特許第6203540号(P6203540)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203540
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】自転車用歯付きプーリ組立体
(51)【国際特許分類】
   B62M 9/00 20060101AFI20170914BHJP
   B62M 3/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B62M9/00 A
   B62M3/00 E
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-112496(P2013-112496)
(22)【出願日】2013年5月29日
(65)【公開番号】特開2014-231281(P2014-231281A)
(43)【公開日】2014年12月11日
【審査請求日】2015年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112978
【氏名又は名称】ブリヂストンサイクル株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513134948
【氏名又は名称】株式会社並木金型
(74)【代理人】
【識別番号】100102565
【弁理士】
【氏名又は名称】永嶋 和夫
(72)【発明者】
【氏名】太田 将夫
(72)【発明者】
【氏名】根本 政行
【審査官】 山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−002892(JP,U)
【文献】 特開2006−007799(JP,A)
【文献】 特開昭57−184757(JP,A)
【文献】 特開2007−153304(JP,A)
【文献】 特開2001−069885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 9/00
B62M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動側回転部と従動側回転部とに渡り樹脂製駆動ベルトが懸回張設される自転車に採用される自転車用歯付きプーリ組立体であって、少なくとも前記駆動側回転部に配設されるプーリ組立体において、前記樹脂製駆動ベルトに噛合する樹脂製歯付きプーリと、前記樹脂製歯付きプーリに連結されるクランク部材とを備え、前記樹脂製歯付きプーリの連結部を金属により構成するとともに、前記連結部の一部の周方向埋設板部が前記樹脂製歯付きプーリにインサート成型されていることを特徴とする自転車用歯付きプーリ組立体。
【請求項2】
前記連結部が複数に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の自転車用歯付きプーリ組立体。
【請求項3】
前記クランク部材はアームとクランクとからなり、前記アームと前記クランクとを一体成型し、前記アームの中心をクランク軸に固定したことを特徴とする請求項1または2に記載の自転車用歯付きプーリ組立体。
【請求項4】
前記クランク部材はアームであり、前記連結部と前記アームとを一体成型したことを特徴とする請求項1または2に記載の自転車用歯付きプーリ組立体。
【請求項5】
前記連結部とクランク部材とをボルト・ナット締結あるいは加締めにより固定したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自転車用歯付きプーリ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動側回転部と従動側回転部とに渡り樹脂製駆動ベルトが懸回張設される自転車に採用される自転車用歯付きプーリ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自転車においてクランク部の回転駆動力を後車輪に伝えるには、駆動側回転部であるクランク軸および従動側回転部である後車輪軸にそれぞれ固定された金属製のスプロケット間に金属チェーンが懸回張設された駆動装置が多用されてきた。近年では、金属チェーン使用による注油、構成チェーンリンク毎の伸びによるガタの発生およびその調整、さらには塵埃の付着によるきしみ音の発生等の不具合を生じることから、樹脂製の駆動ベルトが金属チェーンに代わって使用されるようになってきた。樹脂製の駆動ベルトの採用に伴って、クランク軸および後車輪軸にそれぞれ固定されるスプロケットについても、樹脂製の駆動ベルトに適合させて該駆動ベルトの歯部に噛合する歯付きプーリが採用されるようになった。
【0003】
しかしながら、歯付きプーリに関しては、金属製のプーリにて対応させると樹脂製の駆動ベルトとの相性が適切ではなく、樹脂製の駆動ベルトに負担が掛って損傷を招き易かった。とは言え、歯付きプーリ全体を樹脂にて構成するとクランク軸に作用する大きなペダル踏力に耐え得る強度を確保することが困難であった。そのようなことから、下記特許文献1に開示されたような自転車用歯付きプーリが提案された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平3−2892号公報(実用新案登録請求の範囲等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来例1の自転車用歯付きプーリについて、図6(A)(B)を用いて簡単に説明すると、樹脂製の歯付きベルト109の伝動に用いるフランジ107付きの歯付きプーリ104において、内径が歯付きプーリ104の歯先径で、外径が歯付きベルト109を歯付きプーリ104に捲装した状態の外径よりやや大きくするとともに、その外周部の内側に歯付きベルト109を案内するための斜面111aを形成した低摩擦材製のリング状プレート111を歯付きプーリ104のフランジ内側に嵌装して構成したものである。つまりは、クランクアーム103の回転中心であるクランク軸102を中心に回転する円板105が金属にて構成され、その外周端部に樹脂あるいは金属製のフランジ用リング107と樹脂製の歯付きリング106がボルト108によって締結されて固定されたものである。
【0006】
このような構成によって、クランク軸の中心部に作用する強力な踏力によっても金属製の円板105がその駆動トルクを外周部の歯付きリング106部に強力に伝えることができ、その外周に噛合して駆動される樹脂製の歯付き駆動ベルト109を相性良く噛合して駆動させることができるものとなった。しかしながら、このような従来例にあって、材質を異にする金属製の円板105と樹脂製の歯付きリング106とをボルト108等で締結すると、樹脂が変形して軸力が低下してボルト108の締結による螺子部が緩む危険性を孕んでいた。その他、外部要因として熱変動、トルク変動や水分変化等に環境変化に起因しても、異なった材質間での締結である螺子部が緩む虞れがあった。
【0007】
そこで本発明では、前記従来の自転車用歯付きプーリの諸課題を解決して、樹脂製ベルトとの相性が良くて損傷させる虞れもなく、クランク軸と一体に固定されたクランク部材に対して歯付きプーリにおける連結部材を金属同士の連結固定とすることができて、連結部における螺子部の緩みや外因に起因した螺子部の緩みを発生させる虞れのない自転車用歯付きプーリ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため本発明は、駆動側回転部と従動側回転部とに渡り樹脂製駆動ベルトが懸回張設される自転車に採用される自転車用歯付きプーリ組立体であって、少なくとも前記駆動側回転部に配設されるプーリ組立体において、前記樹脂製駆動ベルトに噛合する樹脂製歯付きプーリと、前記樹脂製歯付きプーリに連結されるクランク部材とを備え、前記樹脂製歯付きプーリの連結部を金属により構成するとともに、前記連結部の一部の周方向埋設板部が前記樹脂製歯付きプーリにインサート成型されていることを特徴とする。また本発明は、前記連結部が複数に分割されていることを特徴とする。また本発明は、前記クランク部材はアームとクランクとからなり、前記アームと前記クランクとを一体成型し、前記アームの中心をクランク軸に固定したことを特徴とする。また本発明は、前記クランク部材はアームであり、前記連結部と前記アームとを一体成型したことを特徴とする。また本発明は、前記連結部とクランク部材とをボルト・ナット締結あるいは加締めにより固定したことを特徴とする特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、請求項1に記載の構成要件である、駆動側回転部と従動側回転部とに渡り樹脂製駆動ベルトが懸回張設される自転車に採用される自転車用歯付きプーリ組立体であって、少なくとも前記駆動側回転部に配設されるプーリ組立体において、前記樹脂製駆動ベルトに噛合する樹脂製歯付きプーリと、前記樹脂製歯付きプーリに連結されるクランク部材とを備え、前記樹脂製歯付きプーリの連結部を金属により構成するとともに、前記連結部の一部の周方向埋設板部が前記樹脂製歯付きプーリにインサート成型されていることにより、樹脂製歯付きプーリは、樹脂製ベルトとの相性が良くてこれを損傷させる虞れもなく、クランク軸と一体に固定されたクランク部材に対して歯付きプーリにおける連結部を金属同士の連結固定とすることができ、強固なる連結を可能にする他、変形のリスクも減少して連結部における緩みや外因に起因した緩みを発生させる虞れがない。しかも、樹脂製歯付きプーリの成型時に金属製の連結部を比較的容易にセッティングして、格別な連結具を用いずとも強固でかつ精度良く連結部を樹脂製歯付きプーリに埋設させることができる。その上、該埋設板部12には樹脂製歯付きプーリ1を構成する樹脂材が入り込んで金属性連結部材3との接続を強固にする埋設孔13を穿接することができる。
【0010】
さらに、請求項に記載の構成要件である、前記連結部が複数に分割されている場合は、連結部の材料の歩留りが良くコストダウンが図れる。さらにまた、請求項に記載の構成要件である、前記クランク部材はアームとクランクとからなり、前記アームと前記クランクとを一体成型し、前記アームの中心をクランク軸に固定した場合は、クランク部材を構成するアームとクランクとを予め精度良く別工程にて一体形成することができ、その組立体のアームの中心をクランク軸にスプライン嵌合や螺子等により固定できるので、クランク軸に対するクランク部材の組立精度が格段に向上する。
【0011】
また、請求項に記載の構成要件である、前記クランク部材はアームであり、前記連結部と前記アームとを一体成型した場合は、アームと一体成型された連結部の樹脂製歯付きプーリへのインサート成型時のセッティングが容易で、クランク部材であるアームの剛性が確保できる他、アームに対するクランクの接続またはクランク軸の接続もスプライン嵌合等により精度良く行うことが可能となる。さらに、請求項に記載の構成要件である、前記連結部とクランク部材とをボルト・ナット締結あるいは加締めにより固定した場合は、クランク軸と一体に固定されたクランク部に対して歯付きプーリにおける連結部を金属同士の連結固定とすることができ、強固なる連結を可能にする他、連結部における螺子部や加締め部の緩みや外因に起因した螺子部や加締め部の緩みを発生させる虞れもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の自転車用歯付きプーリ組立体の第1実施例を示すもので、組立後の全体正面図、そのA−A断面図およびそのB部拡大図である。
図2】同、樹脂製歯付きプーリと埋設される連結部材の拡大斜視図である。
図3】同、クランク部材の分解斜視図である。
図4】同、図1と同様の自転車用歯付きプーリ組立体の組立後の全体斜視図である。
図5】本発明の自転車用歯付きプーリ組立体の第2実施例を示すもので、樹脂製歯付きプーリに埋設される連結部材とクランク部材とが一体形成されたものの全体斜視図である。
図6】特許文献1に記載された従来例1の自転車用歯付きプーリの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の自転車用歯付きプーリ組立体の好適な形態を図面に基づいて説明する。本発明の自転車用歯付きプーリ組立体は、図1に示すように、駆動側回転部と従動側回転部とに渡り樹脂製駆動ベルトが懸回張設される自転車に採用される自転車用歯付きプーリ組立体であって、少なくとも前記駆動側回転部に配設されるプーリ組立体において、前記樹脂製駆動ベルトに噛合する樹脂製歯付きプーリ1と、前記樹脂製歯付きプーリ1に連結されるクランク部材2、5、7とを備え、前記樹脂製歯付きプーリ1の連結部4を金属により構成するとともに、前記連結部4の一部の周方向埋設板部12が前記樹脂製歯付きプーリ1にインサート成型されていることを特徴とする。
【実施例1】
【0014】
図1図4は、本発明の自転車用歯付きプーリ組立体の第1実施例を示す。図1(C)に示すように、本発明の基本構造は、前述したようにプーリ組立体として、樹脂製駆動ベルトに噛合するリング状の例えばポリアミド等からなるフランジ付き樹脂製歯付きプーリ1と、クランク軸と一体にて回転するアーム2およびガード7に連結される複数の連結部4を有し該樹脂製歯付きプーリ1に埋設してインサート成型した金属製連結部材3とにより構成される。図1(A)は歯付きプーリ組立体の組立後の全体正面図で、図1(B)はそのA−A断面図、そして図1(C)はそのB部拡大図である。図4の組立後の全体斜視図により各部材の接続連結状態がよく理解される。
【0015】
図2および図3は各部材の分解斜視図である。図2(A)(B)に示すように、樹脂製歯付きプーリ1の外周にはその成型時に樹脂製駆動ベルトの内周に噛合する歯部8が形成されるとともに、複数(図示の例では5個)の連結部4を有するアルミ等からなる金属製連結部材3における埋設板部12がインサート成型により埋設される。該埋設板部12には樹脂製歯付きプーリ1を構成する樹脂材が入り込んで金属製連結部材3との接続を強固にする埋設孔13が複数個穿設されている。図示の例では、図2(B)に示すように、金属製連結部材3は後述するアルミ等の金属製のアーム2およびガード7と連結して接続される連結部4の数(5個)だけ準備され、これらの金属製連結部材3は周方向に隔離して分割形成して埋設された場合は、材料の歩留りが良くコストダウンが図れることになるが、詳述はしないが、金属製連結部材3の埋設板部12を周方向に連続するリング状に形成して樹脂製歯付きプーリ1内にインサート成型し、複数の連結部4のみを内周側に露出させて構成することを妨げるものではない。各連結部4には後述するアーム2、ガード7との連結のための連結孔14が穿設される。
【0016】
図3は、前記樹脂製歯付きプーリ1に埋設された金属製連結部材3の各連結部4に連結して接続されるクランク部材としてのアーム2とガード7との分解斜視図である。クランク部材は、クランク5、アーム2およびガード7から構成される。図1(B)(C)および図4を参照しつつ、図3(A)に示すように、クランク5の回転中心であるクランク軸孔6を中心に放射状に複数(図示の例では、連結部4の個数に合わせた5個)の連結部20からなるアーム2がクランク5と一体に形成される。アーム2とクランク5とが一体に形成されているので、アーム2とクランク5とを予め精度良く別工程にて一体形成することができて、クランク軸に対するクランクおよびアームの組立精度が格段に向上する。また、図3(B)に示すように、前記クランク5をクリアさせてアーム2の外側に組み付けられるガード7には、前記アーム2における放射状の連結部20に対応した内周向きの連結部21が形成される。各連結部21には取付孔16がそれぞれ穿設されている。
【0017】
これらの各部材を組み付けるには、前記アーム2における各連結部20の先端側に形成された内側段部18のそれぞれに、前記樹脂製歯付きプーリ1に埋設された金属製連結部材3の各連結部4を載置し、同様にアーム2における各連結部20の先端側の外側段部19のそれぞれに、前記ガード7における各連結部21の内周端部をワッシャ17(図1(C)参照)を介設して載置する。その上で、金属製連結部材3における連結部4の連結孔14、アーム2における連結部20の連結孔15およびガード7における連結部21の連結孔16のそれぞれに貫通され、6角レンチ等により締結されるボルト9およびナット10により互いの螺子部11を螺合して緊締固定されて一体化される。これらの各部材の締結固定組立をボルト9およびナット10によるものに代えて、リベット等による加締めによって行ってもよいことは言うまでもない。
【0018】
これらの連結は、金属同士による連結であるため、強固なる連結を可能にする他、変形のリスクも減少して連結部における緩みや外因に起因した緩みを発生させる虞れがない。それでいて、金属製連結部材3が埋設された樹脂製歯付きプーリ1は、樹脂製ベルトとの相性が良くてこれを損傷させる虞れがないので、樹脂製ベルトの耐久性能も向上する。これらの組立体は、クランク5の回転中心すなわちアーム2の中心部であるクランク軸孔6をクランク軸に挿入してナット等により締結して一体に固定される。このようにして組み立てられる各部材の関連構成が図4により明確に理解される。なお、図1(C)に示すように、前記ガード7を樹脂製歯付きプーリ1の歯先円rより大径Rとして樹脂製駆動ベルトの外れ防止ガイド機能を付与して、樹脂製歯付きプーリ1の歯に噛合する樹脂製駆動ベルトをガード7が効果的にガイドして妄りに離脱することがないように構成される。
【実施例2】
【0019】
図5は本発明の自転車用歯付きプーリ組立体の第2実施例を示す。本実施例のものは、樹脂製歯付きプーリ1に埋設される連結部材とクランク部材とが一体形成されたものである。詳述はしないが、複数(図示の例では4個)の連結部4を有する金属製連結部材3における埋設板部(符号12は省略)は、連続するリング状であっても周方向に隔離して分割形成されて構成されてもよい。本実施例では、金属製連結部材3はクランク軸孔6部において集合してクランク部材の一部であるアーム2を構成しているので、金属製連結部材3の樹脂製歯付きプーリ1へのインサート成型時のセッティングが容易で、アーム2の剛性も確保できる他、該アーム2に対するクランク5の接続もスプライン嵌合等により精度良く行うことが可能となる。つまり、アーム2の中心のクランク軸孔6の内周に刻設したスプライン溝に対して適合するスプライン溝を外周に刻設したクランク5のクランク軸筒等を嵌合させ、該クランク軸筒内にてクランク軸を軸支固定させる等して、精度良く強固にアーム2とクランク5をクランク軸に固定することが可能となる。また、本実施例では、スプライン溝を外周に刻設したクランク軸に、アーム2の中心のクランク軸孔6の内周に刻設したスプライン溝を嵌合させてクランク軸にアーム2を固定させることも可能である。
【0020】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、樹脂製駆動ベルトの形状、形式(埋設されるカーボンファイバー等の補強コードの種類等)および材質(実施例のポリアミドの他、ポリウレタン等の適宜の樹脂が採用される)ならびに歯付きプーリとの噛合形態、樹脂製歯付きプーリの形状、形式およびその材質(幾分硬質のポリアミド等の樹脂が好適である)、連結部の形状および数を含む金属製連結部材の形状(埋設板部の連続形態、分割形態、埋設孔の形状および数等)、形式および材質(アルミ等の金属の他、適宜の材質の金属が採用可能である)、連結部の形成形態を含むアームおよびガードの形状(クランクのアームへの連結形態や一体形成形態、アームとガードとを一体に形成することも可能である)、形式、および金属製連結部材とアームおよびガードとの連結形態(ボルト・ナットによる締結固定の他、リベットによる加締めの他、適宜の固定方式が採用される)、金属製連結部材の樹脂製歯付きプーリへのインサート成型による埋設形態、金属製連結部材とクランク部材とを一体形成したことによるクランク部材のクランク軸への固定形態(クランク部材の中心のクランク軸孔にクランクのクランク軸筒をスプライン嵌合する他、回止め可能な適宜の嵌合固定方式が採用される)等については適宜採用できる。また、実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の自転車用歯付きプーリ組立体は、好適には、通常の自転車の駆動側回転部に配設される樹脂製歯付きプーリに適用されるが、駆動側回転部のみならず、従動側回転部に配設される樹脂製歯付きプーリにも適用可能であることは言うまでもない。さらには、自転車のみならず、自動二輪車や運搬車の駆動装置にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 樹脂製歯付きプーリ
2 アーム(クランク部材)
3 金属製連結部材
4 連結部
5 クランク(クランク部材)
6 クランク軸孔
7 ガード(クランク部材)
8 歯部
9 ボルト部材
10 ナット部材
11 螺子部
12 埋設板部
13 埋設孔
17 ワッシャ
図1
図2
図3
図4
図5
図6