特許第6203491号(P6203491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203491ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の味質改良方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203491
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の味質改良方法
(51)【国際特許分類】
   C12G 1/00 20060101AFI20170914BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20170914BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C12G1/00
   A23L2/02 A
   A23L2/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-285385(P2012-285385)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-124171(P2014-124171A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】505144588
【氏名又は名称】MCフードスペシャリティーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100143971
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】藤 井 大 樹
(72)【発明者】
【氏名】原 圭 志
【審査官】 小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/057084(WO,A1)
【文献】 特許第5019659(JP,B2)
【文献】 特開2004−337132(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/059046(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/066960(WO,A1)
【文献】 J. Agric. Food Chem.,1999年,Vol. 47,p. 3457-3479
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12G 1/00 − 3/14
A23L 2/00 − 2/84
A23L 27/00 − 27/60
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
WPIDS/WPIX(STN)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に、D−アミノ酸またはその塩を含有させることを特徴とする、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の渋味および苦味の低減方法であって、
該D−アミノ酸の含有量を0.001質量%以上となるように含有させ、かつ
該D−アミノ酸がD−プロリンである、
方法。
【請求項2】
ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に、該果実酒または果実飲料に対して、D−プロリンまたはその塩の含有量が、0.001質量%以上となるように含有させる工程を含む、渋味および苦味の低減された果実酒または果実飲料の製造方法。
【請求項3】
D−プロリンの含有量が、果実酒または果実飲料に対して、0.001質量%以上である、果実酒または果実飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の味質改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリフェノールは、ワイン、甘味果実酒等の果実酒、果実飲料、茶飲料、チョコレート、ココア等の飲食品に含まれている。
【0003】
ポリフェノールは、これらの飲食品の嗜好をそそるうえで無くてはならない要素であり、ポリフェノールを飲食品に加えることにより、コクや厚みの付与、生理活性作用、および調理時のマスキング作用が期待される。
【0004】
しかし、その一方で、ポリフェノールが、飲食品中に含まれると渋味や苦味が強くなり、不快な味として好ましくないとされることがある。
【0005】
これまでに、飲食品の味カドをD−アミノ酸を用いることにより緩和する方法(例えば、WO2012/057084号公報(特許文献1)参照)、カテキン類を高含有する飲料にカテキンによる苦味、渋味および収斂味を、環状デキストリンを添加することで低減する方法(例えば、特開2008−118873号公報(特許文献2)参照)、茶飲料のタンニン系の収斂味をブナ科コナラ属植物の溶媒抽出物を用いてまろやかな渋味に変える方法(例えば、特開2008−48690号公報(特許文献3)参照)が知られている。しかしながら、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の苦味または渋味を緩和し、まろやかにする方法はこれまでに全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2012/057084号公報
【特許文献2】特開2008−118873号公報
【特許文献3】特開2008−48690号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の味質の改良方法、特に果実酒また果実飲料の渋味および/または苦味を低減する方法を提供することを一つの目的とする。
【0008】
本発明は、以下の(1)〜(6)に関する。
(1)ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に、D−アミノ酸またはその塩を含有させることを特徴とする、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の味質改良方法。
(2)味質改良が、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の渋味および/または苦味の低減である、(1)記載の方法。
(3)D−アミノ酸またはその塩を、該D−アミノ酸の含有量が0.001質量%以上となるように含有させる、(1)または(2)に記載の方法。
(4)D−アミノ酸が、D−プロリン、D−アスパラギン酸、およびD−アルギニンからなる群から選択される1種または2種以上のD−アミノ酸である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に、該果実酒または果実飲料に対して、D−プロリン、D−アスパラギン酸、およびD−アルギニンからなる群から選択される1種または2種以上のD−アミノ酸またはその塩の含有量が、0.001質量%以上となるように含有させる工程を含む、味質が改良された果実酒または果実飲料の製造方法。
(6)D−プロリン、D−アスパラギン酸、およびD−アルギニンからなる群から選択される1種または2種以上のD−アミノ酸の含有量が、果実酒または果実飲料に対して、0.001質量%以上である、果実酒または果実飲料。
【0009】
本発明によれば、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の味質改良方法、特に果実酒また果実飲料の渋味および/または苦味を低減する方法を提供することができる。
【発明の具体的説明】
【0010】
果実酒または果実飲料の味質改良方法
本発明のポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の味質改良方法(以下、本発明の味質改良方法という)は、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に、D−アミノ酸またはその塩を含有させることを特徴とする、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の味質改良方法である。
【0011】
本発明の味質改良方法に用いられるD−アミノ酸またはその塩は、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の味質改良効果があればいずれも用いることができる。
【0012】
D−アミノ酸としては、例えば、D−プロリン、D−アスパラギン酸、D−アルギニン、D−オルニチン、D−メチオニン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、D−ヒスチジン、D−リジン、D−トリプトファン、D−アスパラギン、D−トレオニン、D−バリン、D−ロイシン、D−アラニン、D−グルタミン酸、D−システイン、D−イソロイシン、D−セリン、およびD−チロシンが挙げられ、好ましくは、D−プロリン、D−アスパラギン酸、D−アルギニンが挙げられ、より好ましくは、D−プロリンが挙げられる。
【0013】
これらのD−アミノ酸の塩としては、飲食品への添加が許容されものであれば特に制限はなく、例えば、酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等の塩が挙げられる。
【0014】
酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルコン酸塩、カプリル酸塩等の有機酸塩が挙げられる。金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。アンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられる。有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等の塩が挙げられる。アミノ酸付加塩としては、グリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の塩が挙げられる。
【0015】
本発明ではD−アミノ酸またはその塩を単独で用いてもよいが、二種以上を組み合わせて用いてもよい。二種以上を組み合わせて用いる場合は、各D−アミノ酸またはその塩をどのように組み合わせてもよい。D−アミノ酸の組み合わせに含まれるアミノ酸の一または二以上をそのアミノ酸の塩と置き換えて組み合わせてよく、もしくはそのアミノ酸の塩を追加してもよい。
【0016】
本発明の味質改良方法に用いられる果実酒は、ポリフェノールを含有し、かつアルコールを含む果実酒であれば特に限定されるものではない。果実酒には、甘味果実酒も含まれる。
【0017】
本発明の味質改良方法に用いられる果実酒としては、上述のとおり、ポリフェノールおよびアルコールを含むものであれば特に限定されないが、好ましくは、(a)果実または果実および水を原料として発酵させたもの、(b)果実または果実および水に糖類(好ましくは砂糖、ぶどう糖または果糖)を加えて発酵させたもの、(c)前記酒類に糖類(好ましくは砂糖、ぶどう糖または果糖)を加えて発酵させたもの、(d)(a)から(c)の酒類にブランデー、アルコール若しくはスピリッツまたは糖類(好ましくは、砂糖、ぶどう糖または果糖)、香味料若しくは水を加えたものが挙げられる。また、本発明の味質改良方法に用いられる果実酒としては、各国(好ましくは、日本)の酒税法で定められる果実酒を用いることができる。本発明の味質改良方法に用いられる果実酒には、ワイン風発酵調味料も含まれる。
【0018】
また、甘味果実酒としては、好ましくは、(e)果実または果実および水に糖類を加えて発酵させたもの、(f)(a)若しくは(b)に掲げる酒類または(e)に掲げる酒類に糖類を加えて発酵させたもの、(g)(a)から(c)までに掲げる酒類または(e)若しくは(f)に掲げる酒類にブランデー等または糖類、香味料、色素若しくは水を加えたもの、(h)果実酒または(e)から(f)までに掲げる酒類に植物を浸してその成分を浸出させたもの若しくは薬剤を加えたものまたはこれらの酒類にブランデー等、糖類、香味料、色素若しくは水を加えたものが挙げられる。果実としては、ブドウ、リンゴ、かんきつ類等が挙げられる。代表的なものとしてブドウ果汁から製造されたワインを挙げることができる。
【0019】
本発明の味質改良方法に用いられる果実飲料としては、ポリフェノールを含有していれば特に限定されないが、ブドウ、リンゴ、かんきつ類、パインアップルの他、いちご、トマト等の果実を、必要ならば破砕したのち、搾汁処理または裏ごし処理し、さらに搾汁液または裏ごし液を篩別して果皮やパルプ類を取り除いて得たものが挙げられる。本発明の味質改良方法に用いられる果実飲料としては、例えば、ぶどうジュース、リンゴジュース、かんきつ類のジュース、イチゴジュース、トマトジュースが挙げられる。
【0020】
本発明に用いられる果実酒または果実飲料中に含まれるポリフェノールの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01〜5質量%である。
【0021】
飲食品中のポリフェノールの総含有量は、日本食品分析センター編、「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」、中央法規、2001年7月、p.252に記載の公定法(酒石酸鉄試薬法)や、ISOの公定法(ISO14502‐1:2005)であるフォーリン‐チオカルト法、AOAC Internationalの公定法(AOAC Method 952.03, 955.25)であるフォーリン‐デニス法(Folin‐Denis Assay)に準じて定量することができる。
【0022】
本発明の味質改良方法において、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料中に含有させるD−アミノ酸またその塩の含有量は、該果実酒または果実飲料中のポリフェノールの種類や含有量により適宜設定すればよい。
【0023】
例えば、果実酒または果実飲料中のポリフェノールの含有量が0.01〜5質量%である場合、各D−アミノ酸またはその塩として、果実酒または果実飲料に対して、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.1質量%であり、さらにより好ましくは0.01〜0.08質量%である。
【0024】
果実酒または果実飲料中のD−アミノ酸またはその塩は、たとえば、o−フタルアルデヒドとN−イソブチリル−L−システインやN−アセチル−L−システインを用いて試料中のD−およびL−アミノ酸をキラル誘導体化後、逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを用いて、定量することができる。
【0025】
本発明の味質改良方法において、「D−アミノ酸またはその塩を含有させる」とは、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料にD−アミノ酸またはその塩を含有させる態様であればどのような態様であっても含まれる。例えば、該D−アミノ酸またはその塩を素材に含有させ、その素材を該果実酒または果実飲料に含有させてもよく、または該D−アミノ酸またはその塩を該果実酒または果実飲料に直接含有させてもよい。
【0026】
また、該果実酒または果実飲料に該D−アミノ酸またはその塩を添加してもよく、該D−アミノ酸またはその塩に該果実酒または果実飲料を添加してもよく、また該D−アミノ酸またはその塩が含有された素材を用いて、同様の操作を行っても良い。例えば、該D−アミノ酸またはその塩が既に存在する容器等に、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料を加える態様も含まれる。
【0027】
本発明の味質改良方法において、D−アミノ酸またはその塩を、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に含有させる時期は、本発明の効果を奏する限り限定されるものではなく、該果実酒または果実飲料の製造工程のいずれの時期に含有させてもよい。
【0028】
例えば、該果実酒または果実飲料の原料にあらかじめD−アミノ酸またはその塩を加えて、該果実酒または果実飲料を製造してもよいし、該果実酒または果実飲料の製造工程のいずれかの工程においてD−アミノ酸またはその塩を含有させてもよく、または製造後の果実酒または果実飲料にD−アミノ酸またはその塩を含有させてもよい。
【0029】
また、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に、D−アミノ酸またはその塩を含有させる方法として、D−アミノ酸またはその塩自体を含有させる方法の他に、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の製造中または製造後にアミノ酸ラセマーゼを作用させる方法、該飲食品の製造中または製造後にアミノ酸を化学的にラセミ化させる方法を用いることもできる。
【0030】
本発明の味質改良方法に用いられるポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料には、本発明の効果の妨げとならない限りどのようなものが含有されていてもよく、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に使用可能な添加物を含有してもよい。たとえば、ワインに使用される添加物として、亜硝酸塩や亜硫酸塩等のような酸化防止剤などが挙げられる。
【0031】
上記本発明の味質改良方法により、果実酒または果実飲料中のポリフェノールによる渋味または苦味を低減して味質をまろやかにすることができる。すなわち、本発明の味質改良方法は、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料の渋味または苦味の低減方法として好ましく用いられる。
【0032】
果実酒または果実飲料の製造方法
本発明の果実酒または果実飲料の製造方法は、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に、該果実酒または果実飲料に対して、D−プロリン、D−アスパラギン酸、およびD−アルギニンからなる群から選択される1種または2種以上のD−アミノ酸またはその塩の含有量が、0.001質量%以上となるように含有させる工程を含む、味質が改良された果実酒または果実飲料の製造方法である。
【0033】
本発明の好ましい態様によれば、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に、該果実酒または果実飲料に対して、D−プロリン、D−アスパラギン酸、およびD−アルギニンからなる群から選択される1種または2種以上のD−アミノ酸またはその塩の含有量が、0.001質量%以上となるように添加する工程を含む、味質が改良された果実酒または果実飲料の製造方法が提供される。
【0034】
本発明の製造方法において用いられる、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料、ポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に含有させるD−アミノ酸またはその塩の種類、該D−アミノ酸またはその塩を含有させる量および方法ならびに含有させる時期等は、本発明の味質改良方法での記載と同様であってもよい。
【0035】
果実酒または果実飲料
本発明の果実酒または果実飲料は、D−プロリン、D−アスパラギン酸、およびD−アルギニンからなる群から選択される1種または2種以上のD−アミノ酸の含有量が、果実酒または果実飲料に対して、0.001質量%以上である、果実酒または果実飲料である。
【0036】
本発明のポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料に含有させるD−プロリン、D−アスパラギン酸、およびD−アルギニンからなる群から選択される1種または2種以上のD−アミノ酸の含有量は、上記の本発明の味質改良方法におけるポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料中のD−アミノ酸の含有量と同じ量であってよい。また、本発明のポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料などは、上記の味質改良方法に用いられる果実酒または果実飲料などと同じであってもよい。
【0037】
本発明のポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料は、上記の本発明の味質改良方法に用いられる果実酒または果実飲料に使用可能な添加物を含有してもよい。
【0038】
本発明のポリフェノールを含有する果実酒または果実飲料は、使用量および使用方法において、通常の果実酒または果実飲料と変わるところはない。
【0039】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0040】
実施例1
以下に示したD-アミノ酸について、それぞれ1質量%の水溶液を調製し、pH6.0に調整した。
D−プロリン(Pro)
D−アルギニン(Arg)
D−アスパラギン酸(Asp)
市販の赤ワインに、上記D−アミノ酸を、該赤ワイン中の含有量がそれぞれ0.02質量%となるように添加した。
該赤ワイン中の総ポリフェノール量を、フォーリン‐デニス法を用いて定量したところ、0.1〜0.2質量%であった。
【0041】
上記D−アミノ酸を加え、得られた各赤ワインの、渋味および苦味の強さについて官能評価を行った。評価は、D−アミノ酸またはその塩を添加しない赤ワインの渋味および苦味を4点とする7点評点法により、4名のパネラーにより行った。
【0042】
スコアが高ければ渋味および苦味が強く、低ければ渋味および苦味が弱くまろやかであることを意味する。評価結果を下記表1に示す。
【表1】
【0043】
上記表1に示すとおり、D−アスパラギン酸、D−プロリン、またはD−アルギニンを添加して得られた赤ワインは、D−アミノ酸無添加の赤ワインに比べ、渋味および苦味が緩和され、まろやかな赤ワインであった。
【0044】
実施例2
実施例1において渋味および苦味の緩和効果の高かったD−プロリン(D体)、およびその光学異性体であるL−プロリン(L体)を、下記表2記載の濃度となるように赤ワインに添加した。
【0045】
得られた各赤ワインの渋味および苦味について、実施例1に記載の方法に準じて、7点評点法により官能評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
【表2】
【0046】
上記表2に示すとおり、D−プロリンを含有する赤ワインは、いずれも渋味および苦味が緩和されて、まろやかさが向上したものであった。0.01〜0.08質量%含有するように、D−プロリンを添加して得られた赤ワインは、渋味および苦味が緩和されており、まろやかさの強く感じられるものであった。