【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例に係る操作パネル式情報端末の一例であるタッチパネル式情報端末を穀粒外観検査用手段として機能させるアプリケーションプログラム及び記憶媒体、並びに、撮像手段と操作パネル式情報端末とを組み合わせた穀粒判別システム、該穀粒判別システムのアプリケーションプログラム及び記憶媒体について詳細に説明する。
【0028】
(実施例1)
図1乃至
図3を参照して、本実施例1に係るアプリケーションプログラム及びこのアプリケーションプログラムを搭載した例えばタッチパネル式の操作パネル情報端末1について説明する。
【0029】
まず、
図1乃至
図3を参照して操作パネル式情報端末の一例であるタッチパネル式情報端末1について概説する。タッチパネル式情報端末1としては、例えばiPad(登録商標)等を用いるものである。
【0030】
このタッチパネル式情報端末1は、公知のように、例えば、薄型直方体状の端末本体2と、この端末本体2の表面部分に配置した例えば穀粒外観検査を行う検査員が指等でタップ操作等を行うとともに、各種画像、文字情報等を表示する操作パネル式操作表示部であるタッチパネル式操作表示部3と、を有している。
【0031】
前記端末本体2は、
図1に示すように、全体の制御を実行するための制御プログラム及び本実施例1に係る詳細は後述するアプリケーションプログラムを格納したプログラムメモリ4と、全体の制御を実行する制御部10と、国が作成した例えば玄米粒の外観検査用の限界基準品、標準品に相当する各種画像データ、規格に基づく文字情報、画面操作誘導用の各種アイコン等を記憶した端末記憶部5と、予め端末本体2に搭載している穀粒の画像を撮像するためのカメラ6と、予め端末本体2に搭載しているカメラ画像処理部11と、予め端末本体2に搭載している電子メール処理部7と、予め端末本体2に搭載しているインターネット網Nを介して例えば検査員の属する検査本部等のコンピュータとデータの送受信を行う通信処理部8と、外部記憶媒体12からのデータ読み込み又は外部記憶媒体12に対するデータ書き込みを行うための記憶媒体用インターフェース9と、を主な要素として備えている。
【0032】
本実施例1に係るアプリケーションプログラムは、詳細は後述するが前記操作パネル式情報端末の一例であるタッチパネル式情報端末1に搭載され、タッチパネル式操作表示部3に対するタップ操作に応じて前記端末記憶部5に記憶した穀粒外観検査用の限界基準品、標準品に関する各種画像データの読み出し処理、タッチパネル式操作表示部3への表示処理等を実行するように構成している。
【0033】
また、本実施例1に係るアプリケーションプログラムは、タッチパネル式操作表示部3に対する指操作に応じて、このタッチパネル式操作表示部3に表示された画像の拡大縮小処理、立体画像の回転処理等の機能も有している。
【0034】
次に、本実施例1に係るアプリケーションプログラムを搭載した操作パネル式情報端末の一例であるタッチパネル式情報端末1を穀粒外観検査用手段として機能させる一連の処理について、
図3、
図4乃至
図12を参照して説明する。
【0035】
図3は本実施例1に係るアプリケーションプログラムの処理内容を示すフローチャートであり、
図4は前記アプリケーションプログラム基づきタッチパネル式操作表示部3に表示される穀粒外観検査用のスタート画面である。
【0036】
図4に示すスタート画面で、検査員がアイコン(画像アイコン)を押す(タップする)と、アプリケーションプログラムに基づき端末記憶部5から
図5に示すような限界基準品、標準品の各種画像が読み出され、タッチパネル式操作表示部3に表示される。
【0037】
図5に示す限界基準品、標準品の各種画像のうち、検査員が限界基準品を選択(タップ)した場合、アプリケーションプログラムに基づき端末記憶部5から
図6に示すような明確な規格で定められた限界基準品(被害粒、胴割粒、部分着色粒等)の各種画像が読み出され、タッチパネル式操作表示部3に表示される。
【0038】
図6に示す多数の限界基準品の画像から、検査員がその中の一つの限界基準品である部分着色粒の画像を選択(タップ)すると、アプリケーションプログラムに基づき端末記憶部5から
図7に示すような限界基準品である部分着色粒の画像(立体的画像)と、部分着色粒に関して定められた規格を示す文字情報が読み出され、タッチパネル式操作表示部3に表示される。
【0039】
このとき、アプリケーションプログラムに基づき、タッチパネル式操作表示部3の下欄右側には画像の背景色変化用の例えば5種のアイコンが、また、タッチパネル式操作表示部3の下欄左側には整粒、部分着色粒選択用の例えば3種のアイコンが同時に表示される。
【0040】
図7に示す画面において、検査員が右下の背景色変化用のアイコン(青色)を押す(タップ)と、アプリケーションプログラムに基づき
図7に示す部分着色粒の画像の背景色が
図8に示すように青色に変化する。
【0041】
これは、農産物検査を行う際、カルトンという合成樹脂製の皿に穀物を載せ検査を行うことに対応するためである。
【0042】
また、カルトンには様々な色があるため、本実施例においてはアプリケーションプログラムに基づきその色を
図7下欄右側に示すように例えば5種に変化できるように構成している。
【0043】
一方、
図7に示す画面において、検査員がタッチパネル式操作表示部3の下欄左側の整粒のアイコンを押す(タップ)と、アプリケーションプログラムに基づき端末記憶部5から
図9に示すような何の被害も受けていない限界基準品である整粒の画像(立体画像)が読み出され、タッチパネル式操作表示部3に表示される。
【0044】
この整粒の画像(立体画像)は、アプリケーションプログラムに基づき検査員がタッチパネル式操作表示部3の画面に指を当て、指を緩やかに動かすことによって立体的のまま画像を回転させて視認できるように構成してあり、これにより、表示されている整粒の形の特徴を明確に把握できるようにしている。
【0045】
更に、本実施例1においては、
図9に示すような整粒の画像(立体画像)を基にその一粒をアプリケーションプログラムに基づき
図10上欄に示す態様でタッチパネル式操作表示部3の画面に表示し、検査員による指のピンチ操作によってこの整粒の画像を
図10下欄に示すように拡大したりできるように構成してあり、これによっても表示されている整粒の形の特徴を明確に把握できるように構成している。
【0046】
また、
図5に示す限界基準品、標準品の各種画像のうち、検査員が標準品を選択した場合には、アプリケーションプログラムに基づき端末記憶部5から
図11に示すように全国複数ブロックに分けられた標準品の画像が等級別に読み出され、タッチパネル式操作表示部3の画面に表示される。
【0047】
なお、
図11においては、北海道産きらら2種と宮城県産ひとめぼれ2種からなる4個の画像をタッチパネル式操作表示部3の画面に表示した例を示している。
【0048】
そして、
図11に示す各画像のうちの一つの画像(例えば、水稲うるちもみ、北海道産きらら)の画像を選択(タップ)すると、アプリケーションプログラムに基づき
図12に示すようにトレーに載せた当該画像が原寸大でタッチパネル式操作表示部3の画面に表示される。
【0049】
このような画像も検査員の2本の指のピンチ操作により拡大表示したり縮小表示したりすることができる。
【0050】
なお、
図13はアプリケーションプログラムに基づき端末記憶部5から一粒の麦粒の画像を読み出しタッチパネル式操作表示部3の画面に表示した例を示し、
図14は検査員による指のピンチ操作によって
図13に示す画像をタッチパネル式操作表示部3の画面に拡大表示した例を示している。
【0051】
また、
図15はアプリケーションプログラムに基づき端末記憶部5からトレーに載せた多数の大豆粒の画像を読み出しタッチパネル式操作表示部3の画面に表示した例を示し、
図16は検査員による指のピンチ操作によって
図15に示す画像をタッチパネル式操作表示部3の画面に拡大表示した例を示している。
【0052】
以上説明した本実施例1に係るアプリケーションプログラム及びこのアプリケーションプログラムによれば、以下のような作用、効果を発揮させることができ、前記タッチパネル式情報端末1を穀粒外観検査用手段として有効に機能させることが可能となる。
【0053】
すなわち、上述したような機能を有するアプリケーションプログラムを搭載したタッチパネル式情報端末1を利用することによって、検査員は、予めタッチパネル式情報端末1に記憶保持した穀粒外観検査用の限界基準品、標準品に関する各種画像をタッチパネル式操作表示部3に対するタップ操作を順に実行するだけで、明確に視認することができ、検査すべき玄米等の穀粒の外観検査を的確に行うことが可能となる。
【0054】
更に詳述すると、従来においては穀粒の現物で見ていたものを、タッチパネル式情報端末1の画面にていつでも簡単に視認し確認することが可能となる。
【0055】
現物である標準品等は農産物であるため必ず経年劣化が生じ、色の変化が発生することから、外観検査の正確性、信頼性の点で不十分であったが、本実施例1によればそのような不備な点は解消され、かつ、いずれの検査員が操作しても同一の穀粒画像が表示されることから、いままでばらついていた検査員の検査技術を向上させることも可能となる。
【0056】
また、実際に穀粒の外観検査を行う際には穀粒をカルトンという皿に入れて外観を確認することが多いが、上述したアプリケーションプログラムを搭載したタッチパネル式情報端末1を利用することによって、タップ操作だけで穀粒画像の背景色を変えることができ、これにより、検査すべき玄米等の穀粒の外観判別が容易となり、作業効率が向上する。
【0057】
更に、画像を拡大したり、限界基準品の立体的な穀粒画像については、画面操作によって回転表示等を行うことができるので、穀物の裏面や形状をごく簡単に確認することができ、検査すべき玄米等の穀粒の外観判別の正確性を期することができる。
【0058】
我国における各穀粒生産地域での対応について考察すると、国が作成した標準品は、あくまでもその地域に出回っている限られた品種を使用して作成しているため、それをその地域における全ての品種の標準品とすることは難しく、その場合は各地域で国の標準品を参考にして実際に出回っている多くの品種の標準見本を作製する場合がある。
【0059】
これについても今までは現物で作成しなければならなかったが、多くの品種の標準見本を一ずつ作成し本実施例1に係るアプリケーションプログラムを利用してその各画像見本をタッチパネル式情報端末1に内蔵することによって、統一された各画像見本を多くの検査員が共有することが可能となり、個々の生産地域に出回っている限られた品種別に関する外観検査の正確性、信頼性向上に大いに寄与することが可能となる。
【0060】
本実施例1に係るアプリケーションプログラム及びこのアプリケーションプログラムを搭載した操作パネル式情報端末の一例であるタッチパネル式情報端末1を利用して、例えば玄米粒等の外観検査を行うことにより、従来不可能であった画像による等級格付けの可能性が生じ、新たな農産物検査のモデルがいくつか考えられる。
【0061】
例えば、従来においては農産物検査は検査場所(全国約10,000個所)で専門資格を所有する検査員が等級格付けを行っていたが、検査対象が玄米粒等の農産物であることから、疑問品(1等なのか2等なのか或いは3等なのか等)については、サンプルを一旦事務所等に持ち帰り、他の検査員や、然るべき技術指導者に判断を仰ぐ場合が多々生じる。
【0062】
このような場合においても、本実施例1によれば、前記操作パネル式情報端末の一例であるタッチパネル式情報端末1を使用し、疑問品等の画像をカメラ6により撮像し、電子メール処理部7により電子メールを作成して通信処理部8、インターネット網Nを介して例えば検査員の属する検査本部等のコンピュータとデータの送受信を行うことにより検査本部等の専門家の判断を仰ぐ等の迅速な検査処理を実現することも可能となる。
【0063】
本実施例1に係るアプリケーションプログラムを、例えばSD(Secure Digital)メモリーカードのような外部記憶媒体12に記憶し、前記記憶媒体用インターフェース9を利用して端末本体2を当該アプリケーションプログラムに基づき上述した場合と同様に動作させることとによって、汎用されているタッチパネル式情報端末1を穀粒外観検査用手段として機能させるようにすることもでき、本実施例1に係るアプリケーションプログラムを多くの検査員用として有効利用することも可能である。
【0064】
このように、本実施例1に係るアプリケーションプログラム及びこのアプリケーションプログラムを搭載したタッチパネル式情報端末1によれば、穀粒の外観検査、等級検査等の正確性、信頼性を確保し、穀粒取引の公平性を実現することが可能となる。
【0065】
(実施例2)
本発明の実施例2に係る撮像手段21と操作パネル式情報端末1Aとを組み合わせた穀粒判別システム61、該穀粒判別システム61のアプリケーションプログラム及び記憶媒体について
図17乃至
図23を参照して説明する。
【0066】
なお、本実施例2において、前記実施例1の場合と同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0067】
まず、
図17乃至
図20を参照して本実施例2に係る撮像手段21と操作パネル式情報端末1Aとを組み合わせた穀粒判別システム61について詳述する。
【0068】
本実施例2に係る撮像手段21は、
図17、
図19に示すように、上部撮像・照明ユニット22と、下部照明ユニット23と、判別対象である任意数の穀粒を載置するトレー24とを具備している。
【0069】
前記上部撮像・照明ユニット22は、電源部25と、上部撮像・照明ユニット22全体の制御を実行するCPU又はDSP(Digtal Signal Processor)により構成されるユニット制御部26と、このユニット制御部26により制御されるワークメモリ27、例えば穀粒の外観画像データを外部に無線又は有線送信する通信インターフェース28、周囲温度を検知する温度センサ29、照明コントローラ30を有している。
【0070】
そして、前記照明コントローラ30に、例えば白色光を発光するLED(Light Emitting Diode)素子31Aを用いた反射画像光源を構成する上部発光部31を接続し、上部発光部31からトレー24に向けて照明光を照射するように構成している。
【0071】
また、前記上部撮像・照明ユニット22は、トレー24上の任意数の穀粒に対向させる撮像用の光学系32、穀粒を撮像しその外観画像データ(カラー画像データ)を生成するイメージセンサ(カラーイメージセンサ)33、前記ユニット制御部26による制御の基にイメージセンサ33から伝送される画像データを取り込み、画像メモリ35に記憶するデータ処理部34を具備している。前記光学系32、イメージセンサ33により撮像部を構成している。
【0072】
前記データ処理部34は、例えばユーザーがプログラマブル可能な半導体デバイスの一種であるFPGA(Field Programmable Gate Arrays)により構成している。
【0073】
前記データ処理部34は、
図18に示すように、イメージセンサ33からの画像データの読み込み、この画像データの画像メモリ35への記憶、画像データの通信インターフェース28への伝送等の各制御を行うようにユーザーによりプログラムされたプログラムデータをICチップに格納した構成となっている。
【0074】
前記下部照明ユニット23は、
図17に示すように、電源部36、例えばCPUにより構成される下部照明ユニット制御部37を有し、下部照明ユニット制御部37により、前記上部発光部31からの照明光を検知する光量センサ38、周囲温度を検知する温度センサ39、トレー24上の穀粒の移動を検出する振動センサ40の動作を各々制御するように構成している。
【0075】
なお、下部照明ユニット制御部37を無くし、前記ユニット制御部26により下部照明ユニット23の各要素を制御する構成とすることもできる。
【0076】
更に、前記下部照明ユニット制御部37により、撮像用照明コントローラ41を介して、前記トレー24の下側から穀粒に撮像用の照明光を照射するLCD等からなる透過画像光源を構成する下部発光部(例えば10.4インチバックライト付きLCD)43の発光を制御するように構成している。前記下部発光部43は、透過光型で、任意に光量の強弱を制御出来る発光点を複数持つ発光体により構成している。
【0077】
この場合、前記撮像用照明コントローラ41としては、LVDS(Low Voltage Differrential Signaling)変換機能を有するLCD(Liquid Crystal Display)用の画像用インターフェース等を含んで構成することができる。
【0078】
次に、操作パネル式情報端末の一例であるタッチパネル式情報端末1Aについて、
図17を参照して説明する。
【0079】
前記タッチパネル式情報端末1Aは、実施例1の場合と同様、例えば薄型直方体状の端末本体2Aと、この端末本体2Aの表面部分に配置した例えば穀粒判別を行うオペレータが指等でタップ操作等を行うとともに、各種画像、文字情報等を表示するタッチパネル式操作表示部3と、を有している。
【0080】
また、前記端末本体2Aは、
図17に示すように、全体の制御を実行するための制御プログラム及び本実施例2係る詳細は後述するアプリケーションプログラムを格納したプログラムメモリ4と、全体の制御を実行する制御部10と、国が作成した例えば玄米粒の検査用の限界基準品、標準品に相当する各種画像データ、規格に基づく文字情報、画面操作誘導用の各種アイコン、判定項目情報等を記憶するとともに、撮像した画像データ、更には判定結果情報をも記憶する端末記憶部5と、撮像した画像データの画像処理を行う画像処理部11Aと、予め端末本体2に搭載している電子メール処理部7と、予め端末本体2に搭載しているインターネット網Nを介して例えば検査員の属する検査本部等のコンピュータとデータの送受信を行う通信処理部8と、外部記憶媒体12からのデータ読み込み又は外部記憶媒体12に対するデータ書き込みを行うための記憶媒体用インターフェース9と、前記上部撮像・照明ユニット22における通信インターフェース28との間で、無線又は有線で交信する通信インターフェース13と、を主な要素として備えている。
【0081】
上述したように、前記端末本体2Aは、基本的には実施例1の場合と同様な構成要素を備えているが、プログラムメモリ4に全体の制御を実行するための制御プログラム及び詳細は後述するアプリケーションプログラムを格納したこと、端末記憶部5に、例えば玄米粒の検査用の限界基準品、標準品に相当する各種画像データ、規格に基づく文字情報、画面操作誘導用の各種アイコン等からなる判別基準画像情報を記憶したこと、更に、端末記憶部5に例えば玄米粒に関する判定項目情報を記憶したこと、が特徴である。
【0082】
この他の構成は前記実施例1の場合と同様である。
【0083】
なお、前記撮像手段21とタッチパネル式情報端末1Aとは、無線又は有線通信方式の他、ケーブル接続方式、更にはメモリーカードを利用した方式等により、画像データの伝送を行うことができる。
【0084】
本実施例2に係るアプリケーションプログラムは、前記タッチパネル式情報端末1Aに搭載され、前記撮像手段21により撮像した任意数の玄米粒等からなる穀粒の画像データを端末記憶部5に記憶するとともに、前記任意数の穀粒の画像データに対する前記限界基準品、標準品に関する各種画像データを基にした粒質判別計算を行い、撮像した任意数の穀粒の画像データの粒質を各々判別し、更に、判定項目情報に関連付けた判別結果を得る処理と、前記判別結果を端末記憶部5に記憶する処理と、前記端末記憶部5に記憶した前記判別結果をタッチパネル式操作表示部3に対するタッチ操作に応じてこのタッチパネル式操作表示部3に表示する処理と、を実行するように構成している。
【0085】
本実施例2に係るアプリケーションプログラムによる判定項目情報としては、例えば、玄米粒に関しては、整粒(肌ずれの有無)、未熟粒(乳白・基部未熟・青未熟・心白・腹白・その他未熟)、死米(白死米・青死米)、着色粒(全面着色・部分着色・赤米)、被害粒(発芽・芽くされ・胴割・き形・虫害・病害・砕粒・茶米)等の例を挙げることができる。
【0086】
また、精米粒については、正常粒(胚芽無し・胚芽痕跡・胚芽平滑・胚芽原形)、粉状質粒(全面粉状・半分粉状・心白・腹白)、被害粒(損傷・き形・その他被害・砕粒)、着色粒(全面着色・カメムシ着色・センチュウ着色・病変着色)、異種穀粒等の例を挙げることができる。
【0087】
更に、本実施例2に係るアプリケーションプログラムによる判別結果情報としては、判別粒毎の判別項目付きのサムネイル画像、判別粒質ごとの粒数及び組成率(粒数%、質量換算%)、粒形分析のヒストグラム等の例を挙げることができる。
【0088】
次に、
図19、
図20を参照して、前記上部撮像・照明ユニット22と、下部照明ユニット23の各要素の実体的構成について概説する。
【0089】
前記上部撮像・照明ユニット22は、箱型状の上部筐体51を具備し、この上部筐体51の各部に上述した各要素を搭載している。
【0090】
図19においては、前記上部撮像・照明ユニット22の一部の要素である電源部25、データ処理部34、イメージセンサ33、下部照明ユニット23側に向けた光学系32を構成するレンズ32A、複数のLED素子31Aを用い下部照明ユニット23側に向けた上部発光部31、この上部発光部31に所定の電圧を印加する定電圧回路44を配置した構成を示している。
【0091】
また、前記下部照明ユニット23は、透過光型に構成され、箱型状の下部筐体62を具備し、
図19に示すように、この下部筐体62に前記上部発光部31、光学系32を構成するレンズ32Aに対向させた配置で下部発光部43を配置し、この下部発光部43上に前記トレー24を載置する構成とするとともに、前記下部筐体62内に、前記電源部36、下部照明ユニット制御部37、撮像用照明コントローラ41を配置した構成を示している。
【0092】
前記下部照明ユニット23は、例えば、バックライトを有するLCDやOLED(有機ELディスプレイ)等で構成され、任意に光量の強弱を制御出来る発光点を複数持つことを特徴とする発光体である。
【0093】
前記下部照明ユニット23を用いた場合、穴あきトレーを用いなくても、透過光による測定が可能になるため、穴あきトレーに被測定粒を並べる手間が不要になり測定準備に掛かる時間が短縮される利点がある。
【0094】
前記下部照明ユニット23を用い、前記イメージセンサ33により撮像した胴割粒画像の一例を
図24に示す。
【0095】
ここで、穀粒の胴割の有無と画像の濃淡について補足説明を行う。
【0096】
測定対象である試料の一部に光を当てると、光が当った部分が最も明るくなり、光源から遠くなるに従って試料内部を散乱して到達するため暗くなっていく。
【0097】
測定対象が穀粒の場合、穀粒画像の明るさの変化は、胴割による亀裂が無ければ
図25に示すように滑らかに見える。
【0098】
一方、胴割による亀裂がある穀粒の場合、亀裂部分で光の散乱が強く生じるため、
図26に示すように亀裂の前後で明るさに急激な変化が見られる。
【0099】
本実施例2においては、
図24から明らかなように下部照明ユニット23の例えばバックライトを有するLCD上の発光点上で、胴割粒の中央の胴割により像の明暗が生じていることが判明した。
【0100】
一方、従来の穀粒判別器に使用される下部照明ユニットの場合、透過光は発光点が決まっているため、例えば胴割粒を判別する場合、被検査粒の軸に対して照明方向を一定に保つ必要があった。
【0101】
また、従来のような搬送円板式の穀粒判別器では、1粒毎の測定になるため、画像処理時間以外に穀粒の物理的な移動のための時間が制約になっていたとともに、胴割粒と心白粒を区別するため別々の光源で判別する必要ある等、複数の測定系が必要であるという不便さを有していた。
【0102】
更に、画像スキャナーを利用した穀粒判別器の場合には、穀粒穴あきトレーに載せることが不可欠であるという不便さを有していた。
【0103】
図20は、前記上部撮像・照明ユニット22の概略断面を示すものであり、上部筐体51内に主基板52を水平配置し、主基板52の中央部でイメージセンサ基板53によりイメージセンサ33を支持し、更に、その下部に取り付けたレンズ鏡筒54により前記レンズ32Aを支持し、レンズ鏡筒54の下端部には偏光板55を取り付けている。
【0104】
また、レンズ鏡筒54の回りには、放熱板56を取り付け、前記LED素子31Aを支持するとともに、LED素子31Aの下方に位置する上部筐体51の下端面には、拡散板57、防塵板58を取り付けた構成としている。
【0105】
次に、本発明の実施例2に係る撮像手段21と操作パネル式情報端末1Aとを組み合わせた穀粒判別システム61による穀粒判別処理について説明する。
【0106】
穀粒判別システム61における撮像手段21によるトレー24上の穀粒の撮像処理及び操作パネル式情報端末1Aによる画像処理の全体的な流れとしては、以下のような例を挙げることができる。
【0107】
(A)撮像手段21の上部発光部31を点灯後、反射光によってイメージセンサ33による穀粒の画像を撮像し画像データを得る。そして、操作パネル式情報端末1Aにおける画像処理により穀粒の位置を検出し、透過光源である下部発光部43の発光形状を算出する。また、操作パネル式情報端末1Aにおける画像処理により胴割れ以外の検出を行う。
【0108】
(B)下部発光部43の点灯後、透過光によってイメージセンサ33による穀粒の画像を撮像し画像データを得る。そして、操作パネル式情報端末1Aにおける画像処理により胴割れ検出を行う。
【0109】
(C)以上の処理結果によっては、
図30に示すように、白未熟粒検出のため、下部発光部43を別パターンで点灯し、透過光による2回目の撮像を行う。すなわち、
図30に示すように反射光による心白粒の撮像の他に、透過光(全面)による心白粒の撮像、透過光(スポット)による心白粒の撮像を行う。
【0110】
(D)測定項目によっては、イメージセンサ33から遠い面にある着色
粒の裏面の検出のため下部発光部43を別パターンで点灯し、透過光によ
る撮像を行う。すなわち、
図31に示すように、反射光によ
る撮像の他に、透過光(全面)によ
る撮像(裏)、透過光(スポット)によ
る撮像を行う。
【0111】
(E)以上のような照明方法により、従来の反射光による画像ではイメージセンサ33からは見えない試料の内部・裏側の状態を測定することができ、試料の上下にイメージセンサ33を配置しなくても良いという利点がある。
【0112】
次に、本実施例2に係るアプリケーションプログラムを搭載したタッチパネル式情報端末1Aの一連の処理について、
図21乃至
図23を参照して概説する。
【0113】
図21は本実施例2に係るアプリケーョンプログラムの処理内容を示すフローチャートであり、
図22は前記アプリケーションプログラムに基づきタッチパネル式操作表示部3に表示される穀粒判別のための初期画面である。
【0114】
まず、
図22に示す初期画面において、例えば玄米測定を選択(タップ)し前記アプリケーションプログラムをスタートさせる。
【0115】
次に、撮像手段21にてトレー24上に整列配置した多数の玄米粒の画像を撮像し、その画像データを上述したようにしてタッチパネル式情報端末1Aに伝送する。
【0116】
撮像手段21にて撮像された多数の玄米粒の画像データは、前記アプリケーションプログラムに基づき前記画像処理部11Aにより画像処理された後、前記端末記憶部5に記憶される。
【0117】
次に、前記アプリケーションプログラムに基づき、前記任意数の穀粒の画像データに対する前記限界基準品、標準品に関する各種画像データを基にした粒質判別計算を行い、撮像した任意数の穀粒の画像データの粒質を各々判別し、更に、個々の玄米粒について各々判定項目情報に関連付けた判別結果を得る。
更に、前記アプリケーションプログラムに基づき、前記判別結果を端末記憶部5に記憶する。
【0118】
そして、オペレータのタッチパネル式情報端末1Aに対する結果表示のためのタップ操作により、前記アプリケーションプログラムによって、例えば、
図23に示すような判別された整粒、部分着色粒等のような各玄米粒毎の判別項目付きの数個のサムネイル画像がタッチパネル式操作表示部3に表示される。なお、
図23においては、一例として8個の玄米粒に関する判別結果を表示している。
【0119】
この他、図示しないが、前記アプリケーションプログラムによって、判別粒質ごとの粒数、組成率(粒数%、質量%)及びヒストグラムを算出しタッチパネル式操作表示部3に表示したり、前記アプリケーションプログラムによって、撮像画像を拡大、縮小処理したり、立体画像の場合には回転処理したり、粒質毎に並び替えて表示したり、一粒毎の粒質、典型度、粒長、粒幅、投影面積等を算出しタッチパネル式操作表示部3に表示したりすることもできる。
【0120】
本実施例2に係る撮像手段21と操作パネル式情報端末1Aとを組み合わせた穀粒判別システム61によれば、前記撮像手段21にて玄米粒等からなる穀粒の画像を撮像して画像テータを得た後、操作パネル式情報端末1Aに伝送し、各穀粒の画像データを処理して粒質を判別してタッチパネル式操作表示部3に表示するように構成しているので、撮像手段21により各穀粒の反射光による画像データ、又は、透過光による画像データを基に操作パネル式情報端末1Aによりこれら穀粒の種々の粒質を的確、かつ、広範囲に判別し、判別結果を表示することが可能な簡略で操作のし易い斬新な穀粒判別システム61を実現し提供することができる。
【0121】
なお、本実施例2に係る穀粒判別システム61によれば、前記撮像手段21により玄米粒等を撮像し、タッチパネル式情報端末1Aの端末メモリ5に記憶保持しておくことによって、玄米粒等の撮像時点と粒質判定時点とをずらして行うような使用態様をとることもできる。
【0122】
また、本実施例2によれば、前記タッチパネル式情報端末1Aを使用し、撮像した玄米粒等の画像を電子メール処理部7、通信処理部8、インターネット網Nを介して実施例1の場合と同様に外部のコンピュータとデータの送受信を行うことにより専門家の判断を仰ぐ等の迅速な判別処理を実現することも可能となる。
【0123】
更に、撮像した玄米粒等の画像を公知のようなクラウド管理に供することによって、当該画像データを多くの人で共有するという使用態様を実現することもできる。
【0124】
本実施例2に係るアプリケーションプログラムを、
図17に示すように、例えばSDカードのような外部記憶媒体12に記憶し、前記記憶媒体用インターフェース9を利用して端末本体2Aを当該アプリケーションプログラムに基づき上述した場合と同様に動作させることによって、汎用されているタッチパネル式情報端末1Aを上述したように機能させることもでき、本実施例2に係るアプリケーションプログラムを多くのオペレータ用として有効利用することも可能である。
【0125】
また、
図30に示すような下部発光部31の発光による透過光(全面)による心白粒の撮像、透過光(スポット)による心白粒の撮像や、
図31に示すような、透過光(全面)による着色粒の撮像(裏)、透過光(スポット)による着色粒の撮像(裏)を行うことができる。
【0126】
このような照明方法により、従来の反射光による画像ではイメージセンサ33からは見えない試料の内部・表側の状態を測定することができ、試料の下部にイメージセンサ33を配置しなくても良いという利点がある。
【0127】
(実施例3)
本発明の実施例3に係る撮像手段21Aと操作パネル式情報端末1Aとを組み合わせた穀粒判別システム61Aについて
図27乃至
図29を参照して説明する。
【0128】
なお、本実施例3における操作パネル式情報端末1A、穀粒判別システム61Aのアプリケーションプログラム及び記憶媒体は、既述した実施例2の場合と同様である。
【0129】
また、本実施例3において、前記実施例1、2の場合と同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0130】
本実施例3に係る撮像手段21Aは、基本的には実施例2に係る撮像手段21の場合と略同様な構成であるが、撮像手段21Aを、上部撮像ユニット71と、下部照明ユニット81と、これらの間に配置した判別対象である任意数の穀粒を載置するトレー24とにより構成したことが特徴である。
【0131】
前記上部撮像ユニット71は、この上部撮像ユニット71を構成する上部筐体51A内において、既述した実施例2に係る上部撮像・照明ユニット22における上部筐体51内の照明コントローラ30、上部発光部31、LED素子31A、定電圧回路44に相当する要素を無くすとともに、上部筐体51Aの下部位置に、前記トレーの上方からこのトレー24に平行に対向させる配置で穀粒の撮像光が前記光学系32に向けて通過可能な撮像穴73を設けた反射板72を設けている。
【0132】
前記上部撮像ユニット71におけるこの他の構成は、既述した実施例2に係る上部撮像・照明ユニット22の場合と略同様である。
【0133】
前記下部照明ユニット81は、前記トレーの24下方位置の下部筐体62Aに配置した透過光型で、任意に光量の強弱を制御できる発光点を複数持つ発光体により構成した下部発光部43からなる第1の発光部82と、前記下部筐体62Aの上面側に配置されるとともに、前記反射板72の下方からこの反射板72に向けて照明光を照射する複数のLED素子(白色LED素子)83からなる第2の発光部84と、を具備している。
【0134】
更に、前記下部照明ユニット81は、下部筐体62A内において、既述した実施例2に係る下部照明ユニット23における光量センサ38に相当する要素を無くすとともに、前記複数のLED素子83を点灯駆動するための定電圧回路85を設けている。
【0135】
前記下部照明ユニット81におけるこの他の構成は、既述した実施例2に係る下部照明ユニット23の場合と略同様である。
【0136】
本実施例3に係る撮像手段21Aにおいては、具体的構成は省略するが透過光モード、反射光モードとのモード切り替えにより2態様で前記穀粒の画像データを撮像する。
【0137】
このうち、透過光モードでは、第1の発光部82を構成する下部発光部43から発光され前記トレー24、穀粒を経て入射する透過光による前記穀粒の画像データを光学系32、イメージセンサ34からなる撮像部により実施例2の場合と同様にして撮像する。
【0138】
この透過光モードの場合における撮像手段21Aの作用、効果は実施例2の場合と同様である。
【0139】
一方、反射光モードでは、前記第2の発光部84から前記反射板72に照射されその反射光により照明される前記トレー24上の穀粒の画像データを光学系32、イメージセンサ34により撮像する。
【0140】
反射光モードの場合には、前記第2の発光部84を構成するLED素子83から前記トレー24上の穀粒までの距離が大きくなる、すなわち、照明光の光路が大きくなることから、穀粒に対する照明光が均一化されて高品質の画像データを得ることができるという利点がある。
【0141】
また、前記LED素子83が発光する光の反射光(反射拡散光)を利用することから、前記LED素子83の個数は少なくて済み、同時に前記上部撮像ユニット71の構成の小型化、簡略化も実現でき、全体として撮像手段21Aの製造コスト低減化に寄与する。
【0142】
なお、前記第2の発光部84を構成するLED素子83から前記トレー24上の穀粒までの距離が大きくなることは、穀粒に対する照明光の光量減を招くが、これに対しては、LED素子83を定格の大きなものとする等の態様で対処する。
【0143】
本発明の実施例3に係る穀粒判別システム61A全体の作用、効果は、上述した撮像手段21A特有の作用、効果の点を除き、既述した実施例2に係る穀粒判別システム61の場合と同様である。
【0144】
以上説明した本発明の実施例1乃至実施例3では、タッチパネル式情報端末1、1Aを利用する場合について説明したが、この他、操作パネル式情報端末として、例えば、フローティング・タッチ技術を搭載し、画面に直接触れずに(パネルの近くで指を動かすことによってパネルに触れることなく画面を動かす)指等を操作パネルの画面から浮かした状態で各種画面操作を実行可能な非接触操作式のスマートフォン「例えばXperia sola」(Xperiaは登録商標)等を利用する構成とすることも勿論可能である。