【実施例】
【0093】
分取HPLC精製方法の一般的手順:
HPLC測定が、Gilson281〜233ポンプ(二値)、オートサンプラー、及びUV検出器を用いて実行された。分画はLC−MSによって検出された。MS検出器はエレクトロスプレーイオン化源を含むように構成された。イオン化源の温度は300〜350℃に維持された。
【0094】
方法1
Luna C18(100×30mm;4um)で逆相HPLCが実行された。溶媒A:0.075%のトリフルオロ酢酸を含む水;溶媒B:0.075%のトリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル。勾配:室温において、25mL/分で6分以内に20%のBを40%のBへ;次いで25mL/分で2分間、40%のB、UV検出器。
【0095】
実施例では、以下の略語が使用されている:
Boc:tert−ブトキシカルボニル
DCM:ジクロロメタン
DMF:ジメチルホルムアミド
Et
3N:トリエチルアミン
TLC:薄層クロマトグラフィー
PE:石油エーテル
AE/EtOAc:酢酸エチル
ACN:アセトニトリル
r.t.:室温
Rt:保持時間
THF:テトラヒドロフラン
LDA リチウムジイソプロピルアミド
EDC.HCl:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HOBt:ヒドロキシベンゾトリアゾール
THP−O−NH
2:N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)アミン
MeOH:メタノール
NMM:N−メチルモルホリン
m−CPBA:メタクロロ過安息好酸
DCM:ジクロロメタン
DMSO:ジメチルスルホキシド
【0096】
合成経路1a
条件:a.DMF中、K
2CO
3(2当量)、CH
3I(1.5当量)、r.t.;b.THF中LDA(1.25M)、−78℃で1時間;次いで、R−02(2当量)、−78℃で1時間;c.THF/MeOH/H
2O(3/3/2)中LiOH.H
2O(10当量)、r.t.;d.DMF中、EDC.HCl(2当量)、HOBt(2当量)、THP−O−NH
2(1.5当量)、NMM(3当量)、r.t.;e.R−04(1.5〜3当量)、Cs
2CO
3(2〜3当量)、90℃で12時間;e’.DCM中m−CPBA(4当量)、r.t.(Q=S〜Q’=SO
2);f.−HCl/ジオキサン、r.t.で1時間。
【0097】
上記スキーム中、QはO又はSであり、Q’はQ又はSO
2であり、Cyは、フェニル又は5〜6員ヘテロアリールであり、置換されていてもよい。
【0098】
中間体I−01aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
DMF(200mL)中、Wuxi Apptec社から市販されている8−tert−ブトキシカルボニル−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸(20g、0.071mol)の溶液に対し、K
2CO
3(18.59g、2当量)を加え、次いで化合物CH
3I(14.34g、1.5当量)を液滴で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 5:1)により示された後、混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより、薄黄色のオイルとして粗化合物8−tert−ブトキシカルボニル−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル(20.38g、97.09%)を生じさせ、これをそれ以上精製することなく次の工程のために使用した。ESI−MS(M+1):C
16H
27NO
4の計算値298。
【0099】
試薬R−02aの調製:4−フルオロベンゼンスルホニルフルオリド
ACN(500mL)中、化合物4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドの溶液(50g、0.256mol)に対し、KF(74.36g、5当量)及び18−クラウン−6(2g)を室温で加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、LC−MSにより検出し、次いで飽和NaHCO
3水溶液を加え、EtOAcを用いて混合物を抽出し、有機層を、飽和NaHCO
3水溶液、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより、薄黄色のオイルとして粗化合物4−フルオロベンゼンスルホニルフルオリド(46.70g)を生じさせ、これをそれ以上精製することなく次の工程のために使用した。ESI−MS(M+1):C
6H
4F
2O
2Sの計算値179。
【0100】
中間体I−02aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
THF(200mL)中化合物I−01a(18.38g、0.062mol)の溶液に対し、−78℃でLDA(102mL、1.25M)を加えた。−78℃で1時間撹拌した後、化合物4−Fluフルオロベンゼンスルホニルフルオリド(22.23g、2当量)を溶液に加え、反応物を−78℃で1時間撹拌し、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 5:1)により示された後、混合物を、NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これをカラムクロマトグラフィー(EA/PE=100:1〜10:1を用いた溶出)により精製し、薄黄色のオイルとして純粋な化合物I−02a(18.94g、67.03%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
22H
30FNO
6Sの計算値456。
【0101】
中間体I−03aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸
THF/MeOH/H
2O(3/3/2、80mL)中、化合物I−02a(10g、0.022mol)の溶液に対し、LiOH.H
2O(9.23g、10当量)を加えた。結果として得られた混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、出発物質が完全に消費されたことがTLC(PE/AE 5:1)により示された後、混合物を水で希釈し、1NのHClを用いてpHを2〜3に調整し、混合物を、EtOAcを用いて抽出し、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより、薄黄色のオイルとして粗生成物I−03a(9.60g、98.97%)を生じさせ、これを次の段階で使用した。ESI−MS(M+1):C
21H
28FNO
6Sの計算値442。
【0102】
中間体I−04aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DMF(100mL)中、化合物I−03a(9.60g、0.022mol)の溶液に対し、EDC.HCl(8.40g、2当量)、HOBt(5.85g、2当量)、THP−O−NH
2(3.86g、1.5当量)、NMM(6.67g、3当量)を室温で加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗組成物を生じさせ、これをカラムクロマトグラフィー(EA/PE = 50:1〜2:1で溶出)により精製し、薄黄色固体として純粋な化合物I−04a(9.0g、75.76%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
26H
37FN
2O
7Sの計算値541。
【0103】
中間体I−05aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DMF(5mL)中、化合物I−04a(200mg、0.37mmol)の溶液に対し、p−メトキシフェノール(69mg、1.5当量)及びCs
2CO
3(241mg、2当量)を加え、次いで反応混合物を90℃で一晩撹拌した。出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 2:1)により示された後、混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗化合物を生じさせ、これを分取TLC(PE/AE 2:1)により精製し、薄黄色のオイルとして純粋な化合物I−05a(150mg、63.03%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
33H
44N
2O
9Sの計算値645。
【0104】
化合物1−03の調製:N−ヒドロキシ−3−[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル]−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(4M/L、5mL)中、中間体I−05a(150mg、0.233mmol)の溶液を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取HPLC(一般的手順、方法1)により精製して赤色固体として純粋な化合物1−03(50mg、46.73%)を得た。Rt:2.63、ESI−MS(M+1):C
23H
28N
2O
6Sの計算値461。
【0105】
化合物1−59の調製:3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−N−ヒドロキシ−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
中間体I−04aから出発して化合物1−03について記載されたものと同じ工程を経た後、化合物1−59が得られた。Rt:2.11、ESI−MS(M+1):C
16H
21FN
2O
4Sの計算値356。
【0106】
下記の表において別途指示がない限り、化合物1−03の場合と同じ合成経路1aに従い、且つ同じ試薬を使用して、以下の化合物を得た:
【0107】
合成経路2a
条件:c.R−04(1.5〜3当量)、Cs
2CO
3(2〜3当量)、90℃で12時間;d.ジオキサン(4M)中HCl、室温;e.K
2CO
3(2当量)、ACN中R−08(1.5当量)、室温;f.THF/MeOH/H2O(3/3/2)中LiOH.H
2O(10当量)、室温;g.DMF中、EDC.HCl(2当量)、HOBt(2当量)、THP−O−NH
2(1.5当量)、NMM(3当量)、室温;h.−HCl/ジオキサン、室温で1時間。
【0108】
上記スキーム中、QはO又はSであり;Xはハロゲンであり;R’は置換されていてもよい炭化水素鎖であり;Cyは、フェニル又は5〜6員のヘテロアリールであり、置換されていてもよい。
【0109】
中間体I−06aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル]−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
DMF(120mL)中、化合物I−02a(900mg、1.97mmol)の溶液に対し、Cs
2CO
3(1.92g、5.9mol)及び4−メトキシフェノール(490mg、3.95mmol)を加え、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。混合物を、EtOAcで希釈し、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これをカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:30〜1:5)により精製し、薄黄色のオイルとして化合物I−06a(600mg、54.0%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
29H
37NO
8Sの計算値560.
【0110】
中間体I−07aの調製:3−[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル]−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
HCl/ジオキサン(4M、6mL)中、化合物I−06a(500mg、0.89mmol)の溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮することにより化合物I−07a(500mg、粗製)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
24H
29NO
6Sの計算値461。
【0111】
中間体I−08aの調製:3−[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル]−8−メチル−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
CH
3CN(10mL)中、中間体I−07a(181mg、0.39mmol)の溶液に対し、K
2CO
3(107mg、0.78mmol)、MeI(28mg、0.19mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。出発物質の多くが消費されたことがTLCにより示された後、混合物を、EtOAcで希釈し、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより薄黄色のオイルとして粗化合物I−08a(110mg、59.7%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
26H
33NO
6Sの計算値588。
【0112】
中間体I−09aの調製:3−[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル]−8−メチル−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸
THF/MeOH/H
2O(3/3/2、8mL)中、中間体I−08(110mg、0.23mmol)の溶液に対し、LiOH
.H
2O(195mg、4.6mmol)を加えた。結果として得られた混合物を一晩還流させた。出発物質の大部分が完全に消費されたことがTLCにより示された後、混合物を、水で希釈し、pHを2〜3に調整した。混合物を、EtOAcを用いて抽出し、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより、薄黄色固体として粗生成物I−09a(100mg、94.0%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
24H
29NO
6Sの計算値460。
【0113】
中間体I−10aの調製:3−[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル]−8−メチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DMF(10mL)中、中間体I−09a(100mg、0.22mmol)の溶液に対し、EDCl(84mg、0.44mmol)、HOBt(59mg、0.44mmol)、THP−O−NH
2(51.5mg、0.44mmol)、NMM(66mg、0.66mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、EtOAcで希釈し、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これをカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:50〜1:4)により精製し、薄黄色固体として化合物I−10a(78mg、64.0%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
29H
38N
2O
7Sの計算値559。
【0114】
化合物1−04の調製:N−ヒドロキシ−3−[4−(4−メトキシフェノキシ)−フェニルスルホニル]−8−メチル−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(4M/L、10mL)中、中間体I−10a(78mg、0.14mmol)の溶液を室温で3時間撹拌し、反応混合物を濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取HPLC(一般的手順、方法1)により精製して薄黄色固体として純粋な化合物1−04(14.7mg、22.0%)を得た。Rt:2.66、ESI−MS(M+1):C
24H
30N
2O
6Sの計算値475。
【0115】
下記の表において別途指示がない限り、化合物1−04の場合と同じ合成経路2aに従い、且つ同じ試薬を使用して、以下の化合物を得た:
【0116】
合成経路1b
条件:e.R−05(4当量)、NaH(0〜4当量)、30分後室温で、90℃で12時間;f.−HCl/ジオキサン、室温で1時間
【0117】
上記スキーム中、Rは、置換されていてもよい炭化水素鎖である。
【0118】
中間体I−11aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]フェニルスルホニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DMF(5mL)中、2−(ピペリジン−1−イル)エタノール(191mg、4当量)の溶液に対してNaH(36mg、4当量)を加え、次いで混合物を室温で0.5時間にわたり撹拌し、中間体I−04a(200mg、0.37mmol)を加え、次いで反応混合物を90℃で一晩撹拌した。出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 2:1)により示された後、混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗化合物を生じさせ、これを分取TLC(PE/AE = 2:1)により精製し、薄黄色のオイルとして純粋な中間体I−11a(184mg、76.67%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
33H
51N
3O
8Sの計算値650。
【0119】
化合物1−11の調製:N−ヒドロキシ−3−(4−[2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ]フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(5mL)中、中間体I−11a(180mg、0.277mmol)の溶液を、室温で1時間撹拌し、次いで濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取HPLC(一般的手順、方法1)により精製し、薄黄色固体として純粋な化合物1−11(58.40mg、45.27%)を得た。Rt:2.14。ESI−MS(M+1):C
23H
35N
3O
5Sの計算値466。
【0120】
下記の表において別途指示がない限り、化合物1−11の場合と同じ合成経路1bに従い、且つ同じ試薬を使用して、以下の化合物を得た:
【0121】
合成経路1c
条件:e.R−07(10当量)、100℃で12時間、f.−HCl/ジオキサン、室温で1時間
【0122】
上記スキーム中、R’はR又はHであり、Rは置換されていてもよい炭化水素鎖である。
【0123】
中間体I−12aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−[4−(4−メトキシピペリジン−1−イル)フェニルスルホニル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
中間体I−04a(100mg、0.185mmol)、及び4−メトキシピペリジン(213mg、10当量)の溶液を、100℃で一晩撹拌した。出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 2:1)により示された後、混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗化合物を生じさせ、これを分取TLC(PE/AE 1:1)により精製し、薄黄色のオイルとして純粋な中間体I−12a(50mg、42.74%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
32H
49N
3O
8Sの計算値636。
【0124】
化合物1−16の調製:N−ヒドロキシ−3−[4−(4−メトキシピペリジン−1−イル)フェニルスルホニル]−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(3mL)中、中間体I−12a(50mg、0.079mmol)の溶液を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取HPLC(一般的手順、方法1)により精製し、薄黄色固体として純粋な化合物1−16(25.0mg、69.44%)を得た。ESI−MS(M+1):C
22H
33N
3O
5Sの計算値452。
【0125】
下記の表において別途指示がない限り、化合物1−16の場合と同じ合成経路1cに従い、且つ同じ試薬を使用して、以下の化合物を得た:
【0126】
合成経路1d
条件:e.ベンジルアルコール(4当量)、NaH(4当量)、室温で30分後、90℃で12時間;f.−Pd/C(0.5g)、水素雰囲気、室温で1時間;g.DCM中、−R−09(1.2当量)、Et
3N(3当量)、室温で一晩;h.−HCl/ジオキサン、室温で1時間
【0127】
上記スキーム中、Rは、置換されていてもよい炭化水素鎖、置換されていてもよい炭素環式又はヘテロ脂肪族の環、置換されていてもよいフェニル又は5〜6員ヘテロアリールである。
【0128】
中間体I−13aの調製:3−[4−(ベンジルオキシ)フェニルスルホニル]−8−tert−ブトキシカルボニル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
THF(5mL)中、フェニルメタノール(500mg、5当量)の溶液に対しNaH(110mg、5当量)を加え、次いで混合物を室温で0.5時間撹拌し、中間体I−04a(500mg、0.926mmol)を加え、次いで反応混合物を80℃で一晩撹拌した。出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 2:1)により示された後、混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗化合物を生じさせ、これを分取TLC(PE/AE 2:1)により精製し、薄黄色のオイルとして純粋な中間体I−13a(380mg、65.29%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
33H
44N
2O
8Sの計算値629。
【0129】
中間体I−14aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−[4−ヒドロキシフェニルスルホニル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
MeOH(20mL)中、中間体I−13a(380mg、0.605mmol)の溶液に対し、Pd/C(0.5g)を室温及び水素雰囲気で加え、次いで、出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 2:1)により示されるまで、混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで濾過し、濾液を濃縮することにより粗組成物I−14a(180mg、55.38%)を生じさせ、これをそれ以上精製することなく次の工程のために使用した。ESI−MS(M+1):C
26H
38N
2O
8Sの計算値539。
【0130】
中間体I−15aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−[4−(4−メトキシベンゾイルオキシ)フェニルスルホニル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DCM(5mL)中、中間体I−14a(60mg、0.151mmol)及びEt
3N(46mg、3当量)の溶液に対し、4−メトキシベンゾイルクロリド(31mg、1.2当量)を室温で加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 2:1)により示された後、混合物をDCMを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗化合物を生じさせ、これを分取TLC(PE/AE 2:1)で生成することにより、薄黄色のオイルとして純粋な化合物I−15a(38mg、37.62%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
34H
44N
2O
10Sの計算値673。
【0131】
化合物1−26の調製:N−ヒドロキシ−3−[4−(4−メトキシベンゾイルオキシ)フェニルスルホニル]−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(5mL)中、中間体I−15a(38mg、0.057mmol)の溶液を、室温で1時間撹拌し、次いで濃縮して分取HPLC(一般的手順、方法1)により粗生成物を生じさせて、薄黄色固体として純粋な化合物I−26(22mg、78.57%)を得た。Rt:2.71、ESI−MS(M+1):C
24H
28N
2O
7Sの計算値489。
【0132】
化合物1−60の調製:N−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
中間体I−14aから出発して化合物1−26について記載されたものと同じ工程を経た後、化合物1−60が得られた。Rt:2.11、ESI−MS(M+1):C
16H
22N
2O
5Sの計算値354。
【0133】
下記の表において別途指示がない限り、化合物1−26の場合と同じ合成経路1dに従い、且つ同じ試薬を使用して、以下の化合物を得た:
【0134】
合成経路1e
条件:a.THF中LDA(2.0M)、−78℃で1時間;次いでR−10(1.2当量)、−78℃で1時間;b.ジオキサン/H
2O中、Pd(dppf)Cl
2(0.1当量)及びNa
2CO
3(2当量)、室温で一晩;c.THF/MeOH/H
2O(3/3/2)中、LiOH.H
2O(10当量)、室温.;d.DMF中、EDC.HCl(2当量)、HOBt(2当量)、THP−O−NH
2(1.5当量)、NMM(3当量)、室温;e.−HCl/ジオキサン、室温で1時間。
【0135】
上記スキーム中、Bは、ボロン酸、ボロン酸エステル、又はトリフルオロホウ酸塩であり、Rは、フェニル又は5〜6員ヘテロアリール又は3〜7の複素環式又炭素環式脂肪族環又は炭化水素鎖であり、置換されていてもよい。
【0136】
試薬R−10aの調製:4−ブロモベンゼンスルホニルフルオリド
CH
3CN(45mL)中、4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(2.29g、9mmol)の溶液に対し、KF(2.1g、36mmol)及び18−クラウン−6(0.5g)を加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これをカラムにより精製して薄黄色固体として試薬R−10a(1.6g、74.4%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
6H
4BrFO
2Sの計算値239.2。
【0137】
中間体I−16aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−ブロモフェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
THF(20mL)中、化合物I−01a(230mg、0.77mmol)の溶液に対し、LDA(0.6mL、2.0M、1.2mmol)を−78℃で加えた。−78℃で1時間撹拌した後、試薬R−10a(214mg、0.9mmol)を溶液に加え、反応物を−78℃で1時間撹拌し、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 5:1)により示された後、混合物を、NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせて、これをカラムクロマトグラフィー(EA/PE=100:1〜10:1で溶出)により精製し、薄黄色のオイルとして純粋な化合物I−16a(150mg、38%)を生じさせた。ESI−MS(M−55):C
22H
30BrNO6Sの計算値459.9。
【0138】
中間体I−17aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−(4−メトキシフェニル)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
ジオキサン(10mL)/H
2O(2mL)中、化合物I−16a(50mg、0.1mmol)、及び市販の4−メトキシフェニルボロン酸(20mg、0.13mmol、R−11)の懸濁液に対し、Pd(dppf)Cl
2(10mg)、及びNa
2CO
3(22mg、0.2mmol)を加えた。混合物をN
2下において還流で一晩撹拌した。結果として得られた混合物を室温まで冷却し、水を加えた。有機層を分離し、EtOAcを用いて水層を3回抽出した。組み合わせた有機層を、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、分取TLCにより精製することにより、所望の生成物I−17a(52mg、95%)を得た。ESI−MS(M−55):C
29H
37NO
7Sの計算値488.0。
【0139】
中間体I−18aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−(4−メトキシフェニル)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸
THF/MeOH/H
2O(3/3/2、8mL)中、化合物I−17a(52mg、0.096mmol)の溶液に対し、LiOH.H
2O(42mg、10当量)を加えた。結果として得られた混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、出発物質が完全に消費されたことがTLC(PE/AE 5:1)により示された後、混合物を、水で希釈し、1NのHClを用いてpHを3〜4に調整し、混合物を、EtOAcを用いて抽出し、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより、薄黄色のオイルとして粗生成物I−18a(50mg、〜100%)を生じさせ、これを直接次の工程で使用した。ESI−MS(M−55):C
28H
35NO
7Sの計算値;473.9
【0140】
中間体I−19aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−(4−メトキシフェニル)フェニルスルホニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DMF(15mL)中、化合物I−18a(50mg、0.095mmol)の溶液に対し、EDC.HCl(40mg、0.2mmol)、HOBt(27mg、0.2mmol)、THPONH
2(24mg、0.2mmol)、NMM(40mg、0.4mmol)を加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取TLCにより精製することにより薄黄色固体として化合物I−19a(45mg、72%)を生じさせた。ESI MS(M−139):C
33H
44N
2O
8Sの計算値;488.9
【0141】
化合物1−41の調製:N−ヒドロキシ−3−(4−(4−メトキシフェニル)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(10mL、2N)中、中間体I−19a(45mg、0.072mmol)の溶液を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取HPLCにより二回(一般的手順、方法1)精製し、黄色固体として純粋な化合物1−41(6.6mg、16.8%)を得た。ESI−MS(M+1):C
23H
28N
2O
5Sの計算値445.2。Rtは2.01である。
【0142】
下記の表において別途指示がない限り、化合物1〜41の場合と同じ合成経路1eに従い、且つ同じ試薬を使用して、以下の化合物を得た:
【0143】
合成経路1f
条件:a.DCM中、R−09(1.2当量)、Et
3N(2当量)、室温で一晩;b.HCl/ジオキサン、室温で1時間
【0144】
上記スキーム中、R及びR’は水素であり、Xはハロゲンであり、R’’は、フェニル又は5〜6員ヘテロアリール又は3〜7の複素環式又は炭素環式脂肪族環又は炭化水素鎖であり、置換されていてもよい。
【0145】
中間体I−20aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)フェニルスルホニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DCM(3mL)中、化合物I−12c(80mg、0.149mmol)、1−61を合成するために(合成経路1cに従って)得た中間体の溶液に対しシクロヘキサンカルボニルクロリド(26.2mg、1.2当量)及びEt
3N(30.1mg、0.298mmol)を加え、次いで反応混合物を室温で一晩撹拌した。出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 5:1)により示された後、混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗化合物を生じさせ、これを分取TLC(PE/AE 5:1)によって精製することにより、白色固体として純粋な中間体I−20a(65mg、67.50%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
33H
49N
3O
8Sの計算値648.3。
【0146】
化合物1−81の調製:N−ヒドロキシ−3−(4−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(3mL)中、化合物I−20a(65mg、0.1mmol)の溶液を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取HPLC(一般的手順、方法1)により精製し、黄色固体として純粋な化合物1−81(22.0mg、45.74%)を得た。ESI−MS(M+1):C
23H
33N
3O
5Sの計算値464.2。Rtは1.89である。
【0147】
合成経路3a
条件:a.THF中、LDA(1.20M)、−78℃で1時間、次いで、R−12(1.2当量)、−78℃で1時間;b.THF中、R−13(3〜10当量)、NaH(0〜3当量)、室温−一晩還流;c.DMF中、CuI(2当量)、MeOH/MeONa(25%、20当量)、110℃で20分;d.THF/MeOH/H
2O(3/3/2)中、LiOH.H
2O(10当量)、室温;e.DMF中、EDC.HCl(2当量)、HOBt(2当量)、THP−O−NH
2(1.5当量)、NMM(3当量)、室温.;f.HCl/ジオキサン、室温で1時間。
【0148】
上記スキーム中、QはO又はNHであり、Rは、3〜7の複素環式又は炭素環式の脂肪族環又は炭化水素鎖であって置換されていてもよく、R’はハロゲン又はアルコキシである。
【0149】
試薬R−12aの調製:3−クロロ−4−フルオロベンゼンスルホニルフルオリド
CH
3CN(40mL)中、市販の3−クロロ−4−フルオロベンゼンスルホニルフルオリド(7g、30mmol)の溶液に対し、KF(7g、120mmol)及び18−クラウン−6(0.5g)を加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これをカラムにより精製し、薄黄色固体として試薬R−12a(4.2g、95.5%)を生じさせた。ESI−MS(M+1):C
6H
3N
2O
2Sの計算値213.2。
【0150】
中間体I−21aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(3−クロロ−4−フルオロフェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
THF(20mL)中、化合物I−01a(743mg、2.5mmol)の溶液に対し、LDA(4.2mL、1.2M、5mmol)を−78℃で加えた。−78℃で1時間撹拌した後、試薬R−12a(640g、3.0mmol)を溶液に加え、反応物を−78℃で1時間撹拌し、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。出発物質が消費されたことがTLC(PE/AE 5:1)により示された後、混合物を、NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これをカラムクロマトグラフィー(EA/PE=100:1〜10:1で溶出)により精製し、薄黄色のオイルとして純粋な中間体I−21a(349mg、29%)を生じさせた。ESI−MS(M−55):C
22H
29ClFNO
6Sの計算値434.1。
【0151】
中間体I−22aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(3−クロロ−4−(シクロヘキシルアミノ)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
中間体I−21a(240mg、0.51mmol)を、シクロヘキシルアミン(505mg、5.1mmol)、R13a中で溶解させた。溶液を85℃で一晩撹拌した。混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取TLCにより精製し、薄黄色固体として化合物I−22a(110mg、38%)を生じさせた。ESI−MS(M−55):C
28H
41ClN
2O
6Sの計算値;513。
【0152】
中間体I−24aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(3−メトキシ−4−(シクロヘキシルアミノ)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸
化合物I−22a(179mg、0.326mmol)、CuI(124.5mg、0.652mmol)、及びMeOH/MeONa(25%、1.41g、6.52mmol)を、DMF(10mL)中に溶解させた。溶液を110℃で20分間撹拌した。混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取りTLCにより精製することで、薄黄色固体として化合物I−24a(160mg、88%)を生じさせた。メチルエステルの、対応するカルボン酸への加水分解が、メトキシル化と同時に起こった;すなわち、化合物I−23aは単離されず、中間体I−24aは直接I−22aから得られた。ESI−MS(M−55):C
28H
42N
2O
7Sの計算値;495.2
【0153】
中間体I−25aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(3−メトキシ−4−(シクロヘキシルアミノ)フェニルスルホニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DMF(15mL)中、化合物I−24a(160mg、0.29mmol)の溶液に対し、EDC.HCl(112mg、0.58mmol)、HOBt(79mg、0.58mmol)、THPONH
2(68mg、0.58mmol)、及びNMM(88mg、0.87mmol)を室温で加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取TLCにより精製し、薄黄色固体として中間体I−25a(100mg、53%)を生じさせた。ESI−MS(M−139):C
33H
51N
3O
8Sの計算値;510.1
【0154】
化合物1−90の調製:N−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−4−(シクロヘキシルアミノ)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(10mL)中、化合物I−25a(100mg、0.15mmol)の溶液を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取HPLC(一般的手順、方法1)により精製し、白色固体として純粋な化合物1−90(39.7mg、58%)を得た。ESI−MS(M+1):C
23H
35N
3O
5Sの計算値466.1。Rtは2.48である。
【0155】
化合物1−116の調製:N−ヒドロキシ−3−(3−クロロ−4−フルオロフェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
化合物1−90について記載したものと同じ方法に従い、但し上記合成経路(3a)から第2及び第3の工程(b及びc)を省略して、化合物1−116を得た。Rtは2.96であり、ESI−MS(M+1):C
16H
20ClFN
2O
4Sの計算値391.2。
【0156】
下記の表において別途指示がない限り、化合物1−90の場合と同じ合成経路3aに従い、且つ同じ試薬を使用して、以下の化合物を得た:
【0157】
合成経路3b
条件:a.R−04(1.5〜3当量)、Cs
2CO
3(2〜3当量)、90℃で12時間;b.THF/MeOH/H
2O(3/3/2)中、LiOH.H
2O(10当量)、室温.;c.DMF中、EDC.HCl(2当量)、HOBt(2当量)、THP−O−NH
2(1.5当量)、NMM(3当量)、室温.;d.HCl/ジオキサン、室温で1時間。
【0158】
上記スキーム中、QはO又はSであり、Cyは、フェニル又は5〜6員ヘテロアリールであり、置換されていてもよい。
【0159】
中間体I−26aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(3−クロロ−4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸メチルエステル
DMF(5mL)中、化合物I−21a(420mg、0.86mmol)、及びp−メトキシフェノール(214mg、1.72mmol)の懸濁液に対し、Cs
2CO
3(700mg、2.2mmol)を加えた。混合物をN
2下において還流で一晩撹拌した。結果として得られた混合物を室温まで冷却し、水を加えた。有機層を分離し、EtOAcを用いて水層を3回抽出した。組み合わせた有機層を、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、分取TLCで精製することにより、所望の生成物I−26a(380mg、75%)を得た。ESI−MS(M−55):C
29H
36ClNO
8Sの計算値538.2。
【0160】
中間体I−27aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(3−クロロ−4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸
THF/MeOH/H
2O(3/3/2、16mL)中、化合物I−26a(310mg、0.52mmol)の溶液に対し、LiOH.H
2O(225mg、10当量)を加えた。結果として得られた混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、出発物質が完全に消費されたことがTLC(PE/AE 5:1)により示された後、混合物を、水で希釈し、1NのHClを用いてpHを3〜4に調整し、EtOAcを用いて洗浄し、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、分取TLCにより精製することで、所望の生成物I−27a(120mg、40%)を得た。ESI−MS(M−55):C
28H
34ClNO
8Sの計算値:524.2。
【0161】
中間体I−28aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(3−クロロ−4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DMF(10mL)中、中間体−27a(120mg、0.21mmol)の溶液に対し、EDC.HCl(81mg、0.42mmol)、HOBt(57mg、0.42mmol)、THPONH
2(50mg、0.42mmol)、NMM(64mg、0.63mmol)を加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、水でクエンチし、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮することにより、薄黄色のオイルとして粗生成物I−28a(160mg、〜100%)を生じさせ、これを直接次の工程で使用した。ESI−MS(M−139):C
33H
43ClN
2O
9Sの計算値;539.2。
【0162】
化合物1−56の調製:N−ヒドロキシ−3−(3−クロロ−4−(4−メトキシフェノキシ)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(10mL、1N)中、中間体I−28a(160mg、〜0.21mmol)の溶液を、室温で2時間撹拌し、次いで濃縮して粗生成物を生じさせ、これを分取HPLC(一般的手順、方法1)により精製することで、黄色固体として純粋な化合物1−56(30.8mg、29.7%)を得た。ESI−MS(M+1):C
23H
27ClN
2O
6Sの計算値495.2。Rtは2.66である。
【0163】
下記の表において別途指示がない限り、化合物1−56の場合と同じ合成経路3bに従い、且つ同じ試薬を使用して、以下の化合物を得た:
【0164】
合成経路3c
条件:a.DCM中、R−09(1.2当量)、Et
3N(4当量)、室温で一晩;b.HCl/ジオキサン、室温で1時間
【0165】
上記スキーム中、QはO又はNHであり、Rは水素であり、Xはハロゲンであり、R’は、フェニル、又は5〜6員ヘテロアリール、又は3〜7の複素環式又は炭素環式脂肪族環、又は炭化水素鎖であり、置換されていてもよい。
【0166】
中間体I−29aの調製:8−tert−ブトキシカルボニル−3−(3−クロロ−4−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
DCM(10mL)中、化合物I−25e(115mg、0.2mmol)、1−121を合成するために(合成経路3aに従って)得られた中間体、及びEt
3N(61mg、0.6mmol)の溶液に対し、DCM(5mL)中、市販の4−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルクロリド、R−09(0.3mmol)を、N
2下において0℃で撹拌しながら液滴で加えた。混合物溶液を室温で一晩撹拌した。混合物溶液に水を加え、EtOAcを用いて抽出し、有機層を、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を生じさせ、これを分取TLCにより精製することで黄色固体として中間体I−29a(40mg、26%)を生じさせた。ESI−MS(M−139):C
34H
40ClF
3N
2O
10Sの計算値;621.1。
【0167】
化合物1−128の調製:N−ヒドロキシ−3−(3−クロロ−4−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニル)−8−アザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキサミド
HCl/ジオキサン(15mL、1N)中、中間体I−29a(40mg、0.053mmol)の溶液を、室温で4時間撹拌し、次いで濃縮して粗生成物を生じさせ、これを分取HPLC(一般的手順、方法1)により精製することで、黄色固体として純粋な化合物1−128(11.2mg、37%)を得た。ESI−MS(M+1):C
24H
24ClF
3N
2O
7Sの計算値577.2。Rtは2.96である。
【0168】
下記の表において別途指示がない限り、化合物1−128の場合と同じ合成経路3cに従い、且つ同じ試薬を使用して、以下の化合物を得た:
【0169】
合成された化合物はラセミ混合物として得られる。対応する異性体を超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)により精製することで、各ラセミ化合物から二つの鏡像異性体が得られる。
【0170】
超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)の手順:
調製に利用したSFC分離法に関する詳細は以下のとおりである:
【0171】
方法1:
−機器:Thar SFC Pre−80
−カラム:ChiralPak AD−H、250×30mmI.D.
−移動相:CO
2の場合A、及びエタノール(0.1%NH
3・H
2O)の場合B
−勾配:B 50%
−流量:60mL/分
−逆圧:100bar
−カラム温度:40℃
−波長:220nm
−サイクル時間:〜20分
−試料調製:化合物をエタノールに溶解させて〜12mg/mLとした。
−注入:注入一回当たり2.0mL
【0172】
方法2:
−機器:MgII調製用SFC
−カラム:ChiralPak AD−H、250×30mmI.D.
−移動相:CO
2の場合A、及びメタノール(0.1%NH
3・H
2O)の場合B
−勾配:B 50%
−流量:40mL/分
−逆圧:100bar
−カラム温度:38℃
−波長:220nm
−サイクル時間:〜20分
−試料調製:化合物をメタノールに溶解させて〜13mg/mLとした。
−注入:注入一回当たり3.5mL
【0173】
方法3:
−機器:MgII調製用SFC
−カラム:ChiralPak AD−H、250×30mmI.D.
−移動相:CO
2の場合A、及びIPA(0.1%NH
3・H
2O)の場合B
−勾配:B 35%
−流量:55ml/分
−逆圧:100bar
−カラム温度:38℃
−波長:254nm
−サイクル時間:〜8分
−試料調製:化合物をメタノールに溶解させて〜5mg/mLとした。
−注入:注入一回当たり1.0mL
【0174】
分離後、浴温40℃でロータリーエバポレーターを介して分画を乾燥させることにより所望の異性体を得た。次いで、濃縮後、両方の鏡像異性体の鏡像体過剰率(e.e.)を、後述する分析分離法の下で試験した:
【0175】
方法1:
−機器:SHIMADZU−20A UFLC
−カラム:ChiralPak AD−3、100×4.6mm
−移動相:ヘキサン(0.1%IPAm)の場合A、及びエタノール(0.05%IPAm)の場合B
−勾配:40%
−流量:1.0mL/分
−カラム温度:30℃
−波長:220nm
【0176】
方法2:
−機器:分析SFC
−カラム:ChiralPak AD−H、250×4.6mm
−移動相:CO
2の場合A、及びメタノール(0.05%DEA)の場合B
−勾配:50%
−流量:2.0mL/分
−逆圧:100bar
−カラム温度:35℃
−波長:220nm
【0177】
方法3:
−機器:Thar分析SFC
−カラム:ChiralPak AD−H、250×4.6mm
−移動相:CO
2の場合A、及びIPA(0.1%エタノールアミン)の場合B
−勾配:30%
−流量:2.4mL/分
−逆圧:100bar
−カラム温度:35℃
−波長:220nm
【0178】
濃縮後、前記に報告されたように、LC−MSを使用して、両方の鏡像異性体の純度を試験した。次いで、Autopol V旋光計を使用して、20℃における旋光度を測定した。
【0179】
キラル分離後、以下の異性体が得られた:
【0180】
全血血栓形成及び溶解に対する抗繊維素溶解効果
血栓弾性率測定法(Thromboelastometry)は、全血の止血試験のための粘弾性率測定法である。TEM(R)は、凝固とそれに続く溶解の間の凝固因子、阻害剤、及び細胞成分の相互作用を経時的に測定する。この方法のレオロジー条件は、血管内血液の緩慢な流れを模倣する。
【0181】
検出方法:
午前8〜9時の間に、健常なヒト及びマウスから、クエン酸塩溶液(0.129Mのクエン酸ナトリウム、Vacutainer BD)を含むチューブ内に血液試料を取得し、ROTEM(登録商標)分析器(Pentapharm GmbH、Munich、Germany)の技術的詳細に従ってROTEM試験を実施した。後述するin−tem試験の修正版を、試験対象化合物の抗繊維素溶解効果、及びクエン酸血中における血小板とのその相互作用の検査のために使用した。
キット:カルシウム再沈着試薬としてのSTART−TEMアッセイ(ref#503−01)、及び内因性の凝固経路の活性化のためのIN−TEMアッセイ(ref#503−02)。
【0182】
手順:
予め温めたキュベット及びホルダー内に、DMSO中、1μLの組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)(150000U/mL、Actylise)、20μLのstart−tem試薬(CaCl
2)、20μLのin−tem試薬(凝固系の活性化因子)、3μLのDMSO(コントロール)、又は試験化合物(CM)と、予め温めた300μLのクエン酸血をピペットで取った。試料混合物を含有するカップホルダーを、適切なチャネル上に直に置いた。60分間血栓形成と溶解を起こさせて、測定値を記録した。
【0183】
表3は、ヒト血液中の結果を、溶解時間を50%だけ遅延させるために効果的な濃度(EC
50LT)として示し;ここで、アッセイされるすべての濃度(1000〜0.2μM)において、EC
50LT≧25μM(+)、10μM≦EC
50LT<25μM(++)、1μM≦EC
50LT<10μM(+++)、EC
50LT<1μM(++++)である。
【0184】
表4は、マウス血液中の結果を、溶解時間を50%だけ遅延させるために効果的な濃度(EC
50LT)として示し;ここで、アッセイされるすべての濃度(1000〜0.2μM)において、EC
50LT≧10μM(+)、1μM≦EC
50LT<10μM(++)、1nM≦EC
50LT<1μM(+++)、及びEC
50LT<1nM(++++)である。
【0185】
上記の表(表3及び4)において観察されるように、本発明の化合物は、溶解時間に有意な遅延を示し、それは多くの場合TXAより大きかった。
【0186】
in vivoでの抗繊維素溶解効果(テイルブリーディングアッセイ(tail bleeding assay))
月齢2の野生型C57Bl6(n=10)マウスにおいて、尾端を除去することにより出血時間を評価した。マウス(20−25g)を2.5%のイソフルレンで麻酔し、加温パッド上で37℃に維持した。止血剤の有用性を2つのモデル、すなわち、従来の出血モデル、及び超繊維素溶解出血モデルで評価した。
【0187】
従来の出血モデルは、2%のカルボキシメチルセルロース又は溶媒に溶解させた異なる化合物(4mg/マウス、160mg/Kg)の腹腔内注入から構成した。注入の30分後、手術用メスの刃を用いて尾端を5mm除去し、尾端を37℃の生理食塩水1mLに浸した。出血停止までの時間を最長で30分まで測定した。出血の時間は、最初の切断と出血の目視上の停止との間隔と定義した。結果を表5に示す。
【0188】
超繊維素溶解出血モデルは、過剰な繊維素溶解により出血時間を引き延ばすために、眼の網状組織中へ0.5mg/kgのtPAを注入することにより構成した。まず、薬剤投与のために、大腿静脈を露出させ、生理食塩水を充填したポリウレタンのカテーテル(Microcannula 72−9030、Harvard Apparatus)を用いてカニューレを挿入した。カテーテルを、試験薬剤200 μL(10%ボーラス、90%40分間還流)の注入用注射器ポンプ(AL−1000、WPI)に接続した。次いで、tPA(0.5mg/kg)を、目の網状組織に注入し、tPA投与の5分後、生理食塩水又は異なる化合物を、大腿カテーテルを通して注入し、すべての薬剤の全身への分布を確認した。基準化合物であるTXA及びアプロチニンを、それぞれ300及び10mg/Kgで投与した;しかしながら、本発明のすべての化合物は1mg/Kgで投与された。五分後、手術用のメスの刃を用いて尾端5mmを除去し、尾端を37℃の生理食塩水1mLに浸した。
【0189】
出血の時間は、最初の切除と出血の目視上の停止との間隔と定義し、出血の停止は最長で30分まで測定した。観察期間を超えて出血し続けた動物には、30分という値が割り当てられた。表6は、結果を、報告された出血時間(BT)として示しており;ここで、BT≧20分(+)、10分≦BT<20分(++)、5分≦BT<10分(+++)、及びBT<5分(++++)である。出血時間は野生型マウス(C57/BI6)において決定され、ここで、n≧10/アッセイ対象化合物;したがって、生理食塩水の場合、BTは平均値として報告され、BTは平均±ESMとして報告される。
【0190】
表6に示すように、本発明の試験化合物は、コントロール又はTXAと比較したとき、出血時間を極めて顕著に短縮した。いずれの場合も試験化合物の用量はTXA又はアプロチニンの用量より低かった。
【0191】
本出願の参照文献
Green and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Chemistry, Wiley, 3rd ed. 1999, Chapter 2, pp. 17-200 and Chapter 5, pp. 369-451.
D. Bouyssi et al., "Rearrangement of oxaspiroheptanes to cyclohexanones mediated by lithium iodide", Synlett 2000, vol. 5, pp. 749-751.
Osamu Kitagawa et al., "Stereoselective Iodine Atom Transfer [3 + 2] Cycloaddition Reaction with Alkenes Using Unsymmetrical Allylated Active Methine RadicaIs", The Journal of Organic Chemistry 2004, vol. 69, pp. 2607-2610.