特許第6203510号(P6203510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203510
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】マイクロミキサ燃焼ヘッド端部組立体
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20170914BHJP
   F23R 3/10 20060101ALI20170914BHJP
   F23R 3/16 20060101ALI20170914BHJP
   F23R 3/26 20060101ALI20170914BHJP
   F23R 3/60 20060101ALI20170914BHJP
   F02C 7/22 20060101ALI20170914BHJP
   F01D 25/04 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F23R3/28 D
   F23R3/10
   F23R3/16
   F23R3/26 Z
   F23R3/28 B
   F23R3/60
   F02C7/22 C
   F01D25/04
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-54736(P2013-54736)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2013-195059(P2013-195059A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2016年3月10日
(31)【優先権主張番号】13/423,894
(32)【優先日】2012年3月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ハロルド・ウエストモアランド
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ベネディクト・メルトン
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0055167(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0058437(US,A1)
【文献】 特開2001−227745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/28
F01D 25/04
F02C 7/22
F23R 3/10
F23R 3/16
F23R 3/26
F23R 3/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室を有する燃焼器用のマイクロミキサであって、
端部プレートと、
前記端部プレートから延在する複数のベースノズル構造体であって、各ベースノズル構造体が、内側管体及び外側管体を有する同軸管体を含む、複数のベースノズル構造体と、
混合管体の複数のバンドルにセグメント化された複数の混合管体であって、各混合管体のバンドルが、前記複数のベースノズル構造体の1つに少なくとも部分的に支持され、前記複数の混合管体が、第1の端と第2の端を備え、前記複数の混合管体の第1の端が、前記端部プレートから離れて位置づけられて、前記複数のベースノズル構造体の周りで空気流路を形成する、複数の混合管体と、
複数の燃料プレナムであって、前記混合管体の各バンドルが、前記空気流路の下流で前記複数の混合管体の第1と第2の端の間で、前記混合管体の周りに配置された、前記複数の燃料プレナムの1つを備え、前記同軸管体の前記外側管体が前記燃料プレナムの各々と流体連通し、前記同軸管体の前記内側管体が前記燃焼室と流体連通している、複数の燃料プレナムと、
前記複数の混合管体の周りに配置された取り外し可能な端部キャップ組立体と、
を備え、
前記端部プレートから延在する前記複数のベースノズル構造体が、前記空気流路、前記複数の燃料プレナム及び、セグメント化された混合管体の複数のバンドルが互いに隣接し、前記燃焼室に空気/燃料混合気を排出する単一で円形のマイクロミキサを形成するように円周状に延びる、マイクロミキサ。
【請求項2】
前記各ベースノズル構造体の同軸管体のうちの外側管体が、複数の前記混合管体に燃料を供給する、請求項1に記載のマイクロミキサ。
【請求項3】
空気入口を更に備える、請求項1または2に記載のマイクロミキサ。
【請求項4】
前記混合管体の1つ又はそれ以上のバンドルの上流側に配置された空気調整プレートを更に備える、請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロミキサ。
【請求項5】
前記混合管体の1つ又はそれ以上のバンドルの上流側の空気入口に隣接して配置された空気バッフルを更に備える、請求項1乃至4のいずれかに記載のマイクロミキサ。
【請求項6】
前記燃料プレナム内に配置された燃料調整プレートを更に備える、請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロミキサ
【請求項7】
前記混合管体の複数のバンドルが、空気/燃料混合気を燃焼室に供給する、請求項1乃至6のいずれかに記載のマイクロミキサ。
【請求項8】
前記マイクロミキサと外側ケーシングとの間に配置された減衰機構を更に備える、請求項1乃至7のいずれかに記載のマイクロミキサ。
【請求項9】
前記減衰機構がフラスプリングである、請求項8に記載のマイクロミキサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、全体的に、ガスタービンエンジンに関し、より詳細には、マイクロミキサに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンの効率は、一般に、燃焼ガスストリームの温度と共に増大する。しかしながら、より高い燃焼ガスストリームの温度は、窒素酸化物(NOx)及び同様のものなどの望ましくない高レベルのエミッションを生成する可能性がある。一般に、NOxエミッションには政府規制が課せられている。従って、ガスタービン効率の改善は、エミッション規制の準拠と均衡をとる必要がある。
【0003】
より低いNOxエミッションレベルは、燃料ストリームと空気ストリームとの良好な混合を行うことによって達成することができる。例えば、燃料ストリームと空気ストリームは、反応又は燃焼ゾーンに流入する前に乾式低NOx(DLN)燃焼器において予混合することができる。このような予混合は、燃焼温度及びNOxエミッション出力を低下させる傾向がある。
【0004】
現行のマイクロミキサ設計では、複数の燃料フィード及び/又は液体カートリッジ又はブランクフィードが存在する場合があり、これは、空気流を妨げ、燃料及び空気の混合を低下させる。また、現行のマイクロミキサは、一般に外部壁によって支持されており、マイクロミキサのヘッド端部への空気流が妨げられる。従って、燃料及び空気混合をより促進させるマイクロミキサに対する要求がある。
【発明の概要】
【0005】
上述の要求及び/又は問題の一部又は全ては、本出願の特定の実施形態によって対処することができる。1つの例示的な実施形態によれば、マイクロミキサが開示される。マイクロミキサは、1つ又はそれ以上のベースノズル構造体を含むことができる。ベースノズル構造体は、同軸管体を含むことができる。同軸管体は、内側管体及び外側管体を有することができる。マイクロミキサはまた、ベースノズル構造体それぞれによって少なくとも部分的に支持される1つ又はそれ以上のセグメント化された混合管体バンドルを含むことができる。更に、マイクロミキサは、1つ又はそれ以上のセグメント化された混合管体バンドルの周りに配置された端部キャップ組立体を含むことができる。
【0006】
別の実施形態によれば、マイクロミキサが開示される。マイクロミキサは、ベースノズル構造体を含むことができる。ベースノズル構造体は、同軸管体を含むことができる。同軸管体は、内側管体及び外側管体を有することができる。マイクロミキサはまた、ベースノズル構造体それぞれによって少なくとも部分的に支持される1つ又はそれ以上のセグメント化された混合管体バンドルを形成した複数の混合管体を含むことができる。更に、マイクロミキサは、セグメント化された混合管体バンドルの周りに配置された取り外し可能な端部キャップ組立体を含むことができる。
【0007】
更に別の実施形態によれば、マイクロミキサが開示される。マイクロミキサは、1つ又はそれ以上のベースノズル構造体を含むことができる。マイクロミキサはまた、ベースノズル構造体それぞれによって少なくとも部分的に支持される1つ又はそれ以上のセグメント化された管体バンドルを含むことができる。更に、マイクロミキサは、1つ又はそれ以上のセグメント化された混合管体バンドルの周りに配置された取り外し可能な端部キャップ組立体を含むことができる。
【0008】
本発明の他の実施形態、態様、及び特徴は、当業者であれば、以下の詳細な説明、添付図面、及び添付の請求項から明らかであろう。
【0009】
ここで必ずしも縮尺通りではない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】1つの実施形態による、圧縮機、燃焼器、及びタービンを備えるガスタービンエンジンの実施例の概略図。
図2】1つの実施形態による、マイクロミキサの斜視図。
図3】1つの実施形態による、マイクロミキサの一部の斜視図。
図4】1つの実施形態による、マイクロミキサの一部の実施例の断面図。
図5】1つの実施形態による、マイクロミキサの一部の斜視図。
図6】1つの実施形態による、マイクロミキサの一部の実施例の断面図。
図7】1つの実施形態による、マイクロミキサの一部の実施例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の全てではなく一部の実施形態を示している添付図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態を以下でより詳細に説明する。本出願は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書で記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。全体を通じて同様の参照符号は同様の要素を示す。
【0012】
例示的な実施形態は、特に、燃焼器用のマイクロミキサに関する。図1は、本明細書で使用できるガスタービンエンジン10の概略図を示す。周知のように、ガスタービンエンジン10は、圧縮機15を含むことができる。圧縮機15は、流入する空気流20を圧縮する。圧縮機15は、圧縮した空気流20を燃焼器25に送給する。燃焼器25は、圧縮した空気流20を加圧燃料流30と混合し、該混合気を点火して、燃焼ガス35の流れを生成する。単一の燃焼器25のみが図示されているが、ガスタービンエンジン10は、あらゆる数の燃焼器25を含むことができる。燃焼ガス25の流れは、タービン40に送給される。燃焼ガス25の流れは、タービン40を駆動して機械的仕事を生成するようにする。タービン40で生成された機械的仕事は、シャフト45を介して圧縮機15を駆動し、また、発電機及び同様のものなどの外部負荷50を駆動する。
【0013】
ガスタービンエンジン10は、天然ガス、種々のタイプのシンガス、及び/又は他のタイプの燃料を使用することができる。ガスタービンエンジン10は、限定ではないが、7又は9シリーズ高出力ガスタービンエンジン及び同様のものを含む、ニューヨーク州スケネクタディ所在のGeneral Electric Companyによって提供される複数の異なるガスタービンエンジンのうちの何れかとすることができる。ガスタービンエンジン10は、異なる構成を有することもでき、他のタイプの構成要素を使用してもよい。
【0014】
他のタイプのガスタービンエンジンもまた、本明細書で使用することができる。複数のガスタービンエンジン、他のタイプのタービン、及び他のタイプの発電設備も本明細書で共に使用することができる。
【0015】
図2及び3は、図1の燃焼器25の構成要素、具体的にはマイクロミキサ100又はその一部を示している。マイクロミキサ100は、燃料プレナム104、吸気口106、及び1つ又はそれ以上のセグメント化された混合管体バンドルを形成する多数の混合管体108と連通したベースノズル構造体102を含むことができる。ベースノズル構造体102は、燃料を燃料プレナム104に供給する。燃料は、燃料プレナム104から流出して混合管体108に流入する。空気は、吸気口106を通って混合管体108に配向され、燃料と混合して空気/燃料混合気を生成する。空気/燃料混合気は、混合管体108から流出し、下流側の燃焼室に流入する。
【0016】
図2及び3を更に参照すると、マイクロミキサ100はセグメント化することができ、これは、マイクロミキサ100が幾つかのベースノズル構造体102を含むことができることを意味する。セグメント化されたマイクロミキサ100では、各ベースノズル構造体102は、該ベースノズル構造体102によって少なくとも部分的に支持される混合管体108のバンドルと関連付けられる。ベースノズル構造体102は、燃焼器端部プレート109に取り付けることができる。
【0017】
図4に示すように、マイクロミキサ100は、内側管体110及び外側管体112を備えた同軸管体を有するベースノズル構造体102を含むことができる。同軸管体の外側管体112は、燃料を混合管体108に供給する。特定の実施形態において、同軸管体の内側管体110は、液体カートリッジ又はブランクを燃焼室に供給する。他の実施形態において、同軸管体の内側管体110は、点火装置又は火炎検出器を含むことができる。しかしながら、同軸管体の内側管体110は、様々な燃焼器構成要素を含むことができる点は理解されるであろう。
【0018】
空気入口114は、混合管体108の上流側に配置され、空気を混合管体108に供給する。特定の実施形態において、空気調整プレート116を混合管体108の上流側に配置することができる。
【0019】
同軸管体の外側管体112によって供給される燃料は、混合管体108に流入する前に燃料プレナム104に流入する。特定の実施形態において、燃料プレナム104に流入する燃料は、混合管体108の1つ又はそれ以上の孔118を通って混合管体108に流入する前に180度方向を変える(外側管体112の端部にて破線矢印で示される)。他の実施形態では、燃料は、方向を変えることなく燃料プレナム104に直接流入する。
【0020】
特定の実施形態において、燃料調整プレート120は、燃料プレナム104内に配置される。他の実施形態において、燃料プレナム104は、燃料調整プレート120を含まない。空気/燃料混合気は、混合管体108から流出し(混合管体108の端部にて破線矢印で示される)、燃焼室に流入する。
【0021】
マイクロミキサ100のベースノズル構造体102は、構造的支持と、燃料プレナム104に流入する燃料用の外側管体112とを提供する。上述のように、燃料はガスとすることができる。内側管体110は、液体カートリッジ(二系統燃料用)、ブランクカートリッジ(ガス専用)、点火装置、火炎検出器、又は他の燃焼器構成要素を含むことができる。ベースノズル構造体102は、マイクロミキサ組立体の入口プレート116に取り付けられる。燃料は、端部カバー109からベースノズル構造体102に注入され、内側管体110と外側管体112との間に形成されるアニュラスを通って燃料プレナム104内に流れる。次いで、燃料は、混合管体孔118に流入し、ここでヘッド端部空気と混合される。ヘッド端部空気は、流れ調整プレート116を通って混合管体108に流入する。
【0022】
図5〜7に示すように、マイクロミキサ100は、セグメント化された混合管体バンドル108の各々の周りに配置された端部キャップ組立体140を含むことができる。端部キャップ組立体140は、対応するセグメント化された混合管体バンドル108を通過させる複数のアパーチャ143を有するキャップ面141を含むことができる。側壁145は、キャップ面の周囲に延びてリップを形成することができる。端部キャップ組立体140は、セグメント化された混合管体バンドル108に追加の支持を提供することができる。特定の実施形態において、端部キャップ組立体140は、セグメント化された混合管体バンドル108から取り外し可能であり、保守管理中に端部キャップ組立体140を取り外すことができ、セグメント化された混合管体バンドル108を交換して、端部キャップ組立体140をその上に置くことができるようになる。他の実施形態では、端部キャップ組立体140は、マイクロミキサを包含する支持構造体146に取り外し可能に取り付けることができる。
【0023】
特定の実施形態において、図6及び7に示すように、マイクロミキサ100は、該マイクロミキサ100の周りに配置された1つ又はそれ以上の減衰機構142を含むことができる。例えば、減衰機構142は、1つ又はそれ以上のフラスプリング144を含むことができる。フラスプリング144は、マイクロミキサ100のセグメント化された部分と、燃焼器の外側支持構造体146との間に配置することができる。フラスプリング144は、燃焼器に付随する振動を減衰させ、マイクロミキサ組立体に追加の支持を提供することができる。更に、フラスプリング144は、セグメント化された混合管体バンドル108に追加の支持を少なくとも部分的に提供することができる。
【0024】
特定の実施形態において、図6及び7に示すように、マイクロミキサ内の空気の転回を可能にする手段を設けることができる。例えば、図6において、バッフル148をマイクロミキサ100の空気流路内に配置することができる。別の実施例において、図7に示すように、マイクロミキサ100を包含する支持構造体146は、フレア部分152を含むことができる。
【0025】
マイクロミキサの各セグメント化された部分において、空気側方流れ障害物である、ノズルベース構造体が1つだけである。従って、本発明のマイクロミキサは、空気流路への突出部の数を低減し、混合管体におけるより均一な空気送給を可能にする。
【0026】
本発明のマイクロミキサの技術的利点には、混合管体へのより均一な空気送給が挙げられる。本発明のマイクロミキサの別の利点は、混合管体への燃料送給分配を促進し、マイクロミキサ組立体を支持するため複雑なベースノズル構造体を必要としないことである。これにより、空気及び燃料分配がより均一になるので、低NOxエミッションを有するマイクロミキサ組立体が得られる。溶接数が削減され、部品点数が減少し、分析評価がより簡単になるので、マイクロミキサの全体コストを低減することができ、信頼性を向上させることができる。
【0027】
構造上の特徴及び/又は方法論的行為に対する特定的な表現で実施形態を説明してきたが、本開示事項は、上記の特定的特徴及び行為に必ずしも限定されないことを理解すべきである。むしろ、特定の特徴要素及び動作は、実施形態を実施する例証として開示されている。
【符号の説明】
【0028】
100 マイクロミキサ
102 ベースノズル構造体
104 燃料プレナム
106 吸気口
108 混合管体
109 燃焼器端部プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7