特許第6203630号(P6203630)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特許6203630-走行車両 図000002
  • 特許6203630-走行車両 図000003
  • 特許6203630-走行車両 図000004
  • 特許6203630-走行車両 図000005
  • 特許6203630-走行車両 図000006
  • 特許6203630-走行車両 図000007
  • 特許6203630-走行車両 図000008
  • 特許6203630-走行車両 図000009
  • 特許6203630-走行車両 図000010
  • 特許6203630-走行車両 図000011
  • 特許6203630-走行車両 図000012
  • 特許6203630-走行車両 図000013
  • 特許6203630-走行車両 図000014
  • 特許6203630-走行車両 図000015
  • 特許6203630-走行車両 図000016
  • 特許6203630-走行車両 図000017
  • 特許6203630-走行車両 図000018
  • 特許6203630-走行車両 図000019
  • 特許6203630-走行車両 図000020
  • 特許6203630-走行車両 図000021
  • 特許6203630-走行車両 図000022
  • 特許6203630-走行車両 図000023
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203630
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】走行車両
(51)【国際特許分類】
   B62K 17/00 20060101AFI20170914BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20170914BHJP
   B62K 5/01 20130101ALI20170914BHJP
   A01D 34/64 20060101ALN20170914BHJP
【FI】
   B62K17/00
   A01B69/00 302
   B62K5/01
   !A01D34/64 P
【請求項の数】4
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-267196(P2013-267196)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-123751(P2015-123751A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2015年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】伊東 寛和
(72)【発明者】
【氏名】小池 和生
(72)【発明者】
【氏名】戸越 義和
【審査官】 山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−201386(JP,A)
【文献】 特開2005−028991(JP,A)
【文献】 特表2004−500277(JP,A)
【文献】 特表2008−513055(JP,A)
【文献】 特開2012−126224(JP,A)
【文献】 特開2000−189466(JP,A)
【文献】 特開2005−022631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 17/00
A01B 69/00
B62K 5/01
A01D 34/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の駆動輪によって支持される走行機体と、
前記左右一対の駆動輪にそれぞれ連結され、前記左右一対の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる左右一対のモータと、
前記走行機体の後方に配置されると共に当該走行機体に連結され、作業者が搭乗可能な搭乗部と、
前記走行機体に対して左右に揺動可能に連結されるハンドルと、
前記搭乗部に搭乗した作業者の前後への体重移動を検出する体重移動検出センサと、
前記ハンドルの左右への揺動操作量を検出する揺動操作検出センサと、
前記体重移動検出センサ及び前記揺動操作検出センサによる検出値に基づいて、前記左右一対のモータの動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記ハンドルは、
当該ハンドルの中途部に設けられた揺動軸を中心として、当該ハンドルの先端側を前後に揺動可能に構成され
前記ハンドルの先端側には作業者が把持可能な把持部が形成され、
当該ハンドルの先端側は、
前記把持部が、前記揺動軸よりも前方位置から後方位置に亘って変位するように揺動可能である、
走行車両。
【請求項2】
前記体重移動検出センサは、
前後方向に位置をずらして配置された複数の荷重センサを含む、
請求項1に記載の走行車両。
【請求項3】
前記搭乗部は、
前記走行機体に連結される第一部材と、
前記第一部材の上方に配置され、作業者が搭乗する足載せ面が形成される第二部材と、
を含み、
前記体重移動検出センサは、
前記第一部材と前記第二部材との間に設けられる、
請求項2に記載の走行車両。
【請求項4】
前記揺動操作検出センサは、
前記ハンドルの左右への揺動角度を検出する回転角センサを含む、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の走行車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右一対の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる走行車両の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左右一対の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる走行車両の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、左右一対の駆動輪によって支持される走行機体と、前記左右一対の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる左右一対のモータと、を具備する走行車両が記載されている。
【0004】
また、走行車両を操作するための技術として、特許文献2に記載のような技術が公知となっている。特許文献2には、左右一対の操作レバーを具備する走行車両が記載されている。左右一対の操作レバーをそれぞれ操作することによって、左右一対の駆動輪を互いに独立して駆動させることができる。このような走行車両において、左右一対の操作レバーを前後方向に回動させることで、走行車両を任意の方向に走行させることができる。
【0005】
具体的には、左右一対の操作レバーを同じ量だけ回動させることで、走行車両を直進させることができる。また、左右一対の操作レバーを互いに異なる量だけ回動させることで、走行車両を左右いずれかへ操舵することができる。この際の操舵角は、左右一対の操作レバーの回動量の差に基づいて決定される。
【0006】
しかしながら、このような走行車両では、左右の操作レバーの回動量の差で走行車両の操舵角が決定されるため、作業者が所望の方向に走行車両を操舵するためには慣れが必要である点で、操作性に改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第8240414号明細書
【特許文献2】米国特許第8262104号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、左右一対の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる走行車両において、操作性に優れた走行車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1においては、左右一対の駆動輪によって支持される走行機体と、前記左右一対の駆動輪にそれぞれ連結され、前記左右一対の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる左右一対のモータと、前記走行機体の後方に配置されると共に当該走行機体に連結され、作業者が搭乗可能な搭乗部と、前記走行機体に対して左右に揺動可能に連結されるハンドルと、前記搭乗部に搭乗した作業者の前後への体重移動を検出する体重移動検出センサと、前記ハンドルの左右への揺動操作量を検出する揺動操作検出センサと、前記体重移動検出センサ及び前記揺動操作検出センサによる検出値に基づいて、前記左右一対のモータの動作を制御する制御部と、を具備し、前記ハンドルは、当該ハンドルの中途部に設けられた揺動軸を中心として、当該ハンドルの先端側を前後に揺動可能に構成され、前記ハンドルの先端側には作業者が把持可能な把持部が形成され、当該ハンドルの先端側は、前記把持部が、前記揺動軸よりも前方位置から後方位置に亘って変位するように揺動可能である
【0011】
請求項2においては、前記体重移動検出センサは、前後方向に位置をずらして配置された複数の荷重センサを含むものである。
【0012】
請求項3においては、前記搭乗部は、前記走行機体に連結される第一部材と、前記第一部材の上方に配置され、作業者が搭乗する足載せ面が形成される第二部材と、を含み、前記体重移動検出センサは、前記第一部材と前記第二部材との間に設けられるものである。
【0013】
請求項4においては、前記揺動操作検出センサは、前記ハンドルの左右への揺動角度を検出する回転角センサを含むものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、左右一対の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる走行車両において、操作性に優れた走行車両を提供することができる。すなわち作業者は、搭乗部に搭乗した状態で前後に体重移動すると共に、ハンドルを左右へ揺動操作することで、直感的に走行車両を運転することができる。
【0016】
請求項2においては、作業者の体重移動を容易に検出することができる。
【0017】
請求項3においては、作業者の体重移動を簡素な構成で検出することができる。
【0018】
請求項4においては、ハンドルの揺動操作量を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第一実施形態に係る走行車両に作業者が搭乗した様子を示した側面図。
図2】同じく、走行車両の側面図。
図3】同じく、背面図。
図4】同じく、後方斜視図。
図5】同じく、平面図。
図6】走行機体及び搭乗部を示した側面図。
図7】同じく、背面図。
図8】機体フレーム及び搭乗部を示した分解斜視図。
図9】搭乗部を示した分解斜視図。
図10】同じく、平面図。
図11】ハンドルと走行機体との連結部を示した側面図。
図12】同じく、背面図。
図13】走行車両の制御に関する構成を示した模式図。
図14】作業者がハンドルを左に揺動させた状態を示した背面図。
図15】(a)第二実施形態に係る搭乗部を示した側面模式図。(b)第三実施形態に係る搭乗部を示した側面模式図。
図16】(a)第五実施形態に係る搭乗部を示した側面模式図。(b)同じく、背面模式図。
図17】第六実施形態に係る搭乗部を示した側面模式図。
図18】第七実施形態に係る走行車両の制御に関する構成を示した模式図。
図19】同じく、走行機体及び搭乗部を示した側面図。
図20】第八実施形態に係る走行車両の制御に関する構成を示した模式図。
図21】同じく、走行機体及び搭乗部を示した側面図。
図22】第九実施形態に係る走行車両を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図中に示した矢印Uの方向を上方向、矢印Dの方向を下方向、矢印Lの方向を左方向、矢印Rの方向を右方向、矢印Fの方向を前方向、矢印Bの方向を後方向とそれぞれ定義して、説明を行う。
【0021】
以下では、図1から図5までを用いて、本発明の一実施形態(第一実施形態)に係る走行車両1の全体的な構成について説明する。
【0022】
走行車両1は、作業者が搭乗して走行すると共に、所定の作業を行うことが可能なものである。走行車両1は、主として走行機体10、原動部20、駆動輪30L及び駆動輪30R、搭乗部40、従動輪60L及び従動輪60R、ハンドル70並びにモーアユニット90を具備する。
【0023】
走行機体10は、左右一対の駆動輪30L及び駆動輪30Rによって支持される。走行機体10には、左右一対の駆動輪30L及び駆動輪30Rを駆動するための原動部20が設けられる。走行機体10の後部には作業者が搭乗する搭乗部40が連結される。搭乗部40の左右両端部には、従動輪60L及び従動輪60Rがそれぞれ設けられる。走行機体10の上部にはハンドル70が連結され、上方に向かって延びるように設けられる。走行機体10の前部には、芝刈り用の作業装置であるモーアユニット90が連結される。
【0024】
このように構成された走行車両1において、作業者は搭乗部40に乗ってハンドル70を手で掴むことで、走行車両1に安定して搭乗することができる。また作業者は、所定の操作を行うことで、左右一対の駆動輪30L及び駆動輪30Rをそれぞれ独立して駆動させ、走行車両1を任意に走行させることができる。すなわち作業者は、走行車両1を左右へ任意に操舵しながら前進又は後進させ、またその場で旋回させることができる。また作業者は、所定の操作を行うことで、モーアユニット90を駆動させ、芝刈り作業を行うことができる。
【0025】
以下では、走行車両1の各部の構成について説明する。
【0026】
図1及び図2図4から図8まで、並びに図11及び図12に示す走行機体10は、主として機体フレーム11及び機体カバー12を具備する。
【0027】
図4から図8までに示す機体フレーム11は、走行機体10の主たる構造体となるものである。機体フレーム11は、主として下部フレーム11a、側部フレーム11b、縦フレーム11c、上部フレーム11d、前部フレーム11e、ハンドル支持部11f及びスプリング支持板11gを具備する。下部フレーム11a、側部フレーム11b及び上部フレーム11dは、円筒状の部材を適宜折り曲げて形成される。
【0028】
下部フレーム11aは、機体フレーム11の底部を形成するものである。下部フレーム11aは、平面視略矩形状に形成される。下部フレーム11aの内側には平板11jが固定され、当該平板11jによって機体フレーム11の底面が形成される。下部フレーム11aの後端部には、後述する搭乗部40を連結するための連結ブラケット11hが設けられる。
側部フレーム11bは、機体フレーム11の左右両側部を形成するものである。側部フレーム11bは、側面視逆U字状に形成される。側部フレーム11bは左右に1つずつ配置され、下部フレーム11aの左右両端部にそれぞれ固定される。
縦フレーム11cは左右に2つずつ配置され、側部フレーム11bの上端部と下部フレーム11aの側部とを連結するように当該側部フレーム11bと下部フレーム11aに固定される。
上部フレーム11dは、左右の側部フレーム11bを連結するものである。上部フレーム11dは、背面視(正面視)逆U字状に形成される。上部フレーム11dの左右両端部は、それぞれ左右の側部フレーム11bの上部に固定される。
前部フレーム11eは、機体フレーム11の前部を形成するものである。前部フレーム11eの一端は上部フレーム11dの左右中央に連結される。前部フレーム11eの他端は前下方へと延設される。
【0029】
図11及び図12に示すハンドル支持部11fは、後述するハンドル70を支持するための部分である。ハンドル支持部11fは、上部フレーム11dの左右中央部の下部に固定される。ハンドル支持部11fには、前後方向に向かって貫通孔が形成される。
スプリング支持板11gは、矩形板状の部材である。スプリング支持板11gは、上部フレーム11dの左右中央部から後方に向かって延びるように、当該上部フレーム11dに固定される。
【0030】
このように構成された機体フレーム11によって囲まれた空間が、後述する原動部20の構成部材を収容するための収容空間Sとなる。
【0031】
図1及び図2に示す機体カバー12は、機体フレーム11の収容空間Sを覆うように当該機体フレーム11に固定される。当該機体カバー12によって、機体フレーム11や当該機体フレーム11に設けられる機器(後述する原動部20)を覆い隠すことができる。
【0032】
図4図6及び図7に示す原動部20は、駆動輪30L及び駆動輪30Rを駆動するための動力を発生させると共に当該動力を駆動輪30L及び駆動輪30Rへと伝達するためのものである。原動部20は、主としてバッテリ21、左側モータ22L及び右側モータ22R、左側動力伝達機構23L及び右側動力伝達機構23R並びにコントローラボックス24を具備する。
【0033】
バッテリ21は、走行車両1を運転させるための電力が蓄えられるものである。バッテリ21は、機体フレーム11の下部フレーム11a上に固定される。バッテリ21は、収容空間Sの下部において、当該収容空間Sの前端部から後端部までに亘るように配置される。
【0034】
左側モータ22L及び右側モータ22Rは、本発明に係るモータの実施の一形態であり、左右一対の駆動輪30L及び駆動輪30Rをそれぞれ独立して駆動させるための動力源である。左側モータ22L及び右側モータ22Rは、供給される電力を用いて回転動力を発生させることができる。左側モータ22L及び右側モータ22Rは、収容空間S内に左右に並べて配置される。左側モータ22L及び右側モータ22Rは、バッテリ21のすぐ上方で、かつ収容空間Sの前後略中央部に配置される。
【0035】
左側動力伝達機構23L及び右側動力伝達機構23Rは、本発明に係る動力伝達機構の実施の一形態であり、左側モータ22L及び右側モータ22Rからの動力を適宜減速させた後に、左右一対の駆動輪30L及び駆動輪30Rにそれぞれ伝達するためのものである。左側動力伝達機構23Lは左側モータ22Lに連結され、機体フレーム11の左側面(縦フレーム11c)に固定される。右側動力伝達機構23Rは右側モータ22Rに連結され、機体フレーム11の右側面(縦フレーム11c)に固定される。左側動力伝達機構23Lの車軸(出力軸)は駆動輪30Lに、右側動力伝達機構23Rの車軸は駆動輪30Rに、それぞれ連結される。左側動力伝達機構23Lの車軸と右側動力伝達機構23Rの車軸は同一軸線上に配置されているため、左右一対の駆動輪30L及び駆動輪30Rが同一軸線上に配置されることになる。
【0036】
コントローラボックス24は、走行車両1の運転を制御するための機器(具体的には、後述する制御部24a、左側インバータ24b、右側インバータ24c及び作業用インバータ24d等)を収容するものである。コントローラボックス24は、収容空間Sの上部において、左側モータ22L及び右側モータ22Rの前方から上方を介して後方に亘るように配置される。
なお、コントローラボックス24に収容された制御部24a等については後述する。
【0037】
駆動輪30L及び駆動輪30Rは、走行機体10を支持すると共に、回転することで当該走行機体10を走行させるためのものである。駆動輪30L及び駆動輪30Rは、原動部20(左側動力伝達機構23L及び右側動力伝達機構23R)を介して走行機体10を支持する。
【0038】
ここで、側面視(図6参照)において、原動部20の構成部材の一部は駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複する位置に配置されている。具体的には、左側モータ22L、右側モータ22R、左側動力伝達機構23L及び右側動力伝達機構23Rは、その全体が駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複する位置に配置されている。このように、原動部20の構成部材を側面視において駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複するように配置することで、走行車両1のコンパクト化を図ることができる。
【0039】
図7から図10までに示す搭乗部40は、走行機体10の後方に配置されると共に当該走行機体10に連結され、作業者が搭乗可能なものである。搭乗部40は、主として第一部材41及び第二部材43を具備する。
【0040】
第一部材41は、板状の部材である。第一部材41は、主として中央部41a、左側部41b及び右側部41cを具備する。
【0041】
中央部41aは、平面視矩形状に形成された部分である。左側部41b及び右側部41cは、第一部材41の左端部及び右端部をそれぞれ盛り上がるように折り曲げて形成された部分である。
【0042】
第一部材41の底面には、長手方向を略前後方向に向けた円筒状の連結部41dが設けられる。揺動軸42が機体フレーム11の連結ブラケット11h及び連結部41dに回動可能に挿通されることによって、第一部材41が当該連結ブラケット11hに連結される。揺動軸42は、その長手方向を略前後方向に向けて配置される。第一部材41は、揺動軸42を中心として走行機体10に対して左右に揺動することができる。
【0043】
第二部材43は、板状の部材である。第二部材43は、平面視において、第一部材41の中央部41aよりも一回り小さい矩形状に形成される。第二部材43の左右中央部には、仕切り部43aが形成される。仕切り部43aは、第二部材43の左右中央部を前後に亘って盛り上げるように形成された部分である。仕切り部43aの前端部には、当該仕切り部43aの内部と外部とを連通する開口部43bが形成される。仕切り部43aによって、第二部材43の上面が左右に仕切られることになる。このように仕切られた第二部材43の上面のうち左側の面を、作業者の左足を載せるための左側足載せ面44Lとする。また同様に、第二部材43の上面のうち右側の面を、作業者の右足を載せるための右側足載せ面44Rとする。第二部材43に仕切り部43aを形成することで、作業者の左足を載せる部分及び右足を載せる部分を明確に区別することができる。第二部材43は、第一部材41の中央部41aの上部に配置される。
【0044】
また、第一部材41と第二部材43との間には、複数の荷重センサ(左前部荷重センサ50a、左後部荷重センサ50b、右前部荷重センサ50c及び右後部荷重センサ50d)が配置される。前記複数の荷重センサは、本発明に係る体重移動検出センサの実施の一形態である。具体的には、第一部材41の上面に配置された当該複数の荷重センサの上に第二部材43が載置される。当該複数の荷重センサは、第二部材43に加わる荷重(具体的には、第二部材43に搭乗した作業者による荷重)を検出することができる。
【0045】
左前部荷重センサ50aは、平面視において第二部材43の左側足載せ面44Lの前端部近傍に配置される。
左後部荷重センサ50bは、平面視において左前部荷重センサ50aの後方、かつ第二部材43の左側足載せ面44Lの後端部近傍に配置される。
右前部荷重センサ50cは、平面視において第二部材43の右側足載せ面44Rの前端部近傍(仕切り部43aを挟んで左前部荷重センサ50aと対称な位置)に配置される。
右後部荷重センサ50dは、平面視において第二部材43の右側足載せ面44Rの後端部近傍(仕切り部43aを挟んで左後部荷重センサ50bと対称な位置)に配置される。
【0046】
このように、左前部荷重センサ50a及び右前部荷重センサ50cと、左後部荷重センサ50b及び右後部荷重センサ50dとは、前後方向に位置をずらして配置される。また、左前部荷重センサ50a及び左後部荷重センサ50bと、右前部荷重センサ50cと右後部荷重センサ50dとは、左右方向に位置をずらして配置される。
【0047】
左前部荷重センサ50a、左後部荷重センサ50b、右前部荷重センサ50c及び右後部荷重センサ50dに接続された配線51は、左右中央へと集められ、第二部材43の仕切り部43a内の空間を通って前方へと案内される。当該配線51は、開口部43bを介して仕切り部43aの外部へと案内され、後述する制御部24aに接続される。
【0048】
従動輪60L及び従動輪60Rは、搭乗部を支持するものである。従動輪60L及び従動輪60Rは、それぞれ第一部材41の左側部41b及び右側部41cの下部に設けられる。従動輪60L及び従動輪60Rは非駆動輪であり、走行車両1の移動に応じて自在に向きを変えながら回転することが可能である。
【0049】
図2から図4まで、並びに図11及び図12に示すハンドル70は、本発明に係るハンドル及び保持部の実施の一形態であり、走行機体10に対して左右に揺動可能に連結されるものである。ハンドル70は、主として支点軸71、ハンドル本体部72、把持部73及び作業スイッチ74を具備する。
【0050】
図11及び図12に示す支点軸71は、ハンドル70の揺動支点となるものである。支点軸71は、その長手方向を前後方向に向けた状態で、機体フレーム11のハンドル支持部11fの貫通孔に回動可能に挿通される。
【0051】
図2から図4までに示すハンドル本体部72は、ハンドル70の主たる構造体となるものである。ハンドル本体部72は、走行機体10の後上部から上方に向かって延びるように設けられる。
【0052】
図11及び図12に示すように、ハンドル本体部72の下端部近傍は左右に分岐され、左右一対のスペーサ72aを介して支点軸71の後端部に固定される。これによって、ハンドル本体部72が走行機体10に対して左右に揺動可能に連結される。
【0053】
ハンドル本体部72の下端部近傍(支点軸71よりも上方)には、左右一対の左スプリング支持板75L及び右スプリング支持板75Rが設けられる。当該左スプリング支持板75L及び右スプリング支持板75Rは、機体フレーム11のスプリング支持板11gの後端部を挟むように配置される。左スプリング支持板75Lとスプリング支持板11gとの間には、圧縮コイルばねである左スプリング76Lが配置される。右スプリング支持板75Rとスプリング支持板11gとの間には、圧縮コイルばねである右スプリング76Rが配置される。左スプリング76L及び右スプリング76Rのばね定数は同じ値になるように予め設定される。当該左スプリング76L及び右スプリング76Rがハンドル本体部72を左右均等に付勢することで、当該ハンドル本体部72が直立した状態で保持される。
【0054】
図2から図4までに示す把持部73は、搭乗部40に搭乗した作業者が手で握ることが可能な部分である。把持部73は、ハンドル本体部72の上端部から左右に向かって延びるように形成される。把持部73の高さ(すなわち、ハンドル本体部72の上端部の高さ)は、搭乗部40に搭乗した作業者が手で握り易い高さ(例えば、作業者の胸と同等の高さ(図1参照))になるように予め設定される。
【0055】
作業スイッチ74は、後述するモーアユニット90の運転の入り切りを切り替えるための操作具である。作業スイッチ74は、ハンドル本体部72の上下中途部に設けられる。
【0056】
このように構成されたハンドル70において、作業者は、支点軸71を揺動支点として当該ハンドル70(ハンドル本体部72)を左右に揺動操作することができる。この際、ハンドル本体部72は、左スプリング76L及び右スプリング76Rによって直立した状態に復帰するように付勢されており(図12参照)、ハンドル本体部72の揺動操作量が大きくなるほど当該付勢力も大きくなる。これによって、作業者は揺動させたハンドル本体部72を直立した状態に容易に戻すことができ、ハンドル70の操作性を向上させることができる。
【0057】
また、ハンドル70の支点軸71は原動部20(走行機体10の収容空間S)の上方に位置することになる。すなわち、図2に示すように、支点軸71は、搭乗部40の足載せ面(左側足載せ面44L及び右側足載せ面44R)よりも高い位置に設けられる。具体的には、支点軸71は、搭乗部40の前記足載せ面から高さhの位置に設けられる。この高さhは、搭乗部40の前記足載せ面から把持部73までの高さHの半分以下の高さとなるように、支点軸71の取り付け位置が設定される。特に本実施形態においては、高さhは、高さHの3分の1以上の高さとなるように設定されている。すなわち、本実施形態においては、H/3≦h≦H/2の関係が成立する。
【0058】
また、図11に示すように、支点軸71の前端部には回転角センサ80が連結される。回転角センサ80は、本発明に係る揺動操作検出センサの実施の一形態である。回転角センサ80は、ポテンショメータによって構成される。回転角センサ80は、前部フレーム11eの上端部近傍に固定されると共に、支点軸71の前端部に連結される。これによって、回転角センサ80は支点軸71の回転角度を検出することができ、ひいてはハンドル70の揺動操作量を検出することができる。
【0059】
図2図4及び図5に示すモーアユニット90は、本発明に係る作業装置の実施の一形態であり、芝刈り作業を行うための作業装置である。モーアユニット90は、走行機体10の前方に配置されると共に当該走行機体10に連結される。モーアユニット90は、主としてブレード91、ブレードモータ92、ゲージ輪93及び昇降リンク94を具備する。
【0060】
モーアユニット90には2つのブレード91が回転可能に設けられる。ブレードには、当該ブレード91を駆動させるためのブレードモータ92がそれぞれ連結される。モーアユニット90の前端部には、走行車両1の移動に応じて自在に向きを変えながら回転することが可能なゲージ輪93が設けられる。モーアユニット90は、昇降リンク94を介して走行機体10に対して昇降可能に連結される。
【0061】
以下では、図13を用いて、走行車両1の運転を制御するための構成について説明する。
【0062】
制御部24aは、接続された各機器の動作を制御するものである。制御部24aは、記憶部、演算処理部等により構成される。制御部24aには、各機器を制御するためのプログラムや種々のデータが記憶される。
【0063】
制御部24aは左前部荷重センサ50a、左後部荷重センサ50b、右前部荷重センサ50c及び右後部荷重センサ50dに接続され、これらの荷重センサによる荷重の検出結果を受信することができる。
制御部24aは回転角センサ80に接続され、当該回転角センサ80によるハンドル70の揺動操作量の検出結果を受信することができる。
制御部24aは作業スイッチ74に接続され、当該作業スイッチ74の操作に関する信号を受信することができる。
【0064】
制御部24aは左側インバータ24bに接続され、当該左側インバータ24bの運転を制御することができる。制御部24aは、左側インバータ24bを介してバッテリ21からの電力を左側モータ22Lへと任意に供給することで、駆動輪30Lの回転速度を任意に制御することができる。
制御部24aは右側インバータ24cに接続され、当該右側インバータ24cの運転を制御することができる。制御部24aは、右側インバータ24cを介してバッテリ21からの電力を右側モータ22Rへと任意に供給することで、駆動輪30Rの回転速度を任意に制御することができる。
制御部24aは作業用インバータ24dに接続され、当該作業用インバータ24dの運転を制御することができる。制御部24aは、作業用インバータ24dを介してバッテリ21からの電力をブレードモータ92へと供給することで、ブレード91を回転させて芝刈り作業を行うことができる。
【0065】
以下では、上述の如く構成された走行車両1を作業者が運転する際に、制御部24aによって行われる制御について説明する。
【0066】
走行車両1を運転する場合、作業者は搭乗部40に搭乗し、ハンドル70の把持部73を手で握る(図1参照)。この際、作業者の左足は左側足載せ面44Lに、右足は右側足載せ面44Rにそれぞれ載置される(図10参照)。
【0067】
作業者が体重を前後に移動させる(具体的には、爪先又は踵に体重をかける)と、制御部24aは当該作業者の前後への体重移動に基づいて、走行車両1を前進又は後進させる。以下、具体的に説明する。
【0068】
制御部24aは、複数の荷重センサ(左前部荷重センサ50a、左後部荷重センサ50b、右前部荷重センサ50c及び右後部荷重センサ50d)によって常時検出される荷重に基づいて、作業者の前後への体重移動を算出する。具体的には、制御部24aは、左前部荷重センサ50a及び右前部荷重センサ50cによって検出される荷重の合計値と、左後部荷重センサ50b及び右後部荷重センサ50dによって検出される荷重の合計値とのバランスの変化から、作業者の体重移動を算出する。
【0069】
なお、体重移動の算出の基準となる前記複数の荷重センサの検出値(前進も後進もしない時の検出値)は任意の方法で設定することができる。例えば、予め制御部24aに記憶させておくことや、作業者が搭乗部40に搭乗した際の前記複数の荷重センサの検出値を制御部24aに記憶させる構成とすることが可能である。
【0070】
制御部24aは、作業者の体重移動が発生したと判断した場合には左側モータ22L及び右側モータ22Rに電力を供給し、駆動輪30L及び駆動輪30Rを駆動させる。具体的には、前方への体重移動が発生した場合には、制御部24aは駆動輪30L及び駆動輪30Rを前転させ、走行車両1を前進させる。また、後方への体重移動が発生した場合には、制御部24aは駆動輪30L及び駆動輪30Rを後転させ、走行車両1を後進させる。また制御部24aは、作業者の体重移動量が大きいほど駆動輪30L及び駆動輪30Rの回転速度を増加させ、走行車両1を高速で前進又は後進させる。
【0071】
また、作業者がハンドル70を左右に揺動させると、制御部24aは当該ハンドル70の揺動操作量に基づいて、走行車両1を左又は右に旋回させる。以下、具体的に説明する。
【0072】
制御部24aは、回転角センサ80によって常時検出されるハンドル70の揺動操作量に基づいて、左側モータ22L及び右側モータ22Rに電力を供給し、駆動輪30L及び駆動輪30Rを駆動させる。具体的には、制御部24aは、ハンドル70が左へと揺動操作されると(図14参照)、駆動輪30Lを後転させると共に駆動輪30Rを前転させ、走行車両1をその場で左方向へと旋回させる。また制御部24aは、ハンドル70が右へと揺動操作されると、駆動輪30Lを前転させると共に駆動輪30Rを後転させ、走行車両1をその場で右方向へと旋回させる。
【0073】
さらに制御部24aは、作業者の体重移動とハンドル70の揺動操作が同時に行われると、走行車両1を前進又は後進させながら左右へと旋回(すなわち、左折又は右折)させることができる。このように、作業者は体重移動とハンドル70の揺動操作を行うことで、直感的に走行車両1を運転することができる。
【0074】
また、作業者が作業スイッチ74を操作(ON操作)すると、制御部24aはブレードモータ92に電力を供給し、ブレード91を回転させる。この状態で走行車両1を走行させることで、芝刈り作業を行うことができる。さらに作業者が作業スイッチ74を操作(OFF操作)すると、制御部24aはブレードモータ92への電力の供給を停止し、ブレード91の回転を停止させる。
【0075】
以下では、ハンドル70を揺動操作する際の当該ハンドル70の傾斜と作業者の姿勢との関係について説明する。
【0076】
図14に示すように、ハンドル70の揺動支点となる支点軸71の前記足載せ面からの高さhは、把持部73の前記足載せ面からの高さHの半分以下で、かつ3分の1以上の高さとなるように設定されている。
【0077】
このように、ハンドル70の揺動支点をできるだけ低い位置に配置することで、当該ハンドル70を揺動操作した際の当該ハンドル70の左右への傾斜角度と作業者の姿勢の左右への傾斜角度との差を小さくすることができる。これによって、ハンドル70を操作するときの違和感を無くし、当該ハンドル70の操作性を向上させることができる。
【0078】
さらに、前記足載せ面からハンドル70の揺動支点までの高さhを最低限(H/3以上)確保することで、当該ハンドル70の下方に他の機器を配置するためのスペースを確保することができる。本実施形態においては、ハンドル70の下方に原動部20を配置することで、走行車両1のコンパクト化を図ることができる。
【0079】
以下では、本発明に係る走行車両の第二実施形態について説明する。
【0080】
第一実施形態に係る搭乗部40においては、前記複数の荷重センサを用いて作業者の体重移動を検出する構成としたが、回転角センサ52を用いて作業者の体重移動を検出する構成とすることも可能である。
【0081】
具体的には、図15(a)に示すように、第二部材43を、回転軸45を介して第一部材41の上部に回動可能となるように連結する。回転軸45は長手方向を左右方向に向けた状態で、第二部材43の前後方向中央部に配置される。回転軸45は、第二部材43に固定され、当該第二部材43と一体的に回転可能である。第二部材43に搭乗した作業者の体重移動によって、当該第二部材43は前後に回転(揺動)することができる。第二部材43の前後両端部の下方には、スプリング46がそれぞれ配置される。当該スプリング46によって、第二部材43が第一部材41と平行になる位置に復帰するように付勢される。また、回転軸45には回転角センサ52が設けられる。当該回転角センサ52によって、回転軸45の回転角度を検出することができ、ひいては第一部材41に対する第二部材43の揺動角度を検出することができる。
【0082】
制御部24aは、回転角センサ52によって検出される第二部材43の揺動角度から、作業者の体重移動を算出することができる。当該制御部24aは、算出された作業者の体重移動に基づいて駆動輪30L及び駆動輪30Rを駆動させ、走行車両1を前進又は後進させることができる。
【0083】
以下では、本発明に係る走行車両の第三実施形態について説明する。
【0084】
第二実施形態に係る搭乗部40においては、回転角センサ52を用いて作業者の体重移動を検出する構成としたが、リミットスイッチ53を用いて作業者の体重移動を検出する構成とすることも可能である。
【0085】
具体的には、図15(b)に示すように、第一部材41の上面の前端部及び後端部に、接触式のリミットスイッチ53を配置する。第二部材43が第一部材41に対して所定の角度だけ前後に揺動すると、当該第二部材43の前端部又は後端部がリミットスイッチ53に接触する。これによって、第一部材41に対して第二部材43が前方又は後方に揺動したことを検出することができる。
【0086】
制御部24aは、第二部材43が前方に揺動したことを検出した場合には駆動輪30L及び駆動輪30Rを前転させ、走行車両1を前進させる。また制御部24aは、第二部材43が後方に揺動したことを検出した場合には駆動輪30L及び駆動輪30Rを後転させ、走行車両1を後進させる。
【0087】
なお、第三実施形態においては接触式のリミットスイッチ53を用いる構成としたが、その他のセンサ(接触式のセンサや非接触式のセンサ)を用いることも可能である。
【0088】
以下では、本発明に係る走行車両の第四実施形態について説明する。
【0089】
第一実施形態に係る走行車両1においては、ハンドル70の揺動操作量に基づいて走行車両1を左又は右に旋回させる構成としたが、作業者の体重移動に基づいて走行車両1を左又は右に旋回させる構成とすることも可能である。以下、図10を参照しながら具体的に説明する。
【0090】
制御部24aは、前記複数の荷重センサによって常時検出される荷重に基づいて、作業者の前後への体重移動及び左右への体重移動を算出する。具体的には、制御部24aは、左前部荷重センサ50a及び右前部荷重センサ50cによって検出される荷重の合計値と、左後部荷重センサ50b及び右後部荷重センサ50dによって検出される荷重の合計値とのバランスの変化から、作業者の前後への体重移動を算出する。また制御部24aは、左前部荷重センサ50a及び左後部荷重センサ50bによって検出される荷重の合計値と、右前部荷重センサ50c及び右後部荷重センサ50dによって検出される荷重の合計値とのバランスの変化から、作業者の左右への体重移動を算出する。
【0091】
制御部24aは、前後への体重移動が発生したと判断した場合には、駆動輪30L及び駆動輪30Rを駆動させ、走行車両1を前進又は後進させる。制御部24aは、前後への体重移動量が大きいほど走行車両1を高速で前進又は後進させる。
【0092】
また制御部24aは、左右への体重移動が発生したと判断した場合には、駆動輪30L及び駆動輪30Rを相反する方向に回転させ、走行車両1を左又は右に旋回させる。制御部24aは、左右への体重移動量が大きいほど走行車両1を高速で左又は右に旋回させる。
【0093】
さらに制御部24aは、前後への体重移動と左右への体重移動が同時に発生した場合には、走行車両1を前進又は後進させながら左右へと旋回(すなわち、左折又は右折)させる。このように、作業者は体重移動だけで直感的に走行車両1を運転することができる。
【0094】
当該第四実施形態に係る走行車両1では、ハンドル70の揺動操作量に基づく駆動輪30L及び駆動輪30Rの制御を行うことはない。このため、ハンドル70は揺動不可能となるように、走行機体10に対して固定されていても良い。
【0095】
なお、第四実施形態においては、作業者の左右への体重移動だけで走行車両1を左又は右に旋回させるものとしたが、それに加えてハンドル70の左右への揺動操作量に基づいて走行車両1を左又は右に旋回させる構成とすることも可能である。例えば、左右への体重移動のみが検出された場合には走行車両1を緩やかに旋回させ、左右への体重移動に加えてハンドル70の揺動操作が検出された場合には走行車両1を素早く旋回させる構成とすることも可能である。
【0096】
以下では、本発明に係る走行車両の第五実施形態について説明する。
【0097】
第四実施形態に係る搭乗部40においては、前記複数の荷重センサを用いて作業者の体重移動を検出する構成としたが、第一回転角センサ54a及び第二回転角センサ54bを用いて作業者の体重移動を検出する構成とすることも可能である。
【0098】
具体的には、図16に示すように、搭乗部40の第二部材43のさらに上方に第三部材47を設ける。第一部材41と第二部材43との間には回転軸48aを設ける。回転軸48aを中心として、第二部材43は第一部材41に対して前後に揺動することができる。回転軸48aには第一回転角センサ54aが設けられ、第二部材43の揺動角度を検出することができる。また第二部材43と第三部材47との間には回転軸48bを設ける。回転軸48bを中心として、第三部材47は第二部材43に対して左右に揺動することができる。回転軸48bには第二回転角センサ54bが設けられ、第三部材47の揺動角度を検出することができる。第二部材43の前後両端部の下方(第一部材41との間)にはスプリング46がそれぞれ配置される。当該スプリング46によって、第二部材43が第一部材41と平行になる位置に復帰するように付勢される。また、第三部材47の左右両端部の下方(第二部材43との間)にはスプリング46がそれぞれ配置される。当該スプリング46によって、第三部材47が第二部材43と平行になる位置に復帰するように付勢される。
【0099】
このように構成された搭乗部40において、作業者は第三部材47に搭乗する。制御部24aは第一回転角センサ54aによって検出される第二部材43の揺動角度から、作業者の前後への体重移動を算出することができる。また制御部24aは第二回転角センサ54bによって検出される第三部材47の揺動角度から、作業者の左右への体重移動を算出することができる。
【0100】
なお、第五実施形態においては、第一回転角センサ54a及び第二回転角センサ54bを用いたが、第三実施形態と同様にリミットスイッチを用いて作業者の前後及び左右への体重移動を検出することも可能である。
【0101】
以下では、本発明に係る走行車両の第六実施形態について説明する。
【0102】
第五実施形態に係る搭乗部40においては、回転軸(回転軸48a及び回転軸48b)を用いて作業者が搭乗する部材(第三部材47)を前後及び左右に揺動可能としたが、ボールジョイント49を用いることも可能である。
【0103】
具体的には、図17に示すように、第二部材43の中央部の下方(第一部材41との間)にボールジョイント49を設ける。ボールジョイント49の球体部49aは第二部材43に、ボールジョイント49の受け皿49bは第一部材41に、それぞれ固定される。球体部49aが受け皿49bによって摺動可能に支持されることで、第二部材43は第一部材41に対して任意の方向に揺動することができる。第二部材43にはジャイロセンサ55が設けられ、当該第二部材43の揺動方向及び揺動角度を検出することができる。第二部材43の前後両端部の下方(第一部材41との間)及び左右両端部の下方にはスプリング46がそれぞれ配置される。当該スプリング46によって、第二部材43が第一部材41と平行になる位置に復帰するように付勢される。
【0104】
なお、図17においては、第二部材43の左右両端部の下方に配置されたスプリング46の図示を省略している。また、スプリング46の個数は限定するものではなく、第二部材43が第一部材と平行になる位置に復帰するように付勢することができれば良い。
【0105】
このように構成された搭乗部40において、作業者は第二部材43に搭乗する。制御部24aはジャイロセンサ55によって検出される第二部材43の揺動方向及び揺動角度から、作業者の前後及び左右への体重移動を算出することができる。
【0106】
なお、第六実施形態においてはジャイロセンサ55を用いたが、第三実施形態と同様にリミットスイッチを用いて作業者の前後及び左右への体重移動を検出することも可能である。
【0107】
以下では、本発明に係る走行車両の第七実施形態について説明する。
【0108】
第一実施形態に係る走行車両1は、バッテリ21に蓄えられた電力を用いて駆動輪30L及び駆動輪30Rを駆動させる構成としたが、エンジン100の動力を用いて駆動輪30L及び駆動輪30Rを駆動させる構成とすることも可能である。
【0109】
具体的には、図18に示すように、第七実施形態に係る走行車両1は、原動部20にエンジン100、減速装置101、左側油圧ポンプ102L、右側油圧ポンプ102R、左側油圧モータ104L、右側油圧モータ104R及び作業用クラッチ105を具備している。
【0110】
エンジン100の動力は減速装置101によって適宜減速され、左側油圧ポンプ102L及び右側油圧ポンプ102Rにそれぞれ伝達される。左側油圧ポンプ102L及び右側油圧ポンプ102Rは、エンジン100からの動力を用いて作動油を圧送する。左側油圧ポンプ102L及び右側油圧ポンプ102Rから圧送される作動油は、左側油圧モータ104L及び右側油圧モータ104Rへとそれぞれ供給される。左側油圧モータ104Lは駆動輪30Lに、右側油圧モータ104Rは駆動輪30Rにそれぞれ連結され、左側油圧モータ104L及び右側油圧モータ104Rは駆動輪30L及び駆動輪30Rをそれぞれ駆動させることができる。制御部24aは左側油圧ポンプ102L及び右側油圧ポンプ102Rの動作(より具体的には、作動油の吐出量)を制御することで、左側油圧モータ104L及び右側油圧モータ104Rへと供給される作動油を制御することができ、ひいては駆動輪30L及び駆動輪30Rの回転を制御することができる。なお、左側油圧ポンプ102L及び左側油圧モータ104Lによって左側HST(静油圧式無段変速装置)106Lが形成される。また右側油圧ポンプ102R及び右側油圧モータ104Rによって右側HST106Rが形成される。
【0111】
また、エンジン100の動力は減速装置101を介して作業用クラッチ105に伝達される。この際、エンジン100から作業用クラッチ105に伝達される動力は、減速装置101によって減速されていても減速されていなくても良い。作業用クラッチ105に伝達された動力は、動力伝達のためのベルトを介してモーアユニット90のブレード91へと伝達される。また、作業用クラッチ105の動作は制御部24aによって制御される。当該作業用クラッチ105を任意に入り切り操作することで、ブレード91を回転させたり停止させたりすることができる。
【0112】
図19に示すように、第七実施形態に係る原動部20も、第一実施形態と同様に機体フレーム11の収容空間S内に配置される。具体的には、エンジン100は収容空間Sの後部に配置され、減速装置101は収容空間Sの前後中央部に配置される。また、左側HST106L及び右側HST106Rは減速装置101の上方に配置される。制御部24a等が収容されるコントローラボックス24は、収容空間Sの上部に配置される。
【0113】
第七実施形態においても、第一実施形態と同様に、原動部20の構成部材の一部は側面視において駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複する位置に配置されている。具体的には、図19に示すように、減速装置101、左側HST106L及び右側HST106Rは、その全体が駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複する位置に配置されている。このように、原動部20の構成部材を側面視において駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複するように配置することで、走行車両1のコンパクト化を図ることができる。
【0114】
以下では、本発明に係る走行車両の第八実施形態について説明する。
【0115】
第七実施形態に係る走行車両1は、左右の油圧ポンプ(左側油圧ポンプ102L及び右側油圧ポンプ102R)を用いて作動油を圧送する構成としたが、1つの油圧ポンプ102を用いて作動油を圧送する構成とすることも可能である。
【0116】
具体的には、図20に示すように、第八実施形態に係る走行車両1は、原動部20にエンジン100、減速装置101、油圧ポンプ102、左調整弁103L、右調整弁103R、左側油圧モータ104L、右側油圧モータ104R及び作業用クラッチ105を具備している。
【0117】
エンジン100の動力は減速装置101によって適宜減速され、油圧ポンプ102に伝達される。油圧ポンプ102は、エンジン100からの動力を用いて作動油を圧送する。油圧ポンプ102から圧送される作動油は、左調整弁103L及び右調整弁103Rを介して左側油圧モータ104L及び右側油圧モータ104Rへと供給される。左側油圧モータ104Lは駆動輪30Lに、右側油圧モータ104Rは駆動輪30Rにそれぞれ連結され、左側油圧モータ104L及び右側油圧モータ104Rは駆動輪30L及び駆動輪30Rをそれぞれ駆動させることができる。制御部24aは左調整弁103L及び右調整弁103Rの動作を制御することで、左側油圧モータ104L及び右側油圧モータ104Rへと供給される作動油を制御することができ、ひいては駆動輪30L及び駆動輪30Rの回転を制御することができる。
【0118】
図21に示すように、第八実施形態に係る原動部20も、第一実施形態と同様に機体フレーム11の収容空間S内に配置される。具体的には、エンジン100は収容空間Sの後部に配置され、減速装置101は収容空間Sの前後中央部に配置され、油圧ポンプ102は収容空間Sの前部に配置される。また、左側油圧モータ104L及び右側油圧モータ104Rは減速装置101の上方に配置される。制御部24a等が収容されるコントローラボックス24は、収容空間Sの上部に配置される。
【0119】
第八実施形態においても、第一実施形態と同様に、原動部20の構成部材の一部は側面視において駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複する位置に配置されている。具体的には、図21に示すように、減速装置101、油圧ポンプ102、左側油圧モータ104L及び右側油圧モータ104Rは、その全体が駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複する位置に配置されている。このように、原動部20の構成部材を側面視において駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複するように配置することで、走行車両1のコンパクト化を図ることができる。
【0120】
以下では、本発明に係る走行車両の第九実施形態について説明する。
【0121】
第九実施形態においては、図22に示すように、搭乗部40及びハンドル70が前後に揺動可能となるように構成される。具体的には、搭乗部40の前端部は走行機体10に対して回動可能に連結される。搭乗部40の後端部を持ち上げることで当該搭乗部40を前方に揺動させて折り畳むことができる。当該搭乗部40は、前方に揺動した状態(後端部を上方に向けた状態)の姿勢で、図示せぬ保持機構によって保持される。
【0122】
また、ハンドル70は、ハンドル本体部72の上下中途部に揺動軸が設けられ、当該揺動軸を中心として先端側(把持部73側)を前後に揺動させることができる。当該ハンドル70の先端側は、図示せぬ保持機構によって任意の位置で保持することができる。
【0123】
このように構成することで、作業者は搭乗部40に搭乗することなく、歩きながら走行車両1を運転することができる。この際、ハンドル70を所望の位置まで前後に揺動させることで、当該ハンドル70を持ち易い位置に調節することができる。なお、この場合には作業者の体重移動を検出することができないため、ハンドル70に走行車両1を運転するための操作具(不図示)が設けられる。
【0124】
なお、上記各実施形態においては、搭乗部40の左側部41b及び右側部41cを支持するように従動輪(従動輪60L及び従動輪60R)を設ける構成としたが、他の部分に従動輪を設ける構成とすることも可能である。例えば、搭乗部40の中央部41aの下方に従動輪を1つ設ける構成や、機体フレーム11(下部フレーム11a)の後部に従動輪を設ける構成とすることも可能である。すなわち、従動輪を駆動輪30L及び駆動輪30Rの回転軸線上とは異なる任意の位置に配置して、走行車両1を支持するように構成することが可能である。また従動輪の個数を限定するものでもなく、いくつ設けても良い。
【0125】
また、上記各実施形態においては、作業装置としてモーアユニット90を例示したが、その他の作業装置(例えば、除雪装置等)を用いることも可能である。
【0126】
また、上記各実施形態においては、回転角センサ(回転角センサ80等)はポテンショメータによって構成されるものとしたが、回転角度を検出することができるものであればその他のセンサ(ロータリエンコーダ、ジャイロセンサ等)を用いることも可能である。
【0127】
また、上記各実施形態においては、作業者の体重移動及びハンドル70の揺動操作に基づいて走行車両1を運転するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ハンドル70にジョイスティック等の操作具を設け、作業者の体重移動と当該操作具の操作に基づいて走行車両1を運転する構成とすることも可能である。
【0128】
また、上記各実施形態において説明したハンドル70は一例であり、その形状等(例えば、把持部73の形状や位置等)は任意に変更することが可能である。この際、ハンドル70の揺動支点となる支点軸71の高さは、把持部73の前記足載せ面からの高さの半分以下で、かつ3分の1以上の高さとなるように設定されることが望ましい。
【0129】
また、上記各実施形態において説明した荷重センサの個数や配置は一例であり、その個数や配置を限定するものではない。例えば荷重センサの個数を増やすことで、作業者の体重移動の検出精度の向上を図ることや、いずれかの荷重センサが故障した際の走行車両1の動作不良の防止を図ることが可能となる。
【0130】
また、上記各実施形態において説明した原動部20の各部材の配置は一例であり、側面視において駆動輪30L及び駆動輪30Rと重複する位置に可能な限りの部材を配置することで、走行機体10のコンパクト化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0131】
1 走行車両
10 走行機体
20 原動部
21 バッテリ
22L 左側モータ
22R 右側モータ
23L 左側動力伝達機構
23R 右側動力伝達機構
24 コントローラボックス
24a 制御部
30L 駆動輪
30R 駆動輪
40 搭乗部
41 第一部材
43 第二部材
50a 左前部荷重センサ
50b 左後部荷重センサ
50c 右前部荷重センサ
50d 右後部荷重センサ
70 ハンドル
80 回転角センサ
90 モーアユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22