特許第6203509号(P6203509)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203509
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20170914BHJP
   B41J 2/21 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B41J2/01 107
   B41J2/01 203
   B41J2/01 451
   B41J2/21
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-53832(P2013-53832)
(22)【出願日】2013年3月15日
(65)【公開番号】特開2014-177078(P2014-177078A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2016年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】395003187
【氏名又は名称】株式会社OKIデータ・インフォテック
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】青井 善久
【審査官】 島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−286142(JP,A)
【文献】 特開2010−052438(JP,A)
【文献】 特開2012−011664(JP,A)
【文献】 特開2007−030254(JP,A)
【文献】 特開2005−104147(JP,A)
【文献】 特開2000−241242(JP,A)
【文献】 特開2010−017872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 − 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを記録媒体に吐出する記録ヘッドと、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録ヘッドを搭載し、前記記録媒体の搬送方向に交差する方向に前記記録ヘッドを往復走査するキャリッジと、前記記録ヘッドの走査方向に沿い、前記往復走査される前記記録ヘッドに対向する位置に配置され、前記記録媒体を支持するプラテンと、前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体に記録される画像の濃度を検出するセンサーと、を具備し、前記記録ヘッドの前記往復走査の往路と復路とで、前記記録媒体に形成するドットの位置を前記走査方向の解像度単位で相対的に変えるテストパターンを前記記録媒体に記録し、前記センサーによって前記テストパターンの濃度を読取り、前記往路と前記復路とで前記記録媒体上の同じ位置に前記ドットを形成する吐出タイミングを演算し、該演算された前記吐出タイミングに基づいて画像を記録する記録装置において、
前記テストパターンは前記ドットを記録する記録部分と記録しない非記録部分が前記走査方向に交互に複数回繰り返されて記録されたものであり、
前記記録部分と前記非記録部分とで構成される1周期が長い第1テストパターンと、短い第2テストパターンを含む前記テストパターンを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記テストパターンから前記第1テストパターンを取得して前記記録媒体に記録し、前記センサーによって前記記録された前記第1のテストパターンの濃度を検出し、前記濃度が最低となる前記記録媒体に形成する前記ドットの位置を演算し、
前記記憶手段に記憶された前記テストパターンから前記第2テストパターンを取得して、前記演算によって求めた前記濃度が最低となる前記記録媒体に形成する前記ドットの位置を中心として、前記ドットを形成する位置を前記解像度単位で相対的に変えた前記第2テストパターンを前記記録媒体に記録し、前記センサーによって前記記録された前記第2のテストパターンの濃度を検出し、前記濃度が最低となる前記記録媒体に形成する前記ドットの位置を演算し、該第2テストパターンに基づいて取得した前記濃度が最低となる前記記録媒体に形成する前記ドットの位置に基づいて前記吐出タイミングを演算する制御手段を備え
少なくとも3つの前記センサーが、前記搬送方向に沿って配置され、前記第1のテストパターンを記録する場合に、前記走査方向に沿って、同一の光源に対応する色材を使用するインクによる前記第1のテストパターンを同一の列に記録し、前記第2のテストパターンを記録する場合に、前記走査方向に沿って、同一の前記光源に対応する前記色材を使用するインクによる前記第2のテストパターンを同一の列に記録することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記センサーは前記テストパターンの前記相対的に位置を変えた夫々のパターンに対して複数回検出し、該検出によって取得した検出値の平均値を前記濃度の値とすることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記テストパターンは前記インクの色毎に記録され、前記センサーは少なくとも前記インクの色に対応する光源毎に設けられ、前記光源は、黒色の前記インクの色材に対して青色のLED、シアン色の前記インクの色材に対して赤色のLED、マゼンタ色の前記インクの色材に対して緑色のLED、黄色の前記インクの色材に対して青色のLEDであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを記録媒体に吐出するインクジェットヘッドを搭載する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクカートリッジからインクジェット式の記録ヘッドにインクを供給し、記録ヘッドからインク滴を記録媒体に吐出して画像や文字等の記録を行うインクジェット方式の記録装置が普及している。
このようなインクジェット方式の記録ヘッドは、家庭用や小規模なオフィスなどで利用される小型のものだけでなく、1メートル幅を超えるような大判の記録媒体への印刷が可能な大型のものまで幅広く採用されている。
【0003】
このようなインクジェット式の記録装置では、記録媒体の幅方向に往復移動するキャリッジにインクジェット式の記録ヘッドを搭載し、往路と復路とで記録媒体にインクを吐出する。キャリッジの位置はキャリッジの移動方向に沿って設けられたリニアスケールをキャリッジに搭載したセンサーによって読取り、キャリッジの位置を取得する。一般にリニアエンコーダーと呼ばれる装置を用いている。
【0004】
キャリッジの位置に基づいて往路と復路でインクを吐出するが、キャリッジやキャリッジに搭載する記録ヘッドの位置は設置時の誤差や使用する記録媒体の厚み違い等で微妙に目標の位置に対してズレが生じる。そのため、そのズレを補正する必要がある。記録媒体にテストパターンを印刷し、そのテストパターンからズレ量を求め、ズレ量に応じた補正値を記録装置に入力する。入力された補正に基づいて、吐出する位置を変更してズレを無くしている。
【0005】
また、このテストパターンを記録して、そのテストパターン読取、最適な補正量を取得することを自動的に行う技術が、例えば特開2012−153021号公報に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−153021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、周期性の異なるパターンを一度に記録するため、インクを吐出するノズルが全て同じ特性を持つことを条件としている。すなわち、周期性異なるパターンを記録するノズルの吐出性能が異なる場合、例えば、あるノズルは少し曲がって吐出するので、記録媒体上に形成されたドットの位置が他のノズルと異なるような場合、は、正確なパターンが記録できないので、それを読取った値にも誤差が生じる。
【0008】
また、光学的に読取る場合に、キャリッジを移動させながら読取り、また、記録媒体の表面も多少の凹凸があるので、読取り誤差が含まれる。このような誤差の蓄積により、最終的に演算で求めた値が不正確な値となってしまうことがある。そのため、往路と復路とで吐出のタイミングの違いが顕著になると、ドットの着弾ズレによる画像の不明瞭化が生じ、形成される画像の品質が悪いものとなってしまい、問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明は、往路と復路の吐出タイミングを補正する補正工程において、検出誤差を抑制し、より正確な値での補正を行う記録装置の提供を目的とする。
【0010】
本発明の記録装置は、インクを記録媒体に吐出する記録ヘッドと、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録ヘッドを搭載し、前記記録媒体の搬送方向に交差する方向に前記記録ヘッドを往復走査するキャリッジと、前記記録ヘッドの走査方向に沿い、前記往復走査される前記記録ヘッドに対向する位置に配置され、前記記録媒体を支持するプラテンと、前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体に記録される画像の濃度を検出するセンサーと、を具備し、前記記録ヘッドの前記往復走査の往路と復路とで、前記記録媒体に形成するドットの位置を前記走査方向の解像度単位で相対的に変えるテストパターンを前記記録媒体に記録し、前記センサーによって前記テストパターンの濃度を読取り、前記往路と前記復路とで前記記録媒体上の同じ位置に前記ドットを形成する吐出タイミングを演算し、該演算された前記吐出タイミングに基づいて画像を記録する記録装置において、前記テストパターンは前記ドットを記録する記録部分と記録しない非記録部分が前記走査方向に交互に複数回繰り返されて記録されたものであり、前記記録部分と前記非記録部分とで構成される1周期が長い第1テストパターンと、短い第2テストパターンを含む前記テストパターンを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記テストパターンから前記第1テストパターンを取得して前記記録媒体に記録し、前記センサーによって前記記録された前記第1のテストパターンの濃度を検出し、前記濃度が最低となる前記記録媒体に形成する前記ドットの位置を演算し、前記記憶手段に記憶された前記テストパターンから前記第2テストパターンを取得して、前記演算によって求めた前記濃度が最低となる前記記録媒体に形成する前記ドットの位置を中心として、前記ドットを形成する位置を前記解像度単位で相対的に変えた前記第2テストパターンを前記記録媒体に記録し、前記センサーによって前記記録された前記第2のテストパターンの濃度を検出し、前記濃度が最低となる前記記録媒体に形成する前記ドットの位置を演算し、該第2テストパターンに基づいて取得した前記濃度が最低となる前記記録媒体に形成する前記ドットの位置に基づいて前記吐出タイミングを演算する制御手段を備え、少なくとも3つの前記センサーが、前記搬送方向に沿って配置され、前記第1のテストパターンを記録する場合に、前記走査方向に沿って、同一の光源に対応する色材を使用するインクによる前記第1のテストパターンを同一の列に記録し、前記第2のテストパターンを記録する場合に、前記走査方向に沿って、同一の前記光源に対応する前記色材を使用するインクによる前記第2のテストパターンを同一の列に記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
キャリッジの往路と復路とで、記録媒体上に異なるテストパターンを2回記録し、それを正確に読み取ることで、キャリッジの往路と復路とで同じ位置に吐出できるように、記録ヘッドからの吐出タイミングを補正することができる。往路と復路とで吐出のタイミングの違いによる画質の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、記録装置のブロック図である。
図2図2は、キャリッジに搭載された記録ヘッドと検出センサーの配置の概略図である。
図3図3は、記録ヘッドから吐出されるインクの記録位置とセンサーの第1の配置例を説明する図である。
図4図4は、記録ヘッドから吐出されるインクの記録位置とセンサーの第2の配置例を説明する図である。
図5図5は、テストパターンと検出手段による検出範囲を説明する図である。
図6図6(a)は第1のテストパターンを説明する図であり、図6(b)は第2のテストパターンを説明する図である。
図7図7は、テストパターンの記録とその検出の動作を説明するフローチャートである。
図8図8は、記録装置の全体を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、図を参照して説明する。
まず、図8を用いて、本実施形態の記録装置であるインクジェットプリンター1の全体について説明する。インクジェットプリンター1は、直線状に幅方向に延びるレール2が備わっている。このレール2に沿ってキャリッジ3が往復移動する。キャリッジ3には、インクジェット式の記録ヘッドが搭載されている。記録ヘッドはカラー印刷するため、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のインクに、さらにシアン、マゼンタ、ブラックの各インクの顔料濃度を少なくして薄い色にしたライトシアン、ライトマゼンタ、グレーの3色のインクに対応してキャリッジ3に搭載されている。ライト系のインクを用いることで、色の再現性が良くなり記録する画質の向上ができる。キャップ4は記録ヘッドが乾燥しないように密封したり、メンテナンスのために定期的にインクジェットヘッドからインクを吸引したりする。紙、プラスチックフィルムなどの記録媒体を搬送する搬送手段は、レール2に沿って多数配置された搬送ローラー9を含み、この搬送ローラー9を回転させることで、記録媒体を搬送する。
【0014】
キャリッジ3は無端ベルト5に接続され、無端ベルト5はモーター6に接続されている。無端ベルト5はインクジェットプリンター1の端に設置されたプーリーに掛け回されている。モーター6を駆動することで無端ベルト5は移動し、同時にキャリッジ3も移動する。
【0015】
プラテン7はレール2に沿って配置される平板である。このプラテン7は、表面に吸引孔が複数備わり、搬送される記録媒体を吸引孔で吸引することで固定することができる。プラテン7の記録媒体の搬送方向下流側にはアフターガイド8が備わる。アフターガイド8は搬送される記録媒体を案内する。また、プラテン7の記録媒体の搬送方向上流側にはプリガイドが備わる。プラテン7、アフターガイド8、プリガイドはヒーターが備わり、加熱することができる。この加熱により搬送される記録媒体を適度な温度に加熱する。加熱することで、インクの定着を促進する。
【0016】
プラテン7はアルミニウム製の平板である。このアルミニウム製の平板の表面は平らで、また吸引孔が設けられている。裏側には、溝が設けられ、この溝にヒーター線が埋め込まれ、プラテン7を加熱する。また、アフターガイド8およびプリガイドは鉄製の板を湾曲させたもので、その裏側にヒーター線を配置し、さらにアルミシートを覆い被せて固定している。
【0017】
図1は、記録装置のブロック図である。制御手段11は、予め記憶されているプログラムに従って動作し、記録装置の全体の各種制御を行う制御手段である。ROM12は不揮発性メモリーであり、制御手段11のプログラム、初期設定値等の情報を記憶するメモリーである。RAM13は制御手段11の演算等に用いるワークメモリーや一時的な情報の記憶を行うメモリーである。
【0018】
搬送手段14は、搬送ローラー9、搬送ローラー9を駆動するモーター、およびモーターを駆動する駆動回路を含み、記録媒体を搬送する手段である。搬送ローラー9は、駆動ローラーとピンチローラーの対で構成され、駆動ローラーをモーターで回転させる。ピンチローラーは駆動ローラーに押圧され、連れ回る。記録媒体は、この駆動ローラーとピンチローラーに挟まれて搬送される。制御手段11によって搬送手段14の駆動回路が制御され、モーターを駆動し、搬送ローラー9を回転させ、記録媒体を搬送する。
【0019】
キャリッジ移動手段15は、無端ベルト5に固定されたキャリッジ3をレール2に沿って移動させる。無端ベルト5を回転させるモーター6は、キャリッジ移動手段15に含まれる駆動回路で駆動される。この駆動回路は、制御手段11によって制御される。制御手段11のプログラムに従ってキャリッジ3がレール2に沿って移動する。
【0020】
記録手段16はインク色に対応した記録ヘッドを含む。記録ヘッドはヘッド駆動回路の駆動信号に基づいてインクの吐出動作を行う。ヘッド駆動回路は制御手段11からの制御信号に基づいて動作する。
【0021】
リニアエンコーダー17はキャリッジ3の移動方向に沿って直線状に配置されたリニアスケールの目盛を光学的に検出する。リニアエンコーダー17は制御手段11からの制御信号に基づいて動作し、検出結果をAD変換して、その信号を制御手段11に出力する。制御手段11はこの信号をカウントすることで、キャリッジ3の位置が特定でき、位置を取得し、その位置に応じた制御ができる。
【0022】
キャリッジ3に備わる各記録ヘッドの位置は予め特定でき、ROM12に記憶しておく。キャリッジ3、すなわち記録ヘッドの位置に応じて、記録ヘッドを駆動し、インクを吐出することで、所望の画像を記録することができる。
【0023】
ROM12には予めテストパターンが記憶されている。このテストパターンは状況に応じて複数のパターンがあり、状況に応じて制御手段11が複数のテストパターンから必要なテストパターンを読み出して使用する。
【0024】
R検出手段18は、赤色の光を発し、その反射光を検出する光学センサーである。G検出手段19は、緑色の光を発し、その反射光を検出する光学センサーである。B検出手段20は、青色の光を発し、その反射光を検出する光学センサーである。これらの検出手段は、記録媒体に記録された画像の濃度を各検出手段の検出範囲で検出し、その結果を制御手段11に出力する。制御手段11は、この検出結果に基づいて演算し、記録ヘッドの吐出タイミングを可変することで、記録する画像品質を良くする。
【0025】
図2は、キャリッジに搭載された記録ヘッドと検出センサーの配置の概略図である。キャリッジ3のプラテン7に対して対向する位置にキャリッジベース21が備わる。そのキャリッジベース21に記録ヘッドが固定されている。記録ヘッドは、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色、ライトシアン色、ライトマゼンタ色、グレー色の各色に対応して7台の記録ヘッド、すなわちシアン色用記録ヘッド22、マゼンタ色用記録ヘッド23、イエロー色用記録ヘッド24、ブラック色用記録ヘッド25、ライトシアン色用記録ヘッド26、ライトマゼンタ色用記録ヘッド27、グレー色用記録ヘッド28がキャリッジベース21に固定されている。R検出手段18はシアン色とライトシアン色の検出を行う。この2色は同じ顔料を色材として濃度を変えて使用しているので、検出手段が同一のもので検出できる。マゼンタ色とライトマゼンタ色に対するG検出手段19も同様である。B検出手段20はイエロー色の検出を行う。また、ブラック色とグレー色も色の光源中B検出手段20の反応が良いのでこれを検出用に使用する。ブラック色とグレー色も同じ顔料を色材としている。
【0026】
図3は、記録ヘッドから吐出されるインクの記録位置とセンサーの第1の配置例を説明する図である。説明を簡単にするために記録ヘッドの位置30を用いて説明する。各記録ヘッドの走査方向に移動して記録する記録幅および位置が同じになるようにキャリッジベース21に固定されている。記録媒体に記録するテストパターンは、記録ヘッドの位置30の長手方向に垂直に各色のパターンを記録する。検出手段の配置に応じて、イエロー色のパターン37、マゼンタ色のパターン36、シアン色のパターン35、ブラック色のパターン34、ライトマゼンタ色のパターン33、ライトシアン色のパターン32、グレー色のパターン31を平行に印刷する。これらの印刷の幅は検出手段の検出範囲より広い。3つの検出手段を用い、3回の走査で全色のパターンをチェックする。パターンの記録は1往復で完了する。すなわち、5回の走査でチェックが完了する。粗調整と微調整を行う場合はこの2倍の走査が必要である。
【0027】
図4は、記録ヘッドから吐出されるインクの記録位置とセンサーの第2の配置例を説明する図である。説明を簡単にするために記録ヘッドの位置40、41を用いて説明する。各記録ヘッドの走査方向に移動して記録する記録幅および位置が同じになるようにキャリッジベース21に固定されている。記録媒体に記録するテストパターンは、記録ヘッドの位置40の長手方向に垂直に各色のパターンを記録する。検出手段の配置に応じて、イエロー色のパターン及びブラック色のパターン列49、マゼンタ色のパターン及びライトマゼンタ色のパターン列50、シアン色のパターン及びライトシアン色のパターン列51、グレー色のパターン列52を1往復の走査で記録する。検出手段のチェックは2回の走査が必要である。次に記録媒体を搬送して、点線で示すRGBの各検出手段42、43、44の位置及び、イエロー色のパターン及びブラック色のパターン列53、マゼンタ色のパターン及びライトマゼンタ色のパターン列54、シアン色のパターン及びライトシアン色のパターン列55、グレー色のパターン列56を1往復の走査で記録する。すなわち、粗い調整用のテストパターン45、細かい調整用のテストパターン46を8列の印刷で行うことができるので、テストパターンを印刷する記録媒体をより節約できる。
【0028】
ここで、テストパターンを印刷する場合に、ライト系のインク、ここでは、ライトシアン色とライトマゼンタ色、グレー色であるが、これらのインクは、夫々シアン色、マゼンタ色、ブラック色の各インクの顔料濃度が半分程度の低いインクである。記録媒体に形成されるドットは薄くなるので、検出誤差を生じる場合がある。そこで、これらライト系インクは更に往路と復路で同じ位置にドットを形成する。すなわち2往復で一つのパターンを記録しても良い。こうすることで、記録したドットが薄いことによる検出ミスを防止できる。
【0029】
また、イエロー色のパターン及びブラック色のパターン列49の列にさらにグレー色のパターン列を記録することで、1回の走査で7色全ての濃度の検出ができる。
【0030】
図5は、テストパターンと検出手段による検出範囲を説明する図である。テストパターンは、リニアエンコーダー17によって取得したキャリッジ3の位置に基づいてまず記録される。しかし、機械的な誤差などで、必ずしも往路と復路のドットが一致するわけでは無い。そこで、テストパターンを印刷して、そこからドットが一致する位置を求める必要がある。すなわちリニアエンコーダー17によって取得したキャリッジの3の位置に基づいて、往路と復路でドットが一致するとされる位置を中心にして、往路と復路で相対的にズラした第1のテストパターンを印刷する。ここから、ドットの重なる位置を粗く求める。次に、第1のテストパターンから求めたドットの一致する位置を中心にして往路と復路で相対的にズラした第2のテストパターンを印刷する。ここから、ドットの重なる位置を細かく求める。
【0031】
テストパターンは先ず、往路で基本となるパターンを記録する。そして、復路で微妙に吐出タイミングをズラして記録する。ずらし方は、仮に中心としたズレ量0の位置57に対して、記録できる最低解像度単位でプラス側およびマイナス側に大きくしたパターンを印刷する。図では、仮に中心としたズレ量0の位置57に対して、往路に対して復路を+1dotズラしたテストパターンから+5dotズラしたテストパターン60と、往路に対して復路を−1dotズラしたテストパターンから−5dotズラしたテストパターン59を印刷する。検出手段の検出範囲58がテストパターンからはみ出さないように、テストパターンを印刷する。検出手段の検出範囲は、各色同じサイズである。
【0032】
図6(a)は第1のテストパターンを説明する図であり、図6(b)は第2のテストパターンを説明する図である。第1のテストパターンは吐出部61と非吐出部62を交互に設ける。このパターンを、図5で説明したように、仮の中央値に対して、往路と復路とでズラしたパターンを印刷する。第1のテストパターンのようにテストパターンの走査方向の幅を太くすることにより、検出時の検出精度が低くなるが、周期の長い検出結果を得ることができる。検出周期の長い第1のテストパターンをまず、印刷して検出し、粗い調整の仮の設定値を決め、次に印刷する仮の設定値を中心とする第2のテストパターンによって、細かな最終的な設定値を決める。
【0033】
第2のテストパターンは吐出部63と非吐出部64を交互に設ける。このパターンを、図5で説明したように、仮の中央値に対して、往路と復路とでズラしたパターンを印刷する。第2のテストパターンのようにテストパターンの走査さ方向の幅を短くすることにより、検出時の精度が高くなるが、周期の短い検出結果を得ることができる。このパターンを用いて、細かな最終的な設定値を決める。
【0034】
第1のテストパターンは、走査方向に8列のドットを形成し、8列のドットを非形成とし、これを複数回繰り返す。第2のテストパターンは、走査方向に2列のドットを形成し、5列のドットを非形成とし、これを複数回繰り返す。第1のテストパターンは周期が長く、第2のテストパターンは周期が短い。
【0035】
図7は、テストパターンの記録とその検出の動作を説明するフローチャートである。
ステップS1で第1のテストパターンを印刷する。このテストパターンは粗い調整用のパターンである。次にステップS2で第1のテストパターンを検出手段で濃度を検出する。ズレ量を変えた夫々のパターンで複数回検出して、その平均値を演算して、そのテストパターンの濃度とする。この演算結果を、ズレ量を変えた夫々のパターン毎に対応させてRAM13に記憶する。
【0036】
次に、ステップS3で、残りのインク色のテストパターンの位置まで記録媒体をフィードさせる。次に、ステップS4では、ステップS2と同様に夫々のパターンの濃度を検出してRAM13に記憶する。まだ残りが有れば、ステップS3とステップS4によって、粗い調整用のパターンすべてを検出する。
【0037】
次に、ステップS5では、RAM13に記憶された、色毎に、またズレ量毎に記憶されたデータを演算する。この演算は、最小二乗法などによって、曲線を推定する。往路と復路が一致していれば、ドットが重なる。理想的には、ドットが完全に重なる位置であり濃度が一番低くなる。ズレが大きくなるにしたがって濃度が高くなる。この濃度の変化は、ズレ量に応じて変化する。パターンによって、さらに1周期ずれた場合はまた、重なることになるが、周期の長いパターンを使うことで、これを防止する。この推定した曲線の最少濃度のピークを求め、そのピークに一番近い搬送方向の記録を制御できる最低解像度単位のズレ量を、粗い調整の仮の設定値とする。
【0038】
次に、ステップS6では、まだ記録されていない位置に記録媒体をフィードする。
次に、ステップS7では、第2のテストパターンを印刷する。このテストパターンは細かい調整用のパターンである。次にステップS8で第2のテストパターンを検出手段で濃度を検出する。ズレ量を変えた夫々のパターンで複数回検出して、その平均値を演算して、そのテストパターンの濃度とする。この演算結果を、ズレ量を変えた夫々のパターン毎に対応させてRAM13に記憶する。
【0039】
次に、ステップS9で、残りのインク色のテストパターンの位置まで記録媒体をフィードさせる。次に、ステップS10では、ステップS8と同様に夫々のパターンの濃度を検出してRAM13に記憶する。まだ残りが有れば、ステップS9とステップS10によって、細かい調整用のパターンすべてを検出する。
【0040】
次に、ステップS11では、RAM13に記憶された、色毎に、またズレ量毎に記憶されたデータを演算する。この演算は、最小二乗法などによって、曲線を推定する。往路と復路が一致していれば、ドットが重なる。理想的なには、ドットが完全に重なる位置であり濃度が一番低くなる。ズレが大きくなるにしたがって濃度が高くなる。この濃度の変化は、ズレ量に応じて変化する。この推定した曲線の最少濃度のピークを求め、そのピークに一番近い搬送方向の記録を制御できる最低解像度単位のズレ量を、細かな最終的な設定値とする。
【0041】
次に、ステップS12では、この最終的な設定値を、往復方向でドット位置を一致させる補正値として印刷に用いることができるようにセットする。
次に、ステップS13では、記録媒体をフィードさせて、未使用の記録媒体をプラテン上にセットする。
次に、ステップS14では、最終的な設定値を用いた各色のテストパターンを印刷する。また合わせて、その値を印刷する。
【0042】
走査方向に記録を制御できる最低解像度単位のズレ量でテストパターンを印刷し、最終的な設定値もこの最低解像度単位で設定値を決め、確認用のテストパターンを印刷する。ユーザーは、このテストパターン見て、仮に、修正したい場合は、操作パネルから再補正値を入力でき、その再補正値を最終的な設定値とすることができるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、インクジェットプリンターに利用できる。
【符号の説明】
【0044】
1 インクジェットプリンター
2 レール
3 キャリッジ
4 キャップ
5 無端ベルト
6 モーター
7 プラテン
8 アフターガイド
9 搬送ローラー
11 制御手段11
12 ROM
13 RAM
16 記録手段
17 リニアエンコーダー
18 R検出手段
19 G検出手段
20 B検出手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8