【文献】
岡村 秀昭,作って覚えるExcel,日経パソコン No.452,日経BP社,2004年 3月 1日,pp.225〜228,ISSN:0287-9506
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。
まず、
図1〜
図5を参照して本発明の構成について説明する。
【0023】
図1は、帳票管理システム1の構成の一例を示す全体構成図である。
図1に示すように、帳票管理システム1は、ホストコンピュータ101と、帳票サーバ102と、1又は複数のクライアント端末103とが、ネットワーク104を介して接続されて構成される。
【0024】
図1において、ホストコンピュータ101は、帳票サーバ102に登録をする帳票テキストデータ1112(実データ)(
図4参照)を生成する。
【0025】
帳票サーバ102は、電子帳票(以下、単に帳票という。)の帳票ファイル(他の電子ファイルを含む。)や、管理情報を記録し、ネットワーク104を介してクライアント端末103に対して、帳票の閲覧や検索等のサービスを提供する。
【0026】
図4に、帳票サーバ102にて取り扱う帳票データ1110、帳票ファイルデータベース1200の一例を示す。
帳票サーバ102は、ホストコンピュータ101から電子帳票化するための帳票テキストデータ1112を受信すると、帳票サーバ102に予め記憶されている「フォーム情報1111」「帳票レイアウト定義情報1113」「帳票テキスト配置情報1114」を用いて、
図4の(a)に示す帳票データ1110を生成する。
【0027】
帳票データ1110とは、帳票の形式を定義するフォームデータと帳票テキストデータ1112とから生成された帳票の表示用データを表すものである。1世代の帳票データ1110は、「フォーム情報1111」「帳票テキストデータ1112」「帳票レイアウト定義情報1113」「帳票テキスト配置情報1114」の4ファイルで構成される。
【0028】
帳票サーバ102は、帳票テキストデータ1112内の所定のデータ(例えば、「2013年6月度 月次売上」を「帳票名1204 帳票種別名1202」として)を用いて、帳票データ1110を
図4(b)に示す帳票ファイルデータベース1200に登録する。帳票サーバ102は、帳票データ1110を帳票ファイルデータベース1200に登録する際には、帳票種別ID1201をキーにして新たな世代として登録する。帳票種別ID1201とは、帳票の種類を表す識別子であり、帳票ファイルデータベース1200は複数の帳票データ1110のうち同一種類のものをグループ化して管理する。
【0029】
すでに帳票種別ID1201に同じ種類の帳票データ1110が登録されている場合には、次の世代として登録され、帳票種別ID1201に同じ種類の帳票データ1110が登録されていない場合には、第1世代として登録される。なお、世代管理されている帳票とは、複数世代の帳票データ1110がグループ化されている帳票である。
【0030】
本実施の形態では、帳票サーバ102は、1つのサーバ(情報処理装置)により構成されているものとする。
【0031】
クライアント端末103は、帳票の閲覧及び計算結果の取得を行う者が使用するコンピュータであり、タッチパネルを搭載したパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。クライアント端末103には、帳票を表示すためのアプリケーション(専用の帳票ビューワやwebブラウザと連動して動作するActiveXなどのアプリケーション)がインストールされ、クライアント端末103は、アプリケーションを介して帳票サーバ102へのアクセスが可能となる。
【0032】
ネットワーク104を介して、クライアント端末103は、帳票サーバ102とデータの送受信が可能である。ネットワーク104は、例えばLAN(Local Area Network)やインターネット等である。
【0033】
なお、
図1のネットワーク104上に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。本実施の形態では、帳票サーバ102が管理する帳票をクライアント端末103において閲覧等するサービスにて帳票管理システム1を利用する例を示すが、帳票に限らず、複数の世代間で異なるデータを有する文書であれば、本発明は好ましく適用することができる。
【0034】
なお、クライアント端末103によって、本発明に係る「情報処理装置」の一例が構成されており、帳票サーバ102によって、本発明に係る「帳票管理サーバ」の一例が構成されている。また、帳票管理システム1によって、本発明に係る「帳票管理システム」の一例が構成されている。
【0035】
次に、
図1のホストコンピュータ101、帳票サーバ102、およびクライアント端末103のハードウェア構成について、
図2を用いて説明する。
【0036】
図2は、本発明の実施形態におけるホストコンピュータ101、帳票サーバ102、およびクライアント端末103のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0037】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
また、ROM203及び外部メモリ211は、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステム(以下、OSという。)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等を記憶する。
【0038】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0039】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や図示しないマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
表示コントローラ206は、表示部210(CRTディスプレイ等)の表示器への表示を制御する。表示器はCRTディスプレイだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0040】
なお、クライアント端末103においては、入力部209と表示部210とを一体化させた、タッチパネル式の入出力装置を採用することが好ましい。
【0041】
外部メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する、ハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0042】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続され、通信を行うものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0043】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、表示部210上でアウトラインフォントの表示を可能としている。また、CPU201は、表示部210上で図示しないマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0044】
本発明を実現するためのプログラム212は、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。ホストコンピュータ101、帳票サーバ102、クライアント端末103のハードウェア構成は同様であるが、各装置に記録されるプログラム212はそれぞれ異なる。
【0045】
次に、
図3を参照して、帳票サーバ102およびクライアント端末103の外部メモリ211が保持する情報について説明する。
【0046】
図3の(a)に示すように、帳票サーバ102の外部メモリ211には、帳票サーバ102が後述する処理を実行するためのプログラム212aと、帳票情報データベース214とが記憶される。帳票情報データベース214には、複数の帳票データ1110とそれらを管理する帳票ファイルデータベース1200とが記憶される。帳票情報データベース214には、更に、ユーザが帳票管理システム1に会員登録した際に生成されるユーザ識別情報、ユーザ識別情報と閲覧権限のある帳票とを紐付ける情報等も記憶される。
【0047】
図3の(b)に示すように、クライアント端末103の外部メモリ211には、クライアント端末103が後述する処理を実行するためのプログラム212bと、定義ファイル213(
図7参照)とが記憶される。定義ファイル213の詳細は、後述する。なお、定義ファイル213は、帳票サーバ102の帳票情報データベース214に予め記憶されて、クライアント端末103の要求に応じて適宜必要な情報を帳票サーバ102からクライアント端末103に送信する構成であっても良い。
【0048】
図5は、クライアント端末103の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、クライアント端末103は、出力部401、取得部402、検出部403、移動量特定部404、範囲選択部405の各機能部を少なくとも備えている。
【0049】
出力部401は、所定の世代の帳票データ1110を出力する機能部である。
取得部402は、出力部401で出力した帳票データ1110に設定された範囲に従って、出力している帳票データ1110に対する他の世代の部分帳票データ1120(
図11参照)を取得する機能部である。
検出部403は、ユーザのタッチ操作による移動動作を検出する機能部である。
また、出力部401は、検出部403で移動動作を検出した場合、取得部402で取得したデータを出力する機能も備える。
【0050】
移動量特定部404は、移動動作の移動量を特定する機能部である。
また、出力部401は、移動量特定部404で特定された移動量に従って、他の世代の部分帳票データ1120を順次出力する機能も備える。
また、出力部401は、出力している帳票データ1110に付箋を出力し、当該付箋に取得部402で取得したデータを出力する機能も備える。
また、出力部401は、移動量特定部404で特定された移動量に従って、付箋を並べて出力する機能も備える。
【0051】
範囲選択部405は、出力している帳票データ1110において範囲選択する機能部である。
また、取得部402は、検出部403により、範囲選択部405で選択された範囲が指定されて、ユーザのタッチ操作による移動動作を検出した場合、範囲選択部405で選択された範囲に従って、出力している帳票データ1110に対する他の世代の部分帳票データ1120を検索して取得する機能部も備える。
【0052】
また、出力部401は、取得部402で取得したデータを選択された範囲の位置に基づいた所定の位置に出力する機能も備える。
また、出力部401は、取得部402で取得したデータを外部アプリケーションで表示させるべく、所定のファイル形式のファイルに出力する機能も備える。
【0053】
<帳票表示処理>
次に、
図6〜
図9を参照しながら、帳票表示処理について説明する。なお、以下で説明する処理は、各装置のCPUが処理を実行するものとする。以下では、適宜、各装置のCPUを制御部と記載する。
【0054】
図6は、帳票表示処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS401において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票管理システム1のユーザによって入力されたユーザ識別情報とパスワードを受け付け、ログイン処理を行う。
【0055】
ステップS402において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、事前にクライアント端末103の外部メモリ211に記憶されている定義ファイル213(パラメータ定義ファイル710と部分帳票操作定義ファイル720)を読み取り、各設定(
図7の設定711〜設定714、設定721〜設定730)をRAM202に記憶する。
【0056】
図7は、クライアント端末103の外部メモリ211に記憶される定義ファイル213(710、720)の一例を示す図である。
図7の(a)に示すパラメータ定義ファイル710は、帳票管理システム1を利用するクライアント端末103で必要な設定値を定義するファイルである。
図7の(b)に示す部分帳票操作定義ファイル720は、後述する部分帳票表示処理における、ユーザ操作とその操作によって行う処理に必要な設定値を定義するファイルである。
【0057】
ユーザは、これらの定義ファイル710、720の定義をテキストエディタなどで修正することができ、帳票管理システム1で表示する帳票を選択した際にダウンロードしておく帳票の世代数や、部分帳票表示処理におけるユーザ操作方法や向きをカスタマイズすることができる。
【0058】
パラメータ定義ファイル710と部分帳票操作定義ファイル720は、帳票管理システム1を利用するクライアント端末103の外部メモリ211に保持しておき、帳票管理システム1へのログイン時に、クライアント端末103のCPU201は、これらの定義ファイル213(710、720)を読み込み、RAM202に定義ファイル213に記述されている定義の対応づけを記憶する。
【0059】
「初期取得前後世代数711」とは、ユーザによって選択された「帳票種別ID1201」「世代番号1203」に対応する帳票データ1110だけでなく、その前後世代の帳票データ1110も同時に帳票サーバ102からクライアント端末103にダウンロードしておく、前後の世代数のことである。
この実施例では、「初期取得前後世代数711」に「2」が設定されていたとする。
【0060】
具体的な例について、
図8を参照して説明する。
図8は、帳票データ1110が登録された帳票ファイルデータベース1200の一例を示す図である。
月次売上「2013年6月度」がユーザによって選択された場合、対応する「帳票種別ID1201」「世代番号1203」はそれぞれ「A」「18」であり、一方、ステップS402で取得した「初期取得前後世代数711」は「2」である。したがって、取得する帳票データ1110の「世代番号1203」は「18」を中心として前後「2」であるため、「16〜20」に特定する。
【0061】
これにより、後述する部分帳票表示処理において、表示中の帳票に対応する前世代または後世代の部分帳票データ1120(
図11参照、表示中の帳票で範囲指定されている箇所について、他世代帳票を表示するための部分的なデータ)が必要になった場合も、初期表示段階で事前に他世代の帳票データ1110をダウンロードしておくことで、帳票サーバ102に前世代または後世代の部分帳票データ1120を要求することなく、迅速に前世代または後世代の部分帳票を表示することができる。
【0062】
なお、「初期取得前後世代数711」は、実施例のようにすべての種類の帳票に1つの数を設定する形式でもよいし、帳票の種類毎に「初期取得前後世代数711」を個別に設定できるとしてもよい。つまり、ユーザによって世代間の比較が多く行われる帳票については、「初期取得前後世代数711」に大きな値を設定しておくことで、初期表示の段階でクライアント端末103に多くの世代の帳票データ1110をダウンロードしておくため、部分帳票表示処理にて他世代のデータを閲覧する際に、帳票サーバ102への部分帳票データ1120の要求回数が減り、迅速な閲覧が可能になる。
【0063】
なお、
図7の(a)の「外部出力前後世代数712」とは、外部出力処理に必要な設定値であり、「スワイプ移動量しきい値713」とは、連続表示処理に必要な設定値であり「前後移動世代数714」とは、前後世代表示処理に必要な設定値である。詳細については、後述する。
【0064】
図6の説明に戻る。
ステップS403において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票サーバ102に「ユーザ識別情報」を送信し、帳票一覧を要求する。
ステップS404において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、クライアント端末103から送信された帳票一覧の要求を受け付ける。
【0065】
ステップS405において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、受け付けた要求から「ユーザ識別情報」を取得し、帳票情報データベース214を参照して、この「ユーザ識別情報」のユーザが閲覧できる帳票の「帳票種別ID1201」「帳票種別名1202」「世代番号1203」「帳票名1204」「作成日1205」を取得する。
【0066】
ステップS406において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、取得した帳票の「帳票種別ID1201」「帳票種別名1202」「世代番号1203」「帳票名1204」「作成日1205」を帳票一覧として、クライアント端末103に送信する。
ステップS407において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票サーバ102から送信された帳票一覧を受信する。
【0067】
ステップS408において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、表示部210に帳票一覧画面1300を表示する。
図9は、帳票一覧画面1300の一例を示す図である。
図9に示すように帳票一覧画面1300には、閲覧可能な帳票の帳票種別名と帳票名と作成日とが一覧表示される。ユーザによって一覧から所望の帳票の帳票名がタッチ操作されると、該当する帳票の帳票データ1110を表示する帳票画面600(
図12参照)が表示されることになる。
【0068】
ステップS409において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ユーザによって選択された帳票を受け付ける。ここでは例として、月次売上「2013年6月度」が選択されたとする。
【0069】
ステップS410において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ユーザによって選択された帳票に対応する「帳票種別ID1201」「世代番号1203」と、ステップS402で取得した「初期取得前後世代数711」とから取得する帳票の「帳票種別ID1201」「世代番号1203」を特定して帳票サーバ102に送信し、帳票データ1110を要求する。
【0070】
具体的には、選択された帳票である月次売上「2013年6月度」に対応する「帳票種別ID1201」「世代番号1203」はそれぞれ「A」「18」であり(
図8参照)、一方、ステップS402で取得した「初期取得前後世代数711」は「2」である。これにより、取得する帳票の「世代番号1203」は「18」を中心として前後「2」であるため、「16〜20」に特定する。
【0071】
なお、この実施形態では、取得する帳票の「世代番号1203」をクライアント端末103で特定するとしたが、クライアント端末103から帳票サーバ102に「帳票種別ID1201」「世代番号1203」を送信し、帳票サーバ102で特定するとしてもよい。その際、クライアント端末103から帳票サーバ102に「初期取得前後世代数711」を送信してもよいし、帳票サーバ102の帳票情報データベース214などで「初期取得前後世代数711」を記憶しておき、取得してもよい。
【0072】
ステップS411において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、クライアント端末103から送信された帳票データ1110の要求を受け付ける。
【0073】
ステップS412において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、受け付けた要求から「帳票種別ID1201」「世代番号1203」を取得し、取得した「帳票種別ID1201」「世代番号1203」を検索条件として、帳票ファイルデータベース1200を検索し、帳票データ1110を取得する。
【0074】
ここでは例として、帳票種別ID1201「A」、世代番号1203「16〜20」の帳票データ1110を取得する。つまり、月次売上の「2013年4月度」〜「2013年8月度」の計5世代の帳票データ1110を取得する。また、1世代の帳票データ1110は、上記より(段落番号「0027」参照)4ファイルから成るため、ここで取得する5世代の帳票データ1110は、合計4×5=20ファイルで構成されることになる。
【0075】
ステップS413において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、取得した帳票データ1110をクライアント端末103に送信する。
ステップS414において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票サーバ102から送信された帳票データ1110を受信し、受信した帳票データ1110を外部メモリ211に記憶しておく。
【0076】
ステップS415において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、受信した帳票データ1110のうち、ステップS409で選択された帳票を構成する「フォーム情報1111」「帳票テキストデータ1112」「帳票レイアウト定義情報1113」「帳票テキスト配置情報1114」の4ファイルを用いて、帳票を表示する。
【0077】
ここでは、ステップS409で選択された帳票の「帳票種別ID1201」「世代番号1203」はそれぞれ「A」「18」であったため、これに対応する「フォーム情報1111」「帳票テキストデータ1112」「帳票レイアウト定義情報1113」「帳票テキスト配置情報1114」の4ファイルを用いて、月次売上「2013年6月度」の帳票(
図12に示す帳票画面600)を表示する。なお、これらのファイルを用いた帳票の表示方法については、既知の技術(例えば、特開2005−190188)を用いて行うものとして説明を省略する。
【0078】
なお、このステップS415によって、本発明に係る「所定の世代の帳票を出力する出力手段」の一例が構成されている。
【0079】
ステップS416において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、部分帳票表示処理を行う。(
図10の説明にて後述する。)
ステップS417において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ユーザのログアウトを検知し、ログアウト処理を行い、帳票表示処理を終了する。
【0080】
以上のように、クライアント端末103は、帳票管理システム1にログインすると、定義ファイル213を読み込んで、帳票サーバ102から帳票一覧を受信し、帳票一覧の中から所望の帳票データ1110を要求し、受信した帳票データ1110を表示部210に出力する。クライアント端末103は表示中の帳票に対して部分帳票表示処理を実行し、最後にログアウト処理を実行する。
【0081】
なお、本実施形態では、定義ファイル213(710、720)をクライアント端末103の外部メモリ211に記憶するとしたが、帳票サーバ102の帳票情報データベース214に記憶し、クライアント端末103からログインの通知を受信すると、帳票サーバ102からクライアント端末103にこれらの定義ファイル213に記述されている定義を送信するとしてもよい。
【0082】
<部分帳票表示処理>
次に、
図10〜
図16を参照して、
図6のステップS416にて帳票サーバ102とクライアント端末103が実行する部分帳票表示処理について説明する。
図10は、部分帳票表示処理の一例を示すフローチャートである。
図10を参照しながら、部分帳票表示処理について説明する。なお、以下で説明する処理は、各装置のCPUが処理を実行するものとし、適宜各装置のCPUを制御部と記載する。
【0083】
ステップS501において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、表示中の帳票(本実施例では、月次売上「2013年6月度」)において部分表示処理を行うために、ユーザのタッチ操作によって選択された範囲の位置情報(以下、選択範囲位置情報1121(
図11の(a)参照)する。)を取得する。
【0084】
具体的な例について、
図12を参照して説明する。
図12は、部分帳票表示処理の1パターンである前後世代表示処理における画面遷移を示す図である。
図12の(a)に示すように、月次売上「2013年6月度」の帳票画面600が表示され、「全社 売上合計」行の最左列(選択範囲601)が指定されたとすると、その範囲選択している矩形の対角2頂点のXY座標値、例えば「頂点1(100、500)、頂点2(200、700)」を取得し、選択範囲位置情報1121として外部メモリ211に記憶する。このXY座標値の取得方法については、既知の技術を用いて行うものとして説明を省略する。
【0085】
なお、本実施形態では、ユーザのタッチ操作によって範囲選択されるとしたが、管理者などのユーザが選択範囲を帳票毎に予め設定しておき、クライアント端末103において、この選択範囲を取得するとしてもよい。これは、帳票によって推移を知りたい項目が決まっている場合などにおいて、選択範囲を帳票毎に予め設定しておくことで、各ユーザがタッチ操作で範囲選択する必要がなくなり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0086】
なお、このステップS501によって、本発明に係る「前記出力手段で出力した帳票に対して設定された範囲」、及び、「前記帳票に対して範囲選択する範囲選択手段」の一例が構成されている。
【0087】
ステップS502において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ユーザ操作を受け付け、その操作を判定する。操作の判定は、本ステップが実行されるアプリケーションが、操作に応じてOSから操作内容を含む操作イベントを受け付け、操作イベントに含まれる操作内容をもとに判定する。また、操作イベントには、操作のあった座標値(操作の始点)が含まれている。
【0088】
なお、このステップS502によって、本発明に係る「ユーザのタッチ操作による移動動作を検出する検出手段」、及び、「前記検出手段により、前記範囲選択手段で選択された範囲が指定され、ユーザのタッチ操作による移動動作を検出した場合」の一例が構成されている。
【0089】
受け付けたユーザの操作が、ステップS501において選択された範囲を始点とする、左右方向へのフリックであった場合は、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS503(
図15の前後世代表示処理)へ進む。左右方向へのスワイプであった場合は、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS504(
図16の連続表示処理)へ進む。上向きのフリックであった場合は、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS505(
図17の外部出力処理)へ進む。
以上で、部分帳票表示処理を完了する。
【0090】
図12は、前後世代表示処理の画面遷移を示す図である。
図12の(a)に示すように、月次売上「2013年6月度」の帳票画面600が表示され、ステップS501において選択された範囲601を始点とする右フリック(ユーザ操作611)の入力を受付けると、
図12の(b)に示すように、選択範囲601のデータが1世代前のデータ612に変わる。また、ユーザ操作611が左フリックであった場合、1世代後のデータに変わる。
【0091】
図13は、連続表示処理の画面遷移を示す図である。
図13に示すように、月次売上「2013年6月度」の帳票画面600が表示され、ステップS501において選択された範囲601を始点とする右スワイプ(ユーザ操作621)の入力を受付けると、付箋622、624、626内に選択範囲の1世代後以降のデータ623、625、627を順次並べて表示し、左スワイプであった場合、1世代前以前のデータを順次並べて表示する。
【0092】
図14は、外部出力処理の画面遷移を示す図である。
図14の(a)に示すように、月次売上「2013年6月度」の帳票画面600が表示され、ステップS501において選択された範囲601を始点とする上向きのフリック(ユーザ操作631)の入力を受付けると、
図14の(b)に示すように、外部アプリケーション(表計算ソフト等)を起動し、選択範囲の所定期間分のデータ632を出力する。
【0093】
本実施形態では、ユーザ操作を「フリック」「スワイプ」としたが、この操作方法はあくまで例であって、これらに限定されるものではない。
【0094】
図7の(b)に示す部分帳票操作定義ファイル720は、部分帳票表示処理における、ユーザ操作とその操作によって行う処理を定義する。
本実施形態では、設定できる操作方法について、「ダブルタップ」「(上左右)フリック」「(左右)スワイプ」「ピンチイン」「ピンチアウト」などを挙げたが、これらの操作方法や向きはあくまで例であって、これらに限定されるものではない。
【0095】
<前後世代表示処理>
図15は、前後世代表示処理の一例を示すフローチャートである。
図12と
図15を参照しながら、帳票サーバ102とクライアント端末103が
図10のステップS503にて実行する前後世代表示処理について説明する。
【0096】
ステップS502(
図10)において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、受け付けた操作イベントに含まれる始点がステップS501において選択された範囲に含まれるかを判定する。操作の始点がこの範囲に含まれると判定され、操作が左右方向へのフリックであった場合、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、前後世代表示処理を開始する。
【0097】
ステップS801において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、受け付けたユーザの操作が右フリックであった場合、選択範囲に表示しているデータの1世代前で選択範囲位置情報1121に対応する部分帳票テキストデータ1122が外部メモリ211に存在するか否かを判定する。
【0098】
また、受け付けたユーザの操作が左フリックであった場合は、選択範囲に表示しているデータの1世代後のデータで、かつ、選択範囲位置情報1121に対応する部分帳票テキストデータ1122が外部メモリ211に存在するか否かを判定する。
【0099】
ここで、存在確認する部分帳票テキストデータ1122について、部分帳票として表示する世代(ここでは1世代前)という条件だけでなく、「選択範囲位置情報1121に対応する」という条件も付加した理由について述べる。
【0100】
ステップS501において、クライアント端末103は、選択範囲位置情報1121を取得する。この選択範囲位置情報1121がユーザのログアウトまで不変の場合、部分帳票として表示する世代の部分帳票テキストデータ1122が存在するか否かの確認だけで充分である。しかし、この選択範囲位置情報1121は、ユーザによって変更可能であるため、ユーザによって選択範囲の位置が変更された場合、表示する世代の部分帳票テキストデータ1122が存在する場合でも、選択範囲位置情報1121に対応する部分帳票テキストデータ1122が外部メモリ211に存在するか否かは不明である。
【0101】
よって、部分帳票として表示する世代(ここでは1世代前)という条件だけでなく、「選択範囲位置情報1121に対応する」という条件を付加している。
【0102】
「選択範囲に表示しているデータの1世代前」とは、例えば、選択範囲に表示しているデータが月次売上「2013年6月度」のデータで、受け付けたユーザの操作が右フリックであった場合、月次売上「2013年6月度」に対応する「帳票種別ID1201」「世代番号1203」はそれぞれ「A」「18」(
図8参照)であるため、1世代前の帳票つまり「帳票種別ID1201」「世代番号1203」がそれぞれ「A」「17」のデータを指す。
【0103】
また、「選択範囲位置情報1121に対応するデータが外部メモリ211に存在するか否かを判定する」については、ステップS414で外部メモリ211に記憶された帳票データ1110と、ステップS806で外部メモリ211に記憶された部分帳票データ1120と、「帳票種別ID1201」「世代番号1203」、およびステップS501において外部メモリ211に記憶された選択範囲位置情報1121(矩形の頂点のXY座標値、例えば「頂点1(100、500)、頂点2(200、700)」)を用いて検索して判定する。また、この判定方法については、既知の技術(例えば、特開2005−190188)を用いて行う。
【0104】
ステップS801で「存在した」と判定した場合(ステップS801のYES)、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS807に進む。
ステップS801で「存在しなかった」と判定した場合(ステップS801のNO)、ステップS802において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票サーバ102にデータが必要な帳票の「帳票種別ID1201」「世代番号1203」「選択範囲位置情報1121」を送信し、部分帳票データ1120を要求する。
【0105】
なお、このステップS802によって、本発明に係る「当該帳票に対する他の世代の帳票データを前記帳票管理サーバに要求する要求手段」の一例が構成されている。
【0106】
ステップS803において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、クライアント端末103から送信された部分帳票データ1120の要求を受け付ける。
【0107】
なお、このステップS803(及び、後述する
図16のステップS907、
図17のステップS1003)によって、本発明に係る「前記要求手段で要求された他の世代の前記帳票データの要求を受け付ける要求受付手段」の一例が構成されている。
【0108】
ステップS804において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、受け付けた要求から「帳票種別ID1201」「世代番号1203」「選択範囲位置情報1121」を取得し、取得した「帳票種別ID1201」「世代番号1203」を検索条件として帳票ファイルデータベース1200を検索し、該当する帳票データ1110から部分帳票テキストデータ1122を生成し、部分帳票データ1120を取得する。
【0109】
なお、このステップS804(及び、後述する
図16のステップS908、
図17のステップS1004)によって、本発明に係る「前記要求受付手段で受け付けた要求に応じて、他の世代の前記帳票データを取得する取得手段」の一例が構成されている。
【0110】
図11の(a)は、部分帳票データ1120のデータ構成を示す図である。
図11の(a)に示すように、部分帳票データ1120は、「選択範囲位置情報1121」、「フォーム情報1111」、「部分帳票テキストデータ1122」、「帳票レイアウト定義情報1113」、「帳票テキスト配置情報1114」の5つのファイルから成る。
【0111】
次に、部分帳票テキストデータ1122の取得方法の詳細について説明する。ここでは例として、帳票種別ID1201「A」、世代番号1203「17」、選択範囲位置情報1121「頂点1(100、500)、頂点2(200、700)の2点を対角とする矩形」に含まれる部分帳票テキストデータ1122を取得したとする。つまり、月次売上「2013年5月度」の帳票データ1110から、選択範囲位置情報1121に含まれる部分帳票テキストデータ1122を取得する。
【0112】
具体的には、月次売上「2013年5月度」の帳票データ1110に含まれる、帳票テキストデータ1112と帳票テキスト配置情報1114を参照して、帳票テキストの配置位置を特定する。その配置位置に従って、部分帳票テキストデータ1122を取得する。なお、行ピッチやフォントなどによって、選択範囲位置情報1121の矩形内のテキストデータも変わるため、補正値として帳票レイアウト定義情報1113を用いて、範囲に含まれる部分帳票テキストデータ1122を取得するものとする。
【0113】
なお、部分帳票テキストデータ1122の取得方法については、この方法に限定するものではなく、例えば、月次売上「2013年5月度」の帳票データ1110から、月次売上「2013年5月度」の帳票画像を作成し、選択範囲位置情報1121のXY座標値で表される矩形でキャプチャした画像を部分帳票画像として、クライアント端末103の表示部210に表示する方法でもよい。この場合、「2013年5月度」の帳票画像、部分帳票画像の作成は、クライアント端末103で行ってもよいし、帳票サーバ102で行ってもよい。
【0114】
ステップS805において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、取得した部分帳票データ1120をクライアント端末103に送信する。
【0115】
なお、このステップS805(及び、後述する
図16のステップS909、
図17のステップS1005)によって、本発明に係る「前記取得手段で取得した他の世代の前記帳票データを前記情報処理装置に送信する送信手段」の一例が構成されている。
【0116】
なお、上記の説明では、帳票サーバ102の制御部(CPU)201にて部分帳票データ1120を取得する方法について説明したが、クライアント端末103の制御部(CPU)201にて部分帳票データ1120を取得してもよい。
この場合、クライアント端末103には、ActiveXがインストールされており、クライアント端末103は、外部メモリ211に必要な「帳票種別ID1201」「世代番号1203」を有する帳票データ1110が存在するか否かを判定し、存在する場合には帳票データ1110から選択範囲位置情報1121に含まれる部分帳票テキストデータ1122を生成し、部分帳票データ1120を取得してもよい。
【0117】
ステップS806において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票サーバ102から送信された部分帳票データ1120を受信し、受信した部分帳票データ1120を外部メモリ211に記憶しておく。
【0118】
なお、このステップS806(及び、
図16のステップS910、
図17のステップS1006)によって、本発明に係る「前記帳票管理サーバから送信された他の世代の前記帳票データを受信する受信手段」の一例が構成されている。
また、このステップS802〜S806(及び、後述する
図16のステップS906〜910、
図17のステップS1002〜1006)によって、本発明に係る「帳票に対する他の世代の帳票データを前記帳票管理サーバから取得する取得手段」の一例が構成されている。
【0119】
また、
図10のステップS501、及び、このステップS802〜S806(並びに、後述する
図16のステップS906〜910、
図17のステップS1002〜1006)によって、本発明に係る「前記範囲選択手段で選択された範囲に従って、当該帳票に対する他の世代の前記帳票データを検索して取得」することの一例が構成されている。
【0120】
ステップS807において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、外部メモリ211から部分帳票データ1120を取得する。
ステップS808において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、取得した部分帳票データ1120を用いて、部分帳票を表示して、処理を終了する。
【0121】
なお、
図10のステップS502、並びに、このステップS807、S808(及び、後述する
図16のステップS911、S914、
図17のS1007、S1010)によって、本発明に係る「前記出力手段は、前記検出手段で移動動作を検出した場合、前記取得手段で取得した前記帳票データを出力する」ことの一例が構成されている。
【0122】
また、このステップS808(及び、後述する
図16のステップS912〜S914、
図17のS1010)によって、本発明に係る「前記出力手段は、前記取得手段で取得した前記帳票データを前記選択された範囲の位置に基づいて所定の位置に出力する」の一例が構成されている。
【0123】
図12の(b)を参照して、部分帳票の表示について具体的に説明する。ステップS409で選択された帳票の「帳票種別ID1201」「世代番号1203」はそれぞれ「A」「18」(月次売上「2013年6月度」)であり、これに対応する「選択範囲位置情報1121」「フォーム情報1111」「部分帳票テキストデータ1122」「帳票レイアウト定義情報1113」「帳票テキスト配置情報1114」の5つのデータを用いて、選択範囲601内に月次売上「2013年5月度」の部分帳票612を重畳して表示する。
【0124】
この時、重畳したことで、他の表示データと世代が異なるため、表示した部分帳票の世代番号や帳票名をユーザが識別できるよう、付箋内の部分帳票の上下などに「世代番号1203」「帳票名1204」「作成日1205」などを用いた識別情報613を表示する。具体的には、帳票名1204=「2013年9月度 月次売上」、作成日1205=「2013/10/01」の場合に、識別情報613として付箋内の部分帳票の上下などに、「2013年9月度」や「2013/10/1」を表示する。
【0125】
なお、識別情報613として部分帳票データ1120のどの値を用いて、それをどのような形式で、どの位置に表示するかについては、帳票を表示するためのアプリケーション(専用の帳票ビューワやブラウザと連動して動作するActiveXなどのアプリケーション)で固定しておいてもよいし、パラメータ定義ファイル710でユーザが設定可能にしてもよい。
【0126】
また、この実施形態では、部分帳票をユーザ操作によって選択された選択範囲601内に表示するとしたが、部分帳票の表示位置を選択範囲601内に限定するものではなく、例えば、選択範囲601の左または右に並べて、部分帳票を表示するとしてもよい。これにより、選択範囲601と部分帳票が水平方向に並んで表示されるため、世代間のデータ推移が把握しやすくなる。
【0127】
また、この実施形態では、部分帳票を出力するために、クライアント端末103が帳票サーバ102から部分帳票データ1120を取得するとしたが、取得するデータは帳票データ1110の形式でもよい。この場合、ステップS802において、クライアント端末103は、帳票サーバ102にデータが必要な帳票の「帳票種別ID1201」「世代番号1203」を送信し、帳票データ1110を要求することになる。
【0128】
クライアント端末103は、取得した帳票データ1110から帳票イメージを作成し、選択範囲位置情報1121の座標を用いて、帳票イメージをトリミングして作成した部分帳票のイメージを表示部210に表示する方法でもよい。また、ポップアップ画面で表示する構成であってもよい。
【0129】
また、この実施形態では、部分帳票として、選択範囲に表示しているデータの1世代前または後のデータを表示するとしたが、「1世代」前後に限定するものではなく、例えば、1年(12世代)や3年(36世代)のように、複数世代を跨いだデータを表示するとしてもよい。この何世代跨いだデータを表示するかについては、パラメータ定義ファイル710(
図7(a))の「前後移動世代数714」でユーザが設定可能にしてもよいし、帳票を表示するためのアプリケーションで固定しておいてもよいし、管理者などのユーザが帳票毎に予め設定しておき、クライアント端末103において、この値を取得するとしてもよい。
【0130】
また、その設定は、すべての帳票で統一した設定としてもよいが、帳票毎の設定にすれば、帳票の種類に応じた推移を閲覧できるようになる。また、この何世代跨いだデータを表示するかを、部分帳票操作定義ファイル720でユーザの操作に紐付けて定義してもよい。例えば、指1本でのスワイプであれば1世代前後を、指2本でのスワイプであれば6世代前後を、指3本でのスワイプであれば12世代前後を、部分帳票として表示する。これにより、例えば、ユーザの簡単な操作で、1年(12世代)前後を表示する場合、つまり、前年または翌年の同月売上を閲覧することが可能になる。
【0131】
また、この実施形態では、ステップS415で帳票データ1110を表示するのと同様の方法で、部分帳票データ1120を表示部210に表示するとしたが、この表示方法に限定するものではなく、例えば、部分帳票データ1120から部分帳票を作成した後、画像に変換し、選択範囲位置情報1121で画像をトリミングして作成した部分帳票のイメージを表示部210に表示する方法でもよい。また、ポップアップ画面で表示する構成であってもよい。
【0132】
また、他の表示方法として、
図16のステップS912〜S914(説明は後述する)のように、付箋を表示して、その付箋の中に部分帳票データ1120や識別情報613を表示するとしてもよい。
【0133】
以上、前後世代表示処理において、クライアント端末103は、表示中の帳票において、ステップS501において選択された選択範囲601を始点とする右方向(左方向)のフリックが入力された場合に、表示中の帳票の選択範囲601の選択範囲位置情報1121に対応する、前(後)世代の部分帳票データ1120を帳票サーバ102から取得し、取得したデータを表示中の帳票上に出力する。
【0134】
前後世代表示処理によれば、前後世代の帳票におけるデータを、簡単な操作で、閲覧可能な仕組みを提供することができる。また、前後世代におけるデータの推移を、ユーザが認識しやすいレイアウトで表示する仕組みを提供することができる。
【0135】
<連続表示処理>
図16は、連続表示処理の一例を示すフローチャートである。
図13と
図16を参照しながら、帳票サーバ102とクライアント端末103が
図10のステップS504にて実行する連続世代表示処理について説明する。
【0136】
ステップS502(
図10)において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、受け付けた操作イベントに含まれる始点がステップS501において選択された範囲に含まれるかを判定する。操作の始点がこの範囲に含まれると判定され、操作が左右方向へのスワイプであった場合、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、連続表示処理を開始する。
【0137】
ステップS901において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ユーザのスワイプ操作の開始位置(例えば座標)を取得する。スワイプ操作による位置は、ユーザの操作に応じてOSから順次操作イベントに含まれる形でアプリケーションに通知されるものとする。この順次通知される操作イベントに含まれる位置の推移に応じて操作の移動量を判定する。なお、移動量の判定は、OS側で判定可能な場合には、OSから移動量を受け付ける形態であってもよい。
【0138】
ステップS902において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、スワイプ移動量の判定(ステップS903)で使用する変数Nの初期値を1とする。
ステップS903において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、スワイプ移動量を取得する。帳票システムログイン時(
図6のステップS402)に取得したパラメータ定義ファイル710(
図7(a))の「スワイプ移動量しきい値713」をRAM202から取得し、取得したスワイプ移動量≧「スワイプ移動量しきい値713」×Nに当てはまるか否かを判定する。なお、スワイプ移動量については、タッチ操作に応じてOSから得られる座標値を基に取得する。
【0139】
具体的には、「スワイプ移動量しきい値713」=150ピクセル、N=1とすると、「スワイプ移動量」と「150ピクセル×1」とを比較することになる。同様に、N=2とすると、「スワイプ移動量」と「150ピクセル×2」(=300ピクセル)とを比較することになる。
【0140】
スワイプ移動量≧スワイプ移動量しきい値713×Nの場合(ステップS903のYES)は、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS905へ進む。
スワイプ移動量<スワイプ移動量しきい値713×N(ステップS903のNO)の場合は、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS904へ進む。
【0141】
なお、このステップS903によって、本発明に係る「前記移動動作の移動量を特定する移動量特定手段」の一例が構成されている。
【0142】
ステップS904において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ユーザのスワイプ操作が終了したか否かを判定する。
スワイプ操作が終了した場合(ステップS904のYES)は、連続表示処理を完了する。
スワイプ操作がまだ続いている場合(ステップS904のNO)は、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS903へ戻る。
【0143】
ステップS905において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ユーザの操作が左スワイプの場合は、「選択範囲位置情報1121」に対応し、表示部210に表示している帳票よりN世代前の部分帳票データ1120が外部メモリ211に存在するかを判定する。また、ユーザの操作が右スワイプの場合は、「選択範囲位置情報1121」に対応し、表示部210に表示している帳票よりN世代後の部分帳票データ1120が外部メモリ211に存在するかを判定する。
【0144】
具体的には、表示部210に表示している帳票(
図13の例では、月次売上「2013年6月度」)に対応する「帳票種別ID1201」「世代番号1203」はそれぞれ「A」「18」(
図8参照)であり、ユーザの操作が右スワイプでN=3の場合は、「選択範囲位置情報1121」に対応し、「帳票種別ID1201」「世代番号1203」がそれぞれ「A」「21」の部分帳票データ1120が外部メモリ211に存在するかを判定する。
【0145】
存在した場合(ステップS905のYES)は、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS911に進む。
存在しなかった場合(ステップS905のNO)は、ステップS906において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票サーバ102にデータが必要な帳票の「帳票種別ID1201」「世代番号1203」「選択範囲位置情報1121」を送信し、部分帳票データ1120を要求する。
【0146】
ステップS907において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、クライアント端末103から送信された部分帳票データ1120の要求を受け付ける。
ステップS908において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、受け付けた要求から「帳票種別ID1201」「世代番号1203」「選択範囲位置情報1121」を取得し、取得した「帳票種別ID1201」「世代番号1203」を検索条件として帳票ファイルデータベース1200を検索し、該当する帳票データ1110から部分帳票テキストデータ1122を生成し、部分帳票データ1120を取得する。
【0147】
具体的には、表示部210に表示している帳票(月次売上「2013年6月度」)に対応するに対応する「帳票種別ID1201」「世代番号1203」はそれぞれ「A」「18」(
図8参照)であり、ユーザの操作が右スワイプでN=3の場合は、「帳票種別ID1201」「世代番号1203」はそれぞれ「A」「21」、すなわち月次売上「2013年9月度」(
図8参照)の帳票データ1110のうち、「選択範囲位置情報1121」に対応するデータを部分帳票テキストデータ1122として、部分帳票データ1120を取得する。
【0148】
なお、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS910において、帳票サーバ102から部分帳票データ1120を受信せずに、クライアント端末103の外部メモリ211に記憶される帳票データ1110と選択範囲位置情報1121に基づいて、部分帳票データ1120を取得してもよい。
【0149】
ステップS909において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、取得した部分帳票データ1120をクライアント端末103に送信する。
ステップS910において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票サーバ102から送信された部分帳票データ1120を受信し、受信した部分帳票データ1120を外部メモリ211に記憶しておく。
【0150】
ステップS911において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、外部メモリ211から部分帳票データ1120を取得する。
ステップS912において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、表示部210に部分帳票データ1120を出力するための付箋626(
図13参照)を表示する。
【0151】
具体的には、ユーザによって選択された選択範囲から、スワイプの向きに選択範囲の幅と同じ長さの距離移動した位置に、選択範囲の幅と同じ幅の付箋を表示する。この付箋の表示位置や大きさについては、帳票を表示するためのアプリケーションで固定しておいてもよいし、パラメータ定義ファイル710で設定しておく、スワイプ移動量やNに従った値にする、としてもよい。これらにより、選択範囲と付箋が水平方向に並んで表示されるため、世代間のデータ推移が把握しやすくなる。
【0152】
なお、このステップS912(及び
図13)によって、本発明に係る「前記出力手段は、前記移動量特定手段で特定された移動量に従って、前記付箋を並べて出力する」ことの一例が構成されている。
【0153】
ステップS913において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、表示する部分帳票データ1120の世代をユーザが識別できるよう、付箋626内の部分帳票627の上下などに「世代番号1203」「帳票名1204」「作成日1205」などを用いた識別情報628を表示する。
【0154】
具体的には、帳票名1204=「2013年9月度 月次売上」、作成日1205=「2013/10/01」の場合に、
図13に示すように識別情報628として付箋626内の部分帳票627の上下などに、「2013年9月度」や「2013/10/1」と表示する。なお、識別情報628として部分帳票データのどの値を用いて、それをどのような形式で、どの位置に表示するかについては、帳票を表示するためのアプリケーションで固定しておいてもよいし、パラメータ定義ファイル710でユーザが設定可能にしてもよい。
【0155】
ステップS914において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、取得した部分帳票データ1120を用いて、付箋626の中に部分帳票627を表示する。
なお、ステップS913とステップS914の処理順序について、順序を限定するものではなく、どちらを先に行ってもよい。
【0156】
ステップS915において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、変数Nの値を1増加させ、ステップS903に戻る。
なお、ステップS915の処理は、ステップS905以降であれば、いつ行ってもよい。
【0157】
なお、このステップS914、及び、ステップS903〜915までのループによって、本発明に係る「前記出力手段は、前記移動量特定手段で特定された移動量に従って、他の世代の前記帳票データを順次出力する」ことの一例が構成されている。
また、このステップS912〜S914によって、本発明に係る「前記出力手段は、前記帳票に付箋を出力し、当該付箋に前記取得手段で取得した前記帳票データを表示する」の一例が構成されている。
また、このステップSによって、本発明に係る「」の一例が構成されている。
【0158】
これにより、ユーザがスワイプ操作を続け、所定の移動量を超えると、その度に部分帳票データ1120が並べて表示されることになり、他世代の帳票におけるデータを簡単な操作で世代間のデータの推移を閲覧可能となる。また、部分帳票627に合わせて、識別情報628が表示されているため、それぞれの部分帳票がどの帳票のデータなのかが一目でわかるため、データの推移を把握しやすくなる。
【0159】
また、この実施形態では、部分帳票として、選択範囲601に表示しているデータのN世代前または後(N=1、2、3…)のデータを表示するとしたが、1世代ずつの表示に限定するものではなく、例えば、「12*N」世代や「36*N」世代のように、複数世代を跨いだデータを順次表示するとしてもよい。この何世代跨いだデータを表示するかについては、帳票を表示するためのアプリケーションで固定しておいてもよいし、パラメータ定義ファイル710でユーザが帳票毎に設定可能にしてもよいし、管理者などのユーザが帳票毎に予め設定しておき、クライアント端末103において、この値を取得するとしてもよい。これにより、例えば、ユーザの操作によって、1年(12世代)前、2年(24世代)前、3年(36世代)前…と順次表示する場合、前期の同月、前々期の同月売上を簡単な操作で閲覧することが可能になる。
【0160】
以上、連続表示処理において、クライアント端末103は、表示中の帳票において、ステップS501において選択された選択範囲601を始点とする右方向(左方向)へのスワイプが入力された場合に、スワイプ移動量を取得する。スワイプ移動量に対応する世代であって、表示中の帳票の選択範囲601の選択範囲位置情報1121に対応する部分帳票データ1120を、帳票サーバ102から取得し、付箋に取得したデータを世代ごとに配置して、表示中の帳票上に順次出力する。
【0161】
連続表示処理によれば、他世代の帳票におけるデータを、簡単な操作で、閲覧可能な仕組みを提供することができる。また、複数世代におけるデータの推移を、ユーザが認識しやすいレイアウトで表示する仕組みを提供することができる。
【0162】
また、出力した部分帳票に識別情報を付加して出力することで、部分帳票の世代や帳票名をユーザが識別できるため、データの推移についての理解を促進することができる。
【0163】
<外部出力処理>
図17は、外部出力処理の一例を示すフローチャートである。
図14と
図17を参照しながら、帳票サーバ102とクライアント端末103が
図10のステップS505にて実行する外部出力処理について説明する。
【0164】
ステップS502(
図10)において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、受け付けた操作イベントに含まれる始点がステップS501において選択された範囲に含まれるかを判定する。操作の始点がこの範囲に含まれると判定され、操作が上向きのフリックであった場合、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、外部出力処理を開始する。
【0165】
ステップS1001において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、表示部210に表示している帳票を中心として、前後M世代のであって、選択範囲位置情報1121に対応する部分帳票テキストデータ1122が外部メモリ211に存在するかを判定する。
ここでMとは、帳票システムログイン時(
図6のステップS402)に取得し、RAM202に記憶した「外部出力前後世代数712」(
図7参照)である。
【0166】
具体的には、表示部210に表示している帳票(
図14の例では、月次売上「2013年6月度」)に対応する「帳票種別ID1201」「世代番号1203」はそれぞれ「A」「18」であり、「外部出力前後世代数712」=5の場合は、「選択範囲位置情報1121」に対応し、「帳票種別ID1201」「世代番号1203」がそれぞれ「A」「13〜23」の部分帳票テキストデータ1122が外部メモリ211に存在するかを判定する。
【0167】
存在した場合(ステップS1001のYES)は、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS1007に進む。
存在しなかった場合(ステップS1001のNO)は、ステップS1002において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票サーバ102にデータが必要な帳票の「帳票種別ID1201」「世代番号1203」「選択範囲位置情報1121」を送信し、部分帳票データリスト1130(
図11の(b)参照)を要求する。
【0168】
例えば、「世代番号1203」が「13〜23」の11世代のうち、「16〜20」の5世代のデータは外部メモリ211に存在し、「13、14、15、21、22,23」の6世代のデータが外部メモリ211になかったとすると、帳票サーバ102に送信する「世代番号1203」は、「13、14、15、21、22,23」の6つとなる。
【0169】
ステップS1003において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、クライアント端末103から送信された部分帳票データリスト1130の要求を受け付ける。
ステップS1004において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、受け付けた要求から「帳票種別ID1201」「世代番号1203」「選択範囲位置情報1121」を取得し、取得した「帳票種別ID1201」「世代番号1203」を検索条件として帳票ファイルデータベース1200を検索し、該当する帳票データ1110から部分帳票テキストデータ1122を取得し、部分帳票データリスト1130を作成する。
【0170】
ここで、
図11の(b)を参照して、部分帳票データリスト1130について説明する。部分帳票データリスト1130とは、
図11の(b)にあるように、キーを「世代番号1203」とし、値を「部分帳票テキストデータ1122」とするハッシュテーブルである。なお、この実施形態では、部分帳票データリスト1130はハッシュテーブルとしたが、あくまでデータ型の例であり、データ型を限定するものではない。
【0171】
ステップS1005において、帳票サーバ102の制御部(CPU)201は、取得した部分帳票データリスト1130をクライアント端末103に送信する。
ステップS1006において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、帳票サーバ102から送信された部分帳票データリスト1130を受信し、受信した部分帳票データリスト1130を外部メモリ211に記憶しておく。
【0172】
ステップS1007において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、外部メモリ211から部分帳票データリスト1130を取得する。
ステップS1008において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、取得した部分帳票データリスト1130を、表計算ソフトなどの外部アプリケーションに渡すデータ形式に整形する。
【0173】
なお、どの外部アプリケーションで開くかについては、帳票を表示するためのアプリケーションで固定しておいてもよいし、パラメータ定義ファイル710でユーザが設定可能にしても、表示する際にユーザに外部アプリケーションを選択させるとしてもよい。これにより、出力する外部アプリケーションが決定したら、その外部アプリケーションに合ったデータ形式にデータを整形する。例えば、CSV形式やXML形式などのデータに整形する。
【0174】
ステップS1009において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、外部アプリケーションを起動し、ステップS1008において整形した部分帳票データリスト1130を外部アプリケーションに渡す。なお、整形した部分帳票データリスト1130については、外部アプリケーションを起動する際に、引数として渡す方法でもよいし、外部メモリ211に一旦記憶しておき、その記憶場所を外部アプリケーションに渡す方法でもよい。
【0175】
ステップS1010において、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、起動した外部アプリケーションに、部分帳票データリスト1130を表示して、処理を終了する。
【0176】
なお、このステップS1008〜S1010によって、本発明に係る「前記出力手段は、前記取得手段で取得した帳票データを外部アプリケーションで表示させるべく、所定のファイル形式のファイルに出力する」の一例が構成されている。
【0177】
図14の(b)に、帳票画面600に部分帳票データリスト632を配置した画面を示す。世代に対応するデータがリスト化されて表示されるため、データの推移についてのユーザの理解を促進することができる。
【0178】
また、この実施形態では、外部アプリケーションをクライアント端末103で動作するアプリケーションとしたが、他の情報処理装置へ部分帳票データリスト1130を送信し、他の情報処理装置が部分帳票データリスト1130を利用するとしてもよい。その場合、ステップS1005で、帳票サーバ102から、クライアント端末103に部分帳票データリスト1130を送信せずに、他の情報処理装置に部分帳票データリスト1130を送信してもよいし、帳票サーバ102の外部メモリ211に記憶しておき、他の情報処理装置からの要求に応じて、部分帳票データリスト1130を返信するとしてもよい。
【0179】
これにより、部分帳票データリスト1130を、外部アプリケーションや他の情報処理装置に出力したり、あるいは利用したりすることが可能になるため、簡単な操作で複数世代の帳票のデータを受け渡すことが可能となる。
【0180】
また、クライアント端末103の制御部(CPU)201は、ステップS1006において、帳票サーバ102から部分帳票データリスト1130を受信せずに、クライアント端末103の外部メモリ211に記憶される帳票データ1110と選択範囲位置情報1121に基づいて、部分帳票データリスト1130を生成し、取得してもよい。
【0181】
以上、連続出力処理において、クライアント端末103は、表示中の帳票において、ステップS501において選択された選択範囲601を始点とする上方向へのフリックが入力された場合に、表示中の帳票の選択範囲601の選択範囲位置情報1121に対応する部分帳票データリスト1130を、帳票サーバ102から取得し、取得したデータを所定のファイル形式に整形し、外部アプリケーション上に出力する。
【0182】
連続出力処理によれば、他世代の帳票におけるデータを、簡単な操作で、閲覧可能な仕組みを提供することができる。また、複数世代におけるデータの推移を、ユーザが認識しやすいレイアウトで表示する仕組みを提供することができる。
【0183】
また、何世代跨いだデータを表示するかを、ユーザが所望する設定が可能な仕組みにすることで、簡単な操作で、ユーザが指定した範囲のデータの推移を、ユーザが所望する世代だけ閲覧可能になるため、データの推移の把握が迅速になり、それに伴う意思決定もより迅速かつより正確に行うことができるようになる。
【0184】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0185】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0186】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0187】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0188】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0189】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0190】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0191】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る帳票管理システム1等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。