特許第6203574号(P6203574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6203574アタッチメント、超音波プローブ及び超音波診断装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203574
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】アタッチメント、超音波プローブ及び超音波診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   A61B8/08
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-173239(P2013-173239)
(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公開番号】特開2015-39583(P2015-39583A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】300019238
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(72)【発明者】
【氏名】谷川 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】神山 直久
(72)【発明者】
【氏名】橋本 浩
【審査官】 宮川 哲伸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/143555(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/100107(WO,A1)
【文献】 特開2013−085839(JP,A)
【文献】 特開2009−000552(JP,A)
【文献】 特開2007−044231(JP,A)
【文献】 特開2006−255015(JP,A)
【文献】 特開2003−225239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象に対して超音波の送受信を行なう超音波プローブの超音波送受信面側に取り付け可能であり、前記超音波プローブに取り付けられた状態における前記超音波送受信面と前記測定対象との間の部分が超音波透過性を有する材質で形成された部分を有するアタッチメントであって、前記測定対象との当接面側に開口する穴部が形成され、前記穴部内に、前記測定対象の表面に対し機械的振動を与える振動付与部が設けられたことを特徴とするアタッチメント。
【請求項2】
前記振動付与部は、前記穴部内に没した状態から、少なくとも前記アタッチメントにおける前記穴部の開口面まで移動して前記測定対象の表面を押圧することにより前記測定対象に対する機械的振動を与える押圧面を有することを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
表面に与えられた機械的振動によって生じた弾性波に基づいて弾性が測定される前記測定対象の超音波画像を作成するための第一の超音波の送受信と前記弾性波を計測するための第二の超音波の送受信とを行なう超音波プローブであって、請求項1又は2に記載のアタッチメントが取り付けられることを特徴とする超音波プローブ。
【請求項4】
請求項3に記載の超音波プローブを備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
前記振動付与部による機械的振動の発生タイミングに応じて前記第二の超音波の送信タイミングを制御する制御部を備えることを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記振動付与部に対する機械的振動の付与を指示する制御信号、前記振動付与部によって機械的振動が付与されると前記振動付与部から出力される信号又は前記超音波プローブから送信された超音波のエコー信号に基づいて得られるデータのいずれかに基づいて、前記機械的振動の発生タイミングに応じた前記第二の超音波の送信タイミングの制御を行なうことを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記第二の超音波のエコー信号に基づいて、前記測定対象の弾性情報を算出する弾性算出部を備えることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記超音波画像は、前記測定対象の二次元又は三次元の画像であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブに取り付けられて、弾性の測定対象に対して機械的振動を与える振動付与部を有するアタッチメント、超音波プローブ及び超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体などの弾性の測定対象の表面に対して、機械的振動を与えて前記測定対象に生じた弾性波を超音波によって計測し、弾性を算出する弾性測定装置が特許文献1に開示されている。また、この特許文献1には、人体などの器官の形態に関する情報と弾性パラメータ(parameter)とを提供すべく、標準的な超音波検査装置に弾性測定装置を接続することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4451309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1では、形態情報を得るための装置とは別に、機械的振動を与え、なおかつ弾性波を計測するための超音波を送受信する装置が必要である。従って、超音波画像が表示される一般的な超音波診断装置のみによって、弾性測定を行なうことはできない。
【0005】
そこで、超音波診断装置と接続される一般的な超音波プローブによって、弾性波を計測するための超音波と、超音波画像を得るための超音波とを送受信し、なおかつ機械的振動も与えることができれば、操作者にとって便利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するためになされた一の観点の発明は、測定対象に対して超音波の送受信を行なう超音波プローブの超音波送受信面側に取り付け可能であり、該超音波送受信面と前記測定対象との当接面との間が超音波透過性を有する材質で形成された部分を有するアタッチメントであって、前記測定対象との当接面側に開口する穴部が形成され、前記穴部内に、前記測定対象の表面に対し機械的振動を与える振動付与部が設けられたことを特徴とするアタッチメントである。
【発明の効果】
【0007】
上記一の観点の発明によれば、測定対象に対して超音波の送受信を行なう超音波プローブに、前記振動付与部が設けられたアタッチメントが取り付けられることにより、超音波画像が表示される超音波診断装置において、前記弾性波に基づく弾性測定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態における超音波診断装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態における超音波プローブ及びこの超音波プローブに取り付けられた本発明の実施形態におけるアタッチメントを示す一部切欠正面図である。
図3図2に示されたアタッチメントの底面図である。
図4図3のA−A線拡大断面図である。
図5図3のB−B線拡大断面図である。
図6】振動付与部の軸が前進して、押圧部が測定対象の表面を押圧する位置まで移動した状態を示す断面図である。
図7図1に示された超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
図8図1に示された超音波診断装置における制御部の構成を示すブロック図である。
図9】実施形態における超音波診断装置の作用を示すフローチャートである。
図10】穴部に設けられた振動付与部の変形例を示す拡大図である。
図11図10に示された振動付与部の変形例における規制板を示す平面図である。
図12】変形例の振動付与部が設けられたアタッチメント及びこのアタッチメントが取り付けられた超音波プローブを示す正面図である。
図13】変形例の振動付与部において、係合部が規制板と係合している状態を示す平面図である。
図14】変形例の振動付与部において、規制板に形成されたくりぬき穴の円形部に係合部が位置している状態を示す平面図である。
図15】変形例の振動付与部において、係合部がくりぬき穴の円形部内へ落下した状態を示す図である。
図16】変形例の振動付与部において、押圧部の押圧面によって、測定対象の表面に対して機械的振動が付与される時の押圧移動体の位置を示す図である。
図17】制御部の他例を示すブロック図である。
図18】本発明の実施形態における超音波プローブ及びこの超音波プローブに取り付けられた本発明の実施形態におけるアタッチメントの他例を示す一部切欠正面図である。
図19図18に示されたアタッチメントの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るアタッチメント(attachment)、超音波プローブ及び超音波診断装置の実施形態について説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信ビームフォーマ3、エコーデータ処理部4、表示制御部5、表示部6、操作部7、制御部8、記憶部9を備える。前記超音波プローブ2は、超音波診断装置本体1aと接続されている。この超音波診断装置本体1a内に、送受信ビームフォーマ3、エコーデータ処理部4、表示制御部5、表示部6、操作部7、制御部8、記憶部9が設けられている。
【0010】
前記超音波プローブ2は、アレイ(array)状に配置された複数の超音波振動子(図示省略)を有して構成され、この超音波振動子によって被検体に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。
【0011】
前記超音波プローブ2には、図2図6に示すように、超音波の送受信面2a側の端部に、アタッチメント100が着脱可能に取り付けられるようになっている。前記アタッチメント100は、第一部材101と第二部材102とで構成される。前記第一部材101は、両端が開口した中空部101aを有し、この中空部101aにおける一方の開口側の端部に前記超音波プローブ2が取り付けられる。前記第一部材101は、プラスチックで形成され、弾性変形して前記超音波プローブ2に取り付けられる。
【0012】
前記第一部材101は、後述する穴部103が形成された穴部形成部101bを有している。この穴部形成部101bは、前記アタッチメント100において左右方向(前記超音波プローブ2に取り付けられた状態においては、アジマス(azimuth)方向)の一端側に形成されている。
【0013】
前記穴部形成部101bの前記一方の開口部側には、段部101cが形成されている。前記第一部材101は、前記送受信面2aが前記段部101cと当接した状態で前記超音波プローブ2に取り付けられる。
【0014】
前記第二部材102は、超音波透過性と弾性とを有し、弾性の測定対象Tの音響インピーダンス(impedance)に近似する音響インピーダンスを有する材質で形成されている。例えば、前記第二部材102は、アクリル樹脂架橋体に多価アルコール及び安定剤などを添加した材質で形成されている。前記第二部材102は、前記第一部材101の中空部101aに嵌合可能になっている。より詳細には、前記第一部材101が前記超音波プローブ2に取り付けられた状態において、前記第二部材102は、前記送受信面2aと前記第一部材101の内壁面とで形成される空間に嵌合するようになっている。
【0015】
前記第一部材101の中空部101aに嵌合した前記第二部材102は、前記送受信面2aと密着するとともに、この送受信面2aとは反対側の面が、前記第一部材101の他方の開口側の端面と同一面上に位置する。従って、前記第二部材102は、前記第一部材101の他方の開口部において、弾性の測定対象Tの表面Sと当接可能になっているので、前記第二部材102により、前記アタッチメント100は、前記送受信面2aと弾性の測定対象Tとの間が、超音波透過性を有する材質で形成された部分を有することになる。
【0016】
前記アタッチメント100は、前記第二部材102及び前記第一部材101の穴部形成部101bにおいて、前記測定対象Tの表面Sと当接する。符号100aは、前記測定対象の表面Sとの当接面を示している。超音波は、前記第二部材102の部分を透過する。
【0017】
前記穴部形成部101bには、前記当接面100aに開口する穴部103が形成されている。この穴部103内には、振動付与部104が設けられている。この振動付与部104は、ソレノイドアクチュエータであり、シリンダ105と、シリンダ105から突出する軸106と、この軸106の先端に設けられた押圧部107とを備えている。
【0018】
前記シリンダ105内に設けられたソレノイドの電磁力が作用して前記軸106が前進及び後退することにより、前記押圧部107は、図5に示すように前記穴部103内に没した状態と、図6に示すように前記当接面100aと同一面になる状態との間を移動するようになっている。
【0019】
前記押圧部107の押圧面107aは、前記軸106が前進することにより前記当接面100aと同一面になり、前記測定対象Tの表面Sを押圧するようになっている。従って、前記押圧面107aにより、前記測定対象Tの表面Sに機械的振動が与えられる。
【0020】
ただし、前記押圧面107aが、前記当接面100aよりも突出するようになっていてもよい。
【0021】
前記振動付与部104には、超音波診断装置本体1aに設けられた前記制御部8から動作信号が供給され、前記押圧部107の前進運動及び後退運動が制御されるようになっている。前記動作信号は、前記アタッチメント100と前記超音波診断装置本体1aとを接続するケーブル108を介して供給される。また、前記振動付与部104を動作させるための電力も、前記超音波診断装置本体1aから供給されてもよい。
【0022】
次に、前記超音波診断装置本体1a内に設けられた前記各部について説明する。前記送受信ビームフォーマ3は、前記超音波プローブ2から所定の走査条件で超音波を送信するための電気信号を、前記制御部8からの制御信号に基づいて前記超音波プローブ2に供給する。また、前記送受信ビームフォーマ3は、前記超音波プローブ2で受信したエコー信号について、A/D変換、整相加算処理等の信号処理を行ない、信号処理後のエコーデータを前記エコーデータ処理部4へ出力する。
【0023】
前記エコーデータ処理部4は、前記送受信ビームフォーマ3から出力されたエコーデータに対し、超音波画像を作成するための処理を行なう。例えば、前記エコーデータ処理部4は、対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理を行ってBモードデータを作成する。
【0024】
前記表示制御部5は、図7に示すように超音波画像データ作成部51及び表示画像制御部52を有している。前記超音波画像データ作成部51は、前記エコーデータ処理部4から入力された前記Bモードデータなどのローデータ(raw data)を、スキャンコンバータ(Scan Converter)によって走査変換して超音波画像データを作成する。超音波画像データは、例えばBモード画像データである。
【0025】
また、前記表示画像制御部52は、前記超音波画像データに基づく超音波画像を前記表示部6に表示させる。超音波画像は、例えばBモード画像である。
【0026】
前記表示部6は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどである。前記操作部7は、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。
【0027】
前記制御部8は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。この制御部8は、前記記憶部9に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。また、前記制御部8は、前記振動付与部104を制御する。
【0028】
また、前記制御部8は、図8に示す弾性値算出部81による弾性値算出機能を実行する。詳細は後述する。前記弾性値算出部81は本発明における弾性算出部の実施の形態の一例である。
【0029】
前記記憶部9は、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)や、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ(Memory)である。
【0030】
さて、本例の超音波診断装置1の作用について図9のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、弾性体からなる測定対象Tの弾性を測定するための処理について説明する。
【0031】
先ず、ステップS1では、操作者は、例えば人体などの測定対象Tの表面に前記超音波プローブ2を当接して、Bモード画像を作成するための第一の超音波の送受信を行なう。これにより、Bモード画像が前記表示部6に表示される。前記制御部8は、Bモード画像用の超音波の送受信が行われるよう前記送受信ビームフォーマ3を制御する。
【0032】
前記超音波プローブ2には、前記アタッチメント100が取り付けられている。従って、前記第一の超音波の送受信は、前記超音波プローブ2の送受信面2aと前記測定対象Tとの間に、前記アタッチメント100が介在した状態で行われる。
【0033】
このステップS1においてBモード画像が表示されると、操作者はこのBモード画像を参照して、測定対象Tにおける弾性の測定断面を特定する。測定断面が特定されると、ステップS2において、前記測定対象Tの表面Sに対し、前記振動付与部104の押圧部107によって機械的振動が付与される。前記制御部8が、前記軸106を前進させる制御信号を出力することにより、前記機械的振動が付与される。
【0034】
機械的振動を付与するための前記制御部8からの制御信号は、例えば操作者が前記装置本体1aの操作部7を操作することにより出力される。
【0035】
前記押圧部107の押圧面が前記測定対象Tの表面Sを押圧することにより測定対象Tの内部に振動が伝わって弾性波が伝播する。そこで、前記制御部8は、前記ステップS2において前記機械的振動を付与するための制御信号を出力すると、ステップS3において、前記弾性波の伝播速度Vを計測するための第二の超音波の送受信が行われるよう前記送受信ビームフォーマ3を制御する。これにより、機械的振動の発生タイミングに応じて、第二の超音波の送信タイミングを制御することができる。
【0036】
前記弾性算出部81は、前記第二の超音波のエコー信号に基づいて、前記弾性波の伝播速度Vを算出する。そして、前記弾性算出部81は、前記伝播速度Vに基づいて、下記(式1)によって弾性値Eを算出する。
E=3ρV ・・・(式1)
上記(式1)において、ρは測定対象Tの密度である。また、前記弾性値Eは、弾性率である。
【0037】
前記弾性値Eは、前記表示部6に表示される。また、前記伝播速度Vも、前記表示部6に表示されてもよい。
【0038】
本例によれば、前記超音波プローブ2に前記アタッチメント100が取り付けられることにより、測定対象Tに対して機械的振動を与えることができるとともに、前記超音波プローブ2によって、弾性波を計測するための超音波とBモード画像を得るための超音波を送受信することができる。従って、Bモード画像による測定断面の確認と弾性測定とを、超音波診断装置1のみによって行なうことができる。
【0039】
次に、上記振動付与部104の変形例について説明する。変形例の振動付与部104′は、図10に示すように、押圧移動体120とこの押圧移動体120の移動を規制する規制板121を備えている。
【0040】
前記押圧移動体120は、前記規制板121と係合する係合部122と、この係合部122に設けられた軸123と、この軸123の先端に設けられた押圧部124とを有している。
【0041】
前記係合部120は、平面視円形状に形成され(図13図14参照)、テーパ面125aが形成された円錐形状部125を有している。この円錐形状部125の頂点には、第一のバネ126が設けられている。この第一のバネ126は、前記係合部120側とは反対側の端部が、前記穴部103内の天井壁103aに固定されている。
【0042】
前記規制板121には、前記第一部材101の穴部形成部101bに設けられた孔127内に挿入されている支持棒128が設けられている。また、前記規制板121には、前記支持棒128が設けられた部分とは反対側の部分に、第二のバネ129が設けられている。この第二のバネ129は、前記規制板121側とは反対側の端部が、前記穴部103の側壁103bに固定されている。
【0043】
前記規制板121には、図11に示すようにくりぬき穴130が形成されている。このくりぬき穴130は、円形部131と矩形部132とを有している。前記円形部131は、前記係合部122と同径か、前記係合部122よりも大径に形成されている。これにより、後述するように、前記係合部122は、前記円形部131を通過することができるようになっている。
【0044】
また、前記矩形部132は、前記軸123が位置することができる大きさに形成されている。
【0045】
前記係合部122は、前記規制板121において、前記くりぬき穴130が開口する二つの開口面のうち、前記天井壁103側の開口面133と当接している。前記係合部122は、前記第一のバネ126の弾発力によって押圧された状態で前記開口面133と当接している。
【0046】
前記規制板121は、前記第二のバネ129の弾発力によって、前記孔127側へ押されており、前記軸123に対して前記矩形部132の壁面132aが押圧状態で当接している。ただし、前記第二のバネ129の弾発力は、押圧移動体120が斜めに傾かない程度の弾発力になっている。
【0047】
ここで、図12に示すように、前記振動付与部104′(図12では図示省略)を有するアタッチメント100′の側面には押圧ボタン134が設けられている。この押圧ボタン134は前記支持棒128と接続されている。前記押圧ボタン134を押すことにより、前記規制板121は、前記第二のバネ129の弾発力に抗して、この第二のバネ129側へ移動するようになっている。
【0048】
この変形例の振動付与部104′の動作について説明する。図10及び図13に示すように、前記係合部122が前記規制板121と係合している場合、すなわち前記係合部122と前記押圧部124の間の前記軸部123に前記規制板121が位置している場合、前記係合部122は前記規制板121の開口面133に対して前記第一のバネ126の弾発力によって押圧状態で当接している。この状態から、前記押圧ボタン134が押されると、前記規制板121が前記第二のバネ129の弾発力に抗してこの第二のバネ129側へ水平方向に移動する。そして、前記規制板121に形成されたくりぬき穴130の円形部131が、図14に示すように前記係合部122の位置まで移動すると、図15に示すように、前記係合部122は、前記第一のバネ126の弾発力によって前記円形部131内へ落下する。さらに、前記係合部122は、前記円形部131を通過して、図16に示すように、前記規制板121よりも前記穴部103の開口側へ移動する。これにより、前記押圧部124の押圧面124aが、前記当接面100aの位置まで達し、前記測定対象Tの表面S(図16では図示省略)に対して機械的振動を付与する。
【0049】
前記押圧ボタン134が押されると、この押圧ボタン134が押されたことを示す信号が、前記アタッチメント102から前記制御部8へ入力される。この信号の入力があると、前記制御部8は、前記弾性波の伝播速度Vを計測するための第二の超音波の送受信が行われるよう前記送受信ビームフォーマ3を制御する。
【0050】
前記押圧移動体120の位置を元の位置、すなわち図10に示すように、前記係合部122が前記規制板121よりも前記天井壁103a側になっている位置に戻すには、操作者は、前記押圧ボタン134を押下して前記規制板121を前記第二のバネ129側へ移動させた状態で、前記押圧部124を、前記天井壁103aへ向かって前記第一のバネ126の弾発力に抗して押し込む。そして、前記係合部122が、前記円形部131を通過して前記規制板121よりも前記天井壁103a側に位置した後に、操作者が前記押圧ボタン134の押下を解除すると、前記規制板121が前記第二のバネ129の弾発力によって、前記孔127側へ移動し、前記矩形部132に前記軸123が位置する状態になる。これにより、前記係合部122は、前記規制板121と係合して、前記開口面133に対して押圧された状態に戻る。
【0051】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、前記制御部8は、図17に示すように、第一の超音波の送受信によって得られる前記ローデータや前記Bモード画像データに基づいて、前記振動付与部104,104′による機械的振動の付与を検出する検出部82を有していてもよい。
【0052】
機械的振動が付与されると、その振動に応じた変化がローデータやBモード画像データに生じる。そこで、前記検出部82は、この振動に応じて生じた前記ローデータやBモード画像データの変化を検出する。
【0053】
前記制御部8は、前記検出部82によって機械的振動の付与が検出されると、前記弾性波の伝播速度Vを計測するための第二の超音波の送受信が行われるよう前記送受信ビームフォーマ3を制御する。
【0054】
ただし、必ずしも機械的振動の発生タイミングに応じて、前記第二の超音波の送信タイミングが制御されなくてもよい。
【0055】
また、上記実施形態においては、前記超音波画像の例として二次元のBモード画像が挙げられているが、前記超音波画像は三次元画像であってもよい。
【0056】
また、前記穴部形成部101bの位置は、上述の位置に限られるものではなく、例えば図18及び図19に示すように、前記アタッチメント100において左右方向の中央部付近に形成されていてもよい。この場合、二つの前記第二部材102,102が、前記穴部形成部101bの両側にそれぞれ設けられる。
【符号の説明】
【0057】
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
2a 送受信面
8 制御部
81 弾性値算出部
100,100′ アタッチメント
103 穴部
104,104′ 振動付与部
107a 押圧面
図1
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