(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203492
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】インバータ一体型電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20170914BHJP
F04B 39/00 20060101ALI20170914BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20170914BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
F04B39/00 106Z
H02K11/33
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-288763(P2012-288763)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-131445(P2014-131445A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】中神 孝志
(72)【発明者】
【氏名】中野 浩児
(72)【発明者】
【氏名】永坂 圭史
(72)【発明者】
【氏名】上谷 洋行
(72)【発明者】
【氏名】服部 誠
【審査官】
坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−120348(JP,A)
【文献】
特開2012−239356(JP,A)
【文献】
特開平05−328710(JP,A)
【文献】
特開2002−202058(JP,A)
【文献】
特開2002−070743(JP,A)
【文献】
特開2012−244637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
F04B 39/00
H02K 11/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機および電動モータが内蔵されたハウジングに、その内部の低圧冷媒流路と仕切壁を介して仕切られたインバータ収容ケースが設けられ、該インバータ収容ケース内にインバータ装置が組み込まれて一体化されているインバータ一体型電動圧縮機において、
前記インバータ装置は、フィルタ回路を構成する複数の高電圧系電気部品と、複数個の半導体スイッチング素子と、インバータ回路および制御回路が実装されている制御基板とを備え、
前記複数個の半導体スイッチング素子は、前記仕切壁に対して鉛直方向に設けられた放熱ブロックの側面に固定設置され、
前記放熱ブロックの前記半導体スイッチング素子が固定設置される側面は、前記仕切壁と直交または交差する鉛直面または傾斜面とされていることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項2】
前記インバータ収容ケース内には、前記仕切壁を貫通し、前記インバータ装置で直流電力から所要周波数の三相交流電力に変換された電力を前記電動モータに印加するための密封端子が設置され、該密封端子と前記制御基板とが直接接続されていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項3】
圧縮機および電動モータが内蔵されたハウジングに、その内部の低圧冷媒流路と仕切壁を介して仕切られたインバータ収容ケースが設けられ、該インバータ収容ケース内にインバータ装置が組み込まれて一体化されているインバータ一体型電動圧縮機において、
前記インバータ装置は、フィルタ回路を構成する複数の高電圧系電気部品と、複数個の半導体スイッチング素子と、インバータ回路および制御回路が実装されている制御基板とを備え、
前記複数個の半導体スイッチング素子は、前記仕切壁に対して鉛直方向に設けられた放熱ブロックの側面に固定設置され、
前記インバータ収容ケース内には、前記仕切壁を貫通し、前記インバータ装置で直流電力から所要周波数の三相交流電力に変換された電力を前記電動モータに印加するための密封端子が設置され、該密封端子と前記制御基板とが直接接続されていることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項4】
前記密封端子は、前記高電圧系電気部品および前記放熱ブロックが設置された前記仕切壁の壁面に対して一段嵩上げされた端子設置部に設けられ、その端子の内端側においてモータ巻線との間に所要の絶縁距離が確保可能とされていることを特徴とする請求項2または3に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項5】
前記放熱ブロックは、前記仕切壁と別体とされ、該仕切壁上における任意の位置に固定設置可能とされていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項6】
前記放熱ブロックは、前記仕切壁の壁面から一体に立ち上げ成形されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項7】
前記放熱ブロックは、前記仕切壁との結合部が末広がり状に傾斜された構成とされていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項8】
前記高電圧系電気部品および前記放熱ブロックは、前記仕切壁の壁面上に設けられ、その高電圧系電気部品および放熱ブロックを挟んで反対側に、該高電圧系電気部品および前記半導体スイッチング素子が実装された1枚の前記制御基板が配設されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動圧縮機のハウジングに、インバータ装置が一体に組み込まれているインバータ一体型電動圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車等に搭載される空調装置の圧縮機には、インバータ装置が一体に組み込まれたインバータ一体型電動圧縮機が用いられている。このインバータ一体型電動圧縮機は、車両に搭載された電源ユニットから供給される高電圧の直流電力をインバータ装置で所要周波数の三相交流電力に変換し、それを電動モータに印加することにより駆動されるように構成されている。
【0003】
インバータ装置は、高電圧ラインに接続され、ノイズ除去用のフィルタ回路を構成するインダクタコイルや平滑コンデンサ等の高電圧系電気部品と、直流電力を三相交流電力に変換するIGBT等の複数の半導体スイッチング素子を含むインバータ回路と、上位制御装置からの指令でインバータ回路を制御するCPU等を含む制御回路と、これら構成機器間を接続するバスバー等から構成され、P−N端子を介して入力された高電圧の直流電力を三相交流電力に変換し、UVW端子から出力する構成とされている。
【0004】
このインバータ装置は、電動圧縮機のハウジングに設けられたインバータ収容ケース内に設置され、UVW端子からハウジングを貫通する密封端子を介して電動モータに三相交流電力を印加する構成とされている。インバータ収容ケースは、ハウジング内を流通する低圧冷媒の流通路に面している仕切壁(ハウジング壁)を介して設けられており、該仕切壁をヒートシンクとして内部に組み込まれるインバータ装置の半導体スイッチング素子や高電圧系電気部品等が冷却される構成とされ、インバータ装置が組み込まれた後、密閉されるようになっている。
【0005】
電動モータを内蔵した電動圧縮機では、一般に絶縁性能が高く高価なポリオールエステル(POE)系の冷凍機油が使用されているが、絶縁性能の低い安価なポリアルキルグリコール(PAG)系の冷凍機油を望むユーザーもあり、この場合、密封端子とモータ巻線間で十分な絶縁性の確保が必要となる。これに対応するため、特許文献1には、仕切壁のインバータ収容ケース内側を嵩上げし、その部分に密封端子を設置することにより、端子のハウジング内側において、十分な絶縁距離を確保するとともに、絶縁部材の設置を可能としたものが開示されている。
【0006】
また、特許文献1に示すものでは、半導体スイッチング素子を仕切壁に設置して冷却性能を確保しようとすると、密封端子を設置する嵩上げ部により半導体スイッチング素子を実装する基板の設置スペースが制約を受けることから、基板をパワー系基板と制御系基板とに2分割し、2層構造とする必要があるとともに、パワー系基板と密封端子とを繋ぐためのバスバーが必要となる。一方、特許文献2に示されるように、基板を1枚とし、それに半導体スイッチング素子や高電圧系電気部品を実装しようとすると、仕切壁の半導体スイッチング素子の設置部を基板に近づけるように嵩上げしなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−1859号公報
【特許文献2】特開2007−198341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の如く、PAG油を使用するため、絶縁性を確保しようとすると、仕切壁の密封端子設置部を嵩上げしなければならず、これにより、半導体スイッチング素子の冷却性能を確保しようとすると、基板を1枚化することが難しくなるとともに、バスバーが必要となる等、部品点数が多くなってインバータ装置の構成が複雑化、大型化し、その収容ケースが大きくなることから、インバータ一体型電動圧縮機の大型化、高コスト化は避けられなかった。
【0009】
また、パワー系基板と制御系基板の1枚化を可能とするため、仕切壁に嵩上げ部を設けて半導体スイッチング素子を設置する構成とした場合、仕切壁の嵩上げによってハウジング側またはインバータ収容部側に駄肉部が発生し、それが重量の増加やコストアップを招く要因となる等の課題があった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板の1枚化と、半導体スイッチング素子を設置する仕切壁を嵩上げした大きな設置面の不要化によって、インバータ装置の部品数の削減と構成の簡素化、コンパクト化、低コスト化等を図り、小型軽量化および低コスト化されたインバータ一体型電動圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明
の参考例にかかるインバータ一体型電動圧縮機は、圧縮機および電動モータが内蔵されたハウジングに、その内部の低圧冷媒流路と仕切壁を介して仕切られたインバータ収容ケースが設けられ、該インバータ収容ケース内にインバータ装置が組み込まれて一体化されているインバータ一体型電動圧縮機において、前記インバータ装置は、フィルタ回路を構成する複数の高電圧系電気部品と、複数個の半導体スイッチング素子と、インバータ回路および制御回路が実装されている制御基板とを備え、前記複数個の半導体スイッチング素子は、前記仕切壁に対して鉛直方向に設けられた放熱ブロックの側面に固定設置されていることを特徴とする。
【0012】
本発明
の参考例によれば、インバータ装置を構成する複数個の半導体スイッチング素子を、ハウジング内とインバータ収容ケースとを仕切る仕切壁に対して鉛直方向に設けられた放熱ブロックの側面に固定設置する構成としているため、複数個の半導体スイッチング素子を仕切壁に対して鉛直方向に設けた放熱ブロックの側面に固定設置することにより、仕切壁の壁面上に複数個の半導体スイッチング素子を設置する平らな面積の大きい設置面を確保する必要がなく、しかも半導体スイッチング素子を他の高電圧系電気部品や電動モータに電力を印加するために設置される密封端子等と略同一高さ位置に設置することができ、これによって、制御基板をインバータ回路および制御回路が実装されたインバータ収容ケース内と略同じ面積を持つ1枚の基板で構成し、それに半導体スイッチング素子や高電圧系電気部品を実装するとともに、該制御基板と密封端子とを直接接続した構成とすることができる。従って、インバータ装置およびインバータ収容ケースを小型化し、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機を小型軽量化、低コスト化することができる。また、インバータ装置の構成部品間をバスバーやコネクタを介して接続する必要がなく、構成の簡素化、低コスト化を図ることができるとともに、仕切壁に半導体スイッチング素子を設置する嵩上げ部を設ける必要がなく、ハウジングまたはインバータ収容ケースの駄肉部を減少し、その軽量化、低コスト化を図ることができる。
【0013】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記放熱ブロックは、前記仕切壁と別体とされ、該仕切壁上における任意の位置に固定設置可能とされていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、放熱ブロックが、仕切壁と別体とされ、該仕切壁上における任意の位置に固定設置可能とされているため、インバータ収容ケースに設置するインバータ装置の構成部品のレイアウトに対応させて、放熱ブロックを任意の位置に設置することができるとともに、半導体スイッチング素子を外部で放熱ブロックにネジ等で固定設置した後、放熱ブロックを仕切壁にネジ等で固定設置することができる。従って、インバータ装置を構成する部品のレイアウト上の自由度を高めることができるとともに、放熱ブロックに対する半導体スイッチング素子の組み付けを容易化することができる。
【0015】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記放熱ブロックは、前記仕切壁の壁面から一体に立ち上げ成形されていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、放熱ブロックが、仕切壁の壁面から一体に立ち上げ成形されているため、放熱ブロックを別体にしたものに比べ、接合による接触熱伝達部がない分だけ、放熱ブロックから仕切壁への伝熱効率を高めることができる。従って、放熱ブロックに固定設置されている半導体スイッチング素子の放熱効果、冷却効果を高め、その過熱を防止してインバータ装置の耐熱性を向上することができる。
【0017】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述のいずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記放熱ブロックは、前記仕切壁との結合部が末広がり状に傾斜された構成とされていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、放熱ブロックが、仕切壁との結合部が末広がり状に傾斜された構成とされているため、放熱ブロックから仕切壁への伝熱面積を十分に確保し、放熱効果を高めることができる。従って、放熱ブロックに固定設置されている半導体スイッチング素子の放熱効果、冷却効果を高め、その過熱を防止してインバータ装置の耐熱性を向上することができる。
【0019】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述のいずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記放熱ブロックの前記半導体スイッチング素子が固定設置される側面は、前記仕切壁と直交または交差する鉛直面または傾斜面とされていることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、放熱ブロックの半導体スイッチング素子が固定設置される側面が、仕切壁と直交または交差する鉛直面または傾斜面とされているため、複数個の半導体スイッチング素子をインバータ収容ケース内において立体的に設置し、半導体スイッチング素子の設置に必要な設置部の平面面積を最小化することができる。従って、インバータ装置およびインバータ収容ケースを小型コンパクト化し、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機を小型軽量化、低コスト化することができる。また、放熱ブロックの側面を傾斜面とすることにより、半導体スイッチング素子を放熱ブロックに固定設置する際のネジ等の締め付け作業をし易くすることができる。
【0021】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述のいずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記高電圧系電気部品および前記放熱ブロックは、前記仕切壁の壁面上に設けられ、その高電圧系電気部品および放熱ブロックを挟んで反対側に、該高電圧系電気部品および前記半導体スイッチング素子が実装された1枚の前記制御基板が配設されていることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、複数の高電圧系電気部品および放熱ブロックが、仕切壁の壁面上に設けられ、その高電圧系電気部品および放熱ブロックを挟んで反対側に、該高電圧系電気部品および半導体スイッチング素子が実装された1枚の制御基板が配設されているため、仕切壁の壁面上に設置された複数の高電圧系電気部品および放熱ブロックを介して設置された半導体スイッチング素子を、低圧冷媒流路を流通する低圧冷媒により冷却される仕切壁をヒートシンクとして効率よく冷却することができるとともに、その反対側にインバータ回路および制御回路を実装した1枚の制御基板を配設し、その基板に高電圧系電気部品および半導体スイッチング素子をパターン接続して実装することにより、所要のフィルタ回路およびインバータ回路を構成することができる。従って、インバータ装置の構成部品間をバスバーやコネクタを不要とし、構成部品の削減、構成のシンプル化、組み立ての容易化等を図り、インバータ装置およびインバータ収容ケースを小型化し、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機を小型軽量化、低コスト化することができる。
【0023】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述のいずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記インバータ収容ケース内には、前記仕切壁を貫通し、前記インバータ装置で直流電力から所要周波数の三相交流電力に変換された電力を前記電動モータに印加するための密封端子が設置され、該密封端子と前記制御基板とが直接接続されていることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、インバータ収容ケース内に、仕切壁を貫通し、インバータ装置で直流電力から所要周波数の三相交流電力に変換された電力を電動モータに印加するための密封端子が設置され、この密封端子と制御基板とが直接接続されているため、インバータ装置で変換された三相交流電力を密封端子(ガラス密封端子)に出力する三相のUVWバスバー等をも不要とすることができる。従って、インバータ一体型電動圧縮機にあって、当該構成部品の削減、構成のシンプル化、組み立ての容易化等を図ることができる。
【0025】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記密封端子は、前記高電圧系電気部品および前記放熱ブロックが設置された前記仕切壁の壁面に対して一段嵩上げされた端子設置部に設けられ、その端子の内端側においてモータ巻線との間に所要の絶縁距離が確保可能とされていることを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、密封端子が、高電圧系電気部品および放熱ブロックが設置された仕切壁の壁面に対して一段嵩上げされた端子設置部に設けられ、その端子の内端側においてモータ巻線との間に所要の絶縁距離が確保可能とされているため、電動モータが内蔵されたハウジング内側において、密封端子の内端側とモータ巻線との間を十分に絶縁し、その間の絶縁性能を確保することができる。従って、絶縁性能が低いとされているポリアルキルグリコール(PAG)系の冷凍機油を使用したとしても、所要の絶縁性能を確保することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、複数個の半導体スイッチング素子を仕切壁に対して鉛直方向に設けた放熱ブロックの側面に固定設置することにより、仕切壁の壁面上に複数個の半導体スイッチング素子を設置する平らな面積の大きい設置面を確保する必要がなく、しかも半導体スイッチング素子を他の高電圧系電気部品や電動モータに電力を印加するために設置される密封端子等と略同一高さ位置に設置することができ、これによって、制御基板をインバータ回路および制御回路が実装されたインバータ収容ケース内と略同じ面積を持つ1枚の基板で構成し、それに半導体スイッチング素子や高電圧系電気部品を実装するとともに、該制御基板と密封端子とを直接接続した構成とすることができるため、インバータ装置およびインバータ収容ケースを小型化し、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機を小型軽量化および低コスト化することができる。また、インバータ装置の構成部品間をバスバーやコネクタを介して接続する必要がなく、構成の簡素化、低コスト化を図ることができるとともに、仕切壁に半導体スイッチング素子を設置する嵩上げ部を設ける必要がなく、ハウジングまたはインバータ収容ケースの駄肉部を減少し、その軽量化、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機のインバータ収容ケースの蓋部材および制御基板を取り外して状態の平面図である。
【
図2】
図1中の制御基板を含むA−A断面相当図である。
【
図3】
図1中の制御基板を含むB−B断面相当図である。
【
図4】
図3を模式化して表し、その一部を分解して示した構成図である。
【
図5】半導体スイッチング素子からの熱の放熱状態を表した模式図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る
図4相当の構成図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る
図4相当の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、
図1ないし
図5を用いて説明する。
インバータ一体型電動圧縮機は、圧縮機とそれを駆動する電動モータとを内蔵した電動圧縮機のハウジングに、インバータ装置1を一体に組み込み、そのインバータ装置1により電動モータを駆動する構成とされている。インバータ装置1は、電動圧縮機のアルミダイカスト製のハウジングに一体に組み付けられ、あるいは一体に成形されたアルミダイカスト製のインバータ収容ケース2内に収容設置され、電動圧縮機と一体化されている。
【0030】
インバータ収容ケース2は、円筒状の一部が角形に半径方法に突出された形状とされており、その円筒形状部分が電動圧縮機の円筒状ハウジングに結合されることにより、一体化される構成とされている。インバータ収容ケース2は、底面が略フラットな面とされた仕切壁3とされ、この仕切壁3によって電動圧縮機のハウジングの一端を密閉し、ハウジング内とインバータ収容ケース2内とを仕切っている。
【0031】
仕切壁3のハウジング側は、電動モータの収容設置部とされており、そのハウジング側に設けられている冷媒吸入ポートから吸入された低圧の冷媒ガスが流通する冷媒流通路とされている。また、この仕切壁3のハウジング側の端面には、電動モータの回転軸を支持する軸受の設置部4が設けられている。
【0032】
インバータ装置1は、車両に搭載されている電源ユニットから給電される高電圧の直流電力を、所要周波数の三相交流電力に変換して電動モータに印加し、該モータを駆動するものであり、
図1ないし
図3に示されるように、インバータ収容ケース2内に一体に組み込まれている。インバータ収容ケース2は、インバータ装置1が収容設置された後、蓋体により密閉される構成とされている。
【0033】
このインバータ装置1は、直流の高電圧ラインに接続されてノイズ除去用のフィルタ回路を構成するケース付きのインダクタコイル5および平滑コンデンサ6等の複数の高電圧系部品と、直流電力を所要周波数の三相交流電力に変換して電動モータに印加するインバータ回路を構成する、IGBT等の複数個(6個)の半導体スイッチング素子(パワー素子)7と、これらフィルタ回路およびインバータ回路が実装されるとともに、インバータ回路を制御するCPU等の低電圧で動作する制御回路が実装されている制御基板8等から構成されている。
【0034】
インバータ装置1自体は、公知のものでよいが、ここでは、制御基板8として、上位制御装置からの指令によりインバータ回路を制御する制御回路の他、インダクタコイル5および平滑コンデンサ6を実装し、制御基板8上にパターン接続によりフィルタ回路を構成するとともに、複数の半導体スイッチング素子7を実装し、制御基板8上にインバータ回路を構成した1枚の制御基板8を用いたインバータ装置1とされている。
【0035】
制御基板8は、仕切壁3のインバータ収容ケース2側に後述の如く設置されるインダクタコイル5、平滑コンデンサ6、複数の半導体スイッチング素子7、および後述の密封端子(ガラス密封端子)13等の上部、すなわち反仕切壁3側において、インバータ収容ケース2内の略全面に亘る大きさS(
図4参照)の基板として構成され、その内部に収容設置されるようになっている。
【0036】
電源ユニットからの高電圧の直流電力は、ケーブルおよびコネクタ9を介してPN端子10より制御基板8上の高電圧ラインに入力されるようになっており、また、上位制御装置からの指令は、信号線およびコネクタ11を介して端子12から制御基板8上の制御回路に入力されるようになっている。更に、インバータ装置1で変換された所要周波数の三相交流電力は、制御基板8から直接インバータ収容ケース2内に仕切壁3を貫通するように設置されている密封端子(ガラス密封端子)13に出力され、該密封端子13を介してハウジング側の電動モータに給電されるようになっている。
【0037】
密封端子(ガラス密封端子)13は、ハウジング側において、電動モータのモータ巻線と十分な絶縁距離を確保するとともに、必要な絶縁部材等を設置可能とするため、仕切壁3の一部をインバータ収容ケース2側に嵩上げすることにより形成した端子設置部14に設置されており、これによって、ハウジング側に所要の大きさの空間部15を形成した構成とされている。
【0038】
また、インバータ装置1を構成する高電圧系のインダクタコイル5および平滑コンデンサ6や半導体スイッチング素子(パワー素子)7等は、発熱部品であり、冷却する必要がある。このため、
図2に示されるように、これらの部品を仕切壁3に接触させて設置している。仕切壁3は、上記のように、アルミダイカスト製であり、ハウジング側の面が低圧冷媒ガスの流通路に接し、低圧冷媒ガスにより冷却されることから、これをヒートシンクとして上記各発熱部品が冷却可能な構成とされている。
【0039】
特に、複数の半導体スイッチング素子(パワー素子)7は、仕切壁3の表面上に直接設置すると、大きな面積を専有することになるとともに、制御基板8から離れて設置されることになるため、仕切壁3の表面上に、仕切壁3に対して鉛直方向に立ち上げられたアルミ合金製の放熱ブロック16を設け、この放熱ブロック16の鉛直面とされた両側面17に半導体スイッチング素子(パワー素子)7を複数個(3個)ずつ固定設置するようにした構成としている。
【0040】
放熱ブロック16は、本実施形態においては、仕切壁3と別体で構成され、ネジ18を介して仕切壁3に密着されるように締め付け固定されている。そして、この放熱ブロック16の両側面に、
図4に示されるように、インバータ回路(スイッチング回路)の上側アーム、下側アームを構成する各3個の半導体スイッチング素子(パワー素子)7が、絶縁シート19を介してネジ20によりネジ止め固定されるようになっている。半導体スイッチング素子(パワー素子)7の端子21は、真っ直ぐ制御基板8側に延長され、制御基板8に半田付けされるようになっている。
【0041】
なお、アルミ合金製の放熱ブロック16は、仕切壁3との接触面接を大きくして放熱ブロック16側から仕切壁3への伝熱面積を十分に確保し、半導体スイッチング素子7の放熱効果を高めるべく、鉛直面とされている両側面17の仕切壁3への結合部のみを末広がり状に傾斜させた面としてもよい。
【0042】
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
空調装置の運転時、車両に搭載の電源ユニットから高電圧の直流電力が電源ケーブルを介してインバータ一体型電動圧縮機のインバータ装置1に入力される。コネクタ9およびPN端子10を介して制御基板8上のフィルタ回路に入力された直流電力は、インダクタコイル5や平滑コンデンサ6を経て高周波ノイズや電流リップルが低減され、複数の半導体スイッチング素子7によって構成されているインバータ回路に入力される。
【0043】
インバータ回路では、直流電力を制御回路からの指令で動作される半導体スイッチング素子7のスイッチング動作により所要周波数の三相交流電力に変換し、それを制御基板8側のUVW出力部から、制御基板8に直接接続されている密封端子13に出力する。この密封端子13は、ハウジングを貫通しており、その内部に設置されている電動モータに所要周波数の三相交流電力を印加し、電動モータを回転駆動して圧縮機を駆動する。
【0044】
圧縮機の駆動により吸入ポートからハウジング内に吸入された低圧の冷媒ガスは、インバータ収容ケース2の仕切壁3に沿って流通後、電動モータの固定子とハウジング間の流路等を経て圧縮機に吸入され、高圧に圧縮された後、冷媒回路側へと吐出される。この低圧冷媒ガスの流れにより仕切壁3が冷却され、該仕切壁3をヒートシンクとして仕切壁3に接して設置されているインダクタコイル5や平滑コンデンサ6および放熱ブロック16を介して設置されている半導体スイッチング素子(パワー素子)7等が冷却され、インバータ装置1の耐熱性が確保されることになる。
【0045】
図5には、半導体スイッチング素子(パワー素子)7の放熱経路が図示されている。スイッチング動作によって発生した半導体スイッチング素子7の熱は、高熱伝導材であるアルミ合金製の放熱ブロック16に伝熱され、実線矢印の如く、低圧冷媒によって冷却されている低温の仕切壁3に放熱され、更に仕切壁3から冷媒に放熱されることにより、強制的に冷却されることになる。これによって、冷却が必要なインバータ装置1の発熱部品は全て冷却され、その耐熱性が確保される。
【0046】
一方、密封端子13は、仕切壁3の一部を嵩上げした端子設置部14に設置されているため、ハウジング側に所要の大きさの空間部15を形成して密封端子13を設置することができる。これにより、ハウジング内側において、電動モータのモータ巻線との間に十分な絶縁距離を確保することができるとともに、この空間部15を利用して必要な絶縁部材を設置することができ、このため、絶縁性能の低い安価なポリアルキルグリコール(PAG)系の冷凍機油を使用することが可能となり、ユーザーによる冷凍機油の選択肢を広げることができる。
【0047】
また、インバータ装置1を構成する複数個の半導体スイッチング素子7を、ハウジング内とインバータ収容ケース2とを仕切る仕切壁3に対して鉛直方向に設けられた放熱ブロック16の側面17に固定設置する構成としているため、上記の如く、半導体スイッチング素子7の冷却性能を確保できるだけでなく、仕切壁3の壁面上に複数個の半導体スイッチング素子7を設置する平らな面積の大きい設置面を確保する必要がなく、しかも半導体スイッチング素子7を他のコインダクタイル5や平滑コンデンサ6等の高電圧系電気部品や電動モータに電力を印加するために設置される密封端子13等と略同一高さ位置に設置することができる。
【0048】
これにより、制御基板8をインバータ回路および制御回路が実装されたインバータ収容ケース2内と略同じ面積を持つ1枚の基板で構成し、それに半導体スイッチング素子7やインダクタコイル5や平滑コンデンサ6等の高電圧系電気部品を実装するとともに、該基板8と密封端子13とを直接接続した構成とすることができる。
【0049】
このため、インバータ装置1およびインバータ収容ケース2を小型化し、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機を小型軽量化および低コスト化することができる。また、インバータ装置1の構成部品間をバスバーやコネクタ等を介して接続する必要がなく、構成の簡素化、低コスト化を図ることができるとともに、仕切壁3に半導体スイッチング素子7を設置する嵩上げ部を設ける必要がなく、ハウジングまたはインバータ収容ケース2の駄肉部を減少し、その軽量化、低コスト化を図ることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、放熱ブロック16を仕切壁3と別体とし、該仕切壁3上における任意の位置に固定設置可能な構成としているため、インバータ収容ケース2に設置するインバータ装置1の構成部品のレイアウトに対応させて、放熱ブロック16を任意の位置に設置することができるとともに、半導体スイッチング素子7を外部で放熱ブロック16にネジ20等で固定設置した後、放熱ブロック16を仕切壁3にネジ18等で固定設置することができ、これにより、インバータ装置1を構成する部品のレイアウト上の自由度を高めることができるとともに、放熱ブロック16に対する半導体スイッチング素子7の組み付けを容易化することができる。
【0051】
さらに、上記放熱ブロック16の仕切壁3に対する結合部を、末広がり状の傾斜面とすることにより、放熱ブロック16側から仕切壁3への伝熱面積を十分に確保し、放熱効果を高めることができる。このため、放熱ブロック16に固定設置されている半導体スイッチング素子7の放熱効果、冷却効果を高め、その過熱を防止してインバータ装置の耐熱性を向上することができる。
【0052】
また、本実施形態では、放熱ブロック16の半導体スイッチング素子7が固定設置される両側面17が、仕切壁3と直交する鉛直面とされている。このため、複数個の半導体スイッチング素子7をインバータ収容ケース2内において立体的に設置し、半導体スイッチング素子7の設置に必要な設置部の平面面積を最小化することができる。これにより、インバータ装置1およびインバータ収容ケース2を小型コンパクト化し、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機を小型軽量化、低コスト化することができる。
【0053】
また、複数の高電圧系電気部品(インダクタコイル5、平滑コンデンサ6等)および放熱ブロック16が、仕切壁3の壁面上に設けられ、その高電圧系電気部品5,6および放熱ブロック16を挟んで反対側に、該高電圧系電気部品5,6および半導体スイッチング素子7が実装された1枚の制御基板8が配設された構成とされている。このため、仕切壁3の壁面上に設置された複数の高電圧系電気部品5,6および放熱ブロック16を介して設置された半導体スイッチング素子7を、低圧冷媒流路を流通する低圧冷媒により冷却される仕切壁3をヒートシンクとして効率よく冷却することができるとともに、その反対側にインバータ回路および制御回路を実装した1枚の制御基板8を配設し、その基板8に高電圧系電気部品5,6および半導体スイッチング素子7をパターン接続して実装することにより、所要のフィルタ回路およびインバータ回路を構成することができる。
【0054】
これによって、インバータ装置1の構成部品間をバスバーやコネクタを不要とし、構成部品の削減、構成のシンプル化、組み立ての容易化等を図り、インバータ装置1およびインバータ収容ケース2を小型化し、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機を小型軽量化および低コスト化することができる。
【0055】
さらに、インバータ収容ケース2内に、仕切壁3を貫通し、インバータ装置1で直流電力から所要周波数の三相交流電力に変換された電力を電動モータに印加するための密封端子(ガラス密封端子)13が設置され、この密封端子13と制御基板8とが直接接続される構成とされているため、インバータ装置1で変換された三相交流電力を密封端子13に出力するUVWバスバー等をも不要とすることができる。これによって、インバータ一体型電動圧縮機にあって、当該構成部品の削減、構成のシンプル化、組み立ての容易化等を図ることができる。
【0056】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、
図6を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、放熱ブロック16Aを仕切壁3と一体に成形している点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態においては、
図6に示されるように、インバータ収容ケース2の仕切壁3から鉛直方向に立ち上げられる放熱ブロック16Aが、仕切壁3と一体に成形された構成とされている。
【0057】
このように、放熱ブロック16Aが仕切壁3から一体に立ち上げ成形された構成とすることにより、放熱ブロック16を別体とした第1実施形態のものに比べ、接合による接触熱伝達部がない分だけ、放熱ブロック16Aから仕切壁3への伝熱効率を高めることができる。このため、放熱ブロック16Aに固定設置されている半導体スイッチング素子7の放熱効果、冷却効果を高め、その過熱を防止してインバータ装置1の耐熱性を向上することができる。
【0058】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、
図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1および第2実施形態に対して、放熱ブロック16Bの半導体スイッチング素子7を固定設置する両側面が傾斜面17Aとされている点が異なる。その他の点については、第1および第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態においては、
図7に示されるように、インバータ収容ケース2の仕切壁3から鉛直方向に立ち上げられる放熱ブロック16Bの半導体スイッチング素子7を固定設置する両側面17が、末広がり状に傾斜された傾斜面17Aしている。
【0059】
このように、放熱ブロック16Bの半導体スイッチング素子7が固定設置する両側面17を傾斜面17Aとすることにより、両側面17を鉛直面としたものに比べ、半導体スイッチング素子7の設置に必要な設置部の平面面積が増えるものの、放熱ブロック16Bから仕切壁3への伝熱面積を十分に確保し、放熱効果を高めることができるとともに、半導体スイッチング素子7を放熱ブロック16Bに固定設置する際のネジ20等の締め付け作業をし易くすることができる。なお、本実施形態の場合、放熱ブロック16Bは、仕切壁3に対して一体または別体のいずれで構成してもよい。
【0060】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、インバータ装置1として、ノイズ除去用のフィルタ回路にインダクタコイルを設けたものを例に説明したが、他にコモンモードのノイズを低減するために、コモンモードコイルを設けたものとしてもよく、この場合も、コモンモードコイルをコインダクタイル5と同じ様に設置すればよい。
【0061】
さらに、上記実施形態では、仕切壁3をインバータ収容ケース2側に一体に設けた例について説明したが、仕切壁3は、電動モータを収容設置しているハウジング側に一体に設けた構成としてもよい。また、上記実施形態では、インバータ収容ケース2を円筒状のハウジングの一端に設けたものとしたが、本発明は、必ずしもこのような形態に限定されるものではなく、インバータ収容ケース2をハウジングの外周に設け、仕切壁をハウジングの外周壁により構成したものとしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 インバータ装置
2 インバータ収容ケース
3 仕切壁
5 インダクタコイル(高電圧系電気部品)
6 平滑コンデンサ(高電圧系電気部品)
7 半導体スイッチング素子(パワー素子)
8 制御基板
13 密封端子
14 端子設置部
16,16A,16B 放熱ブロック
17 放熱ブロックの側面(鉛直面)
17A 傾斜面