(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203239
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】複数のデバイスのディスプレイをジョイントする方法、装置およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20130101AFI20170914BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20170914BHJP
G06F 3/0481 20130101ALI20170914BHJP
G06F 3/0484 20130101ALI20170914BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/041 550
G06F3/041 595
G06F3/0481
G06F3/0484 150
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-250889(P2015-250889)
(22)【出願日】2015年12月24日
(62)【分割の表示】特願2013-503145(P2013-503145)の分割
【原出願日】2011年2月4日
(65)【公開番号】特開2016-76260(P2016-76260A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2015年12月24日
(31)【優先権主張番号】12/756,796
(32)【優先日】2010年4月8日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】カラネン ヤーッコ
(72)【発明者】
【氏名】コルホネン ハンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ルセロ アンドレス
【審査官】
間野 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0093868(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0020025(US,A1)
【文献】
特開平11−73153(JP,A)
【文献】
特表2006−518507(JP,A)
【文献】
特開2007−240964(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/135776(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0140986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスのディスプレイに生じる第1のドラッグイベントを検出することと;
前記デバイスにおいてメッセージが受信されたことを決定することであって、該メッセージは、前記第1のドラッグイベント中に第2のドラッグイベントが近接デバイスのディスプレイに生じたことを示す、前記決定することと;
前記第1のドラッグイベント及び前記第2のドラッグイベントに基づいて、前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイの位置関係を決定することであって、前記第1のドラッグイベント及び前記第2のドラッグイベントは、ユーザのピンチ操作に関係する、前記決定することと;
を含む方法であって、
前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイが第1の位置関係を有すると決定された場合、該デバイスのディスプレイが第1の情報を表示し、該近接デバイスのディスプレイが第2の情報を表示するように、該デバイスのディスプレイ及び該近接デバイスのディスプレイがジョイントされ、ここで該第2の情報は該第1の情報の続きであり;
前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイが第2の位置関係を有すると決定された場合、該デバイスのディスプレイが第1の情報を表示し、該近接デバイスのディスプレイが第3の情報を表示するように、該デバイスのディスプレイ及び該近接デバイスのディスプレイがジョイントされ、ここで該第3の情報は該第1の情報の続きとは異なる情報であり、前記第1の情報に関する少なくとも1つのオプション又は少なくとも機能を提供する、
方法。
【請求項2】
前記第3の情報はオプションのリストを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の情報、前記第2の情報及び前記第3の情報は同一アプリケーションに関連する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイはジョイントイベント規則に従ってジョイントされ、ここで前記ジョイントイベント規則は前記デバイスによって作成され、前記決定された位置関係に依存する、請求項1から3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1のドラッグイベントを検出することは、該第1のドラッグイベントの方向を決定することを含む、請求項1から4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
前記デバイスにおいて、方向情報が前記近接デバイスから受け取られたことを決定することであって、該方向情報は前記第2のドラッグイベントの方向を示す、前記決定することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の位置関係では、前記近接デバイスのディスプレイが前記デバイスのディスプレイに対して平行に向いていて、前記第2の位置関係では、前記近接デバイスのディスプレイが前記デバイスのディスプレイに対して垂直に向いている、請求項1から6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
装置の処理手段で実行されると、請求項1から7の何れかに記載の方法を前記装置に遂行させるように構成されるプログラム実行可能プログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記装置に少なくとも:
デバイスのディスプレイに生じる第1のドラッグイベントを検出することと;
前記デバイスにおいてメッセージが受信されたことを決定することであって、該メッセージは、前記第1のドラッグイベント中に第2のドラッグイベントが近接デバイスのディスプレイに生じたことを示す、前記決定することと;
前記第1のドラッグイベント及び前記第2のドラッグイベントに基づいて、前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイの位置関係を決定することであって、前記第1のドラッグイベント及び前記第2のドラッグイベントは、ユーザのピンチ操作に関係する、前記決定することと;
を実行させるように構成される装置であって、
前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイが第1の位置関係を有すると決定された場合、該デバイスのディスプレイが第1の情報を表示し、該近接デバイスのディスプレイが第2の情報を表示するように、該デバイスのディスプレイ及び該近接デバイスのディスプレイがジョイントされ、ここで該第2の情報は該第1の情報の続きであり;
前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイが第2の位置関係を有すると決定された場合、該デバイスのディスプレイが第1の情報を表示し、該近接デバイスのディスプレイが第3の情報を表示するように、該デバイスのディスプレイ及び該近接デバイスのディスプレイがジョイントされ、ここで該第3の情報は該第1の情報の続きとは異なる情報であり、前記第1の情報に関する少なくとも1つのオプション又は少なくとも機能を提供する、
装置。
【請求項10】
前記デバイスは前記装置である、又は前記装置を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第3の情報はオプションのリストを含む、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の情報、前記第2の情報及び前記第3の情報は同一アプリケーションに関連する、請求項9から11の何れかに記載の装置。
【請求項13】
前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記装置に、前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイはジョイントイベント規則に従ってジョイントさせるように構成され、ここで前記ジョイントイベント規則は前記デバイスによって作成され、前記決定された位置関係に依存する、請求項9から12の何れかに記載の装置。
【請求項14】
前記第1のドラッグイベントを検出することは、該第1のドラッグイベントの方向を決定することを含む、請求項9から13の何れかに記載の装置。
【請求項15】
前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記装置に更に:
前記デバイスにおいて、方向情報が前記近接デバイスから受け取られたことを決定することであって、該方向情報は前記第2のドラッグイベントの方向を示す、前記決定することを実行させるように構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の位置関係では、前記近接デバイスのディスプレイが前記デバイスのディスプレイに対して平行に向いていて、前記第2の位置関係では、前記近接デバイスのディスプレイが前記デバイスのディスプレイに対して垂直に向いている、請求項9から15の何れかに記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記装置に少なくとも:
デバイスのディスプレイに生じる第1のタッチ又はドラッグイベントを検出することと;
前記デバイスにおいてメッセージが受信されたことを決定することであって、該メッセージは、前記第1のタッチ又はドラッグイベント中に第2のタッチ又はドラッグイベントが近接デバイスのディスプレイに生じたことを示す、前記決定することと;
前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイの位置関係を決定することと;
を実行させるように構成される装置であって、
前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイが第1の位置関係を有すると決定された場合、該デバイスのディスプレイが第1の情報を表示し、該近接デバイスのディスプレイが第2の情報を表示するように、該デバイスのディスプレイ及び該近接デバイスのディスプレイがジョイントされ、ここで該第2の情報は該第1の情報の続きであり;
前記デバイスのディスプレイ及び前記近接デバイスのディスプレイが第2の位置関係を有すると決定された場合、該デバイスのディスプレイが第1の情報を表示し、該近接デバイスのディスプレイが第3の情報を表示するように、該デバイスのディスプレイ及び該近接デバイスのディスプレイがジョイントされ、ここで該第3の情報は該第1の情報とは異なり、かつ該第1の情報の続きとも異なる情報であり、前記第1の情報に関する少なくとも1つのオプション又は少なくとも機能を提供する、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施形態は、概して、携帯デバイスのディスプレイおよびユーザインターフェースに関し、具体的には、複数のディスプレイおよび/またはユーザインターフェースを一緒に使用して、携帯デバイスの能力を向上させることに関する。
【0002】
現代の通信時代において有線およびワイヤレスネットワークは著しく拡大している。コンピュータネットワーク、テレビネットワーク、および電話ネットワークはこれまでにない技術革新がなされ、消費者需要によって加速されている。ワイヤレスおよびモバイルネットワーキング技術によって、より柔軟で即時性のある情報転送が提供され、消費者需要に対応している。
【0003】
携帯電話等の携帯デバイスは、より小型化および軽量化されると同時に、従来の音声電話をはるかに超えるタスクを実行できるようになってきている。携帯デバイスは、ますます、様々なアプリケーションを実行すると共に、ビデオ鑑賞、ウェブページの閲覧、双方向型のゲーム、またはテキストを読むことができるディスプレイをユーザに提供できる、小型の携帯コンピュータデバイスとなってきている。デバイスは、その携帯性のニーズのために、ポケットに収まる程十分に小型であることが多いが、デバイス能力の向上により、デバイスのディスプレイは大量の情報を表示し、従来より大型で携帯性の乏しいディスプレイ上に表示されていたオブジェクトを表示するために使用される。携帯デバイスの携帯性を保ちつつ、使用可能な表示サイズを拡大することが求められている。
【0004】
本発明の例示的な実施形態は、概して、複数のデバイスのディスプレイを組み合わせて一緒にし、相互に連携して機能させることにより、携帯デバイスとのユーザインターフェースを向上させる、改善された方法を提供する。具体的には、例示的な実施形態の方法は、第1のタッチまたはドラッグイベントを検出することと、前記第1のタッチまたはドラッグイベント中に生じる第2のタッチまたはドラッグイベントを示すメッセージを、近接デバイスから受信することと、ジョイントイベントを作成することと、前記近接デバイスへ前記接合イベントを伝送することとを提供する。前記第2のタッチまたはドラッグイベントの終了を示すメッセージを、前記近接デバイスから受信することをさらに含む方法でもよい。また、近接デバイスからのタッチまたはドラッグイベントに関するメッセージの受信に応答して、近接デバイスのレジストリを更新することを含む方法でもよい。前記ジョイントイベントは、ジョイントイベント規則を含んでもよく、前記ジョイントイベント規則は、前記近接デバイス上に表示されるコンテンツに関するデータを含んでもよい。前記第1のタッチまたはドラッグイベントを検出することは、ドラッグイベント方向を決定することを含んでもよい。デバイスのディスプレイ上にコンテンツを提示することと、前記近接デバイスのディスプレイ上に提示されるコンテンツの方向を提供することをさらに含む方法でもよく、前記近接デバイスの前記ディスプレイ上に提示される前記コンテンツは、前記デバイスの前記ディスプレイ上に提示される前記コンテンツに関連してもよい。
【0005】
本発明の別の実施形態によると、装置が提供され、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含んでもよい。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記装置に、第1のタッチまたはドラッグイベントを検出させ、前記第1のタッチまたはドラッグイベント中に生じる第2のタッチまたはドラッグイベントを示すメッセージを、近接デバイスから受信させ、ジョイントイベントを作成させ、また前記近接デバイスへ前記接合イベントを伝送させるように構成されてもよい。装置はまた、前記第2のタッチまたはドラッグイベントの終了を示すメッセージを、前記近接デバイスから受信するように構成されてもよい。装置はまた、近接デバイスからのタッチまたはドラッグイベントに関するメッセージの受信に応答して、近接デバイスのレジストリを更新するように構成されてもよい。前記ジョイントイベントは、ジョイントイベント規則を含んでもよく、前記ジョイントイベント規則は、前記近接デバイス上に表示されるコンテンツに関するデータを含んでもよい。前記第1のタッチまたはドラッグイベントを検出することは、ドラッグイベント方向を決定することを含んでもよい。装置はまた、デバイスのディスプレイ上にコンテンツを提示し、また前記近接デバイスのディスプレイ上に提示されるコンテンツの方向を提供するように構成されてもよく、前記近接デバイスの前記ディスプレイ上に提示される前記コンテンツは、前記デバイスの前記ディスプレイ上に提示される前記コンテンツに関連してもよい。前記第1のタッチまたはドラッグイベントを検出することは、タッチセンサ式ディスプレイ上の第1の位置から第2の位置に移動するタッチの方向を検出することを含んでもよい。
【0006】
本発明のさらなる実施形態は、その中に記憶されたコンピュータ実行可能プログラムコード命令を有する、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品を含んでもよく、前記コンピュータ実行可能プログラムコード命令は、第1のタッチまたはドラッグイベントを検出するプログラムコード命令と、前記第1のタッチまたはドラッグイベント中に生じる第2のタッチまたはドラッグイベントを示すメッセージを、近接デバイスから受信するプログラムコード命令と、ジョイントイベントを作成するプログラムコード命令と、前記近接デバイスへ前記接合イベントを伝送するプログラムコード命令と、を含んでもよい。コンピュータプログラム製品はさらに、前記第2のタッチまたはドラッグイベントの終了を示すメッセージを、前記近接デバイスから受信するプログラムコード命令を含んでもよい。コンピュータプログラム製品はまた、近接デバイスからのタッチまたはドラッグイベントに関するメッセージの受信に応答して、近接デバイスのレジストリを更新するプログラムコード命令を含んでもよい。前記ジョイントイベントは、ジョイントイベント規則を含んでもよく、前記ジョイントイベント規則は、前記近接デバイス上に表示されるコンテンツに関するデータを含んでもよい。タッチまたはドラッグイベントを検出する前記プログラムコード命令は、ドラッグイベント方向を決定するプログラムコード命令を含んでもよい。コンピュータプログラム製品はさらに、デバイスのディスプレイ上のコンテンツを提示するプログラムコード命令と、前記近接デバイスのディスプレイ上に提示されるコンテンツを方向付けるプログラムコード命令とを含んでもよく、前記近接デバイスの前記ディスプレイ上に提示される前記コンテンツは、前記デバイスの前記ディスプレイ上に提示される前記コンテンツに関連する。前記第1のタッチまたはドラッグイベントを検出する前記プログラムコード命令は、タッチセンサ式ディスプレイ上の第1の位置から第2の位置に移動するタッチの方向を検出するプログラムコード命令を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
このように、本発明の実施形態を概括的に説明したが、次に添付の図面を参照する。ここで添付の図面は必ずしも実寸寸法に則して描かれてはいない。
【0008】
【
図1】本発明の例示的な実施形態に従う通信システムを示す。
【0009】
【
図2】本発明の例示的な実施形態に従う携帯デバイスの概略的ブロック図を示す。
【0010】
【
図3】本発明の例示的な実施形態に従う、複数の携帯デバイスのディスプレイをジョイントする方法の実施形態を示す。
【0011】
【
図4】本発明の例示的な実施形態に従う、複数の携帯デバイスのディスプレイをジョイントする方法のフローチャートである。
【0012】
【
図5】本発明の別の例示的な実施形態に従う、複数の携帯デバイスのディスプレイをジョイントする方法の実施形態を示す。
【0013】
【
図6】本発明の別の例示的な実施形態に従いジョイントされる、複数の携帯デバイスのディスプレイの実施形態を示す。
【0014】
【
図7】本発明の例示的な実施形態を実装するように構成された携帯デバイスを示す。
【0015】
【
図8】本発明の別の例示的な実施形態に従いジョイントされる、2つの携帯デバイスのディスプレイの実施形態を示す。
【0016】
【
図9】本発明のさらに別の例示的な実施形態に従いジョイントされる、2つの携帯デバイスのディスプレイの実施形態を示す。
【0017】
【
図10】本発明の例示的な実施形態に従う、3つの携帯デバイスのディスプレイをジョイントする方法の実施形態を示す。
【0018】
【
図11】本発明の別の例示的な実施形態に従う、4つの携帯デバイスのディスプレイをジョイントする方法の実施形態を示す。
【0019】
以降では、本発明の一部であって全てではない実施形態を示す添付の図面を参照し、本発明の一部の例示的な実施形態について、より完全に説明する。実際、本発明の種々の実施形態は、多くの異なる形態において具現化されてもよく、本明細書において記載される例示的な実施形態に制限されるとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が適用される法的必要条件を満たすように提供される。同一の参照番号は、全体を通して、同一の要素を指す。本明細書において使用される際、「データ」、「コンテンツ」、「情報」という用語、および類似の用語は、本発明の実施形態に従って伝送、受信、記憶の何れか、または全てがされ得るデータを指す同義語として使用される。
【0020】
さらに、本明細書において使用される「回路」という用語は、(a)ハードウェアのみの回路実装(例えば、アナログ、デジタル、または両方の回路実装)、(b)回路と、装置に、本明細書において説明される1つ以上の機能を実行させるように協働する、1つ以上のコンピュータ可読メモリ上に記憶される、ソフトウェア、ファームウェア、またはその両方の命令を含む、コンピュータプログラム製品(複数を含む)との組み合わせ、ならびに(c)ソフトウェアまたはファームウェアが、物理的に存在しない場合でさえも、動作のためにソフトウェアまたはファームウェアを必要とする、例えば、マイクロプロセッサ(複数を含む)、またはマイクロプロセッサ(複数を含む)の一部分といった、回路を指す。「回路」のこの定義は、いかなる請求項も含み、本明細書におけるこの用語の全ての使用に適用する。さらなる例として、本明細書において使用される際、「回路」という用語はまた、1つ以上のプロセッサまたはその部分(複数を含む)、ならびに付随するソフトウェア、ファームウェア、またはその両方を備える、実装を含む。別の例として、本明細書において使用される際、「回路」という用語はまた、例えば、携帯電話用ベースバンド集積回路、もしくはアプリケーションプロセッサ集積回路、またはサーバ、セルラネットワークデバイス、他のネットワークデバイス、他のコンピューティングデバイスの何れか、または全てにおける、類似の集積回路を含む。
【0021】
セッションは、対応する有線、ワイヤレス、またはその両方のインターフェースを介して、またはBluetooth(登録商標)上で機能するもの等のアドホックネットワークにおいて相互に通信することができる、種々の異なるノード、デバイス、または機能の集合を含んでもよい、
図1に示されるようなネットワーク30によりサポートされてもよい。そのようなものとして、
図1は、本発明の例示的な実施形態を組み込むことができるシステムのある要素の幅広い図の例であり、システムまたはネットワーク30の包括的または詳細な図ではないと理解されるべきである。必要ではないが、一部の例示的な実施形態において、ネットワーク30は、複数の第1世代(1G)、第2世代(2.G)、2.5G、第3世代(3G)、3.5G、3.9G、第4世代(4G)携帯通信プロトコルおよび同等のもののうちの任意の1つ以上に従って、通信をサポートすることができてもよい。
【0022】
携帯端末10および第2の携帯端末20といった、1つ以上の通信端末は、ネットワーク30を介して相互に通信してもよい。各端末は、ベースサイトへ信号を伝送し、そこから信号を受信するアンテナ(単数または複数)を含んでもよい。ベースサイトは、例えば、1つ以上のセルラもしくはモバイルネットワークの一部である基地局、またはローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、インターネットといったワイドエリアネットワーク(WAN)等のデータネットワークに接続され得るアクセスポイントであり得る。同様に、他のデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、もしくは同等のもの)が、ネットワーク30を介して携帯端末10および第2の携帯端末20に接続されてもよい。携帯端末10、第2の携帯端末20ならびに他のデバイスをネットワーク30に直接または間接的に接続することによって、携帯端末10および第2の携帯端末20は、例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)または同等のものを含む多数の通信プロトコルに従って、他のデバイスと通信する、または相互に通信することができ、それによって、それぞれ、携帯端末10および第2の携帯端末20の種々の通信または他の機能を実行してもよい。
【0023】
例示的な実施形態において、携帯端末のいずれかが、移動通信デバイスまたは固定通信デバイスであってもよい。したがって、例えば、携帯端末10および第2の携帯端末20は、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電話、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、カメラ、ビデオレコーダ、オーディオ/ビデオプレーヤ、位置決定デバイス、ゲームデバイス、テレビデバイス、ラジオデバイスもしくは種々の他のデバイス、またはそれらの組み合わせのいずれかであってもよく、またはそれらで置き換えられてもよい。
【0024】
携帯端末10は、種々の様式で構成されてもよいが、本発明の実施形態で有益な携帯端末の一例が、
図2のブロック図に示される。携帯端末のいくつかの実施形態が、例示目的で示され後述されるが、可搬型デジタル補助装置(PDA)、ページャ、携帯テレビ、ゲーミングデバイス、全てのタイプのコンピュータ(例えば、ラップトップまたはモバイルコンピュータ)、カメラ、オーディオ/ビデオプレーヤ、ラジオ、グローバル位置決定システム(GPS)デバイス、または前述のものの任意の組み合わせ、ならびに他のタイプ通信デバイスといった、他のタイプの携帯端末が、本発明の実施形態を採用し得る。説明されるように、携帯端末は、本明細書においてより具体的に示され説明されるものを含む、本発明の実施形態に従い1つ以上の機能を実行する種々の手段を含んでもよい。しかしながら、携帯端末は、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、1つ以上の同様の機能を実行する代替の手段を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0025】
図2において示される携帯端末10は、伝送器34および受信器36と通信できるアンテナ32(または多重アンテナ)を含んでもよい。携帯端末はさらに、それぞれ、伝送器および受信器へ信号を提供し、伝送器および受信器から信号を受信する、プロセッサ40等の装置を含んでもよい。信号は、適用されるセルラシステムのエアインターフェース規格に従う信号伝達情報を含んでもよく、また、ユーザ音声に対応するデータ、受信されたデータ、ユーザ生成データの何れか、または全てを含んでもよい。この点において、携帯端末は、1つ以上のエアインターフェース規格、通信プロトコル、変調タイプ、およびアクセスタイプとともに動作することができてもよい。携帯端末は、複数の第1、第2、第3、第4世代通信プロトコルまたは同等のもののうちのいずれかに従って、動作することができてもよい。例えば、携帯端末は、第2世代(2G)ワイヤレス通信プロトコルIS-136、GSM(登録商標)、およびIS-95、もしくはUMTS、CDMA2000、WCDMA(登録商標)および時分割同期CDMA(TD-SCDMA)といった、第三世代(3G)ワイヤレス通信プロトコル、E-UTRAN(進化型UMTS地上無線アクセスネットワーク)といった3.9Gワイヤレス通信プロトコル、第4世代(4G)ワイヤレス通信プロトコル、または同等のものに従って、動作することができてもよい。
【0026】
プロセッサ40等の装置は、とりわけ、携帯端末10のオーディオ機能や論理機能を実装する回路を含んでもよい。プロセッサは、複数の異なる様式で具現化されてもよい。例えば、プロセッサは、処理回路、コプロセッサ、コントローラ、または、例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ハードウェアアクセラレータ、または同等のものといった集積回路を含む、種々の他の処理デバイスといった処理手段として具現化されてもよい。例示的な実施形態において、プロセッサは、メモリデバイスに記憶される、または別様にプロセッサにアクセス可能な命令を実行するように構成されてもよい。そのようなものとして、プロセッサは、
図4に関して以下でより詳細に議論されるプロセス、または少なくともその一部を実行するように構成されてもよい。プロセッサはまた、変調および伝送の前に、メッセージおよびデータを畳み込みにより符号化し、インタリーブする機能を含んでもよい。プロセッサはさらに、内部音声符号器を含んでもよく、内部データモデムを含んでもよい。
【0027】
携帯端末10はまた、イヤホンまたはスピーカ44、リンガ42、マイクロホン46、ディスプレイ48といった、出力デバイスを含むユーザインターフェース、およびユーザ入力インターフェースを備えてもよく、それらは、プロセッサ40に接続されてもよい。携帯端末がデータを受信できるよう、ユーザ入力インターフェースは、キーパッド50、タッチセンサ式ディスプレイ(図示せず)または他の入力デバイスといった、携帯端末がデータを受信できるようにする複数のデバイスのうちのいずれかを含んでもよい。キーパッドを含む実施形態において、キーパッドは、数字(0〜9)および関連キー(#、*)、ならびに携帯端末10を動作させるために使用される他のハードおよびソフトキーを含んでもよい。代替的に、キーパッドは、従来のQWERTYキーパッド配置を含んでもよい。キーパッドはまた、関連機能を伴う種々のソフトキーを含んでもよい。加えて、または代替的に、携帯端末は、ジョイスティックまたは他のユーザ入力インターフェースといった、インターフェースデバイスを含んでもよい。携帯端末はさらに、携帯端末を動作させるために使用される種々の回路に動力供給するため、ならびに任意に、検出可能な出力として機械的振動を与える振動バッテリパックといった、バッテリ54を含んでもよい。
【0028】
携帯端末10はさらに、一般にスマートカードと呼ばれるユーザ識別モジュール(UIM)58を含んでもよい。UIMは、内蔵されたプロセッサを有するメモリデバイスであってもよい。UIMは、例えば、加入者識別モジュール(SIM)、ユニバーサル集積回路カード(UICC)、ユニバーサル加入者識別モジュール(USIM)、着脱可能なユーザ識別モジュール(R-UIM)、または任意の他のスマートカードを含んでもよい。UIMは、モバイル加入者に関する情報要素を記憶してもよい。UIMに加えて、携帯端末は、メモリを具備してもよい。例えば、携帯端末は、データの一時記憶用キャッシュ領域を含む、揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)といった、揮発性メモリ60を含んでもよい。携帯端末はまた、内蔵、着脱可能の何れか、または両方の他の不揮発性メモリ62を含んでもよい。不揮発性メモリは、さらに、または代替として、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、または同等のものを備えてもよい。メモリは、携帯端末の機能を実装するように、携帯端末によって使用される、複数の情報、およびデータのうちのにずれも記憶してもよい。例えば、メモリは、携帯端末を一意的に識別することができる、国際携帯機器識別(IMEI)コードといった識別子を含んでもよい。さらに、メモリは、セルID情報を決定する命令を記憶してもよい。具体的には、メモリは、携帯端末が通信する、現在のセルの識別、すなわち、セルID識別またはセルID情報を決定する、プロセッサ40によって実行されるアプリケーションプログラムを記憶してもよい。
【0029】
1つの例示的な実施形態に従う通信ネットワークの例示的な実施形態を、
図1に示す。例示的な実施形態のネットワークにより実行される、またはそれに関連した動作を示すフローチャートを
図4に示すが、このフローチャートは、例えば、
図2に示されるような携帯端末により実行されてもよい。フローチャートの各ブロック、およびフローチャートにおけるブロックの組み合わせが、1つ以上のコンピュータプログラム命令を含む、ソフトウェアの実行に関連付けられる、ハードウェア、ファームウェア、プロセッサ、回路、他のデバイス(複数を含む)の何れか、または全てといった種々の手段によって実装されてもよいことが理解されよう。例えば、前述される手順のうちの1つ以上は、コンピュータプログラム命令によって具現化されてもよい。この点において、前述される手順を具現化する、コンピュータプログラム命令は、本発明の例示的な実施形態を採用しているクライアントといった装置のメモリデバイス60、62によって記憶されてもよく、装置内のプロセッサ40によって実行されてもよい。認識されるように、いかなるかかるコンピュータプログラム命令も、最終的なコンピュータまたは他のプログラム可能な装置が、フローチャートブロック(複数を含む)において指定される機能を実装する手段を具現化するように、
図2に描かれるようなコンピュータまたは他のプログラム可能な装置(例えば、ハードウェア)上へロードされてもよい。これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリ内に記憶された命令が、その実行がフローチャートブロック(複数を含む)において指定される機能を実装する製品を製造するように、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置、例えば、オーバーレイネットワークホストを特定の様式で機能させることができる、コンピュータ可読メモリ内に記憶されてもよい。コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行する命令が、フローチャートブロック(複数を含む)において指定される機能を実装するように、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行されるべき一連の動作を引き起こして、コンピュータ実装プロセスを生成するように、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上へロードされてもよい。
【0030】
概して、本発明の例示的な実施形態は、隣接する携帯端末を使用して携帯端末のディスプレイ、ユーザインターフェース、またはその両方を向上または拡大する、またはその両方のための方法を提供する。例えば、第1の携帯端末は、ウェブページ、アプリケーション、または他のオブジェクトをタッチセンサ式ディスプレイ上に表示してもよく、第1の携帯端末および近接する第2の携帯端末によって認識される特定の動きの検出後、ディスプレイが第1の携帯端末からのオブジェクトを表示するように事実上リンクされてもよい。
【0031】
本発明の例示的な実施形態は、タッチセンサ式ディスプレイ(例えばタッチスクリーン)を備える携帯端末を参照して説明されるが、本発明の実施形態は、単一または複数のタッチディスプレイ、別個のタッチパッドユーザインターフェースを有するディスプレイ、または他のディスプレイタイプを有する、種々のタイプの携帯端末上で動作可能であるように構成されてもよい。
【0032】
本発明の実施形態は、少なくとも2つの基本的動作を含んでもよい。第1の動作は、携帯端末10といった携帯端末が、第2の携帯端末にジョイントされるべきであることを伝えるアクションを検出することを含む。このアクションは、ピンチジェスチャを行っている指が2つの携帯端末のタッチセンサ式ディスプレイと接触している間のピンチジェスチャを含んでもよい。第2の動作は、両方の携帯端末のユーザインターフェースが、携帯端末の第1の動作および向きに基づいてユーザインターフェースのジョイントがどのように実行されるかを決定付けることができる、1組のジョイントイベント規則に従って修正されることを可能にする。ジョイントイベント規則は、携帯端末の一方または両方において使用されているアプリケーション(複数を含む)によって決定付けられてもよい。
【0033】
本発明の例示的な実施形態を
図3に示すが、第1の携帯端末300および第2の携帯端末310が、互いに隣接して、または接近して配置されている。ユーザ320は、親指といった第1の指322、および人差し指といった第2の指324を、それぞれのタッチセンサ式ディスプレイ305、315に触れている間に、つまむような動き(矢印330により示される)で使用してもよい。図示される実施形態にはユーザ320の指322、324が描かれているが、スタイラスといったいかなるタッチデバイスがタッチセンサ式ディスプレイ305、315上で使用されてもよいことが理解されるべきである。さらに、ジョイントアクションは、(同じまたは個別のユーザの)2つの異なる手、または、2人の異なるユーザに属するタッチデバイスによって実行されてもよい。指322、324の動きは、端末に、それらの向きおよびタッチセンサ式ディスプレイが触れられた様式により決定付けられる様式でタッチセンサ式ディスプレイをジョイントさせてもよい。
【0034】
複数のユーザインターフェースが組み合わせて一緒にされて相互に連携して動作する本発明の方法の例示的な実施形態を、
図4のフローチャートに示すが、携帯端末Aおよび携帯端末Bの2つの端末は、互いに接近し、おそらくは物理的に接触している。携帯端末Aは、401において、携帯端末Aのタッチセンサ式ディスプレイ(またはタッチスクリーン)の座標位置(x1, y1)におけるタッチイベントを検出してもよい。次いで、携帯端末Aは、近距離通信方法(例えば、Bluetooth(登録商標)またはZigbee(登録商標))を介して、近接デバイス(例えば、他の携帯端末)にネットワークメッセージを伝送してもよい。実質的に同時に(例えば、0.25秒といった比較的短時間内に)、携帯端末Bは、402において、携帯端末Bのタッチセンサ式ディスプレイの座標位置(s1, t1)でタッチイベントを検出してもよい。携帯端末Bは、403において、401で伝送された、(x1, y1)からの継続中のタッチイベントがあることを示すメッセージを、携帯端末Aから受信することができ、携帯端末Bは、それに応じてその近接デバイスのレジストリを更新してもよい。携帯端末Aは、404において、402で伝送された、(s1, t1)からの継続中のタッチイベントがあることを示すメッセージを、携帯端末Bから受信することができ、携帯端末Aは、それに応じてその近接デバイスのレジストリを更新してもよい。携帯端末Aは、405において、401検出されたタッチイベントが、実際にはタッチポイントが(x1, y1)から(x2, y2)に移動したドラッグイベントであることを検出してもよい。携帯端末Aは、ドラッグイベントが画面のどの端に、すなわち上、左、右または下に向かって移動しているかを決定してもよい。例えば、x2-x1 > |y2-y1 |である場合、ドラッグイベントが画面の右端に向かっていることが導出され得る。(座標系は、画面の左下角部に原点を有し、正のx軸は画面の右側に向かい、正のy軸は画面の上部に向かっている。)これに関するネットワークイベントは、他の近接デバイスに送信されてもよい。携帯端末Bは、406において、携帯端末A上での右端に向かうドラッグイベントに関するメッセージを受信することができ、携帯端末Bは、それに応じてそのレジストリを更新することができる。携帯端末Bは、407において、そのタッチイベントがドラッグイベントになり、タッチポイントが(s1, t1)から(s2, t2)に移動したことを検出してもよい。
前述の例の目的において、方向は、画面の下部に向かうものと計算されてもよい。携帯端末Aは、408において、携帯端末B上でのドラッグイベントに関するメッセージを受信し、それに応じて、近接デバイスの状態のレジストリを更新してもよい。携帯端末Bは、409において、ユーザが指をディスプレイから離した際に、ドラッグイベントが終了したことを認識することができ、携帯端末Bは、ドラッグイベントの終了に関するネットワークイベントを、近接デバイスに送信してもよい。次いで、携帯端末Bは、近接デバイスの状態のレジストリをチェックして、任意の近接デバイス上で生じている他の同時のドラッグイベントがあるかを決定してもよい。携帯端末Bは、携帯端末Aが同時のドラッグイベントを経験したこと、および携帯端末Aのドラッグイベントの方向を認識してもよい。ジョイントイベントは、411において、携帯端末Bによって生成され、携帯端末Aに伝送されてもよい。携帯端末Aは、携帯端末Bのドラッグイベントが終了したことのメッセージを携帯端末Bから受信することができ、携帯端末Aは、それに応じてそのレジストリを更新してもよい。携帯端末Aは、さらに、412において、ジョイントイベントおよびジョイントイベントの規則を、携帯端末Bから受信してもよい。次いで、携帯端末Aは、413において、携帯端末Aおよび携帯端末Bのタッチセンサ式ディスプレイが、ジョイントイベントに関連付けられた規則に基づいてジョイントされている、または連携しているように見えるように、ジョイントイベントをそのタッチセンサ式ディスプレイに適用してもよい。携帯端末Aは、携帯端末Aのタッチセンサ式ディスプレイ上のドラッグイベントが終了したことを認識することができ、このイベントを示す信号を近接デバイスに伝送する。携帯端末Bは、携帯端末Aからメッセージを受信し、それに応じて携帯端末Bのレジストリを更新する。
【0035】
上述の実施形態において、ジョイントイベントは、指が離れたことをより早く検出したいずれかのデバイスによって開始されてもよく、そのデバイスが次いで主要デバイスとなる。
図4に描かれる実施形態において、携帯端末Bがジョイントイベントを開始し、主要デバイスとなるように、指またはポインティングデバイスは、携帯端末Bから最初に離された。携帯端末Aは、補助デバイスとなり、主要デバイスから受信されたジョイントイベントの規則に従い、主要デバイスのオブジェクトを提示する。両方のデバイスが、指が離されたこと、またはそれぞれのドラッグイベントの終了を実質的に同時に検出した場合、ジョイントイベントのうちの一方が冗長であるとして検出される。冗長なジョイントイベントの場合、主要デバイスを特定するユーザ入力の要求が、一方または両方のデバイス上に提示されてもよい。任意に、主要デバイスは、ジョイントジェスチャが主要デバイスの決定に影響を与えないように、ジョイントイベントに関与するデバイス上で使用されているアプリケーションによって決定付けられてもよい。
【0036】
図4は、本発明の例示的な実施形態に従うシステム、方法およびプログラム製品のフローチャートである。フローチャートの各ブロック、およびフローチャートにおけるブロックの組み合わせが、1つ以上のコンピュータプログラム命令を含む、ソフトウェアの実行に関連付けられる、ハードウェア、ファームウェア、プロセッサ、回路、および/または他のデバイス(複数を含む)といった、種々の手段によって実装されてもよいことが理解されよう。例えば、上で説明される手順のうちの1つ以上は、コンピュータプログラム命令によって具現化されてもよい。この点において、上で説明される手順を具現化する、コンピュータプログラム命令は、本発明の実施形態を採用している装置のメモリデバイスによって記憶され、装置内のプロセッサによって実行されてもよい。認識されるように、いかなるかかるコンピュータプログラム命令も、最終的なコンピュータまたは他のプログラム可能な装置が、フローチャートブロック(複数を含む)において指定される機能を実装する手段を具現化するように、機械を生産するために、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置(例えば、ハードウェア)上へロードされてもよい。これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリ内に記憶された命令が、その実行がフローチャートブロック(複数を含む)において指定される機能を実装する製造品を形成するように、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置を特定の様式で機能させることができる、コンピュータ可読メモリ内に記憶されてもよい。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置上で実行される命令が、フローチャートブロック(単数または複数)で指定される機能を実行するための動作を提供するように、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置上にロードして、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置上で一連の動作を実行させてコンピュータ実装プロセスを形成してもよい。
【0037】
したがって、フローチャートのブロックは、指定された機能を実行する手段の組み合わせ、指定された機能を実行するための動作の組み合わせ、および指定された機能を実行するプログラム命令手段をサポートする。フローチャートの1つ以上のブロック、およびフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定された機能、または特殊用途ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行する、特殊用途ハードウェアベースのコンピュータシステムによって実装することができることもまた、理解されよう。
【0038】
例示的な実施形態において、上の
図4の方法を実行する装置は、上で説明される動作(401〜413)のうちの一部または各々を実行するように構成される、プロセッサ(例えば、プロセッサ70)を備えてもよい。プロセッサは、例えば、ハードウェア実装理論的機能を実行すること、記憶された命令を実行すること、または動作の各々を実行するアルゴリズムを実行することによって、動作(401〜413)を実行するように構成されてもよい。代替的に、装置は、上で説明される動作の各々を実行する手段を備えてもよい。この点において、例示的な実施形態によると、動作401〜413を実行する手段の実施例は、例えば、プロセッサ70、リソースマネージャ80、および/または命令を実行する、もしくは上で説明される情報を処理するアルゴリズムを実行するデバイスもしくは回路を備えてもよい。
【0039】
ジョイントイベントおよびそれに関連付けられた規則の性質は、主要デバイス上に表示されるアプリケーションまたはオブジェクトを最適化するために、アプリケーションに依存してもよい。ジョイントイベントを開始するためにピンチジェスチャが使用される場合、ジョイントイベントに関与するデバイスは、ドラッグイベント、および生じたそのイベントがそれぞれ向かうタッチセンサ式ディスプレイの側を認識してもよい。主要デバイスのドラッグイベントが、タッチセンサ式ディスプレイの右側に向かい、一方補助デバイスのドラッグイベントが、タッチセンサ式ディスプレイの下部に向かう場合、ディスプレイのジョイントは、主要デバイスのタッチセンサ式ディスプレイの右端と、補助デバイスのタッチセンサ式ディスプレイの下端との間の仮想インターフェースを含んでもよい。タッチセンサ式ディスプレイ上のドラッグイベントの具体的な場所は、
図5に示されるようにいくつかのジョイントイベントの要素に取り入れられてもよく、タッチセンサ式ディスプレイ515の上部の右端に向かう、主要デバイス510上のドラッグイベント512、および、補助デバイス520のタッチセンサ式ディスプレイ525の下部の左端に向かう、ドラッグイベント522は、タッチセンサ式ディスプレイ間でずれた仮想インターフェースをもたらしてもよい。一部のアプリケーションのジョイントイベント規則は、ドラッグイベントに関連したタッチセンサ式ディスプレイの関連した側のみを使用し、正確な場所を無視してもよいが、他のアプリケーションは、ジョイントされるデバイスの整合性を決定するために、ドラッグイベントの正確な場所を使用してもよい。
【0040】
上述のように、ジョイントイベントおよびそれに関連付けられた規則の性質は、ある状況において、ジョイントされる携帯端末が主要-補助関係とならなくてもよいが、むしろ協力関係となるように、アプリケーションに依存してもよい。協力関係を使用するアプリケーションは、共生データ(symbiotic data)または情報交換を必要とするゲームまたはアプリケーションを含んでもよい。
【0041】
本発明の実施形態が実装され得る例示的なアプリケーションは、例えば机上に置かれた第1の形態端末上に表示されるバーチャルマインドマップを含んでもよい。第2の携帯端末は、第1の携帯端末の隣に置かれてもよく、ユーザは、携帯端末の各々のタッチセンサ式ディスプレイ間のピンチジェスチャを行ってもよい。ユーザは、ピンチジェスチャを介して、またはいずれかの端末によるプロンプトを介して、第1の携帯端末が主要携帯端末であることを示してもよい。第2の携帯端末は、第1の携帯端末の表示領域を拡大するように機能するため、第1の携帯端末の画面外であったバーチャルマインドマップの一部を表示してもよい。上述のように、ジョイントジェスチャではなく、アプリケーションが主要デバイスを示してもよい。バーチャルマインドマップの例示的なアプリケーションにおいて、バーチャルマインドマップの概要を示し、矩形コンテンツ空間表示領域が割り当てられていない端末とジョイントされた際に、割り当てられた矩形コンテンツ空間表示領域を表示する端末が自動的に主要デバイスとして認識されてもよい。
【0042】
上述の例示的なアプリケーションのジョイントイベントの技術的実装は、第1の形態端末が、コンテンツ空間座標内の長方形として画定される、より大きな仮想空間の特定領域を表示していることを含んでもよい。第2の携帯端末は、そのような画定された領域を有さなくてもよく、全てのコンテンツの概要を表示していてもよい。主要デバイスとして決定された第1の携帯端末により、第1の携帯端末と第2の携帯端末との間にドラッグイベントまたはピンチジェスチャが検出された場合、ジョイントイベントは第2の携帯端末に送信される。上述のように、第2の携帯端末は画定された領域を有さないため、アプリケーションは、第2の携帯端末を、ジョイントジェスチャの性質とは無関係に補助デバイスとしてもよい。ジョイントイベント規則は、第1の携帯端末上で生じたドラッグまたはピンチイベント、および第1の携帯端末上に表示されているコンテンツ-空間四角形の座標を含んでもよい。次いで、第2の携帯端末は、2つの携帯端末の間に生じたドラッグまたはピンチイベントに整合した矩形コンテンツ空間表示領域を表示してもよく、第1の携帯端末の表示された矩形コンテンツ空間表示領域を捕捉する。
【0043】
ジョイントイベントの例示的な実施形態は、ジョイントイベントをさらに定義し、ジョイントイベントに関与する携帯端末がどのように相互作用するかを示す、ジョイントイベント規則またはパラメータを含んでもよい。ジョイントイベント規則セットの例示的な実施形態は、相対的向きおよび接触端部を含んでもよい。マップビューアといったアプリケーションは、携帯端末がジョイントされた際に表示領域を拡大する実施形態の助けとなり得るが、マップビューアを含むアプリケーションは、補助デバイスの代替用途を提供してもよい。例えば、主要デバイスは、場所のマップを表示するアプリケーションを実行していてもよい。主要デバイスが、主要デバイスのタッチセンサ式ディスプレイの右側にドラッグすることにより補助デバイスとジョイントされる(例えば、補助デバイスが主要デバイスの右側にある)場合、補助デバイスは、マップの拡大表示を示してもよいが、主要デバイスが、主要デバイスのタッチセンサ式ディスプレイの左側にドラッグすることにより補助デバイスとジョイントされる(例えば、補助デバイスが主要デバイスの左側にある)場合、補助デバイスは、ズーム機能、場所検索オプション、地形情報、人口統計等といったマップオプションを表示してもよい。ジョイントイベントに応答して補助デバイスにより実行される機能は、どのようにしてドラッグまたはピンチイベントが実行されるかによって決定付けられてもよく、補助デバイスが実行する機能がジョイントイベント規則に含まれてもよい。
【0044】
ジョイントイベント規則の別の例示的な実施形態は、ジョイントされるデバイスの向きに関するジョイントイベント規則を含んでもよい。例えば、第1の携帯端末が、垂直に向いた矩形タッチセンサ式ディスプレイを含み、第2の携帯端末が、水平に向いた矩形タッチセンサ式ディスプレイを含む場合、相対的向きは、どのようにしてジョイントイベント規則が生成、実装、またはその両方がされるかに影響を及ぼしてもよい。例えば、
図6に示されるように、アプリケーションはディスプレイ615上にウェブページを表示しており、第1の携帯端末610は、第1の携帯端末と直交して配向する第2の携帯端末620とジョイントされてもよい。第2の携帯端末は、ウェブページが第2の携帯端末620のディスプレイ625上に表示され、一方でウェブページ全体の概要が、図示された実施形態の表示四角形630のように、どの領域が第2の携帯端末620上に表示されているかの指示とともに、第1の携帯端末610上に表示されるように、ウェブページ表示により良好に適合する向きのものであってもよい。第2の携帯端末620のディスプレイ上でのスクロールは、第2の携帯端末620の「さらに表示する」アイコン627を押す/触れることにより、または代替として、表示四角形630を、第1の携帯端末610のタッチセンサ式ディスプレイ615上に表示された全ウェブページの所望の表示領域にドラッグすることにより達成されてもよい。例えば、ユーザは、「さらに表示する」アイコン627に触れてもよく、表示四角形630のすぐ下に、第1の携帯端末610上に表示されたウェブページのセクションが表示され、それに応じて表示四角形630が移動する。任意で、指または他のタッチデバイスを第2の携帯端末620のタッチセンサ式ディスプレイ625の下に向けてドラッグすることによるドラッグイベントによって、ウェブページがスクロールダウンされてもよい。
【0045】
本発明のさらなる例示的な実施形態を
図7〜9に示すが、Twitter(登録商標)アカウントといったアプリケーションが、携帯端末710のディスプレイ715上に提示されている。携帯端末810(描かれる実施例における主要デバイス)は、
図8において示されるように、補助デバイスである携帯端末820とジョイントされてもよく、各デバイスの向きは平行であり、主要デバイス810はタッチセンサ式ディスプレイ815の下部を介してジョイントされ、補助デバイスは、タッチセンサ式ディスプレイ825の上部を介してジョイントされている。携帯端末810、820の向き、および主要デバイス810上で有効であるアプリケーションは、補助デバイス820に送信されるジョイントイベント規則を決定付けてもよい。図示される実施形態において、補助デバイスは、追加情報、この実施例においては以前主要デバイス810の画面外であった追加のメッセージを表示するように、主要デバイス810のディスプレイを拡大する。
図9は、
図7および8の端末と同様に、主要デバイスとして携帯端末910を示しているが、補助デバイス(携帯端末920)は、主要デバイス910と直交して配位している。主要デバイス910が、タッチセンサ式ディスプレイ915の下部を介して、左側が主要デバイス910に面して配向している補助デバイス920のタッチセンサ式ディスプレイ925の左側にジョイントされる場合、補助デバイス920に送信されるジョイントイベント規則は、異なってもよい。図示された実施形態において、ジョイントイベント規則は、補助デバイスに、携帯端末910上に表示される情報の続きではなく、オプションを表示させる。さらに、ジョイントイベント規則は、ドラッグ方向、アプリケーション、および関与するデバイスの相対的な向きに基づいてどのようにジョイントイベントが生じるかをユーザが決定するように、ユーザによって構成されてもよい。
【0046】
本発明の例示的な実施形態は、
図10および11に示されるいかなる数の携帯端末をジョイントしてもよい。
図10は、並んで配置され、ピンチジェスチャによりジョイントされた3つの携帯端末を描いており、矢印はそれぞれ、タッチおよびタッチ方向を示している。携帯端末がジョイントされる順番は、どの携帯端末が主要デバイスであるかを決定付けてもよい。例えば、携帯端末1010が携帯端末1020とジョイントされ、携帯端末1010が主要デバイスである場合、携帯端末1030が携帯端末1020にジョイントされた際に、携帯端末1010は主要デバイスのままであり、アプリケーション、デバイス向き、および1020といった任意の以前にジョイントされたデバイスに基づいて、ジョイントイベント規則を決定付けてもよい。そのような実施形態において、携帯端末1020は、ドラッグイベントを検出し、ドラッグイベントは、1010および1030の両方に伝達され、それらのレジストリが更新される。ジョイントイベントが開始されたことの決定後、携帯端末1020はすでに携帯端末1010に対する補助デバイスであるため、携帯端末1010は、ジョイントイベント規則を伝送することができる。任意で、携帯端末1010と携帯端末1020との間でジョイントイベントが生じた際に、携帯端末1020に伝送されるジョイントイベント規則は、携帯端末1020がジョイントイベント規則を携帯端末1030に伝送し得るように、その後にジョイントされる携帯端末のジョイントイベント規則を含んでもよい。
図11は、複数のデバイスが2つ以上のジョイントイベントによりジョイントされた別の例示的な実施形態を示している。
【0047】
上で説明されるように、および当業者に理解されるように、本発明の実施形態は、システム、方法または電子デバイスとして構成されてもよい。したがって、本発明の実施形態は、ハードウェア、またはソフトウェアおよびハードウェアの任意の組み合わせを完全に含む種々の手段を含んでもよい。さらに、本発明の実施形態は、記憶媒体内に具現化されたコンピュータ可読プログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を有するコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形式をとり得る。ハードディスク、CD-ROM、光学記憶デバイス、または磁気記憶デバイスを含む、任意の好適なコンピュータ可読記憶媒体を利用することができる。
【0048】
本明細書において記載される、本発明の多くの修正および他の実施形態は、前述の説明および関連図面において提示される教示の利益を有する、これらの発明が属する当業者に、着想されるであろう。したがって、本発明が、開示される特定の実施形態に制限されるものではないこと、ならびに修正および他の実施形態が、添付の請求項の範囲内に包含されることが意図されることが理解されるものとする。特定の用語が本明細書において採用されるが、それらは、制限目的ではなく、一般的かつ説明的意味のみで使用される。