側面板の内の前記第1の閉塞部材の前記係合片を設けた側の邪魔板下部にシリンダ錠を設け、該シリンダ錠により操作され、前記第1の閉塞部材の前記係合片と係合する係合片とを設けたものであり、前記第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の内側同士を対向させて、前記第1の閉塞部材の前記邪魔板の上縁部と、前記第2の閉塞部材の天板の対向縁との間を枢着部で回動可能に連結したことを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1又は2にかかる発明において、前記第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の邪魔板の外面に取手を設けたことを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1又は3にかかる発明において、前記枢着部は蝶番であり、前記第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の天板の互いに対向する側の縁を切り欠いて蝶番受部を形成し、前記蝶番を、軸部が前記蝶番受部の中に収納されるようにして前記天板に対して下側から当接して取り付けたことを特徴とする。
【0022】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項2又は3にかかる発明において、前記枢着部は蝶番であり、前記第1の閉塞部材の邪魔板と第2の閉塞部材の天板の互いに対向する側の縁を切り欠いて蝶番受部を形成し、前記蝶番を、軸部が前記蝶番受部の中に収納されるようにして前記天板に対して下側から当接して取り付けたことを特徴とする。
【0023】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項4又は5にかかる発明において、前記蝶番は、特殊な工具を用いて着脱を行うことができる特殊ネジにより取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1にかかる発明においては、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材として、金属板をクランク状に折り曲げて、上端部の天板と、該天板の後端縁から折れ曲がって下方に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、そのような第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とを対向させて吊り金具を箱状に覆い、前記第2の閉塞部材に設けたシリンダ錠により操作される係合片を、前記第1の閉塞部材に設けた係合片と係合させるようにしたので、第三者が、吊り金具にクレーンのフックやワイヤロープを掛けるのを阻止できる。また、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の天板及び邪魔板の両側縁からそれら天板及び邪魔板に対して直角方向に延びる側面板を設け、それらの対向端縁中間部に、吊り金具の外周を円状に取り囲むように、それぞれ半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、該吊り金具受部で吊り金具の全周を包囲して係止するようにしたので、閉塞部材を上方や側方に引き外そうとしてもそれを阻止できる。また、対向する邪魔板間に外力が加わっても側面板により補強されているため変形しにくくなる。また、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材を180°開くと両者の天板同士が当接するためそれ以上屈曲されず変形しにくくなる。さらに、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とを枢着部で回動可能に連結したので、着脱作業に手間がかからず、しかも装置が一部品で構成されて管理が容易になる。
【0025】
また、請求項2にかかる発明においては、第1の閉塞部材として、金属板を折り曲げ、上下方向に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、第2の閉塞部材として、金属板をクランク状に折り曲げて、上端部の天板と、該天板の後端縁から折れ曲がって下方に延び、前記凹部の断面を塞ぐ形状に形成された邪魔板と、該邪魔板の下端縁から水平方向外側に延びるフランジ部とを形成し、そのような第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とを対向させて吊り金具を箱状に覆い、前記第2の閉塞部材に設けたシリンダ錠により操作される係合片を、前記第1の閉塞部材に設けた係合片と係合させるようにしたので、第三者が、吊り金具にクレーンのフックやワイヤロープを掛けるのを阻止できる。また、第1の閉塞部材の邪魔板の両側縁から、前記フランジ部とは反対方向で邪魔板に対して直角方向に延び、上縁が水平面に対して45度の角度で前記邪魔板の上端部から斜め下方に延びるようにして側面板を形成し、該側面板の上縁中間部には吊り金具の外周に沿うように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、第2の閉塞部材の天板及び邪魔板の両側縁からそれら天板及び邪魔板に対して直角方向に延び、下縁が水平面に対して45度の角度で前記天板の
先端部から斜め下方に延びるようにして側面板を形成し、該側面板の下縁中間部には前記第1の閉塞部材の吊り金具受部と対向して前記吊り金具の外周を円状に取り囲むように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部を形成し、それらの吊り金具受部で吊り金具の全周を包囲して係止するようにしたので、閉塞部材を上方や側方に引き外そうとしてもそれを阻止できる。特に、第2の閉塞部材の側面板では、上縁中間部に吊り金具受部を設けたので、吊り金具受部が吊り金具の下部全体に当接することになり、この盗難防止装置をむりやり上方へ引っぱって取り外そうとしても、それを確実に阻止できる。また、対向する邪魔板間に外力が加わっても側面板により補強されているため変形しにくくなる。また、第1の閉塞部材の側面板を、上縁が水平面に対して45度の角度で前記邪魔板の上端部から斜め下方に延びるような形状にした結果、側面板の下部が第2の閉塞部材の邪魔板の方に近接することになり、その下部内面に設ける係合片の位置を第2の閉塞部材に設けるシリンダ錠に近づけられるため、シリンダ錠側の係合片の形状を簡単化できる。また、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とを枢着部で回動可能に連結したので、着脱作業に手間がかからず、しかも装置が一部品で構成されて管理が容易になる。さらに、枢着部を両閉塞部材の上面角部に設けたので、枢着部は凹部の中に隠れて突出せず、枢着部に物が当たって損傷したりすることがなくなる。
【0026】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1又は2にかかる可搬式エンジン作業機の盗難防止装置において、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の邪魔板の外面に取手を設けたので、両閉塞部材の開閉時の取り扱いが容易になる。
【0027】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1又は3にかかる可搬式エンジン作業機の盗難防止装置において、枢着部に蝶番を用い、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材の天板の互いに対向する側の縁を切り欠いて蝶番受部を形成し、前記蝶番を、軸部が前記蝶番受部の中に収納されるようにして前記天板に対して下側から当接して取り付けた。その結果、盗難防止装置を分解するために蝶番のセンターピンを抜こうとしても、センターピンの頭が蝶番受部の角縁に当たるため抜き取ることができなくなる。
【0028】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項2又は3にかかる可搬式エンジン作業機の盗難防止装置において、枢着部に蝶番を用い、第1の閉塞部材の邪魔板と第2の閉塞部材の天板の互いに対向する側の縁を切り欠いて蝶番受部を形成し、前記蝶番を、軸部が前記蝶番受部の中に収納されるようにして前記天板に対して下側から当接して取り付けた。その結果、盗難防止装置を分解するために蝶番のセンターピンを抜こうとしても、センターピンの頭が蝶番受部の角縁に当たるため抜き取ることができなくなる。
【0029】
また、請求項6にかかる発明においては、請求項4又は5にかかる可搬式エンジン作業機の盗難防止装置において、蝶番は、特殊な工具を用いて着脱を行うことができる特殊ネジにより取り付けたので、溶接によらなくても蝶番を取り付けることができる上、第三者が勝手に蝶番を取り外すことができなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施例を示す図である。
図2】第1実施例の第1の閉塞部材を示す図である。
図3】第1実施例の第2の閉塞部材を示す図である。
図4】第1実施例の盗難防止装置を吊り金具に装着する状態を示す図である。
図5】第1実施例の盗難防止装置を凹部に装着した状態を示す図である。
図6】蝶番を特殊ネジにより取り付けた場合を示す図である。
図7】本発明の第2実施例を示す図である。
図8】第2実施例の第1の閉塞部材を示す図である。
図9】第2実施例の第2の閉塞部材を示す図である。
図10】第2実施例の盗難防止装置を吊り金具に装着する状態を示す図である。
図11】第2実施例の盗難防止装置を凹部に装着した状態を示す図である。
図12】ロープ掛け金具での吊り上げを防止する手段を示す図である。
図13】可搬式エンジン作業機の上面及び側面を示す図である。
図14】従来の盗難防止装置の一例を示す図である。
図15】従来の盗難防止装置の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は、本発明の第1実施例を示す図であり、図2は、第1実施例の第1の閉塞部材を示す図であり、図3は、第1実施例の第2の閉塞部材を示す図である。図1図3において、11は第1の閉塞部材、12は第2の閉塞部材、13は蝶番である。
【0033】
この盗難防止装置は、可搬式エンジン作業機の凹部2に設けた吊り金具3を、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12とを対向させて箱状に覆うようにして、吊り金具3にクレーンのフックやワイヤロープ等を掛けられないようにする。
【0034】
第1の閉塞部材11は、金属板をクランク状に折り曲げて、上端部の天板11aの後端縁から折れ曲がって下方に延びる邪魔板11bを形成し、その下端縁から水平方向外側に閉塞部材の回り止め用のフランジ部11cを形成する。また、天板11a及び邪魔板11bの両側縁からそれら天板11a及び邪魔板11bに対して直角方向に延びる側面板11dを形成する。そして、側面板11dの邪魔板11bとは反対側の端縁中間部には吊り金具3の外周に沿うように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部11eを形成し、さらに、両側面板の11d内の一方の下部内面に係合片11gを設けている。なお、邪魔板11bは、凹部2の断面を塞ぐ形状に形成されている。
【0035】
第2の閉塞部材12も、金属板をクランク状に折り曲げて、上端部の天板12aの後端縁から折れ曲がって下方に延びる邪魔板12bを形成し、その下端縁から水平方向外側に閉塞部材の回り止め用のフランジ部12cを形成する。また、天板12a及び邪魔板12bの両側縁からそれら天板12a及び邪魔板12bに対して直角方向に延びる側面板12dを形成する。そして、側面板12dの邪魔板12bとは反対側の端縁中間部には半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部12eを形成し、第1の閉塞部材11の吊り金具受部11eと第2の閉塞部材12の吊り金具受部12eとを対向させたとき、吊り金具3の外周を円状に取り囲むようになっている。そのように、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12の吊り金具受部11e,12eで吊り金具3の全周を包囲して係止するようにして、閉塞部材を上方や側方に引き外そうとしてもそれを阻止できるようにしている。
【0036】
さらに、邪魔板12bの下部の、第1の閉塞部材11の前記係合片11gを設けた側にシリンダ錠12hを設け、該シリンダ錠12hには、第1の閉塞部材11の前記係合片11gと係合可能な係合片12gを設ける。なお、第2の閉塞部材12の邪魔板12bも、凹部2の断面を塞ぐ形状に形成されている。
【0037】
そして、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12の内側同士を対向させて、両者の天板11a,12aの対向縁間を蝶番13で連結し、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12を開閉できるようにする。蝶番13は、軸部にセンターピン13aを挿通して止め輪13bにより抜け止めをしている。そのような蝶番13を取り付けるため、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12の天板11a,12aの互いに対向する側の縁を切り欠いて蝶番受部11i,12iを形成し、蝶番13の軸部が蝶番受部11i,12iの中に収納
されるようにして、天板11a,12aに対して下側から当接し、溶接して取り付ける。
【0038】
また、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12の開閉をし易くするために、両閉塞部材の邪魔板11b,12bの外面に取手11f,12fを設けて、それらを摘まんで操作できるようにしている。
【0039】
そして、図4に示すように、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12を開いて吊り金具3に装着する。その後、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12を閉じた状態で、シリンダ錠12hを操作して第2の閉塞部材12の係合片12gを第1の閉塞部材11の係合片11gに係合させ、第三者により取り外せられないようにする。
【0040】
図5は、第1実施例の盗難防止装置を凹部に装着した状態を示す図である。符号は、図1図13のものに対応している。このように、吊り金具3の両側で凹部2の断面を塞いで、吊り金具3にクレーンのフックやワイヤロープを掛けられないだけでなく、工具等も差し込めないようにしている。また、蝶番13の軸部が凹部2の表面からやや突出しているが、図1に示したように、蝶番13の軸部は蝶番受部11i,12iの中に収納されるようにしているため、止め輪13bを外してセンターピン13aを抜こうとしても、センターピン13aの頭が蝶番受部11i,12iの角縁に当たるため抜き取ることができない。
【0041】
この盗難防止装置では、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12とを蝶番13で連結しているので、一つの部品として吊り金具3を覆うことができ、装着が簡単で部品の紛失を心配する必要がなくなる。また、吊り金具3に装着していない状態でも、それぞれの閉塞部材11,12において互いに対向する邪魔板11b及び邪魔板12bの間に側面板11d,11d及び側面板12d,12dが設けられるため、邪魔板11b及び邪魔板12bが内側に曲がりにくくなる。さらに、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12を180°開くと、両者の天板11a,12a同士が当接するためそれ以上屈曲されず変形しにくくなる。
【0042】
上記実施例では、蝶番13を溶接により天板11a,12aに取り付けたが、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12を突き合わせた状態で溶接の作業をしなければならないため、狭い空間での溶接作業となって作業がしにくい。そこで、蝶番13をネジ止めすることが考えられるが、ネジ止めするとネジを簡単に取り外されてしまい、第1の閉塞部材11と第2の閉塞部材12をこじ開けられてしまう。それを防止するには、特殊な工具を用いて着脱を行うことができる特殊ネジを使って蝶番13を取り付ければよい。
【0043】
図6(A)は、蝶番を特殊ネジにより取り付けた場合を示す図であり、図6(B)は、特殊ネジの一例を示す図であって、図(6)Bの下の図は、上の図のX−X断面を示している。図6(B)に示すように、この特殊ネジ13dは、頭部上面に設けた六角形の穴13dの中央部に、円柱状の突起13dを設けて、特殊ネジ13dの着脱を行うための工具をその穴に差し込むようにしている。このように、特殊ネジ13dは、工具を差し込む穴が特殊な形状をしており、その形状に合致した工具でしかネジを取り外すことができない。天板11a,12a及び蝶番13の蝶番片13cにねじ穴を設け、そのような特殊ネジ13dにより両者をネジ止めすれば、特殊な工具を持たない者には、特殊ネジ13dを取り外すことができないことになる。
【実施例2】
【0044】
図7は、本発明の第2実施例を示す図であり、図8は、第2実施例の第1の閉塞部材を示す図であり、図9は、第2実施例の第2の閉塞部材を示す図である。符号は、図1図3のものに対応している。この実施例では、蝶番13を両閉塞部材14,15の上面角部
に設け、両閉塞部材14,15の側面板14d,15dの対向縁を斜めに形成している。
【0045】
第1の閉塞部材14は、金属板を折り曲げて、上下方向に延びる邪魔板14bと、該邪魔板14bの下端縁から水平方向外側に延びるように、閉塞部材の回り止め用のフランジ部14cを形成する。また、邪魔板14bの両側縁から、フランジ部14cとは反対方向で邪魔板14bに対して直角方向に延び、上縁が水平面に対して45度の角度で邪魔板14bの上端部から斜め下方に延びるようにして側面板14dを形成する。そして、側面板14dの上縁中間部には吊り金具3の外周に沿うように半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部14eを形成し、さらに、両側面板の14d内の一方の下部内面に係合片14gを設ける。その際、第1の閉塞部材14の側面板14dを、上縁が水平面に対して45度の角度で邪魔板14bの上端部から斜め下方に延びるような形状にしたので、側面板14dの下部が第2の閉塞部材15の邪魔板15bの方に近接することになり、その下部内面に設ける係合片14gの位置を第2の閉塞部材15側に近づけられる。なお、邪魔板14bは、凹部2の断面を塞ぐ形状に形成されている。
【0046】
第2の閉塞部材15は、第1実施例における第2の閉塞部材12と同様に、金属板をクランク状に折り曲げて、上端部の天板15aの後端縁から折れ曲がって下方に延びる邪魔板15bを形成し、その下端縁から水平方向外側に、閉塞部材の回り止め用のフランジ部15cを形成する。また、天板15a及び邪魔板15bの両側縁からそれら天板15a及び邪魔板15bに対して直角方向に延び、下縁が水平面に対して45度の角度で天板15aの先端部から斜め下方に延びるようにして側面板15dを形成する。そして、側面板15dの下縁中間部には半円状に切り欠いた形状の吊り金具受部15eを形成し、第1の閉塞部材14の吊り金具受部14eと第2の閉塞部材15の吊り金具受部15eとを対向させたとき、吊り金具3の外周を円状に取り囲むようにしている。
【0047】
さらに、邪魔板15b下部の、第1の閉塞部材14の係合片14gを設けた側にシリンダ錠15hを設け、該シリンダ錠15hには、第1の閉塞部材14の前記係合片14gと係合可能な係合片15gを設ける。その際、上述したように第1の閉塞部材14の係合片14gの位置が第2の閉塞部材15側に近づけられるため、シリンダ錠15hと係合片14gとの距離が近くなって、その分、第2の閉塞部材15の係合片15gも短くなって形状を簡単化できる。なお、第2の閉塞部材15の邪魔板15bも、凹部2の断面を塞ぐ形状に形成されている。
【0048】
そして、第1の閉塞部材14と第2の閉塞部材15の内側同士を対向させて、第1の閉塞部材14の邪魔板14bの上縁部と、第2の閉塞部材15の天板15aの対向縁との間を蝶番13で連結し、第1の閉塞部材14と第2の閉塞部材15を開閉できるようにする。蝶番13の軸部にセンターピン13aを挿通して止め輪13bにより抜け止めをすることは第1実施例と同様である。そのような蝶番13を取り付けるため、第1の閉塞部材14の邪魔板14bの上縁部と第2の閉塞部材15の天板15aの対向する側の縁を切り欠いて蝶番受部14i,15iを形成し、その軸部が蝶番受部14i,15iの中に収納されるようにして、邪魔板14bの上部と天板15aに対して、天板15aの下側及び邪魔板14bの内側から当接し、溶接又は図6に示したような特殊ネジを使って取り付ける。
【0049】
また、第1の閉塞部材14と第2の閉塞部材15の開閉をし易くするために、第1実施例の取手11f,12fと同様に、両閉塞部材の邪魔板14b,15bの外面に取手14f,15fを設けて、それらを摘まんで操作できるようにしている。
【0050】
そして、図10に示すように、第1の閉塞部材14と第2の閉塞部材15を開いて吊り金具3に装着する。その後、第1の閉塞部材14と第2の閉塞部材15を閉じた状態で、シリンダ錠15hを操作して第2の閉塞部材15の係合片15gを第1の閉塞部材14の
係合片14gに係合させ、第三者により取り外せられないようにする。
【0051】
図11は、第2実施例の盗難防止装置を凹部に装着した状態を示す図である。符号は、図7図13のものに対応している。このように、吊り金具3の両側で凹部2の断面を塞いで、吊り金具3にクレーンのフックやワイヤロープを掛けられないだけでなく、工具等も差し込めないようにしている。また、蝶番13を両閉塞部材14,15の上面角部に設けたので、蝶番13の軸部は凹部2の中に隠れて突出せず、蝶番13に物が当たって損傷したりすることがなくなる。また、図7に示したように、蝶番13の軸部は蝶番受部14i,15iの中に収納されるようにしているため、止め輪13bを外してセンターピン13aを抜こうとしても、センターピン13aの頭が蝶番受部14i,15iの角縁に当たるため抜き取ることができない。
【0052】
この盗難防止装置では、第1の閉塞部材14と第2の閉塞部材15とを蝶番13で連結しているので、一つの部品として吊り金具3を覆うことができ、装着が簡単で部品の紛失を心配する必要がなくなる。また、吊り金具3に装着していない状態でも、それぞれの閉塞部材14,15において互いに対向する邪魔板14b及び邪魔板15bの間に側面板14d,14d及び側面板15d,15dが設けられるため、邪魔板14b及び邪魔板15bが内側に曲がりにくくなる。
【0053】
さらに、蝶番13を両閉塞部材14,15の上面角部に設け、第1の閉塞部材14の側面板14dの上縁が水平面に対して45度の角度で邪魔板14bの上端部から斜め下方に延びるようにし、その上縁中間部に吊り金具受部14eを設けたので、吊り金具受部14eが吊り金具3の下部全体に当接することになり、この盗難防止装置をむりやり上方へ引っぱって取り外そうとしても、それを確実に阻止できる。
【0054】
なお、上記各実施例では、吊り金具3に対する閉塞部材だけを示し、ロープ掛け金具5での吊り上げ防止手段は示さなかったが、ロープ掛け金具5に対しても、上記各実施例に示した第1の閉塞部材11,14,第2の閉塞部材12,15と同様な構造の閉塞部材をロープ掛け金具5のサイズに合わせて適用することができる。
【0055】
また、ロープ掛け金具5については、図12に示すようなロープ掛け金具での吊り上げ防止手段を適用してもよい。図12(A)の方法は、ロープ掛け金具5を取り外し可能にして、可搬式エンジン作業機を移送のためトラック等に載せるときだけ、凹部2に設けた筒状部材5a,5aにコの字状に形成したロープ掛け金具5の脚部を差し込み、ピン挿通孔5bに係止ピンを差し込んで取り付ける。そして、それ以外のときはロープ掛け金具5を取り外しておく。そのようにすれば、第三者がロープ掛け金具5にワイヤロープを掛けて可搬式エンジン作業機を盗み出すことができなくなる。
【0056】
また、図12(B)の方法は、ロープ掛け金具5を、凹部2の底面に鉛直上に設け、可搬式エンジン作業機を移送のためトラック等に載せたときには、ロープ掛け金具5にロープを掛けて作業機を荷台に固定できるが、第三者がロープ掛け金具5にワイヤロープを掛けて可搬式エンジン作業機を盗み出そうとしても、ワイヤロープはロープ掛け金具5から滑って外れてしまい、作業機を持ち上げることは不可能である。このようにしても、第三者がロープ掛け金具5にワイヤロープを掛けて可搬式エンジン作業機を盗み出すことができなくなる。
【符号の説明】
【0057】
1 ルーフ
2 凹部
3 吊り金具
4 角部開口部
5 ロープ掛け金具
11,14 第1の閉塞部材
12,15 第2の閉塞部材
11a,12a,15a 天板
11b,12b,14b,15b 邪魔板
11c,12c,14c,15c フランジ部
11d,12d,14d,15d 側面板
11e,12e,14e,15e 吊り金具受部
11f,12f,14f,15f 取手
11g,12g,14g,15g 係合片
12h,15h シリンダ錠
11i,12i 蝶番受部
13 蝶番
13a センターピン
13b 止め輪
13c 蝶番片
13d 特殊ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15