特許第6203599号(P6203599)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤンマー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000002
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000003
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000004
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000005
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000006
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000007
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000008
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000009
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000010
  • 特許6203599-過給機付エンジン 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203599
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】過給機付エンジン
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20170914BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20170914BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20170914BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F01N3/20 DZAB
   F01N3/24 T
   F01N3/08 B
   B01D53/94 222
   B01D53/94 400
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-219693(P2013-219693)
(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公開番号】特開2015-81554(P2015-81554A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年3月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】福井 義典
(72)【発明者】
【氏名】西浦 文浩
(72)【発明者】
【氏名】濱岡 俊次
(72)【発明者】
【氏名】神田 俊久
【審査官】 首藤 崇聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−115538(JP,A)
【文献】 特表2012−523518(JP,A)
【文献】 特開2013−213501(JP,A)
【文献】 特開2010−48111(JP,A)
【文献】 特開2006−316728(JP,A)
【文献】 特開平7−189720(JP,A)
【文献】 特開平10−54251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/20
F01N 3/24
F01N 3/08
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元剤を排気に添加して、触媒によって排気中の窒素酸化物を還元する排気浄化装置を具備する過給機付エンジンであって、
過給機から給気管を介してエンジン本体へ供給される給気の一部を前記給気管の外部に排出可能な給気逃がし弁と、前記給気逃がし弁により逃がした一部の給気を前記給気管の外部に排出する分岐管と、前記給気逃がし弁を操作して前記過給機から前記エンジン本体へ供給される給気の供給量を調整することで前記排気の温度を制御する制御装置とを具備し、
前記制御装置は、前記排気浄化装置に使用される触媒の種類と、該触媒の活性化温度に合わせるように、前記給気逃がし弁の制御を行い、
前記排気浄化装置の作動時に、前記排気の温度が使用されている触媒の予め記憶されている活性化温度に到達するように、前記給気逃がし弁を開閉操作する制御を行い、
前記分岐管内の気圧が所定値以上であり、かつ、前記排気の温度が前記触媒の活性化温度以上である場合には、前記排気浄化装置を作動させ、
前記分岐管内の気圧が所定値未満である場合、または、前記排気の温度が前記触媒の活性化温度未満である場合には、前記排気浄化装置を作動させない
ことを特徴とする過給機付エンジン。
【請求項2】
前記排気浄化装置の現在位置を算出する位置算出装置と、前記分岐管内の気圧を検出する気圧検出装置と、前記排気の温度を検出する温度検出装置とを具備し、
前記制御装置は、前記位置算出装置から排気浄化装置の現在位置の情報を取得して、前記排気浄化装置の現在位置が予め決められた排気の規制区域内であるか否かを判断し、
前記排気浄化装置の現在位置が予め決められた排気の規制区域内である場合には、前記温度検出装置から前記排気の温度の情報を取得して、前記排気の温度が前記触媒の活性化温度に到達しているか否かを確認し、
さらに、前記温度検出装置から前記排気の温度の情報を取得して、前記排気の温度が前記触媒の活性化温度に到達しているか否かを確認する
ことを特徴とする請求項1に記載の過給機付エンジン。
【請求項3】
前記排気浄化装置は、加圧気体と前記還元剤との混合気を噴射するノズルを有し、
前記ノズルから、前記給気逃がし弁が前記給気管から前記分岐管を介して排出した給気と前記還元剤との混合気を噴射させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過給機付エンジン。
【請求項4】
前記給気逃がし弁は、前記給気管から前記分岐管を介して給気を排出するときに、前記排気浄化装置に向けて給気を排出するように配置される
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の過給機付エンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機付エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気浄化装置を具備する過給機付エンジンの技術は公知である(例えば、特許文献1)。従来の過給機付エンジンにおいては、燃費低減の観点から、排気の許容温度を低めに設定しているものがあった。このような過給機付エンジンに対して、尿素水等の還元剤を排気に添加して、触媒によって排気中の窒素酸化物を還元する排気浄化装置(SCRシステム)を設けた場合、排気の温度が触媒の活性化温度まで上昇せず、排気浄化装置の触媒反応の効率が低下するおそれがある。
【0003】
そこで、過給機付エンジンの仕様変更を行い、機関性能と排気温度を両立させる必要がある。すなわち、過給機付エンジンにおいては、排気浄化装置に使用する触媒の種類(活性化温度)に合わせて仕様変更を行い、排気浄化装置に使用する触媒の活性化に必要な排気の温度を得られるように、排気の温度を調整する必要がある。しかし、(1)仕様変更毎に排気ガス規制認証を受験しなおす必要がある、(2)仕様変更毎に開発試験が必要になり、開発試験工数が増えてしまう、(3)仕様変更毎に部品が異なるため、管理する部品点数が増えてしまう、等のデメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−127188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、過給機付エンジンの仕様変更を行うこと無く、排気浄化装置に使用する触媒の活性化に必要な排気の温度を得ることが可能な過給機付エンジンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1においては、還元剤を排気に添加して、触媒によって排気中の窒素酸化物を還元する排気浄化装置を具備する過給機付エンジンであって、過給機から給気管を介してエンジン本体へ供給される給気の一部を前記給気管の外部に排出可能な給気逃がし弁と、前記給気逃がし弁により逃がした一部の給気を前記給気管の外部に排出する分岐管と、前記給気逃がし弁を操作して前記過給機から前記エンジン本体へ供給される給気の供給量を調整することで前記排気の温度を制御する制御装置とを具備し、前記制御装置は、前記排気浄化装置に使用される触媒の種類と、該触媒の活性化温度に合わせるように、前記給気逃がし弁の制御を行い、前記排気浄化装置の作動時に、前記排気の温度が使用されている触媒の予め記憶されている活性化温度に到達するように、前記給気逃がし弁を開閉操作する制御を行い、前記分岐管内の気圧が所定値以上であり、かつ、前記排気の温度が前記触媒の活性化温度以上である場合には、前記排気浄化装置を作動させ、前記分岐管内の気圧が所定値未満である場合、または、前記排気の温度が前記触媒の活性化温度未満である場合には、前記排気浄化装置を作動させないものである。
【0007】
請求項2においては、前記排気浄化装置の現在位置を算出する位置算出装置と、前記分岐管内の気圧を検出する気圧検出装置と、前記排気の温度を検出する温度検出装置とを具備し、前記制御装置は、前記位置算出装置から排気浄化装置の現在位置の情報を取得して、前記排気浄化装置の現在位置が予め決められた排気の規制区域内であるか否かを判断し、前記排気浄化装置の現在位置が予め決められた排気の規制区域内である場合には、前記温度検出装置から前記排気の温度の情報を取得して、前記排気の温度が前記触媒の活性化温度に到達しているか否かを確認し、さらに、前記温度検出装置から前記排気の温度の情報を取得して、前記排気の温度が前記触媒の活性化温度に到達しているか否かを確認するものである。
【0008】
請求項3においては、前記排気浄化装置は、加圧気体と前記還元剤との混合気を噴射するノズルを有し、前記ノズルから、前記給気逃がし弁が前記給気管から前記分岐管を介して排出した給気と前記還元剤との混合気を噴射させるものである。
【0009】
請求項4においては、前記給気逃がし弁は、前記給気管から前記分岐管を介して給気を排出するときに、前記排気浄化装置に向けて給気を排出するように配置されるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、過給機付エンジンの仕様変更を行うことなく、排気浄化装置に使用する触媒の活性化に必要な排気の温度を得ることが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】船舶の構成を示す概略図。
図2】過給機付エンジンの側面図。
図3】過給機付エンジンの吸排気系統を示した概念図。
図4】過給機付エンジンの排気浄化装置を示した概念図。
図5】第一マップαを示す図。
図6】(a)第一マップαの座標α1に対応する第二マップβ1を示す図、(b)第一マップαの座標α2に対応する第二マップβ2を示す図。
図7】船舶の航行時のフローチャート。
図8】過給機付エンジンの変形例の概念図。
図9】試験装置を示す図。
図10】排気浄化装置の入口部の排気の温度と、燃料に含まれるS含有量と、の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
船舶1について説明する。
【0013】
図1に示すように、船舶1は、船体2、船橋3、機関室4、プロペラ9および舵10を具備している。船舶1は、船体2の上部に操縦室等を有する船橋3が設けられている。また、船舶1は、船体2の後方に機関室4が設けられている。機関室4には、船舶1の推進用のエンジンであり、プロペラ9を駆動する主機5と、発電用のエンジンであり、発電機7を駆動する補機8とが設けられている。船体2の船尾には、プロペラ9と舵10とが設けられている。船舶1は、プロペラ軸9aを介して主機5の動力がプロペラ9に伝達可能に構成されている。
【0014】
ここで、主機5と補機8は、それぞれ軽油若しくは重油を燃料とする過給機付エンジン6から構成される。
【0015】
機関室4は、主機5、補機8、発電機7を設置する船内の一区画である。機関室4は、船体2の後方であってプロペラ9の近傍に設けられている。機関室4は、その船尾側に主機5が配置され、船首側に3組の過給機付エンジン6と発電機7とが配置されている。
【0016】
船舶1に搭載された過給機付エンジン6について説明する。なお、本実施形態では、過給機付エンジン6は船舶に搭載されているが、これに限定されない。
【0017】
図2図4に示すように、過給機付エンジン6は、過給機20、エンジン本体(ディーゼルエンジン)40、排気浄化装置50、給気逃がし弁70、制御装置80、位置算出装置90等を具備する。
【0018】
図3に示すように、過給機20は、コンプレッサ部21及びタービン部22を有する。コンプレッサ部21とタービン部22は、連結軸23によって連結されており、一体回転可能に構成されている。過給機20のコンプレッサ部21は、吸気管24及びエアクリーナ25を介して外部に連通されている。また、コンプレッサ部21は、給気管26を介してインタークーラー27に接続されている。インタークーラー27は、給気管28を介してサージタンク29に接続されている。サージタンク29は、エンジン本体40の吸気マニホールド41に接続されている。
【0019】
エンジン本体40の排気マニホールド42は、過給機20のタービン部22に接続されている。タービン部22は排気管32を介して排気浄化装置50に接続されている。また、エンジン本体40の排気マニホールド42には、エンジン本体40の排気の温度を検出する温度検出装置(排気温度計)43が設けられている。また、エンジン本体40には、エンジン本体40の単位時間当たりの回転数(エンジン回転数)を検出するエンジン回転数検出装置44が設けられている。また、エンジン本体40には、エンジン出力を検出する出力検出装置45が設けられている。なお、出力検出装置45に替えて、燃焼室に供給される単位時間当たりの燃料噴出量を検出する燃料検出装置を設けてもよい。
【0020】
エンジン本体40の駆動時において、外部の空気は、過給機20のコンプレッサ部21によってエアクリーナ25を通じて吸入されると共に加圧圧縮される。そして、コンプレッサ部21によって加圧圧縮された空気(給気)は、過給機20から排出される。過給機20から排出された給気は、インタークーラー27に供給されて冷却された後に、サージタンク29に供給される。サージタンク29に供給された給気は、吸気マニホールド41を通じてエンジン本体40に供給される。エンジン本体40は、供給された給気と燃料とをその気筒の内部において混合して燃焼させることで出力軸を回転駆動させる。そして、エンジン本体40は、燃料の燃焼により発生する排気を排出する。エンジン本体40から排出された排気は、排気マニホールド42を通じて過給機20のタービン部22に供給される。タービン部22は、排気が流入することによって回転される。タービン部22の回転動力は、連結軸23を介してコンプレッサ部21に伝達される。タービン部22に流入した排気は、排気管32及び排気浄化装置50を通じて外部に排出される。
【0021】
なお、過給機付エンジン6については二段過給機を具備するものであってもよい。また、エンジン本体40の気筒数については特に限定されない。
【0022】
排気管32には、噴射ノズル51の上流側に分岐管33と排気の通過経路を切り替える排気切替弁34・35が設けられている。分岐管33は、排気管32に接続されている。排気切替弁34は、噴射ノズル51の上流側であって分岐管33の下流側の排気管32の内部に配置されている。排気切替弁35は、分岐管33の内部に配置されている。
【0023】
排気切替弁34・35は、互いに連動して開閉可能に構成されている。具体的には、排気切替弁34・35は、排気切替弁34が開状態のときに排気切替弁35を閉状態になり、排気切替弁34が閉状態のときに排気切替弁35を開状態になるように構成されている。これにより、排気切替弁34が開状態かつ排気切替弁35が閉状態の場合、排気管32は、排気が排気浄化装置50に供給される経路が構成される。一方、排気切替弁34が閉状態かつ排気切替弁35が開状態の場合、排気管32は、排気が排気浄化装置50で浄化されずに分岐管33を通じて外部(大気)に放出される経路が構成される。
【0024】
図4に示すように、排気浄化装置(SCRシステム)50は、エンジン本体40の排気を浄化するものである。排気浄化装置50は、噴射ノズル51、加圧空気供給ポンプ(コンプレッサ)52、加圧空気弁53、還元剤供給ポンプ54、切替弁55、NOx検出部56、第一供給流路58、第二供給流路59、NOx触媒60等を具備する。
【0025】
噴射ノズル51は、還元剤を排気管32の内部に供給するものである。噴射ノズル51は、管状部材から構成され、その一側(下流側)を排気管32の外部から内部へ挿通するようにして設けられる。噴射ノズル51の内部では、加圧気体と還元剤が混合されて、噴射ノズル51からは、加圧気体と還元剤の混合気が噴射される。
【0026】
加圧空気供給ポンプ52は、加圧空気をエアタンク61に供給するものである。加圧空気供給ポンプ52は、空気を加圧(圧縮)して供給する。加圧空気供給ポンプ52は、エアタンク61の圧力が所定の圧力を下回った場合、空気をエアタンク61に供給し、エアタンク61の圧力が所定の圧力に達すると停止する。
【0027】
加圧空気弁53は、加圧空気の流路を連通または遮断するものである。加圧空気弁53は、第二供給流路59に設けられる。加圧空気弁53は、スプールを摺動させることにより位置Vおよび位置Wに切り換えることが可能である。加圧空気弁53は、スプールが位置Vの状態にある場合、第二供給流路59は遮断される。従って、噴射ノズル51には、加圧空気が供給されない。加圧空気弁53は、スプールが位置Wの状態にある場合、第二供給流路59は連通される。従って、噴射ノズル51には、加圧空気が供給される。
【0028】
還元剤供給ポンプ54は、噴射ノズル51に還元剤を供給するものである。還元剤供給ポンプ54は、第一供給流路58に設けられる。還元剤供給ポンプ54は、タンク62内の還元剤を所定の流量で第一供給流路58を介して噴射ノズル51に供給する。
【0029】
切替弁55は、還元剤の流路を切り替えるものである。切替弁55は、第一供給流路58の還元剤供給ポンプ54の下流側に設けられる。切替弁55には、ドレンポット63が流路64を介して接続されている。切替弁55は、スプールを摺動させることにより位置Xおよび位置Yに切り換えることが可能である。切替弁55は、スプールが位置Xの状態にある場合、第一供給流路58は遮断され、噴射ノズル51とドレンポット63とが連通される。切替弁55は、スプールが位置Yの状態にある場合、第一供給流路58は連通される。従って、噴射ノズル51には、還元剤が供給される。
【0030】
NOx検出部56は、エンジン本体40の排気に含まれるNOx排出量を検出するものである。NOx検出部56は、NOxセンサ等から構成され、排気管32の途中部であってNOx触媒60よりも上流側に配置される。
【0031】
NOx触媒60は、NOxの還元反応を促進させるものである。NOx触媒60は排気管32の内部であって、噴射ノズル51よりも下流側に配置される。NOx触媒60は、還元剤が熱・加水分解されて生成されるアンモニアが排気に含まれるNOxを窒素と水とに還元する反応を促進させる。
【0032】
排気浄化装置50の入口部50aには、入口部50aの排気の温度を検出する温度センサ50bが設けられている。温度センサ50bは、噴射ノズル51の下流側に設けられており、噴射ノズル51による還元剤噴出後の排気の温度を検出する。
【0033】
図2図4に示すように、給気逃がし弁70は、過給機20からエンジン本体40への給気の供給量を調整するためのものである。給気逃がし弁70は、インタークーラー27とサージタンク29を連結する給気管28の中途部に設けられて、エンジン本体40のシリンダブロックに固定されている。給気管28はエンジン本体40のブロック内に一体形成される。給気逃がし弁70はエンジン本体40のブロックに設けられ、潤滑油配管30の裏側に設けられる。また、給気逃がし弁70は、潤滑油フィルタ等、メンテナンス作業を行われる部材が多く存在する側に取り付けられている。これにより、給気逃がし弁70により逃がした空気を利用する際、逃がした空気を案内するための配管等を設置しやすい。また、給気逃がし弁70を作動させるためのアクチュエータのメンテナンスを行いやすくなる。また、給気管28の中途部には、給気を給気管28から外部(大気中)へ排出するための分岐管28aが接続されている。分岐管28aには、分岐管28a内の気圧を検出する気圧検出装置28bが設けられている。給気逃がし弁70は、インタークーラー27による冷却後の給気を分岐管28aを介して外部に排出するように構成されている。
【0034】
給気逃がし弁70は、開度を調整することによって、給気管28と分岐管28aの連通部の通路面積を増減させることが可能である。給気逃がし弁70は、給気管28と分岐管28aの連通部の通路面積を増加させることで、分岐管28aを介して外部に排出される給気の量を増加させる。この結果、エンジン本体40への給気の供給量が減少し、エンジン本体40の排気の温度が上昇する。
【0035】
また、給気逃がし弁70は、給気管28と分岐管28aの連通部の通路面積を減少させることで、分岐管28aを介して外部に排出される給気の量を減少させる。この結果、エンジン本体40への給気の供給量が増加し、エンジン本体40の排気の温度が低下する。
【0036】
また、給気逃がし弁70は、閉じることによって、給気管28と分岐管28aの連通部を閉塞することが可能である。その結果、給気管28内の給気が、分岐管28aにより外部に排出されることなく、エンジン本体40へ供給されることとなる。給気逃がし弁70には、給気逃がし弁70を開閉させるための動力を発生するアクチュエータであるモータ71が接続されている。モータ71の回転角θを変更することで、給気逃がし弁70の開度(給気を排出する量)を変更することが可能である。モータ71の回転角θに対応する給気逃がし弁70の開度は、予め決まっている。本実施形態では、給気逃がし弁70は、モータ71の回転角θが増加するにつれて、分岐管28aを介して排出される給気量を増加させる。つまり、給気逃がし弁70は、モータ71の回転角θが増加するにつれて、エンジン本体40への給気の供給量を減少させるように構成されている。その結果、モータ71の回転角θが増加するにつれて、エンジン本体40の排気の温度が上昇することとなる(図6(a)及び図6(b)参照)。
【0037】
図4に示すように、制御装置80は、過給機付エンジン6の各部、及び排気浄化装置50の各部の動作を制御するものである。
【0038】
制御装置80はエンジン回転数検出装置44に接続され、エンジン回転数検出装置44から信号を受信して、エンジン回転数の情報を取得することが可能である。
【0039】
制御装置80は、出力検出装置45(もしくは前記燃料検出装置)に接続され、出力検出装置45から信号を受信して、エンジン出力の情報を取得することが可能である。
【0040】
制御装置80は、気圧検出装置28bに接続され、気圧検出装置28bから信号を受信して、分岐管28a内の気圧の情報を受信することが可能である。
【0041】
制御装置80は、還元剤供給ポンプ54、切替弁55、及び加圧空気弁53にそれぞれ接続され、還元剤供給ポンプ54、切替弁55、及び加圧空気弁53の動作をそれぞれ制御することが可能である。
【0042】
制御装置80は、モータ71に接続され、モータ71を操作して、給気逃がし弁70の動作を制御することが可能である。制御装置80は、排気浄化装置50の現在位置を算出することが可能な位置算出装置90に接続されている。位置算出装置(GPS受信機)90は、GPS衛星から信号を受信して、受信した当該信号に基づいて排気浄化装置50の現在位置を算出する。また、制御装置80には、排気の規制区域マップM1が記憶される。
【0043】
制御装置80には、第一マップαが記憶される。図5に示すように、第一マップαにおいて、縦軸はエンジン出力(もしくは燃料噴出量)を示しており、横軸はエンジン回転数を示している。従って、第一マップαの座標α1・α2・・・は、エンジン出力(もしくは燃料噴出量)と、エンジン回転数と、で構成される。なお、座標α1における、エンジン回転数をN1とし、エンジン出力をF1とする(座標α1=(N1、F1))。
【0044】
制御装置80には、第二マップβ1・β2・・・が記憶される。図6に示すように、第二マップβ1・β2・・・は、モータ71の回転角θと、エンジン本体40の排気の温度Tと、の相関関係を示している。
【0045】
第一マップαの各座標α1・α2・・・は、各第二マップβ1・β2・・・にそれぞれ対応している。座標α1は第二マップβ1に対応しており、座標α2は第二マップβ2に対応している。
【0046】
制御装置80には、排気浄化装置50に用いられる触媒(NOx触媒60)の活性化温度TXの情報が記憶されている。活性化温度TXは、NOx触媒60を活性化させるのに必要な温度である。活性化温度TXは、T1℃以上や、T1℃以上T2℃以下のような幅を有する値であっても良く、又は、幅の無い値T1℃であっても良い。制御装置80は、温度検出装置43に接続されており、温度検出装置43からエンジン本体40の排気の温度Tの情報を受信することが可能である。
【0047】
制御装置80は、温度センサ50bに接続されており、温度センサ50bから、排気浄化装置50の入口部50aの排気の温度の情報を取得することが可能である。
【0048】
以下では、過給機付エンジン6を船舶1に搭載した場合の、制御装置80による過給機付エンジン6の各部の制御態様について、図7を参照して説明する。
【0049】
ステップS1において、船舶1の航行時、制御装置80は、位置算出装置90から排気浄化装置50の現在位置の情報を取得し、取得した排気浄化装置50の現在位置の情報と、規制区域マップM1に基づいて、排気浄化装置50が排気の規制区域外に存在しているか否かを判断する。制御装置80により、排気浄化装置50が排気の規制区域外に存在していると判断された場合には(ステップS1、Yes)、ステップS2に移行する。制御装置80により、排気浄化装置50が排気の規制区域内に存在していると判断された場合には(ステップS1、No)、ステップS4に移行する。
【0050】
ステップS2において、制御装置80は、排気浄化装置50が前記排気の規制区域外に存在していると判断すると、モータ71により給気逃がし弁70を閉じて、給気逃がし弁70により給気管28と分岐管28aの連通部の通路を閉塞させる。これにより、給気管28内の給気が、分岐管28aを介して外部に排出されることなく、エンジン本体40へ供給されている状態となる。
【0051】
ステップS3において、制御装置80は、排気浄化装置50を停止させる。排気浄化装置50を停止させるとは、噴射ノズル51からの還元剤の噴射を停止させることである。本実施形態では、制御装置80は、加圧空気供給ポンプ52及び還元剤供給ポンプ54を停止させると共に、加圧空気弁53のスプールを位置V、切替弁55のスプールを位置Xにそれぞれ切り換えることで、排気浄化装置50を停止させる(図4参照)。そして、ステップS1に移行する。
【0052】
前記ステップ2及びステップ3に示すように、給気逃がし弁70により給気を外部へ排出しないようしている状態を、低燃費モードと称する。以上のように、排気の規制区域外では、上記低燃費モードに切り換えることで、過給機20からの給気を給気逃がし弁70により外部へ排出すること無く、エンジン本体40へ供給できるので、効率よくエンジン本体40を駆動させることが可能となる。
【0053】
ステップS4において、制御装置80は、排気浄化装置50が前記排気の規制区域内に存在していると判断すると、エンジン回転数検出装置44から信号を受信して、エンジン回転数の情報を取得する。本実施形態では、取得したエンジン回転数がN1であったこととする。
【0054】
ステップS5において、制御装置80は、出力検出装置45(前記燃料検出装置)から信号を受信して、エンジン出力の情報(燃料噴出量の情報)を取得する。本実施形態では、取得したエンジン出力がF1であったこととする。
【0055】
ステップS6において、制御装置80は、第一マップαを用いて、前記ステップS4で取得したエンジン回転数N1と、前記ステップS5で取得したエンジン出力(燃料噴出量)F1と、で構成される座標α1を算出する(図5参照)。そして、制御装置80は、座標α1に対応する第二マップβ1を用いて、NOx触媒60の活性化温度TXに対応する回転角θX(目標回転角θX)を算出する(図6(a)参照)。
【0056】
ステップS7において、制御装置80は、モータ71を目標回転角θXまで駆動させる。これにより、エンジン本体40の排気の温度Tが活性化温度TXに到達するように、給気逃がし弁70の開度が調整されることとなる。
【0057】
ステップS8において、制御装置80は、気圧検出装置28bから信号を受信して、分岐管28a内の気圧の情報を取得する。本実施形態では、分岐管28a内の気圧がP1であったこととする。
【0058】
ステップS9において、制御装置80は、温度検出装置43から信号を受信して、エンジン本体40の排気の温度の情報を取得する。本実施形態では、エンジン本体40の排気の温度がT1であったこととする。
【0059】
ステップS10において、制御装置80は、ステップS8において取得した分岐管28a内の気圧P1が、所定値PX以上であるか否かを確認する。所定値PXは、給気逃がし弁70が開いていており、給気の一部が分岐管28a内を流通しているときの分岐管28a内の気圧であり、実験等を行うことによって予め求められている。制御装置80は、分岐管28a内の気圧が所定値PX以上であるときには、給気の一部が分岐管28aを介して給気管28の外部へ排出されていると判断し、所定値PX未満であるときには、給気逃がし弁70が閉じられており、給気が分岐管28aを介して外部へ排出されていないと判断する。さらに、制御装置80は、ステップS9において取得したエンジン本体40の排気の温度T1が、NOx触媒60の活性化温度TXに到達しているか否かを確認する。
【0060】
制御装置80は、分岐管28a内の気圧P1が、所定値PX以上であり(給気の一部が給気管28の外部へ排出されており)、かつ、エンジン本体40の排気の温度T1が、NOx触媒60の活性化温度TXに到達していることを確認した場合には(ステップS10、Yes)、ステップS11に移行する。制御装置80は、分岐管28a内の気圧P1が、所定値PX未満であり(給気逃がし弁70が閉じられており)、又は、エンジン本体40の排気の温度T1が、NOx触媒60の活性化温度TXに到達していないことを確認した場合には(ステップS10、No)、ステップS1に移行する。
【0061】
ステップS11において、制御装置80は、排気浄化装置50を作動させる。排気浄化装置50を作動させるとは、噴射ノズル51から還元剤を噴射させることである。本実施形態では、制御装置80は、加圧空気供給ポンプ52及び還元剤供給ポンプ54を駆動させると共に、加圧空気弁53のスプールを位置W、切替弁55のスプールを位置Yにそれぞれ切り換えることで、排気浄化装置50を作動させる(図4参照)。そして、ステップS1に移行する。
【0062】
前記ステップS11に示すように、エンジン本体40の排気の温度を、NOx触媒60の活性化温度TXに到達させて、さらに、排気浄化装置50を作動させている状態を、排気浄化モードと称する。
【0063】
以上のように、排気の規制区域内では、上記排気浄化モードに切り換えることで、排気の温度を、NOx触媒60の活性化温度TXに到達させた状態で、排気浄化装置50を作動させて、噴射ノズル51から還元剤を噴射させることができ、排気の浄化性能を高めることが可能となる。また、給気逃がし弁70を操作して、エンジン本体40への給気の供給量を調整することで、エンジン本体40の排気の温度を制御できるので、エンジン本体40の仕様変更を行うこと無く、給気逃がし弁70の開度を調整するだけで、排気浄化装置50に使用する触媒の活性化に必要な排気の温度を得ることが可能となる。また、エンジン本体40の排気の温度を制御できるので、排気浄化装置50に使用する触媒の選択性を高めることが可能となる。また、排気浄化装置50の作動時に、エンジン本体40の排気の温度を制御して、良好な排気の温度を保てるので、排気浄化装置50に使用する触媒の寿命をのばすことが可能となる。また、前記ステップ1、及びステップ10に示すように、排気浄化装置50を作動させるための条件を設定することで、排気浄化装置50の誤作動を抑制することが可能となる。また、給気逃がし弁70を操作して、エンジン本体40への給気の供給量を調整するだけで、排気の温度低下を防げるので、必要な排気の温度TXを得るための装置の導入コストを抑制することが可能となる。
【0064】
図8に示すように、なお、分岐管28aを第二供給流路59に接続して、給気逃がし弁70により給気管28から排出した給気を、分岐管28a及び第二供給流路59を介して噴射ノズル51に供給するように構成してもよい。これにより、上記排気浄化モード時に、噴射ノズル51は、給気逃がし弁70が排出した給気を用いて、還元剤を噴射することとなる。従って、加圧空気供給ポンプ52からの加圧空気を用いることなく還元剤を噴射させることが可能となり、加圧空気供給ポンプ52を設けなくてもよいので、合理的な装置構成を実現することが可能となる。また、船内にエアを供給するための装置が無い場合でも、排気浄化装置50を作動させることが可能となる。また、図8、上記ステップS10及びステップS11に示すように、噴射ノズル51は、給気管28内の給気が分岐管28aを介してエアタンク61に供給されている状態で、分岐管28a内の気圧が所定値PX以上に達し、かつ、排気の温度T1が目標値TXに達すると、当該エアタンク61内の給気を用いて還元剤を噴射する。これにより、還元剤の噴射に必要な気圧を確保することが可能となる。
【0065】
なお、分岐管28aの排気口を排気浄化装置50に向けて配置して、給気逃がし弁70により給気管28から給気を排出するときに、排出した給気を排気浄化装置50のセンサ類等にあてて、排気浄化装置50のセンサ類等を冷却するように構成してもよい。これにより、排気浄化装置50のセンサ類等を冷却するための装置を別途設ける必要がなく、合理的な装置構成を実現することが可能となる。
【0066】
図9には試験装置100が示されている。試験装置100は、第一排気管101と、排気浄化装置(触媒槽)102と、第二排気管103と、分岐管(バイパスライン)104と、入口側NOx検出部105と、噴射ノズル106と、出口側NOx検出部107と、NH3 スリップ量検出装置108と、を有する。
【0067】
第一排気管101は、一端がエンジン本体40に接続されており、他端が排気浄化装置102に接続されている。排気浄化装置102の排出側には第二排気管103が接続されている。排気浄化装置102は排気浄化装置50に相当し、触媒(脱硝触媒)を用いて排気を浄化する。エンジン本体40から排出された排気は、第一排気管101→排気浄化装置102→第二排気管103に順に流れて、大気中に放出される。
【0068】
分岐管104は、一端が第一排気管101の中途部に接続されており、他端が第二排気管103の中途部に接続されている。分岐管104は分岐管33に相当する。分岐管33と第一排気管101の連結部には、排気切替弁109・110が設けられている。排気切替弁109は排気切替弁35に相当し、排気切替弁110は排気切替弁34に相当する。分岐管104及び排気切替弁109・110を設けることによって、分岐管104又は第一排気管101のいずれかに排気通路を切り換えることが可能である。
【0069】
第一排気管101における、分岐管33と第一排気管101の連結部の下流側には、入口側NOx検出部105が設けられている。入口側NOx検出部105は、排気浄化装置102に流入する前の排気に含まれる触媒入口NOx量を検出する。第一排気管101における、入口側NOx検出部105の下流側、すなわち、入口側NOx検出部105と排気浄化装置102の間には、噴射ノズル106が設けられている。噴射ノズル106は、噴射ノズル51に相当し、還元剤(尿素水)を第一排気管101の内部に供給する。
【0070】
第二排気管103には、出口側NOx検出部107が設けられている。出口側NOx検出部107は、排気浄化装置102から流出した排気、すなわち、浄化後の排気に含まれる触媒出口NOx量を検出する。第二排気管103における、出口側NOx検出部107の下流側には、NH3 スリップ量検出装置108が設けられている。NH3 スリップ量検出装置108は、NH3 スリップ量、すなわち、第二排気管103を通じて大気中に放出される排気ガスに含まれるアンモニア量を検出する。第二排気管103における、NH3 スリップ量検出装置108の下流側には分岐管104が接続されている。排気浄化装置(触媒槽)102の入口部111には、入口部111の排気の温度を検出する温度センサ112が設けられている。
【0071】
試験装置100は、入口側NOx検出部105による触媒入口NOx量の検出値R1と、出口側NOx検出部107による触媒出口NOx量の検出値R2と、に基づいて、NOx浄化率Q(=(R1−R2)/R1)を算出することが可能である。また、試験装置100は、NH3 スリップ量検出装置108によりNH3 スリップ量を検出することが可能である。
【0072】
図10には、排気浄化装置(触媒槽)102の入口部111の排気の温度と、燃料に含まれるS(硫黄)含有量(%)と、NOx浄化率Qの低下率と、酸性硫安(NH4 HSO3 )の有無と、の関係を示すグラフが示されている。図10のグラフは、試験装置100等を用いてNOx浄化率Q等の各種のデータを取得・分析することで得られたものである。図10のグラフにおいて、縦軸は排気浄化装置(触媒槽)102の入口部111の排気の温度を示し、横軸はエンジン本体40に使用される燃料に含まれるS(硫黄)含有量を示している。図10に示すように、ラインLよりも下側の領域では、酸性硫安(NH4 HSO3 )が生成し、NOx浄化率Qの低下率が大きくなることがわかった(図10の「×」参照)。すなわち、排気浄化装置(触媒槽)102の入口部111の排気の温度が低くなると、酸性硫安(NH4 HSO3 )が生成し、NOx浄化率Qの低下率が大きくなる。酸性硫安が生成されると、酸性硫安により排気浄化装置102の触媒が劣化して、排気浄化機能(NOx浄化率Q)が低下してしまうので、酸性硫安の生成を抑えるほうが好ましい。これに対し、図10に示すように、ラインLよりも上側の領域では、酸性硫安(NH4 HSO3 )が生成しなくなり、NOx浄化率Qの低下率が小さくなることがわかった(図10の「●」、参照)。すなわち、排気浄化装置(触媒槽)102の入口部111の排気の温度が高くなると、酸性硫安(NH4 HSO3 )が生成しなくなり、NOx浄化率Qの低下率が小さくなる。従って、排気浄化装置102の排気浄化機能(NOx浄化率Q)を良好な状態に保持するためには、排気浄化装置(触媒槽)102の入口部111の排気の温度がラインLよりも上側の領域にくるように、エンジン本体40の排気の温度を制御することが好ましい。
【0073】
上記した過給機付エンジン6は、給気逃がし弁70を用いてエンジン本体40の排気の温度を制御できる。これにより、過給機付エンジン6は、排気浄化装置(触媒槽)102の入口部111の排気の温度がラインLよりも上側の領域にくるように、エンジン本体40の排気の温度を制御できる。従って、酸性硫安の生成を抑制することができ、NOx触媒60の劣化の進行を抑えることが可能となる。
【符号の説明】
【0074】
6 過給機付エンジン
20 過給機
40 エンジン本体
50 排気浄化装置
60 NOx触媒
70 給気逃がし弁
80 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10