特許第6203224号(P6203224)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203224局所投与部位における医薬組成物の保持改善のための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203224
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】局所投与部位における医薬組成物の保持改善のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/16 20060101AFI20170914BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20170914BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20170914BHJP
【FI】
   A61K9/16
   A61K47/02
   A61K47/34
   A61K47/36
   A61K47/42
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-203424(P2015-203424)
(22)【出願日】2015年10月15日
(62)【分割の表示】特願2013-502752(P2013-502752)の分割
【原出願日】2011年3月29日
(65)【公開番号】特開2016-11312(P2016-11312A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2015年11月13日
(31)【優先権主張番号】61/318,574
(32)【優先日】2010年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513083004
【氏名又は名称】エボニック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Evonik Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100116975
【弁理士】
【氏名又は名称】礒山 朝美
(72)【発明者】
【氏名】タイス トーマス アール
(72)【発明者】
【氏名】バートン ケヴィン ダブリュー
【審査官】 高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−124968(JP,A)
【文献】 特表2003−531682(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/136905(WO,A1)
【文献】 特表2009−533455(JP,A)
【文献】 特表2008−517927(JP,A)
【文献】 特開平10−067687(JP,A)
【文献】 特表2003−525683(JP,A)
【文献】 特開平05−097694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放出可能な生物活性剤を特定部位で持続的又は長期的に保持するための組成物であり、
保持ビヒクルポリマー、内部にカプセル化された放出可能な生物活性剤を含む第一の生分解性ポリマー微粒子、及び第二の生分解性ポリマー微粒子中に溶解又は分散された架橋剤を有する制御放出性架橋剤からなる組成物であって、
前記生物活性剤は、抗炎症剤、鎮痛剤、麻酔薬、感染防止剤及び心血管作動薬からなる群から選択されるが、但し前記生物活性剤は、成長因子でもインスリンでもなく、
前記架橋剤は、対象においてインサイチュで前記保持ビヒクルポリマーを架橋させるためのものであ
前記制御放出性架橋剤は、1日〜3ヶ月の範囲にわたる期間、対象においてインサイチュで前記保持ビヒクルポリマーを架橋させることができる、
前記組成物。
【請求項2】
生分解性ポリマー微粒子が、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−(co)−グリコリド)、ポリ(カプロラクトン)、またはそのコポリマー、混合物もしくはブレンドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
制御放出性架橋剤が多価イオンを含む塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
制御放出性架橋剤が帯電したペプチドまたは帯電したタンパク質を含むか、あるいは制御放出性架橋剤がその表面に電荷を有する生体再吸収性微粒子又はナノ粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
保持ビヒクルポリマーが、ヒアルロン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
ヒアルロン酸が、架橋ヒアルロン酸である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
多価イオンが、カルシウムイオン、亜鉛イオン、ストロンチウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン、マンガンイオン、銅イオン、鉄イオン、及びその組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
制御放出性架橋剤が、塩化カルシウム、塩化亜鉛、または塩化マグネシウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の組成物を含有する、注射によって生物活性剤を送達するための医薬組成物。
【請求項10】
関節または脳のクモ膜下領域へ注射するための、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
生分解性ポリマー微粒子が、組織、骨または軟骨へ結合するリガンドまたは標的部分を含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の組成物、あるいは請求項9または10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
リガンドまたは標的部分が前記生分解性ポリマー微粒子の表面に共役している、請求項11に記載の組成物あるいは医薬組成物
【請求項13】
リガンドまたは標的部分が前記生分解性ポリマー微粒子を組織、骨または軟骨上の特異的な標的、エピトープまたは受容体部位へ結合させる、請求項11または12に記載の組成物あるいは医薬組成物
【請求項14】
標的部分が抗体または抗体フラグメントである、請求項11、12または13に記載の組成物あるいは医薬組成物
【請求項15】
標的部分が、葉酸塩結合剤、ビオチン、アルブミン、ペプチド、タンパク質、多糖類、RGDペプチド、グリコシル化標的リガンド、リポタンパク質、抗体、抗体フラグメント、酵素、核酸、アプタマー、腫瘍特異性リガンドまたはペプチド、および受容体特異性リガンドまたはペプチドからなる群から選択される、請求項11から14のいずれか一項に記載の組成物あるいは医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、全体の内容が参照により本明細書に組み入れられた、2010年3月29日出願の米国特許仮出願第61/318,574号の優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
(背景)
薬物送達ビヒクルおよび医薬組成物は、多くの場合、生物活性剤を対象の特定の位置へ局所送達するのに用いられる。しかし多くのビヒクルおよび組成物は、長期にわたり局所で保持することが困難である。幾つかの配合剤は、投与部位から急速に消失する(1つ以上の能動輸送または受動輸送機構から拡散、移動、そして/またはそれにより除去される)可能性がある。これらのビヒクルおよび組成物の急速な消失は、所望の日数または月数にわたり効果的処置を提供するのに、頻繁な再投与(再投薬)を必要とする可能性がある。投与部位からの送達ビヒクルおよび/または薬物の拡散は、炎症反応および全身の副作用などの不適当な副作用を誘導する可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(概要)
本明細書には、対象において保持ビヒクルポリマーを架橋させるための架橋剤を含むことにより、投与部位および/またはその付近での活性微粒子(即ち、生物活性剤を含有する微粒子)の局所保持を改善する組成物が開示される。開示された組成物および方法は、投与部位での生物活性剤の持続的または長期的利用性が求められる生物活性剤の局所投与に、特に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示された組成物は、保持ビヒクルポリマーと、対象においてインサイチュで保持ビヒクルポリマーを架橋させるための制御放出性架橋剤と、を含み、場合により、内部にカプセル化された生物活性剤を含む生分解性ポリマー微粒子を含む。
【0005】
開示された方法は、1種以上の開示された組成物を対象へ投与することを含む。
【0006】
同じく、特定の組織、例えば膝組織などの関節組織へ付着させるためのリガンドを含む微粒子が、開示される。
【0007】
本発明の利点は、一部は以下の記載に示されていて、一部はその記載から明白となるか、または以下に記載された態様の実践により習得してもよい。以下に記載される利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘された要素および組み合わせを用いれば、理解および達成されるであろう。前述の概説および以下の詳細な説明は、両者とも例示および説明に過ぎず、限定ではないことを理解しなければならない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
本発明の化合物、組成物、複合体、物品、デバイスおよび/または方法が開示および記載される前に、以下に記載される態様が具体的な化合物、組成物、複合体、物品、デバイス、方法または使用に限定されず、したがってもちろん変動しうることを理解しなければならない。本明細書で用いられる用語法が、特定の態様を記載することのみを目的とし、限定を意図していないことも理解しなければならない。
【0009】
本明細書および続いての特許請求の範囲において、以下の意味を有することが定義される複数の用語が参照される。
【0010】
本明細書全体にわたり、他に必要としていなければ、言語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含んでいる(comprising)」などの変形形態は、述べられた完全体もしくは段階、または完全体もしくは段階の群の包含を示しており、他の完全体もしくは段階、または完全体もしくは段階の群の排除を示さないことを理解されたい。
【0011】
明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる単数形「a」「an」および「the」は、他に明白に断りがなければ複数の参照を包含することに、留意しなければならない。つまり例えば「生物活性剤(単数形)」の参照は、2種以上のそのような作用物質の混合物などを包含する。
【0012】
「任意の」または「任意に」は、続いて記載された事象または状況が起こる可能性があること、または可能性がないこと、そしてその記載が、その事象または状況が起こる例と起こらない例とを包含することを意味する。
【0013】
範囲は、本明細書において、「約」+1つの特定の値から、そして/または「約」+別の特定の値までとして表現されてもよい。そのような範囲が表現されている場合、別の態様は、1つの特定の値から、そして/または別の特定の値までを包含する。同様に値が、先行詞「約」の使用により近似値として表現されている場合、特定の値が別の態様を形成することは理解されるであろう。更に、範囲それぞれの終点が、他の終点に関連しても他の終点とは独立しても重大であることは、理解されるであろう。
【0014】
開示された方法および組成物のために用いられうる、それと協調して用いられうる、それの調製に用いられうる、またはその生成物である、化合物、組成物および成分が、開示される。これらおよび他の材料が、本明細書に開示されており、これらの材料の組み合わせ、部分集合、相互作用、群などが開示されている場合、これらの化合物のそれぞれの様々な個別的および集合的組み合わせおよび順列の具体的参照が明白に開示されていなければ、それぞれが具体的に企図され、本明細書に記載されていると理解されたい。例えば、複数の異なるポリマーおよび薬剤が開示および議論されている場合、他に具体的に示されてない限り、ポリマーおよび作用物質のそれぞれの、そしてあらゆる組み合わせおよび順列が具体的に企図される。つまり分子A、B、およびCの分類が開示されているだけでなく、分子D、E,およびFの分類、ならびに組み合わせた分子の例A−Dが開示されている場合、それぞれが個別に引用されていないとしても、それぞれが個別にそして集合的に企図される。つまりこの実施例において、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、およびC−Fのそれぞれが、具体的に企図され、A、B、およびC;D、E、およびF;ならびに例示的組み合わせA−Dの開示により開示されると解釈すべきである。同様に、これらの任意の部分集合または組み合わせも、具体的に企図および開示される。こうして例えばA−E、B−F、およびC−Eのサブグループが、具体的に企図され、A、B、およびC;D、E、およびF;ならびに例示的組み合わせA−Dの開示により開示されると解釈すべきである。この概念は、非限定的に、開示された組成物を製造および使用する方法のステップなど、本開示の全ての態様に適用される。つまり実施されうる様々な追加ステップが存在する場合、これらの追加ステップそれぞれを、開示された方法の任意の具体的実施形態または実施形態の組み合わせによって実施することができ、そのような各組み合わせが具体的に企図され、開示されると解釈すべきであることを理解されたい。
【0015】
「生物活性剤」は、生物学的活性を有する作用物質を指す。生物学的作用物質は、疾患、障害、感染などを処置、診断、治癒、鎮静、予防(即ち、防護的に)、寛解、調整、またはそれらに対する他の好適な効果を有するように、用いることができる。「放出可能な生物活性剤」は、開示された組成物から放出されうるものである。生物活性剤は、対象の構造または機能に影響を及ぼすそれらの物質、または所定の生理学的環境に配置された後に生物活性になる、もしくはより生物活性になるプロドラッグも包含する。
【0016】
「架橋剤」は、異なるポリマー鎖の間または同じポリマー鎖の異なる部分の間のいずれかにある、保持ビヒクルポリマーのポリマー鎖の間に、物理的または化学的結合を形成する作用物質を指す。物理的結合によって生成される架橋では、架橋剤は、ポリマー鎖を解離して脱離することができる。「制御放出性架橋剤」は、解離された架橋剤を補充し、ポリマー鎖での架橋を長期間維持して、例えば架橋剤の放出を1週間、1ヶ月、またはそれを超える間維持して、保持ビヒクルポリマーの構造を保持することが可能な架橋剤である。
【0017】
「保持ビヒクルポリマー」は、放出可能な生物活性剤、例えばマイクロカプセル化された生物活性剤を保持するポリマーネットワークを形成するために架橋されうるポリマーを指す。
【0018】
一実施形態において、本発明の組成物は、患者の特定部位で、生物活性剤、例えばマイクロカプセル化された生物活性剤の持続的または長期的保持を可能にする保持ビヒクルポリマーを架橋させるための架橋剤を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、対象の組織へ結合または接着して、局所投与部位への生物活性剤の長期放出を提供することが可能なリガンドを含む微粒子を含む。
【0019】
制御放出性架橋剤は、1日〜3ヶ月またはそれを超える範囲、例えば2週間、3週間、1ヶ月、1.5ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、またはそれを超える期間、対象においてインサイチュで保持ビヒクルポリマーを架橋させることが可能である。長期的な制御放出性架橋活性は、厳密な組成に応じて、複数の因子に左右される。例えば難溶性塩が、本明細書で明記された制御放出性架橋剤として用いられる場合、塩は、注射部位またはその付近で緩やかに溶解して、時間を経ても保持ビヒクルポリマーを継続的に架橋させる。加えて長期的な架橋により、典型的には膝などの関節またはその付近に存在するヒアルロン酸などの内在性ポリマーを架橋させることができる。
【0020】
幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、保持ビヒクルまたは液体によって、生物活性剤、例えばマイクロカプセル化された生物活性剤を含む医薬配合剤を、対象において数日または数ヶ月などの長期間、所望の位置で効果的に保持させる架橋剤を含む。医薬配合剤を長期間、局所部位で保持する能力により、長期の治療が可能になり、特定の局所投与治療に一般に必要となる再投薬の必要性が低減する可能性がある。医薬組成物の局所保持は、医薬配合剤の成分が標的治療部位を移動、さもなければ脱離する場合に生じうる不適当な副作用を低減する可能性もある。
【0021】
本発明の組成物は、対象、例えばヒトの関節内もしくはその付近、または脳のクモ膜下領域内もしくはその付近にある領域に特に有用である。医薬組成物をこれらの領域へ局所投与する場合、医薬配合剤の生物活性剤および他の成分は、局所部位からの移動または脱離を特に受け易い。本発明の組成物が保持改善を提供しうる位置の例としては、非限定的に、臀部、膝、肩、足首、ひじ、手首、足指、手指、および脊椎椎間関節、ならびにクモ膜下領域などの脳の領域が挙げられる。
【0022】
特に関節は、それぞれ向き合った硝子軟骨関節面を有する向き合った骨と、その関節面に連結していて中央関節腔を画定している末梢のコラーゲン性靭帯関節包(collageneous ligamentous capsule)と、関節包の内壁を裏打ちする滑膜と、を有する。関節腔内に含まれる滑膜液は、関節内の医薬組成物の保持を支援するヒアルロン酸などのポリマーを本来、含有する。しかし滑膜液は、頻繁に再生される。滑膜液が再生すると、生物活性剤を含む任意の医薬組成物は、関節からの移動を受け易くなるか、または完全に関節から外部へ出る。つまり滑膜液は、それ自体は医薬組成物を保持するのに最適ではない。本発明の組成物は、滑膜液の移動を低減するのに有用となる可能性があり、それゆえ医薬組成物または生物活性剤を保持する滑膜液の能力を改善する可能性がある。
【0023】
本明細書に開示された組成物は、1週間〜3ヶ月またはそれを超える範囲の期間、(時間を経ても微粒子から放出されうる)生物活性剤を含有する生分解性微粒子の局所保持をもたらすことができる、即ち1週間〜3ヶ月またはそれを超える期間の範囲の期間、保持ビヒクルポリマーが、架橋剤によって、活性微粒子を本来の投与部位またはその付近に保持することができる。架橋剤の性質および対象へ投与される厳密な組成に応じて、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、1.5ヶ月、2ヶ月、2.5ヶ月、3ヶ月、またはそれを超える活性微粒子保持時間を、実現することができる。投与部位またはその付近で自然に産生される内在性保持ビヒクルポリマー、例えば膝などの関節またはその付近で自然に産生されるヒアルロン酸は、架橋されて注射部位での活性微粒子の保持を支援することができる。
【0024】
本発明の一実施形態は、ポリマーまたは高次ポリマー構造、例えば微粒子を架橋させることが可能である制御放出性架橋剤を含み、それにより対象の局所標的領域内での生物活性剤または医薬組成物の保持を改善する、対象への投与に適した組成物を包含する。一実施形態において、ポリマーは、対象において既に存在するものであり、対象において存在する天然由来のポリマーであってもよい。例は、滑膜液の構成要素であるヒアルロン酸である。本発明の組成物は、滑膜液中に存在するヒアルロン酸を架橋させ、それにより滑膜液またはヒアルロン酸の移動を低減することが可能な制御放出性架橋剤を提供する。生物活性剤または医薬組成物は、それゆえ長期間にわたり滑膜液中に保持させることができる。
【0025】
制御放出性架橋剤は、架橋が望ましい特定の保持ビヒクルに応じて、組成物中で変動させることができる。一般に制御放出性架橋剤は、少なくとも2つの反応基を有するか、または多価であるため、制御放出性架橋剤は、2つ以上のポリマー鎖を一緒に架橋させることが可能である。架橋は、イオン結合および/もしくは水素結合などの物理的結合によって実現することができるか、または架橋は、化学的結合によって実現することができる。多糖類、帯電したポリマー、または極性官能基を有するポリマーのための制御放出性架橋剤の例としては、多価陽イオンおよび/または陰イオンを含む様々な無機塩が挙げられる。例としては、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、マグネシウム、バリウム、マンガン、または他の多価イオンの塩が挙げられる。そのような塩は、とりわけ塩素イオンなどの任意の適切な陰イオンを含むことができる。
【0026】
用いられうる他の塩としては、Cu(II)およびFe(II)などの遷移金属の塩が挙げられる。そのような塩が、1〜2重量%のヒアルロン酸および1〜2mMの金属塩(水性成分を含む組成物全体に対する濃度)を含む水性組成物中に存在する場合には、様々な分子量のヒアルロン酸(HA)を架橋させうることが観察された。表1を参照されたい。
【0027】
【表1】
【0028】
本発明の具体的な組成物としては、本明細書に明記された生物活性剤を含む生分解性ポリマー微粒子(例えば、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(カプロラクトン)、またはその組み合わせもしくはコポリマー)を、表1に列挙されたヒアルロン酸ポリマーおよび金属塩のうちの1種以上と共に、表1に列挙された濃度などの任意の適切な濃度で含有するものが挙げられる。他の箇所で議論される通り、そのような組成物を対象へ注射すれば、膝などの関節内もしくはその付近、または脳の特定領域の付近で、生物活性剤を含有する微粒子の局所保持を改善することができる。
【0029】
他の適切な制御放出性架橋剤としては、ペプチド、タンパク質など、帯電された、または極性の官能基を有する小分子、生体分子、ポリマー、または生体ポリマーが挙げられる。制御放出性架橋剤は、幾つかの態様において、それ自体、生物学的活性を有することができ、つまり生物活性剤であってもよい。制御放出性架橋剤は、薬学的に許容しうる無機微粒子またはナノ粒子など、無機帯電または多価粒子であってもよい。制御放出性架橋剤は、幾つかの態様において、塩化カルシウム、塩化亜鉛、または塩化マグネシウムなどの難溶性塩であってもよい。制御放出性架橋剤は、表面に電荷を有する生体再吸収性微粒子またはナノ粒子であってもよい。そのような架橋性微粒子またはナノ粒子は、生物活性剤を内部に有していてもよく、または生物活性剤を内部に有していなくてもよい。別の態様において、ポリエチレングリコール(PEG)を、制御放出性架橋剤として用いることができる。例えば2つのPEG末端基を用いて、2つ以上のポリマー鎖、例えば2つ以上の多糖類(例えば、ヒアルロン酸)ポリマー鎖を一緒に架橋させることができる。
【0030】
幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、保持ビヒクルおよび制御放出性架橋剤を含む。制御放出性架橋剤を含む組成物は、保持ビヒクルを含む別の組成物と別個に投与することもできる。適切な保持ビヒクルとしては、様々なポリマー、とりわけ高分子電解質および多糖類、例えばヒアルロン酸、アルギン酸塩、キトサン、コラーゲン、フカン、セルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど;カゼイン、デキストラン、およびデンプン、例えばアミロースおよびアミロペクチンが挙げられる。ポリエチレングリコール(PEG)を、保持ポリマービヒクルとして用いることもできる。
【0031】
一実施形態において、保持ビヒクルは、結合組織、上皮組織、および神経組織全体に広く分布する陰イオン性非硫酸化グリコサミノグリカンであるヒアルロン酸(ヒアルロナン、ヒアルロン酸塩、およびHAとしても公知)である。組成物中に存在するヒアルロン酸は、滑膜液中に本来、存在するヒアルロン酸と同一または異なっていてもよい。ヒアルロン酸などの多糖類は、配合剤の粘性を高めて対象の局所における保持の改善も支援する様々な機構により架橋することができる。ヒアルロン酸ポリマーは、組織接着剤として機能することもできるため、ポリマーが組織へ注射された時に、筋膜平面を通したポリマーの筋肉拡散および移動が最小限に抑えられる。例えば、Cohen et al. Biophys J. 2003; 85: 1996−2005を参照されたい。ヒアルロン酸を含む配合剤の組織接着性およびそれによる低い組織移動性は、それゆえ配合剤を投与または注射部位に大量に残留させることを可能にする。本発明のヒアルロン酸配合剤は、それゆえ周囲または隣接の非標的組織への薬物または生物学的暴露を限定し、それにより副作用を低減することができる。
【0032】
適切なヒアルロン酸ポリマーとしては、非限定的に、ヒアルロン酸、修飾ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸ナトリウムが挙げられる。ヒアルロン酸の市販の例は、商品名ORTHOVISC(DePuy Ortho Biotech Products, L.P., Raritan, N.J.から入手)として販売される。他の市販のヒアルロン酸ポリマー配合剤としては、架橋ヒアルロン酸を含む注射可能な充填剤であるJUVEDERM(Allergan)が挙げられる。他のヒアルロン酸配合剤としては、ORTHOVISC(Anika)、DUROLANE(Smith & Nephew)、HYALGAN(Sanofi)、HYLASTAN(Genzyme)、SUPARTZ(生化学工業/Smith&Nephew)、SYNVISC(Genzyme)、EUFLEXXA(Ferring)が挙げられる。これらの市販製品の多くは、様々なヒアルロン酸架橋度を有する様々な分子量のヒアルロン酸を含む。
【0033】
保持ビヒクルは、対象への投与前に、組成物中で架橋させることができる。保持ビヒクルは、第一の組成物中では非架橋であってもよく、対象において架橋剤と遭遇することができ、そして/または制御放出性架橋剤を含む別個の組成物と共投与させることができる。
【0034】
保持ビヒクルの様々な架橋度、例えば少ない架橋(10%以下)から多い架橋(80%以上)までを利用することができる。一般に架橋密度は、保持ビヒクルポリマーの分子量(例えば、低分子量のポリマーを用いれば、高い架橋密度を実現することができる)、架橋剤の濃度、ポリマーの濃度、架橋剤のタイプ、もしくは1種以上の架橋剤の使用、またはその組み合わせにより制御することができる。
【0035】
幾つかの実施形態において、保持ビヒクルは、一緒に複合体形成または架橋される2種以上の異なるポリマーを含むことができる。例えばヒアルロン酸ポリマーを、アルギン酸塩などの他のポリマーと架橋させることができる。そのような架橋されたポリマーを生成させるために、架橋反応を開始する前に、アルギン酸塩とヒアルロン酸とを混和して均質溶液を形成させることができる。例えばカルシウムイオンを、例えば塩化カルシウム溶液の形態で、反応混合物に添加すると、ヒアルロン酸とアルギン酸塩の間にイオン架橋を形成させることができる。ヒアルロン酸およびアルギン酸塩を、ヒドロキシル基およびカルボキシル基の両方を介して架橋させて、エーテルおよびエステル架橋結合を得ることもできる。他の陰イオン性ポリマー、例えばカルボキシメチルセルロースおよびゲランガムなどを、類似の手法でヒアルロン酸と架橋させることができる。
【0036】
幾つかの実施形態において、架橋剤は、時間を経ても制御放出性架橋剤の制御放出または長期放出を可能にする送達ビヒクル中に存在する。送達ビヒクルは、保持ビヒクルを継続的に架橋させるための制御放出性架橋剤の長期投与を提供することができる。例えば制御放出性架橋剤を含む送達ビヒクルは、生物活性剤と一緒に、または別個に関節に投与することができる。送達ビヒクルは、滑膜液へ制御放出性架橋剤の長期供給を提供することができるため、滑膜液を再生すると新しい角膜液が架橋し、それゆえ生物活性剤または医薬組成物をより効果的に保持することができる。対象へ投与される外来性保持ビヒクルを用いて、類似の効果を実現することができる。
【0037】
注射用の例示的配合剤は、水性組成物またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に2%以上(例えば、2%以上、3%以上、4%以上であり、5%、10%、および20%を含む)のヒアルロン酸溶液および制御放出性架橋剤(任意の濃度)を含む。そのような例示的配合剤を用いて、生物活性剤を含有し注射後の水中の分散に対して良好な耐性を有する微粒子を懸濁および注射することができる。例えばこれにより、活性ミクロスフェアを、開放的外科手順のための注射部位に局在化させておくことができる。そのような配合剤は、配合剤の厳密な粘性に応じて、小ゲージまたは大口径の針を介して、局所部位へ容易に投与することができる。あるいはそのような配合剤を、開放部位または手術が実施される部位、例えば膝交換手術など膝の外科的手術の際に膝などの関節組織で、シリンジのみを介して(針を用いずに)投与することができる。
【0038】
一般に様々な送達ビヒクルが、制御放出性架橋剤の制御放出または長期放出を局所投与部位へ提供するのに適切となりうる。これらには、移植デバイス、移植可能な繊維、ロッド、粘性医薬配合剤、分解可能な医薬担体、微粒子、ナノ粒子、イオン交換ポリマー、不溶性塩の粒子などが含まれる。
【0039】
好ましい送達ビヒクルは、生分解性ポリマー微粒子である。制御放出性架橋剤が、微粒子内または微粒子表面に存在してもよい。2種の微粒子はそれ自体が、分解または解離すると制御放出性架橋剤を提供する物質、または微粒子が互いから解離すると制御放出性架橋剤を提供する物質と一緒に架橋させることができる。一実施例において、微粒子は、制御放出性架橋剤を用いて架橋されるポリマーと会合していてもよく、またはそれを含んでいてもよく、幾つかの態様において制御放出性架橋剤は、保持ビヒクルポリマーであってもよい。例えば微粒子は、制御放出性架橋剤で架橋された多糖類、例えば塩化カルシウムで架橋されたヒアルロン酸を含んでいてもよい。そのような多糖類は、一旦投与されると緩やかに解離して、時間を経ても制御放出性架橋剤を放出することができる。そのような微粒子は、ナノ粒子またはマクロ粒子であってもよい。更にそのような粒子は、ハイドロゲルであってもよい。
【0040】
微粒子は、組成物または投与様式に応じて、制御放出性架橋剤および/または生物活性剤を含むことができ、幾つかの態様において、保持ポリマーと共に存在することができる。一実施形態において、組成物は、制御放出性架橋剤を含む微粒子を含む。同一または異なる場合がある別の微粒子を含んでいて生物活性剤を含む別の組成物を、別個に投与することができる。これらの組成物のいずれか一方を、保持ポリマーと共に投与することができ、または保持ポリマーを用いずに、もしくは保持ビヒクルの投与と別個に、局所部位へ直接投与することができる。例えばこれらの組成物を、滑膜液を含有する関節へ投与することができる。微粒子を、保持ビヒクルポリマーと会合または架橋させることもできる。例えば微粒子を、ヒアルロン酸ポリマーと架橋させることができる。幾つかの実施形態において、微粒子を多糖類などの適切な保持ポリマーから調製することができる。所望なら、これらの微粒子を、制御放出性架橋剤と共に結合させてもよい。これらの微粒子は、保持ポリマーと以下に開示される生分解性ポリマーのいずれかとの組み合わせを含有することもできる。
【0041】
微粒子は、一般に10nm〜2000ミクロンのサイズの範囲内である。幾つかの例において、微粒子は、直径1〜80ミクロン、直径5〜60ミクロン、または直径10〜50ミクロンである。
【0042】
微粒子は、好ましくは生分解性ポリマーと、1種以上の生物活性剤と、制御放出性架橋剤と、を含む。本発明で用いられる適切な生分解性ポリマーとしては、非限定的に、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ- (CO)−グリコリド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ヒドロキシブチラート)、ポリ(ヒドロキシブチラート)を含有するコポリマー、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリカルボナート、ポリエステルアミド、ポリ酸無水物、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(アルキレンアルキラート)、ポリエチレングリコールとポリオルトエステルとのコポリマー、生分解性ポリウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリラート、ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)コポリマー、ポリアセタール類、ポリケタール類、ポリホスホエステル類、ポリヒドロキシバレラート類またはポリヒドロキシバレラートを含有するコポリマー、ポリアルキレンオキサラート類、ポリアルキレンスクシナート類、ポリ(マレイン酸)、ならびにそれらのコポリマー、ターポリマー、組み合わせが挙げられる。
【0043】
生分解性ポリマーは、乳酸、グリコール酸、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、ヒドロキシブチラート、ヒドロキシバレラート、ジオキサノン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド、またはそれらの組み合わせののうちの残基を1種以上含むことができる。より好ましくは疎水性多糖誘導体が、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、またはそれらの組み合わせのうちの残基を1種以上含むポリマー1種以上とブレンドされる。
【0044】
幾つかの態様において、生分解性ポリマーは、1種以上のラクチド残基を含む。ポリマーは、非限定的にL−ラクチド、D−ラクチド、およびD,L−ラクチド、またはそれらの混合物を含む全てのラセミ体および立体特異性形態のラクチドなど、任意のラクチド残基を含むことができる。ラクチドを含む有用なポリマーとしては、非限定的に、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(DL−ラクチド)、ならびにポリ(ラクチド−コ-(co)−グリコリド)、例えばポリ(L−ラクチド−コ-(co)−グリコリド)、ポリ(D−ラクチド−コ-(Co)−グリコリド)、およびポリ(DL−ラクチド−コ-(co)−グリコリド);またはそれらのコポリマー、ターポリマー、組み合わせもしくはブレンドが挙げられる。ラクチド/グリコリドポリマーは、従来通りラクチドおよびグリコリドモノマーの開環を介した溶融重合により生成させることができる。加えてDL−ラクチド、L−ラクチド、およびD−ラクチドポリマーのラセミ体は、市販されている。L−ポリマーは、DL−ポリマーよりも結晶性であり、より緩やかに再吸収される。グリコリドおよびDL−ラクチドまたはL−ラクチドを含むコポリマーに加えて、L−ラクチドとDL−ラクチドとのコポリマーが、市販されている。ラクチド又はグリコリドのホモポリマーもまた市販されている。
【0045】
ポリ(ラクチド−コ-(co)−グリコリド)、ポリ(ラクチド)、またはポリ(グリコリド)が用いられる場合、ポリマー中のラクチドおよびグリコリドの量は、変動させることができる。例えば生分解性ポリマーは、ラクチドおよびグリコリドの総量を100モル%として、0〜100モル%、40〜100モル%、50〜100モル%、60〜100モル%、70〜100モル%または80〜100モル%のラクチドと、0〜100モル%、0〜60モル%、10〜40モル%、20〜40モル%または30〜40モル%のグリコリドと、を含有することができる。更なる態様において、生分解性ポリマーは、比をモル比として、ポリ(ラクチド)、95:5のポリ(ラクチド−コ-(co)−グリコリド)、85:15のポリ(ラクチド−コ-(co)−グリコリド)、75:25のポリ(ラクチド−コ-(co)−グリコリド)、65:35のポリ(ラクチド−コ-(co)−グリコリド)、または50:50のポリ(ラクチド−コ-(co)−グリコリド)であってもよい。
【0046】
更なる態様において、生分解性ポリマーは、ポリ(カプロラクトン)またはポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)を含むことができる。例えばポリマーは、ポリ(ラクチド−カプロラクトン)であってもよく、様々な態様において、比をモル比として、95:5のポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、85:15のポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、75:25のポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、65:35のポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、または50:50のポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)であってもよい。
【0047】
本発明の別の実施形態において、組成物は、特定の組織、骨または軟骨に結合して対象の特定位置における微粒子の保持を強化しうるリガンドを含む微粒子またはナノ粒子を含む。例えばリガンドは、微粒子表面に共役(conjugated)することができるため、リガンドまたは標的部分が微粒子を組織、骨または軟骨上の特異的な標的、エピトープまたは受容体部位へ結合させる。例えば標的部分(例えば、抗体またはフラグメント)を、直接またはリンカーを介してまたは生物感受性リンカーを介してポリマーへ付着させることができる。標的部分は、ポリマーの微粒子を対象の特定領域へ送達または局在化させる作用を有することができる。標的作用物質または部分の非限定的例としては、とりわけ葉酸塩結合剤、ビオチン、アルブミン、ペプチド、タンパク質、多糖類、RGDペプチド、グリコシル化標的リガンド、リポタンパク質、抗体、抗体フラグメント、酵素、核酸、アプタマー、腫瘍特異性リガンドまたはペプチド、受容体特異性リガンドまたはペプチドを挙げることができる。第二の成分を微粒子へ共有結合させることにより、表面の機能化を遂行することができる。
【0048】
リガンドの共有結合は、ポリマー微粒子上の反応性部分と第二の成分上の反応性部分との3+2環化付加反応により実現することができる。例えばポリマー微粒子は、ジエン部分を含有することができ、そして第二の成分は、ジエノフィルを含有することができる。あるいはポリマー微粒子は、ジエノフィルを含有することができ、そして第二の成分は、ジエンを含有することができる。ポリマー微粒子の反応性部分と第二の成分上の反応性部分との2+2環化付加反応により、共有結合を実現することができる。
【0049】
リガンドの共有結合は、エーテル、イミダート、チオイミダート、エステル、アミド、チオエーテル、チオエステル、チオアミド、カルバマート、ジスルフィド、ヒドラジド、ヒドラゾン、オキシムエーテル、オキシムエステルおよび/または30アミン結合(30 amine linkage)を介して、第二の成分を微粒子へ結合させることを含むことができる。そのような結合は、アミン反応性化学物質、チオール反応性化学物質、カルボキシラート反応性化学物質、ヒドロキシル反応性化学物質、アルデヒドおよびケトン反応性化学物質、活性水素反応性化学物質、光反応性化学反応物、レドックスに基づいた化学物質などの公知の共有結合でのカップリング化学物質から形成させることができる。一実施例において、第二の成分またはポリマー粒子がアミの基を有し、他がカルボキシラート基を有する場合、それらは、ペプチド結合を介して共有結合することができる。これは、典型的にはカップリングを仲介する活性化剤を用いることにより遂行することができる。カップリング反応に用いられうる様々な活性化剤としては、非限定的に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIP)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、およびN−メチルモルホリン(NMM)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。カップリング反応は、N−メチルピロリドン(NMP)またはDMF中で実施することができる。
【0050】
別の実施例において、カップリング反応は、DMF中のEDC、HOBt、およびNMMの存在下で、スルホンアミドを保護されたヒドロキシルアミンで処理することを含むことができる。アミノ酸カップリング反応の教示のために参照により本明細書に組み入れられたTamura et at.,J Med Chem 1998,41,640−649を参照されたい。他の共役技術は、共役技術の教示のために参照により本明細書に組み入れられたGreg T. Hermanson,“Bioconjugate Techniques,” Academic Press(Elsevier),1996に開示されている。本発明のこの実施形態は、先に開示された組成物および方法のいずれかと組み合わせることができる。
【0051】
一般に本発明の組成物は、様々な形態で、とりわけ滅菌水溶液または他の薬学的に許容しうる担体などの中で、投与することができる。水溶液は一般に、約0.1〜80(例えば1〜20)重量%の濃度の配合剤または組成物(例えば、送達ビヒクル、保持ビヒクル、架橋剤、またはその組み合わせ)を含むことができる。一実施例において、配合剤は、約0.1/秒のせん断速度で少なくとも約10cpsの粘度を有する。本発明の配合剤は、針などの送達デバイスを介して対象の局所へ注射することができる注射可能な配合剤として特に有用である。針のサイズは、処置される局所のサイズおよび配合剤の特性に関係する可能性がある。例えばヒトの膝関節の場合、好ましい針サイズは、約18ゲージ以下である。
【0052】
配合剤は、使用前に滅菌することができる。例えば配合剤を、ガンマ線照射もしくは電子線照射などの電離放射線照射、またはエチレンオキシド(EtO)暴露など、一般的な滅菌法により滅菌することができる。一般に、配合剤を調製するための例示的方法として、成分を手用法で混合するか、または他の機械的混合法により配合剤を調製し、続いて配合剤を送達デバイス、例えばシリンジへ添加して滅菌し、続いて包装することができる。
【0053】
投与様式は、任意の適切な様式、例えば皮下注射、非経口投与、外骨膜投与などであってもよい。配合剤を、好ましくは局所部位で対象へ注射するか、または単に配置させる。他の従来の送達モダリティとしては、カテーテル、輸注ポンプ、ペンデバイスなどが挙げられ、それらの全てを配合剤の局所送達に用いることができる。
【0054】
組成物は一般に、所望の治療結果を実現する配合剤量を指す「効果的量」の生物活性剤を含む。効果的量は、組成物、生物活性剤、および処置される障害または状態に応じて大きく変動するであろう。対象へ投与される組成物の投与量の実際の効果的量は、物理的および生理学的因子、例えば体重、状態の重症度、処置される疾患のタイプ、過去または現行の治療介入、患者の特発性により決定することができ、投与経路に依存することができる。投与量および投与経路に応じて、好ましい投与量および/または効果的量の投与回数は、対象の応答により変動してもよい。当業者は、開示された医薬組成物の効果的量を決定することができる。
【0055】
影響を受けた領域または処置部位へ注射される配合剤の治療上効果的な量は、非限定的に所望の注射領域の部位の位置づけおよびサイズをはじめとする複数の因子に依存的である。例えば最大5mLの治療的量の配合剤を、ヒトの膝関節内腔へ注射または輸注することができる。配合剤の容量は、臀部、肩、足首、ひじ、手首、足指、手指、および脊椎椎間関節などの関節をはじめとする他の領域への注射または送達に関する当業者により、容易に調整することができる。最大10mLを、ヒトクモ膜下腔へ注射または輸注することができる。
【0056】
幾つかの非限定的実施例において、本発明の組成物中に存在する生物活性剤の用量は、投与あたり、約1μg/kg/体重から、約5μg/kg/体重、約10μg/kg/体重、約50μg/kg/体重、約100μg/kg/体重、約200μg/kg/体重、約350μg/kg/体重、約500μg/kg/体重、約1mg/kg/体重、約5mg/kg/体重、約10mg/kg/体重、約50mg/kg/体重、約100mg/kg/体重、約200mg/kg/体重、約350mg/kg/体重、約500mg/kg/体重、約1000mg/kg/体重まで、またはそれを超えて、そしてその中で得られる任意の範囲を含むことができる。本明細書に列挙された数値から得られる範囲の非限定的例において、先に記載された数値に基づいて約5mg/kg/体重〜約100mg/kg/体重、約5μg/kg/体重〜約500mg/kg/体重などの範囲を投与することができる。
【0057】
本発明の配合剤は従来通り、エピネフリン、デキサメタゾン、または配合剤の輸注部位の血流を低減する他の抗炎症剤を含有することもできる。
【0058】
組成物は、任意の所望の対象へ投与することができる。対象は脊椎動物、例えばホ乳類、魚、鳥、爬虫類、または両生類であってもよい。本明細書に開示された方法の対象は、例えばヒト、ヒト以外の霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモットまたはげっ歯類であってもよい。その用語は、特定の年齢または性別を示していない。つまり雄または雌にかかわらず、成体および新生仔対象に加えて胎仔が含まれるものとする。
【0059】
本発明の組成物に組み込まれうる生物活性剤の例としては、非限定的に、小分子、ペプチド、タンパク質、例えばホルモン、酵素、抗体、抗体フラグメント、抗体コンジュゲート、核酸、例えばアプタマー、iRNA、siRNA、μRNA、DNA、RNA、アンチセンス核酸など、アンチセンス核酸類似体など、VEGF阻害剤、大環状ラクトン、ドーパミンアゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、低分子量化合物、高分子量化合物、または共役生物活性剤が挙げられる。開示された組成物中での使用が企図される生物活性剤としては、タンパク質同化剤、制酸剤、抗喘息剤、抗コレステロール剤および抗脂質剤、抗凝固剤、抗痙攣薬、止しゃ薬、鎮吐薬、抗菌剤および抗微生物剤などの感染防止剤、抗炎症剤、抗躁薬、抗代謝薬、抗嘔吐薬、抗悪性腫瘍薬、抗肥満薬、解熱・鎮痛剤、鎮痙薬、抗血栓薬、鎮咳薬、抗尿酸血症薬(anti−uricemic agents)、抗狭心症薬、抗ヒスタミン薬、食欲抑制薬、生物学的製剤、脳血管拡張剤(cerebral dilator)、冠動脈拡張剤、気管支拡張剤、細胞毒性薬、充血除去薬、利尿剤、診断薬、赤血球生成刺激剤、去痰薬、胃腸鎮静薬、高血糖症薬、催眠薬、低血糖症薬、免疫調整剤、イオン交換樹脂、緩下剤、ミネラル補給剤、粘液溶解薬、神経筋薬、末梢血管拡張剤、抗精神薬、鎮静剤、興奮薬、甲状腺および抗甲状腺薬、組織成長薬、子宮弛緩薬、ビタミン、または抗原性物質が挙げられる。
【0060】
他の生物活性剤としては、アンドロゲン阻害剤、多糖類、成長因子、ホルモン、血管新生阻害因子、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、塩酸クロフェジアノール、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸ピリラミン、コハク酸ドキシラミン、クエン酸フェニルトロキサミン、塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸シュードエフェドリン、エフェドリン、リン酸コデイン、硫酸コデインモルヒネ(codeine sulfate morphine)、ミネラル補給剤、コレスチラミン、N−アセチルプロカインアミド、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェイン、グアイフェネシン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、ホルモン、インターフェロン、サイトカイン、およびワクチンが挙げられる。
【0061】
生物活性剤として用いられうる代表的な薬物としては、非限定的に、ペプチド薬、タンパク質薬、治療用抗体、アンチカリン、脱感作材料、抗原、感染防止剤、例えば抗生物質、抗微生物剤、抗ウィルス剤、抗菌物質、駆虫物質、抗真菌物質およびそれらの組み合わせ、抗アレルギー薬、アンドロゲン性ステロイド、充血除去薬、催眠薬、ステロイド系抗炎症剤、抗コリン作動薬、交感神経興奮薬、鎮静剤、縮瞳薬、精神賦活薬、精神安定薬、ワクチン、エストロゲン、プロゲステロン薬、体液性作用物質(humoral agents)、プロスタグランジン、鎮痛剤、鎮痙薬、抗マラリア薬、抗ヒスタミン薬、心臓作用薬、感染防止剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗パーキンソン病薬、抗高血圧薬、β−アドレナリン遮断薬、栄養剤、抗TNF薬およびベンゾフェナントリジンアルカロイドが挙げられる。更に、その作用物質は、興奮薬、鎮静剤、催眠薬、鎮痛剤、抗痙攣薬などとして作用することができる物質であってもよい。
【0062】
他の生物活性剤としては、非限定的に、鎮痛剤、例えばアセトアミノフェン、アセチルサリチル酸など;麻酔薬、例えばリドカイン、キシロカインなど;食欲減退剤、例えばデキセドリン、酒石酸フェンジメトラジンなど;抗関節炎薬、例えばメチルプレドニゾロン、イブプロフェンなど;抗喘息剤、例えば硫酸テルブタリン、テオフィリン、エフェドリンなど;抗生物質、例えばスルフイソキサゾール、ペニシリンG、アンピシリン、セファロスポリン、アミカシン、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、イソニアジド、リファンピンなど;抗真菌剤、例えばアンホテリシンB、ナイスタチン、ケトコナゾールなど;抗ウィルス薬、例えばアシクロビル、アマンタジンなど;抗癌剤、例えばシクロホスファミド、メトトレキサート、エトレチナートなど;抗凝固剤、例えばヘパリン、ワルファリンなど;抗痙攣薬、例えばフェニトインナトリウム、ジアゼパムなど;抗鬱薬、例えばイソカルボキサジド、アモキサピンなど;抗ヒスタミン薬、例えば塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなど;ホルモン、例えばインスリン、プロゲスチン、エストロゲン、コルチコイド、グルココルチコイド、アンドロゲンなど;精神安定薬、例えばソラジン、ジアゼパム、塩酸クロルプロマジン、レセルピン、塩酸クロルジアゼポキシドなど;鎮痙薬、例えばベラドンナアルカロイド、塩酸ジサイクロミンなど;ビタミンおよびミネラル、例えば必須アミノ酸、カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛、ビタミンB12など;心血管作動薬、例えば塩酸プラゾシン、ニトログリセリン、塩酸プロプラノロール、塩酸ヒドララジン、パンクレリパーゼ、コハク酸デヒドロゲナーゼなど;ペプチドおよびタンパク質、例えばLHRH、ソマトスタチン、カルシトニン、成長ホルモン、グルカゴン様ペプチド、成長ホルモン放出因子、アンギオテンシン、FSH、EGF、骨形成タンパク質(BMP)、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロン、インターロイキン、コラーゲン、フィブリノーゲン、インスリン、第VIII因子、第IX因子、Enbrel(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Herceptin(登録商標)、α−グルコシダーゼ、Cerazyme/Ceredose(登録商標)、バソプレシン、ACTH、ヒト血清アルブミン、γ−グロブリン、構造タンパク質、血液製剤タンパク質、複合タンパク質、酵素、抗体、モノクローナル抗体など;プロスタグランジン;核酸;炭水化物;脂肪;麻薬、例えばモルヒネ、コデインなど;精神療法剤;抗マラリア薬;L−ドーパ;利尿剤、例えばフロセミド、スピロノラクトンなど;抗潰瘍薬、例えば塩酸ランチジン、塩酸シメチジンなどが挙げられる。
【0063】
生物活性剤は、免疫調整剤、例えばサイトカイン、インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子など;アレルゲン、例えばネコの鱗屑、カバノキ花粉、イエダニ、牧草花粉など;細菌生物体の抗原、例えばストレプトコッカス・ニューモニエ、ヘモフィリス・インフルエンゼ、スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・ピオゲネス、コリネバクテリウム・ジフセリエ、リステリア・モノサイトゲネス、バシラス・アンスラシス、クロストリジウム・テタニ、クロストリジウム・ボツリナム、クロストリジウム・パーフリンジェンス、ナイセリア・メニンジティディス、ナイセリア・ゴノレア、ストレプトコッカス・ミュータンス、シュードモナス・エルギノーサ、サルモネラ・ティフィ、ヘモフィルス・パラインフルエンゼ、ボルデテラ・ペルツッシス、フランシセラ・ツラレンシス、エルシニア・ペスティス、ビブリオ・コレレ、レジオネラ・ニューモフィラ、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・レプレ、トレポネーマ・パリダム、レプトスピラ・インタロガンス(Leptspirosis interrogans)、ボレリア・ブルグドルフェリ、カンピロバクター・ジェジュニなど;ウィルスの抗原、例えば疱瘡、インフルエンザAおよびB、呼吸器多核体、パラインフルエンザ、麻疹、HIV、SARS、水痘−帯状疱疹、単純ヘルペス1および2型、サイトメガロウィルス、エプスタイン−バー、ロタウィルス、ライノウィルス、アデノウィルス、乳頭腫ウィルス、ポリオウィルス、ムンプス、狂犬病、風疹、コクサッキーウィルス、ウマ脳炎、日本脳炎、黄熱病、リフトバレー熱、リンパ球性脈絡髄膜炎、B型肝炎など;真菌、原生動物、寄生生物体の抗原、例えばクリプトコッカス・ネオフォルマンス、ヒストプラスマ・カプスラーツム、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・トロピカリス、ノカルディア・アステロイド、リケッチア・リケッチ、リケッチア・ティフィ、マイコプラスマ・ニューモニエ、クラミジア・シッタシ、クラミジア・トラコマチス、プラスモディウム・ファルシパルム、トリパノソーマ・ブルセイ、エンタモエーバ・ヒストリティカ、トキソプラスマ・ゴンディ、トリコモナス・バギナリス、シストソーマ・マンソニなどであってもよい。これらの抗原は、不活化全生物体(whole killed organism)、ペプチド、タンパク質、糖タンパク、炭水化物、またはそれらの組み合わせの形態であってもよい。
【0064】
更に具体的な態様において、生物活性剤は、抗生物質を含む。抗生物質は、例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、アンサマイシン、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、カルバセフェム、ロラカルベフ、カルバペネム、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファロスポリン(第一世代)、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン(CefalotinまたはCefalothin)、セファレキシン、セファロスポリン(第二世代)、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セファロスポリン(第三世代)、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロスポリン(第四世代)、セフェピム、セファロスポリン(第五世代)、セフトビプロール、グリコペプチド、テイコプラニン、バンコマイシン、マクロライド、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、モノバクタム、アズトレオナム、ペニシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ピペラシリン、チカルシリン、ポリペプチド、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、キノロン、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、スルホンアミド、マフェニド、プロントジル(旧型)、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド(旧型)、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール(コトリモキサゾール)(TMP−SMX)、テトラサイクリン類、例えばデメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリンなど;アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファンピシン(米国ではリファンピン)、チニダゾール、ロピネロール、イベルメクチン、モキシデクチン、アファメラノチド、シレンギチド、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上であってもよい。一態様において、生物活性剤は、リファンピシン(米国ではリファンピン)とミノサイクリンとの組み合わせであってもよい。
【0065】
様々な改良および変更を、本明細書に記載された化合物、複合体、キット、物品、デバイス、組成物、および方法に施すことができる。本明細書に記載された化合物、複合体、キット、物品、デバイス、組成物、および方法の別の態様は、本明細書に記載された化合物、複合体、キット、物品、デバイス、組成物、および方法の仕様および実践を考慮することにより明白となろう。本明細書および実施例は、例示と見なされるものとする。