特許第6203480号(P6203480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6203480-能動遮蔽を有するコネクタ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203480
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】能動遮蔽を有するコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20170914BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H01R13/64
   H01R13/66
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-152226(P2012-152226)
(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公開番号】特開2013-20969(P2013-20969A)
(43)【公開日】2013年1月31日
【審査請求日】2015年4月16日
【審判番号】不服2016-13702(P2016-13702/J1)
【審判請求日】2016年9月13日
(31)【優先権主張番号】13/178,054
(32)【優先日】2011年7月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ゴバリ・アサフ
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン・アンドレス・クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】エフラス・ヤロン
【合議体】
【審判長】 冨岡 和人
【審判官】 中川 隆司
【審判官】 小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−17549(JP,A)
【文献】 特開2005−3503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/64,H01R13/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタであって、
前記電気コネクタから延びる配線に接続され、かつ嵌合するコネクタ内の対応するコネクタ端子と相互接続されるように結合される1つ又は2つ以上のコネクタ端子と、
前記コネクタ端子に隣接して実装され、かつ前記電気コネクタ付近の第1の磁場を感知して、前記感知した磁場に基づいて、前記第1の磁場により前記配線及び前記コネクタ端子内に誘導される妨害を低減する第2の磁場を発生させるように構成されている能動遮蔽回路と、を含み、
前記能動遮蔽回路は、前記コネクタ端子を取り囲むように構成されておらず、
前記電気コネクタは、互いに嵌合しかつ前記コネクタ端子をそれぞれ含む第1のコネクタと第2のコネクタとを含み、
前記能動遮蔽回路は、前記第1のコネクタ内に配されており、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが嵌合した際に、前記能動遮蔽回路の少なくとも一部が、互いに結合された前記第1および第2のコネクタの前記コネクタ端子と近接しかつ並行して位置付けられるように構成されている、電気コネクタ。
【請求項2】
コネクタハウジングを含み、前記コネクタ端子及び前記能動遮蔽回路が前記コネクタハウジング内に装着されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記能動遮蔽回路が、前記第1の磁場を感知するための少なくとも1つの感知コイルと、前記第2の磁場を発生させるための少なくとも1つの発生器コイルと、前記感知コイルにより感知された前記第1の磁場に基づいて、前記発生器コイルを駆動するよう構成されている駆動回路と、を含む、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記コネクタ端子が平面内に配置され、前記感知コイル及び前記発生器コイルが前記平面と平行である、請求項3に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの発生器コイルが第1の発生器コイル及び第2の発生器コイルを含み、前記第1の発生器コイル及び第2の発生器コイルが、前記コネクタ端子を含む前記平面の第1の側及び前記第1の側の反対側の第2の側にそれぞれ配置されている、請求項4に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記駆動回路が、前記感知した第1の磁場を示す第1の電流を用いて駆動されるオペアンプと、前記オペアンプにより制御されて前記発生器コイルを駆動するための第2の電流を生成する電流源とを含む、請求項3に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記感知コイル及び前記発生器コイルが、少なくとも1つのプリント基板(PCB)上に配置されている、請求項3に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記能動遮蔽回路が、前記第1の磁場の周波数帯域と合わされる、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記第2の磁場が、振幅において前記第1の磁場と等しく、かつ極性において前記第1の磁場の反対である、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
カテーテルであって、
前記カテーテルの遠位端内に装着されている変換器と、
前記変換器と電気信号を交換するためのケーブルと、
前記ケーブルに接続されて前記電気信号を伝達する電気コネクタであって、
前記電気コネクタから延びる配線に接続され、かつ嵌合するコネクタ内の対応するコネクタ端子と相互接続されるように結合される1つ又は2つ以上のコネクタ端子と、
前記コネクタ端子に隣接して実装され、かつ前記電気コネクタ付近の第1の磁場を感知して、前記感知した磁場に基づいて、前記第1の磁場により前記配線及び前記コネクタ端子内に誘導される妨害を低減する第2の磁場を発生させるよう構成されている能動遮蔽回路と、を含む、電気コネクタと、を備え、
前記能動遮蔽回路は、前記コネクタ端子を取り囲むように構成されておらず、
前記電気コネクタは、互いに嵌合しかつ前記コネクタ端子をそれぞれ含む第1のコネクタと第2のコネクタとを含み、
前記能動遮蔽回路は、前記第1のコネクタ内に配されており、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが嵌合した際に、前記能動遮蔽回路の少なくとも一部が、互いに結合された前記第1および第2のコネクタの前記コネクタ端子と近接しかつ並行して位置付けられるように構成されている、カテーテル
【請求項11】
コネクタを磁気妨害から保護するための方法であって、
電気コネクタを介して1つ又は2つ以上の信号を伝達することであって、前記電気コネクタが1つ又は2つ以上のコネクタ端子を含み、前記コネクタ端子が、前記電気コネクタから延びる配線に接続され、かつ嵌合するコネクタ内の対応するコネクタ端子と相互接続されるように結合される、ことと、
前記コネクタ端子に隣接して実装された能動遮蔽回路によって、前記電気コネクタ付近で第1の磁場を感知することと、
前記能動遮蔽回路によって、前記感知した磁場に基づいて、前記第1の磁場によって前記配線及び前記コネクタ端子において前記信号中に誘導される妨害を低減する第2の磁場を発生させることと、を含み、
前記能動遮蔽回路は、前記コネクタ端子を取り囲むように構成されておらず、
前記電気コネクタは、互いに嵌合しかつ前記コネクタ端子をそれぞれ含む第1のコネクタと第2のコネクタとを含み、
前記能動遮蔽回路は、前記第1のコネクタ内に配されており、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが嵌合した際に、前記能動遮蔽回路の少なくとも一部が、互いに結合された前記第1および第2のコネクタの前記コネクタ端子と近接しかつ並行して位置付けられるように構成されている、方法。
【請求項12】
前記第1の磁場を感知することが、少なくとも1つの感知コイルを使用して前記第1の磁場を測定することを含み、前記第2の磁場を発生させることが、少なくとも1つの発生器コイルを使用して前記第2の磁場を生成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コネクタ端子が平面内に配置され、前記感知コイル及び前記発生器コイルが前記平面と平行である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の磁場を発生させることが、前記コネクタ端子を含む前記平面の第1の側及び前記第1の側の反対側の第2の側にそれぞれ配置されている、第1の発生器コイル及び第2の発生器コイルを使用して前記第2の磁場を生成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の磁場を感知することが、前記感知した第1の磁場を示す第1の電流を用いてオペアンプを駆動することを含み、前記第2の磁場を発生させることが、前記オペアンプにより制御される電流源により生成された第2の電流を用いて前記発生器コイルを駆動することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記感知コイル及び前記発生器コイルが、少なくとも1つのプリント基板(PCB)上に配置されている、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の磁場を感知すること及び前記第2の磁場を発生させることが、前記第1の磁場の周波数帯域と合わされた回路構成を操作することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の磁場が、振幅において前記第1の磁場と等しく、かつ極性において前記第1の磁場の反対である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して電気コネクタに関し、詳細にはコネクタを磁気妨害から保護するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な電子システムが、磁場の存在下で作動する。例えば、いくつかの磁気位置追跡システムは、既知の磁場を発生させ、プローブ内に装着されている磁場センサを使用して磁場を測定することによって、患者の身体内のカテーテル又は他のプローブの位置を追跡する。この種のシステムについては、例えば、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際特許出願公開WO 96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455号、同第2003/0120150号、及び同第2004/0068178号に述べられており、これらの開示内容をすべて参照により本明細書に援用するものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に記載される本発明の一実施形態は、電気コネクタを提供する。電気コネクタは1つ又は2つ以上のコネクタ端子を含み、前記コネクタ端子は、コネクタから延びる配線に接続され、かつ嵌合するコネクタ内の対応するコネクタ端子と相互接続されるように結合される。能動遮蔽回路は、コネクタ端子に隣接して実装され、かつ電気コネクタ付近の第1の磁場を感知して、感知した磁場に基づいて、第1の磁場により配線及びコネクタ端子内に誘導される妨害を低減する第2の磁場を発生させるように構成されている。
【0004】
いくつかの実施形態において、電気コネクタはコネクタハウジングを含み、コネクタ端子及び能動遮蔽回路は、コネクタハウジング内に装着されている。開示した実施形態において、能動遮蔽回路は、第1の磁場を感知するための少なくとも1つの感知コイルと、第2の磁場を発生させるための少なくとも1つの発生器コイルと、感知コイルにより感知された第1の磁場に基づいて発生器コイルを駆動するように構成されている駆動回路構成と、を含む。
【0005】
一実施形態において、コネクタ端子は平面内に配置され、感知コイル及び発生器コイルは、前記平面と平行である。少なくとも1つの発生器コイルは、第1の発生器コイル及び第2の発生器コイルを含んでもよく、前記第1の発生器コイル及び第2の発生器コイルは、コネクタ端子を含む平面の第1の側及び第1の側の反対側の第2の側にそれぞれ配置されている。別の実施形態では、駆動回路構成は、感知された第1の磁場を示す第1の電流を用いて駆動されるオペアンプと、このオペアンプにより制御されて発生器コイルを駆動するための第2の電流を生成する電流源と、を含む。
【0006】
更なる別の実施形態では、感知コイル及び発生器コイルは、少なくとも1つのプリント基板(PCB)上に配置されている。尚、別の実施形態では、能動遮蔽回路は、第1の磁場の周波数帯域と合わされる。一実施形態において、第2の磁場は振幅において第1の磁場と等しく、かつ極性において第1の磁場の反対である。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、変換器、ケーブル及び電気コネクタを含むカテーテルが更に提供される。変換器は、カテーテルの遠位端内に装着され、ケーブルは、変換器と電気信号を交換し、電気コネクタは、ケーブルに接続されて電気信号を伝達する。電気コネクタは、1つ又は2つ以上のコネクタ端子と能動遮蔽回路とを含む。コネクタ端子は、コネクタから延びる配線に接続され、かつ嵌合するコネクタ内の対応するコネクタ端子と相互接続されるように結合される。能動遮蔽回路は、コネクタ端子に隣接して実装され、かつ電気コネクタ付近の第1の磁場を感知して、感知した磁場に基づいて、第1の磁場により配線及びコネクタ端子内に誘導される妨害を低減する第2の磁場を発生させるように構成されている。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、電気コネクタを介して1つ又は2つ以上の信号を伝達する工程を含む方法も提供され、前記電気コネクタは1つ又は2つ以上のコネクタ端子を含み、前記コネクタ端子は、コネクタから延びる配線に接続され、かつ嵌合するコネクタ内の対応するコネクタ端子と相互接続されるように結合される。第1の磁場は、電気コネクタ付近で感知される。第1の磁場によって配線及びコネクタ端子において信号中に誘導される妨害を低減する第2の磁場は、感知した磁場に基づいて発生される。
【0009】
本発明は、以下の本発明の実施形態の詳細な説明を以下の図面と併せ読むことでより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による、心臓カテーテルの磁気位置追跡に関するシステムの概略図。
図2】本発明の一実施形態による、能動遮蔽を有する一対のコネクタを概略図。
図3】本発明の実施形態による、能動遮蔽回路を概略回路図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概論
磁場は、電子システムに妨害を生じる場合があり、特に遮蔽されていないコネクタ及び配線を介して伝達される信号を歪ませ得る。この種の1つの筋書の例は、心臓カテーテルの位置を追跡する磁気位置決めシステム内に生じる場合がある。そのようなシステムにおいて、カテーテルは一般に、少なくとも1つのコネクタを含むケーブルを使用して、システムコンソールに接続される。カテーテルにより伝達される信号は一般に脆弱であり、システムにより発生される磁場によってひどく歪められ得る。この歪みは、誤った位置測定をもたらす場合がある。
【0012】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、コネクタを磁場妨害から遮蔽するための改善された方法及び装置を提供する。いくつかの実施形態において、コネクタは、コネクタ端子に隣接して実装された能動遮蔽回路を含む。能動遮蔽回路はコネクタ付近の磁場を感知する。感知した磁場に基づいて、回路は、磁場によってコネクタ端子及び配線内に誘導された妨害を低減する、対立する磁場を発生させる。
【0013】
コネクタ及び能動遮蔽回路の構成の例を、以下に記載する。開示した技術は、一般により単純かつより低コストであり、ミューメタル遮蔽等の受動的解決法と比較してより良好な遮蔽を提供する。本明細書に記載した実施形態はカテーテル及び磁気位置追跡システムに言及するが、本明細書に記載した方法及び装置は、他の様々なシステム及び環境内のコネクタの能動遮蔽に使用することができる。
【0014】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、心臓カテーテルを使用する磁気位置追跡に関するシステム20の概略図である。システム20は、例えば、Biosense−Webster Inc.(Diamond Bar,California)製造の、CARTO(商標)システムに基づくことができる。システム20において、医師24は、患者30の身体内にカテーテル28を挿入しているカテーテル28は、医師によって取り扱われる近位端、及び患者の身体を通って誘導操作される遠位端36を有する。カテーテル28は、ケーブル32を使用して制御コンソール44に接続される。
【0015】
コンソール44により制御される1つ又は2つ以上の磁場発生コイル40は、患者付近に交流(AC)磁場を発生させる。カテーテル28の遠位端36内に装着されている磁場センサ又は他の変換器(図示せず)は、磁場を感知し、感知した磁場に応答して電気信号を生成する。電気信号はケーブル32を介してカテーテルの遠位端からコンソール40へ伝達され、コンソールはこの信号を処理することによってカテーテル遠位端の位置を計算及び表示する。この種のシステムは、上記に引用した参考文献に詳細に記載されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、カテーテル28は、一対の嵌合する電気コネクタ50を使用してケーブル32に接続されている。多くの実際の場合に、コネクタ50を横切る電気信号は、コイル40により発生される磁場(時に「外部磁場」と称される)によって歪められ得る。この歪みは次に、コンソール44によって実行される位置計算に誤りを導入する場合がある。いくつかの実施形態において、コネクタ50の一方は、磁場により生じる妨害を低減する能動遮蔽回路を含む。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態による、能動遮蔽を用いる一対のコネクタの側面及び上面図を概略的に示す図である。これらのコネクタは、例えば上記の図1のコネクタ50を実行する場合に使用されてもよい。
【0018】
本実施例では、一対のコネクタは、図の左側に示す雌型コネクタと、右側に示す雄型コネクタとを含む。図の上部及び下部はそれぞれ、コネクタの側面図及び上面図を示す。
【0019】
雌型コネクタは、コネクタハウジング120と、1つ又は2つ以上のソケット160とを含む。配線180はソケット160に接続され、かつハウジング120から延びて、電気信号をソケットに及び/又はソケットから伝達する。雄型コネクタは、コネクタハウジング140と、1つ又は2つ以上のピン240とを含む。配線260はピン240に接続され、かつハウジング140から延びて、電気信号をピンに及び/又はピンから伝達する。下記に詳細に記載される能動遮蔽回路200は、雌型コネクタのハウジング120内にてソケット160に隣接して実装されている。
【0020】
雄型コネクタが雌型コネクタ内に差し込まれた際、ピン240がソケット160内に差し込まれる。このピン−ソケット接続範囲は能動回路200に直近しているため、回路200による磁場の相殺がこの範囲内で磁場妨害を有効に低減する。かくして、コネクタを介して伝達される電気信号は、磁場妨害から有効に保護される。
【0021】
本文脈において、ピン240及びソケット160の両方は、本明細書でコネクタ端子と称する。本実施例では、回路200は雌型コネクタ内に実装されているが、代替的な実施形態では、能動遮蔽回路は雄型コネクタ内に実装されていてもよい。本実施例では、雄型及び雌型コネクタに言及しているが、開示した技術は、1つ又は2つ以上のピンと1つ又は2つ以上のソケットとの任意の好適な混合物を有するハイブリッドコネクタにも使用され得る。更に、開示した技術は、任意の他の好適な種類のコネクタ端子を有するコネクタと共に使用されてもよい。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態による、能動遮蔽回路200を概略的に示す回路図である。図3の実施形態において、回路200は、単一の回路基板又は別個の回路基板上に製作されてもよいコイル回路280及び駆動回路290を含む。
【0023】
コイル回路280は、感知コイル320及び発生器コイル300を含む。感知コイル320は、コネクタ付近の磁場を感知する。駆動回路290は、感知した磁場に基づいて、感知した磁場に対抗する対立する磁場を発生させるように発生器コイル300を駆動する。換言すれば、コイル300はコイル320により感知された磁場を相殺する(又は少なくとも相当低減する)対立する磁場を発生させる。その結果、コネクタ端子及び配線に影響を与える正味磁場が相殺され又は相当低減される。
【0024】
本実施例では、コネクタ端子は平面状構成にて配置され、コイル300及び320は平面状であり、かつコネクタ端子の平面と平行である。この構成は、多くの場合に妨害を生じるのに優位な、コネクタ端子の平面に直交する磁場を相殺するのに有用である。感知コイル及び発生器コイルは、コネクタハウジング内部にてコネクタ端子に隣接して実装された小型プリント基板(PCB)上に配置されてもよい。
【0025】
代替的な実施形態では、コネクタ端子、1つ又は2つ以上の感知コイル、及び1つ又は2つ以上の発生器コイルの任意の他の好適な構成を使用してもよい。例えば、能動遮蔽回路は、コネクタ端子の平面の両側に1つずつ、2つの発生器コイル300をヘルムホルツ構成にて含んでもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、駆動回路290は負帰還構成にて接続されているオペアンプ340を含む。オペアンプ340の出力は、積分器342によって積分される。ローパスフィルタ(LPF)344は、積分器342の出力を濾過する。いくつかの実施形態では、積分器342及びLPF 344は、単一のフィルタとして実装されてもよい。電圧−電流(V/I)コンバータは、LPF 344の出力における電圧を電流に変換し、電流源360を駆動する。
【0027】
感知コイル320の一方の端子と、発生器コイル300の一方の端子とは、接地されている。感知コイル320の他方の端子と、発生器コイル300の他方の端子とは、オペアンプ340の正入力に接続されている。発生器コイル300の他方の端子は、オペアンプ340の負入力に接続されている。電流源360は、オペアンプの負入力に接続されている端子において駆動コイル320に電流を注入する。
【0028】
オペアンプ340は、負帰還構成に配置されている。オペアンプの平衡状態は、感知コイル320を通る電流がゼロであるように、発生器コイル300により誘導される磁場が外部磁場を相殺する際に生じる。感知コイル320に誘導される電流は、外部磁場により誘導される電流と、発生器コイル300によって発生された対立する磁場により誘導される電流との合計を含む。
【0029】
平衡状態において、また理想的なオペアンプを用いた場合、2つの磁場は同一であるが反対の極性を有し、したがってそれらの合計がゼロであるため互いに相殺する。実際のオペアンプを用いた場合、磁場の合計は正確にゼロではない可能性があり、したがって磁場妨害は著しく低減されるが完全に相殺されない可能性がある。
【0030】
外部磁場の小さい変化は、一般に、感知コイル320を通る電流の非ゼロ値への一時的な変化をもたらす。感知コイルはオペアンプ340の高インピーダンス入力に接続されているため、そのような電流の変化は、一般に、オペアンプの正端子上の電圧を変化させ、これは次に電流源360の電流駆動を変化させる。電流の変化が、発生器コイル300が発生させる対立する磁場を変化させ、この変化は外部磁場の変化を補償し、回路を平衡に戻す。
【0031】
図2に示したコネクタ対50と、図3に示した回路200の構成とは、単に概念的な明確さのために示される、構成の例である。代替的な実施形態では、任意の他の好適な構成を用いることもできる。
【0032】
いくつかの実施形態では、駆動回路290及び/又はコイル回路280は、外部磁場の周波数帯域と合わされ(例えば、前記周波数帯域用に設計され、及び/又は同調され)てもよい。いくつかの実施形態では、例えば回路200等の能動遮蔽回路は、受動遮蔽と組み合わせて使用されてもよい。本明細書に記載した実施形態は、主にコネクタの能動遮蔽に対処しているが、本明細書に記載した方法及びシステムは、電子回路基板、集積回路及びケーブルの遮蔽等の他の用途に用いることもできる。
【0033】
上記に述べた実施形態は、例として引用したものであって、本発明は上記に具体的に図示及び記載したものに限定されないことは認識されるであろう。むしろ、本発明の範囲には、上で説明した様々な特徴の組み合わせと部分的組み合わせの両方、並びにそれらの変形形態及び修正形態が含まれ、これらは、上述の説明を読むことによって当業者には想到されるであろうものであり、先行技術では開示されていないものである。
【0034】
〔実施の態様〕
(1) 電気コネクタであって、
前記コネクタから延びる配線に接続され、かつ嵌合するコネクタ内の対応するコネクタ端子と相互接続されるように結合される1つ又は2つ以上のコネクタ端子と、
前記コネクタ端子に隣接して実装され、かつ前記電気コネクタ付近の第1の磁場を感知して、前記感知した磁場に基づいて、前記第1の磁場により前記配線及び前記コネクタ端子内に誘導される妨害を低減する第2の磁場を発生させるように構成されている能動遮蔽回路と、を含む、電気コネクタ。
(2) コネクタハウジングを含み、前記コネクタ端子及び前記能動遮蔽回路が前記コネクタハウジング内に装着されている、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(3) 前記能動遮蔽回路が、前記第1の磁場を感知するための少なくとも1つの感知コイルと、前記第2の磁場を発生させるための少なくとも1つの発生器コイルと、前記感知コイルにより感知された前記第1の磁場に基づいて、前記発生器コイルを駆動するよう構成されている駆動回路と、を含む、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(4) 前記コネクタ端子が平面内に配置され、前記感知コイル及び前記発生器コイルが前記平面と平行である、実施態様3に記載の電気コネクタ。
(5) 前記少なくとも1つの発生器コイルが第1の発生器コイル及び第2の発生器コイルを含み、前記第1の発生器コイル及び第2の発生器コイルが、前記コネクタ端子を含む前記平面の第1の側及び前記第1の側の反対側の第2の側にそれぞれ配置されている、実施態様4に記載の電気コネクタ。
(6) 前記駆動回路が、前記感知した第1の磁場を示す第1の電流を用いて駆動されるオペアンプと、前記オペアンプにより制御されて前記発生器コイルを駆動するための第2の電流を生成する電流源とを含む、実施態様3に記載の電気コネクタ。
(7) 前記感知コイル及び前記発生器コイルが、少なくとも1つのプリント基板(PCB)上に配置されている、実施態様3に記載の電気コネクタ。
(8) 前記能動遮蔽回路が、前記第1の磁場の周波数帯域と合わされる、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(9) 前記第2の磁場が、振幅において前記第1の磁場と等しく、かつ極性において前記第1の磁場の反対である、実施態様1に記載の電気コネクタ。
(10) カテーテルであって、
前記カテーテルの遠位端内に装着されている変換器と、
前記変換器と電気信号を交換するためのケーブルと、
前記ケーブルに接続されて前記電気信号を伝達する電気コネクタであって、
前記コネクタから延びる配線に接続され、かつ嵌合するコネクタ内の対応するコネクタ端子と相互接続されるように結合される1つ又は2つ以上のコネクタ端子と、
前記コネクタ端子に隣接して実装され、かつ前記電気コネクタ付近の第1の磁場を感知して、前記感知した磁場に基づいて、前記第1の磁場により前記配線及び前記コネクタ端子内に誘導される妨害を低減する第2の磁場を発生させるよう構成されている能動遮蔽回路と、を含む、電気コネクタと、を備えた、カテーテル。
【0035】
(11) 方法であって、
電気コネクタを介して1つ又は2つ以上の信号を伝達することであって、前記電気コネクタが1つ又は2つ以上のコネクタ端子を含み、前記コネクタ端子が、前記コネクタから延びる配線に接続され、かつ嵌合するコネクタ内の対応するコネクタ端子と相互接続されるように結合される、ことと、
前記電気コネクタ付近で第1の磁場を感知することと、
前記感知した磁場に基づいて、前記第1の磁場によって前記配線及び前記コネクタ端子において前記信号中に誘導される妨害を低減する第2の磁場を発生させることと、を含む、方法。
(12) 前記第1の磁場を感知することが、少なくとも1つの感知コイルを使用して前記第1の磁場を測定することを含み、前記第2の磁場を発生させることが、少なくとも1つの発生器コイルを使用して前記第2の磁場を生成することを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記コネクタ端子が平面内に配置され、前記感知コイル及び前記発生器コイルが前記平面と平行である、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記第2の磁場を発生させることが、前記コネクタ端子を含む前記平面の第1の側及び前記第1の側の反対側の第2の側にそれぞれ配置されている、第1の発生器コイル及び第2の発生器コイルを使用して前記第2の磁場を生成することを含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記第1の磁場を感知することが、前記感知した第1の磁場を示す第1の電流を用いてオペアンプを駆動することを含み、前記第2の磁場を発生させることが、前記オペアンプにより制御される電流源により生成された第2の電流を用いて前記発生器コイルを駆動することを含む、実施態様12に記載の方法。
(16) 前記感知コイル及び前記発生器コイルが、少なくとも1つのプリント基板(PCB)上に配置されている、実施態様12に記載の方法。
(17) 前記第1の磁場を感知すること及び前記第2の磁場を発生させることが、前記第1の磁場の周波数帯域と合わされた回路構成を操作することを含む、実施態様11に記載の方法。
(18) 前記第2の磁場が、振幅において前記第1の磁場と等しく、かつ極性において前記第1の磁場の反対である、実施態様11に記載の方法。
図1
図2
図3