特許第6203511号(P6203511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203511
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】側方支持タービンシェル
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/24 20060101AFI20170914BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F01D25/24 J
   F01D25/00 U
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-61241(P2013-61241)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2013-204591(P2013-204591A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2016年3月16日
(31)【優先権主張番号】13/430,787
(32)【優先日】2012年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ムキル・クンドラム
(72)【発明者】
【氏名】スダッタ・ダッシュ
(72)【発明者】
【氏名】マニ・バスカール
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第01527635(US,A)
【文献】 米国特許第05271218(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/24
F01D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータを有する蒸気タービンと共に用いる蒸気タービン側方支持システムであって、
前記蒸気タービン用のシェルと、
前記シェルから前記ロータに対して垂直な方向に延在する複数の側方支持アームと、
前記複数の側方支持アームと連通する基盤と、
前記複数の側方支持アームを前記基盤に接続する複数のアーム支持体と
を備えており、前記複数のアーム支持体が複数のI形ビームを含む、蒸気タービン側方支持システム。
【請求項2】
前記複数の側方支持アームが、
前記シェルの第1の側部から延在する第1の側方の第1アーム及び第1の側方の第2アームと、
前記シェルの第2の側部から延在する第2の側方の第1アーム及び第2の側方の第2アームと
を含む、請求項1記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項3】
前記複数の側方支持アームが、端部配置構成を有する、請求項1記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項4】
前記複数の側方支持アームが、中間配置構成を有する、請求項1記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項5】
前記複数の側方支持アームが、前記複数のI形ビームに合わせたサイズにされたビーム凹部を含む、請求項1記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項6】
前記複数のアーム支持体が、前記基盤と前記複数の水平支持体との間に位置付けられた垂直延長ブロックを含む、請求項1記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項7】
前記複数のアーム支持体が、複数の垂直支持体を含む、請求項1記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項8】
前記複数の垂直支持体が、複数の受台を含む、請求項7記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項9】
前記複数の側方支持アームが、前記複数の受台の窪みに合わせたサイズにされたシェルアームフランジを含む、請求項8記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項10】
前記複数の受台が、前記シェルアームフランジと前記窪みとの間に位置付けられたガイドを含む、請求項9記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項11】
前記複数のアーム支持体が、前記基盤と前記複数の垂直支持体との間に位置付けられた水平延長ブロックを含む、請求項7記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項12】
ロータを有する蒸気タービンと共に用いる蒸気タービン側方支持システムであって、
前記蒸気タービン用のシェルと、
前記シェルから前記ロータに対して垂直な方向に延在する複数の側方支持アームと、
基盤と、
前記複数の側方支持アームを前記基盤に接続する複数の水平支持体と、
前記複数の側方支持アームを前記基盤に接続する複数のアーム支持体と
を備えており、前記複数のアーム支持体が複数の垂直支持体を含んでおり、前記複数のアーム支持体が、前記基盤と前記複数の垂直支持体との間に位置付けられた水平延長ブロックを含む、蒸気タービン側方支持システム。
【請求項13】
前記複数の水平支持体が、複数のI形ビームを含む、請求項12記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項14】
前記複数の側方支持アームが、前記複数のI形ビームに合わせたサイズにされたビーム凹部を含む、請求項13記載の蒸気タービン側方支持システム。
【請求項15】
ロータを有する蒸気タービンと共に用いる蒸気タービン側方支持システムであって、
前記蒸気タービン用のシェルと、
前記シェルから前記ロータに対して垂直な方向に延在する複数の側方支持アームと、
基盤と、
前記複数の側方支持アームを前記基盤に接続する複数の垂直支持体と
を備えており、前記複数の垂直支持体が複数の受台を含み、前記複数の側方支持アームが前記複数の受台の窪みに合わせたサイズにされたシェルアームフランジを含む、蒸気タービン側方支持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願及び結果として得られる特許は、全体的に、ターボ機械に関し、より詳細には、撓みを低減する目的で蒸気タービンのシェルを支持する複数の側方支持アームを備えた蒸気タービンのようなターボ機械に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンなどのターボ機械の設計における懸念点は、特に過渡事象中の熱変形又は撓みへの適応である。例えば、蒸気タービン内のシールは、回転構成要素上のランドと互いに交差する固定構成要素上の複数の歯状部を含むことができる。固定構成要素と回転構成要素との間の半径方向のギャップは、蒸気漏洩が最小限となるようにできるだけ狭く設計されている。シェルの撓みにより、回転構成要素が固定シールとの接触を引き起こす可能性がある。具体的には、固定構成要素と回転構成要素との間のシールクリアランスがベース部に接近し、ハンピングと呼ばれる現象でシェルのカバーで開く傾向がある。ハンピングの範囲が十分に大きい場合には、望ましくない摩擦及び構成要素の損傷が生じる可能性がある。
【0003】
蒸気タービンシェルは、一般に、ロータと平行な方向でシェルの両端の周りに軸方向に延在する複数のシェルアームにより支持することができる。タービンのハンピングは、支持アームが主として枢動点として機能することができるので、増大する可能性がある。その上、シェルアームはまた、温度勾配を受ける場合があり、更に撓みを生じる。
【0004】
従って、特に過渡事象中の熱変形への適応が強化された蒸気タービンなどのターボ機械の改善に対する要望がある。このような改善されたターボ機械は、タービンハンピングを排除又は低減し、半径方向シールクリアランスをより小さくして、全体の性能及び効率を改善することができる。更に、タービンハンピングの状況を排除又は低減することにより、損耗及び損傷が低減されて構成要素寿命がより長くなるはずである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5104289号明細書
【発明の概要】
【0006】
従って、本出願及び結果として得られる特許は、ロータを有する蒸気タービンと共に用いる蒸気タービン側方支持システムを提供する。蒸気タービン側方支持システムは、蒸気タービン用のシェルと、ロータに対して垂直構成でシェルから延在する複数の側方支持アームと、複数の側方支持アームと連通する基盤とを含むことができる。
【0007】
本出願及び結果として得られる特許は更に、ロータを有する蒸気タービンと共に用いる蒸気タービン側方支持システムを提供する。蒸気タービン側方支持システムは、蒸気タービン用のシェルと、基盤と、複数の側方支持アームを基盤に接続する複数の水平支持体とを含むことができる。
【0008】
本出願及び結果として得られる特許は更に、ロータを有する蒸気タービンと共に用いる蒸気タービン側方支持システムを提供する。蒸気タービン側方支持システムは、蒸気タービン用のシェルと、基盤と、複数の側方支持アームを基盤に接続する複数の垂直支持体とを含むことができる。
【0009】
本出願のこれら及び他の特徴並びに改善点は、図面及び請求項を参照しながら以下の好ましい実施形態の詳細な説明を精査することによって当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書で説明することができる蒸気タービン側方支持システムの上面図。
図2図1の蒸気タービン側方支持システムの斜視図。
図3図1の蒸気タービン側方支持システムの側面図。
図4】本明細書で説明することができる蒸気タービン側方支持システムの代替の実施形態の斜視図。
図5図4の蒸気タービン側方支持システムの側面図。
図6図4の蒸気タービン側方支持システムのシェルアーム及び受台の側面図。
図7】本明細書で説明することができる蒸気タービン側方支持システムの代替の実施形態の斜視図。
図8】本明細書で説明することができる蒸気タービン側方支持システムの代替の実施形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、幾つかの図全体を通して様々な参照符号が同様の要素を表す図面を参照すると、図1図3は、本明細書で説明することができる、蒸気タービン側方支持システム100の1つの実施例を示している。蒸気タービン側方支持システム100は、蒸気タービン110を含むことができる。蒸気タービン110は、あらゆるサイズ、形状、又は構成を有することができる。蒸気タービン側方支持システム100は、蒸気タービン110に関して説明されているが、蒸気タービン側方支持システム100は、あらゆるタイプのターボ機械120及び同様のものと共に用いることができる。
【0012】
蒸気タービン110は、そこを貫通して延在するロータシャフト130を含むことができる。蒸気タービン110は、外側シェル140によって密閉することができる。外側シェル140は、ベース135及びカバー145を含むことができる。他の構成要素及び他の構成も本明細書で用いることができる。上述のように、公知の蒸気タービンは一般に、ロータシャフト130に平行な軸方向に延在する1つ又はそれ以上のシェルアームを介して支持される。しかしながら、このような軸方向シェルアームは、変形及び撓みを生じやすい可能性がある。
【0013】
蒸気タービン110は、幾つかの側方支持アーム150を含む。側方支持アーム150は、蒸気タービン110の第1の側部180上に位置付けられた第1の側方の第1アーム160及び第1の側方の第2アーム170と、蒸気タービン110の第2の側部210上に位置付けられた第2の側方の第1アーム190及び第2の側方の第2アーム200を含むことができる。側方シェルアーム150は、ロータシャフト130の方向に対し実質的に垂直220の方向で延在することができる。この実施例において、側方シェルアーム150は、端部配置255構成で蒸気タービン110の中間部250よりも第1の端部230及び第2の端部240により近接することができる。側方シェルアーム150は、あらゆるサイズ、形状、又は位置を有することができる。シェル140の各側部180、210上に延在する少なくとも1つのアーム150と共に、あらゆる数の側方シェルアーム150を本明細書で用いることができる。他の構成要素及び他の構成も本明細書で用いることができる。
【0014】
蒸気タービン側方支持システム100はまた、基盤260を含むことができる。基盤260は、金属及び同様のものなどのあらゆるタイプの実質的に堅固で、耐熱性の材料から作ることができる。基盤260は、ベース又はあらゆるタイプの支持構造体に取り付けることができ、及び/又は基盤260は、自立した構造体とすることができる。複数のアーム支持体260を用いて、基盤260を側方シェル支持アーム150に接続することができる。この実施例では、アーム支持体265は、複数の水平支持体270を含むことができる。水平支持体270は、垂直延長ブロック300及び同様のものの形態をとることができるが、あらゆるサイズ、形状、又は構成を本明細書で用いることができる。側方支持アーム150は、I形ビーム280の上側のT形状を受け入れるビーム凹部290を有することができる。側方支持アーム150のビーム凹部290は、I形ビーム280に沿って所定位置に滑動して該I形ビーム280に取り付けることができる。他のタイプの嵌合及び/又は接続機構を本明細書で用いることもできる。
【0015】
垂直延長ブロック300は、各I形ビーム280及び基盤260を接続することができる。垂直延長ブロック300は、あらゆるサイズ、形状、又は構成を有することができる。垂直延長ブロック300は、金属及び同様のものなどのあらゆるタイプの実質的に堅固な耐熱材料から作ることができる。I形ビーム280及び垂直延長ブロック300は、溶接又は他のタイプの従来の締結手段によって組み立てることができる。他の構成要素及び他の構成を本明細書で用いることもできる。
【0016】
図4図6は、本明細書で説明することができる、蒸気タービン側方支持システム310の代替の実施形態を示している。蒸気タービン側方支持システム310は、側方シェルアーム150と共に蒸気タービン110を含むことができる。この実施例において、複数の垂直支持体320が、アーム支持体265として基盤260から側方シェルアーム150に延在することができる。垂直支持体320は、受台325及び同様のものの形態をとることができるが、あらゆるサイズ、形状、又は構成を本明細書で用いることができる。受台325は、金属及び同様のものなどのあらゆるタイプの実質的に堅固な耐熱材料から作ることができる。図6に示すように、各受台325は、シェルアームフランジ340を受け入れるようなサイズにされた上側窪み330を有することができる(又はその逆であってもよい)。ガイド350を用いて。上側窪み330及びシェルアームフランジ340を受け入れることができる。側方支持アーム150のシェルアームフランジ340は、上側窪み330に沿って所定位置に滑動して該上側窪み330に取り付けることができる。他のタイプの嵌合及び/又は接続機構を本明細書で用いることもできる。
【0017】
水平延長ブロック360は、受台325及び基盤260を接続することができる。水平延長ブロック360は、あらゆるサイズ、形状、又は構成を有することができる。水平延長ブロック360は、金属及び同様のものなどのあらゆるタイプの実質的に堅固な耐熱材料から作ることができる。受台325及び水平延長ブロック360は、溶接又は他のタイプの従来の締結手段によって組み立てることができる。他の構成要素及び他の構成を本明細書で用いることもできる。
【0018】
図7は、蒸気タービン側方支持システム370の代替の実施形態を示す。この実施例において、蒸気タービン側方支持システム370は、支持を得るために図1図3のI形ビーム280を備えた水平支持体270を用いることができるが、上述の端部配置255構成よりも各側部180、210の中間部250により近接した、I形ビーム280を備えた中間配置380構成を用いている。他の構成要素及び他の構成も本明細書で用いることができる。
【0019】
同様に、図8は、蒸気タービン側方支持システム390の更に代替の実施形態を示している。この実施例において、蒸気タービン側方支持システム390は、図4図6の受台325を備えた垂直支持体320を用いることができるが、上述の中間配置380構成を有している。他の構成要素及び他の構成も本明細書で用いることができる。
【0020】
以上のように、本明細書で説明される蒸気タービン側方支持システムは、公知の平行構成とは対照的な、垂直構成220を有する複数の側方支持アーム150を備えた蒸気タービン110を提供することができる。垂直構成220の使用により、シェル140の垂直方向の撓みが低減され、従って、タービンハンピングを低減することができる。このような低減は、半径方向シールクリアランスをより小さくし、効率の改善及び持続を可能にすることができる。その上、側方支持アーム150と内部シールとの間の温度相互作用を排除及び/又は低減することができる。具体的には、垂直構成220によって、側方支持アーム150内部及び周辺での温度勾配を排除することができる。
【0021】
上記のことは、本出願及びその結果として得られる特許の特定の実施形態にのみに関連している点を理解されたい。添付の請求項及びその均等物によって定義される本発明の全体的な技術的思想及び範囲から逸脱することなく、当業者であれば多くの変更及び修正を本明細書において行うことができる。
【符号の説明】
【0022】
100 蒸気タービン側方支持システム
110 蒸気タービン
120 ターボ機械
130 ロータシャフト
135 ベース
140 シェル
145 カバー
150 側方シェルアーム
160 第1の側方の第1アーム
170 第1の側方の第2アーム
180 第1の側部
190 第2の側方の第1アーム
200 第2の側方の第2アーム
210 第2の側部
220 垂直構成
230 第1の端部
240 第2の端部
250 中間部
255 端部配置構成
260 基盤
265 アーム支持体
270 水平支持体
280 I形ビーム
290 ビーム凹部
300 垂直延長ブロック
310 蒸気タービン側方支持システム
320 垂直支持体
325 受台
330 上側窪み部
340 シェルアームフランジ
350 ガイド
360 水平延長ブロック
370 蒸気タービン側方支持システム
380 中間配置構成
390 蒸気タービン側方支持システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8