特許第6203438号(P6203438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203438ブラシロール用のロールシャフト及びブラシロール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6203438
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】ブラシロール用のロールシャフト及びブラシロール
(51)【国際特許分類】
   B24B 45/00 20060101AFI20170914BHJP
   B24D 13/10 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B24B45/00 Z
   B24D13/10
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-15071(P2017-15071)
(22)【出願日】2017年1月31日
【審査請求日】2017年1月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000137096
【氏名又は名称】株式会社ホタニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】穂谷 彰彦
【審査官】 須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−127975(JP,A)
【文献】 特開2011−141034(JP,A)
【文献】 特開昭57−000305(JP,A)
【文献】 特開昭53−138970(JP,A)
【文献】 特開2013−193195(JP,A)
【文献】 特開平10−291165(JP,A)
【文献】 特開昭59−219164(JP,A)
【文献】 特開平01−103268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D3/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状金属板をブラッシングするためのブラシロールに用いられるロールシャフトであって、
外周縁に複数のブラシ毛材が植設された環状ディスクが装着されるシャフト本体と、
前記シャフト本体の外周面に形成された凹溝に取り付けられ、前記環状ディスクの内周縁から突き出る差込部材が嵌め込まれるキー溝を有するキーベースと、を備え、
前記キーベースが耐食性金属材料、耐食性合金材料又は耐食性樹脂材料からなり、
前記シャフト本体の前記凹溝の溝底には、第1差込穴が形成されており、
前記キーベースの前記キー溝とは反対側の面には、第2差込穴が形成されており、 前記キーベースは、前記第1差込穴及び前記第2差込穴に嵌め込まれる連結部材を介して前記シャフト本体に固定されている、ロールシャフト。
【請求項2】
前記キーベースが耐酸性を有する、請求項1に記載のロールシャフト。
【請求項3】
前記キーベースが、ステンレスからなる、請求項1に記載のロールシャフト。
【請求項4】
前記キーベースが、プラスチック又はFRPからなる、請求項1に記載のロールシャフト。
【請求項5】
前記シャフト本体の前記凹溝の溝底には、ネジ穴が形成されており、
前記キーベースの前記キー溝の溝底には、ボルト挿入穴が形成されており、
前記キーベースは前記シャフト本体にボルトにより固定されている、請求項1〜4のいずれかに記載のロールシャフト。
【請求項6】
外周縁に複数のブラシ毛材が植設された複数の環状ディスクと、
前記複数の環状ディスクが差込部材を介して軸方向に並列して装着される請求項1〜のいずれかに記載のロールシャフトと、を備えるブラシロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鋼板、銅板などの帯状金属板(以下、「ストリップ」という。)などのブラッシング(洗浄、研磨、研削など)に用いられるブラシロール用のロールシャフト及び当該ロールシャフトが用いられたブラシロールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のブラシロールとしては、外周縁に多数のブラシ毛材(ブリッスル)が植設された環状ディスクを金属製のロールシャフトに軸方向に複数重ねた状態で装着したものが知られている(例えば特許文献1を参照)。複数の環状ディスクは、内側の開口部にロールシャフトが嵌め込まれることでロールシャフトに装着されるとともに、環状ディスクの内周縁の複数箇所から突き出る差込部材(キー)がロールシャフトの外周面の複数箇所に形成されたキー溝に嵌まることで、ロールシャフトと係合してロールシャフトに対する位置決め(中心位置合わせ)がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−291165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロールシャフトの外周面に形成されたキー溝は、ブラシロールの使用に伴い腐食して形が変化すると、環状ディスクとロールシャフトとの係合が弱まり、環状ディスクのロールシャフトに対する位置決め(中心位置合わせ)を精度良く行うことができなくなる。その結果、芯ブレがブラシロールに生じると、ストリップの研磨などを高精度で行うことができず、品質悪化を招くとの問題がある。そのため、ロールシャフトの素材として耐食性の優れたステンレスを採用することが考えられる。しかし、ロールシャフトの素材にステンレスを採用すると、ロールシャフトの材料コストが高額になる。そのうえ、ブラシロールの使用時にはロールシャフトに交番荷重が常時作用し、その頻度も1分間に1200回程度とかなり多い。そのため、ロールシャフトには、曲げに対して変形しにくい剛性(強度)を有することが求められるが、ステンレスは曲げに対する剛性が低く、ロールシャフトの素材に用いると、ロールシャフトの曲がりを頻繁に矯正する必要が生じる。一方で、ロールシャフトのキー溝の表面に、防食のためにメッキや塗装などのコーティングを施すことが考えられるが、メッキ膜は交番荷重が常時作用する環境下では剥離しやすいとの理由で採用することができず、塗装は、キー溝が上述した環状ディスクとロールシャフトとの中心位置合わせのために高精度の加工が求められることから、高精度の加工が難しいとの理由で採用することができないのが現状である。
【0005】
本発明は、上記した課題に着目してなされたもので、高い耐食性及び曲げに対する剛性を有するロールシャフト及び当該ロールシャフトを用いたブラシロールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、帯状金属板をブラッシングするためのブラシロールに用いられるロールシャフトであって、外周縁に複数のブラシ毛材が植設された環状ディスクが装着されるシャフト本体と、前記シャフト本体の外周面に形成された凹溝に取り付けられ、前記環状ディスクの内周縁から突き出る差込部材が嵌め込まれるキー溝を有するキーベースと、を備え、前記キーベースが耐食性金属材料、耐食性合金材料又は耐食性樹脂材料からなり、前記シャフト本体の前記凹溝の溝底には、第1差込穴が形成されており、前記キーベースの前記キー溝とは反対側の面には、第2差込穴が形成されており、前記キーベースは、前記第1差込穴及び前記第2差込穴に嵌め込まれる連結部材を介して前記シャフト本体に固定されている、ロールシャフトによって達成される。
【0007】
上記構成のロールシャフトにおいては、前記キーベースが耐酸性を有することが好ましい。
【0008】
上記構成のロールシャフトにおいては、前記キーベースが、ステンレスからなることが好ましい。
【0009】
上記構成のロールシャフトにおいては、前記キーベースが、プラスチック又はFRPからなることが好ましい。
【0010】
上記構成のロールシャフトにおいては、前記シャフト本体の前記凹溝の溝底には、ネジ穴が形成されており、前記キーベースの前記キー溝の溝底には、ボルト挿入穴が形成されており、前記キーベースは前記シャフト本体にボルトにより固定されていることが好ましい。
【0012】
本発明の前記目的は、外周縁に複数のブラシ毛材が植設された複数の環状ディスクと、前記複数の環状ディスクが軸方向に並列して装着される上記構成のロールシャフトと、を備えるブラシロールによっても達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、キー溝を有する耐食性のキーベースを、曲げに対する剛性(強度)が高いシャフト本体に組み込んでロールシャフトを構成することで、ロールシャフトに曲げ変形が生じることを抑制したうえで、キー溝がブラシロールの使用に伴い腐食して形が変化することを抑制することができる。その結果、環状ディスクとロールシャフトとの係合が維持され、環状ディスクのロールシャフトに対する位置決め(中心位置合わせ)を長期間にわたり精度良く行うことができる。よって、ブラシロールに芯ブレが生じることを防止することができ、ストリップなどの研磨などを高精度で行うことができ、良好な品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るブラシロールの概略構成を示す正面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3】ブラシディスクの斜視図である。
図4】ロールシャフトの概略構成を示す正面図である。
図5図4のB−B断面図である。
図6図5の要部拡大図である。
図7】シャフト本体に対してキーベースを固定する手順を示す図である。
図8】シャフト本体に対してキーベースを固定する手順を示す図である。
図9】従来のロールシャフトのシャフト本体に対してキーベースを固定する手順を示す図である。
図10】変形例のロールシャフトの概略構成を示す正面図である。
図11図10のC−C断面図である。
図12】連結部材の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るブラシロール1の概略構成を示している。ブラシロール1は、鉄板、鋼板、アルミニウム板、銅板などの帯状金属板(ストリップ)、あるいは、ストリップの調質圧延ロールやそのバックアップロールのブラッシング(洗浄、研磨、研削など)に用いられるものである。
【0016】
ブラシロール1は、図3に示すブラシディスク3を、図4に示す金属製のロールシャフト2に、差込部材6(キー)を介して、軸方向に複数並列した状態で一体回転可能に装着したものである。なお、本実施形態では、ブラシディスク3を複数積層させてブロック化したカセットブラシUを、ロールシャフト2に軸方向に複数並列した状態で一体回転可能に装着している。そして、複数並列したブラシディスク3を両側からフランジ10により圧縮して緊締することで、一体化している。
【0017】
ブラシディスク3は、環状ディスク4の外周縁に多数のブラシ毛材(ブリッスル)5が密に植設されたものである。ブラシ毛材5を、環状ディスク4の外周面にあけられた穴(図示せず)に通し、U字状に折り曲げた後、その折り曲げ基部を金属線などにより緊締することで、多数のブラシ毛材5が環状ディスク4の外周縁に固定される。
【0018】
ブラシ毛材5としては、直径が0.02mm〜7mmであって、例えばナイロン、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリオレフィン(例えばポリプロピレンなど)などの合成樹脂製のモノフィラメント又は砥粒(例えばアルミナ、シリカなど)を含有する直径が0.02mm〜7mmの上記した合成樹脂製のモノフィラメントを例示することができる。その他、比較的細いモノフィラメントを複数束ねた芯糸の周面に、例えばナイロン、ポリエステル、ポリオレフィンなの合成樹脂製の極細の複数のマルチフィラメントを、芯糸の先端以外に螺旋状に巻き付け又は組紐状に組み合わせた後、合成樹脂製の接着剤で固めたものを好適に例示することができる。このブラシ毛材では、複数のモノフィラメントが束ねられていることにより根元が太くなる一方で、先端は複数の細いモノフィラメントの束が解かれた状態となっているので、毛先が細くなる。これにより、根元が太いことで、ブラシ毛材5の強度を確保できるとともに、毛先が細いことで、ストリップなどの表面の微細な汚れなどを除去できる。
【0019】
環状ディスク4は、所定の厚みを有する円盤状の鉄板の中心に円形の開口部(穴)40をあけたものである。環状ディスク4の内周面には、円周方向に等間隔で、差込部材(キー)6を収納するための収納凹部41が複数(本実施形態では3つ)形成されている。
【0020】
環状ディスク4は、ロールシャフト2を開口部40に挿し通すために、その内径が、ロールシャフト2で最も外径の大きいシャフト本体7の外径よりも僅かに大きく設定されている。そのため、環状ディスク4の内周面とシャフト本体7の外周面との間には隙間が存在する。ただ、隙間がシャフト本体7の全周にわたって存在すると、環状ディスク4とロールシャフト2とに芯ブレが生じる。よって、シャフト本体7の外周面と環状ディスク4の内周面との間の隙間を部分的になくしてロールシャフト2に対する環状ディスク4の位置決め(中心位置合わせ)をするために、環状ディスク4の内周面から突き出る差込部材6がロールシャフト2と係合するように、ブラシロール1が構成されている。そのため、ロールシャフト2の外周面には、詳細は後述するが、差込部材6が嵌まるキー溝80が円周方向に等間隔で複数(本実施形態では3つ)形成されている。
【0021】
差込部材6は、例えば繊維強化プラスチック(FRP)などで形成され、例えば特開平10−291165号公報に記載のものなど、公知のものを採用することができる。差込部材6は、複数の環状ディスク4をブロック化したカセットブラシUごとに、設けられる。
【0022】
ロールシャフト2は、複数の環状ディスク4が装着されるシャフト本体7と、シャフト本体7の外周面に形成された凹溝72(図5に示す)に取り付けられるキーベース8と、を備える。
【0023】
シャフト本体7は、外径の大きい略円柱状の本体部70の両端に外径の小さい略円柱状の取付部71が一体に設けられた構成のものである。本体部70は複数の環状ディスク4が装着される部分であり、取付部71はブラッシング装置(図示せず)の軸受にセットされる部分である。シャフト本体7は、例えば、鉄鋼、高炭素鋼など、一般にロールシャフトに用いられる素材、つまりは、ブラシロール1の使用時に作用する交番荷重に起因する曲げに対して変形しにくい剛性(強度)を有する材料で形成することができる。また、シャフト本体7は、その耐食性を向上させるために、エポキシ樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料などで外周面が塗装されている。
【0024】
本体部分70の外周面には、軸方向に沿って延びる凹溝72が、円周方向に等間隔で複数(本実施形態では3つ)形成されている。凹溝72は、キーベース8が嵌り込む形状(断面視矩形状)をなしており、本実施形態では、溝底72Aにネジ穴73が形成されている。ネジ穴73は、凹溝72の溝底72Aに軸方向に沿って間隔をあけて複数形成されている。
【0025】
キーベース8は、軸方向に沿って延びる略四角柱形状をなしており、幅方向中央位置に、軸方向に沿って延びるキー溝80が形成されている。このキー溝80に、環状ディスク4の内周縁から突き出る差込部材6が嵌め込まれる。そのため、キー溝80は、差込部材6の環状ディスク4の内周縁から突き出る部分の外形に対応した形状をなしており、本実施形態では断面視逆台形状をなしている。
【0026】
キー溝80の溝底80Aには、ボルト挿入穴81が形成されている。ボルト挿入穴81は、キー溝80の溝底80Aに軸方向に沿って間隔をあけて複数形成されており、キーベース8は、ボルト挿入穴81がネジ穴73と一致するようにしてシャフト本体7の凹溝70に嵌め込まれ、ボルト9により固定されている。なお、ボルト9の頭部90がキー溝80の溝底80Aと面一となるように、ボルト9、ボルト挿入穴81及びネジ穴73が設計されている。
【0027】
キーベース8は、耐食性金属材料、耐食性合金材料又は耐食性樹脂材料で形成されている。ここで、「耐食性」とは、腐食(錆び)がし難い、酸化し難い性質のことである。キーベース8に耐食性材料を用いることにより、ロールシャフト2のキー溝80が、ブラシロール1の使用に伴い腐食して形が変化することを抑制することができる。その結果、環状ディスク4とロールシャフト2との係合が維持され、環状ディスク4のロールシャフト2に対する位置決め(中心位置合わせ)を長期間にわたり精度良く行うことができる。
【0028】
耐食性金属材料としては、例えばチタン、ニッケル、アルミニウム、クロムなどを、耐食性合金材料としては、例えばステンレス、チタン合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、クロム合金などを例示することができるが、耐食性及びコストの観点から好ましくはステンレス、チタン、チタン合金であり、加工性の観点からさらに好ましくはステンレスである。
【0029】
耐食性樹脂材料としては、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリアミドなどのプラスチック、あるいは、繊維強化プラスチック(FRP)などを例示することができるが、耐食性及びコストの観点から好ましくはポリ塩化ビニル、繊維強化プラスチック(FRP)であり、コストの観点からさらに好ましくはポリ塩化ビニルである。
【0030】
さらに、ブラシロール1は酸雰囲気で使用されるケースが想定されるため、キーベース8は耐酸性を有する、つまりは耐酸性材料でからなることが好ましい。耐酸性としては、例えば濃度1%の常温の塩酸水に100時間浸漬させた場合に目視による劣化が認められない程度であればよい。この耐酸性材料としては、プラスチック、繊維強化プラスチック(FRP)を例示することができる。
【0031】
なお、ロールシャフト2は、上述した構成以外に、ブラシロール1として好適に使用するために必要な種々の構成や形状変更を適宜採用することができる。
【0032】
次に、本実施形態のロールシャフト2の製造方法について説明する。まず、円柱状のシャフト本体7を有するロールシャフト2を用意し、図7に示すように、シャフト本体7(本体部分70)の外周面に凹溝72を円周方向に等間隔で複数形成するとともに、凹溝72の溝底72Aにネジ穴73を形成する。次に、図8に示すように、凹溝72に、ボルト挿入穴81を有するキーベース8を嵌め込む。そして、図6に示すように、キーベース8をボルト9により固定し、ボルト固定したキーベース8にV溝加工を施してキー溝80を形成した後、キーベース8の箇所において、シャフト本体7の外径が均一となるように加工を施す。これにより、本実施形態のロールシャフト2が製造される。
【0033】
なお、本実施形態のロールシャフト2は、図9に示すように、従来からブラシロールのロールシャフトとして用いられているような、シャフト本体7の外周面にキー溝80’が形成されたロールシャフト2からも製造することができる。すなわち、シャフト本体7(本体部分70)の外周面に、キー溝80’をくり抜くようにして凹溝72及びネジ穴73を円周方向に等間隔で複数形成することで、図7に示す状態となる。その後は、同様に、図8及び図6に示すように、凹溝72に、ボルト挿入穴81を有するキーベース8を嵌め込んでボルト9により固定し、ボルト固定したキーベース8にV溝加工を施してキー溝80を形成し、その後、キーベース8の箇所において、シャフト本体7の外径が均一となるように加工を施す。これにより、本実施形態のロールシャフト2が製造される。
【0034】
以上、本実施形態のロールシャフト2によると、シャフト本体7が曲げに対する剛性(強度)を有する材料により形成されているので、ブラシロール1の使用時にロールシャフト2に交番荷重が常時作用しても、ロールシャフトは曲げ変形し難く、ロールシャフト2の曲がりを頻繁に矯正する必要がない。そのうえ、キー溝80を有する耐食性のキーベース8をシャフト本体7に組み込んでロールシャフト2を構成しているので、キー溝80がブラシロール1の使用に伴い腐食して形が変化することを抑制することができる。その結果、環状ディスク4とロールシャフト2との係合が維持され、環状ディスク4のロールシャフト2に対する位置決め(中心位置合わせ)を長期間にわたり精度良く行うことができる。よって、ブラシロール1に芯ブレが生じることを防止することができ、ストリップなどの研磨などを高精度で行うことができ、良好な品質を維持することができる。
【0035】
以上の通り、本実施形態のロールシャフト2によると、高い耐食性及び曲げに対する剛性を有するので、長期間、問題なく使用することができる。
【0036】
また、キーベース8を耐酸性材料で形成することで、酸雰囲気が強い場所であっても、ブラシロール1を使用することができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態では、キーベース8をシャフト本体7(本体部70)にボルト9のみを用いて固定しているが、図10及び図11に示すように、ボルト9に加えて連結部材11を用い、キーベース8を連結部材11を介してシャフト本体7(本体部70)に固定するように構成してもよい。
【0039】
図10及び図11に示すロールシャフト2は、シャフト本体7の各凹溝72の溝底72Aに、複数のネジ穴73が間隔をあけて形成されているとともに、複数(本実施形態では3つ)の第1差込穴74が複数のネジ穴73に混ざって形成されている。第1差込穴74には、連結部材11が嵌め込まれるため、第1差込穴74は、連結部材11の下側の一部分の外形に対応した形状をなしており、本実施形態では断面視矩形状をなしている。複数の第1差込穴74は、凹溝72の所定位置に形成され、本実施形態では、凹溝72の軸方向中央位置に1つ形成され、凹溝72の軸方向両端位置近傍に1つずつ形成されている。
【0040】
キーベース8のキー溝80とは反対側の面には、シャフト本体7の凹溝72の各第1差込穴74と対応する位置に、複数(本実施形態では3つ)の第2差込穴82が形成されている。この第2差込穴82にも、連結部材11が嵌め込まれるため、第2差込穴82は、連結部材11の上側の一部分の外形に対応した形状をなしており、本実施形態では断面視矩形状をなしている。
【0041】
連結部材11は、キーベース8をシャフト本体7(本体部70)に連結する部材である。連結部材11は、例えば鉄鋼、高炭素鋼、ステンレスなどの材料で形成される。また、連結部材11は、図12(A)に示す端部形状が両端角形のもの、図12(B)に示す端部形状が両端丸形のもの、図12(C)に示す端部形状が片端丸形のもの、などを例示できるが、これらに限定されるものではなく、種々の形状のものを用いることができる。
【0042】
連結部材11がキーベース8及びシャフト本体7(本体部70)にそれぞれ係合することで、シャフト本体7(本体部70)に対してキーベース8が周方向及び軸方向にブレることなく位置決めされた状態で、両者が連結される。これにより、キーベース8のボルト挿入穴81がシャフト本体7(本体部70)の凹溝72のネジ穴73と自然に一致し、ボルト9による固定を容易に行うことができる。加えて、キーベース8をボルト9でシャフト本体7(本体部70)に固定すると、ブラシロール1の使用時に、ロールシャフト2の回転中の負荷がボルト9に作用し、ボルト9に過度の負荷が掛かってしまうが、連結部材11を用いることで、ボルト9に作用する負荷を分散させることができる。よって、ボルト9に掛かる負荷を軽減できるので、ボルト9の破損などを生じ難くすることができ、長期間、ブラシロール1を品質の高い状態に維持することができる。
【0043】
なお、複数の差込穴74は、必ずしも、凹溝72の軸方向中央位置及び軸方向両端位置近傍に形成されている必要はなく、連結部材11によりボルト9に作用する負荷を分散できるのであれば、凹溝72の適当な位置に適当な数形成することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、キーベース8をシャフト本体7(本体部70)にボルト9を用いて固定しているが、キーベース8をシャフト本体7の凹溝72に強固に固定できるのであれば、必ずしもキーベース8の固定にボルト9を用いる必要はない。この場合には、ネジ穴73及びボルト挿入穴81は省略できる。
【符号の説明】
【0045】
1 ブラシロール
2 ロールシャフト
4 環状ディスク
5 ブラシ毛材
6 差込部材(キー)
7 シャフト本体
8 キーベース
9 ボルト
72 凹溝
73 ネジ穴
80 キー溝
81 ボルト挿入穴
【要約】
【課題】高い耐食性及び曲げに対する剛性を有するロールシャフト及び当該ロールシャフトを用いたブラシロールを提供する
【解決手段】帯状金属板をブラッシングするためのブラシロール1に用いられるロールシャフト2であって、外周縁に複数のブラシ毛材5が植設された環状ディスク4が装着されるシャフト本体7と、シャフト本体7の外周面に形成された凹溝72に取り付けられ、環状ディスク4の内周縁から突き出る差込部材5が嵌め込まれるキー溝80を有するキーベース8とを備え、キーベース8が耐食性金属材料、耐食性合金材料又は耐食性樹脂材料からなる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12