(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内側の第一横動経路、この第一横動経路の外側に重なる第二横動経路、第一横動経路内をその全域にわたって横動自在な第一戸単体、及び第一横動経路と第二横動経路との間を前後に平行移動自在で且つ第二横動経路内をその全域にわたって横動自在な第二戸単体を備え、この第一戸単体と第二戸単体が、第一横動経路内で直列する直列閉じ位置にある全閉状態から、前記直列閉じ位置での第二戸単体を第二横動経路内に平行移動させて、その内側に第一戸単体が重なる第一戸単体開き状態と、第二横動経路内に平行移動させた第二戸単体を、前記直列閉じ位置での第一戸単体の外側に重ねた第二戸単体開き状態とに、切り換え可能に構成された引き違い戸装置において、
第二戸単体は、上側第二ガイドレールに横動自在に支持される上側横動体に、第一戸単体の上側を水平に通る戸横動方向一対の上側平行リンクを介して吊り下げられると共に、下側ガイドレールに係合して横動する下側横動体に、第一戸単体の下側を水平に通る戸横動方向一対の平行リンクを介して連結され、第一戸単体は、戸横動方向一対のガイドローラーユニットを介して上側第一ガイドレールに横動自在に吊り下げられ、第一戸単体には、直列閉じ位置にあるときの第二戸単体から遠い外端側の下端部に、前記下側ガイドレールに係合する下側被係合部が設けられると共に、中間高さの裏面側に戸横動方向と平行に中間ガイドレールが付設され、前記直列閉じ位置にあるときに互いに隣接する第一戸単体と第二戸単体の内端部の内側に位置するように配設された支持部材には、前記中間ガイドレールに係合する中間被係合部が取り付けられている、引き違い戸装置。
第一戸単体と第二戸単体の上端高さは、収納空間の天板より高くし、この天板の上側に、第二戸単体支持案内用の上側第二ガイドレールを敷設すると共に、この上側第二ガイドレールから、前記天板の前端面に隣接する第一戸単体支持案内用の上側第一ガイドレールを連設している、請求項1に記載の引き違い戸装置。
第一戸単体と第二戸単体の下端高さは、収納空間の床板より高くし、この床板には、前記上側第二ガイドレールの真下位置で上側解放溝形の前記下側ガイドレールを埋設している、請求項1又は2に記載の引き違い戸装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜
図11において、1は引き違い戸装置であって、収納空間2の正面開口部を開閉する。収納空間2は、床板3上に、左右両垂直側板4a,4b、天板5、収納空間2を左右に2分割する中間仕切り壁板6、及び図示省略の垂直後側板によって形成されている。引き違い戸装置1は、第一戸単体7と第二戸単体8を備えており、これら両戸単体7,8によって収納空間2の正面開口部を開閉するものであって、
図1〜
図3では、両戸単体7,8が直列閉じ位置にあって、収納空間2の正面開口部を全閉した状態を示している。尚、第一戸単体7と第二戸単体8は、
図1〜
図3に示すように両戸単体7,8が直列閉じ位置にあるときに互いに隣接する側辺を内端と称し、反対側の側辺を外端と称することにする。
【0013】
収納空間2の正面開口部には、
図10及び
図11に示すように、当該正面開口部の全巾にわたって第一戸単体7が横動する第一横動経路9と、この第一横動経路9の外側で前記正面開口部の全巾にわたって第二戸単体8が横動する第二横動経路10が設定されている。第一戸単体7と第二戸単体8の高さは、その下端が床板3より上側に位置すると共に、上端が水平天板5よりも高く位置するように、床板3の上面から天板5の上面までの高さよりも高くなっている。天板5の前側辺の上側には、第二戸単体支持案内用の上側第二ガイドレール11が載置固定され、この上側第二ガイドレール11の前端下側には、天板5の前端面をカバーする高さの第一戸単体支持案内用の上側第一ガイドレール12が一体に連設されている。床板3には、上側第二ガイドレール11の真下位置に上側解放溝形の下側ガイドレール13が、当該ガイドレール13の溝部両側の上端張出し板部が床板3上に載置されるように埋設されている。中間仕切り壁板6の下端寄りの中間高さには、その前側辺から前方に突出するように中間被係合部14が取り付けられている。この中間被係合部14は、中間仕切り壁板6の前側辺に長孔14aと締結ボルト14bによって高さ調整自在に取り付けられたブラケット14cと、このブラケット14cの前方に突出する腕部に、前後奥行き方向に位置調整固定自在に取り付けられた軸受け部材14dと、この軸受部材14dの先端上側に垂直支軸により軸支されたローラー14eによって構成されている。
【0014】
上側第二ガイドレール11は、巾広のリップ付き溝形断面構造のもので、内外一対の溝形レール部11a,11bと、これらを連結一体化する水平底板部11cを備えている。上側第一ガイドレール12は、上側第二ガイドレール11の水平底板部11cの前端近傍位置から垂下する垂直板部12aと、この垂直板部12aの下端から直角前方に連設された水平張出し板部12b、及びこの水平張出し板部12bの上側前端に突設させた突条レール部12cによって構成されている。この上側第二ガイドレール11の水平底板部11cと上側第一ガイドレール12の垂直板部12aとの間の入隅部を、垂直板部12aが天板5の前端面に当接するように、天板部5の前端部に嵌合載置した状態で、例えば上側第二ガイドレール11の水平底板部11cを天板5にネジ止めすることにより取り付けられている。
【0015】
図12〜
図14に基づいて第一戸単体7の構造を説明すると、矩形の第一戸単体7の裏面側には、上端左右両角部の近くに位置する左右一対のローラーユニット15A,15B、第一戸単体7の外端側のローラーユニット15Aの真下の下側角部の近くに位置する下側被係合部16、第一戸単体7の内端側のローラーユニット15Bの真上で第一戸単体7の上端と面一に位置する上側カムレール17、この上側カムレール17からローラーユニット15Aの上側まで第一戸単体7の上端と面一に連続する上側レール18、ローラーユニット15Bの真下の下側角部の近くで第一戸単体7の下端と面一に位置する下側カムレール19、この下側カムレール19と下側被係合部16との間で第一戸単体7の下端と面一に連続する下側ガイドレール20、及び第一戸単体7の下端寄りの中間高さでこの第一戸単体7の全巾に近い長さを有する中間ガイドレール21が配設されている。この第一戸単体7の内端部には、その内端側辺から一定巾だけ表面側が、この第一戸単体7の高さの全域にわたって切除されて、表面側に切欠段部7aが形成されている。
【0016】
ローラーユニット15A,15Bは互いに同一構造のもので、
図23A,
図23Bに示すように、取付け基板22、左右一対の溝付きローラー23a,23bが軸支され且つ両溝付きローラー23a,23bの中間位置で取付け基板22に支軸24により上下方向にシーソー運動可能に軸支された可動板25、この可動板25の下側で取付け基板22に上下方向の長孔26と締結ボルト27とにより高さ調整自在に取り付けられたロック部材28、このロック部材28から連設された左右一対の係止片29a,29b、及びロック部材28を上昇限位置まで上昇させたときに係止片29a,29bの逆止爪30a,30bに係合して、ロック部材28の下降を阻止するように、取付け基板22から連設された左右一対の係止部31a,31bから構成されている。前記左右一対の係止片29a,29bは、ロック部材28の上端左右両側から倒立L字状に下方に延出するもので、その下端に操作部32a,32bを備え、この両操作部32a,32bを狭めるように、左右一対の係止片29a,29bを弾性に抗して互いに内側へ接近揺動させて、左右一対の係止部31a,31bから逆止爪30a,30bを内側へ離脱させることにより、ロック部材28を下降限位置まで下降させることが出来る。
図23Aが、ロック部材28を下降限位置まで下降させたロック解除状態を示し、
図23Bが、ロック部材28を上昇限位置まで上昇させたロック状態を示している。
【0017】
下側被係合部16は、長孔33aと締結ボルト33bとによって高さ調整自在に第一戸単体7の裏面に取り付けられる、側面視でL字形の軸受部材33と、この軸受部材33の先端下側に垂直支軸により軸支されたローラー34によって構成され、
図14Bに示すように、軸受部材33の取付け高さを上下に変えることにより、ローラー34を、第一戸単体7の下端より上方の退避高さと、第一戸単体7の下端より下方に突出する作用高さとに切り換えることが出来る。
【0018】
上側カムレール17は、
図19A及び
図19Bに詳細を示すように、その本体35に、自動ロック手段36と、上側開放溝形の湾曲レール溝37を設けたものであり、本体35は、取付け板部35aと、その上に連設された巾広本体部35bから成り、この巾広本体部35bの一部と取付け板部35aとが第一戸単体7の裏面と上端面との間の角部に埋設されている。自動ロック手段36は、巾広本体部35bの、第一戸単体7の内端側の端部に、前後奥行き方向に一定範囲内で滑動自在に内装された可動板38と、この可動板38を第一戸単体7から離れる内方に付勢する圧縮コイルバネ39と、この可動板38の下側に形成された係合部40を備えている。可動板38の滑動範囲は、この可動板38から上向きに突設されたピン41aと、このピン41aが遊嵌するように巾広本体部35bに設けられた長孔41bとによって規制されている。
【0019】
湾曲レール溝37は、巾広本体部35bの上面に刻設されたもので、その第一戸単体7の外端側の開放端部は、第一戸単体7の裏面より少し離れた位置にあり、第一戸単体7の内端側の閉じ端部は、可動板38の上に重なり且つ平面視で第一戸単体7の厚さ内に入り込む位置にある。而して当該湾曲レール溝37の閉じ端部側は、可動板38の存在によって深さが半減しており、この深さの不足分を補うように、可動板38の上側に凹入溝部38aが刻設されている。この凹入溝部38aは、可動板38が圧縮コイルバネ39に抗して退入限位置まで退入したときに、レール溝37の閉じ端部側と平面視で合致するが、図示のように、可動板38が圧縮コイルバネ39の付勢力で進出限位置まで進出したときには、平面視でレール溝37の閉じ端部内に入り込むカム面部38bが形成されている。前記自動ロック手段36は、
図20A〜
図22Bに示すように、前記上側第二ガイドレール11の内外一対の溝形レール部11a,11bの内、第一戸単体7に隣り合う外側の溝形レール部11bの外側上端角部に取り付けられたストッパー部材42と連携するものである。このストッパー部材42は、
図20A及び
図20Bに示すように、第一戸単体7が閉じ位置にあるとき、平面視において、前記係合部40の第一戸単体内端側の直角角部より僅かに第一戸単体7の内端側に離れた位置に、当該ストッパー部材42の第一戸単体7の外端側の直角角部が位置するように、取り付けられている。前記係合部40とストッパー部材42は、平面視において、前記直角角部とは反対側の垂直表面が徐々に後退するように湾曲しており、第一戸単体7が閉じ位置に向かって後退移動するときは、係合部40がストッパー部材42を乗り越えて通過出来る逆止構造となっている。
【0020】
上側レール18は、
図13Aに示すように、上側カムレール17における湾曲レール溝37の開放端側の両側辺の内、第一戸単体7側の側辺と面一に連続する平坦なレール面18aを全長にわたって備えている。下側カムレール19は、
図13Cに示すように、自動ロック手段36を備えていないだけで、その他は上側カムレール17と同一構造のものである。この下側カムレール19が備える湾曲レール溝19aは、上側カムレール17の湾曲レール溝37と上下対称構造のものであって、第一戸単体7の下端面と面一の下側が開放している。下側ガイドレール20は、下側カムレール19の湾曲レール溝19aの開放端に接続し且つ第一戸単体7の下端面と面一の、下側開放の直線レール溝20aを備えたものであって、その第一戸単体7の外端側の端部は、前記下側被係合部16の軸受部材33内に入り込んで、直線レール溝20aの端が当該軸受け部材33によって閉じられている。中間ガイドレール21は、下側ガイドレール20と同様に下側開放の直線レール溝21aを備えたもので、その両端は、当該中間ガイドレール21に被さる状態で第一戸単体7に固定されている閉じ部材21b,21cによって閉じられている。
【0021】
第二戸単体8は、
図15〜
図18に示すように、高さが第一戸単体7と同一で矩形のものであって、その裏面には、内端側の上下両端部に埋設された平行リンク軸受け支持用ユニット43,44、外端側の上下両端部に埋設された平行リンク軸受け支持用ユニット45,46、平行リンク軸受け支持用ユニット45に隣接する上端角部に取り付けられた、第二戸単体位置決め手段47の従動部48、及び平行リンク軸受け支持用ユニット45の直下位置と平行リンク軸受け支持用ユニット46の直上位置に取り付けられた、ゴムなどの緩衝材から成形された裁頭円錐形の当接部材49,50が配設されている。この第二戸単体8の内端部には、
図1〜
図3に示す直列閉じ位置に第一第二両戸単体7,8が位置するとき、第一戸単体7の内端表面側の切欠段部7aに重なる薄肉突出板部8aが形成されている。
【0022】
上側の内外両平行リンク軸受け支持用ユニット43,45は、
図16B及び
図16Cに示す上側横動体51の内外両平行リンク52,53の遊端下側に取り付けられた軸受け54,55を支持するものであり、下側の内外両平行リンク軸受け支持用ユニット44,46は、
図17B及び
図17Cに示す下側横動体56の内外両平行リンク57,58の遊端上側に取り付けられた軸受け59,60を支持するものである。上側横動体51は、上側第二ガイドレール11が天板5上に取り付けられる前に、当該上側第二ガイドレール11の一端からこの上側第二ガイドレール11内に横動自在に嵌合されるもので、戸横動方向一対の台車部61a,61bと、両台車部61a,61bを連結一体化する連結部材62、及び各台車部61a,61bに自転可能に支承された垂直回転軸63a,63bに一端部が取り付けられて水平に揺動自在な前記平行リンク52,53から構成されている。
【0023】
各台車部61a,61bは、その平面視における四隅に、
図9〜
図11に示すように、上側第二ガイドレール11の両側の溝形レール部11a,11b内に嵌合する、水平支軸周りに回転自在な支持用車輪64と、垂直支軸周りに回転自在な位置決め用ローラー65が配設されている。ここで四隅の位置決め用ローラー65の内、第二戸単体8に近い前側一対の位置決め用ローラー65は、溝形レール部11bの垂直レール板の上端側に隣接し、第二戸単体8から遠い後ろ側一対の位置決め用ローラー65は、溝形レール部11aの垂直レール板の下端側に隣接するように高さを変えて、台車部61a,61bに作用する第二戸単体8に近い前側への転倒モーメントを受け止め易くしている。又、各台車部61a,61bの車輪64も、前記転倒モーメントを受け止めるために、前側一対の車輪64は、溝形レール部11bの下側水平レール板に当接し、後ろ側一対の車輪64は、溝形レール部11aの上側水平レール板に下から当接している。各台車部61a,61b上に軸支された内外両平行リンク52,53の内、内端側の平行リンク52には、その基部から短い制御レバー52aが、平行リンク52に対して平面視でL字状に一体に連設され、当該制御レバー52aの遊端下側にはカム従動ローラー52bが垂直支軸によって軸支されている。
【0024】
上側横動体51の軸受け54は、縦長矩形の厚板状のもので、その長さ方向の一端部を下から上向きに挿通された長尺の吊下げ用垂直支軸54aの、軸受け54から上方に突出する端部が平行リンク52の遊端に結合されたものである。この軸受け54を支持する平行リンク軸受け支持用ユニット43は、第二戸単体8の内端部における上端と裏面との間の角部に埋設されたもので、前記軸受け54を第二戸単体8の内端側から戸横動方向に沿って挿入し得る収納空間43aと、この軸受け54と平行リンク52との間の吊下げ用垂直支軸54aが遊動し得る切欠き凹入溝43bを備えている。そして収納空間43a内に軸受け54を、吊下げ用垂直支軸54aが切欠き凹入溝43bの奥端に達する定位置まで挿入させたとき、軸受け54に設けられた上下二段の抜け止め用係止片54bが、収納空間43a内からの軸受け54の抜け出しを阻止して、軸受け54が平行リンク軸受け支持用ユニット43の収納空間43a内に固定されるように構成されている。平行リンク軸受け支持用ユニット43から軸受け54を取り外すときは、抜け止め用係止片54bを弾性に抗して係止解除方向に操作した状態で、収納空間43a内から軸受け54を引き抜けば良い。
【0025】
上側横動体51の軸受け55は、縦長角柱状のもので、その中央部を下から上向きに挿通された長尺の吊下げ用垂直支軸55aの、軸受け55から上方に突出する端部が平行リンク53の遊端に結合されたものである。この軸受け55を支持する平行リンク軸受け支持用ユニット45は、第二戸単体8の外端近傍の裏面と上端面との間の角部に埋設されたもので、前記軸受け55を第二戸単体8の裏面側から表面側に向かって嵌め込むことが出来る収納空間45aと、この軸受け55と平行リンク53との間の吊下げ用垂直支軸55aが遊動し得る切欠き凹入溝45bを備えている。そして収納空間45a内に軸受け55を、吊下げ用垂直支軸55aが切欠き凹入溝45bの奥端に達する定位置まで嵌め込んだとき、軸受け55の左右両側に設けられた左右一対の抜け止め用係止片55bと、収納空間45aの底部に設けられた抜け止め用係止片45cとが、収納空間45a内からの軸受け55の抜け出しを阻止して、軸受け55が平行リンク軸受け支持用ユニット45の収納空間45a内に固定されるように構成されている。平行リンク軸受け支持用ユニット45から軸受け55を取り外すときは、抜け止め用係止片45c,55bを弾性に抗して係止解除方向に操作した状態で、収納空間45a内から軸受け55を引き抜けば良い。
【0026】
上側横動体51の台車部61a,61bには、
図24A及び
図24Bに示すように、平行リンク52,53の姿勢保持手段66が内装されている。
図24A及び
図24Bは、第二戸単体8の内端側の台車部61aに内装されている姿勢保持手段66を示しているが、外端側の台車部61bに内装される姿勢保持手段66も全く同一構造のものであるから、その図示と説明は省略する。
【0027】
姿勢保持手段66は、平行リンク52(53)が上端に取り付けられた垂直回転軸63a(63b)に固着されたカム67、このカム67の回転方向に並列する2つの突起部67a,67bの内、一方の突起部67aに対応する先端カム従動部68aを備え且つ戸横動方向にスライド可能な第一可動体68、この第一可動体68を、先端カム従動部68aがカム67の側に移動する方向に付勢する圧縮コイルバネ69、カム67の他方の突起部67bに対応する先端カム従動部70aを備え且つ戸横動方向にスライド可能な第二可動体70、及びこの第二可動体70を、先端カム従動部70aがカム67の側に移動する方向に付勢する油圧ダンパー71から構成されている。カム67は、
図24Aに示すように、平行リンク52(53)が台車部61a(61b)の上に重なる方向に退入した退入姿勢と、
図24Bに示すように、平行リンク52(53)が台車部61a(61b)の上から横側方に離れた突出姿勢との間の水平揺動のみを可能にするように、回転角度が一定範囲内に制限されている。
【0028】
平行リンク52(53)が
図24Aに示す退入姿勢にあるときは、圧縮コイルバネ69の付勢力で前進移動した第一可動体68の先端カム従動部68aが、カム67の突起部67aの内側に入り込んで、平行リンク52(53)が退入姿勢から突出姿勢に揺動するのを阻止し、平行リンク52(53)が退入姿勢に保持される。このときカム67の突起部67bは、第二可動体70の先端カム従動部70aに押圧して当該第二可動体70を、油圧ダンパー71の付勢力に抗して後退した位置に保持している。退入姿勢に保持されている平行リンク52(53)に、台車部61a(61b)の上から横側方に離れる方向に一定以上の回転力が作用すると、
図24Bに示すように、カム67の突起部67aが先端カム従動部68aを介して第一可動体68を、圧縮コイルバネ69の付勢力に抗して後退移動させながら、平行リンク52(53)が、
図24Bに示す突出姿勢に切り換わる。この平行リンク52(53)の突出姿勢は、油圧ダンパー71の付勢力で前進移動した第二可動体70の先端カム従動部70aがカム67の突起部67bに圧接していることと、圧縮コイルバネ69の付勢力によって第一可動体68の先端カム従動部68aがカム67の突起部67aを、その回転軸心である垂直回転軸63a(63b)のある方向に押圧していることとによって、保持される。この突出姿勢に保持されている平行リンク52(53)に退入姿勢に戻す方向の一定以上の回転力が作用すると、カム67の突起部67bが油圧ダンパー71の付勢力に抗して第二可動体70を押し戻し、その後は、カムレール67の突起部67aが第一可動体68の先端カム従動部68aから外れて、当該第一可動体68が圧縮コイルバネ69の付勢力で前進移動するのに伴って、カム67に、平行リンク52(53)を退入姿勢に戻す方向の回転力を与える結果、平行リンク52(53)が退入姿勢に自動復帰して保持されることになる。
【0029】
下側横動体56は、平行リンク57の基部を垂直支軸57aによって軸支するスライダー72、平行リンク58の基部を垂直支軸58aによって軸支するスライダー73、及びこれら両スライダー72,73を連結一体化する連結部材74から構成され、各平行リンク57,58の遊端に、軸受け59,60に上から下向きに挿通された垂直支軸59a,60aの下端部が連結されている。スライダー72,73は、
図9及び
図11に示すように、床板3に埋設された下側ガイドレール13のレール溝内に横動自在に遊嵌し得る巾の下半部72a,73aの下端に、当該下側ガイドレール13のレール溝内に丁度遊嵌し得る直径の、戸横動方向一対のガイドローラー72b,73bが垂直支軸によって軸支され、下半部72a,73aの上端には、下側ガイドレール13のレール溝の上側に位置する巾広のカバー部72c,73cが載置され、下半部72a,73aとカバー部72c,73cとの間において、平行リンク57,58が垂直支軸57a,58aによって軸支されている。連結部材74は、その全域の巾が、スライダー72,73の下半部72a,73aと同一の巾であって、この連結部材74の下半部のみが下側ガイドレール13のレール溝内に遊嵌している。
【0030】
下側横動体56における一対の平行リンク57,58の遊端上側に軸支された軸受け59,60は、上側横動体51における一対の平行リンク52,53の遊端下側に軸支された軸受け54,55と上下対称構造であり、これら軸受け59,60を支持する平行リンク軸受け支持用ユニット44,46は、上側横動体51側の軸受け54,55を支持する平行リンク軸受け支持用ユニット43,45と上下対称構造のものである。即ち、軸受け59は、縦長矩形の厚板状のもので、その長さ方向の一端部を上から下向きに挿通された長尺の垂直支軸59aの、軸受け59から下方に突出する端部が平行リンク57の遊端に結合されている。この軸受け59を支持する平行リンク軸受け支持用ユニット44は、第二戸単体8の内端部における下端と裏面との間の角部に埋設されたもので、前記軸受け59を第二戸単体8の内端側から戸横動方向に沿って挿入し得る収納空間44aと、この軸受け59と平行リンク57との間の垂直支軸59aが遊動し得る切欠き凹入溝44bを備えている。そして収納空間44a内に軸受け59を、垂直支軸59aが切欠き凹入溝44bの奥端に達する定位置まで挿入させたとき、軸受け59に設けられた上下二段の抜け止め用係止片59bが、収納空間44a内からの軸受け59の抜け出しを阻止して、軸受け59が平行リンク軸受け支持用ユニット44の収納空間44a内に固定されるように構成されている。平行リンク軸受け支持用ユニット44から軸受け59を取り外すときは、抜け止め用係止片59bを弾性に抗して係止解除方向に操作した状態で、収納空間44a内から軸受け59を引き抜けば良い。
【0031】
下側横動体56の軸受け60は、縦長角柱状のもので、その中央部を上から下向きに挿通された長尺の垂直支軸60aの、軸受け60から下方に突出する端部が平行リンク58の遊端に結合されたものである。この軸受け60を支持する平行リンク軸受け支持用ユニット46は、第二戸単体8の外端近傍の裏面と下端面との間の角部に埋設されたもので、前記軸受け60を第二戸単体8の裏面側から表面側に向かって嵌め込むことが出来る収納空間46aと、この軸受け60と平行リンク58との間の垂直支軸60aが遊動し得る切欠き凹入溝46bを備えている。そして収納空間46a内に軸受け60を、垂直支軸60aが切欠き凹入溝46bの奥端に達する定位置まで嵌め込んだとき、軸受け60の左右両側に設けられた左右一対の抜け止め用係止片60bと、収納空間46aの底部に設けられた抜け止め用係止片46cとが、収納空間46a内からの軸受け60の抜け出しを阻止して、軸受け60が平行リンク軸受け支持用ユニット46の収納空間46a内に固定されるように構成されている。平行リンク軸受け支持用ユニット46から軸受け60を取り外すときは、抜け止め用係止片46c,60bを弾性に抗して係止解除方向に操作した状態で、収納空間46a内から軸受け60を引き抜けば良い。
【0032】
以上のように第二戸単体8の上下両側に上側横動体51と下側横動体56が取り付けられたとき、上側横動体51における戸横動方向一対の平行リンク52,53の両端支点(63a,54a)(63b,55a)と下側横動体56における戸横動方向一対の平行リンク57,58の両端支点(57a,59a)(58a,60a)とは、それぞれ常に同一垂直軸心上にあって、下側横動体56における平行リンク57にも、真上の上側横動体51における平行リンク52と同様に、制御レバー57bが一体に連設され、この制御レバー57bの先端上側に軸支されたカム従動ローラー57cも、平行リンク52の制御レバー52aの先端下側に軸支されているカム従動ローラー52bと常に同一垂直軸心上に位置しているように構成されている。
【0033】
第二戸単体位置決め手段47の従動部48は、
図16A,
図18A、及び
図25A〜
図25Cに示すように、第二戸単体8の裏面への取付け板部75aと、この取付け板部75aの上端から内側へ直角水平に演出する水平板部75bとを備えた本体75と、前記水平板部75bの先端部の戸横動方向の両端角部の内、第二戸単体8の外端側の一段低くなった角部の上に垂直支軸によって軸支されたガイドローラー76と、このガイドローラー76に対して第二戸単体8の内端側に隣り合うように、水平板部75bの先端部上に立設された垂直軸体77から構成されている。前記ガイドローラー76は、平面視において、前記水平板部75bの角部の直角側辺から当該ガイドローラー76の周面が突出するように配置されている。この従動部48と共に第二戸単体位置決め手段47を構成するために、
図1に示すように、上側第二ガイドレール11の一端、即ち、第一戸単体7と第二戸単体8とが直列閉じ位置にあるときの第二戸単体8の外端側の端部の上側に制御部78が設けられている。
【0034】
前記制御部78は、
図26A〜
図29Cに示すように、取付け用ブラケット79を介して上側第二ガイドレール11の端部の上側に配置された本体80を備えている。前記取付け用ブラケット79は、上側第二ガイドレール11の前側の溝形レール部11bの内側に、当て板79aと締結ボルト79bとによって取り付けられた取付け板部79cと、この取付け板部79cから折曲連設されて、上側第二ガイドレール11の端部を閉じるように配置された垂直板部79dとを有する。本体80は、前記取付け用ブラケット79の前記垂直板部79dに締結ボルト79eによって取り付けられ且つ上側第二ガイドレール11の前側の溝形レール部11bに支持される横側壁部81、上側第二ガイドレール11の後ろ側の溝形レール部11aの上に支持される張出し突条部82aを有する後側壁部82、及び天井壁部83を備えたもので、横側壁部81、後側壁部82、及び天井壁部83によって三方が閉じられた凹入空間84が形成されている。又、天井壁部83には、横側壁部81のある側とは反対側の遊側辺に近い位置に、戸横動方向に対し直交する方向に長い凹溝部85が形成されている。この凹溝部85は、その長さ方向の両端が閉じられると共に天井壁部83の下側に開放されたもので、この凹溝部85の横側壁部81のある側とは反対側の側面には、当該凹溝部85の後側壁部82側の端から凹溝部85の全長の半分程度までの領域にわたって、水平方向の開口部85aが形成されている。
【0035】
以上のように構成された本発明に係る引き違い戸装置1の組立て方法、使用方法、及び作用について説明すると、先に説明したように、
図16B及び
図16Cに示す第二戸単体8の上側横動体51を、天板5の上に取り付けられる前の上側第二ガイドレール11に一対の台車部61a,61bと連結部材62を嵌合させることによって、当該上側第二ガイドレール11に横動自在にセットし、この後、当該上側第二ガイドレール11及びこれに一体に連設されている上側第一ガイドレール12を天板5の所定位置に取り付ける。一方、
図17B及び
図17Cに示す第二戸単体8の下側横動体56を、床板3に埋設されている下側ガイドレール13にスライダー72,73及び連結部材74を嵌合させることにより、当該下側ガイドレール13に横動自在にセットする。この状態で、第二戸単体8の上端側内外両端の平行リンク軸受け支持用ユニット43,45に、上側横動体51の内外両端の平行リンク52,53の端部下側に吊り下げ状態にある軸受け54,55を、先に説明したように嵌合係止させる。又、第二戸単体8の下端側内外両端の平行リンク軸受け支持用ユニット44,46に、下側横動体56の平行リンク57,58の端部上側に支持されている軸受け59,60を、先に説明したように嵌合係止させる。
【0036】
上記作業により第二戸単体8は、上側横動体51の内外一対の平行リンク52,53と、下側横動体56の内外一対の平行リンク57,58とによって、垂直姿勢に支持されると共に、上側第二ガイドレール11と下側ガイドレール13とに沿って横動することが出来る。又、上記平行リンク52,53及び平行リンク57,58の平行水平揺動を伴って、第二戸単体8は、戸横動方向とは直交する前後奥行き方向に平行移動することが出来るが、上側横動体51の台車部61a,61bに内蔵されている姿勢保持手段66の作用により、上側横動体51の内外一対の平行リンク52,53が退入姿勢と突出姿勢との間でのみ水平揺動可能であり且つ内外一対の平行リンク52,53が退入姿勢と突出姿勢とに択一的に弾性力で保持される。ここで各平行リンク52,53,57,58が退入姿勢で保持されたときは、第二戸単体8が後ろ側の第一横動経路9内に位置し、各平行リンク52,53,57,58が突出姿勢で保持されたときは、第二戸単体8が前側の第二横動経路10内に位置するように構成されている。次に第一戸単体7をセットする作業に入るが、このとき第二戸単体8は、手前に引き出すように操作して前側の第二横動経路10内に位置させておく。
【0037】
第一戸単体7を第一横動経路9内にセットするときは、中間仕切り壁板6に取り付けられている中間被係合部14のローラー14eを、締結ボルト14bを緩めてブラケット14cを下降させることにより、第一戸単体7の中間ガイドレール21より下側に降ろしておく。そして、
図12及び
図23Aに示すように、ローラーユニット15A,15Bの締結ボルト27を緩めてロック部材28を下降限高さまで下降させ、ロック部材28の上端と溝付きローラー23a,23bの下端高さとの間の間隔を広げた状態にすると共に、
図14Cに仮想線で示すように、下側被係合部16のローラー34を、第一戸単体7の下端より上方の退避高さに上げて締結ボルト33bにより固定した状態で、ローラーユニット15A,15Bの溝付きローラー23a,23bを、上側第一ガイドレール12における突条レール部12cに上から嵌合させる。この後、床板3の上側に入り込んでいる第一戸単体7の下側被係合部16の締結ボルト33bを緩め、ローラー34を
図14に示すように作用高さまで下降させ、
図8に示すように、ローラー34を床板3側の下側ガイドレール13内に遊嵌させた状態で、軸受部材33を締結ボルト33bで固定する。
【0038】
次に、
図8及び
図23Bに示すように、ローラーユニット15A,15Bのロック部材28を上昇限高さまで上昇させ、締結ボルト27によって固定することにより、ロック部材28の上端を、上側第一ガイドレール12の水平張出し板部12bの下側に接近させておく。この結果、ローラーユニット15A,15Bの溝付きローラー23a,23bを、上側第一ガイドレール12の突条レール部12cから浮かせて前に引き出すために、第一戸単体7を持ち上げようとしても、ロック部材28の上端が上側第一ガイドレール12の水平張出し板部12bの下側に当接して、阻止される。最後に、中間仕切り壁板6の中間被係合部14におけるブラケット14cの持ち上げと、軸受け部材14dの前後奥行き方向の調整を行って、ローラー14eを、第一戸単体7の中間ガイドレール21の直線レール溝21a内に円滑に横動出来るように遊嵌させた状態で、締結ボルト14bによってブラケット14cを中間仕切り壁板6に固定すると共に、このブラケット14cに対して軸受け部材14dを固定する。第一戸単体7を取り外すときは、上記作業とは逆の手順で作業を行えば良い。
【0039】
上記のようにして第一横動経路9内にセットされた第一戸単体7は、戸横動方向一対のローラーユニット15A,15Bを介して上側第一ガイドレール12に水平に横動可能に吊り下げられると共に、その垂直姿勢が、下側ガイドレール13に対する下側被係合部16のローラー34の遊嵌と、中間仕切り壁板6の中間被係合部14におけるローラー14eに対する中間ガイドレール21の遊嵌とによって保持された状態で、第一横動経路9内を円滑に横動することが出来る。
【0040】
尚、上記の第一戸単体7のセッティングは、上記のように第二横動経路10内に位置させた第二戸単体8の内端(薄肉突出板部8aのある端部)側より、第一戸単体7の内端(凹入段部7aのある端部)が第二戸単体8の内側に入り込む位置で行う。従って、第二横動経路10内に位置する第二戸単体8の内端側の突出姿勢にある上下一対の平行リンク52,57から連設されている制御レバー52a,57bのカム従動ローラー52b,57cは、第一横動経路9内に位置する第一戸単体7の裏面より若干奥側に離れた位置にあるので、第二戸単体8の上側の制御レバー52aのカム従動ローラー52bに、第一戸単体7の上側レール18のレール面18aが隣接すると共に、第二戸単体8の下側の制御レバー57bのカム従動ローラー57cに、第一戸単体7の下側ガイドレール20の直線レール溝20aが上から嵌合するように、第一戸単体7を第一横動経路9内に配置する。
【0041】
以上のように第一戸単体7と第二戸単体8をセッティングすれば、
図1〜
図3に示すように、第一戸単体7の内端部が中間仕切り壁板6の前側に位置するように、第一横動経路9の一端側へ第一戸単体7を横動させ、この第一戸単体7が垂直側板4aと中間仕切り壁板6との間の収納空間2の半分の領域を閉じる閉じ位置に移動させる。この状態では、ローラーユニット15A,15Bによって上側第一ガイドレール12に吊り下げられている第一戸単体7は、
図2に示すように、中間仕切り壁板6側の中間被係合部14のローラー14eが、第一戸単体7に取り付けられている中間ガイドレール21の内端側端部に嵌合しており、第一戸単体7の下端側では、
図3に示すように、外端側の下側被係合部16のローラー34が床板3側の下側ガイドレール13の端部に嵌合しているので、第一戸単体7の垂直姿勢は確実に保持されている。
【0042】
次に、内端側が第一戸単体7の外側に被さる状態で第二横動経路10に位置している第二戸単体8を、その内端部が中間仕切り壁板6の前側に位置するように、第一戸単体7とは逆方向に第二横動経路10内で横動させると、上側横動体51の制御レバー52aのカム従動ローラー52bが第一戸単体7の上側レール18におけるレール面18a上を転動すると共に、下側横動体56の制御レバー57bのカム従動ローラー57cが第一戸単体7の下側ガイドレール20における直線レール溝20a内を移動することにより、第二戸単体8の姿勢を保持している各平行リンク52,53,57,58が突出姿勢から退入姿勢に変化することが出来ないので、第二戸単体8は、第一戸単体7の外側の第二横動経路10内を直線的に横動することになる。この第二戸単体8が、
図1〜
図3に示す閉じ位置、即ち、垂直側板4bと中間仕切り壁板6との間の収納空間2の半分の領域を閉じる閉じ位置に接近したとき、上側横動体51の制御レバー52aのカム従動ローラー52bが、第一戸単体7の上側レール18におけるレール面18a上から上側カムレール17における湾曲レール溝37内に進入すると共に、下側横動体56の制御レバー57bのカム従動ローラー57cが、第一戸単体7の下側ガイドレール20における直線レール溝20a内から下側カムレール19の湾曲レール溝19a内に進入する。
【0043】
上記作用により、閉じ位置に向かって第二横動経路10内を横動する第二戸単体8は、上側カムレール17及び下側カムレール19の湾曲レール溝37,19a内に制御レバー52a,57bのカム従動ローラー52b,57cが進入するのに伴って、上側横動体51の平行リンク52と下側横動体56の平行リンク57が、それぞれ突出姿勢から退入姿勢に向かって揺動し、第二戸単体8が第二横動経路10内から第一横動経路9内へ平行に移動することになる。そして
図1及び
図3に示すように、湾曲レール溝37,19aの終端にカム従動ローラー52b,57cが到達したとき、第二戸単体8は、第一横動経路9内の閉じ位置に位置している第一戸単体7と直列する状態の、第一横動経路9内の閉じ位置に達することになる。このとき図示のように、第二戸単体8の内端の薄肉突出板部8aが第一戸単体7の内端の凹入段部7a上に重なり、両戸単体7,8の表面は面一の状態になる。この第一横動経路9内へ平行に移動して第一戸単体7と直列する閉じ位置に変化した第二戸単体8は、その上側横動体51の平行リンク52,53が、台車部61a,61bに内蔵されている姿勢保持手段66の作用により退入姿勢に保持される結果、
図1〜
図3に示す直列閉じ位置に確実に保持される。
【0044】
上記のように第一戸単体7と第二戸単体8が第一横動経路9内で直列閉じ位置になって、収納空間2の開口部が全閉されたとき、
図20に示すように、第二戸単体8の上側横動体51における内端側の制御レバー52aのカム従動ローラー52bが、第一戸単体7の内端の上側カムレール17における湾曲レール溝37の終端の自動ロック手段36内に入り込んでいる。即ち、
図19A及び
図19Bに示すように、自動ロック手段36の可動板38は、圧縮コイルバネ39の付勢力で第一戸単体7から奥側へ変位した前進限位置に保持されており、湾曲レール溝37内から前記可動板38の凹入溝部38a内に進入してくるカム従動ローラー52bが、当該凹入溝部38aの側面のカム面部38bを介して可動板38を圧縮コイルバネ39の付勢力に抗して後退限位置まで後退移動させることになり、可動板38の下側に形成されている係合部40を、
図20A及び
図20Bに示すロック解除状態に切り換える。このロック解除状態では、上側第二ガイドレール11上に付設されたストッパー部材42に対し、閉じ位置にある第一戸単体7の前記係合部40が、前側に若干離れた位置にあって、仮に閉じ位置にある第一戸単体7が第二戸単体8のある側へ移動しても、前記係合部40はストッパー部材42と衝突することなく、その表面上を通過することが出来る状態にある。
【0045】
一方、第二戸単体8が、第一横動経路9内で第一戸単体7と直列する閉じ位置に達することにより、
図27A及び
図27Bに示すように、第二戸単体位置決め手段47の第二戸単体8側の従動部48におけるガイドローラー76と垂直軸体77が、上側第二ガイドレール11側の制御部78における凹入空間84(
図28A参照)内に入り込み、ガイドローラー76は、本体80の横側壁部81の内側面に当接して、第二戸単体8を定位置で制止させる。垂直軸体77は、凹入空間84の上側の凹溝部85における開口部85a内に入り込んでいる。
【0046】
上記のように第一戸単体7と第二戸単体8が第一横動経路9内で直列して、収納空間2の開口部を全閉している状態から、第二戸単体8を第一戸単体7の方へ開動させると、
図21A及び
図21Bに示すように、第二戸単体8の上側横動体51における制御レバー52aのカム従動ローラー52bが、閉じ位置にある第一戸単体7の上側カムレール17における自動ロック手段36の可動板38の凹入溝部38a内から湾曲レール溝37内へ移行するのに伴って、制御レバー52aを介して平行リンク52が突出姿勢から退入姿勢に向かって揺動し始める。同時に、第二戸単体8の下側横動体56における制御レバー57bのカム従動ローラー57cも、閉じ位置にある第一戸単体7の下側カムレール19における湾曲レール溝19a内を移動するのに伴って、制御レバー57bを介して平行リンク57も突出姿勢から退入姿勢に向かって揺動し始める。このときの上側横動体51の平行リンク52と下側横動体56の平行リンク57の突出姿勢への揺動運動は、互いに同期している。この結果、上側横動体51の平行リンク52,53と下側横動体56の平行リンク57,58は、互いに同期して退入姿勢から突出姿勢に変化しながら、上側第二ガイドレール11と下側ガイドレール13に沿って横動することになり、第二戸単体8は、
図21Aに示すように、その内端の薄肉突出板部8aが第一戸単体7の内端の凹入段部7aから斜め前方に浮き上がるように、第一横動経路9内から第二横動経路10内へ斜め前方に平行移動することになる。
【0047】
第二戸単体8が第一横動経路9内から第二横動経路10内へ斜め前方に平行移動しながら開動することにより、第二戸単体8が第二横動経路10内に到達することになるが、
図21Aに示すように、第二戸単体8側の制御レバー52aのカム従動ローラー52bが、第一戸単体7側の自動ロック手段36の凹入溝部38aのカム面部38bから湾曲レール溝37内に移行するのに伴って、自動ロック手段36の可動板38が圧縮コイルバネ39の付勢力で前進限位置まで移動する。この結果、
図21Bに示すように、可動板38の係合部40が、上側第二ガイドレール11に接近した突出作用位置に切り換わり、当該係合部40の第一戸単体7の開動方向側の直角角部が、上側第二ガイドレール11側のストッパー部材42の直角角部と、戸横動方向に互いに重なる状態になる。従って、閉じ位置にある第一戸単体7は、第二戸単体8が第二横動経路10内に移動したことによって空き状態になった第一横動経路9に向かって閉じ位置から開動させようとしても、この第一戸単体7側の係合部40が上側第二ガイドレール11側のストッパー部材42に当接し、開動を阻止される。
【0048】
上記の第二戸単体8の斜め前方への平行移動を伴う開動によって、
図27A及び
図27Bに示す状態にあった第二戸単体位置決め手段47は、
図28A及び
図28Bに示すように、第二戸単体8側の従動部48のガイドローラー76と垂直軸体77が、上側第二ガイドレール11側の制御部78の凹入空間84内から斜め前方に退出してゆき、第二戸単体8の開動を妨害しない。このとき前記垂直軸体77は、制御部78の凹溝部85内に進入することはなく、当該凹溝部85の巾広の開口部85aから問題なく退出することが出来る。
図4及び
図5に示すように、第二戸単体8が第二横動経路10内を横動して、閉じ位置にある第一戸単体7の外側に重なる開動限位置に達することで、第二戸単体8で閉じられていた収納空間2の半分の領域、即ち、垂直側板4bと中間仕切り壁板6との間の領域が開放された、第二戸単体8の開き状態となる。
【0049】
尚、上記のように第二戸単体8が第一戸単体7の外側で開動するとき、第二戸単体8の内端上側の制御レバー52aのカム従動ローラー52bは、第一戸単体7の上側レール18のレール面18aに沿って転動しながら当該上側レール18の外端側の端部に達することになり、第二戸単体8の内端下側の制御レバー57bのカム従動ローラー57cは、第一戸単体7の下側ガイドレール20の直線レール溝20a内を転動しながら当該直線レール溝20aの外端側の端部に達することになる。従って、開動途中や開動限位置に達している第二戸単体8に対し外側から第一戸単体7のある側へ不当な力が作用しても、この第二戸単体8を垂直姿勢に保持している突出姿勢の各平行リンク52,53,57,58が退入姿勢に揺動するのを、前記制御レバー52a,57bのカム従動ローラー52b,57cの外側への移動を第一戸単体7の上側レール18と下側ガイドレール20が阻止しているので、第二戸単体8が第一戸単体7のある側へ倒れることはない。
【0050】
先に説明したように、第二戸単体8が閉じ位置から開動し始めた以降は、閉じ位置にある第一戸単体7が閉じ位置から開動することは、
図21Bに示すように、第一戸単体7側の自動ロック手段36における係合部40と上側第二ガイドレール11側のストッパー部材42とによって阻止されているので、
図4及び
図5に示すように、閉じ位置にある第一戸単体7とその外側の開動限位置にある第二戸単体8とを一体に、第二戸単体8を閉動させる方向へ横動させることは出来ない。従って、
図4及び
図5に示す状態からは、開動限位置にある第二戸単体8のみを閉動させることが出来る。このときの動作は、閉じ位置にあった第二戸単体8を開動させたときと全く逆の動作となり、第二戸単体8は、第二横動経路10内を横動した後に、第一戸単体7の上下両カムレール17,19と、これにカム従動ローラー52b,57cが嵌入する第二戸単体8側の上下両制御レバー52a,57bとによって、第二横動経路10内から第一横動経路9内に斜めに平行移動しながら進入して閉じ位置に復帰し、
図1〜
図3に示すように、第一戸単体7と第二戸単体8とが直列する全閉状態になる。
【0051】
図1〜
図3に示す全閉状態から、上記とは逆に第一戸単体7で閉じられていた収納空間2の半分の領域、即ち、垂直側板4aと中間仕切り壁板6との間の領域を開く場合、閉じ位置にある第一戸単体7を第二戸単体8のある側へ開動させることになるが、このときには、
図20A及び
図20Bに示すように、第一戸単体7側の自動ロック手段36における係合部40は、上側第二ガイドレール11側のストッパー部材42と当接することなく、当該ストッパー部材42の前側を通過移動出来る状況にあるので、閉じ位置にある第一戸単体7を問題なく開動させることが出来る。このときの第一戸単体7の開動動作は、先に説明した第二戸単体8を開動させるときと相対的には同じであるから、
図22A及び
図22Bに示すように、第一戸単体7側の上下両カムレール17,19の湾曲レール溝37,19aが第二戸単体8の内端側の上下両制御レバー52a,57bのカム従動ローラー52b,57cを介して、平行リンク52,57を退入姿勢から突出姿勢に揺動させながら、第一戸単体7が開動することになる。従って、第一戸単体7が開動するのに伴って第二戸単体8が閉じ位置から外側へ平行移動して、内側への第一戸単体7の横動を許すことになる。尚、第二戸単体8の上側の制御レバー52のカム従動ローラー52bが、第一戸単体7の自動ロック手段36における可動板38の凹入溝部38a内から上側カムレール17の湾曲レール溝37内に移行するのに伴って、当該可動板38の係合部40が、先に説明したように前進移動することになるが、このときには既に係合部40は、上側第二ガイドレール11側のストッパー部材42の前側に移動しているので、当該ストッパー部材42の表面上を摺動して通過することになる。
【0052】
上記の動作時における第二戸単体8は、第一戸単体7の開動方向に押圧力を受けながら平行リンク52,53,57,58によって前側の第二横動経路10内へ平行移動することになるので、
図29A及び
図29Bに示すように、第二戸単体位置決め手段47の第二戸単体8側の従動部48におけるガイドローラー76が、上側第二ガイドレール11側の制御部78における本体80の横側壁部81の内側面に押し付けられながら転動して、第二戸単体8を閉じ位置から前側へ直線的に平行移動させることになる。このとき、第二戸単体8側の従動部48における垂直軸体77は、上側第二ガイドレール11側の制御部78における凹溝部85の奥端部に向かって直線的に進入することになり、第二戸単体8を開動させたときのように開口部85aから脱出することはない。上記のようにして、第一戸単体7の開動開始に伴って第二戸単体8が第一横動経路9内から第二横動経路10内へ直線的に平行移動し、この第二戸単体8の内側へ第一戸単体7が進入移動して、最終的に
図6及び
図7に示すように、第二横動経路10内の第二戸単体8の外端側上下一対の当接部材49,50が第一戸単体7の内端の凹入段部7a内に嵌合して、第一戸単体7の開動を制止させる。
【0053】
以上の動作により、
図6及び
図7に示すように、全閉状態における第二戸単体8の閉じ位置の跡に第一戸単体7が進入すると共に、この第一戸単体7の外側に第二戸単体8が重なった、第一戸単体7の開き状態に切り換わり、収納空間2の垂直側板4b中間仕切り壁板6との間の半分の領域が開かれることになる。この
図6及び
図7に示す第一戸単体7の開き状態では、一対のローラーユニット15A,15Bによって上側第一ガイドレール12に吊り下げられている状態の第一戸単体7は、
図2に示す中間ガイドレール21の外端部に中間仕切り壁板6側の中間被係合部14におけるローラー14eが嵌合すると共に、第一戸単体7の外端側下端の下側被係合部16のローラー34が下側ガイドレール13に嵌合しているので、当該第一戸単体7の下端側は外端側の位置でのみ、前後に関して方向の位置決めされており、内端側を位置決めする手段がない状態である。しかしながら第一戸単体7の開き状態では、その外側に、上側横動体51の一対の平行リンク52,53と下側横動体56の一対の平行リンク57,58とによって、垂直姿勢に保持されている第二戸単体8が被さっているので、内側の第一戸単体7に外から内側への押圧力を受けることは殆どないので、第一戸単体7が内側へ倒れる恐れは殆ど皆無と言える。
【0054】
図6及び
図7に示す第一戸単体7の開き状態では、
図29A及び
図29Bに示すように、第二戸単体位置決め手段47の第二戸単体8側の従動部48における垂直軸体77が、上側第二ガイドレール11側の制御部78における凹溝部85の奥端部に入り込んでいるので、外側の第二戸単体8を反対側へ横動させることは出来ない。従って、第一戸単体7を引き出して元の閉じ位置まで横動させることにより、元の全閉状態に戻すことになる。このときの動作は、全閉状態から第一戸単体7を開動させて第一戸単体7の開き状態にするときの動作と逆になるだけであって、第一戸単体7が閉じ位置に達する直前から第二戸単体8が第二横動経路10内から第一横動経路9内へ直線的に平行移動して、第一戸単体7と第二戸単体8が第一横動経路9内で直列する状態に切り換わる。
【0055】
尚、上記の第一戸単体7の開き状態では、第一戸単体7の上側カムレール17が備える自動ロック手段36の可動板38が前進限位置にあって、その係合部40が上側第二ガイドレール11側に接近した状態にある。従って、第一戸単体7を元の閉じ位置に戻すときの最終段階で、上側第二ガイドレール11側に接近した状態にある係合部40が、上側第二ガイドレール11側のストッパー部材42の位置を通過できなければならないが、先に説明したように、係合部40とストッパー部材42とは、第一戸単体7が閉じ位置から開動するときのみ互いに係合し、第一戸単体7が反対方向に横動して閉じ位置に戻るときは、係合部40を備えた可動板38が圧縮コイルバネ39の付勢力に抗して後退移動して、ストッパー部材42に対し係合部40が通過することが出来る逆止構造であるから、問題なく第一戸単体7は元の閉じ位置まで横動することが出来る。第一戸単体7が元の閉じ位置に達したときには、可動板38が圧縮コイルバネ39の付勢力で前進限位置に復帰し、係合部40は、ストッパー部材42と係合する状態になろうとするが、同時に第二戸単体8が第二横動経路10内から第一横動経路9内に直線的に平行移動して元の閉じ位置に復帰するので、この第二戸単体8の上側内端の制御レバー52aのカム従動ローラー52bが、先に説明したように第一戸単体7側の自動ロック手段36における可動板38(係合部40)を後退限位置に戻して、自動ロック手段36をロック解除状態に切り換えることになる。
【解決手段】第二戸単体8は、上側平行リンク52を介して上側横動体51に吊り下げられると共に、下側ガイドレール13に係合して横動する下側横動体56に平行リンク57を介して連結され、第一戸単体7は、上側第一ガイドレール12にガイドローラーユニット15Aを介して横動自在に吊り下げられ、第一戸単体7には、その外端側の下端部に、下側ガイドレール13に係合する下側被係合部16が設けられると共に、中間高さの裏面側に中間ガイドレール21が付設され、直列閉じ位置にあるときに互いに隣接する両戸単体7,8の内端部の内側に位置するように配設された中間仕切り壁板6には、中間ガイドレール21に係合する中間被係合部14が取り付けられている。