特許第6203617号(P6203617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203617
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】硬貨処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 1/00 20060101AFI20170914BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20170914BHJP
   G07D 1/06 20060101ALN20170914BHJP
【FI】
   G07D1/00 AGBE
   G07D9/00 410B
   !G07D1/06
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-252147(P2013-252147)
(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公開番号】特開2015-109018(P2015-109018A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2016年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】307003777
【氏名又は名称】株式会社日本コンラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100140165
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】片 桐 直 己
(72)【発明者】
【氏名】片 桐 良 二
(72)【発明者】
【氏名】八 巻 昌 明
【審査官】 井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−222246(JP,A)
【文献】 実開平7−13067(JP,U)
【文献】 特開平3−185589(JP,A)
【文献】 特開平2−37486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00
G07D 9/00
G07D 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された硬貨の金種を識別する硬貨識別手段と、
前記硬貨識別手段によって識別された硬貨を金種別に振り分ける硬貨振分手段と、
前記硬貨振分手段によって振り分けられた硬貨を金種ごとに収納する複数のコインチューブと、
前記コインチューブに収納された硬貨をペイアウトスライドによって引き出す払出動作によって払い出す硬貨払出手段と
を有する硬貨処理装置であって、
特定金種について、1回の前記払出動作において2枚の硬貨が引き出される2枚払出用コインチューブと、1回の前記払出動作において1枚の硬貨が引き出される1枚払出用コインチューブとを有し、
前記1枚払出用コインチューブの硬貨収納枚数が十分である通常状態においては、前記硬貨振分手段は、投入された前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の少ない前記コインチューブへ振り分け、前記硬貨払出手段は、前記特定金種の硬貨を前記払出動作の回数が最小となるように選択された前記コインチューブから払い出し、
前記1枚払出用コインチューブの硬貨収納枚数が十分でないつり銭不足状態においては、 前記硬貨振分手段は、投入された前記特定金種の硬貨を1枚払出用コインチューブへ優先的に振り分け、前記硬貨払出手段は、前記特定金種の硬貨を可能な限り2枚払出用コインチューブのみから払い出す
ことを特徴とする硬貨処理装置。
【請求項2】
投入された硬貨の金種を識別する硬貨識別手段と、
前記硬貨識別手段によって識別された硬貨を金種別に振り分ける硬貨振分手段と、
前記硬貨振分手段によって振り分けられた硬貨を金種ごとに収納する複数のコインチューブと、
前記コインチューブに収納された硬貨をペイアウトスライドによって引き出す払出動作によって払い出す硬貨払出手段と
を有する硬貨処理装置であって、
特定金種について、1回の前記払出動作において2枚の硬貨が引き出される2枚払出用コインチューブと、1回の前記払出動作において1枚の硬貨が引き出される1枚払出用コインチューブとを有し、
前記硬貨振分手段が前記2枚払出用コインチューブへの硬貨の振り分けを行い前記硬貨払出手段が前記2枚払出用コインチューブから硬貨の払い出しを行う2枚払出使用モードと、前記硬貨振分手段が前記2枚払出用コインチューブへの硬貨の振り分けを行わず前記硬貨払出手段が前記2枚払出用コインチューブから硬貨の払い出しを行わない2枚払出不使用モードとを選択的にとることができ、
電源が投入された後は前記2枚払出不使用モードをとり、2枚以上の硬貨を払い出す命令を受信すると前記2枚払出使用モードへと切り替わる
ことを特徴とする硬貨処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の硬貨処理装置であって、
前記1枚払出用コインチューブを2つ以上有し、
前記通常状態においては、前記硬貨振分手段は、投入された前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の少ない前記1枚払出用コインチューブへ優先的に振り分け、前記硬貨払出手段は、前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の多い前記1枚払出用コインチューブから優先的に払い出し、
前記つり銭不足状態においては、前記硬貨振分手段は、投入された前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の多い前記1枚払出用コインチューブへ優先的に振り分け、前記硬貨払出手段は、前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の少ない前記1枚払出用コインチューブから優先的に払い出す
ことを特徴とする硬貨処理装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項3のいずれかに記載の硬貨処理装置において、
前記各コインチューブの硬貨収納枚数が所定枚数以下となったことを検知する硬貨検知手段を有し、
前記硬貨検知手段が前記1枚払出用コインチューブの1つ以上において硬貨収納枚数が所定枚数以下となったことを検知してない場合は、前記通常状態とし、
前記硬貨検知手段がすべての前記1枚払出用コインチューブにおいて硬貨収納枚数が所定枚数以下となったことを検知している場合は、前記つり銭不足状態とする
ことを特徴とする硬貨処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動販売機、両替機、精算機、券売機、サービス機器等(以下、「自動販売機等」という。)に搭載される硬貨処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動販売機等の内部には、投入硬貨の正偽を判別するとともに、正貨とみなされた投入硬貨を金種毎に選別収納し、さらに選別収納された硬貨を釣銭等の額に応じて払い出す硬貨処理装置が搭載されている。図13は、このような硬貨処理装置の概略図である。
【0003】
この硬貨処理装置1は、大別すると、投入硬貨の正偽を判別するとともに投入硬貨を金種別に振り分けるための硬貨選別装置2と、硬貨選別装置2により振り分けられた投入硬貨を金種毎に収納してそこから釣銭等の額に応じた硬貨を選択して払い出すための硬貨払出装置3とから構成されている。そして、硬貨選別装置2は、投入硬貨の正偽及び金種を判別するための硬貨識別手段4と、この硬貨識別手段4が真正硬貨とみなした硬貨を金種別に振り分ける硬貨振分手段5とを有している。また、硬貨払出装置3は、硬貨選別装置2により金種毎に振り分けられた硬貨をそれぞれ金種毎に収納する複数のコインチューブ6と、この複数のコインチューブ6から釣銭等の額に応じた硬貨を選択して払い出すための硬貨払出手段7とを有している。この硬貨払出手段7としては、コインチューブ6に収納された硬貨を、コインチューブ6の最下部に開口したスリット状の孔から、ペイアウトスライドと称されているスライド部材によって一枚ずつ引き出すことにより硬貨を払い出すものが広く採用されている。このペイアウトスライドには、それぞれのコインチューブ6の最下部に対応する部分に、硬貨収容孔が設けられており、この硬貨収容孔に収まった硬貨が引き出されるものとなっている。そして、この硬貨払出手段7は、チェンジスライドと称されているスライド部材によって、ペイアウトスライドの硬貨収容孔に収まった硬貨の下面支持とその解除を選択的に行うことによって、引き出された硬貨の払い出しと非払い出しを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−262426号公報
【特許文献2】特開2013−37424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
硬貨処理装置においては、硬貨の払出処理を可能な限り短時間で行いたいという一般的な要求が存在する。そして、硬貨の払出処理を短時間で行うためには、払出動作自体を高速化する方法が考えられるが、払出動作自体を高速化する方法では、硬貨の詰まりなどの弊害が生じやすく、著しい高速化は困難である。
【0006】
本発明は、上記の弊害を発生させることなく硬貨の払出処理を高速化することができる硬貨処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の硬貨処理装置は、投入された硬貨の金種を識別する硬貨識別手段と、前記硬貨識別手段によって識別された硬貨を金種別に振り分ける硬貨振分手段と、前記硬貨振分手段によって振り分けられた硬貨を金種ごとに収納する複数のコインチューブと、前記コインチューブに収納された硬貨をペイアウトスライドによって引き出す払出動作によって払い出す硬貨払出手段とを有する硬貨処理装置であって、特定金種について、1回の前記払出動作において2枚の硬貨が引き出される2枚払出用コインチューブと、1回の前記払出動作において1枚の硬貨が引き出される1枚払出用コインチューブとを有し、前記1枚払出用コインチューブの硬貨収納枚数が十分である通常状態においては、前記硬貨振分手段は、投入された前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の少ない前記コインチューブへ振り分け、前記硬貨払出手段は、前記特定金種の硬貨を前記払出動作の回数が最小となるように選択された前記コインチューブから払い出し、前記1枚払出用コインチューブの硬貨収納枚数が十分でないつり銭不足状態においては、前記硬貨振分手段は、投入された前記特定金種の硬貨を1枚払出用コインチューブへ優先的に振り分け、前記硬貨払出手段は、前記特定金種の硬貨を可能な限り2枚払出用コインチューブのみから払い出すことを特徴とする。
【0008】
請求項2の硬貨処理装置は、投入された硬貨の金種を識別する硬貨識別手段と、前記硬貨識別手段によって識別された硬貨を金種別に振り分ける硬貨振分手段と、前記硬貨振分手段によって振り分けられた硬貨を金種ごとに収納する複数のコインチューブと、前記コインチューブに収納された硬貨をペイアウトスライドによって引き出す払出動作によって払い出す硬貨払出手段とを有する硬貨処理装置であって、特定金種について、1回の前記払出動作において2枚の硬貨が引き出される2枚払出用コインチューブと、1回の前記払出動作において1枚の硬貨が引き出される1枚払出用コインチューブとを有し、前記硬貨振分手段が前記2枚払出用コインチューブへの硬貨の振り分けを行い前記硬貨払出手段が前記2枚払出用コインチューブから硬貨の払い出しを行う2枚払出使用モードと、前記硬貨振分手段が前記2枚払出用コインチューブへの硬貨の振り分けを行わず前記硬貨払出手段が前記2枚払出用コインチューブから硬貨の払い出しを行わない2枚払出不使用モードとを選択的にとることができ、電源が投入された後は前記2枚払出不使用モードをとり、2枚以上の硬貨を払い出す命令を受信すると前記2枚払出使用モードへと切り替わることを特徴とする。
【0009】
請求項3の硬貨処理装置は、請求項1に記載の硬貨処理装置であって、前記1枚払出用コインチューブを2つ以上有し、前記通常状態においては、前記硬貨振分手段は、投入された前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の少ない前記1枚払出用コインチューブへ優先的に振り分け、前記硬貨払出手段は、前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の多い前記1枚払出用コインチューブから優先的に払い出し、前記つり銭不足状態においては、前記硬貨振分手段は、投入された前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の多い前記1枚払出用コインチューブへ優先的に振り分け、前記硬貨払出手段は、前記特定金種の硬貨を硬貨収納枚数の少ない前記1枚払出用コインチューブから優先的に払い出すことを特徴とする。
【0010】
請求項4の硬貨処理装置は、請求項1又は請求項3のいずれかに記載の硬貨処理装置において、前記各コインチューブの硬貨収納枚数が所定枚数以下となったことを検知する硬貨検知手段を有し、前記硬貨検知手段が前記1枚払出用コインチューブの1つ以上において硬貨収納枚数が所定枚数以下となったことを検知してない場合は、前記通常状態とし、前記硬貨検知手段がすべての前記1枚払出用コインチューブにおいて硬貨収納枚数が所定枚数以下となったことを検知している場合は、前記つり銭不足状態とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、硬貨の払出処理を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の硬貨処理装置のブロック図である。
図2】本発明の実施形態の硬貨処理装置の概略図である。
図3】本発明の実施形態の硬貨処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の硬貨処理装置の振分処理の流れを示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態の硬貨処理装置の500W(50W)振分処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態の硬貨処理装置の100W振分処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態の硬貨処理装置の払出処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の硬貨処理装置の払出チューブ決定処理の流れを示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態の硬貨処理装置の500W(50W)払出チューブ決定処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態の硬貨処理装置の100W払出チューブ決定処理の流れを示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態の硬貨処理装置の通常状態における100W払出チューブ決定処理の流れを示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態の硬貨処理装置のつり銭不足状態における100W払出チューブ決定処理の流れを示すフローチャートである。
図13】従来の硬貨処理装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の1つを図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1のブロック図であり、図2は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1の概略図であって、硬貨処理装置1の断面を模式的に表したものである。この実施形態の硬貨処理装置1の構造は、以下で説明する部分を除いて、前述した従来の硬貨処理装置の構造と同様である。よって、この実施形態における構成部材のうち前述の従来の硬貨処理装置における構成部材と同等の部材には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0015】
この硬貨処理装置1は、硬貨識別手段4と硬貨振分手段5と5つのコインチューブ6と硬貨払出手段7と演算手段8と記憶手段9とを有している。この硬貨払出手段7は、それぞれのコインチューブ6に対応する5つの硬貨収容孔が設けられた1枚のペイアウトスライドを有し、このペイアウトスライドを引き出すことによって硬貨収容孔に収まった硬貨を払い出すものである。それぞれのコインチューブ6には、コインチューブ6に収納された硬貨が満杯になったことを検知するセンサである満杯検知スイッチ10と、コインチューブ6に収納されている硬貨が所定枚数以下となったことを検知するセンサであるエンプティスイッチ11とが設けられている。また、この硬貨処理装置1は、それぞれのコインチューブ6に収納されている硬貨の枚数を把握するために、その記憶手段9に各コインチューブ6の増減カウンタ91を有している。この増減カウンタ91は、電源が投入されたとき又はコインチューブ6の着脱が認識されたときの初期値は0であり、各コインチューブ6に硬貨が振り分けられたとき加算され、各コインチューブ6から硬貨が払い出されたときに減算されるものである。また、この硬貨処理装置1の記憶手段9は、自動販売機等の主制御13からの返金指令を受信した後の処理に必要となる各コインチューブ6の払出可能枚数92と残り払出予定枚数93とを記憶するための領域を有している。この払出可能枚数92は、硬貨処理装置1が認識している各コインチューブ6から確実に払い出すことができる枚数である。この払出可能枚数92は、装置本体の電源が投入されたとき又はコインチューブ6の着脱が認識されたときに、エンプティスイッチ11によって各コインチューブ6に収納されている硬貨が所定枚数以下であることが検知されている場合は、0から計数が開始され、エンプティスイッチ11によって各コインチューブ6に収納されている硬貨が所定枚数以下であることが検知されていない場合は、その所定枚数に1を加えた枚数から計測が開始される。そして、基本的には、各コインチューブ6に硬貨が振り分けられたとき加算され、各コインチューブ6から硬貨が払い出されたときに減算される。ただし、この払出可能枚数92は、エンプティスイッチ11によって各コインチューブ6に収納されている硬貨が所定枚数以下であることが検知されていない間は、所定枚数以下に
は減算されず、満杯検知センサ10によって満杯が検知されたときは、満杯枚数とされる。この払出可能枚数92によって、各コインチューブ6から確実に払い出すことができる枚数、つまり各コインチューブ6に収納されている硬貨の最低限の収納枚数を把握することができる。以上の構成は、従来の硬貨処理装置と同様の構成である。
【0016】
この硬貨処理装置1の5本のコインチューブ6は、図1及び図2の左からそれぞれ、500ウォン硬貨が収納される500Wチューブ61、100ウォン硬貨が収納される100W2枚払出チューブ62、100ウォン硬貨が収納される100W1枚払出チューブA63、50ウォン硬貨が収納される50Wチューブ64、100ウォン硬貨が収納される100W1枚払出チューブB65となっている。ここで、100W2枚払出チューブ62は、一度の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰の1往復分の動作)において2枚の硬貨が払い出される2枚払出用コインチューブとなっている。この2枚払出用コインチューブを用いる点は、本件出願人らが新たに導入した技術思想であり、従来にはない構成である。一度の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰の1往復分の動作)において1つのコインチューブから一度に2枚の硬貨を払い出すことは、そのコインチューブに対応するペイアウトスライドの硬貨収容孔の内壁の高さを硬貨2枚分にすることによってその硬貨収容孔に2枚の硬貨を収容し、ペイアウトスライドの一度の引き出しでその硬貨収容孔に収容された2枚の硬貨を引き出すようにすることで実現可能である。このペイアウトスライドの硬貨収容孔の内壁の高さを硬貨2枚分にする方法としては、ペイアウトスライドの硬貨収納孔の周囲に立壁を設けることなどが考えられる。この100W2枚払出チューブ62以外の4本のコインチューブ61,63,64,65は、従来のものと同様、一度の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰の1往復分の動作)において1枚の硬貨が払い出されるものである。
【0017】
このように、この硬貨処理装置1は、100ウォン硬貨について、2枚払出用コインチューブ(100W2枚払出チューブ62)と1枚払出用コインチューブ(100W1枚払出チューブA63、100W1枚払出チューブB65)とを併用するものであるが、本願発明者らは、このような構成においては以下で説明する問題点が生じること及びその問題点を解決するための手段を見いだした。
【0018】
2枚払出用コインチューブ62は、1回の払い出し動作で2枚の硬貨を払い出すことができるが、1枚の硬貨を払い出すことができないため、1枚払出用コインチューブ63,65に硬貨が収納されていないときは、奇数枚の払い出しに対応することができない。そのため、1枚払出用コインチューブ63,65に硬貨が収納されていないときは、2枚払出用コインチューブ62に多数の硬貨が収納されていたとしても、100ウォン硬貨をつり銭として払い出すことができない。つまり、1枚払出用コインチューブ63,65に硬貨が収納されていないときは、2枚払出用コインチューブ62内の硬貨の有無にかかわらず、硬貨処理装置1は払出可能枚数を0枚とする必要がある。
【0019】
このような問題点があるため、2枚払出用コインチューブ62と1枚払出用コインチューブ63,65とを併用する場合は、2枚払出用コインチューブ62のみに硬貨が収納され、1枚払出用コインチューブ63,65には硬貨が収納されていない状態を回避することが求められる。そのための手段としては、投入された硬貨を1枚払出用コインチューブ62に優先的に振り分け、つり銭を2枚払出用コインチューブ62から優先的に払い出すことが考えられる。しかし、この方法では、2枚払出用コインチューブ62に硬貨がなく、1枚払出用コインチューブ63,65に多くの硬貨が収納されているという状態になりやすく、そのような状態では必要な払出動作の回数が多くなり、硬貨の払い出しが遅くなってしまう。
【0020】
そこで、本発明の実施形態の硬貨処理装置1では、投入された硬貨の振り分け先のコインチューブ6の決定と、硬貨の払い出しを行うコインチューブ6の決定とについて、1枚払出用コインチューブ63,65につり銭用硬貨が十分に収納されている場合と、1枚払出用コインチューブ63,65につり銭用硬貨が十分に収納されていない場合とで、異なる処理を行うようになっている。この1枚払出用コインチューブ63,65の硬貨収納枚数が十分であるかの判断は、本実施形態の硬貨処理装置1においては、硬貨検知手段であるエンプティスイッチ11の出力に基づいて行っており、いずれかの1枚払出用コインチューブ(100W1枚払出チューブA63又は100W1枚払出チューブB65)においてエンプティスイッチ11が収納されている硬貨が所定枚数以下となったことを検知してない場合は、1枚払出用コインチューブ63,65の硬貨収納枚数が十分であるとし、すべての1枚払出用コインチューブ(100W1枚払出チューブA63及び100W1枚払出チューブB65)においてエンプティスイッチ11が収納されている硬貨が所定枚数以下となったことを検知している場合は、1枚払出用コインチューブ63,65の硬貨収納枚数が十分でないとしている。このエンプティスイッチ11の所定枚数は、100ウォンでは通常10枚程度に設定されている。
【0021】
まず、1枚払出用コインチューブ63,65につり銭用硬貨が十分に収納されている場合(通常状態)においては、この硬貨処理装置1は、投入された硬貨の振り分けは、各コインチューブ6の硬貨収納枚数が均等になるように行い、硬貨の払い出しは、払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰の1往復分の動作)の回数が最小になるように行う。具体的には、この硬貨処理装置1は、投入された硬貨の振り分けにおいては、投入された硬貨が硬貨収納枚数の一番少ないコインチューブ6へ収納されるように行い、硬貨の払い出しにおいては、2枚払出用コインチューブ62と1枚払出用コインチューブ63,65とでは、2枚払出用コインチューブ62から優先して行い、1枚払出用コインチューブ63,65同士では、硬貨収納枚数が多いものから優先して行う。
【0022】
次に、1枚払出用コインチューブ63,65につり銭用硬貨が十分に収納されていない場合(つり銭不足状態)においては、この硬貨処理装置1は、投入された硬貨の振り分けは、1枚払出用コインチューブ63,65に対して集中的に行い、硬貨の払い出しは、払出動作の回数が増えても可能な限り2枚払出用コインチューブ62から行う。具体的には、この硬貨処理装置1は、投入された硬貨の振り分けにおいては、1枚払出用コインチューブ63,65のうちの硬貨収納枚数の多い方へ行い、硬貨の払い出しにおいては、可能な限り2枚払出用コインチューブ62のみから行い、払出枚数が奇数のときだけ1枚払出用コインチューブ63,65から行う。そして、この硬貨の払い出しは、1枚払出用コインチューブ63,65同士では、硬貨収納枚数が少ないものから優先して行われる。ここで、硬貨の振り分けを硬貨収納枚数の多い方へ優先して行い、硬貨の払い出しを硬貨収納枚数の少ない方から優先して行うのは、出来るだけ早くつり銭不足状態を脱し、通常状態とするためである。
【0023】
以上の構成により、2枚払出用コインチューブ62のみにつり銭があるという状態を極力回避し、2枚払出用コインチューブ62と1枚払出用コインチューブ63,65から同時に払い出しを行う期間を長くすることが可能となる。
【0024】
以上において、硬貨処理装置1における投入された硬貨の振り分け先のコインチューブ6の決定と硬貨の払い出しを行うコインチューブ6の決定とについて説明したが、硬貨処理装置1による硬貨の振り分けだけでなく、つり銭の補充を行う作業者がつり銭を補充する際にも同様の配慮が必要となる。つまり、作業者がつり銭の補充を行う際も、つり銭不足状態とならないよう、作業者は100W1枚払出チューブ63,65においてエンプティスイッチ11が収納されている硬貨が所定枚数以下となったことを検知してない状態になるまで硬貨を補充する必要がある。しかし、通常、作業者はどこまで補充したらエンプティスイッチ11が収納されている硬貨が所定枚数以下となったことを検知してない状態になるかが分からない。そのため、この硬貨処理装置1においては、各コインチューブ6にエンプティスイッチ11の状態を表示するための表示手段としてエンプティスイッチ状態表示LED12を設けている。この表示手段によって、作業者はエンプティスイッチ11の検知状態を確認することが可能となる。
【0025】
また、この硬貨処理装置1が搭載された自動販売機等で販売される商品の価格が900ウォンのみである場合など、2枚払出用コインチューブ62からの払い出しを利用できない場合が有ることが想定される。そのため、この硬貨処理装置1では、作業者が、手動で、2枚払出用コインチューブ62を使用する設定と2枚払出用コインチューブ62を使用しない設定とを相互に切り替えることが可能となっている。この2枚払出用コインチューブ62を使用しない設定では、この硬貨処理装置1は、2枚払出用コインチューブ62への硬貨の振り分けを行わず、2枚払出用コインチューブ62から硬貨の払い出しを行わない。さらに、この硬貨処理装置1では、2枚払出用コインチューブ62を使用する設定と2枚払出用コインチューブ62を使用しない設定とを自働で行うよう設定する自動設定が可能となっている。この自働設定においては、この硬貨処理装置1は、電源が投入された後、まずは2枚払出用コインチューブ62を使用しない設定で動作し、その後、一度でも2枚以上のつり銭の払出命令を受信したら、2枚払出用コインチューブ62を使用する設定に切り替えるようになっている。このような構成により、この硬貨処理装置1は、2枚払出用コインチューブ62を活用できない商品価格設定の場合にも対応可能となっている。
【0026】
次に、上述した本発明の実施形態の硬貨処理装置1において行われる処理の流れについて説明する。
【0027】
図3は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1の動作の流れを示すフローチャートである。この硬貨処理装置1は、電源が投入されると、最初に初期動作を行い(S101)、その後、待機状態となり、硬貨の投入が検知されると振分処理を行い(S102)、自動販売機等の主制御13から返金指令を受信すると払出処理を行う(S103)。
【0028】
図4は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1の振分処理(S102)の流れを示すフローチャートである。振分処理(S102)では、この硬貨処理装置1は、待機状態において硬貨の投入が検知されると(S201)、金種判定処理を行い(S202)、投入された硬貨が500ウォン硬貨と判定されると(S203)、500W振分処理を行い(S204)、100ウォン硬貨と判定されると(S205)、100W振分処理を行い(S206)、50ウォン硬貨と判定されると(S207)、50W振分処理を行う(S208)。最後に、この硬貨処理装置1は、振り分けられた硬貨の枚数に応じて増減カウンタ91及び払出可能枚数92の更新などの加算処理を行う(S209)。
【0029】
図5は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1の500W振分処理(S204)の流れを示すフローチャートである。500W振分処理(S204)では、この硬貨処理装置1は、500Wチューブ61が満杯であるかの判断を行い(S301)、満杯である場合は、投入された硬貨を金庫へ振り分け(S303)、満杯でない場合は、投入された硬貨を500Wチューブ61へ振り分ける(S302)。50W振分処理(S208)も、500W振分処理と同様である。
【0030】
図6は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1の100W振分処理(S206)の流れを示すフローチャートである。100W振分処理(S206)では、この硬貨処理装置1は、最初に、すべての100Wチューブ(100W2枚払出チューブ62、100W1枚払出チューブA63、100W1枚払出チューブB65)が満杯であるかの判断を行い(S401)、すべての100Wチューブ62,63,65が満杯である場合は、投入硬貨を金庫へ振り分け(S404)、満杯でない場合は、100W1枚払出チューブ(100W1枚払出チューブA63、100W1枚払出チューブB65)の硬貨収納枚数が十分であるかの判断を行う(S402)。100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分である場合(通常状態)は、この硬貨処理装置1は、投入された硬貨を硬貨収納枚数の少ない100Wチューブ62,63,65へ振り分ける(S403)。そして、100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分でない場合(つり銭不足状態)は、この硬貨処理装置1は、2つの100W1枚払出チューブ63,65の払出可能枚数92の値を比較し(S405)、両者の値が同じか100W1枚払出チューブA63の値の方が大きい場合には、100W1枚払出チューブA63へ硬貨を振り分け(S406)、100W1枚払出チューブB65の値の方が大きい場合には、100W1枚払出チューブB65へ硬貨を振り分ける(S407)。100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分であるかの判断は、前述のとおり、エンプティスイッチ11の出力に基づいて行っており、100W1枚払出チューブA63又は100W1枚払出チューブB65のいずれかにおいてエンプティスイッチ11が収納されている硬貨が所定枚数以下となったことを検知してない場合は、100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分であるとし、100W1枚払出チューブA63及び100W1枚払出チューブB65の両者においてエンプティスイッチ11が収納されている硬貨が所定枚数以下となったことを検知している場合は、100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分でないとしている。
【0031】
図7は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1の払出処理(S103)の流れを示すフローチャートである。この硬貨処理装置1は、自動販売機等の主制御13から返金指令を受信すると払出処理を開始する。この返金指令は、払い出しを行う硬貨の金種と払出予定枚数とをその内容としている。払出処理(S103)では、この硬貨処理装置1は、自動販売機等の主制御13から返金指令を受信すると(S501)、残り払出予定枚数93の設定を行い(S502)、払出可能枚数92を参照して返金指令分のつり銭を保有しているかの判断を行う(S503)。この硬貨処理装置1は、返金指令分のつり銭を保有していない場合は、払出処理を終了し、返金指令分のつり銭を保有している場合は、払出チューブ決定処理を行う(S504)。この払出チューブ決定処理では、次の1回の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰の1往復分の動作)において硬貨の払い出しを行うコインチューブ6を決定する。次に、この硬貨処理装置1は、1回の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰の1往復分の動作)を行い、払出チューブ決定処理において払い出しを行うと決定されたコインチューブ6から硬貨を払い出す(S505)。次に、この硬貨処理装置1は、払い出された硬貨の枚数に応じて増減カウンタ91及び払出可能枚数92の更新などの減算処理を行う(S506)。次に、この硬貨処理装置1は、すべての払い出しが終了したかの判断を行い(S507)、すべての払い出しが終了した場合は、払出処理を終了し、すべての払い出しが終了していない場合は、残りの払い出し予定の硬貨について、払出チューブ決定処理を行い(S504)、以後、同様の処理を繰り返すことになる。
【0032】
図8は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1の払出チューブ決定処理(S504)の流れを示すフローチャートである。払出チューブ決定処理(S504)では、この硬貨処理装置1は、500ウォン硬貨の払い出しを行うコインチューブ6を決定する500W払出チューブ決定処理(S508)と、100ウォン硬貨の払い出しを行うコインチューブ6を決定する100W払出チューブ決定処理(S509)と、50ウォン硬貨の払い出しを行うコインチューブ6を決定する50W払出チューブ決定処理(S510)とを順次行う。
【0033】
図9は、本発明の実施形態の硬貨処理装置の500W(50W)払出チューブ決定処理(S508)の流れを示すフローチャートである。500W払出チューブ決定処理(S508)では、この硬貨処理装置1は、最初に500ウォン硬貨の残りの払出予定枚数93が0でないかの判断を行う(S601)。この硬貨処理装置1は、500ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が0である場合は、500W払出チューブ決定処理を終了し、500ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が0でない場合は、500Wチューブ61を次の1回の払出動作において払い出すコインチューブ6として決定する(S602)。その後、この硬貨処理装置1は、500ウォン硬貨の残り払出予定枚数93の値を1減算することによって更新して(S603)、500W払出チューブ決定処理を終了する。50W払出チューブ決定処理(S510)も、500W払出チューブ決定処理と同様である。
【0034】
図10は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1の100W払出チューブ決定処理(S509)の流れを示すフローチャートである。100W払出チューブ決定処理(S509)では、この硬貨処理装置1は、最初に、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が0でないかの判断を行う(S701)。この硬貨処理装置1は、100ウォン硬貨の残りの払出予定枚数93が0である場合は、100W払出チューブ決定処理を終了し、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が0でない場合は、100W1枚払出チューブ(100W1枚払出チューブA63、100W1枚払出チューブB65)の硬貨収納枚数が十分であるかの判断を行う(S702)。この硬貨処理装置1は、100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分である場合(通常状態)は、通常状態における100W払出チューブ決定処理を行い(S703)、100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分でない場合(つり銭不足状態)は、つり銭不足状態における100W払出チューブ決定処理を行って(S704)、100W払出チューブ決定処理を終了する。100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分であるかの判断は、前述のとおり、エンプティスイッチ11の出力に基づいて行っており、100W1枚払出チューブA63又は100W1枚払出チューブB65のいずれかにおいてエンプティスイッチ11が収納されている硬貨が所定枚数以下となったことを検知してない場合は、100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分であるとし、100W1枚払出チューブA63及び100W1枚払出チューブB65の両者においてエンプティスイッチ11が収納されている硬貨が所定枚数以下となったことを検知している場合は、100W1枚払出チューブ63,65の硬貨収納枚数が十分でないとしている。
【0035】
図11は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1の通常状態における100W払出チューブ決定処理(S703)の流れを示すフローチャートである。通常状態における100W払出チューブ決定処理(S703)では、この硬貨処理装置1は、最初に、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が2枚以上であるかの判断を行い(S801)、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が2枚以上である場合は、次に、100W2枚払出チューブ62の払出可能枚数が2枚以上であるかの判断を行う(S802)。100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が2枚以上であり、且つ、100W2枚払出チューブ62の払出可能枚数92が2枚以上である場合は、この硬貨処理装置1は、100W2枚払出チューブ62を次の1回の払出動作において払い出すコインチューブ6として決定し(S803)、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93の値を2減算することによって更新する(S804)。一方、100ウォン硬貨の残りの払出予定枚数93が2枚以上でなく、又は、100W2枚払出チューブ62の払出可能枚数92が2枚以上でない場合は、この硬貨処理装置1はこれらの処理を行うことなく次の処理へ移行する。
【0036】
次に、この硬貨処理装置1は、100ウォン硬貨の残りの払出予定枚数93が0でないかの判断を行い(S805)、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が0である場合は、通常状態における100W払出チューブ決定処理を終了する。100ウォン硬貨の残りの払出予定枚数93が0でない場合は、この硬貨処理装置1は、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が2枚以上であるかの判断を行う(S806)。ここで、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が2枚以上である場合は、2つの100W1枚払出チューブ(100W1枚払出チューブA63、100W1枚払出チューブB65)をともに次の1回の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰の1往復分の動作)において硬貨の払い出しを行うコインチューブ6に決定し(S810)、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93の値を2減算することによって更新し(S811)、通常状態における100W払出チューブ決定処理を終了する。一方、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が2枚以上でない場合は、つまり、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が1枚である場合は、この硬貨処理装置1は、2つの100W1枚払出チューブ(100W1枚払出チューブA63、100W1枚払出チューブB65)の払出可能枚数92の値を比較し(S807)、両者の値が同じか100W1枚払出チューブA63の値の方が大きい場合には、100W1枚払出チューブA63を次の1回の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰の1往復分の動作)において硬貨の払い出しを行うコインチューブ6に決定し(S808)、100W1枚払出チューブB65の値の方が大きい場合には、100W1枚払出チューブB65を次の1回の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰)において硬貨の払い出しを行うコインチューブ6に決定する(S812)。そして、最後に、この硬貨処理装置1は、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93の値を1減算することによって更新して(S809)、通常状態における100W払出チューブ決定処理を終了する。
【0037】
図12は、本発明の実施形態の硬貨処理装置1のつり銭不足状態における100W払出チューブ決定処理(S704)の流れを示すフローチャートである。つり銭不足状態における100W払出チューブ決定処理(S704)では、この硬貨処理装置1は、最初に、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が2枚以上であるかの判断を行い(S901)、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が2枚以上である場合は、次に、100W2枚払出チューブ62の払出可能枚数92が2枚以上であるかの判断を行う(S902)。100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が2枚以上であり、且つ、100W2枚払出チューブ62の払出可能枚数92が2枚以上である場合は、この硬貨処理装置1は、100W2枚払出チューブ62を次の1回の払出動作において払い出すコインチューブ6として決定し(S903)、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93の値を2減算することによって更新する(S904)。一方、100ウォン硬貨の残りの払出予定枚数93が2枚以上でなく、又は、100W2枚払出チューブ62の払出可能枚数92が2枚以上でない場合は、この硬貨処理装置1はこれらの処理を行うことなく次の処理へ移行する。
【0038】
次に、この硬貨処理装置1は、100ウォン硬貨の残りの払出予定枚数93が0でないかの判断を行い(S905)、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が0である場合は、つり銭不足状態における100W払出チューブ決定処理を終了する。100ウォン硬貨の残りの払出予定枚数93が0でない場合は、この硬貨処理装置1は、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が奇数であるかの判断を行う(S906)。ここで、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が奇数でない場合、つまり、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が偶数である場合は、つり銭不足状態における100W払出チューブ決定処理を終了する。一方、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93が奇数である場合は、この硬貨処理装置1は、2つの100W1枚払出チューブ(100W1枚払出チューブA63、100W1枚払出チューブB65)の払出可能枚数92の値を比較し(S907)、100W1枚払出チューブA63の値の方が小さい場合には、100W1枚払出チューブA63を次の1回の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰)において硬貨の払い出しを行うコインチューブ6に決定し(S908)、両者の値が同じか100W1枚払出チューブB65の値の方が小さい場合には、100W1枚払出チューブB65を次の1回の払出動作(ペイアウトスライドの引き出しと復帰)において硬貨の払い出しを行うコインチューブ6に決定する(S910)。そして、最後に、この硬貨処理装置1は、100ウォン硬貨の残り払出予定枚数93の値を1減算することによって更新して(S909)、つり銭不足状態における100W払出チューブ決定処理を終了する。
【0039】
上述の実施形態の硬貨払出装置1によれば、硬貨の払出処理を高速化することが可能である。
【0040】
以上、本発明の実施形態の1つについて説明したが、本発明の硬貨処理装置はこの実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態の硬貨処理装置は、1つの2枚払出用コインチューブと2つの1枚払出用コインチューブとを有するものであるが、2つ以上の2枚払出用コインチューブを有するものであっても、1つ又は3つ以上の1枚払出用コインチューブを有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 硬貨処理装置
2 硬貨選別装置
3 硬貨収納装置
4 硬貨払出装置
5 硬貨振分手段
6 コインチューブ
61 500Wチューブ
62 100W2枚払出チューブ
63 100W1枚払出チューブA
64 50Wチューブ
65 100W1枚払出チューブB
7 硬貨払出手段
8 演算手段
9 記憶手段
91 増減カウンタ
92 払出可能枚数
93 残り払出予定枚数
10 満杯検知スイッチ
11 エンプティスイッチ
12 エンプティスイッチ状態表示LED
13 自動販売機等の主制御
C 硬貨
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13